JP4716939B2 - 内視鏡用処置具 - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡に通して使用する内視鏡用処置具に関する。
近年では、消化管系や膵胆管系に対する医療行為を経内視鏡的に行うケースが増加している。例えば、経内視鏡的に膵胆管系に対する医療行為では、十二指腸乳頭からカテーテルを挿入して胆管や膵管を造影する診断的なものや、バルーンやバスケットで胆石を回収する処置などがあげられる。
しかし、胆石を回収するためには、十二指腸乳頭及び胆管出口の開口が狭いため、パピロトミーナイフと呼ばれる高周波ナイフを使用して十二指腸乳頭及び胆管の出口を切開して開口を拡げる必要がある(例えば、特許文献1参照)。高周波ナイフは、十二指腸乳頭及び胆管の出口に挿入可能な細径の可撓性シースに導電性のワイヤを通した構成を有し、可撓性シースの先端部ではワイヤが外壁面に露出している。使用時には、可撓性シースの先端部を十二指腸乳頭から胆管に挿入した状態で可撓性シースを湾曲させる。これによって高周波ナイフの先端部分がワイヤを弦とするような弓状になるので、ワイヤに高周波電流を入力すると十二指腸乳頭の括約筋が切開される。これによって、十二指腸乳頭及び胆管の出口が広く開口する。
特開2001−70316号公報
ところで、十二指腸乳頭及び胆管の出口を切開して広げるためには、十二指腸乳頭を胆管の延びている方向に切開する必要がある。また、切開時の出血を抑えるためには適切に切開方向と切開長さで切開する必要がある。適切な切開方向と切開長さは解剖学的な胆管の方向とその周囲の血管の位置から一般的なものが決まっている。切開方向については、十二指腸乳頭を正面からみて十二指腸の口側を12時方向、肛門側を6時方向とすると、十二指腸乳頭の開口を中心にして11時から12時の方向であり、切開長さは最大でも十二指腸乳頭の口側隆起の上縁までとされている。11−12時以外の方向に切開したり、十二指腸乳頭の口側隆起の上縁以上の長さで切開すると、出血の可能性が増す。
したがって、高周波ナイフによる切開長さや切開方向を術者が所望するように調整できることが好ましい。しかしながら、従来の高周波ナイフでは、高周波電流の入力中、つまり切開をしている最中に内視鏡を微妙に操作して切開する方向や長さを調整しなくてはならないため、熟練を要するという問題があった。
また、従来のパピロトミーナイフで乳頭及び胆管の出口を切開するためには、前述の可撓性シースを胆管に挿入することが、切開長さ、切開方向を調整するために不可欠なものであった。
しかし、胆管と膵管の乳頭部での開口の仕方によっては処置具を胆管に挿入できないことがある。
例えば、乳頭内部の形態であるが、図39に示すように、十二指腸の乳頭DN1の開口から共通管CT1と呼ばれる管が奥へ延びており、胆管BT1、膵管PT1のそれぞれの開口BT2,PT2はその共通管CT1の奥にあるという場合が良くある。そして、膵管PT1の入口PT2は十二指腸壁に対して略直角の向きに延びているのに対し、胆管BP1は膵管PT1より上方(十二指腸の口側の方向)、つまり内視鏡の挿入方向に対して逆方向の角度に延びているため、内視鏡から突出した処置具は向きが合い易い膵管PT1に入ってしまい、向きが合い難い胆管BT1には挿入できないことがある。
このようにパピロトミーナイフを胆管に挿入できない場合には、特開平4−329944号公報で示されるような針状の高周波ナイフを用いて乳頭の入口を切開(プレカット)することで胆管BT1の入口BT2と膵管PT1の入口PT2を図40に示すように分離し、胆管BT1への挿入を可能にする手技が行われる。しかし、針状の高周波ナイフによる切開は、針の先端の位置を内視鏡操作だけで調整しなくてはならないため、シースの先端を胆管BT1に挿入した状態で行うパピロトミーナイフによる切開よりも、さらに切開方向や、切開長、さらに切開の深さの調整が難しい手技であり、内視鏡操作に非常に熟練した一部の術者にしかできないという問題があった。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、生体内に形成された開口の切開を容易に、かつ確実にできるようにすることを主な目的にする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、可撓性を有し、内部にルーメンが形成された長尺の挿入部と、前記挿入部の先端に回動自在に設けられた第一の鉗子片と、前記第一の鉗子片に接続され、前記挿入部内を通って電源装置に接続される第一の導電部材と、前記挿入部に対して固定され、前記第一の鉗子片を受ける第二の鉗子片となる先端挿入部と、を有し、前記先端挿入部は、前記挿入部の前記ルーメンに連通し、先端に開口が形成された略円筒形状を有し、前記先端挿入部の先端位置と前記第一の鉗子片の先端位置とが略一致することを特徴とする内視鏡用処置具とする。
この内視鏡用処置具は、第一の鉗子片を開いた状態で先端挿入部を体内の管腔の入口に挿入する。先端挿入部の挿入量で切開量を調整し、第一の鉗子片の向きで切開位置を調整する。第一の鉗子片と先端処置部とで挟み込んでから高周波電流を流して生体組織を切開する。必要に応じて第一の鉗子片と先端挿入部を切開した入口から管腔に挿入する。先端挿入部を介して造影を注入したり、ガイドワイヤを挿入したりする。なお、ガイドワイヤを予め管腔に挿入しておき、ガイドワイヤを伝って先端挿入部を管腔の入口に挿入しても良い。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内視鏡用処置具において、前記挿入部は、2つ以上のルーメンを有し、第一のルーメンが前記先端挿入部に連通すると共に前記挿入部の基端側に開口し、第二のルーメンには前記第一の鉗子片を操作するための操作ワイヤが進退自在に通されていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具では、操作ワイヤが通される第二のルーメンに対して独立している第一のルーメンにガイドワイヤや造影剤が通されるので、操作ワイヤがガイドワイヤ等に干渉しない。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の内視鏡用処置具において、前記挿入部は、第三のルーメンを有し、前記第三のルーメンは前記挿入部の基端側に開口し、前記挿入部の先端側では前記第一のルーメンに連通していることを特徴とする。
この内視鏡用処置具では、第一のルーメンと第三のルーメンが先端部分を除いて分離されているので、それぞれのルーメンを異なる用途に使用できる。例えば、一方のルーメンにガイドワイヤを通し、他方のルーメンを通して造影剤を注入することができる。
請求項4に係る発明は、可撓性を有し、内部にルーメンが形成された長尺の挿入部と、前記挿入部の先端に回動自在に設けられた第一の鉗子片と、前記第一の鉗子片に接続され、前記挿入部内を通って電源装置に接続される第一の導電部材と、前記挿入部に対して固定され、前記第一の鉗子片を受ける第二の鉗子片となる先端挿入部と、を有し、前記先端挿入部は、ルーメンを有する略円筒形状を有し、このルーメンの先端は前記先端挿入部の先端に開口し、後端は前記先端挿入部の後端付近の前記挿入部との接続面とは異なる外表面に開口し、前記先端挿入部の先端位置と前記第一の鉗子片の先端位置とが略一致していることを特徴とする内視鏡用処置具とした。
