JP7442068B2 - 認識方法および部品装着装置 - Google Patents

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Description

本開示は、リード線を有する部品を基板に装着する位置を認識する認識方法および基板に部品を装着する部品装着装置に関する。
従来、部品装着装置によりリード線を有する部品を基板に装着する場合、予め教示された基板上の位置に部品を移動し、挿入孔にリード線を挿入する。
例えば、特許文献1には、加工誤差により予め教示された基板上の位置にリード線を挿入できない場合、挿入成功した位置データの平均値を学習位置データとして算出し、学習位置データにリード線を挿入することが記載されている。
特開平8-148893号公報
しかしながら、リード線を有する挿入部品と表面実装部品とが混在する基板の場合、通常は先に表面実装部品を装着し、リフローではんだ付けを行った後、挿入部品の挿入を行う。このとき、一旦加熱された基板は下方に反っていることがあり、その状態で部品装着装置に搬送される。
部品装着装置で部品のリード線の挿入動作を行う際、リード線を折り曲げるアンビル部が下反りした基板を持ち上げた状態となるので、基板の下反り状態が低減されている。したがって、基板の挿入孔の認識時と部品を挿入する時とでは、基板の反り具合が異なるので、基板の認識精度が低下することがある。
従って、本開示の目的は、基板の認識精度を向上させた認識方法および部品装着装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本開示の一態様における認識方法は、基板の挿入孔に挿入するためのリード線を有する部品を前記基板に装着する位置を認識する認識方法であって、前記リード線を折り曲げるアンビル部を、前記基板の撓みを低減するように前記基板に接触させ、前記アンビル部を前記基板に接触させた状態で、撮影部によって前記基板の前記挿入孔、前記基板上に設けられた補正マーク、または前記基板上に設けられたランドパターンを撮影して、撮影した画像を取得し、前記画像に基づいて、前記挿入孔の位置、前記補正マークの位置、または前記ランドパターンの位置を認識する。
本開示の一態様における部品装着装置は、基板の挿入孔に挿入するためのリード線を有する部品を基板に装着する部品装着装置であって、前記リード線を折り曲げるアンビル部と、前記基板の撓みを低減するように前記基板に前記アンビル部を接触させるように前記アンビル部を制御する制御部と、前記アンビル部を前記基板に接触させた状態で、前記基板の挿入孔、前記基板上に設けられた補正マーク、または前記基板上に設けられたランドパターンを撮影して、撮影した画像を取得する撮影部と、を備え、前記制御部は、前記画像に基づいて、前記挿入孔の位置、前記補正マークの位置、または前記ランドパターンの位置を認識する認識部を備える。
本開示によれば、基板の認識精度を向上させた部品装着方法および部品装着装置を提供することができる。
本開示の実施形態における部品装着装置の概略構成図 本開示の実施形態における部品装着装置が備えるクリンチユニットの斜視図 本開示の実施形態におけるクリンチユニットの斜視図 本開示の実施形態におけるクリンチユニットの一部の(a)斜視図、(b)分解斜視図 本開示の実施形態におけるクリンチユニットの動作説明図 本開示の実施形態におけるクリンチユニットの動作説明図 本開示の実施形態におけるクリンチユニットの動作説明図 本開示の実施形態におけるクリンチユニットの動作説明図 本開示の実施形態におけるクリンチユニットの動作説明図 本開示の実施形態における部品装着装置が備える単位ヘッドの構造図 本開示の実施形態における部品装着装置が備えるチャックユニットの構造図 本開示の実施形態におけるチャックユニットの動作説明図 本開示の実施形態における部品装着装置の制御ブロック図 本開示の実施形態における基板の挿入孔を認識する流れを示すフローチャート 本開示の実施形態における基板がアンビル部に支えられて基板の挿入孔が撮影されるまでの動作説明図 本開示の実施形態における基板がアンビル部に支えられて基板に部品が装着されるまでの動作説明図 本開示の実施形態における基板の補正マークの位置を認識する流れを示すフローチャート 本開示の実施形態におけるアンビル部に支えられる基板の断面図
本開示の第1態様によれば、基板の挿入孔に挿入するためのリード線を有する部品を基板に装着する位置を認識する認識方法であって、リード線を折り曲げるアンビル部を、基板の撓みを低減するように基板に接触させ、アンビル部を基板に接触させた状態で、撮影部によって基板の挿入孔、基板上に設けられた補正マーク、または基板上に設けられたランドパターンを撮影して、撮影した画像を取得し、画像に基づいて、挿入孔の位置、補正マークの位置、またはランドパターンの位置を認識する。
本開示の第2態様によれば、アンビル部を基板に接触させた状態において、基板は平坦である。
本開示の第3態様によれば、撮影部により基板の挿入孔を撮影して、画像を取得し、認識された挿入孔の位置に基づいて、部品の装着位置を設定する。
本開示の第4態様によれば、基板の撓みを低減するように基板にアンビル部が接触した際に、アンビル部は、挿入孔の近傍領域において基板と接触し、挿入孔の近傍領域は、部品が基板に装着された状態における部品の下方領域である。
本開示の第5態様によれば、アンビル部が接触する基板の面には、部品が装着されており、部品との干渉を避けるように、基板に対するアンビル部の接触位置、アンビル部の傾き、またはアンビル部が有する爪の間隔を調整する。
本開示の第6態様によれば、基板の挿入孔に挿入するためのリード線を有する部品を基板に装着する部品装着装置であって、リード線を折り曲げるアンビル部と、基板の撓みを低減するように基板にアンビル部を接触させるようにアンビル部を制御する制御部と、アンビル部を基板に接触させた状態で、基板の挿入孔、基板上に設けられた補正マーク、または基板上に設けられたランドパターンを撮影して、撮影した画像を取得する撮影部と、を備え、制御部は、画像に基づいて、挿入孔の位置、補正マークの位置、またはランドパターンの位置を認識する認識部を備える。
