JP7438774B2 - 測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶液および気体の濃度を測定する測定装置に関する。
従来、光を用いて濃度や濁度といった測定対象の物理的な性質を測定する技術が知られている。このような技術の一例として、発光ダイオードが出射した光を水やガスといった測定対象に照射し、発光ダイオードが出射した光の強度と測定対象を介して受光した光の強度から、測定対象の濃度や濁度を測定する技術が知られている。また、このような測定精度を向上させるため、発光ダイオードの温度に応じてガスの濃度を補正する技術や、水の温度に応じて濁度を補正する技術が提案されている。
特表2013-541019号公報 実全S61-004835号公報 特願2019―022041号
しかしながら、上述した従来技術では、水溶液の濃度を測定する精度を向上させる余地がある。
近年、光を用いて半導体のエッチング液や洗浄液といった水溶液における溶質の濃度を測定する技術が知られており、このようなエッチング液や洗浄液の濃度測定には、高い測定精度が要求される。このような濃度測定を容易な構成で精度良く測定するため、出願人は、特定波長の光を出射する発光素子と、水溶液を介して受光した光から特定波長の光を分光するファブリペロー型の分光装置とを有し、発光素子が出射した特定波長の光の強度と、分光装置が分光した特定波長の光の強度とから、水溶液の吸光度を算出し、算出された吸光度から水溶液の濃度を測定する手法について提案した。
しかしながら、水には、吸光度の温度特性に波長依存性が存在する。このため、単に水溶液の温度に応じて濃度を補正した場合は、水溶液の濃度を精度良く測定することができるとはいえず、精度を向上させる余地がある。
なお、上述した従来技術と同様の構成により、水溶液の濃度以外にも、各種溶質が溶解した溶液における濃度を測定する態様が考えられる。しかしながら、上述した従来技術では、各種溶液における溶質の濃度を簡易な構成で精度良く測定できるとは言えない。
本願はこのような課題を解決するためのものであり、水溶液といった各種溶液に溶解する溶質の濃度を簡易な構成で精度良く測定することを目的としている。
本願に係る測定装置は、濃度の測定対象と対応する特定波長を出射可能な発光素子を有する光源部と、測定対象が溶解した溶液を介して受光した光を分光する分光部と、溶液の温度を測定する温度測定部と、溶液における溶媒の吸光度と溶媒の温度との関係性であって、光の波長ごとに予め測定された関係性を示す対応情報と、分光部により分光された特定波長の光の強度と、温度測定部により測定された温度とに基づいて、溶液における測定対象の濃度を測定する濃度測定部とを有することを特徴とする。
また、上記測定装置において、分光部は、測定対象が溶解した水溶液を介して受光した光を分光し、温度測定部は、水溶液の温度を測定し、濃度測定部は、水の吸光度と水の温度との関係性であって、光の波長ごとに予め測定された関係性を示す対応情報と、分光部により分光された特定波長の光の強度と、温度測定部により測定された温度とに基づいて、水溶液の濃度を測定してもよい。
また、上記測定装置において、光源部は、複数の特定波長を出射可能な発光素子を有し、分光部は、各特定波長の光を分光し、濃度測定部は、対応情報が示す関係性であって、各特定波長ごとに予め測定された関係性と、分光部により分光された各特定波長の光の強度と、温度測定部により測定された温度とに基づいて、溶液における測定対象の濃度を測定してもよい。
また、上記測定装置は、発光素子が有する順方向電圧を測定する順方向電圧測定部をさらに有し、濃度測定部は、対応情報と、順方向電圧測定部により測定された順方向電圧と、分光部により分光された特定波長の光の強度と、温度測定部により測定された温度とに基づいて、溶液における測定対象の濃度を測定してもよい。
また、上記測定装置において、濃度測定部は、順方向電圧測定部により測定された順方向電圧に基づいて、発光素子が発光した特定波長の光の強度を推定し、対応情報と温度測定部により測定された温度とに基づいて、分光部により分光された特定波長の光の強度を補正し、推定した光の強度と、補正した光の強度とに基づいて、溶液の吸光度を算出し、算出した吸光度に基づいて、測定対象の濃度を測定してもよい。
また、上記測定装置において、濃度測定部は、順方向電圧の値に基づいて、発光素子の温度を推定し、推定した温度に基づいて、発光素子が発光した特定波長の光の強度を推定してもよい。
また、上記測定装置において、光源部は、発光素子を点灯させる場合は、発光素子に所定値の電流を供給し、順方向電圧測定部は、所定値よりも低い値の電流であって、温度の測定に必要な安定性が確保できる値の電流を用いて、発光素子の順方向電圧を測定してもよい。
また、上記測定装置において、分光部は、測定対象を介して受光した光を分光する分光器と、分光器により分光された光の強度を測定する受光素子とを有し、濃度測定部は、発光素子を点灯する際に受光素子が測定した光の強度に基づいて、測定対象の濃度を測定してもよい。
また、上記測定装置において、分光部は、ファブリペロー型の分光器を有していてもよい。
また、上記測定装置において、温度測定部は、発光素子から分光部までの光路上における溶液の温度を測定してもよい。
また、上記測定装置において、温度測定部は、溶液の温度を測定した位置と、光路上との位置関係に基づいて、測定した温度から光路上における溶液の温度を推定してもよい。
また、上記測定装置において、温度測定部は、光路の近傍に設置された検出装置により検出された情報に基づいて、溶液の温度を測定してもよい。
また、上記測定装置において、温度測定部は、発光素子が点灯している際の溶液の温度を測定してもよい。
上述した測定装置によれば、測定対象における溶媒の吸光度と溶媒の温度との関係性であって、光の波長ごとに予め測定された関係性を考慮して、測定された特定波長の光の強度を補正し、補正後の強度に基づいて、溶液における測定対象の濃度を測定することができる。換言すると、測定装置は、測定対象における溶媒の吸光度であって、特定波長と温度との組合せごとに異なる補正係数を用いて、測定結果に基づいて算出される吸光度を補正し、補正後の吸光度に基づいて、測定対象の濃度を測定することができる。この結果、測定装置は、濃度の測定精度をさらに向上させることができる。
図1は、実施形態における測定手法を説明する図である。 図2は、実施形態における測定システムの概要を示す図である。 図3は、実施形態に係る測定システムの機能構成の一例を示す図である。 図4は、実施形態に係る対応情報の一例を示す図である。 図5は、実施形態に係る測定システムが対応情報を生成する際における動作タイミングの一例を示すフローチャートである。
次に、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の説明では、測定装置が実行する濃度の測定手法の原理について説明し、その後、LED等の発光素子の順方向電圧を用いて、濃度の測定精度をさらに向上させる処理について説明する。
[測定手法の原理について]
半導体の洗浄液やエッチング液として、塩酸、硝酸、リン酸、水酸化アンモニウム、過酸化水素等の水溶液が用いられており、水溶液の吸光度に基づいて、水溶液の濃度を測定する技術が知られている。単純には、光を水溶液に照射し、その透過した光を2つ以上の光の波長で分光、光強度を測定することで、濃度を計算する。より具体的には、光源が出射した光の強度と、透過した光から分光した光の強度とから、水溶液の吸光度を算出し、算出された吸光度に基づいて、濃度の計算を行う。
このような濃度測定に用いる光源としてタングステンランプ等のハロゲンランプが用いられているが、ハロゲンランプの寿命が短いため、交換の手間がかかる。また、ハロゲンランプが出射するスペクトルごとの光強度分布は、経年劣化等で徐々に変化してしまい、吸光度の算出精度が低下してしまう。このため、短期間の間にハロゲンランプが出射する光のスペクトルを基準(ベースライン)として再取得する必要がある。
一方、光源としてLED(Light Emitting Diode)を用いた場合、ハロゲンランプと比較して寿命が長いため、交換の手間を削減することができる。しかしながら、光源にLEDを用いたとしても、タングステンランプと同様にベースラインを取得する必要がある。また、LEDが出射する光の波長の領域が狭いため、濃度の測定対象が限られてしまう。
ここで、水溶液に溶解している溶質が何であるかが予め解っている場合、溶質の濃度測定において適切と考えられる波長(特徴的に吸光度現象が現れる波長。以下、「特定波長」と記載する。)の光を含んだ波長帯の光を出射し、水溶液を介して受光した光を、特定波長の光に分光すれば、精度よく溶質の濃度測定を実現できると考えられる。このような点に着眼し、小型で安価であるが分光可能な波長領域が比較的狭いファブリペロー型の分光器を用いて、受光した光を特定波長の光に分光することにより、課題を解決できることに想到した。また、溶質に最適な特性を持つLEDを光源として選定することで、タングステンランプのように、必要以上に広い波長帯域を有する光源を不要とすることができる点に想到した。
以下、図1を用いて、実施形態における測定手法について説明する。図1は、実施形態における測定手法を説明する図である。図1に示す例では、水溶液等といった液体のサンプルに溶解する溶質の濃度を測定する測定システム1の構成を概念的に示した。
例えば、測定システム1は、光源装置2、フローセル3、分光装置4、および測定装置5を有する。
光源装置2は、光を投光可能な光源装置であり、例えば、LED等の光源により実現される。例えば、光源装置2は、測定装置5による制御に従って、所定の特定波長を含む光を出射する。このようにして光源装置2により出射された光は、光路OPに沿って、フローセル3を介し、分光装置4へと伝達される。