この内視鏡用処置具では、例えば、予め管腔に挿入したガイドワイヤを先端挿入部の管路に通し、ガイドワイヤを伝って先端挿入部を管腔の入口に挿入する。先端挿入部を入口に挿入するときは、第一の鉗子片を開いておき、先端挿入部の挿入量で切開量を調整し、第一の鉗子片の向きで切開位置を調整する。第一の鉗子片と先端処置部とで挟み込んでから高周波電流を流して生体組織を切開する。必要に応じて第一の鉗子片と先端挿入部を切開した入口から管腔に挿入する。先端挿入部の先端位置と第一の鉗子片の先端位置が略一致するので、先端挿入部の挿入量で切開量を調整できる。
請求項5に係る発明は、可撓性を有する長尺の挿入部と、前記挿入部の先端に回動自在に設けられた第一の鉗子片と、前記挿入部に対して固定され、前記第一の鉗子片を受ける第二の鉗子片となる先端挿入部と、を有し、前記第一の鉗子片には、前記挿入部内を通って電源装置に接続される第一の導電部材が接続され、前記先端挿入部は略円筒形状を有し、前記先端挿入部の先端位置と前記第一の鉗子片の先端位置とが略一致することを特徴とする内視鏡用処置具とした。
この内視鏡用処置具は、先端挿入部の先端位置と第一の鉗子片の先端位置が一致しているので、切開長さの調整が容易になる。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内視鏡用処置具において、前記挿入部の軸線回りの捻りを抑制する補強部材が前記挿入部の長さ方向に沿って挿入されていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具は、補強部材がトルクを伝達することで、手元側で内視鏡用処置具を軸線回りに回転させたときに、第一の鉗子片や先端挿入部を回転させることができる。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内視鏡用処置具において、前記第一の鉗子片は、前記先端挿入部に向かって幅を減少させつつ突出する切開電極を有し、前記切開電極は前記先端挿入部に臨む先端部分を除いて絶縁被覆され、前記先端挿入部は、前記第一の鉗子片の突出した前記切開電極及び組織に対して絶縁されていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具では、切開電極の周囲の電流密度が高くなって所望の部分が切開電極の長さに略等しい長さで切開される。また、先端挿入部が絶縁されることで切開電極の周囲の電流密度が高くなる。
請求項8に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内視鏡用処置具において、前記先端挿入部は、導電性材料から製造されており、前記挿入部内に設けられた第二の導電材料を介して電源装置に接続可能に構成されていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具は、バイポーラタイプの切開鉗子になっており、先端挿入部と切開電極との間を通る高周波電流で生体組織が切開される。人体に帰還電極を設ける必要がなくなる。
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の内視鏡用処置具において、前記先端挿入部は、前記第一の鉗子片に臨む部分を除いて絶縁することで電極が形成されていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具では、先端挿入部の電極と切開電極との間を通る高周波電流で生体組織が切開される。電流密度を高め易い。
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の内視鏡用処置具において、前記先端挿入部に形成された前記電極部分は、前記第一の鉗子片の前記切開電極に合わせて前記先端挿入部の長さ方向に細長に形成されていることを特徴とする。
この内視鏡用処置具では、先端挿入部の電極が細長になっているので、電流密度がさらに高まると共に、切開長さや切開される幅をコントロールし易くなる。
本発明によれば、先端挿入部の挿入量で切開長を調整し、第一の鉗子片の向きで切開方向を調整し、調整された切開線は第一の鉗子片と先端挿入部で挟むことにより固定し、高周波電流の通電による切開は挟んだ状態のままで行うため、所望の切開長、切開方向が確実に得られる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施の形態において同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、内視鏡用処置具1(以下、処置具1という)は、術者が操作をする操作部2を有し、操作部2から可撓性を有する長尺の挿入部3が延設され、挿入部3の先端に処置部4が設けられたモノポーラ切開鉗子である。
図1及び図2に示すように、挿入部3は、内側に可撓性のシース10を有し、シース10の外周を軸線回りの捻りを抑制し回転トルクを伝達する金属メッシュからなるブレード11(補強部材)で覆った上から絶縁チューブ12で被覆してある。金属メッシュは、例えば、0.01〜0.1mm程度の直径からなるステンレスの素線を、格子状に編んだメッシュ、若しくは同素線を2本〜12本程度並列に束ねて帯状にし、この帯を20束〜30束程度格子状に編んだメッシュで構成されている。ブレード11は、ある程度の強度を有する部材であれば良く、金属メッシュに限定されない。シース10には、2つのルーメン13,14がシース10の長さ方向に沿って略平行に形成されている。第一のルーメン13の径は、他の処置具であるガイドワイヤや、造影剤などを挿通可能な大きさである。第一のルーメン13の先端部は、挿入部3の先端に開口している。シース10の基端部は、第一のルーメン13を含む部分が手元側で分岐している。分岐したシース10Aの端部には、ガイドワイヤを挿入したり、造影剤を入れたシリンジを装着したりできるコック15が取り付けられている。第二のルーメン14は、第一のルーメン13よりも細径である。その先端は、挿入部3の側部にスリット状に開口している。第二のルーメン14には、操作ワイヤ16が進退自在に通されている。操作ワイヤ16の先端部は、先端開口17から引き出されている。操作ワイヤ16の基端部は、操作部2に引き込まれている。操作ワイヤ16は、ステンレスや鋼などの金属線を先端開口17から引き出された部分も含めて絶縁材料で被覆した第一の導電部材である。
図2及び図3に示すように、処置部4は、挿入部3の先端に固定された処置部本体21を有する。処置部本体21には、第一の鉗子片22がピン23で回動自在に支持されている。処置部本体21は、内部にルーメン24(管路)が形成された略円筒形状を有する。処置部本体21の基端部は、挿入部3の第一のルーメン13に挿入されており、その外周面には抜け止めのための返し25が突設されている。したがって、処置部本体21のルーメン24は、第一のルーメン13と同軸上に、かつ連通するように形成されている。なお、処置部本体21の基端部が挿入されている部分は、挿入部3にブレード11が設けられていない。ブレード11は、この部分を除いて挿入部3の略全長に沿って設けられている。
処置部本体21で挿入部3よりも先端側に露出する部分は、その一部が径方向外側に膨出して支持部26を形成している。この支持部26に、ピン23がルーメン24に直交する方向に通されている。処置部本体21において、支持部26の形成位置よりも先端側は、外径が略一定の円筒形状をした先端挿入部27になっている。先端挿入部27の外径は、乳頭に挿入可能な大きさであるが、例えば最も一般的な0.035インチ(0.89mm)のガイドワイヤをルーメン24に通すことを目的とする場合にはルーメン径が0.9〜1mm程度となり、先端挿入部27の外径は1.4〜2mm程度となる。このような太さは、一般的な処置具の外径が2mm程度であることから十分細い外径である。