本開示の第7態様によれば、制御部は、アンビル部を基板に接触させた状態において、基板が平坦となるようにアンビル部を制御する。
本開示の第8態様によれば、制御部は、基板における部品の装着位置を設定する設定部をさらに備え、撮影部は、基板の挿入孔を撮影し、設定部は、認識された挿入孔の位置に基づいて、部品の装着位置を設定する。
本開示の第9態様によれば、制御部は、基板の撓みを低減するように基板にアンビル部が接触する際に、アンビル部が挿入孔の近傍領域において基板と接触するように、アンビル部を制御し、挿入孔の近傍領域は、部品が基板に装着された状態における部品の下方領域である。
本開示の第10態様によれば、アンビル部が接触する基板の面には、部品が装着されており、制御部は、部品との干渉を避けるように、基板に対するアンビル部の接触位置、アンビル部の傾き、またはアンビル部が有する爪同士の間隔を調整する。
以下に、本開示にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
以下に、本開示の第1実施形態における部品装着装置1の主要な構成を図1の概略斜視図に示す。
図1に示す部品装着装置1は、例えば、下方に延びた2本のリード線2Lを備えたリード付きの部品2を基板3に装着する装置である。部品2が装着された基板3は、「部品装着基板」となる。基板3には、例えば、外縁および中央部に補正マーク4が設けられている。
図1に示す部品装着装置1は、基板位置決め部11と、挿入ヘッド移動装置12と、挿入ヘッド13と、クリンチユニット移動装置14と、クリンチユニット15と、基板撮影カメラ18と、を備える。
基板位置決め部11は、基板3を所定位置に位置決めする装置である。本実施形態の基板位置決め部11としては、例えば、一対のコンベア機構が採用され、基板3の両端を下方から支持して搬送し、所定位置に位置決めする。基板3には、部品2のリード線2Lを挿通するための複数の挿入孔3aが設けられている。
挿入ヘッド移動装置12は、挿入ヘッド13を移動させる装置である。本実施形態の挿入ヘッド移動装置12としては、例えば、直交座標テーブルが採用され、挿入ヘッド13を水平方向(XY方向)および上下方向(Z方向)に移動させる。なお、X方向とY方向は、互いに直交する水平方向であり、Z方向は、X方向およびY方向と直交する方向である。
挿入ヘッド13は、部品2をピックアップして保持し、基板位置決め部11によって位置決めされた基板3の挿入孔3aに部品2のリード線2Lを上方から挿入する装置である。保持部としての挿入ヘッド13は基板位置決め部11よりも上方に位置し、挿入ヘッド移動装置12によりXY方向およびZ方向に移動される。
挿入ヘッド13は、部品2をピックアップする一対のピックアップ爪16を備える。ピックアップ爪16は部品2を把持してピックアップするものであり、保持部駆動装置17によって駆動される。ピックアップ爪16に代えて、部品2を吸着する吸着ノズルを用いてもよい。
挿入ヘッド13には、基板撮影カメラ18が取り付けられている。基板撮影カメラ18は、基板3を上方から撮影し、撮影した画像を制御部80へ送信する。基板撮影カメラ18は、例えば、可視光カメラである。基板撮影カメラ18は、挿入ヘッド移動装置12により挿入ヘッド13と共に水平方向に移動可能である。
クリンチユニット移動装置14は、クリンチユニット15を水平方向(XY方向)および上下方向(高さ方向:Z方向)に移動させる装置である。本実施形態のクリンチユニット移動装置14としては、例えば、直交座標テーブルが採用され、クリンチユニット15を取り付けるためのアタッチメント部材14Tを水平方向および上下方向に移動させる。なお、クリンチユニット移動装置14およびアタッチメント部材14Tの構成は、大きく簡略化した形で図示している。
クリンチユニット(クリンチ機構)15は、基板3の挿入孔3aから基板3の下面側に突出したリード線2Lをクリンチする機構であり、アタッチメント部材14Tに取り付けられて基板3の下方に位置している。クリンチユニット15は、アタッチメント部材14Tに取り付けられたベース部材21と、ベース部材21に対して水平回転する回転ベース22と、回転ベース22に取り付けられたアンビルユニット23およびリード屑回収容器24とを備えている。クリンチユニット移動装置14によってアタッチメント部材14Tが移動されるとベース部材21が基板3の下方を水平方向に移動する。これによりクリンチユニット15は、基板3の下方を基板3に対して水平方向に移動自在である。
クリンチユニット15の拡大斜視図を図2および図3に示し、これらの図面を用いて、クリンチユニット15の詳細構成について説明する。
図2および図3において、ベース部材21は、アタッチメント部材14Tに取り付けられたブラケット部21aと、ブラケット部21aに連結されたブロック部21bおよび底板部21cとを備えている。底板部21cはブロック部21bの下方を水平に延びている。
図3に示すように、ブロック部21bは上下方向に延びた中空のθ回転シャフト31を上下軸回りに回転自在に保持している。ここで、クリンチユニット15におけるθ回転シャフト31の周辺構成について、図4(a)、(b)に示す。図3および図4(a)、(b)に示すように、θ回転シャフト31の下端はブロック部21bと底板部21cとの間に突出しており、その突出した部分にはθ回転シャフト駆動ギヤ32が水平姿勢で設けられている。θ回転シャフト31の上端はブロック部21bの上方に突出しており、その突出した部分には前述の回転ベース22が取り付けられている。