ここで、光源装置2は、1つ若しくは同時に濃度を測定する溶質のそれぞれと対応する特定波長を含む波長帯の光を出射可能な光源を有していればよい。すなわち、光源装置2は、測定対象と対応する特定波長の光を、測定対象の測定において必要十分な強度(例えば、照度)で出射可能な光源を有していればよい。例えば、光源装置2は、半値幅が100ナノメートル程度のLEDにより実現可能であり、溶質がアンモニアおよび過酸化水素である場合、少なくとも、1500ナノメートルから1600ナノメートルの波長帯の光を十分な強度で出力可能な光源であればよい。
一例を挙げると、光源装置2は、1550ナノメートル程度の中心波長を有し、半値幅が100ナノメートル程度となるLED等の発光素子21を用いて光を出射すればよい。なお、光源装置2は、分光装置4が分光して取り込むことができる波長の光を特定波長とし、このような特定波長を含む波長幅の光を出射できればよい。換言すると、光源装置2は、あらかじめ設定された目標精度で、測定対象の吸光度(ひいては、濃度)の測定を実現可能な波長を特定波長とし、特定波長に合わせた波長幅の光を出射するLED等用いて、光を出射させればよい。
フローセル3は、光源装置2が出射する光に対して透明な素材(例えば、石英ガラス等)からなり、内部に水溶液等のサンプルを流すことができる。なお、フローセル3は、試験管やセル等により実現されてもよい。また、フローセル3は、全体が透明な素材である必要はなく、光源装置2から出射された光が入射される入射部分と、入射された光をサンプルを介して出射する出射部分とが透明であればよい。
分光装置4は、フローセル3を介して受光した光から特定波長の光を分光し、分光した光の強度を測定する装置であり、例えば、ファブリペロー干渉計(Fabry Perot Interferometer)と、ファブリペロー干渉計により分光された光の強度を測定する受光素子とにより実現される。
例えば、分光装置4は、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ41と受光素子42とを有する。ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ41は、透過可能な光の波長を変更することができるファブリペロー干渉計(Fabry Perot Interferometer)であり、平行に配置された2つの半透鏡を有する。例えば、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ41は、光源装置2側に設置された半透鏡である上部ミラーUMと、受光素子42側に配置された半透鏡である下部ミラーDMとを有する。そして、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ41は、上部ミラーUMと下部ミラーDMとの間隔を制御することで、フローセル3を介して受光した光から、上部ミラーUMと下部ミラーDMとの間隔に応じた波長の光を透過する。例えば、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ41は、測定装置5からの制御に従い、サンプルを介して受光した光から溶質と対応する特定波長の光を透過する。
受光素子42は、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ41により透過された光を受光すると、受光した光の強度を測定する素子であり、例えば、フォトダイオード等の光電素子等により実現される。例えば、受光素子42は、透過された光を受光すると、受光した光の強さを示す電気信号を生成し、生成した電気信号を測定装置5へと伝達する。
測定装置5は、分光装置4が受光した光の強度に基づいて、サンプルに含まれる溶質の濃度を測定する。例えば、測定装置5は、フローセル3内にサンプルがない状態で受光素子42が受光した光の強度、すなわち、光源装置2が出射した特定波長の光の強度をIとして測定し、フローセル3内にサンプルがある状態で分光装置4が受光した光の強度をIとして測定する。そして、測定装置5は、以下の式(1)を用いて、特定波長におけるサンプルの吸光度Aを算出し、算出した吸光度Aに基づいて、サンプルに含まれる溶質の濃度を測定する。
Figure 0007438774000001
なお、測定装置5は、フローセル3内に溶質が溶解していない所定の溶媒のみがある状態で分光装置4が受光した光の強度と、フローセル3内に溶質が所定の溶媒に溶解した溶液がある状態で分光装置4が受光した光の強度との比率の対数を算出し、算出した対数の符号を逆転させた値を、溶質の溶媒に対する吸光度として算出してもよい。
[濃度の測定手法の一例について]
以下、サンプルの吸光度に基づいて、サンプルに含まれる溶質の濃度を測定する処理の一例について説明する。なお、以下の説明では、アンモニア(NH)および過酸化水素(H)の水溶液をサンプルとする例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。測定装置5は、任意の溶質を含むサンプルの吸光度から、溶質の濃度の算出を行ってよい。例えば、測定装置5は、溶質となる水のみの透過光の強度に対し、サンプルの透過光の強度との割合の対数を取り、符号を反転させた値をサンプルの吸光度としてもよい。
例えば、アンモニアは、1530ナノメートル付近に吸光度のピークを有し、過酸化水素水は、1500ナノメートルから1850ナノメートルにかけて緩やかなピークが続いている。このため、アンモニアおよび過酸化水素が溶解した水溶液であるサンプルの吸収スペクトルは、アンモニア水溶液の吸光度のピーク付近と、過酸化水素水の吸光度のピーク付近との2か所にピークを有すると考えられる。
ここで、測定装置5は、2つの特定波長を選択し、選択した特定波長におけるサンプルの吸光度から、アンモニアおよび過酸化水素の濃度をそれぞれ測定する。例えば、測定装置5は、薬液の影響を受けにくい1500ナノメールを基準として、1530ナノメールおよび1600ナノメール付近の波長の光を特定波長とする。より具体的には、測定装置5は、サンプルに含まれる溶質ごとに、溶質の吸光度のピークが現れる波長を特定波長として選択する。そして、測定装置5は、選択した特定波長におけるサンプルの吸光度を測定し、測定した吸光度から、サンプルに含まれる各溶質の濃度を算出する。
例えば、アンモニア水溶液の吸収ピーク付近の波長を特定波長λ1、過酸化水素水の吸収ピーク付近の波長を特定波長λ2とし、アンモニアの濃度を[NH]、過酸化水素の濃度を[H]とする。ここで、ランベルト・ベールの法則によれば、光路長が一定であるならば、サンプルの吸光度はサンプルに含まれる溶質の濃度に比例するので、特定波長λ1におけるサンプルの吸光度をA、特定波長λ2におけるサンプルの吸光度をAとすると、以下の式(2)および(3)を得ることとなる。なお、式(2)の係数aは、特定波長λ1におけるアンモニアの吸光係数であり、式(2)の係数bは、特定波長λ1における過酸化水素の吸光係数となる。また、式(3)の係数cは、特定波長λ2におけるアンモニアの吸光係数であり、式(3)の係数dは、特定波長λ2における過酸化水素の吸光係数となる。
Figure 0007438774000002
Figure 0007438774000003
ここで、式(2)、式(3)を1つの行列式に変形すると、以下の式(4)を得ることができる。ここで、式(4)に示すPは、式(5)に示すように、吸光係数の行列である。なお、以下の説明では、Pを係数行列と記載する場合がある。
Figure 0007438774000004
Figure 0007438774000005
よって、測定装置5は、特定波長λ1におけるサンプルの吸光度A1と特定波長λ2におけるサンプルの吸光度A2とから、アンモニアの濃度[NH]および過酸化水素の濃度[H]を以下の式(6)で求めることができる。
Figure 0007438774000006
[光源の温度を用いて測定精度を向上させる処理の原理について]
ここで、発光素子が出射する光の強度は、発光素子の温度が高くなるにつれて低下する。また、発光素子が出射する光において、強度が最も高い波長(ピークとなる波長)は、発光素子の温度が高くなるにつれてより長波長側に遷移する。このように、発光素子の出射する光の強度は、環境温度により発光素子の温度が変化してしまうので、濃度の推定精度が低下する恐れがあった。
このような温度の変化により発光素子から出射される光の強度の変化を補正するため、発光素子に流す電流値を変化させた場合、周囲温度の上昇に伴ってより大きな電流を流さなければならず、発光素子の寿命を短くしてしまう。また、発光素子自体やその周辺の温度(以下、「周辺温度」と総称する。)と発光素子から出射される光の強度との相関は、発光素子ごとに異なるため、発光素子ごとに相関を予め測定する必要がある。しかしながら、周辺温度を変化させるには、多くの時間がかかり手間がかかる。さらに、測定装置5の設置場所によっては、周辺温度を変化させることが難しい場合もある。
一方、発光素子は、一定の電流を流したときの順方向電圧(Vf)が周囲温度によって変動する特性を有する。換言すると、発光素子は、アノードからカソードへ電流(順電流)を流すと、順方向電圧だけ電圧が下がる特性を有しており、このような順方向電圧は、周囲温度によって変化する。
そこで、測定システム1は、光源における順方向電圧に基づいて、光源の温度を測定し、測定した温度に基づいて光源が出射した光の光スペクトルを推定する。そして、測定システム1は、推定した光スペクトルと、分光装置4が受光した特定波長の光の強度とに基づいて、吸光度を測定し、測定した吸光度を用いて、サンプルの濃度を推定する。
[サンプルの温度を用いて測定精度を向上させる処理の原理について]
上述したように、発光素子21等の光源が出射する光のスペクトルは、光源の温度に応じて変化する。一方で、サンプルにおける吸光度は、温度のみならず、光の波長によっても変化する。