また、胆管への挿入が困難なときには先端の細い処置具が挿入し易い場合があるが、それにならって先端挿入部27の外径を極力小さくして乳頭への挿入性を向上させることを優先する場合には、ルーメン24は造影剤の注入だけに絞り込んで内径を0.3mm程度と小さくし、それによって先端挿入部27の外径を1mm以下に小さくすることも可能である。
また、先端挿入部27の長さは、例えば3〜10mmである。乳頭に挿入した先端挿入部27を軸に第一の鉗子片22を安定して回転させるためには少なくとも3mm程度の長さが必要であり、これ以上短いと回転中に抜けてしまう可能性が増えて操作が煩雑になる。また、先端挿入部27が長すぎると十二指腸の口側(上方)に向かっている胆管への誘導が難しくなることや、第一の鉗子片22と共に組織を挟む力が弱くなるため、最長でも10mm程度が適当である。また、3〜10mmの中でもさらに最適な先端挿入部27の長さは、5〜7mmである。胆管への誘導のし易さを考えると、先端挿入部27の長さはなるべく短いほうが良いが、胆管に対して処置を行う場合の一般的な切開長は5〜10mmであるため、先端挿入部27が短いと切開回数が増えて手間が増加する。よって、胆管への誘導のし易さと切開回数のバランスを考えると5〜7mmがより好適である。
なお、ルーメン24の先端開口は、先端挿入部27の先端面に形成されている。ルーメン24の軸線及び先端挿入部27の長さ方向は、挿入部3の軸線つまり長さ方向と略平行になっている。
処置部本体21は、アルミナやジルコニアなどのセラミックスや、金属材料の外周を絶縁コートして製造したり、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やETFE(エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー)のようなフッ素樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの高耐熱性で高硬度の樹脂や樹脂エラストマーから製造されている。絶縁コートとしては、セラミックコートや、PTFEコート等の樹脂コートがあげられる。
第一の鉗子片22は、ピン23に軸支される部分よりも基端側が、処置部本体21の側方に延びて連結部28を形成している。連結部28には、挿入部3から引き出された操作ワイヤ16が接続されている。第一の鉗子片22でピン23よりも先端側は、支持部26を避けるように湾曲し、先端挿入部27の軸線と略平行に延びる鉗子部29になっている。鉗子部29の長さは、先端挿入部27の長さに略等しく、先端位置は先端挿入部27の先端面の位置と略一致している。図3及び図4に示すように、鉗子部29は、断面形状が三角形状を有している。第一の鉗子片22は、導電性材料からなる本体部22Aを絶縁層22Bでコーティングして製造されている。絶縁層22Bは、操作ワイヤ16を通す連結部28と、鉗子部29の三角形状の1つの頂点部(切開電極30)を除いて第一の鉗子片22全体を被覆している。連結部28では、操作ワイヤ16の金属線と電気的な接続が形成される。切開電極30は、先端挿入部27に向かう頂点部である。切開電極30の幅は、電流密度を高めるために十分な細さ、例えば0.3mm以下になっている。絶縁層22Bは、PTFE、ETFE、PEEK等の絶縁性の樹脂や、アルミナ、ジルコニアなどのセラミックス、DLC(Diamond Like Carbon)、DLN(Diamond Like Nanocomposite)等の絶縁材料から製造されている。
このような処置部4は、操作ワイヤ16を進退させると、第一の鉗子片22が処置部本体21に対して回動し、図3に示す開いた状態から図1に示す閉じた状態まで開閉動作させることができる。閉じた状態では先端挿入部27と第一の鉗子片22との間に生体組織を把持することが可能である。このため、生体組織を把持するときは、先端挿入部27が第一の鉗子片22と協働する第二の鉗子片として機能する。
図1に示すように、操作部2は、挿入部3で分岐したシース10Bの基端に接続されており、シース10Bの軸線に略一致して延びる細長の操作部本体35を有する。操作部本体35の基端には、指掛け用のリング35Aが設けられている。リング35Aより先端側には、スライダ36が進退自在に取り付けられている。スライダ36にも指掛け用のリング36Aが設けられている。スライダ36には、操作ワイヤ16の基端部が固定されている。操作ワイヤ16は、スライダ36に突設された電気コネクタ37に電気的に接続されている。電気コネクタ37は、不図示の高周波電源に接続可能な形状を有する。
なお、図5に、処置具と共に使用される内視鏡41を示す。内視鏡41は、術者が手に持って使用する内視鏡操作部42と、内視鏡操作部42から延設されて体内に挿入される内視鏡挿入部43とを有する。内視鏡挿入部43は、長尺で可撓性を有し、内部に処置具1やその他の処置具を通す作業用チャンネル44や、送気送液用のチャンネル(不図示)などが形成されている。内視鏡挿入部43の先端には、カバー45が装着されている。カバー45には、各種チャンネルの先端開口と、撮像装置及び照明装置が配設されている。このカバー45は、側視タイプなので撮像装置及び照明装置は視野方向が側方に向けて配置されている。また、カバー45には、処置具1の向きを変更させる起上台(不図示)が設けられている。
内視鏡操作部42には、アングルノブ46や各種のスイッチ47が配設されている。アングルノブ46を操作すると、内視鏡挿入部43の先端のアングル部43Aを所望の向きに湾曲操作できる。内視鏡操作部42の側部には、鉗子栓48が装着されている。鉗子栓48は、作業用チャンネル44の開口を塞ぐと共に、鉗子栓48を通して処置具1を作業用チャンネル44に挿入できるようにスリットが形成されている。内視鏡操作部42からは、ユニバーサルケーブル49が延びて、不図示の制御装置に接続されている。制御装置は、撮像装置の映像を画像処理してモニタに表示させたり、送気送液装置や照明装置の制御を行ったりする。
次に、この実施の形態の作用について説明する。なお、以下においては、管腔である胆管に医療行為を行う場合について説明するが、その他の部位や目的での処置にも適用できる。
最初に、患者の口から内視鏡挿入部43を挿入し、撮像装置で確認しながら先端のカバー45を十二指腸乳頭の近傍まで送り込む。さらに、鉗子栓48に通して処置具1を作業用チャンネル44に送り込む。図6に示すように、カバー45に設けられている起上台50で処置具1の先端部分を十二指腸乳頭DN1に向けて湾曲させる。なお、図2に示すように、挿入部3の先端部では、ブレード11と処置部4の基端部が重ならないので、挿入部3の先端部を容易に湾曲させることができる。
処置具1のスライダ36を前進させて、操作ワイヤ16に連結された第一の鉗子片22を回動させて開かせる。この状態で処置具1全体を前進させ、図7に示すように先端挿入部27を十二指腸乳頭DN1に挿入する。シース10Aの基端のコック15にシリンジ(不図示)を装着し、第一のルーメン13を通して造影剤を十二指腸乳頭DN1内の共通管CT1や胆管BT1や膵管PT1に注入すると、X線撮影によって先端挿入部27の位置、挿入量を確認できる。先端挿入部27を胆管BT1まで挿入することが望まれるが、胆管BT1への挿入が困難なときは共通管CT1まで挿入する。仮に共通管CT1が短く先端挿入部27の挿入長が以降の回転操作に短すぎるようであれば膵管PT1にも先端挿入部27を若干長挿入する。ただし、切開時の膵管PT1へのダメージを少なくするために膵管PT1への挿入は数mm程度に抑えることが望ましいため、内視鏡画像で先端挿入部27の全長と乳頭DN1から露出している部分の長さの差を確認したり、X線像で先端挿入部27の挿入長を観察したりしながら挿入する。
