JP7439550B2 - 内視鏡用針状メス - Google Patents
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Description
このような高周波ナイフは、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の内視鏡用処置具(高周波ナイフ)は、切開処置及び凝固処置を、それぞれに適した形状の電極部を速やかに使い分けて行うことを目的としてなされたものである。この目的のため、特許文献1には、挿通孔が形成された管状の第1電極部、挿通孔内を進退自在に挿通された棒状の第2電極部を内視鏡用処置具に設けている。そして、この内視鏡用処置具では、第2電極部を第1電極部の先端から突没させると共に、第1電極部内に没入したときに第1電極部と電気的に接続するように構成している。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、操作性に優れ、電極に適正な推進力を与えることによって被処置部位を適切に処置することができる内視鏡用針状メスに関する。
前記チューブ部の基端の側に設けられ、前記給電ワイヤ及び前記針状処置部を進退操作する操作部と、備え、前記チューブ部は、絶縁性のアウターチューブと、前記アウターチューブの内部に挿通されて前記給電ワイヤを摺動可能に収容するインナーチューブと、を含む。
図1は、本実施形態の内視鏡用針状メス1の外観を示す図である。図2は、内視鏡用針状メス1を内視鏡200に挿通して使用する状態を示す図である。図3は、内視鏡用針状メス1の先端の側の構造を説明するための模式的な斜視図である。
図1に示すように、内視鏡用針状メス1は、操作部20と、針状処置部30と、操作部20と針状処置部30とを接続するチューブ部10とを備えている。このような内視鏡用針状メス1は、内視鏡のチャンネルに挿通して用いられて生体組織をマーキング及び切開する内視鏡用針状メスである。
チューブ部10の内腔には給電ワイヤ11(図3)が挿通されている。内視鏡用針状メス1は、給電ワイヤ11の先端に設けられ、給電ワイヤ11を介して給電される針状処置部30と、給電ワイヤを収容するチューブ部10と、チューブ部10の基端の側に設けられ、給電ワイヤ11及び針状処置部30を進退操作する操作部20と、備えている。
給電ワイヤ11は、操作部20の操作によってチューブ部10の内腔を軸方向に進退自在に摺動するワイヤであって、チューブ部10の先端を所望の位置に移動させるための操作ワイヤを兼ねている。
針状処置部30は、給電ワイヤ11の先端に設けられ、高周波電流が通電される。通電は、操作部20から突出する電源プラグ24に図示しない電源ケーブルを接続して行われる。
以下、上記の構成について、順に説明する。
操作部20は、チューブ部10の中の給電ワイヤ11を進退操作することによって、針状処置部30の突出長を整える部材である。操作部20は、ハンドル22、軸部21、スライダ23及び電源プラグ24等を含んでいる。ハンドル22は、操作者が把持する部位である。軸部21は筒状をなしており、軸部21の軸方向にスライダ23をスライドさせると、スライダ23の動きに応じて給電ワイヤ11が先端側または基端側に摺動するようになっている。電源プラグ24は、不図示の電源ケーブルに接続されることによって通電し、給電ワイヤ11を介して針状処置部30に高周波電流を印加することができる。
給電ワイヤ11を複数の金属線で形成することによって、一部の金属線が破断しても高周波電流の通電が途切れないという効果を奏する。また、給電ワイヤ11は撚り線となっているので摺動性が高く、チューブ部10の内腔15を進退する際の摩擦が低減される。
本実施形態では、スライダ23を前後にスライドさせることによって給電ワイヤ11がチューブ部10において前進、または後退する。給電ワイヤ11が前進または後退することにより、給電ワイヤ11の先端と接触する針状処置部30がチューブ部10から突出する長さが変化する。すなわち、操作部20は、針状処置部30の突出長さの変更操作を行うことができる。
針状処置部30は、針状の電極であり、給電を受けて電流を被処置部位に流して被処置部位の処置すべき個所をマーキングする、さらにマーキングされた被処置部位のプレカットする部材である。なお、ここで「針状」は、チューブ部10よりも小径の突起であることを指していて、その先端に例えば球形等の他の形状の部材を有するものであってもよい。
針状処置部30は、突出長さが短い状態で被処置部位のマーキングに使用され、突出長さが長い状態で被処置部位のプレカットに使用される。