例えば、サンプルが水溶液といった溶質と溶媒からなる溶液である場合、溶質と溶媒の吸光度は、温度に応じて変化するとともに、吸光度の変化量は、光の波長に応じて異なることとなる。ここで、溶質の濃度が低い場合、溶質による吸光度の変動は、温度よりも濃度によって大きく変化することとなる。しかしながら、溶質の濃度が低い場合、サンプルにおける溶媒の量は多くなる。この結果、サンプルにおける吸光度の温度に応じた変化は、溶質よりも、溶媒による要因が大きい。一方で、このような溶媒による吸光度の温度に応じた変化を考慮して、測定結果に基づく吸光度を補正した場合、溶質の濃度をより精度良く測定することができると考えられる。
そこで、測定装置5は、サンプルの温度による補正を、波長毎に行い、それぞれの波長毎に係数を決めて補正を行う。より具体的には、測定装置5は、各波長ごとに発光素子21の温度特定と、溶媒(例えば、水)の温度特定とに基づいて、サンプルの吸光度を算出し、算出した吸光度に基づいて、溶質の濃度を測定する。
[光源およびサンプルの温度を用いて測定精度を向上させる処理の原理について]
以下、図1に戻り、光源およびサンプルの温度に応じてサンプルの濃度を推定する測定手法の原理について説明する。例えば、図1に示すように、光源装置2は、発光素子21、低電流発生回路22、スイッチ23、高電流発生回路24、スイッチ25、順方向電圧測定回路26、温度予測部27を有する。また、測定装置5は、タイミング発生回路51および濃度測定部52を有する。さらに、測定システム1には、温度測定部6が設けられている。
温度測定部6は、フローセル3を流れるサンプルの温度を測定する。例えば、温度測定部6は、フローセル3のうち、光路OPの近傍に配置された温度センサにより測定された温度をサンプルの温度として取得する。そして、温度測定部6は、測定した温度を測定装置5の濃度測定部52に通知する。なお、温度測定部6は、フローセル3を流れるサンプルの温度を任意の手法で測定して良い。例えば、温度測定部6は、フローセル3を流れる前のサンプルに接触する温度センサが測定した温度をサンプルの温度として濃度測定部52に通知してもよい。また、温度測定部6は、光路上に設置された温度センサにより測定された温度をサンプルの温度として取得してもよい。また、温度測定部6は、サンプルの温度を測定する位置から光路OPまでの位置関係に応じて、温度センサが測定した温度の補正を行ってもよい。すなわち、温度測定部6は、任意の位置に設置された温度センサにより測定された温度を、サンプルの温度として取得すればよい。
発光素子21は、電流が供給されると発光する半導体素子であり、例えば、発光ダイオードにより実現される。ここで、発光素子は、一定の電流を流したときの順方向電圧(Vf)が周囲温度によって変動する特性を有する。換言すると、発光素子21は、アノードからカソードへ電流(順電流)を流すと、順方向電圧だけ電圧が下がる特性を有しており、このような順方向電圧は、発光素子21の温度によって変化する。
そこで、測定システム1においては、発光素子21が有する順方向電圧の値に基づいて、発光素子21の温度を特定する。例えば、発光素子21を流れる電流が一定となる場合、順方向電圧は、発光素子21の温度が高くなれば高くなるほど低くなり、温度が低くなるほど高くなる。そこで、測定システム1は、発光素子21に一定の電流を流した際における順方向電圧の値を測定し、測定した順方向電圧の値に基づいて、発光素子21の温度を特定する。
例えば、測定システム1は、予め発光素子21における順方向電圧と温度との関係性(例えば、ある電流値における順方向電圧の値と温度の値とが線形の関係性を有する場合、順方向電圧を温度の値に変換するための係数といったパラメータ)を測定する。より具体的な例を挙げると、測定システム1は、光源装置2の工場出荷時等において決定されたパラメータであって、発光素子21を所定の温度に保った際における順方向電圧の値と、その際に測定された順方向電圧の値とに基づいて決定されたパラメータを保持する。そして、測定システム1は、濃度測定時において測定された発光素子21の順方向電圧の値と、保持するパラメータとを用いて、発光素子21の温度を特定する。
なお、このようなパラメータは、発光素子21ごとに測定が行われたパラメータであってもよく、各光源装置2が共通して用いるものであってもよいが、発光素子21の温度特性は、製品ごとにばらつきがあるため、個体ごとに決定されたものであることが望ましい。
なお、このような発光素子21の温度特性は、周囲の温度のみならず、発光素子21自体の自己発熱によっても変化する。また、LED等の発光素子は、ハロゲンランプよりも長寿命であるものの、点灯時間が長いもしくは大きな電流を流せば流す程劣化し、電力から光への変換効率が低下してしまう結果、同一値の電流を流した際に出射する光が暗くなってしまう。このような問題を回避するため、測定システム1は、微弱な電流(後述する「低電流」)を用いて、発光素子21の順方向電圧の値を測定し、測定した順方向電圧の値から発光素子21の温度を測定する。すなわち、測定システム1は、いわゆるダイオード温度計と同様の原理により、発光素子21(すなわち、ダイオード自体)の温度を測定する。なお、測定システム1は、上述した処理以外にお、ゲイン校正等の処理を行ってもよい。
低電流発生回路22は、発光素子21が有する順方向電圧を測定するために用いる微小な電流値の電流を発生されるための回路であり、所定値よりも低い値の電流が発光素子21に流れるように、発光素子21に電圧を印加させるための回路である。なお、以下の説明では、低電流発生回路22によって発生された電流を「低電流」と記載する。また、スイッチ23は、低電流発生回路22が発生させた電流を発光素子21に供給するためのスイッチである。例えば、スイッチ23は、タイミング発生回路51による制御に従って、低電流発生回路22により発生された低電流を発光素子21に伝達する。
高電流発生回路24は、発光素子21を点灯させるために用いる電流を発生させるための回路であり、所定値よりも高い値の電流が発光素子21に流れるように、発光素子21に電圧を印加させるための回路である。なお、以下の説明では、高電流発生回路24により発生された電流を「高電流」と記載する。また、スイッチ25は、高電流発生回路24が発生させた電流を発光素子21に供給するためのスイッチである。例えば、スイッチ25は、タイミング発生回路51による制御に従って、高電流発生回路24により発生された高電流を発光素子21に伝達する。
ここで、発光素子21の順方向電圧を測定するため、大きな電流値の電流を流した場合、発光素子21を劣化させてしまい、寿命を短くしてしまうそれがある。また、発光素子21に大きな電流値の電流を流した場合、発光素子21の温度そのものがドリフトしてしまい、測定精度が悪化してしまう。このため、発光素子21の順方向電圧を測定する際に用いる低電流は、分光に必要な近赤外発光を期待する高電流よりもなるべく低い値であるのが望ましい。一方で、低電流の電流値が低すぎる場合、例えば、周囲の電気回路によるリーク電流やノイズ等で測定される順方向電圧が不安定となり、温度の測定精度が悪化してしまう。
そこで、低電流発生回路22は、高電流発生回路24が発生させる高電流よりも低い電流値の電流であって、温度の測定に必要な安定度が確保できる値の電流を低電流として発生させる。例えば、低電流発生回路22は、高電流と比較して低い値の電流であって、温度の測定に必要な安定度が確保される値として、測定結果等により予め定められた値の電流を低電流として発生させる。換言すると、高電流発生回路24は、第1所定値の電流を発生させ、低電流発生回路22は、第1所定値よりも低い値の電流であって、温度の測定精度が所定の条件を満たすと推定される第2所定値の電流を発生させる。
順方向電圧測定回路26は、低電流発生回路22が発生させた低電流を用いて、発光素子21の順方向電圧を測定する。例えば、順方向電圧測定回路26は、低電流が流れた際に発光素子21において低下した電圧を順方向電圧として測定し、測定した順方向電圧の値を温度予測部27に出力する。
なお、順方向電圧測定回路26が出力する順方向電圧の値は、温度の予測に用いられることとなる。このため、順方向電圧測定回路26が出力する順方向電圧の精度は、予測される温度の精度、ひいては、測定される濃度の精度に寄与することとなる。このため、順方向電圧測定回路26は、濃度を測定する際の精度を考慮した精度で順方向電圧を測定することとなる。
例えば、濃度の推定精度を±0.1パーセント以下に収めるには、温度の相対精度を0.03℃以下に抑える必要がある結果、順方向電圧の測定精度は、±20マイクロボルト以下に抑える必要がある。このような測定精度を保持するには、例えば、2ボルトの順方向電圧を、有効分解能が100000以上となるように、測定する必要がある。そこで、順方向電圧測定回路26は、例えば、17ビット以上の有効分解能を有するAD(Analog-to-Digital)コンバータを用いて、測定した順方向電圧の電圧値を出力する。より具体的な例を挙げると、順方向電圧測定回路26は、変換時間が長いΔΣ型のADコンバータを用いることとなる。なお、上述した例は、あくまで一例であり、例えば、1ボルト以下の順方向電圧の測定を行ってもよい。このように、どれくらいの精度に応じてどれくらいの順方向電圧を測定するかにより有効分解能が変化することとなり、このような有効分解を実現する回路を用いて、順方向電圧の測定を行えばよい。
温度予測部27は、順方向電圧測定回路26により測定された順方向電圧の値に基づいて、発光素子21の温度を予測する。例えば、温度予測部27は、予め測定された発光素子21の温度と発光素子21の順方向電圧との関係性に基づいた係数が設定された方程式やテーブル等を用いて、順方向電圧測定回路26により測定された順方向電圧から、発光素子21の温度を予測する。そして、温度予測部27は、予測した温度を濃度測定部52に通知する。