図5に矢印で示すように、操作部2又は挿入部3を軸線回りに回転させ、第一の鉗子片22の向きを所望の方向に調整する。挿入部3内に金属製のブレード11が挿入されているので、手元側に入力した回転トルクを先端まで容易に伝達することができる。その結果、第一の鉗子片22が挿入部3及び処置部本体21の軸線回りに回転する。図8に示すように、術者は、内視鏡41の観察装置で撮影している画像51で第一の鉗子片22の位置を確認する。胆管BT1に対して処置をする場合には、切開の方向は十二指腸の口側を12時方向、肛門側を6時方向とすると、胆管BT1が延びている11−12時方向に切開するのが望ましいため、この位置に第一の鉗子片22が配置されるように処置具1を回転させる。なお、第一の鉗子片22の回転操作の間に先端挿入部27の挿入長もずれている可能性があるので内視鏡画像(先端挿入部27の全長と乳頭DN1から露出している部分の長さの差で挿入長を確認)や、X線像で先端挿入部27の挿入長を確認し、必要な挿入長を修正する。
次に、スライダ36を後退させて第一の鉗子片22を閉じる。図9に示すように、第一の鉗子片22の切開電極30と先端挿入部27の間に十二指腸乳頭DN1が挟まれる。このとき挟まれた線状の部分が切開線になる。この後に高周波電流を印加すると一対の鉗子片(第一の鉗子片22と先端挿入部27)に挟まれた部分が切開されるのであるが、図10に示すように、内視鏡観察で第一の鉗子片22で挟んだ部分、つまり切開位置や切開長さが適切であるかを切開する前に判断する。不適切であると判断した場合には第一の鉗子片22を開いてから処置具1の回転操作や進退操作を行い、適切な位置に調整し直してから第一の鉗子片22を閉じる。なお、内視鏡観察の代わりに、又は内視鏡観察に加えてX線観察を行って切開位置や切開長さを確認しても良い。
操作部2の電気コネクタ37に高周波電源を接続し、操作ワイヤ16を通して切開波形、若しくは切開と凝固の両方の性能をもつ混合波形の高周波電流を第一の鉗子片22に流す。高周波電流は、第一の鉗子片22から十二指腸乳頭DN1の切開電極30が接する部分に流れ、患者の接触させてある帰還電極を通って高周波電源に帰還させられる。切開電極30以外の部分や、処置部本体21は絶縁されているので高周波電流が流れることはない。切開電極30は、先端挿入部27に向けて幅が漸次狭くなるようになっているので、第一の鉗子片22と先端挿入部27に挟まれた十二指腸乳頭DN1に高周波電流が集中して流れ、電流密度が高まって組織が切開される。その結果、図11に示すように、十二指腸乳頭DN1が切開される。内視鏡観察によって切開量が不足すると判断した場合には、前記した操作を繰り返して切開量を増やす。十二指腸乳頭DN1を切開すると、図12に示すように、胆管BT1の入口BT2と膵管PT1の入口PT2を分離でき、胆管BT1の入口BT2を内視鏡観察で確認できるようになり、胆管BT1への処置具1の挿入が容易になる。
先端挿入部27が胆管BT1に入った状態で切開できた場合には、結石回収などにも十分な長さの切開が得られている場合が多いが、共通管CT1までの挿入、若しくは膵管PT1へ若干入れた状態で切開した場合は、胆管BT1の出口の切開長が不十分で開口がまだ小さいことが多い。よって、第一の鉗子片22を開いて先端挿入部27を分離された胆管口BT2に挿入し、再び切開長と切開方向を調整し、切開部を挟んで通電し追加の切開を行う。
十分な切開長が得られたら、操作部2を操作して第一の鉗子片22を閉じた後、処置部4を胆管BT1に挿入する。図13に示すように、処置部4が胆管BT1に挿入されたら、必要に応じて造影剤を再度送って胆管BT1内を造影する。造影剤の入ったシリンジをコック15から外して代わりにガイドワイヤを第一のルーメン13に挿入する。図14に示すように、ガイドワイヤ60が、第一のルーメン13(図2参照)から処置部4のルーメン24(図2参照)を取って胆管BT1内に挿入される。処置具を交換するときは、ガイドワイヤ60をそのまま残して処置具1のみを引き抜いてから、他の処置具をガイドワイヤ60をガイドにして胆管BT1に導入する。他の処置具としては、胆管内の胆石などを破砕したり、取り出したりするための鉗子やバルーンや、生検用のカップを備える生検鉗子などがあげられる。必要な全ての医療行為が完了したら、他の処置具、ガイドワイヤ60、内視鏡41をそれぞれ体外に引き出す。
また、処置具1を挿入する前に、予めガイドワイヤ60が十二指腸乳頭DN1から胆管BT1に挿入されている場合は、図15に示すように、ガイドワイヤ60を伝って先端挿入部27を処置部4を十二指腸乳頭DN1に導いても良い。このようにすると、先端挿入部27を内視鏡41から十二指腸乳頭DN1及び胆管BT1に挿入し易い。
本発明によれば、十二指腸乳頭DN1に先端挿入部27を挿入した状態で、切開長と切開方向を調整し、調整された切開線を第一の鉗子片22と先端挿入部27で挟むことにより固定し、挟んだ状態のままで高周波電流を通電して切開を行うため、所望の切開長、切開方向が確実に得られる。また、挟んだ部分が所望の切開長、切開方向でない場合には、切開をする前に第一の鉗子片22を開いて調整し直すことができるため、不適切な方向の切開を確実に回避でき、医療行為を容易に、かつ確実に行えるようになる。
先端挿入部27の先端位置と第一の鉗子片22の先端位置が略一致しているため、先端挿入部27を挿入できた長さと同じ長さの切開ができるため、先端挿入部27が共通管CT1の奥、又は膵管PT1の入口まで入っていれば、切開によって胆管BT1と膵管PT1の入口BT2,PT2を分離(プレカット)することが可能である。このように従来難しかったプレカットにおいても容易に、確実に所望の切開長、切開方向が得られる。
また、内視鏡画像では直接見えない管腔内の切開長も、切開長が先端挿入部27の挿入された長さと一致するので、先端挿入部27の管腔内への挿入量をX線で確認したり、又は先端挿入部27の全長と管腔から露出している長さの差によって挿入長を推測することによって切開前に把握することが可能であり、所望以上の切開になることを妨げる。
先端挿入部27を略円柱形状にすることで、十二指腸乳頭DN1に挿入した状態で回転動作をさせ易くなって切開位置の調整が容易になる。長尺の挿入部3は、金属製のブレード11や操作ワイヤ16によって回転トルクを伝達し易くしてあるので、術者の操作をより的確に反映させることができる。切開長さは、先端挿入部27の挿入長さや、切開する回数でコントロールできる。挿入長さは、処置具1の進退量で容易に調整できる。側視型の内視鏡41を使用することで、挿入長さや切開位置の確認が容易になるが、外科手術後などの特殊な症例などでは内視鏡41のタイプは側視型に限定されない。
処置部本体21に第一のルーメン13に連通するルーメン24を設けたので、処置部4全体を挿入しなくても共通管CT1、膵管PT1若しくは胆管BT1などを造影できる。また、ルーメン24を通してガイドワイヤ60を導入すれば、処置具の交換を簡単に行え、手技を効率良く行える。
処置部本体21は、第一の鉗子片22を受けるのに十分な硬度を持たせたので、組織を確実に挟むことができる。第一の鉗子片22は、1つの頂点部を切開電極30にして電流密度を高めるようにしたので生体組織を確実に切開できる。
先端挿入部27は、略円筒形状であり形状が鋭利になっていないので、万一切開により出血した場合には、通電せずに第一の鉗子片22と先端挿入部27で出血部を挟むことで出血を圧迫して止めることができる。もしくは挟んだ状態で切開用の高周波電流の変わりに凝固用の高周波電流を通電することで挟んだ部分を切開せずに凝固して止血することができる。これにより、処置具1を交換することなく速やかに止血することができる。