図3および図4(a)、(b)において、θ回転シャフト31の内部には上下方向に延びた中空の間隔変更シャフト33がθ回転シャフト31を上下方向に貫通して設けられている。間隔変更シャフト33の下端はθ回転シャフト駆動ギヤ32と底板部21cとの間に突出しており、その突出した部分には外歯の平歯車から成る間隔変更シャフト駆動ギヤ34が水平姿勢で設けられている。間隔変更シャフト33の上端は回転ベース22の上方に突出しており、その突出した部分には駆動側傘歯車35が水平姿勢で設けられている。駆動側傘歯車35の歯は下面側に設けられている。間隔変更シャフト33はθ回転シャフト31の内部で、θ回転シャフト31と同軸の上下軸回りに回転自在となっている。
ここで、クリンチユニット15における動作を説明する動作説明図を図5から図9に示す。図3および図5に示すように、ベース部材21の底板部21cの上面にはθ駆動モータ36が駆動軸を水平方向に向けて設けられている。θ駆動モータ36の駆動軸にはθ駆動ギヤ37が設けられており、θ駆動ギヤ37はθ回転シャフト駆動ギヤ32と噛み合っている。このため、θ駆動モータ36がθ駆動ギヤ37を水平軸回りに回転させると(図5中に示す矢印R1)、θ回転シャフト駆動ギヤ32が回転し、これによりθ回転シャフト31が上下軸回りに回転する(図5中に示す矢印R2)。そして、このθ回転シャフト31の回転によって回転ベース22が水平回転し、アンビルユニット23の全体がθ回転シャフト31の回転軸回りに水平回転する(図5中に示す矢印R3)。
図3および図6(a)、(b)に示すように、ベース部材21の底板部21cの上面には、間隔変更モータ38が駆動軸を下方に向けて設けられている。間隔変更モータ38の駆動軸には外歯の平歯車から成る間隔変更ギヤ39が水平姿勢で設けられている。間隔変更ギヤ39は前述の間隔変更シャフト駆動ギヤ34と噛み合っている。
図4(a)、(b)に示すように、間隔変更シャフト33の内部には上下方向に延びた中空のロッド部材41が間隔変更シャフト33および底板部21cを上下方向に貫通して設けられている。ロッド部材41の下端はベース部材21の底板部21cの下方に突出しており、その突出した部分の下端には水平軸回りに回転自在なローラ部材42が設けられている(図7(a)、(b))。ロッド部材41の上端は駆動側傘歯車35の上方に突出しており、その突出した部分には操作板43が水平姿勢で設けられている。ロッド部材41は間隔変更シャフト33の内部で上下方向に移動自在となっている。
図2、図3および図7(a)、(b)に示すように、ベース部材21の底板部21cの上面には、クリンチシリンダ44がピストンロッド44aを下方に向けて設けられている。底板部21cの下方には底板部21cに一端45aが回転自在に連結されたレバー部材45が設けられている。レバー部材45の他端(操作端45bと称する)にはピストンロッド44aの下端に回転自在に連結されている。レバー部材45の中間部には、ロッド部材41の下端に設けられた前述のローラ部材42が上方から当接している。
クリンチシリンダ44によりレバー部材45の操作端45bが押し下げられた状態では、ロッド部材41は操作板43を下方位置(「非操作位置」と称する)に位置させる(図7(a))。一方、クリンチシリンダ44によりレバー部材45の操作端45bが引き上げられた状態では、ロッド部材41はレバー部材45によって押し上げられて(図7(b)中に示す矢印F1)、操作板43を上方位置(「操作位置」と称する)に位置させる(図7(b))。
図7(a)、(b)、図8(a)、(b)および図9(a)、(b)に示すように、アンビルユニット23はアンビルベース51を備えている。アンビルベース51は、回転ベース22から上方に延びた支柱22aによって水平姿勢に支持されており、操作板43の上方に位置している。アンビルベース51は、固定側ベース51Aと可動側ベース51Bとを備える。固定側ベース51Aは、支柱22aにより回転ベース22に直接取り付けられており、可動側ベース51Bは、固定側ベース51Aから水平方向に延びた移動ガイド53を介して回転ベース22に間接的に取り付けられている。可動側ベース51Bは移動ガイド53に沿って水平方向に移動自在であり、可動側ベース51Bが移動ガイド53に沿って移動すると、可動側ベース51Bと固定側ベース51Aとの間隔が変化する。
図8(a)、(b)および図9(a)、(b)に示すように、固定側ベース51Aと可動側ベース51Bとはそれぞれ上方に突出したマウント部51aを有している。各マウント部51aにはアンビル部52が設けられている。図9(a)、(b)において、各アンビル部52は、部品2のリード線2Lを挟んでクリンチ動作を行う一対の爪部として、第1爪保持部54と第2爪保持部55とを備えている。第1爪保持部54はマウント部51aに固定して設けられている。第2爪保持部55はマウント部51aに対して揺動軸55Jの回りに揺動自在に設けられている。第1爪保持部54は固定爪である第1爪54aを有しており、第2爪保持部55は可動爪としての第2爪55aを有している。
図7(a)、(b)および図8(a)、(b)に示すように、アンビルベース51の固定側ベース51Aと可動側ベース51Bのそれぞれにはアンビル操作ロッド56が設けられている。固定側ベース51Aに設けられたアンビル操作ロッド56は固定側ベース51Aを上下方向に貫通して上下方向に移動自在となっている。可動側ベース51Bに設けられたアンビル操作ロッド56は可動側ベース51Bを上下方向に貫通して上下方向に移動自在となっている。各アンビル操作ロッド56は下端側に下端側ローラ57を有しており、上端側に上端側ローラ58を有している。各アンビル操作ロッド56の下端側ローラ57は操作板43の上方に位置している。
各アンビル操作ロッド56は、操作板43が前述の「非操作位置」に位置しているときには下端側ローラ57が操作板43に当接しておらず、自重によって「下方位置」に位置する(図8(a))。一方、操作板43が前述の「操作位置」に位置しているときには、アンビル操作ロッド56は、下端側ローラ57を介して操作板43によって押し上げられ(図8(b)中に示す矢印F2)、アンビル操作ロッド56は「上方位置」に位置する(図8(b))。