チューブ部10は、針状処置部30が突出及び収容されるストッパー部16を先端に備えている。チューブ部10は、給電ワイヤ11及び図3のストッパー部16を被覆し、保護する部材である。チューブ部10は、インナーチューブ13と、インナーチューブ13が挿通されるアウターチューブ12とによって構成される。アウターチューブ12及びインナーチューブ13は、樹脂材料で構成されている。樹脂材料は、単一の種類の樹脂であってもよいし、複数の種類の樹脂を混合したもの。樹脂に樹脂以外の他の材料を混合したものであってもよい。より具体的には、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等、可撓性を有する素材から一種または複数種を適宜選択して採用することが可能である。本実施形態のアウターチューブ12は四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP:perfluoroethylene propylene copolymer)、インナーチューブ13は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:polytetrafluoroethylene)によって形成されている。インナーチューブ13は、その内腔15に内在する給電ワイヤ11及び給電ワイヤ11と接触する針状処置部30に高周波電流が流れるので、絶縁性を有することが好ましい。
図3では、小径部16bの一部を切り欠いて示していて、小径部16bの内部が空洞160になっている。空洞160を形成する小径部16bの内周面には段差部16cが形成されていて、給電ワイヤ11は、段差部16cで位置決めされると共に保持されて、空洞160に遊挿される。
ストッパー部16の長さ及び易屈曲領域Reの長さは、チューブ部10の軸方向の長さをいう。ストッパー部16よりも長い易屈曲領域Reの長さは、ストッパー部16の長さの二倍以上であることが好ましく、例えば、5cm以上、20cm以下であることが好ましい。
そこで、本発明者らは、チューブ部10が、ストッパー部16に隣接し、ストッパー部16の長さより長い易屈曲領域Reを有するように構成する。このようにすると、チューブ部10は先端の近くにあっては曲がりやすくなり、臓器内の所望の位置に針状処置部30を移動し易くすることができる。
つまり、本実施形態は、易屈曲領域Reの曲げ剛性を易屈曲領域Reよりも操作部20の側の曲げ剛性より小さくすることにより、針状処置部30の推進力低下の防止と内視鏡用針状メス1の操作性低下の防止を両立することが可能になる。
図6(a)から図6(e)は、易屈曲領域Reの構成例を説明するための図である。図6(a)から図6(e)は、いずれもチューブ部10軸方向に切断した縦断面図であって、ストッパー部16の操作部20側の端部である後端部Eとインナーチューブとが隣接する個所を含む部分を示している。なお、図6(a)から図6(e)では、いずれも給電ワイヤ11の図示を略している。
図6(a)に示す例では、チューブ部10を周方向にみた場合、全方向について曲げ剛性が小さくなっている。
また、欠損部34が形成されることにより、インナーチューブ33に張出部35が形成される。張出部35は、ストッパー部16の後端部Eまで延出し、給電ワイヤ11の向きを軸方向に向かわせるように機能する。このような構成によれば、特にチューブ部10を曲げたい方向にのみ曲げ剛性を弱め、針状処置部30の推進力の低下を防止の効果を高めることができる。
インナーチューブ43は、チューブ部10を所望の方向にのみ曲げやすくすることに有利であり、易屈曲領域Re2を設けたことによる針状処置部30の推進力の低下を最小限に抑えることができる。
すなわち、易屈曲領域Re4に曲げ方向の力が加わると、力が加わった部分の短インナーチューブ53b間の角度が開くことによって長インナーチューブ部53aよりも曲げ易くなる。このことにより、易屈曲領域Re4の曲げ剛性は、長インナーチューブ部53aよりも小さいものといえる。
図6(d)に示す構成では、インナーチューブ53の材料の他、短インナーチューブ53bの長さや数によって曲げ剛性を調整することが可能になる。
このような構成により、本実施形態は、チューブ部10の先端の側の曲げ剛性を他の部分よりも小さくし、針状処置部30を自在に所望の位置に送り込むことが可能になる。したがって、本実施形態の内視鏡用針状メス1は、高い操作性を得ることができる。
(1)内視鏡のチャンネルに挿通して用いられて生体組織をマーキング及び切開する内視鏡用針状メスであって、給電ワイヤの先端に設けられ、前記給電ワイヤを介して給電される針状処置部と、前記給電ワイヤを収容するチューブ部と、前記チューブ部の基端の側に設けられ、前記給電ワイヤ及び前記針状処置部を進退操作する操作部と、備え、前記チューブ部は、絶縁性のアウターチューブと、前記アウターチューブの内部に挿通されて前記給電ワイヤを摺動可能に収容するインナーチューブと、を含む、内視鏡用針状メス。
(2)前記インナーチューブは、前記チューブ部の基端部から中間部を超えて延在する、(1)の内視鏡用針状メス。
(3)前記チューブ部は、前記針状処置部が突出及び収容されるストッパー部を先端に備え、前記ストッパー部に隣接し、前記ストッパー部の長さより長い易屈曲領域を有し、前記易屈曲領域の曲げ剛性は、前記操作部の側の曲げ剛性より小さい、(1)または(2)の内視鏡用針状メス。
(4)前記インナーチューブの長さが前記ストッパー部に達するよりも短く、前記易屈曲領域においては、前記インナーチューブと前記ストッパー部との間に空間が形成される、(3)の内視鏡用針状メス。
(5)前記易屈曲領域が、周方向に見た一または複数の方向において、他の方向よりも曲げ剛性が小さい、(3)または(4)の内視鏡用針状メス。