なお、図16に示す処置具のように、挿入部3のシース10に第一、第二のルーメン13,14に加えて第三のルーメン71を設けても良い。第一のルーメン13と第三のルーメン71は、先端で合流し、共に処置部本体21のルーメン24に連通している。第一のルーメン13には、ガイドワイヤ60や他の処置具が通される。第三のルーメン71は、第一のルーメン13より断面積が小さく、造影剤が注入される。処置部本体21のルーメン24には、これら両方が通される。操作部2側では、第一、第三のルーメン13,71が分岐し、そのそれぞれにコックなどが取り付けられる。
この処置具1で医療行為を行うときの手順は、前記と同じである。ガイドワイヤ60などが主に通る経路(第一のルーメン13)と、造影剤が主に通る経路(第三のルーメン71)とを異ならせているので、粘性の高い造影剤とガイドワイヤ60が直接接触しないので、ガイドワイヤ60などの抜き差しをスムーズに行える。
また、図17に示すように、先端挿入部27を先端に向けて外形が小さくなるように斜めにカットしても良い。カットによって形成される端面27Aは、第一の鉗子片22側と反対側に設けられている。先端挿入部27が小さくなるので、十二指腸乳頭DN1に挿入し易くなる。また、処置部4全体としても先端側が小さくなるので、処置部4を胆管BT1などにスムーズに挿入できる。
(第2の実施の形態)
図18に示すように、内視鏡用処置具81(以下、処置具81とする)は、モノポーラ切開鉗子であって挿入部3の先端部に曲がり癖を付けた湾曲部82が設けられている。曲がり癖は、製造時に曲がった芯金に挿入部3を通した状態で熱処理をするなどして付けられる。湾曲部82は、第一の鉗子片22が開く方向に湾曲させられている。
図19に示すように、内視鏡41のアングル部43Aは胃から十二指腸にかけての湾曲DDに沿って湾曲している。処置具81を作業用チャンネル44に挿入するときに、仮に第一の鉗子片22の向きが任意の方向を向いていたとしても、処置具81の湾曲部82がアングル部43Aの湾曲部分を通過する際に、湾曲部82はアングル部43Aの湾曲形状に沿おうとして、挿入部3及び処置部4を回転させるため、第一の鉗子片22は自然に湾曲の内側に位置することになる。よって、処置部4が内視鏡41の先端カバー45から突き出たときには第一の鉗子片22は十二指腸DDに対しおよそ上方、つまり十二指腸乳頭DN1の切開したい方向に向いて出てくるため、その後の位置合わせの手間を低減できる。
また、湾曲部82の向きは、処置部4を十二指腸乳頭DN1に向かう方向になるので、十二指腸乳頭DN1への挿入も容易になる。
先端挿入部27は、略円筒形状であり形状が鋭利になっていないので、万一切開により出血した場合には、通電せずに第一の鉗子片22と先端挿入部27で出血部を挟むことで出血を圧迫して止めることができる。もしくは挟んだ状態で切開用の高周波電流の変わりに凝固用の高周波電流を通電することで挟んだ部分を切開せずに凝固して止血することができる。
図20に変形例を示す処置部85のように、処置部本体86を挿入部3の軸線に対して傾斜させても良い。処置部85は、処置部本体86の基端部が、処置部本体86の軸線に対して傾斜した屈曲部87になっており、屈曲部87を第一のルーメン13に押し込んで固定されている。挿入部3の軸線に対する処置部85、つまり先端挿入部27の傾斜方向は、第一の鉗子片22側が起き上がるような向きであり、その角度は例えば10°になっている。この処置具でも、内視鏡41のアングル部43Aの湾曲部分を通過するときに、屈曲部87がアングル部43Aの湾曲形状に沿おうとして、挿入部3及び処置部4を回転させるため、第一の鉗子片22は十二指腸乳頭DN1の切開したい方向に向いてでてくる。また、処置部85の傾斜方向が十二指腸乳頭DN1に向かうように配置してあるので、先端挿入部27を十二指腸乳頭DN1に挿入し易くなる。
(第3の実施の形態)
図21に示すように、内視鏡用処置具91(以下、処置具91とする)は、モノポーラ切開鉗子であって挿入部92が2つのルーメン13,14を有するシース10を金属製のブレード11と絶縁チューブ12で被覆した構成を有する。挿入部3の先端部は、先端に向けて細くなるように斜めにカットされた端面92を有し、ここに第一のルーメン13の先端開口13Aを設けられている。すなわち、第一のルーメン13は、挿入部3の先端から直接外部に露出している。第二のルーメン14の先端は、挿入部3の先端側部に先端開口17を形成し、ここから操作ワイヤ16が処置部94に向けて引き出されている。
処置部94は、処置部本体95が第二のルーメン14の略同軸上に固定されている。処置部本体95は、第一の鉗子片22をピン23で軸支する支持部26を有し、支持部26よりも先端側が第二の鉗子片を兼ねた先端挿入部96になっている。先端挿入部96は、挿入部92の軸線に略平行に延びている。先端挿入部96は、十二指腸乳頭DN1に挿入可能で、かつ先端に向かって縮小(例えば、1mm以下まで)する外形を有する。先端挿入部96の長さは、第1の実施の形態と同様に3mm〜10mmであり、更に最適には5mm〜7mmである。先端挿入部96の先端位置と、第一の鉗子片22の先端位置は、略等しくなっている。処置部94を構成する材料は、第1の実施の形態と同じである。
治療行為を実施するときは、処置具91を内視鏡41から突出させて先端挿入部96を十二指腸乳頭DN1に挿入する。処置部94の挿入量及び方向を調整してから第一の鉗子片22と先端挿入部96で挟んだ部分を高周波電流で切開する。図22に示すように、切開によって開口を拡げた十二指腸乳頭DN1から処置部94を胆管BT1内に挿入する。先端開口13Aまで胆管BT1内に挿入したら、第一のルーメン13から造影剤を胆管BT1に注入してX線観察を行ったり、ガイドワイヤ60を通したりする。ガイドワイヤ60を通した場合には、ガイドワイヤ60を留置しつつ処置具91を体外に引き抜く。そして、他の処置具、例えばバルーンや生検鉗子をガイドワイヤ60に沿って内視鏡41から胆管BT1に挿入し、必要な処置を行う。
この実施の形態によれば、第一のルーメン13を処置部94に対してオフセットした位置に設け、処置部94内にルーメンがない構造にしたので、処置部94を細くできる。これによって、十二指腸乳頭DN1から胆管BT1や膵管PT1に処置部94を挿入し易くなる。また、先端挿入部96が細くなるので切開に先立って先端挿入部96を十二指腸乳頭DN1や、胆管BT1や膵管PT1に挿入し易くなる。先端挿入部96は、略円筒形状であり形状が鋭利になっていないので、万一切開により出血した場合には、通電せずに第一の鉗子片22と先端挿入部96で出血部を挟むことで出血を圧迫して止めることができる。もしくは挟んだ状態で切開用の高周波電流の変わりに凝固用の高周波電流を通電することで挟んだ部分を切開せずに凝固して止血することができる。切開における効果は、第1の実施の形態と同じである。
(第4の実施の形態)
図23に示すように、内視鏡用処置具101(以下、処置具101とする)は、モノポーラ切開鉗子であって、シングルルーメンタイプの挿入部103を有する。挿入部103は、ルーメン14を有するシース10にブレード11と絶縁チューブ12を積層した構造を有する。ルーメン14の先端開口17は、挿入部103の先端の側部に形成されている。ルーメン14には、操作ワイヤ16が進退自在に通されている。
