JP7442740B2 - 高周波スイッチ - Google Patents

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Description

本開示は、高周波スイッチに関する。
高周波スイッチは、高周波信号を用いる機器において、高周波信号の経路を切り替えるスイッチである。
高周波スイッチの中には、無線通信機器において送信と受信といった2経路を切り替える高周波スイッチとして、例えば非特許文献1に記載されるような、スイッチング素子を用いたSPDT(Single-Pole Double-Throw)スイッチがある。
非特許文献1のSPDTスイッチは、スイッチング素子としてトランジスタを用いており、第1入出力端子と第2入出力端子とがスイッチング素子を介して接続され、また、第1入出力端子と第3入出力端子とがスイッチング素子を介して接続されている。そして、SPDTスイッチは、それぞれのスイッチング素子に対して印加される電圧が制御されることで、一方のスイッチング素子をオン状態にするとともに、他方のスイッチング素子をオフ状態にして、いずれかの入出力端子間を導通するように切り替える。
B. E. Bedard, et. al. "A High Performance Monolithic GaAs SPDT Switch," 1985 15th European Microwave Conference
従来の高周波スイッチにおいては、スイッチング素子の内部にキャパシタンスやインダクタンスをはじめとした寄生成分が存在する傾向があり、この寄生成分により、スイッチング素子がオフ状態になった入出力端子間のアイソレーションが悪化することがある、という課題があった。
本開示は、上記課題を解決するもので、スイッチング素子がオフ状態になった入出力端子間のアイソレーションの悪化を抑える、高周波スイッチを提供することを目的とする。
本開示の高周波スイッチは、第1入出力端子と、第2入出力端子と、第3入出力端子と、第1入出力端子と第2入出力端子との間に接続され、第1入出力端子と第2入出力端子との間の導通および非導通を切り替える第1スイッチング素子と、第1入出力端子と第3入出力端子との間に接続され、第1入出力端子と第3入出力端子との間の導通および非導通を切り替える第2スイッチング素子と、一端が第2入出力端子に接続され、第1スイッチング素子と並列に接続された第3スイッチング素子と、一端が第3入出力端子に接続され、第2スイッチング素子と並列に接続された第4スイッチング素子と、一端が第3スイッチング素子の他端に接続され、他端が第4スイッチング素子の他端に接続されたインピーダンス変成器と、を備え、インピーダンス変成器は、第1入出力端子、第2入出力端子、または、第3入出力端子が入力する信号および出力する信号の波長に対して4分の1の整数倍の電気長を有する伝送線路の通過位相と等しい通過位相を有する回路により構成されている
本開示によれば、スイッチング素子がオフ状態になった入出力端子間のアイソレーションの悪化を抑える、高周波スイッチを提供できる。
実施の形態1に係る高周波スイッチの回路構成を示す図である。 図1に示す高周波スイッチの動作の例を説明する図である。 実施の形態2に係る高周波スイッチの回路構成を示す図である。 実施の形態3に係る高周波スイッチの回路構成を示す図である。 実施の形態4に係る高周波スイッチの回路構成を示す図である。 実施の形態5に係る高周波スイッチの回路構成を示す図である。
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る高周波スイッチ1の回路構成を示す図である。
図1に示す高周波スイッチ1は、第1入出力端子11、第2入出力端子12、第3入出力端子13、第1スイッチング素子21、第2スイッチング素子22、第3スイッチング素子23、第4スイッチング素子24、第1高抵抗素子31、第2高抵抗素子32、第3高抵抗素子33、第4高抵抗素子34、第1制御端子41、第2制御端子42、および、インピーダンス変成器51、を備える。
第1スイッチング素子21、第2スイッチング素子22、第3スイッチング素子23、第4スイッチング素子24は、それぞれ、トランジスタで構成される。以下の説明においては、電界効果トランジスタをトランジスタの具体的一例として説明する。ただし、各スイッチング素子は、電界効果トランジスタ以外の様々なトランジスタにより構成されるスイッチング素子であってもよく、各実施の形態に説明する発明の技術思想を阻害しない範囲内で実現できるスイッチング素子であればよい。
以下、各スイッチング素子において、導通した状態において導通する電極間の電極をそれぞれ「一端」、「他端」とも記載する。
図1に示すスイッチング素子は、電界効果トランジスタである。
この場合、スイッチング素子は、ゲート電極Gに、ピンチオフ電圧(以下、「閾値電圧」とも記載する。)より高い電圧が印加された状態において一端と他端との間をオン状態にし、また、ゲート電極Gに、ピンチオフ電圧(閾値電圧)より低い電圧が印加されている状態において一端と他端との間でオフ状態にする。