図7(a)、(b)および図8(a)、(b)において、各アンビル部52の第2爪保持部55は、揺動軸55Jとは反対側の端部の下面において、アンビル操作ロッド56の上端側ローラ58と当接している。各第2爪保持部55は図示しないばね等の付勢部材によって上端側ローラ58に押し付けられており、第2爪保持部55と上端側ローラ58は常に接触した状態を維持する。
第2爪保持部55は、アンビル操作ロッド56が「下方位置」に位置した状態では、アンビル操作ロッド56からの押し上げを受けず、第2爪55aを第1爪54aから離間させた「待機位置」に位置する(図8(a)および図9(a)に示す位置)。一方、第2爪保持部55は、アンビル操作ロッド56が「上方位置」に位置した状態ではアンビル操作ロッド56からの押し上げを受けて(図9(b)中に示す矢印F3)、第2爪55aを第1爪54aの上方に位置させた「カット位置」(図8(b)および図9(b)に示す位置)に移動(揺動)する(図9(b)中に示す矢印F4)。
このように、本実施形態におけるクリンチユニット15においては、クリンチシリンダ44がレバー部材45の操作端45bを押し下げている状態では、操作板43が「非操作位置」に位置して第2爪55aが「待機位置」に位置する。一方、クリンチシリンダ44がレバー部材45の操作端45bを引き上げた状態では、操作板43が「操作位置」に位置して第2爪55aが「カット位置」に位置するようになっている。すなわち、クリンチシリンダ44を操作することによって、2つのアンビル部52それぞれの第2爪55aを「待機位置」から「カット位置」に移動させることができる。
レバー部材45には、図示しないクリンチ検出部75(図13参照)が設けられている。クリンチ検出部75は、クリンチユニット15において部品2のリード線2Lに対するクリンチ動作が行われたことを検出する。
図4(a)、(b)および図6(a)、(b)に示すように、アンビルベース51には、2つのアンビル部52を近接および離間させて2つのアンビル部52の間隔を変更する送りねじ機構60が設けられている。送りねじ機構60は回転ベース22から垂直上方に延びた垂直部22bによって水平姿勢に支持されたボールねじ61と、ボールねじ61の先端に設けられた従動側傘歯車62と、ボールねじ61の回転により、ボールねじ61の軸方向に沿った方向に移動する移動ブロック63とを備えている。従動側傘歯車62は駆動側傘歯車35と噛み合っており、移動ブロック63は連結部材64によって可動側ベース51Bと連結されている。
間隔変更モータ38が間隔変更ギヤ39を回転させると、間隔変更シャフト33が上下軸回りに回転し(図6(b)中に示す矢印R4)、駆動側傘歯車35が従動側傘歯車62を水平軸回りに回転させる。これによりボールねじ61が回転し(図6(b)中に示す矢印R5)、移動ブロック63がボールねじ61の軸方向に沿って移動する(図6(b)中に示す矢印F5)。
上述したように、送りねじ機構60が駆動されて移動ブロック63がボールねじ61の軸方向に移動すると、連結部材64を介して可動側ベース51Bが移動ガイド53に沿って移動する(図6(b)中に示す矢印F6)。これにより可動側ベース51Bに取り付けられたアンビル部52が固定側ベース51Aに取り付けられたアンビル部52に対して移動し、2つのアンビル部52の間の間隔が広げられ(図6(a)から図6(b)の状態)、あるいは狭められる(図6(b)から図6(a)の状態)。
次に、このような構成を有する部品装着装置1において、リード2Lを有する部品2に対してクリンチ動作を行うことにより、部品2を基板3に装着する手順について説明する。
クリンチユニット移動装置14がクリンチユニット15を部品2の下方に移動させる。クリンチユニット15が部品2の下方に移動したら、間隔変更モータ38が作動して2つのアンビル部52の間隔を変更するとともに、θ駆動モータ36が作動してアンビルユニット23を上下軸回りに回転させる。ここで、間隔変更モータ38は、2つのアンビル部52の間隔が部品2の2本のリード2Lの間隔に合致するように送りねじ機構60を駆動し、θ駆動モータ36は、2つのアンビル部52の向きが2本のリード2Lの向きに対応するように回転ベース22を回転させる。
その後、2つのアンビル部52のそれぞれの第2爪55aを「待機位置」に位置させた状態で、第2爪55aと第1爪54aとの間にリード線2Lが上方から挿通されるように、クリンチユニット移動装置14によりクリンチユニット15を上昇させる。これにより、部品2のリード線2Lに対して、2つのアンビル部52が位置決めされた状態となる。その後、クリンチシリンダ44を作動させて、2つのアンビル部52それぞれの第2爪55aを「カット位置」に移動させる。これにより第1爪54aと第2爪55aは間にリード2Lの中間部を挟み込み(図8(b)中に示す矢印F7)、リード2Lの下端の一部をカットしたうえで、残ったリード2Lをクリンチする(図8(a)及び図9(a))。このとき、間隔変更モータ38は、2つのアンビル部52の間隔が拡がる方向へ送りねじ機構60を駆動する。これにより、部品2は基板3に固定され、部品2が基板3に装着される。
(挿入ヘッド)
次に図1、図10を参照して、挿入ヘッド13の構成について説明する。なお、部品装着装置1は、挿入ヘッド13の他にも複数の単位ヘッドを備える装着ヘッドを備えてもよい。
挿入ヘッド13は、ヘッド本体部84と、チャックユニット85と、ヘッド昇降機構86と、を備える。チャックユニット85は、ヘッド本体部84の下方において鉛直方向(Z方向)を軸心として水平方向に回転自在に装着されている。
挿入ヘッド13の詳細な構成を図10に示す。ヘッド昇降機構86は、昇降モータ91と、送りネジ92と、送りネジ92に螺合し、ヘッド本体部84に固定されるナット部93と、を備える。ヘッド昇降機構86は、昇降モータ91の駆動によって送りネジ92を回転させ、ナット部93を移動させることによってヘッド本体部84をZ方向に移動、すなわち昇降させる。