処置部104は、挿入部103の軸線の延長線上に延びる処置部本体105を有し、処置部本体105に第一の鉗子片22がピン23で回動自在に取り付けられている。処置部本体105の先端からは、略円筒形状の先端挿入部106が軸線に対してオフセットして延設されている。先端挿入部106は、第一の鉗子片22の切開電極30を受ける受け部になると共に、第一の鉗子片22と協働して十二指腸乳頭DN1を挟む第二の鉗子片になっている。先端挿入部106は、処置部104の軸線に略平行に延びるように処置部本体105に一体的に固定されており、先端から基端に貫通するルーメン107が一つ形成された略円筒形状を有する。ルーメン107の先端開口は先端挿入部106の先端に開口し、ルーメン107の後端開口は先端挿入部の後端付近で、挿入部103に接続される接続面とは異なる外表面に開口している。先端挿入部106の長さは、第1の実施の形態と同様に3mm〜10mmで、更に最適には5mm〜7mmであり、先端挿入部106の先端位置と、第一の鉗子片22の先端位置は、略等しくなっている。先端挿入部106及び処置部本体105は、絶縁材料から製造され、又は絶縁材料をコーティングして製造されている。
医療行為を行う場合には、十二指腸乳頭DN1及び胆管BT1にガイドワイヤ60を予め挿入する。ガイドワイヤ60の基端を先端挿入部106のルーメン107に通し、ガイドワイヤ60を伝って処置具101を内視鏡41を通して体内に挿入する。図24に示すように、体内では、第一の鉗子片22を開き、ガイドワイヤ60を伝って先端挿入部106を十二指腸乳頭DN1及び胆管BT1に挿入する。先端挿入部106の挿入量と、第一の鉗子片22の軸線回りの向きを処置具101の進退操作及び回転操作で調整したら、第一の鉗子片22を閉じて第一の鉗子片22と先端挿入部106の間に十二指腸乳頭DN1を挟み込む。手元側から高周波電流を流して十二指腸乳頭の挟んだ部分を切開する。ガイドワイヤ60を留置したまま処置具101を体外に引き抜き、他の処置具を通して必要な医療行為を実施する。
この実施の形態によれば、挿入部103のルーメンを一つにできるので細径化が図れ、柔軟性を向上できる。内視鏡41への挿入や、起上台50による湾曲操作が容易になり、先端挿入部106を十二指腸乳頭DN1に挿入しやすくなる。先端挿入部106は、略円筒形状であり形状が鋭利になっていないので、万一切開により出血した場合には、通電せずに第一の鉗子片22と先端挿入部106で出血部を挟むことで出血を圧迫して止めることができる。もしくは挟んだ状態で切開用の高周波電流の変わりに凝固用の高周波電流を通電することで挟んだ部分を切開せずに凝固して止血することができる。切開における効果は、第1の実施の形態と同じである。
(第5の実施の形態)
図25に示すように、内視鏡用処置具111(以下、処置具111とする)は、モノポーラ切開鉗子であってシングルルーメンタイプの挿入部103を有する。ルーメン14の先端開口17は、挿入部103の先端の側部に形成されている。ルーメン14は、操作ワイヤ16が進退自在に通され、操作ワイヤ16を通した状態で造影剤を注入できる径及び開口面積を有する。
処置部94は、挿入部103に固定されており、処置部本体95にルーメンを有しない細いタイプが用いられている。これらの構成以外は、第1の実施の形態と同じ構成である。
医療行為を行う場合には、先端挿入部96の挿入量で切開長さを調整し、処置具111を回転することで切開位置を調整し、処置部94で十二指腸乳頭DN1を挟み込んで高周波電流で切開する。切開が完了したら、処置部94を胆管BT1に挿入する。X線撮影をするときは、ルーメン14を通して造影剤を先端開口17から図中に矢印で示すように胆管BT1等に注入する。
この実施の形態によれば、ルーメンの数が1つになるので、挿入部103を細径化でき、抜き差しが容易になると共に、内視鏡41や胆管BT1の形状に合わせて湾曲し易くなる。また、先端挿入部96を細くできるので、胆管BT1への挿入も容易になる。先端挿入部96は、略円筒形状であり形状が鋭利になっていないので、万一切開により出血した場合には、通電せずに第一の鉗子片22と先端挿入部96で出血部を挟むことで出血を圧迫して止めることができる。もしくは挟んだ状態で切開用の高周波電流の変わりに凝固用の高周波電流を通電することで挟んだ部分を切開せずに凝固して止血することができる。切開における効果は、第1の実施の形態と同じである。
(第6の実施の形態)
図26及び図27に示すように、内視鏡用処置具121(以下、処置具121とする)は、術者が操作をする操作部122を有し、操作部122から可撓性を有する挿入部3が延設され、挿入部3の先端に処置部124が設けられている。この処置具121は、処置部124に2つの電極が設けられたバイポーラ切開鉗子である。
図26から図28に示すように、挿入部3は、可撓性のシース10を金属メッシュからなるブレード11(第二の導電部材)で覆った上から絶縁チューブ12で被覆してある。シース10には、第一のルーメン13と、第一のルーメン13よりも小径の第二のルーメン14が形成されている。第一のルーメン13には、処置部124の基端部が挿入されている。第二のルーメン14には、操作ワイヤ16が進退自在に通されている。操作ワイヤ16は、高周波電流を通電するための第一の導電部材を絶縁チューブで被覆した構成を有し、第一の導電部材は真直性の高い金属線から製造されている。
図26、図27及び図29に示すように、処置部124は、挿入部3に固定される略円筒形状で、金属等の導電性の材料からなる処置部本体125を有する。処置部本体125は、支持部26を膨出させてあり、ここに第一の鉗子片22がピン23で回動自在に取り付けられている。さらに、処置部本体125の先端には、十二指腸乳頭に最初に挿入される先端挿入部130が一体に延設されている。処置部本体125の基端部は、挿入部3のシース10内に挿入されるシース連結部126になっている。シース連結部126の外周は、抜け止めのための返し25が突設されている。処置部本体125は、先端挿入部130とシース連結部126を除いて外周面が絶縁層125Aで被覆されている。シース連結部126と、挿入部3のブレード11は、連結線127(第二の導電部材)で電気的に接続されている。
第一の鉗子片22は、ピン23よりも基端側に操作ワイヤが連結される連結部28を有し、ピン23よりも先端側が軸線に沿って細長に延びている。この先端部は、断面視で三角形状を有し、先端挿入部130に向かう頂点部が切開電極30になっている。第一の鉗子片22は、切開電極30と連結部28を除いて絶縁層22Bで被覆されている。なお、ピン23は、絶縁材料から製造されるか、絶縁被覆されたものが使用される。
先端挿入部130は、挿入部3の長さ方向、つまり挿入方向に沿って延びており、第一の鉗子片22の受け部になって生体組織を挟み込む第二の鉗子片になっている。先端挿入部130は、挿入部3の第一のルーメン13に連通するルーメン24が形成された略円筒形状を有する。先端挿入部130の先端位置は、第一の鉗子片22の先端位置に略等しい。
なお、処置部124に使用される導電性材料や、絶縁材料、被覆材は、第一の実施の形態と同じものを使用できる。
図26に示すように、操作部122は、操作部本体35にスライダ36が進退自在に取り付けられている。スライダ36には、操作ワイヤ16が固定されており、操作ワイヤ16の第一の導電部材が第1の電気コネクタ37に接続されている。また、操作部本体35には、第2の電気コネクタ131が設けられている。第2の電気コネクタ131には、第二の導電部材であるブレード11が接続されている。これら電気コネクタ37,131は、不図示の高周波電源にバイポーラ出力の2つの端子にそれぞれ1つずつ接続される。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