第1スイッチング素子21は、第1入出力端子11と第2入出力端子12との間に接続され、第1入出力端子11と第2入出力端子12との間の導通および非導通を切り替える。
図1に示す第1スイッチング素子21は、一端が第1入出力端子11に接続されており、他端が第2入出力端子12に接続されており、ゲート電極Gが第1高抵抗素子31を介して第1制御端子41に接続されている。
第2スイッチング素子22は、第1入出力端子11と第3入出力端子13との間に接続され、第1入出力端子11と第3入出力端子13との間の導通および非導通を切り替える。
図1に示す第2スイッチング素子22は、一端が第1入出力端子11に接続されており、他端が第3入出力端子13に接続されており、ゲート電極Gが第2高抵抗素子32を介して第2制御端子42に接続されている。
第3スイッチング素子23は、第1スイッチング素子21と並列に接続されている。
具体的には、図1に示す第3スイッチング素子23は、一端が第2入出力端子12と第1スイッチング素子21と接続されており、他端がインピーダンス変成器51の一端に接続されており、ゲート電極Gが第3高抵抗素子33を介して第2制御端子42に接続されている。
第4スイッチング素子24は、第2スイッチング素子22と並列に接続されている。
具体的には、図1に示す第4スイッチング素子24は、一端が第3入出力端子13と第2スイッチング素子22と接続されており、他端がインピーダンス変成器51の他端に接続されており、ゲート電極Gが第4高抵抗素子34を介して第1制御端子41に接続されている。
インピーダンス変成器51は、第3スイッチング素子23と第4スイッチング素子24との間に接続されている。
具体的には、図1に示すインピーダンス変成器51は、一端が第3スイッチング素子23の他端に接続され、他端が第4スイッチング素子24の他端に接続されている。
インピーダンス変成器51は、第1スイッチング素子21および第3スイッチング素子23が含まれる回路のインピーダンスと、第2スイッチング素子22および第4スイッチング素子24が含まれる回路のインピーダンスとを整合させる。
次に、図1に示す高周波スイッチ1の動作を説明する。
図2は、図1に示す高周波スイッチ1の動作の例を説明する図である。
図2は、第1入出力端子11と第3入出力端子13との間を導通させた状態から、第1入出力端子11と第2入出力端子12との間を導通させた状態に切り替える場合を示している。
図示しない制御装置から第1制御端子41に、第1スイッチング素子21および第4スイッチング素子24の閾値電圧より高い電圧V1の制御信号が印加され、第1スイッチング素子21および第4スイッチング素子24はそれぞれオン状態になる。
ほぼ同時に、図示しない制御装置から第2制御端子42に、第2スイッチング素子22および第3スイッチング素子23の閾値電圧より低い電圧V2の制御信号が印加され、第2スイッチング素子22および第3スイッチング素子23はそれぞれオフ状態になる。
このとき、第4スイッチング素子24におけるインピーダンス変成器51が接続された端子(他端)は、インピーダンス変成器51の働きにより、仮想ショート点が形成される。そして、第4スイッチング素子24の一端と接続された第3入出力端子13は、短絡に近い状態になる。これにより、第3入出力端子13側の回路のアイソレーションは改善される。
一方、第3スイッチング素子23におけるインピーダンス変成器51が接続された端子(他端)は、インピーダンス変成器51の働きにより、仮想オープン点が形成される。これにより、スイッチング素子の容量成分の影響が低減され、第1入出力端子11と第2入出力端子12との間を通る信号の通過損失は改善される。
ここで、第1入出力端子11と第2入出力端子12との間を導通させた状態から、第1入出力端子11と第3入出力端子13との間を導通させた状態に切り替える場合においては、制御端子への電圧の印加状態が逆になる。
すなわち、図示しない制御装置から第1制御端子41に、第1スイッチング素子21および第4スイッチング素子24の閾値電圧より低い電圧の制御信号が印加され、第1スイッチング素子21および第4スイッチング素子24はそれぞれオフ状態になる。
ほぼ同時に、図示しない制御装置から第2制御端子42に、第2スイッチング素子22および第3スイッチング素子23の閾値電圧より高い電圧の制御信号が印加され、第2スイッチング素子22および第3スイッチング素子23はそれぞれオン状態になる。
第3スイッチング素子23におけるインピーダンス変成器51が接続された端子(他端)は、インピーダンス変成器51の働きにより、仮想ショート点が形成される。そして、第3スイッチング素子23の一端と接続された第2入出力端子12は、短絡に近い状態になる。これにより、第2入出力端子12側の回路のアイソレーションは改善される。