タイミング発生回路51は、スイッチ23およびスイッチ25を制御することで、発光素子21に高電流若しくは低電流を流す。例えば、タイミング発生回路51は、スイッチ25をオンにし、スイッチ23をオフにすることで、発光素子21に高電流を流し、発光素子21を点灯させる。この結果、発光素子21から出射された光がフローセル3を介して分光装置4へと伝わり、分光装置4が特定波長の光を分光することとなる。一方、タイミング発生回路51は、スイッチ25をオフにし、スイッチ23をオンにすることで、発光素子21に低電流を流す。この結果、順方向電圧測定回路26が、発光素子21の順方向電圧を測定することとなる。
なお、タイミング発生回路51は、任意のパターンで高電流若しくは低電流を発光素子21に流してよいが、このような高電流および低電流を適切なタイミングで流すことで、測定精度の向上や発光素子21の寿命向上を図ることができる。なお、このようなパターンの具体的な例については、後述する。
濃度測定部52は、温度予測部27により予測された温度と、温度測定部6により測定されたサンプルの温度と、受光素子42により測定された特定波長の光の強度とに基づいて、サンプルの吸光度を測定し、測定した吸光度から溶質の濃度を推定する。
例えば、濃度測定部52は、温度予測部27により予測された温度から、発光素子21が出射した光の光スペクトルを推定する。より具体的な例を挙げると、濃度測定部52は、予め測定された温度と光スペクトルとの関係性に基づいて、温度予測部27により予測された温度から、発光素子21が出射した光の光スペクトルを推定する。そして、濃度測定部52は、推定した光スペクトルにおける特定波長の光の強度を特定する。
例えば、測定装置5は、予めサンプルが無い状態において発光素子21を点灯させ、分光装置4に受光した光の各波長における強度を測定(スキャン)することで、発光素子21が出射した光のスペクトルを測定する。なお、測定装置5は、サンプルの濃度を測定する際に用いる複数の特定波長についてのみ、サンプルが無い状態において発光素子21が出射する光の強度を測定してもよい。また、測定装置5は、発光素子21の順方向電圧から、発光素子21の温度を測定する。そして、測定装置5は、測定した発光素子21の光のスペクトルと、発光素子21の温度とを対応付けて保持しておく。
ここで、サンプルの濃度を測定する際に測定装置5が発光素子21の順方向電圧から、発光素子21の温度として25℃を測定したものとする。このような場合、測定装置5は、事前に取得したスペクトルと温度との関係に基づいて、測定した25℃の温度において発光素子21が出射する光のスペクトルを予測する。
続いて、測定装置5は、温度測定部6により測定されたサンプルの温度から、サンプルにおける特定波長の吸光度の補正量を特定する。例えば、測定装置5は、サンプルにおける溶媒(例えば、水)の温度と、その温度の水の吸光度とに基づいて算出された補正量を波長ごとに対応付けた対応情報を保持する。続いて、測定装置5は、濃度測定時において測定されたサンプルの温度と対応する補正量を、特定波長ごとに特定する。
また、測定装置5は、濃度の測定時において分光装置により測定された特定波長の光の強度を、サンプルの温度に応じた補正量に基づいて補正する。そして、測定装置5は、発光素子21が出射したと推定される光のスペクトルと、補正後の光の強度とに基づいて、サンプルの吸光度を測定する。
例えば、測定装置5は、発光素子21の順方向電圧から発光素子21の温度を予測し、予測した温度と対応する光スペクトルから、各特定波長(例えば、λt)における光の強度(以下、「出射強度」と記載する場合がある。)を推定する。一方、測定装置5は、分光装置4が測定した各特定波長の光の強度に対し、溶媒の温度(すなわち、サンプルの温度)と特定波長との組合せに応じた補正量を適用した光の強度(以下、「受光強度」と記載する場合がある。)を算出する。例えば、測定装置5は、特定波長λtにおける受光強度をI(λt)とし、特定波長λtと、溶媒の温度Tとに応じた補正量をX(λt、T)と記載すると、I(λt)×X(λt、T)の値を、補正後における特定波長λtの受光強度(以下、「補正強度」と記載する場合がある。)とする。
そして、測定装置5は、出射強度と受光強度との差に基づいて、サンプルの吸光度を算出し、算出した吸光度に基づいて、サンプルにおける溶質の濃度を測定する。より具体的には、測定装置5は、特定波長であるλtにおける吸光度と、他の波長λiにおける吸光度との相対的な比較結果に基づいて、サンプルに含まれる溶質の濃度を測定する。すなわち、測定装置5は、特定波長と他の波長とにおける吸光度をそれぞれ算出し、算出した吸光度から、式(6)等を用いて、サンプルの吸光度を算出する。
このように、測定装置5は、溶液における溶媒の吸光度と溶媒の温度との関係性であって、光の波長ごとに予め測定された関係性に基づいて、分光された特定波長の光の強度を補正し、補正後の強度に基づいて、測定対象の濃度を測定する。このため、測定装置5は、温度と波長との組合せに応じて変化する溶媒の吸光度を考慮して、溶質の濃度を測定することができるため、濃度の測定精度を向上させることができる。
[実施形態]
以下、上述した測定手法を用いてサンプルの濃度を測定する実施形態の一例について、図2を用いて説明する。図2は、実施形態における測定システムの概要を示す図である。図2に示す例では、測定システム100は、光源装置110、フローセル120、分光装置130、温度センサ140および測定装置200を有する。
例えば、図2に示す例では、測定システム100は、半導体の製造ライン等に設置されており、半導体の洗浄液をサンプルとして、サンプルの濃度をリアルタイムに測定する機能を有する。例えば、測定システム100は、洗浄液供給装置CPから洗浄装置CMへと供給される洗浄液の濃度を測定する。
光源装置110は、光源装置2と同様の機能を有し、溶質と対応する特定波長を含む光をフローセル120に出射する。また、光源装置110は、発光素子の順方向電圧から発光素子の温度を予測し、予測した温度を測定装置200へと通知する。フローセル120は、サンプルが流れるフローセルである。例えば、図2に示す例では、フローセル120の内容には、洗浄液供給装置CPから洗浄装置CMへと供給される半導体の洗浄液がサンプルとして流れている。分光装置130は、分光装置4と同様の機能を有し、フローセルを介して受光した光から、ファブリペロー分光器を用いて、特定波長の光を分光する。
温度センサ140は、温度測定部6と同様の機能を有し、フローセル120を流れるサンプルの温度を測定する。そして、測定装置200は、分光装置4により分光された光の強度と、予測された発光素子の温度と、温度センサ140が測定したサンプルの温度とに基づいて、サンプルの濃度を測定する。
続いて、図3を用いて、光源装置110、分光装置130、および測定装置200が有する機能構成の一例について説明する。図3は、実施形態に係る測定システムの機能構成の一例を示す図である。
図3に示す例では、光源装置110は、電流発生回路111、LED112、および順方向電圧測定部113を有する。電流発生回路111は、LED112に流す電流を発生させる回路であり、例えば、低電流発生回路22、スイッチ23、高電流発生回路24、及びスイッチ25により実現される。LED112は、光源であり、発光素子21に対応する。例えば、LED112は、電流発生回路111により発生された高電流により点灯する。順方向電圧測定部113は、例えば、順方向電圧測定回路26であり、電流発生回路111により発生された低電流を用いて、LED112の順方向電圧を測定する。
なお、図3に示す例では、光源装置110は、図1に示す光源装置2とは異なり、温度を予測する機能を有していない。後述するように、図3に示す測定システム100においては、測定装置200が、LED112の順方向電圧に基づいてLED112の温度を予測する。
図3に示す例では、分光装置130は、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ131と受光素子132とを有する。ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ131は、フローセル120を介して受光した光から、測定装置200が指示する特定波長の光を分光し、分光した光を受光素子132へと出力する。受光素子132は、例えば、特定波長の光を電気信号に変換可能な光電素子やフォトダイオードであり、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ131により分光された特定波長の光を受光すると、受光した光の強度を示す情報を測定装置200へと出力する。
また、図3に示す例では、測定装置200は、光源制御部210、順方向電圧取得部220、分光制御部230、光強度取得部240、温度取得部250、入力部260、出力部270、記憶部280、および制御部290を有する。
光源制御部210は、制御部290からの制御に従ってLED112の点灯を制御する制御装置であり、例えば、LED112の点灯回路等により実現される。また、光源制御部210は、タイミング発生回路51としての機能を有し、所定のパターンでLED112を点灯させる。
ここで、光源制御部210は、サンプルの濃度を測定するためにLED112を継続的に点灯させるのではなく、サンプルの吸光度を測定するために十分な期間だけLED112をパルス点灯させる。すなわち、光源制御部210は、LED112を断続的に点灯させる。このような制御の結果、光源制御部210は、LED112の点灯時間を抑えることができるので、LED112の劣化を防ぎ、光源装置110の交換時期を延ばすことができる。