ヘッド本体部84には、保持部駆動装置17と、プッシャ装置96と、が設けられている。保持部駆動装置17は、チャックユニット85を駆動させるチャック駆動用モータ94と、チャックユニット85を水平方向に回転させるチャック回転用モータ95と、を備える。プッシャ装置96は、プッシャ87とプッシャ用のアクチュエータ88とを備える。プッシャ87は、アクチュエータ88によってZ方向に移動、すなわち昇降する。プッシャ87は、チャックユニット85により把持した部品2に対して下降することで、部品2を基板3に向けて押し下げる。
アクチュエータ88は、例えば、空圧シリンダである。アクチュエータ88に供給されるエアーの切り替えにより、プッシャ87の押し出しおよび引き込みを行う。
チャックユニット85は、昇降ロッド97を備えている。昇降ロッド97の上端部は、ウォームホイール94a及びウォームギヤ94bを含む減速機構を介してチャック駆動用モータ94に連結されている。チャック駆動用モータ94がウォームギヤ94bを回転させると、ウォームギヤ94bに噛み合うウォームホイール94aが揺動する。これにより、ウォームホイール94aに結合する昇降ロッド97がZ方向に移動、すなわち昇降する。
次に図11および図12を参照して、チャックユニット85の構成およびピックアップ爪16の移動について説明する。チャックユニット85は、部品2を把持する一対のピックアップ爪16を有している。ピックアップ爪16は部品2をチャック(把持)するものである。ピックアップ爪16は、それぞれ別の部材を介してヘッド昇降機構86の昇降ロッド97に連結されている。昇降ロッド97の昇降によって、ピックアップ爪16は、互いに接近又は離間する。すなわち、チャックユニット85はピックアップ爪16同士の間隔を調整する間隔調整部として機能し、ピックアップ爪16の間隔が調整可能である。
図11は、昇降ロッド97が最上位に位置する状態を示している。昇降ロッド97が最上位に位置するとき、ピックアップ爪16間が最も離間する。図12に示すように、昇降ロッド97が下降すると、それに合わせて一対のローラ101が下降する。ローラ101の下降に応じて、レバー102aはレバー支持軸103aを中心として回動し、レバー102bはレバー支持軸103bを中心として回動する。レバー102aの回動によって、ローラ104aを介してスライド部105aがX1方向にスライドする。同様に、レバー102bの回動によって、ローラ104bを介してスライド部95bがX2方向にスライドする。スライド部105a、105bの移動によって、ピックアップ爪16は互いに接近するように移動する。
さらに、昇降ロッド97が最下位まで下降すると、ローラ101がさらに下降する。それに合わせてレバー102a、102bは回動し、レバー102a、102bの回動によって、スライド部105、105bがそれぞれX1,X2方向にスライドする。スライド部105a、105bの移動によって、ピックアップ爪16は互いに当接する。
一対のピックアップ爪16は、互いに離反する方向に予め移動した状態で、搬送シュート上の部品2に対して下降することで、部品本体部2aを両側から囲いこむ。次いで、一対のピックアップ爪16は互いに接近する方向に移動することで、部品本体部2aを挟み込む。これにより、一対のピックアップ爪16は部品2を把持した状態となる。このとき、部品2はピックアップ爪16の把持面によって挟まれた状態となる。このように、一対のピックアップ爪16は、部品2を挟み込んで把持する一対の把持部材である。
次に、図13を参照して、部品装着装置1の制御系の構成について説明する。制御部80は、認識部80aと、記憶部80bと、設定部80cと、基板姿勢推定部80dと、を備える。また、制御部80は、基板位置決め部11、挿入ヘッド移動装置12、クリンチユニット移動装置14、保持部駆動装置17、基板撮影カメラ18、θ駆動モータ36、間隔変更モータ38、クリンチシリンダ44、クリンチ検出部75、タッチパネル81、およびアクチュエータ88とそれぞれ通信可能に接続されている。制御部80は、例えば、プロセッサ、または、FPGAで構成される。制御部80は、各移動機構、各駆動機構、各モータの駆動の制御を行う。
認識部80aは、基板撮影カメラ18から入力される画像を基に、基板3の挿入孔3aの位置、補正マーク4の位置、またはランドパターン6の位置を画像認識処理により認識する。
記憶部80bは、基板3に部品2を装着するために必要な各種の装着データおよび部品データを記憶する。また、制御部80の種々の機能を実行するためのプログラムを記憶する。記憶部80bは、例えば、メモリ、ハードディスク、SSD等で構成される。
装着データは、部品2が装着される基板3の各挿入孔3aの位置情報を有する基板情報と、基板3に対して複数の部品をどのような順番でどこに実装するのかという装着情報と、が含まれる。また、装着データには、例えば、基板の上面および下面に装着されている、または、装着を行う部品についての形状(大きさ、高さ)、装着位置、装着順序の情報が含まれる。
設定部80cは、認識部80aにより認識された挿入孔3aの位置に基づいて、部品2の装着位置を設定する。設定した部品2の装着位置は、生産データとして記憶部80bに記憶される。部品2を基板3に装着する際に、生産データを基に、制御部80は挿入ヘッド移動装置12を駆動制御して挿入孔3aの位置へ挿入ヘッド13を移動させる。
基板姿勢推定部80dは、基板3上に設けられた補正マーク4の画像から基板3の姿勢状態を推定する。基板3の姿勢状態は、基板3の水平方向のズレおよび高さ方向の傾きである。
認識部80a、設定部80c、および、基板姿勢推定部80dは、ハードウエアとソフトウェアとの協働によりその機能を実現する。制御部80は、記憶部80bに記憶されたこれらの要素を機能させるプログラムをプロセッサが実行することで実現させてもよい。
次に、図14および図15を参照して、部品2を基板3に装着する位置を認識する認識動作を説明する。図14は、基板の挿入孔の認識の流れを示すフローチャートである。図15は、基板3がアンビル部52に支えられて基板3の挿入孔3aが撮影されるまでの動作説明図である。以下に説明する動作は、部品装着装置1の制御部80が各部材を制御することによってなされる。