処置具121を内視鏡41から十二指腸乳頭DN1に向けて突出させる。第一の鉗子片22を開いた状態で処置具121全体を前進させて先端挿入部130を十二指腸乳頭DN1に最初に挿入する。内視鏡41に対する処置具121の挿入量で先端挿入部130の挿入量を調整する。さらに、処置具121全体を回転させることで第一の鉗子片22の位置、つまり切開する方向を調整する。
操作部122を操作して第一の鉗子片22を閉じる。図30に示すように、第一の鉗子片22と先端挿入部130で十二指腸乳頭DN1を挟んだら、高周波電源から高周波電流を出力させる。図31に示すように、第一の鉗子片22の切開電極30と、先端挿入部130の間で組織を介して高周波電流が流れる。細長の切開電極30の周囲は電流密度が高くなるので、切開電極30に接する生体組織が切開される。その一方、先端挿入部130は、その外周面全てが導電部分になっており、電流密度が高くならないので先端挿入部130の全周にわたって生体組織が切開されることはない。
図32に示すように、十二指腸乳頭DN1を切開したら、操作部122を操作して第一の鉗子片22を閉じ、処置部124を胆管BT1に挿入する。必要に応じて図33に示すように、ガイドワイヤ60を挿入する。また、造影剤を注入して造影をする。処置具を交換するときはガイドワイヤ60をそのまま残して、処置具121を引き抜き、その後に他の処置具をガイドワイヤ60をガイドにして胆管BT1に導入する。必要な全ての医療行為が完了したら、他の処置具、ガイドワイヤ60、内視鏡41をそれぞれ体外に引き出す。
また、処置具121を挿入する前にガイドワイヤ60を十二指腸乳頭DN1から胆管BT1に予め挿入しておいても良い。ガイドワイヤ60を第一のルーメン13に通すように処置具121を挿入し、ガイドワイヤ60を伝って先端挿入部130を十二指腸乳頭DN1に挿入しても良い。
この実施の形態では、モノポーラタイプのように帰還電極を患者に取り付ける手間を省略することができる。先端挿入部130は、略円筒形状であり形状が鋭利になっていないので、万一切開により出血した場合には、通電せずに第一の鉗子片22と先端挿入部130で出血部を挟むことで出血を圧迫して止めることができる。もしくは挟んだ状態で切開用の高周波電流の変わりに凝固用の高周波電流を通電することで挟んだ部分を切開せずに凝固して止血することができる。十二指腸乳頭の切開を容易に、かつ確実に行える効果は第1の実施の形態と同じである。
(第7の実施の形態)
図34に示すように、内視鏡用処置具141(以下、処置具141とする)は、バイポーラ切開鉗子であって、処置部144の先端挿入部145は、円筒形状の導電部材を第一の鉗子片22の切開電極30に対向する位置を残して絶縁層146で被覆してある。その他の構成は、第6の実施の形態と同じである。
非絶縁部として先端挿入部145に形成される露出電極147は、切開電極30の長さ及び幅に略等しい寸法を有する。露出電極147は、先端挿入部145及び処置部本体125、連結線127(図27参照)、ブレード11(図27参照)を介して操作部122の第2の電気コネクタ131(図26参照)に接続されている。なお、先端挿入部145の先端位置は、第一の鉗子片22の先端位置に略一致している。先端挿入部145内のルーメン24も絶縁層146で被覆されている。絶縁層146の材料は、第一の実施の形態と同じである。
この処置具141では、第5の実施の形態と同じ手順で医療行為を行う。十二指腸乳頭DN1をプレカットするときは、十二指腸乳頭DN1に挿入した先端挿入部145と、第一の鉗子片22で生体組織を挟み込む。第一の鉗子片22と先端挿入部145に高周波電流を通電する。図35に示すように、細長い切開電極30と露出電極147のそれぞれにおいて電流密度が高くなり、切開電極30と露出電極147の間の生体組織が切開される。
この実施の形態では、細長い切開電極30と露出電極147の周囲に高周波電流が集中的に流れるので、処置部144の他の部分に接する生体組織は高周波電流の影響を殆ど受けなくなる。露出電極147の形状を切開電極30の形状に合わせることで、さらに切開位置や切開量をコントロールできるようになる。しかしながら、露出電極147の形状は、必ずしも切開電極30の形状に合わせる必要はない。 先端挿入部145は、略円筒形状であり形状が鋭利になっていないので、万一切開により出血した場合には、通電せずに第一の鉗子片22と先端挿入部145で出血部を挟むことで出血を圧迫して止めることができる。もしくは挟んだ状態で切開用の高周波電流の変わりに凝固用の高周波電流を通電することで挟んだ部分を切開せずに凝固して止血することができる。その他の効果は、第5の実施の形態と同じである。
(第8の実施の形態)
図36及び図37に示すように、内視鏡用処置具151(以下、処置具151とする)は、モノポーラ切開鉗子であって第1の実施の形態の構成に加えて以下の構成を有する。
挿入部3は、3つのルーメン13,14,153を有し、第3のルーメン153に切開ワイヤ152が通されている。第3のルーメン153の先端部分には、外側に開口する第1の側孔161と、第1の側孔161よりも基端側で外側に開口する第2の側孔162とが設けられている。切開ワイヤ152の先端部は、第2側孔162から外部へ一旦出て、第1側孔161から再び第3ルーメン153内に戻され、第3のルーメン153内に固定されている。
処置具151は、切開ワイヤ152を操作する操作部として、第2の操作部154を有する。第2の操作部154は、第3のルーメン153に連通するチューブ10Cに固定される操作部本体155を有し、操作部本体155には第2のスライダ156が進退自在に取り付けられている。第2のスライダ156には、切開ワイヤ152の手元側が挿入されており、切開ワイヤ152は第2のスライダ156に設けられた第2電気コネクタ157に連結されている。第2電気コネクタ157は、第1の操作部2側の電気コネクタ37(第1の電気コネクタ)とは独立しており、図示しない高周波電源に接続可能である。
この処置具151では、第1の実施の形態と同様に十二指腸乳頭DN1及び胆管BT1の入口BT2を切開するが、胆管BT1の入口BT2の切開が足りずに胆管BT1の内腔の奥まで切開したい場合には第2のスライダ156を引いて、図38に示すように切開ワイヤ152の外部に露出している部分152Aを弓の弦のように張って胆管BT1の内腔を追加切開する。なお、第2のスライダ156を操作しないときは、切開ワイヤ152は張られた状態にならないので、処置具151を内視鏡41や十二指腸乳頭DN1に挿入したり、抜き取ったりするときに影響を与えない。
この実施の形態によれば、胆管BT1の内腔の奥の切開が足りなかった場合でも従来のパピロトミーナイフに交換することなく追加の切開が可能であり、手技に要する時間の短縮及びコストを削減できる。先端挿入部27は、略円筒形状であり形状が鋭利になっていないので、万一切開により出血した場合には、通電せずに第一の鉗子片22と先端挿入部27で出血部を挟むことで出血を圧迫して止めることができる。もしくは挟んだ状態で切開用の高周波電流の変わりに凝固用の高周波電流を通電することで挟んだ部分を切開せずに凝固して止血することができる。その他の効果については第1の実施の形態と同じである。
なお、本発明は、前記の実施の形態に限定されずに広く応用することができる。
例えば、第一の導電部材は、操作ワイヤ16と別に設けても良い。第二の導電部材は、シース10の全周を覆うブレードに限定されずに線材等であっても良い。
第2の実施の形態以外の処置具に湾曲部82や、屈曲部87を設けても良い。バイポーラタイプの処置具121,141の形状を第3の実施の形態から第5の実施の形態、もしくは第8の実施の形態の構成にしても良い。