また、光源制御部210は、LED112に低電流を流し、順方向電圧測定部113にLED112の順方向電圧を測定させる。そして、順方向電圧取得部220は、順方向電圧測定部113により測定された順方向電圧の値を取得する。このように、光源制御部210は、LED112の温度を予測するために、微弱な低電流を用いて、LED112の順方向電圧を測定するので、温度の予測処理にともなうLED112の劣化を防ぐことができる。
例えば、光源制御部210は、LED112に電流を流さずに消灯させる消灯期間後、時間t1において、LED112を点灯させるため、高電流(I1)をLED112に流す。そして、光源制御部210は、サンプルの濃度測定に十分な期間(例えば、数マイクロ秒)が経過した時間t2において、高電流を停止させる。すなわち、光源制御部210は、時間t1から時間t2の点灯期間においては、LED112を点灯させる。
続いて、光源制御部210は、時間t2から低電流(I2)をLED112に流す。すなわち、光源制御部210は、点灯期間終了後から、低電流をLED112に流す。ここで、光源制御部210は、点灯期間よりも長い期間の間、低電流をLED112に流し、時間t3において、低電流を停止させる。すなわち、光源制御部210は、点灯期間よりも長い時間t2から時間t3の温度測定期間においては、LED112に低電流を流し、LED112の順方向電圧を測定させる。このように、光源制御部210は、点灯期間よりも長い温度測定期間を設けることで、AD変換回路で必要とするフィルタ回路の十分な安定を待って、順方向電圧の測定精度をさらに向上させることができる。
ここで、受光素子132は、実際には特定波長の光を受光してなくとも、リーク電流によりかすかな光を受光した旨を示す信号を出力する場合がある。そこで、光源制御部210は、時間t3から所定の期間が経過するまでの間、LED112に電流を流さない期間を消灯期間として設ける。このような消灯期間の間、分光装置130は、受光素子132を動作させ、受光素子132が出力した光の強度の値、すなわち、リーク電流により生じる光の強度の値、すなわちダークを測定装置200へと出力する。このようなダークの値は、受光素子132が受光した特定波長の光の強度をさらに補正するために用いられる。
その後、光源制御部210は、時間t3から所定の期間が経過した時間t4において、再度高電流をLED112に流し、LED112を点灯させ、所定の期間が経過した後に、再度低電流をLED112に流し、その後、LED112に電流を流さない期間を設ける。すなわち、光源制御部210は、LED112に高電流を流して点灯させる点灯期間、LED112に低電流を流す温度測定期間、およびLED112に電流を流さない消灯期間が繰り返すように、LED112を制御する。
順方向電圧取得部220は、順方向電圧測定部113により測定された順方向電圧の値を取得する。例えば、順方向電圧取得部220は、光源制御部210がLED112に低電流を流す温度測定期間において、順方向電圧測定部113が測定した順方向電圧の値を取得する。
分光制御部230は、制御部290からの制御に従って分光装置130を制御する制御装置であり、例えば、分光装置130の制御回路により実現される。例えば、分光制御部230は、分光装置130のファブリペロー分光用チューナブルフィルタ131が有する上部ミラーと下部ミラーとの間に印加する電圧を制御することで、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ131が透過する光の波長、すなわち、受光素子132が受光する光の波長を適宜制御する。
ここで、分光制御部230は、複数の特定波長を用いて濃度を推定する場合、光源制御部210がLED112に高電流を流す点灯期間において、各特定波長の光を受光素子132が受光するように、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ131の制御を行ってもよい。また、分光制御部230は、光源制御部210がLED112に高電流を流す度に異なる特定波長の光を受光素子132が受光するように、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ131の制御を行ってもよい。
光強度取得部240は、受光素子132が受光した光の強度を示す値を取得するための制御装置であり、例えば、受光素子132の制御回路により実現される。例えば、光強度取得部240は、受光素子132から光の強度を示す電気信号を受付けると、受付けた電気信号を光の強度を示す数値に変換し、変換後の数値を制御部290に通知する。
温度取得部250は、フローセル120を流れるサンプルの温度を取得する。例えば、温度取得部250は、制御部290からの制御に従って、フローセル120に接触する様に設置された温度センサ140を用いて、サンプルの温度を取得する。そして、温度取得部250は、取得した温度を示す情報を制御部290に出力する。
入力部260は、利用者からの操作を受付ける入力装置であり、例えば、キーボードやマウス等により実現される。また、出力部270は、測定装置200による測定結果を出力するための出力装置であり、例えば、液晶モニタやプリンタ等により実現される。
記憶部280は、各種の情報を記憶する記憶装置であり、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部160には、各種の測定ログや、測定対象となる溶質(例えば、アンモニア、塩酸若しくは過酸化水素等)と特定波長ごとの組ごとに予め設定された吸光係数や係数行列等が登録される。
さらに、記憶部280には、予め測定されたLED112の温度とLED112が出射する特定波長の光の強度との関係性を示すベースラインデータ281が登録されている。例えば、光源装置110が有するLED112の温度とLED112が出射する特定波長の光の強度との関係は、LED112ごとに個体差が存在する。そこで、測定装置200は、サンプルの濃度の測定に先駆けて、ベースラインデータ281の作成を行い、作成したベースラインデータ281を記憶部280に登録する。
例えば、測定装置200は、フローセル120にサンプルが流れていない状態でLED112を点灯させるとともに、分光装置130を用いて、各波長の光の強度を測定する。また、測定装置200は、順方向電圧測定部113を用いて、LED112の順方向電圧を測定し、測定した順方向電圧に基づいて、LED112の温度を予測する。そして、測定装置200は、予測した温度と光の強度とに基づいて、LED112の光スペクトルを推定し推定した光スペクトルを示す情報をベースラインデータ281として登録する。なお、測定装置200は、LED112に流す電流の電流値や時間を変化させることで、LED112の温度を適宜変化させ、各温度における光スペクトルの推定を行ってもよい。また、ベースラインデータ281は、例えば、複数の測定装置200が共用するデータであってもよい。
さらに、記憶部280には、溶液における溶媒の吸光度と溶媒の温度との関係性であって、光の波長ごとに予め測定された関係性を示す対応情報282が登録されている。例えば、サンプルが水溶液である場合、記憶部280には、水温に応じて受光強度を補正するための補正値が、特定波長ごとに登録された対応情報282が登録されている。
例えば、図4は、実施形態に係る対応情報の一例を示す図である。図4に示すように、対応情報282には、「測定波長」、「温度」、および「補正値」が対応付けて登録されている。なお、対応情報282には、図4に示す情報以外にも、任意の情報が対応付けて登録されていてもよい。
例えば、図4に示す例では、測定波長「波長#1」、温度「温度#1」、および補正値「補正値#1」が対応付けて登録されている。このような情報は、測定された光の波長が「波長#1」であり、水温が「温度#1」である場合、「波長#1」の光の受光強度に対する補正値が「補正値#1」である旨を示す。なお、図4に示す例では、「波長#1」、「温度#1」、「補正値#1」といった概念的な値を記載したが、実際には、波長、温度、よび補正値を示す数値が登録されることとなる。
なお、対応情報282は、サンプルにおける溶媒ごとに予め設定されたものとなる。例えば、水が有する吸光度の波長依存性および温度依存性を補正するための対応情報282は、例えば、波長と水温との組合せごとに予め測定された水の吸光度や、吸光度の変化に応じて予め算出され、製品となる測定装置200に対して予め登録されたものとなる。
制御部290は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、測定装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部290は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
図3に示す例では、制御部290は、光強度取得部291、温度測定部292、濃度測定部293、および提供部294を有する。
光強度取得部291は、受光素子132が受光した特定波長の光の強度を取得する。例えば、光強度取得部291は、溶質等といった濃度を測定する対象(測定対象)の選択を入力部260から受付けると、サンプルを介した光から選択された測定対象と対応する特定波長の光強度を取得する。
例えば、光強度取得部291は、アンモニアと過酸化水素とが選択された場合、アンモニアと対応する特定波長と、過酸化水素と対応する特定波長とを選択する。そして、光強度取得部291は、光源制御部210を制御し、LED112を断続的に点灯させる。例えば、光強度取得部291は、光源制御部210を介して電流発生回路111を制御し、高電流を発生させ、LED112に特定波長を含む光を出射させる。また、光強度取得部291は、分光制御部230を介してファブリペロー分光用チューナブルフィルタ131を制御し、サンプルを介して分光装置130が受光した光からアンモニアと対応する特定波長の光と、過酸化水素と対応する特定波長の光とを分光させる。そして、光強度取得部291は、光強度取得部240を介して、分光させた特定波長の光の強度を取得する。すなわち、光強度取得部291は、光源制御部210が電流発生回路111に高電流を発生させる点灯期間において、分光装置130が受光した特定波長の光の強度を取得する。