一方、第4スイッチング素子24におけるインピーダンス変成器51が接続された端子(他端)は、インピーダンス変成器51の働きにより、仮想オープン点が形成される。これにより、スイッチング素子の容量成分の影響が低減され、第1入出力端子11と第3入出力端子13との間を通る信号の通過損失は改善される。
なお、本開示に係る高周波スイッチにおける上記作用は、各入出力端子に接続される回路または素子のインピーダンスが低いほど有効に作用する。
本開示の高周波スイッチは、上記説明したような構成により、オフ状態に切り替えられた回路側のアイソレーションを改善できる。
また、高周波スイッチは、上記説明したような構成により、オン状態に切り替えられた回路側を通る信号の通過損失を改善できる。
なお、非特許文献1のSPDTスイッチは、第2入出力端子に接続されたスイッチング素子と並列に、別のスイッチング素子が接続されており、また、第3入出力端子に接続されたスイッチング素子と並列に、さらに別のスイッチング素子が接続されている。
しかし、このスイッチング素子は、それぞれソース電極を接地するものである。
この場合、各入出力端子においては、スイッチング素子の容量成分の影響を受けてしまうため、オフ状態に切り替えられた回路側のアイソレーションが悪化してしまい、かつ、オン状態に切り替えられた回路側を通る信号の通過損失が悪化してしまう。
そして、アイソレーションが悪化することに伴い、非特許文献1のSPDTスイッチは、例えば、オン状態となっている第1入出力端子と第2入出力端子の間を通過する信号が第3入出力端子に漏洩してしまうといった問題がある。
これに対し、本開示に係る高周波スイッチは、上記構成を採用することにより、このような問題の発生を抑制できる。
本開示における高周波スイッチは、第1入出力端子と、第2入出力端子と、第3入出力端子と、第1入出力端子と第2入出力端子との間に接続され、第1入出力端子と第2入出力端子との間の導通および非導通を切り替える第1スイッチング素子と、第1入出力端子と第3入出力端子との間に接続され、第1入出力端子と第3入出力端子との間の導通および非導通を切り替える第2スイッチング素子と、一端が第2入出力端子に接続され、第1スイッチング素子と並列に接続された第3スイッチング素子と、一端が第3入出力端子との間に接続され、第2スイッチング素子と並列に接続された第4スイッチング素子と、一端が第3スイッチング素子の他端に接続され、他端が第4スイッチング素子の他端に接続されたインピーダンス変成器と、を備えるように構成した。
これにより、スイッチング素子がオフ状態になった入出力端子間のアイソレーションの悪化を抑える、高周波スイッチを提供できる、という効果を奏する。
実施の形態2.
実施の形態2においては、インピーダンス変成器の具体的構成の1例について説明する。
図3は、実施の形態2に係る高周波スイッチ2の回路構成を示す図である。
図3の説明において、図1と同様の回路構成については、図1と同じ符号を付して、以下、その詳細な説明を省略する。
図3に示す高周波スイッチ2において、インピーダンス変成器51は、λ/4線路(4分の1波長線路)52を用いて構成されている。λは、入出力端子間を通過する入出力信号の波長を示す。
λ/4線路52は、第1入出力端子、第2入出力端子、または、第3入出力端子が入力する信号および出力する信号の波長に対して4分の1の整数倍の電気長を有する伝送線路である。
また、インピーダンス変成器51は、λ/4線路52に加え、第3スイッチング素子23の寄生成分または第4スイッチング素子24の寄生成分を吸収するように構成してもよい。
具体的には、第3スイッチング素子23の寄生成分または第4スイッチング素子24の寄生成分を予め求め、インピーダンス変成器51を、寄生成分に応じてλ/4線路52の電気長を短縮または延長して構成する。これにより、インピーダンス変成器51は、第3スイッチング素子23の寄生成分または第4スイッチング素子24の寄生成分を吸収することができる。
このインピーダンス変成器51を有する高周波スイッチ2は、寄生成分に起因する電気的特性の劣化を抑えながら、オフ状態に切り替えられた回路側のアイソレーションを改善することができる。また、オン状態に切り替えられた回路側を通る信号の通過損失を改善できる。
実施の形態2によれば、本開示の高周波スイッチにおいて、さらに、インピーダンス変成器は、第1入出力端子、第2入出力端子、または、第3入出力端子が入力する信号および出力する信号の波長に対して4分の1の整数倍の電気長を有する伝送線路により構成した。
これにより、実施の形態1のインピーダンス変成器を伝送線路で構成して、スイッチング素子がオフ状態になった入出力端子間のアイソレーションの悪化を抑える、高周波スイッチを提供できる、という効果を奏する。
また、本開示の高周波スイッチにおいて、インピーダンス変成器が、さらに、第3スイッチング素子の寄生成分または第4スイッチング素子の寄生容量を吸収するように構成した。
これにより、さらに、寄生成分に起因する電気的特性の劣化を抑える、高周波スイッチを提供できる、という効果を奏する。
実施の形態3.