基板3に既に別の部品が装着されている場合、リフローにより加熱処理されているので、基板3の中央部が下方に撓んでいる場合がある。この他にも、基板3のサイズが大きい場合、基板3の中央部が下方に撓む場合がある。
基板3へ部品2を装着する生産動作をする前に、基板3の挿入孔3aの正確な位置を検出し、基板3における部品2の装着位置を設定した生産データの作成、いわゆる、ティーチングを行う。この生産データの作成は、例えば、基板3のロットごとに行ってもよいし、定期的に行ってもよい。生産データの作成は、例えば、表面実装部品が基板3に装着されてリフローにより加熱処理された後で、部品2が基板3へ挿入される前に行われる。基板3が既にリフローにより一度加熱されているので、図15(a)に示すように、生産データ作成前の基板3は下方に反っている。
ステップS1において、制御部80は、リード線2Lを折り曲げるアンビル部52を、基板3の撓みを低減するように基板3に接触させる。図15(b)に示すように、下方に撓んだ基板3をアンビル部52が下方から上昇して基板3を上方に押す。基板3がアンビル部52により支持されるので、基板3の下反りが矯正され、撓みが低減される。この際、アンビル部52は、挿入孔3aの近傍領域において基板3と接触する。この挿入孔3aの近傍領域は、例えば、部品2が基板3に装着された状態における部品2の下方領域である。部品2の下方領域は、部品2を基板3に投影した領域でもよい。これにより、基板3について、部品2を挿入孔3aに挿入する際と似た状態にすることができ、挿入孔3aの位置を精度よく認識することができる。
ステップS2において、図15(c)に示すように、制御部80は、基板情報を基に挿入ヘッド移動装置12を制御して、挿入孔3aの上方に基板撮影カメラ18を移動させて、挿入孔3aを撮影して画像を取得する。取得した画像は、認識部80aへ送られる。次に、図15(d)に示すように、基板撮影カメラ18は、別の挿入孔3aを撮影して画像を取得し、取得した画像を認識部80aへ送信する。このように、アンビル部52が上昇した状態で全ての挿入孔3aに対して撮影した画像を取得する。
ステップS3において、認識部80aは取得した画像の中に映る基板3の挿入孔3aを画像認識で検出し、検出した挿入孔3aの位置を認識する。撮影時の基板撮影カメラ18の位置座標と、画像中の挿入孔3aの位置とから、挿入孔3aの正確な位置を認識することができる。認識部80aにより認識された挿入孔3aの位置情報が設定部80cへ送られる。
ステップS4において、設定部80cは、認識された挿入孔3aの位置に基づいて、部品2の装着位置を設定する。設定された各部品2の装着位置は生産情報として記憶部80bにおいて記憶される。
なお、本実施形態では、生産情報を作成するためにステップS4を実施するが、部品2の挿入孔3aを正確に認識したいだけの場合は、ステップS4を省略してもよい。また、この場合は、設定部80cを省略してもよい。
挿入孔3aの認識が終了すると、制御部80はアンビル部52を下降させる。これにより、図15(e)に示すように、基板3は、再び、下反り状態に戻る。
次に、図16を参照して、部品2の基板3への装着動作を説明する。図16は、部品が基板に挿入されてリード線が折り曲げられるまでの動作説明図である。
図16(a)に示すように、部品2を把持した状態の挿入ヘッド13の一対のピックアップ爪16は、生産データの設定された位置における基板3の上方に移動する。生産データの予め設定された位置で、挿入ヘッド13が基板3に向けて下降する。
図16(b)に示すように、基板3の下方からアンビル部52を上昇させて基板3を上方へ押し上げる。また、一対のピックアップ爪16は基板3に対して下降することで、基板3に形成された挿入孔3aにリード線2Lを挿入しつつ、部品本体部2aの下面を基板3に接触させる。さらに、下降する挿入ヘッド13からプッシャ87が下降することで、プッシャ87が保持された部品2を基板3へ押し付けて、基板3の挿入孔にリード線2Lを挿入する。次に、一対のピックアップ爪16は互いに離反する方向に移動することで、部品2の把持を解除する。
図16(c)に示すように、制御部80はクリンチユニット15を駆動し、リード線2Lを折り曲げる。これにより、基板3に部品2が装着される。
次に、図16(d)に示すように挿入ヘッド13を基板3から上昇させ、また、アンビル部52を基板3から下降させる。これにより、基板3が再び下方へ反る。
本実施形態によれば、基板3の挿入孔3aに挿入するためのリード線2Lを有する部品2を基板3に装着する部品装着装置1であって、リード線2Lを折り曲げるアンビル部52と、基板3の撓みを低減するように基板3にアンビル部52を接触させるようにアンビル部52を制御する制御部80と、を備える。部品装着装置1は、アンビル部52を基板3に接触させた状態で、基板3の挿入孔3aを撮影して、撮影した画像を取得する基板撮影カメラ18を備える。制御部80は、取得した画像に基づいて、挿入孔3aの位置を認識する認識部80aを備える。
このような構成により、基板3が下反りする場合でもアンビル部52が基板3の撓みを低減するように基板3に接触するので、基板撮影カメラ18は基板3の挿入孔3aを精度良く撮影することができ、基板3の挿入孔3aの位置を精度良く認識することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、基板3に部品2を装着する前の生産データの作成時にアンビル部52を用いて基板3の下反りを矯正していたが、本実施形態では基板3に部品2を装着する段階で基板3の補正マーク4を認識する際にアンビル部52を用いて基板3の下反りを矯正する。本実施形態の部品装着装置1において、この点および以下に説明する点以外の構成は、第1実施形態の部品装着装置1と共通であるので、説明を省略する。