また、光強度取得部291は、LED112に電流が流れていない期間である消灯期間の間、受光素子132が出力する信号を取得する。
温度測定部292は、LED112の温度を測定する。例えば、温度測定部292は、点灯期間の後に、光源制御部210を介して、電流発生回路111を制御し、低電流を発生させる。そして、温度測定部292は、順方向電圧取得部220を介して、順方向電圧測定部113が測定した順方向電圧の値を取得し、取得した順方向電圧の値に基づいて、発光素子の温度を予測する。また、温度測定部292は、光源装置110がLED112を消灯させる度に、点灯期間よりも長い温度測定期間の間に低電流を用いて測定された順方向電圧の値を取得する。
続いて、温度測定部292は、取得した順方向電圧から、LED112の温度を予測する。すなわち、温度測定部292は、順方向電圧を測定した温度測定期間の直前の点灯期間におけるLED112の温度を予測する。例えば、温度測定部292は、予め測定されたLED112の温度と順方向電圧との対応関係に基づいて、取得した順方向電圧からLED112の温度を予測してもよい。また、温度測定部292は、絶対的な温度を予測してもよく、LED112の温度がどれくらい変動したかという相対的な温度を予測してもよい。このような順方向電圧からLED112の温度を予測する具体的な処理については、各種公知の予測技術が適用可能である。
濃度測定部293は、分光された特定波長の光の強度と、温度測定部292により予測された温度と、温度取得部250によって取得されたサンプルの温度とに基づいて、測定対象の濃度を測定する。例えば、濃度測定部293は、温度測定部292から、予測されたLED112の温度を取得する。また、濃度測定部293は、予測されたLED112の温度から、ベースラインデータ281を用いて、LED112が出射した光の光スペクトルを予測する。そして、濃度測定部293は、予測した光スペクトルから、LED112が出射した各特定波長の光の強度を推定する。
また、濃度測定部293は、分光装置130が分光した各特定波長の光の強度の値を光強度取得部291から取得する。また、濃度測定部293は、対応情報と温度取得部250により測定された温度とに基づいて、分光された特定波長の光の強度を補正する。そして、濃度測定部293は、推定した光の強度と、補正した光の強度とに基づいて、溶液の吸光度を算出し、算出した吸光度に基づいて、測定対象の濃度を測定する。
例えば、濃度測定部293は、対応情報282を参照し、各特定波長ごとに、温度取得部250が取得した温度と対応付けられた補正値を特定する。そして、濃度測定部293は、特定した補正値を用いて、分光装置130により分光された各特定波長の光の強度、すなわち、受光強度を補正する。そして、濃度測定部293は、順方向電圧から予測されたLED112の温度と対応する特定波長の光の出射強度と、補正された受光強度とに基づいて、特定波長におけるサンプルの吸光度を算出する。すなわち、濃度測定部293は、算出した吸光度から、各溶質(例えば、アンモニアと過酸化水素)の濃度を測定する。
より具体的には、濃度測定部293は、上述した式(6)を用いて、測定した各特定波長における吸光度A1、A2から、各溶質の濃度を算出する。すなわち、濃度測定部293は、各測定対象の濃度を特定波長における吸光度に変換する吸光係数に基づく行列と、測定された特定波長の光の強度に基づいた吸光度とに基づいて、各測定対象の濃度を算出する。
提供部294は、各測定対象の濃度を利用者に提供する。例えば、提供部294は、出力部270を介して、利用者が選択した測定対象の濃度を示す値を出力する。なお、提供部294は、例えば、各濃度が所定の範囲外となった場合に、警告音や警告表示を出力させてもよい。
[実施形態における動作タイミングの一例]
次に、図5を参照して、実施形態に係る測定システム100が対応情報を生成する際における動作タイミングの一例について説明する。図5は、実施形態に係る測定システムが対応情報を生成する際における動作タイミングの一例を示すフローチャートである。
例えば、光源装置110は、第1電流値を用いて、LED112等の光源から特定波長の光を第1期間の間出射させる(ステップS101)。例えば、光源装置110は、時刻t1から時刻t2に示す点灯期間の間、LED112を点灯させることで、特定波長の光を含む光を出射させる。このような場合、分光装置130は、測定対象を介して、光源が出射した光を受光し(ステップS102)、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ131等といったファブリペロー分光器を用いて、特定波長の光を分光する(ステップS103)。
続いて、光源装置110は、第1電流値よりも低い第2電流値を用いて、第1期間よりも長い第2期間の間、光源の順方向電圧を測定する(ステップS104)。例えば、光源装置110は、点灯期間よりも長い温度測定期間(すなわち、時刻t2から時刻t3の間)の間、低電流をLED112に流すことで、LED112の順方向電圧を特定する。このような場合、測定装置200は、順方向電圧に基づいて、光源の温度を予測し(ステップS105)、予測した温度から光源が出射した光のスペクトルを推定する(ステップS106)。
続いて、測定装置200は、サンプルの液温を測定する(ステップS107)。そして、測定装置200は、溶媒が測定した液温の際に、特定波長に対して有する吸光度と、測定したスペクトルと、分光された光の強度とに基づいて、溶質による吸光度を算出する(ステップS108)。例えば、測定装置200は、溶媒が測定した液温の際に特定波長に対して有する吸光度に基づく補正値を対応情報から特定する。続いて、測定装置200は、特定した補正値に基づいて、ステップS103において分光された特定波長の光の受光強度を補正する。また、測定装置200は、ステップS106において推定された光のスペクトルから、光源が出射した特定波長の光の出射強度を特定する。そして、測定装置200は、特定波長の光の出射強度と、補正された特定波長の光の受光強度とから、特定波長の光の吸光度を算出する。
ここで、測定装置200は、全ての特定波長を分光したか否かを判定し(ステップS109)、分光していない場合は(ステップS109:No)、分光していない特定波長について、ステップS101から処理を繰り返し実行する。一方、測定装置200は、全ての特定波長を分光した場合は(ステップS109:Yes)、各特定波長における吸光度を濃度に変換する係数の行列の逆行列を用いて、算出した吸光度から測定対象の濃度を算出する(ステップS110)。そして、測定装置200は、算出した濃度を測定結果として出力し(ステップS111)、処理を終了する。
なお、図5に示す例では、ステップS101~S108からなる1サイクル(すなわち、点灯期間、温度測定期間、および消灯期間からなる1サイクル)内において1つの特定波長についての測定を行い、複数の特定波長についての測定結果から、サンプルの濃度を測定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、測定装置200は、1サイクル内における点灯期間内において、全ての特定波長についての吸光度の測定を行い、測定結果からサンプルの濃度を測定してもよい。すなわち、測定装置200は、任意のタイミングで任意の数の特定波長の吸光度の測定を行ってよい。
[実施形態における効果]
上述したように、測定装置200は、LED112に低電流を流した際におけるLED112の順方向電圧に基づいて、LED112が特定波長の光を出射した際の温度を推定し、推定した温度から、LED112が出射した光のスペクトルを推定する。また、測定装置200は、サンプルの温度と特定波長の組ごとに予め設定された補正値を用いて、分光装置130が分光した特定波長の光の受光強度を補正する。そして、測定装置200は、補正後の受光強度と、推定されたスペクトルに基づく特定波長の光の出射強度とに基づいて、特定波長の光の吸光度を算出し、算出した吸光度に基づいて、サンプルにおける溶質の濃度を測定する。
このような処理の結果、測定装置200は、サンプルにおける溶媒の吸光度が、温度や光の波長ごとに変化する場合であっても、溶質の濃度に応じた吸光度を精度良く算出することができる。この結果、測定装置200は、溶質の濃度を測定する際の精度を向上させることができる。
[実施形態の拡張]
上記の説明では、サンプルに含まれる測定対象の濃度を測定する測定システム1、100(以下、単に「測定システム1」と総称する。)について説明したが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下の説明では、測定システム1が実行する測定手法のバリエーションについて説明する。
[液温を測定する位置について]
測定システム1は、サンプルの温度を測定することができるのであれば、任意の位置に設置された温度センサを用いて、サンプルの温度を測定してよい。例えば、測定システム1は、フローセル120の外側のみならず、フローセルの内側に設置された温度センサにより取得されたサンプルの温度を取得してもよい。また、測定システム1は、例えば、サンプルとなる洗浄液のタンク内や洗浄液供給装置CPが洗浄液を供給するパイプに設置された温度センサを用いて、サンプルの温度を測定してもよい。この際、測定システム1は、測定されたサンプルの温度に基づいて、光路OPを流れる際におけるサンプルの温度を予測し、予測した温度に基づいて、補正値の決定を行ってもよい。