実施の形態3においては、インピーダンス変成器の具体的構成の別の1例について説明する。
図4は、実施の形態3に係る高周波スイッチ3の回路構成を示す図である。
図4の説明において、図1と同様の回路構成については、図1と同じ符号を付して、以下、その詳細な説明を省略する。
図4に示す高周波スイッチ3は、図1における高周波スイッチ1のインピーダンス変成器51を、インピーダンス変成回路53を用いて構成したものである。
図4に示すインピーダンス変成回路53は、インダクタおよびキャパシタを組み合わせて構成された回路である。
インピーダンス変成回路53は、第1入出力端子、第2入出力端子、または、第3入出力端子が入力または出力する信号の波長に対して4分の1の整数倍の電気長を有する伝送線路の通過位相と等しい通過位相を有する回路である。
具体的には、図4に示すインピーダンス変成回路53は、インダクタと2つのキャパシタとを有している。
インダクタの一端が第3スイッチング素子23の他端と接続されており、インダクタの他端が第4スイッチング素子24の他端と接続されている。
2つのうちの一方のキャパシタは、その一端が、第3スイッチング素子23の他端とインダクタとの間に接続され、他端が接地されている。
2つのうちの他方のキャパシタは、その一端が、第4スイッチング素子24の他端とインダクタとの間に接続され、他端が接地されている。
また、インピーダンス変成器は、上記のインピーダンス変成回路53に加え、さらに、第3スイッチング素子23の寄生成分または第4スイッチング素子24の寄生成分を吸収するように構成してもよい。
具体的には、第3スイッチング素子23の寄生成分または第4スイッチング素子24の寄生成分を予め求め、インピーダンス変成回路53を、第3スイッチング素子23の寄生成分または第4スイッチング素子24の寄生成分を吸収するように構成する。これにより、インピーダンス変成回路53は、第3スイッチング素子23の寄生成分または第4スイッチング素子24の寄生成分を吸収することができる。
なお、図4に示すインピーダンス変成回路53は、一例であり、第1入出力端子、第2入出力端子、または、第3入出力端子が入力または出力する信号の波長に対して4分の1の整数倍の電気長を有する伝送線路の通過位相と等しい通過位相を有する回路であれば、インダクタ、キャパシタあるいは伝送線路を組み合わせたあらゆる構成が考えられる。
このインピーダンス変成回路53を有する高周波スイッチ3は、実施の形態2に係る高周波スイッチ2に対し、λ/4線路52をはじめとした伝送線路を用いずに構成できるため、特に低周波帯の信号を入出力する場合の高周波スイッチにおける回路サイズの増大を防ぐことができる。
実施の形態3によれば、本開示の高周波スイッチにおいて、さらに、インピーダンス変成器が、第1入出力端子、第2入出力端子、または、第3入出力端子が入力または出力する信号の波長に対して4分の1の整数倍の電気長を有する伝送線路の通過位相と等しい通過位相を有する、インダクタおよびキャパシタを組み合わせて構成された回路を用いるよう構成した。
これにより、さらに、高周波スイッチにおける回路サイズが増大しにくい高周波スイッチを提供できる、という効果を奏する。
本開示の高周波スイッチにおいて、インピーダンス変成器が、さらに、第3スイッチング素子の寄生成分および第4スイッチング素子の寄生成分を吸収するように構成した。
これにより、さらに、寄生成分に起因する電気的特性の劣化を抑える、高周波スイッチを提供できる、という効果を奏する。
実施の形態4.