図1および図17を参照する。図17は、基板の補正マークの認識の流れを示すフローチャートである。基板3が下反りしている場合、基板3の外縁から中央部に向けて傾斜するので、基板3の外縁付近および中央部に設けられた補正マーク4も傾きや歪みが発生し、基板3が平坦な状態での補正マーク4の位置とズレが発生する。そこで、基板3の下反りを矯正し、補正マーク4の位置を正確に認識する。
ステップS1において、制御部80は、リード線2Lを折り曲げるアンビル部52を、基板3の撓みを低減するように基板3に接触させる。中央部が下方に撓んだ基板3をアンビル部52が下方から上昇して基板3を上方に押す。基板3がアンビル部52により支持されるので、基板3の下反りが矯正され、撓みが低減される。このように、制御部80は、アンビル部52が基板3に接触させた状態において、基板3が平坦に近づくように、または、平坦となるようにアンビル部52を制御する。
ステップS12において、制御部80は、生産データを基に挿入ヘッド移動装置12を制御して、補正マーク4の上方に基板撮影カメラ18を移動させて、補正マーク4を撮影して画像を取得する。取得した画像は、認識部80aへ送られる。次に、基板撮影カメラ18は、別の補正マーク4を撮影して画像を取得し、取得した画像を認識部80aへ送信する。このように、アンビル部52が上昇した状態で全ての補正マーク4に対して撮影した画像を取得する。
ステップS13において、認識部80aは取得した画像の中に映る基板3の補正マーク4を画像認識で検出し、検出した補正マーク4の位置を認識する。撮影時の基板撮影カメラ18の位置座標と、画像中の補正マーク4の位置とから、補正マーク4の正確な位置を認識することができる。認識部80aにより認識された補正マーク4の位置情報が基板姿勢推定部80dへ送られる。
ステップS14において、基板姿勢推定部80dは、認識された補正マーク4の位置に基づいて、基板3の姿勢状態を推定する。推定される基板3の姿勢状態に基づいて、基板3が所定の姿勢になるように、制御部80が基板位置決め部11を制御する。
なお、本実施形態では、基板3の姿勢を修正するためにステップS14を実施するが、基板3の補正マーク4を正確に認識したいだけの場合は、ステップS14を省略してもよい。また、この場合は、基板姿勢推定部80dを省略してもよい。
本実施形態によれば、基板3の挿入孔3aに挿入するためのリード線2Lを有する部品2を基板3に装着する部品装着装置1であって、リード線2Lを折り曲げるアンビル部52と、基板3の撓みを低減するように基板3にアンビル部52を接触させるようにアンビル部52を制御する制御部80と、を備える。部品装着装置1は、アンビル部52を基板3に接触させた状態で、基板3の補正マーク4を撮影して、撮影した画像を取得する基板撮影カメラ18を備える。制御部80は、取得した画像に基づいて、補正マーク4の位置を認識する認識部80aを備える。
このような構成により、基板3が下反りする場合でもアンビル部52が基板3の撓みを低減するように基板3に接触するので、基板撮影カメラ18は基板3の補正マーク4を精度良く撮影することができ、基板3の補正マーク4の位置を精度良く認識することができる。
また、本実施形態において、搬送される基板3は、既に部品2が実装されている実装基板であってもよい。特に、アンビル部52が接触する基板3の面(下面)に、部品2が既に装着されている場合もある。下面にすでに複数の部品(例えば、表面実装部品)が実装された基板3に対して、アンビル部52が下方から基板3を支える。基板3の下面にすでに実装されている複数の部品には複数種類の部品が含まれ、その形状および大きさも様々である。
図18は、部品装着装置1にてリード線2Lを有する部品2が実装される基板3の模式断面図である。図18に示すように、基板3の下面にはすでに複数の部品(例えば、表面実装部品)5A~5Cが実装されている。基板3の下面に実装されている部品5は複数種類存在している。例えば、図12の例では、第1部品5A、第2部品5B、第3部品5Cが存在し、それぞれ形状、大きさが互いに異なっている。また、基板3の上面には、導体配線パターンと接続されるランドパターン6が設けられている。
制御部80は、これらの第1部品5A~第3部品5Cとの干渉を避けるように、基板3に対するアンビル部52の接触位置、アンビル部52が有する第2爪55aの傾き、またはアンビル部52が有する第2爪55aの間隔を調整する。これにより、アンビル部52が基板3を下から支える際に、アンビル部52によって基板3に装着された部品2と接触するのを防止することができる。
なお、本実施形態では、基板3の補正マーク4を撮影して補正マーク4の位置を認識していたが、補正マーク4の代わりにランドパターン6を撮影してランドパターン6の位置を認識してもよい。すなわち、部品装着装置1は、アンビル部52を基板3に接触させた状態で、基板3上に設けられたランドパターン6を撮影して、撮影した画像を取得する基板撮影カメラ18を備え、制御部80は、取得した画像に基づいて、ランドパターン6の位置を認識する認識部80aを備えてもよい。
また、本実施形態では、生産データの作成時に、クリンチユニット移動装置14により上下方向に変位されるアンビル部52が基板3の下面に接触して押し上げていた。このとき、2つのアンビル部52は、基板3の下面に単に接触して押し上げてもよいし、2つのアンビル部52それぞれの第2爪55aを「待機位置」から「カット位置」に移動させて接触してもよい。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
なお、上述した様々な実施形態および変形例のうちの任意の実施形態あるいは変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本開示にかかる部品装着装置は、基板に挿入された部品のリードを折り曲げる部品装着装置に適用可能である。
1 部品装着装置
2 部品
2a 部品本体部
2L リード線
3 基板
3a 挿入孔
4 補正マーク
5A 第1部品
5B 第2部品
5C 第3部品
6 ランドパターン