[液温を測定するタイミングについて]
ここで、測定システム1は、所定の時間帯に取得された液温の平均値を用いて、受光強度の補正に用いる補正値を決定してもよい。しかしながら、受光強度をサンプルの液温に基づいて補正する点を考慮すると、受光強度を測定した際にフローセル120を流れるサンプルの液温に基づいて、補正値を決定するのが望ましい。そこで、測定システム1は、光源装置110がLED112を点灯させた際(すなわち、高電流をLED112に流した際)において温度センサ140が測定した温度に基づいて、補正値の決定を行ってもよい。
[温度測定手法について]
上述した説明では、測定システム1は、発光素子21やLED112といった光源の順方向電圧を測定し、測定した順方向電圧に基づいて、光源の温度を測定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、測定システム1は、温度計や熱電対等といった接触型の温度測定装置を光源若しくは光源の近傍に設置し、温度測定装置により測定された温度に基づいて、光源が出力する光スペクトルの推定を行ってもよい。また、測定システム1は、赤外線等を用いる非接触型の温度測定装置により測定された温度に基づいて、光源が出力する光スペクトルの推定を行ってもよい。すなわち、測定システム1は、サンプルの吸光度を測定する際における光源の温度を測定(もしくは予測)することができるのであれば、任意の手法により測定された温度に基づいて、光源が出力した光スペクトルの推定を行ってよい。
[温度の予測について]
上述した測定システム1は、光源の順方向電圧から光源の温度を予測した。ここで、測定システム1は、光源の温度の予測精度をさらに向上させるため、各種の追加的な処理を行ってもよい。
例えば、測定システム1は、時間t2からt3までの温度測定期間における順方向電圧に基づいて、光源の温度を予測する。しかしながら、時間t2において光源に供給される電流が高電流から低電流へと変化するため、光源の温度は、温度測定期間において徐々に低下している恐れがある。また、温度測定期間においても、光源には低電流が流れているため、光源の温度が低電流により変化している恐れがある。
そこで、測定システム1は、温度測定期間における順方向電圧の変化に基づいて、点灯期間における光源の順方向電圧を予測し、予測した順方向電圧から温度を予測してもよい。例えば、測定システム1は、温度測定期間における順方向電圧の変化量から、時間t2における順方向電圧の値を予測し、予測した順方向電圧の値を用いて、光源の温度を予測してもよい。
また、測定システム1は、点灯期間の終端である時間t2から所定の時間が経過した際における順方向電圧を用いて、光源の温度を予測してもよい。すなわち、測定システム1は、光源に流れる高電流が停止してから温度を測定するまでの期間を統一化することで、より温度の予測精度を向上させてもよい。
また、測定システム1は、例えば、点灯期間のうち受光素子が特定波長の光の強度を示す信号を出力したタイミングを特定し、温度測定期間における順方向電圧の変化から、
特定したタイミングにおける光源の温度を推定してもよい。
なお、測定システム1は、空調やサンプルの温度による光源の温度変化を考慮し、点灯期間の都度、順方向電圧を測定し直し、測定し直した順方向電圧から光源の温度を推定するのが望ましい。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではなく、例えば、測定システム1は、所定の回数点灯期間が行われる度に、順方向電圧を測定し直し、測定し直した順方向電圧から光源の温度を推定してもよい。
[濃度の推定について]
ここで、測定システム1は、1回の点灯期間において1つの特定波長の光の強度を測定する場合、測定する特定波長ごとに上述した各処理を繰り返し実行してもよい。例えば、測定システム1は、1回目の点灯期間において第1の特定波長の強度を測定するとともに、1回目の点灯期間における光源の温度を予測する。そして、測定システム1は、予測した温度から光源が出射した光の光スペクトルを推定し、推定した光スペクトルと測定した第1の特定波長の強度とに基づいて、第1の特定波長の吸光度を測定する。
続いて、測定システム1は、2回目の点灯期間において第2の特定波長の強度を測定するとともに、2回目の点灯期間における光源の温度を予測する。そして、測定システム1は、予測した温度から光源が出射した光の光スペクトルを推定し、推定した光スペクトルと測定した第2の特定波長の強度とに基づいて、第2の特定波長の吸光度を測定する。そして、測定システム1は、測定した各特定波長の吸光度から、測定対象の濃度を推定してもよい。
一方、測定システム1は、1回の点灯期間において複数の特定波長の光の強度を測定してもよい。このような場合、測定システム1は、予測した光源の温度から光スペクトルの推定を行うとともに、推定された光スペクトルから、光源が出力した各特定波長の光の強度をそれぞれ推定してもよい。
また、測定システム1は、測定された温度の履歴に基づいて、測定対象の濃度を測定してもよい。例えば、測定システム1は、直近に予測された温度の履歴の平均値や移動平均等を算出し、算出した値を測定された光源の温度として採用してもよい。
なお、上述した実施形態においては、サンプルを流れるフローセル120と光源装置110とが密着するように設置される。このため、フローセル120の温度やフローセル120を流れるサンプルの温度により、光源の温度が変化する恐れがある。そこで、測定システム1は、フローセル120やサンプルの温度を測定し、測定した温度を考慮して、測定対象の濃度を推定してもよい。例えば、測定システム1は、フローセル120やサンプルの温度に基づいて、順方向電圧から推定される光源の温度を補正し、補正後の温度に基づいて、光源が出射した光の光スペクトルを推定してもよい。また、測定システム1は、このようなフローセル120やサンプルの温度に基づいて、受光素子132におけるリーク電流を予測し、予測したリーク電流に基づいて、受光素子132の測定値を補正してもよい。
また、測定システム1は、測定システム1の周囲の気温や空調温度等をさらに考慮して、測定対象の濃度を推定してもよい。
[測定タイミングについて]
ここで、光源装置が電流を発生させるための回路やスイッチを制御するマイコン、順方向電圧の測定回路、ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ131や受光素子132を制御した際にも、熱が発生し、LED112の温度を変化させる可能性が高い。このため、測定システム1は、上述した点灯期間と温度測定期間と消灯期間とからなる測定シーケンスは、所定のパターンを繰り返し実行するのが望ましい。また、このような所定のパターンにおいて、液温を測定するタイミングについても、同じタイミングとなるのが望ましい。
[分光装置について]
上述した測定システム1は、ファブリペロー型の分光器を用いて、サンプルを介した光を分光した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、測定システム1は、マイケルソン干渉計、フォトダイオードアレイ方式、DLP(Digital Light Processing)方式等、任意の分光器を用いた分光を行ってよい。
[特定波長について]
上述した測定システム1では、測定対象となるアンモニアや過酸化水素の吸光度のピークが存在する波長を特定波長として選択した。このように、吸光度のピークが存在する波長を特定波長とした場合、濃度の測定精度を向上させることができる。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。測定システム1は、少なくとも、サンプルに含まれる濃度の測定対象ごとに特定波長を選択し、選択した特定波長の強度から各測定対象の濃度を測定するのであれば、任意の波長を特定波長として選択してもよい。
例えば、測定システム1は、分光装置4、130が分光可能な波長の範囲に基づいて、特定波長の選択を行ってもよい。また、測定システム1は、光源装置2、110が出射可能な波長帯等に応じて、任意の波長を特定波長として採用してもよい。例えば、測定システム1は、2つの溶質が溶解した水溶液における各溶質の濃度を測定する場合、分光装置4、130が分光可能な波長の範囲から、任意の2つ以上の波長を特定波長として選択し、選択波長における各溶質の吸光度とサンプルの水溶液の吸光度から、各溶質の濃度を測定すればよい。また、例えば、測定システム1は、薬液の影響を受けにくい第1波長の光を基準とし、第1波長の光に対する第2波長および第3波長の光の相対的な吸光度を用いて、溶質の濃度を測定することで、光路の汚れやLEDの輝度低下の影響を抑え、測定精度を保持させてもよい。
ここで、測定システム1は、少なくとも、測定対象と同数の特定波長を含む波長帯の光を分光できればよい。例えば、測定システム1は、複数の測定対象を含むサンプルの吸光度から、各測定対象の濃度を測定する場合、測定対象のそれぞれと対応する複数の特定波長を含む波長帯の光を光源装置2、110から出射させ、サンプルを介した光から特定波長の光を分光し、分光した光の強度から測定対象の濃度を算出すればよい。
例えば、サンプルに第1測定対象と第2測定対象が含まれる場合、測定システム1は、第1測定対象に対応する第1特定波長と、第2測定対象に対応する第2特定波長とを設定する。続いて、測定システム1は、第1特定波長と第2特定波長とのそれぞれにおける第1測定対象の吸光度と、第1特定波長と第2特定波長とのそれぞれにおける第2測定対象の吸光度とから、係数行列の逆行列を算出する。そして、測定システム1は、第1特定波長と第2特定波長とのそれぞれにおけるサンプルの吸光度と逆行列とから、第1測定対象の濃度と第2測定対象の濃度とを算出すればよい。