実施の形態4は、高周波スイッチにおけるスイッチング素子の動作を安定させる形態を説明する。
図5は、実施の形態4に係る高周波スイッチ4の回路構成を示す図である。
図5の説明において、図1と同様の回路構成については、図1と同じ符号を付して、以下、その詳細な説明を省略する。
図5に示す高周波スイッチ4は、第1の直流バイアス用高抵抗素子61、および、第2の直流バイアス用高抵抗素子62、を備えている。
第1の直流バイアス用高抵抗素子61、および、第2の直流バイアス用高抵抗素子62は、入出力信号に対して高インピーダンスとなる素子である。
第1の直流バイアス用高抵抗素子61は、第3スイッチング素子23と並列に接続されている。
具体的には、図5に示す第1の直流バイアス用高抵抗素子61は、一端が第3スイッチング素子23の一端に接続されており、他端が第3スイッチング素子23の他端に接続されている。
第2の直流バイアス用高抵抗素子62は、第4スイッチング素子24と並列に接続されている。
具体的には、図5に示す第2の直流バイアス用高抵抗素子62は、一端が第4スイッチング素子24の一端に接続されており、他端が第4スイッチング素子24の他端に接続されている。
図5に示す高周波スイッチ4は、上記構成により、第3スイッチング素子23のゲート端子以外の一端と他端、および、第4スイッチング素子24のゲート端子以外の一端と他端において、直流的に同電位になる。これにより、高周波スイッチ4は、スイッチング素子が確実にスイッチング動作でき、スイッチング素子の動作を安定させることができる。
図5においては、図1の高周波スイッチ1に、第1の直流バイアス用高抵抗素子61、および、第2の直流バイアス用高抵抗素子62を付加した高周波スイッチ4を示した。
ただし、実施の形態4は、図3に示す高周波スイッチ3、または、図4に示す高周波スイッチ3に、第1の直流バイアス用高抵抗素子61、および、第2の直流バイアス用高抵抗素子62を上記同様に設けて構成したものでもよい。
ここで、図5の高周波スイッチ4におけるインピーダンス変成器を、直流電流を通過させる素子で構成するようにしてもよい。この場合、第1の直流バイアス用高抵抗素子61、または、第2の直流バイアス用高抵抗素子62のいずれかを省略した構成にすることができる。
また、第1入出力端子11から第3入出力端子13までのいずれか1つ以上の入出力端子に対し、任意の直流電圧を印加する、または、直流的に接地するようにしてもよい。これにより、高周波スイッチ4においては、第1制御端子41および第2制御端子42に印加する電圧を任意に決定することができる。
実施の形態4によれば、本開示の高周波スイッチにおいて、さらに、一端が第3スイッチング素子の一端に接続され、他端が第3スイッチング素子の他端に接続された第1の直流バイアス用高抵抗素子と、一端が第4スイッチング素子の一端に接続され、他端が第4スイッチング素子の他端に接続された第2の直流バイアス用高抵抗素子と、を備えるように構成した。
これにより、さらに、スイッチング素子の動作が安定する高周波スイッチを提供できる、という効果を奏する。
実施の形態5.