11 基板位置決め部
12 挿入ヘッド移動装置
13、13A、13B 挿入ヘッド
14 クリンチユニット移動装置
14T アタッチメント部材
15 クリンチユニット
16 ピックアップ爪
17 保持部駆動装置
18 基板撮影カメラ
19 部品撮影カメラ
21 ベース部材
21a ブラケット部
21b ブロック部
21c 底板部
22 回転ベース
22a 支柱
22b 垂直部
23 アンビルユニット
24 リード屑回収容器
31 θ回転シャフト
32 θ回転シャフト駆動ギヤ
33 間隔変更シャフト
34 間隔変更シャフト駆動ギヤ
35 駆動側傘歯車35
36 θ駆動モータ
37 θ駆動ギヤ
38 間隔変更モータ
39 間隔変更ギヤ
41 ロッド部材
42 ローラ部材
43 操作板
44 クリンチシリンダ
44a ピストンロッド
45 レバー部材
45a 一端
45b 操作端
51 アンビルベース
51a マウント部
51A 固定側ベース
51B 可動側ベース
52 アンビル部
54 第1爪保持部
54a 第1爪
55 第2爪保持部
55a 第2爪
55J 揺動軸
56 アンビル操作ロッド
57 下端側ローラ
58 上端側ローラ
60 送りねじ機構
61 ボールねじ
62 従動側傘歯車
63 移動ブロック
64 連結部材
75 クリンチ検出部
80 制御部
80a 認識部
80b 記憶部
84 ヘッド本体部
85 チャックユニット
86 ヘッド昇降機構
87 プッシャ
88 アクチュエータ
90 スリット
91 昇降モータ
92 送りネジ
93 ナット部
94 チャック駆動用モータ
94a ウォームホイール
94b ウォームギヤ
95 チャック回転用モータ
96 プッシャ装置
97 昇降ロッド
101a、101b ローラ
102a、102b レバー
103a、103b レバー支持軸
104a、104b ローラ
105a、105b スライド部

Claims (10)

  1. 基板の挿入孔に挿入するためのリード線を有する部品を前記基板に装着する位置を認識する認識方法であって、
    前記リード線を折り曲げるアンビル部を、前記基板の撓みを低減するように前記基板に接触させ、
    前記アンビル部を前記基板に接触させた状態で、撮影部によって前記基板の前記挿入孔、前記基板上に設けられた補正マーク、及び前記基板上に設けられたランドパターンの内少なくとも前記補正マークを撮影して、撮影した画像を取得し、
    前記画像に基づいて、前記挿入孔の位置、前記補正マークの位置、及び前記ランドパターンの内少なくとも前記補正マークの位置を認識し、
    認識された前記補正マークの位置に基づいて前記基板の姿勢状態を推定する、
    認識方法。
  2. 前記アンビル部を前記基板に接触させた状態において、前記基板は平坦である、
    請求項1に記載の認識方法。
  3. 前記撮影部により前記基板の挿入孔を撮影して、画像を取得し、
    認識された前記挿入孔の位置に基づいて、前記部品の装着位置を設定する、
    請求項1または2に記載の認識方法。
  4. 前記基板の撓みを低減するように前記基板に前記アンビル部が接触した際に、前記アンビル部は、前記挿入孔の近傍領域において前記基板と接触し、
    前記挿入孔の近傍領域は、前記部品が前記基板に装着された状態における前記部品の下方領域である、
    請求項1から3のいずれか1つに記載の認識方法。
  5. 前記アンビル部が接触する前記基板の面には、部品が装着されており、
    前記部品との干渉を避けるように、前記基板に対する前記アンビル部の接触位置、前記アンビル部の傾き、または前記アンビル部が有する爪の間隔を調整する、
    請求項1から4のいずれか1つに記載の認識方法。
  6. 基板の挿入孔に挿入するためのリード線を有する部品を基板に装着する部品装着装置であって、
    前記リード線を折り曲げるアンビル部と、
    前記基板の撓みを低減するように前記基板に前記アンビル部を接触させるように前記アンビル部を制御する制御部と、
    前記アンビル部を前記基板に接触させた状態で、前記基板の挿入孔、前記基板上に設けられた補正マーク、及び前記基板上に設けられたランドパターンの内少なくとも前記補正マークを撮影して、撮影した画像を取得する撮影部と、を備え、
    前記制御部は、前記画像に基づいて、前記挿入孔の位置、前記補正マークの位置、及び前記ランドパターンの内少なくとも前記補正マークの位置を認識する認識部と、
    撮影された画像における前記前記補正マークの位置に基づき前記基板の姿勢状態を推定する基板姿勢推定部と、
    を備える、
    部品装着装置。
  7. 前記制御部は、前記アンビル部を前記基板に接触させた状態において、前記基板が平坦となるように前記アンビル部を制御する、
    請求項6に記載の部品装着装置。
  8. 前記制御部は、前記基板における前記部品の装着位置を設定する設定部をさらに備え、
    前記撮影部は、前記基板の挿入孔を撮影し、
    前記設定部は、認識された前記挿入孔の位置に基づいて、前記部品の装着位置を設定する、
    請求項6または7に記載の部品装着装置。
  9. 前記制御部は、前記基板の撓みを低減するように前記基板に前記アンビル部が接触する際に、前記アンビル部が前記挿入孔の近傍領域において前記基板と接触するように、前記アンビル部を制御し、
    前記挿入孔の近傍領域は、前記部品が前記基板に装着された状態における前記部品の下方領域である、
    請求項8に記載の部品装着装置。
  10. 前記アンビル部が接触する前記基板の面には、部品が装着されており、
    前記制御部は、前記部品との干渉を避けるように、前記基板に対する前記アンビル部の接触位置、前記アンビル部の傾き、または前記アンビル部が有する爪同士の間隔を調整する、
    請求項6から9のいずれか1つに記載の部品装着装置。
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