(6)前記易屈曲領域においては、前記インナーチューブに欠損部が形成されている、(3)から(5)のいずれか一つの内視鏡用針状メス。
(7)前記欠損部は、前記インナーチューブの長さ方向に沿う切込み部である、(6)の内視鏡用針状メス。
(8)前記欠損部は、前記インナーチューブの一部が長さ方向に沿って欠損するように形成される、(6)の内視鏡用針状メス。
(9)前記欠損部は、前記インナーチューブの長さ方向に沿って複数形成されている、(6)の内視鏡用針状メス。
(10)前記易屈曲領域においては、前記易屈曲領域よりも長さが短い非接合の短インナーチューブを複数含む、(2)から(9)のいずれか一つの内視鏡用針状メス。
10・・・チューブ部
11・・・給電ワイヤ
12・・・アウターチューブ
13、33、43、53、63、130・・・インナーチューブ
14・・・接合パイプ
15・・・内腔
16・・・ストッパー部
16a・・・大径部
16b・・・小径部
16c・・・段差部
20・・・操作部
21・・・軸部
22・・・ハンドル
23・・・スライダ
24・・・電源プラグ
30・・・針状処置部
34、64、65・・・欠損部
35・・・張出部
44・・・切込み部
53a・・・長インナーチューブ部
53b・・・短インナーチューブ
160・・・空洞
200・・・内視鏡
210・・・チャンネル
E・・・後端部
Re、Re1、Re2,Re3、Re4,Re5・・・易屈曲領域
Ro・・・操作部側領域
S1、S2・・・空間
Claims (10)
- 内視鏡のチャンネルに挿通して用いられて生体組織をマーキング及び切開する内視鏡用針状メスであって、
給電ワイヤの先端に設けられ、前記給電ワイヤを介して給電される針状処置部と、
前記給電ワイヤを収容するチューブ部と、
前記チューブ部の基端の側に設けられ、前記給電ワイヤ及び前記針状処置部を進退操作する操作部と、を備え、
前記チューブ部は、絶縁性のアウターチューブと、前記アウターチューブの内部に挿通されて前記給電ワイヤを摺動可能に収容するインナーチューブと、前記針状処置部が突出及び収容されるストッパー部と、前記ストッパー部に隣接した易屈曲領域と、を含み、
前記ストッパー部は、前記チューブ部の先端に設けられており、前記給電ワイヤの後退を制限する段差部を備え、
前記インナーチューブの長さが前記ストッパー部に達するよりも短く、
前記易屈曲領域の曲げ剛性は、前記操作部の側の曲げ剛性より小さく、
前記易屈曲領域においては、前記インナーチューブと前記ストッパー部との間に空間が形成される、内視鏡用針状メス。 - 前記針状処置部は、前記段差部によって前記給電ワイヤの後退が制限された状態において、前記チューブ部から突出している、請求項1に記載の内視鏡用針状メス。
- 内視鏡のチャンネルに挿通して用いられて生体組織をマーキング及び切開する内視鏡用針状メスであって、
給電ワイヤの先端に設けられ、前記給電ワイヤを介して給電される針状処置部と、
前記給電ワイヤを収容するチューブ部と、
前記チューブ部の基端の側に設けられ、前記給電ワイヤ及び前記針状処置部を進退操作する操作部と、を備え、
前記チューブ部は、絶縁性のアウターチューブと、前記アウターチューブの内部に挿通されて前記給電ワイヤを摺動可能に収容するインナーチューブと、前記針状処置部が突出及び収容されるストッパー部と、前記ストッパー部に隣接した易屈曲領域と、を含み、
前記ストッパー部は、前記チューブ部の先端に設けられており、
前記易屈曲領域の曲げ剛性は、前記操作部の側の曲げ剛性より小さく、
前記易屈曲領域においては、前記易屈曲領域よりも長さが短い非接合の短インナーチューブを複数含む、内視鏡用針状メス。 - 前記インナーチューブは、前記チューブ部の基端部から中間部を超えて延在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の内視鏡用針状メス。
- 前記易屈曲領域は、前記ストッパー部の長さより長い請求項1から4のいずれか一項に記載の内視鏡用針状メス。
- 前記易屈曲領域の一部が、前記チューブ部の径方向のうち一または複数の方向において、前記径方向における他の方向よりも曲げ剛性が小さい、請求項1から5のいずれか一項に記載の内視鏡用針状メス。
- 前記易屈曲領域の一部においては、前記インナーチューブに欠損部が形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の内視鏡用針状メス。
- 前記欠損部は、前記インナーチューブの長さ方向に沿って形成され、前記インナーチューブの外部から前記給電ワイヤを収容する内部まで、前記インナーチューブの径方向に貫通して形成されている請求項7に記載の内視鏡用針状メス。
- 前記欠損部は、前記インナーチューブの一部が長さ方向に沿って欠損するように形成される、請求項7に記載の内視鏡用針状メス。
- 前記欠損部は、前記インナーチューブの長さ方向に沿って複数形成されており、複数の前記欠損部は、前記インナーチューブの軸方向から見て、互いに直交する方向に形成されている請求項7に記載の内視鏡用針状メス。
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