実施の形態5は、高周波スイッチにおけるスイッチング素子の動作を安定させる形態を説明する。
図6は、実施の形態5に係る高周波スイッチ5の回路構成を示す図である。
図6の説明において、図1と同様の回路構成については、図1と同じ符号を付して、以下、その詳細な説明を省略する。
図6に示す高周波スイッチ5は、さらに、第3の直流バイアス用高抵抗素子71、および、直流バイアス用端子72を備える。
第3の直流バイアス用高抵抗素子71は、入出力信号に対して高インピーダンスとなる素子である。
図6に示す第3の直流バイアス用高抵抗素子71は、その一端が、インピーダンス変成器に接続されており、他端が直流バイアス用端子72に接続されている。
図6に示す高周波スイッチ5において、直流バイアス用端子72に対し、直流電圧を印加する、または、接地することで、第3スイッチング素子23のゲート端子以外の一端と他端、および、第4スイッチング素子24のゲート端子以外の一端と他端において、直流的に同電位になる。そして、実施の形態4と同様の効果が得られる。
なお、第3の直流バイアス用高抵抗素子71は、第3スイッチング素子23の他端および第4スイッチング素子24の他端に対して直流電圧を印加できる位置に接続されていればよく、第3スイッチング素子23の他端と第4スイッチング素子24の他端との間のうちのいずれの位置に接続されていてもよい。
実施の形態5によれば、本開示の高周波スイッチにおいて、さらに、第3スイッチング素子の他端と第4スイッチング素子の他端との間に接続された、第3の直流バイアス用高抵抗素子を備えるように構成した。
これにより、さらに、スイッチング素子の動作が安定する高周波スイッチを提供できる、という効果を奏する。
なお、本開示は、その発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
本開示に係る高周波スイッチは、高周波信号の経路を切り替える必要がある機器であって、例えば無線通信機器等に用いるのに適している。
1,2,3,4,5 高周波スイッチ、11 第1入出力端子、12 第2入出力端子、13 第3入出力端子、21 第1スイッチング素子、22 第2スイッチング素子、23 第3スイッチング素子、24 第4スイッチング素子、31 第1高抵抗素子、32 第2高抵抗素子、33 第3高抵抗素子、34 第4高抵抗素子、41 第1制御端子、42 第2制御端子、51 インピーダンス変成器、52 λ/4線路(4分の1波長線路)、53 インピーダンス変成回路、61 第1の直流バイアス用高抵抗素子、62 第2の直流バイアス用高抵抗素子、71 第3の直流バイアス用高抵抗素子、72 直流バイアス用端子。

Claims (7)

  1. 第1入出力端子と、
    第2入出力端子と、
    第3入出力端子と、
    前記第1入出力端子と前記第2入出力端子との間に接続され、前記第1入出力端子と前記第2入出力端子との間の導通および非導通を切り替える第1スイッチング素子と、
    前記第1入出力端子と前記第3入出力端子との間に接続され、前記第1入出力端子と前記第3入出力端子との間の導通および非導通を切り替える第2スイッチング素子と、
    一端が前記第2入出力端子に接続され、前記第1スイッチング素子と並列に接続された第3スイッチング素子と、
    一端が前記第3入出力端子に接続され、前記第2スイッチング素子と並列に接続された第4スイッチング素子と、
    一端が前記第3スイッチング素子の他端に接続され、他端が前記第4スイッチング素子の他端に接続されたインピーダンス変成器と、
    を備え
    前記インピーダンス変成器は、
    前記第1入出力端子、前記第2入出力端子、または、前記第3入出力端子が入力する信号および出力する信号の波長に対して4分の1の整数倍の電気長を有する伝送線路の通過位相と等しい通過位相を有する回路により構成されている、
    高周波スイッチ。
  2. 前記インピーダンス変成器は、
    前記第1入出力端子、前記第2入出力端子、または、前記第3入出力端子が入力する信号および出力する信号の波長に対して4分の1の整数倍の電気長を有する伝送線路により構成されている、
    請求項1に記載の高周波スイッチ。
  3. 前記インピーダンス変成器は、
    前記第1入出力端子、前記第2入出力端子、または、前記第3入出力端子が入力または出力する信号の波長に対して4分の1の整数倍の電気長を有する伝送線路の通過位相と等しい通過位相を有する、インダクタおよびキャパシタを組み合わせて構成された回路である、
    請求項1に記載の高周波スイッチ。
  4. 前記インピーダンス変成器は、さらに、
    前記第3スイッチング素子の寄生成分および前記第4スイッチング素子の寄生成分を吸収するように構成されていることを特徴とする、
    請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の高周波スイッチ。
  5. 一端が前記第3スイッチング素子の一端に接続され、他端が前記第3スイッチング素子の他端に接続された第1の直流バイアス用高抵抗素子と、
    一端が前記第4スイッチング素子の一端に接続され、他端が前記第4スイッチング素子の他端に接続された第2の直流バイアス用高抵抗素子と、
    をさらに備えた、請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の高周波スイッチ。
  6. 前記第3スイッチング素子の他端と前記第4スイッチング素子の他端との間に接続された、第3の直流バイアス用高抵抗素子を、さらに備えた、
    請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の高周波スイッチ。
  7. 前記第3スイッチング素子の他端と前記第4スイッチング素子の他端との間に接続された、第3の直流バイアス用高抵抗素子を、さらに備えた、
    請求項4に記載の高周波スイッチ。
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