また、測定システム1は、3種類以上の溶質が溶解しているサンプルの吸光度から、各溶質の濃度を測定してもよく、サンプルに溶解している溶質のうち全て若しくは一部の溶質の濃度を測定してもよい。例えば、サンプルに溶解している溶質のうち濃度の測定対象となる溶質の数をnとする。このような場合、測定システム1は、少なくともn個の特定波長を選択し、式(2)や式(3)と同様に、n個の溶質の濃度からサンプルの吸光度を算出する式を特定波長ごとに設定することで、n×n行列である係数行列Pを得る。そして、測定装置5は、n個の特定波長ごとにサンプルの吸光度を測定し、逆行列P-1と測定した吸光度とから、各溶質の濃度を測定してもよい。
また、測定システム1は、行列式ではなく、吸光度から溶質の濃度を算出する所定の方程式を用いて、濃度の測定を行ってもよい。また、測定システム1は、測定精度をさらに向上させるため、n個の溶質に対し、m個(m>n)の特定波長を選択し、選択した特定波長ごとの吸光度から、n個の溶質の濃度を測定してもよい。例えば、測定システム1は、2つの特定波長を用いて過酸化水素の濃度を吸光度へと変換する場合、特定波長ごとに測定したサンプルの吸光度から算出した濃度の平均値から過酸化水素の濃度を測定してもよい。
また、測定システム1は、n個の測定対象に対し、n<mとなるm個の特定波長の光の強度に基づいて、各測定対象の濃度を測定してもよい。例えば、測定システム1は、2つの測定対象に対して3つ以上の特定波長の光の強度を測定し、測定した光の強度から各測定対象の濃度の候補をそれぞれ算出する。このような計算を行った場合、測定システム1は、1つの測定対象に対して複数の濃度の候補を得ることとなる。そこで、測定システム1は、得られた候補の平均値等に基づいて、測定対象の濃度を算出する。なお、測定システム1は、光源装置2が出射する光の中心波長や半値幅、分光装置4、130が分光可能な波長帯、サンプルに含まれる測定対象の種類や想定されうる濃度等に基づいて、候補の平均値を得る際に各種の重みづけを設定してもよい。
[サンプルについて]
また、測定システム1、100は、各種溶質が溶解した水溶液のみならず、例えば、各種溶質が溶解した有機溶剤等の溶液をサンプルとしてもよい。また、このような場合、測定システム1、100は、溶媒の吸光度と溶質の吸光度との割合から式(1)を用いて算出される吸光度を採用してもよい。また、測定システム1、100は、溶液のみならず、混合気体等、各種の気体をサンプルとし、サンプルに含まれる気体のうち任意の気体の濃度を測定してもよい。また、測定システム1、100は、溶質ではなく、溶媒となる物質の濃度を測定してもよい。このような種々の処理を行う場合であっても、測定システム1、100は、サンプルの温度と特定波長との組に応じた補正値を受光強度に対して適用すればよい。
[測定について]
なお、上述した例では、測定システム1、100は、各種の溶液に溶解した溶質の濃度や気体の濃度を推定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、測定システム1、100は、上述した構成により、所定の溶質や気体がサンプルに含まれているか否かを判定してもよい。例えば、測定システム1、100は、ある波長における吸光度が所定の閾値を超える場合は、その波長と対応する溶質や気体がサンプルに含まれていると判定してもよい。すなわち、測定システム1、100が実行する測定処理とは、溶質や気体等といった任意の検出対象を検出する処理を含む概念である。
[装置構成について]
なお、測定システム1、100の装置構成は、上述した説明に限定されるものではない。例えば、光源装置110と分光装置130と測定装置200とは、一体型の測定装置を構成してもよい。
以上、実施形態の一例を説明したが、これらは例示であり、本実施形態は上記した説明に限定されるものではない。発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、実施形態の構成や詳細は、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
1、100 測定システム
2、110 光源装置
3、120 フローセル
4、130 分光装置
5 測定装置
6 温度測定部
21 発光素子
22 低電流発生回路
23、25 スイッチ
24 高電流発生回路
26 順方向電圧測定回路
27 温度予測部
41、131 ファブリペロー分光用チューナブルフィルタ
42、132 受光素子
51 タイミング発生回路
52 濃度測定部
111 電流発生回路
112 LED
113 順方向電圧測定部
200 測定装置
210 光源制御部
220 順方向電圧取得部
230 分光制御部
240 光強度取得部
250 温度取得部
260 入力部
270 出力部
280 記憶部
281 ベースラインデータ
282 対応情報
290 制御部
291 光強度取得部
292 温度測定部
293 濃度測定部
294 提供部
UM 上部ミラー
DM 下部ミラー

Claims (11)

  1. 濃度の測定対象と対応する複数の特定波長を出射可能な発光素子を有する光源部と、
    前記測定対象が溶解した溶液を介して受光した光から各特定波長の光を分光する分光部と、
    前記溶液の温度を測定する温度測定部と、
    前記溶液における溶媒の吸光度と当該溶媒の温度との関係性であって、各特定波長ごとに予め測定された関係性を示す対応情報と、前記分光部により分光された特定波長の光の強度と、前記温度測定部により測定された温度とに基づいて、前記溶液における前記測定対象の濃度を測定する濃度測定部と
    を有することを特徴とする測定装置。
  2. 前記分光部は、前記測定対象が溶解した水溶液を介して受光した光を分光し、
    前記温度測定部は、前記水溶液の温度を測定し、
    前記濃度測定部は、水の吸光度と水の温度との関係性であって、各特定波長ごとに予め測定された関係性を示す対応情報と、前記分光部により分光された特定波長の光の強度と、前記温度測定部により測定された温度とに基づいて、前記水溶液の濃度を測定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 濃度の測定対象と対応する特定波長を出射可能な発光素子を有する光源部と、
    前記測定対象が溶解した溶液を介して受光した光を分光する分光部と、
    前記溶液の温度を測定する温度測定部と、
    前記発光素子が有する順方向電圧を測定する順方向電圧測定部と、
    前記溶液における溶媒の吸光度と当該溶媒の温度との関係性であって、光の波長ごとに予め測定された関係性を示す対応情報と、前記順方向電圧測定部により測定された順方向電圧と、前記分光部により分光された前記特定波長の光の強度と、前記温度測定部により測定された温度とに基づいて、前記溶液における前記測定対象の濃度を測定する濃度測定部と
    を有することを特徴とする測定装置。
  4. 前記濃度測定部は、前記順方向電圧測定部により測定された順方向電圧に基づいて、前記発光素子が発光した特定波長の光の強度を推定し、前記対応情報と前記温度測定部により測定された温度とに基づいて、前記分光部により分光された特定波長の光の強度を補正し、推定した光の強度と、補正した光の強度とに基づいて、前記溶液の吸光度を算出し、算出した吸光度に基づいて、前記測定対象の濃度を測定する
    ことを特徴とする請求項に記載の測定装置。
  5. 前記濃度測定部は、前記順方向電圧の値に基づいて、前記発光素子の温度を推定し、推定した温度に基づいて、前記発光素子が発光した特定波長の光の強度を推定する
    ことを特徴とする請求項に記載の測定装置。
  6. 前記光源部は、前記発光素子を点灯させる場合は、当該発光素子に所定値の電流を供給し、
    前記順方向電圧測定部は、前記所定値よりも低い値の電流であって、温度の測定に必要な安定性が確保できる値の電流を用いて、前記発光素子の順方向電圧を測定する
    ことを特徴とする請求項のうちいずれか1つに記載の測定装置。
  7. 前記分光部は、前記測定対象を介して受光した光を分光する分光器と、当該分光器により分光された光の強度を測定する受光素子とを有し、
    前記濃度測定部は、前記発光素子を点灯する際に前記受光素子が測定した光の強度に基づいて、前記測定対象の濃度を測定する
    ことを特徴とする請求項1~のうちいずれか1つに記載の測定装置。
  8. 濃度の測定対象と対応する特定波長を出射可能な発光素子を有する光源部と、
    前記測定対象が溶解した溶液を介して受光した光を分光する分光部と、
    前記発光素子から前記分光部までの光路上における前記溶液の温度を測定し、前記溶液の温度を測定した位置と、前記光路上との位置関係に基づいて、測定した温度から前記光路上における前記溶液の温度を推定する温度測定部と、
    前記溶液における溶媒の吸光度と当該溶媒の温度との関係性であって、光の波長ごとに予め測定された関係性を示す対応情報と、前記分光部により分光された前記特定波長の光の強度と、前記温度測定部により推定された温度とに基づいて、前記溶液における前記測定対象の濃度を測定する濃度測定部と
    を有することを特徴とする測定装置。
  9. 前記温度測定部は、前記光路の近傍に設置された検出装置により検出された情報に基づいて、前記溶液の温度を測定する
    ことを特徴とする請求項に記載の測定装置。
  10. 前記温度測定部は、前記発光素子が点灯している際の前記溶液の温度を測定する
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の測定装置。
  11. 前記分光部は、ファブリペロー型の分光器を有する
    ことを特徴とする請求項1~10のうちいずれか1つに記載の測定装置。
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