本発明の実施の形態に係る内視鏡用処置具の構成を示す図である。 図1のA矢視であって、内視鏡用処置具の先端部分の一部を破断して示す拡大図である。 内視鏡用処置具の先端部分を拡大して示す図であって、第一の鉗子片を開いた図である。 図2のB−B線に沿った断面図である。 内視鏡用処置具と共に使用される内視鏡の一例を示す図である。 医療行為の手順を説明する図であって、処置部を十二指腸乳頭に向けて突出させた図である。 第一の鉗子片を開いて先端挿入部を十二指腸乳頭に挿入した図である。 内視鏡の観察画像を示す図であって、先端挿入部の挿入量と第一の鉗子片の向きを調整する作業を説明する図である。 十二指腸乳頭を先端挿入部と第一の鉗子片で挟んだ図である。 内視鏡の観察画像を示す図であって、十二指腸乳頭を先端挿入部と第一の鉗子片で挟んだ図である。 高周波電流を通電して十二指腸乳頭を切開した図である。 内視鏡の観察画像を示す図であって、十二指腸乳頭のプレカットが終了した状態を示す図である。 切開した十二指腸乳頭を通して処置部を胆管内に挿入した図である。 内視鏡用処置具内のルーメンを通してガイドワイヤを胆管内に挿入した図である。 予めガイドワイヤを胆管に通してから先端挿入部を十二指腸乳頭を挿入する場合を説明する図である。 挿入部が3つのルーメンを有する場合の構成を一部破断して示す図である。 先端挿入部をカットして処置部を挿入し易くした構成を示す図である。 挿入部の先端部分に予め湾曲部を設けた場合を示す図である。 湾曲部を有する挿入部を内視鏡に通す場合と、内視鏡から突出させる場合を説明する図である。 先端処置部を挿入部に対して傾斜した設けた図である。 第一のルーメンが外部に直接露出する構成を示す図である。 図21に示す内視鏡用処置具の使用例を示す図である。 先端挿入部がオフセットされている構成を一部破断して示す図である。 図23に示す内視鏡用処置具の使用例を示す図である。 シングルルーメンタイプの挿入部の使用例を示す図である。 バイポーラ型の内視鏡用処置具の構成を示す図である。 図26のC矢視であって、内視鏡用処置具の先端部分の一部を破断して示す拡大図である。 図27のD−D線に沿った断面図である。 第一の鉗子片を開いた状態を示す斜視図である。 十二指腸乳頭を先端挿入部と第一の鉗子片で挟んだ図である。 高周波電流の流れを模式的に示す図である。 高周波電流を通電して十二指腸乳頭を切開した図である。 内視鏡用処置具内のルーメンを通してガイドワイヤを胆管内に挿入した図である。 先端挿入部の一部を除いて絶縁被覆した内視鏡用処置具の先端部分を拡大して示す斜視図である。 高周波電流の流れを模式的に示す図である。 切開ワイヤを有する内視鏡用処置具の構成を示す図である。 図36のE−E線に沿った断面図である。 切開ワイヤで追加的な切開をする手技を説明する図である。 十二指腸乳頭と胆管や膵管の入口の配置を説明する図である。 十二指腸乳頭を切開した図である。
符号の説明
1,81,91,101,111,121,141,151 処置具(内視鏡用処置具)
3,92,103 挿入部
11 ブレード(第二の導電部材)
13 第一のルーメン
13A 先端開口
14 第二のルーメン
16 操作ワイヤ(第一の導電部材)
22 第一の鉗子片
22B 絶縁層
24 ルーメン(管路)
27,96,106,145 先端挿入部
27A 端面
30 切開電極
71 第三のルーメン
82 湾曲部
87 屈曲部
146 絶縁層
147 露出電極

Claims (10)

  1. 可撓性を有し、内部にルーメンが形成された長尺の挿入部と、
    前記挿入部の先端に回動自在に設けられた第一の鉗子片と、
    前記第一の鉗子片に接続され、前記挿入部内を通って電源装置に接続される第一の導電部材と、
    前記挿入部に対して固定され、前記第一の鉗子片を受ける第二の鉗子片となる先端挿入部と、
    を有し、前記先端挿入部は、前記挿入部の前記ルーメンに連通し、先端に開口が形成された略円筒形状を有し、前記先端挿入部の先端位置と前記第一の鉗子片の先端位置とが略一致することを特徴とする内視鏡用処置具。
  2. 前記挿入部は、2つ以上のルーメンを有し、第一のルーメンが前記先端挿入部に連通すると共に前記挿入部の基端側に開口し、第二のルーメンには前記第一の鉗子片を操作するための操作ワイヤが進退自在に通されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用処置具。
  3. 前記挿入部は、第三のルーメンを有し、前記第三のルーメンは前記挿入部の基端側に開口し、前記挿入部の先端側では前記第一のルーメンに連通していることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用処置具。
  4. 可撓性を有し、内部にルーメンが形成された長尺の挿入部と、
    前記挿入部の先端に回動自在に設けられた第一の鉗子片と、
    前記第一の鉗子片に接続され、前記挿入部内を通って電源装置に接続される第一の導電部材と、
    前記挿入部に対して固定され、前記第一の鉗子片を受ける第二の鉗子片となる先端挿入部と、
    を有し、前記先端挿入部は、ルーメンを有する略円筒形状を有し、このルーメンの先端は前記先端挿入部の先端に開口し、後端は前記先端挿入部の後端付近の前記挿入部との接続面とは異なる外表面に開口し、前記先端挿入部の先端位置と前記第一の鉗子片の先端位置とが略一致していることを特徴とする内視鏡用処置具。
  5. 可撓性を有する長尺の挿入部と、
    前記挿入部の先端に回動自在に設けられた第一の鉗子片と、
    前記挿入部に対して固定され、前記第一の鉗子片を受ける第二の鉗子片となる先端挿入部と、
    を有し、
    前記第一の鉗子片には、前記挿入部内を通って電源装置に接続される第一の導電部材が接続され、
    前記先端挿入部は略円筒形状を有し、
    前記先端挿入部の先端位置と前記第一の鉗子片の先端位置とが略一致することを特徴とする内視鏡用処置具。
  6. 前記挿入部の軸線回りの捻りを抑制する補強部材が前記挿入部の長さ方向に沿って挿入されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内視鏡用処置具。
  7. 前記第一の鉗子片は、前記先端挿入部に向かって幅を減少させつつ突出する切開電極を有し、前記切開電極は前記先端挿入部に臨む先端部分を除いて絶縁被覆され、
    前記先端挿入部は、前記第一の鉗子片の突出した前記切開電極及び組織に対して絶縁されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内視鏡用処置具。
  8. 前記先端挿入部は、導電性材料から製造されており、前記挿入部内に設けられた第二の導電部材を介して電源装置に接続可能に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内視鏡用処置具。
  9. 前記先端挿入部は、前記第一の鉗子片に臨む部分を除いて絶縁することで電極が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡用処置具。
  10. 前記先端挿入部に形成された前記電極は、前記第一の鉗子片の前記切開電極に合わせて前記先端挿入部の長さ方向に細長に形成されていることを特徴とする請求項9に記載の内視鏡用処置具。

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