JP7424109B2 - 電力変換装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に係り、特に、モータを駆動するためのインバータ保護方法及び制御技術に関する。
インバータを保護する方式として様々な提案がなされており、特許文献1~7にもインバータを保護する技術が開示されている。
特許文献1には、検出された電流値情報により加熱保護を行う方法について記載されている。特許文献2は電力変換装置自体を保護する方式であり、温度を検出して保護する方法が記載されている。
特許文献3では、各周波数に応じて許容される電流値が異なるのを考慮して電流による過負荷保護を実施している。特許文献4では、電流に応じて過負荷保護を行う方法について記載されている。特に、モータとインバータ装置、相手機械などの特性に応じて過負荷保護レベルを切り替えている。
特許文献5には、複数台のインダクションモータを速度検出情報とトルク検出情報に応じて出力を制限する装置が開示されている。特許文献5では、入力のコンバータによる電力超過を防ぐことを目的としている。
特許文献6には、インバータ保護用の過電流保護機能と負荷保護用のトルク制限機構を用いて、直流電圧の過電圧を防止する機構が開示されている。特許文献7には、定格周波数以下の周波数で運転する電動機の過負荷保護方法が記載されている。
特許第5378033号 特開2010-268614号公報 特開2002-136183号公報 特開平11-215888号公報 特開平11-197550号公報 特開平9-238494号公報 特開平7-143661号公報
インバータ定格電流は、あるキャリア周波数を基準に設定される。キャリア周波数が基準となる周波数より増加すると、インバータの損失が増加しインバータ定格電流を下げる必要がある。本明細書において、インバータ定格電流を下げて運転する状態を減定格運転と称する。
このため、モータ定格電流がインバータ定格電流に近く、かつ、モータ駆動周波数が高周波数となる場合には、キャリア周波数を高くする必要があり、減定格運転となる。
この時には、モータ定格電流がインバータ定格電流を超える場合があり、インバータ定格電流を超えないように運転しなくてはいけない。また、インバータ過負荷領域での運転がある場合には、適切な保護を実施してインバータを壊さないように運転する必要がある。
このような運転をする方式としては、特許文献1~7で記載したような保護方式がある。しかし、特許文献1~7ではインバータの保護のみを考えており、速度制御などの制御を考えておらず、保護はできるが装置として適切な制御ができない問題点がある。
図16に、従来技術における電力変換装置の制御ブロック図を示す。ここでは、速度制御を実施した場合を示す。
速度指令値(指令値)と速度検出値(検出値)の差分を速度制御器(制御器)1に入力する。速度制御器1の出力はトルク指令となる。このトルク指令をモータトルクリミッタ2において制限する。モータトルクリミッタ2では、トルク指令をモータが許容するトルクで制限する。
トルク-電流変換部3では、制限後のトルク指令を電流指令に変換する。電流リミッタ4では、電流指令がインバータ仕様で決定された制限値を超えないように制限する。電流制御部5では、制限後の電流指令に基づいて電流制御を行い、電圧指令を出力して電力変換器(インバータ)を制御し、モータに電圧を出力する。
ここで、速度制御器1をPI制御器で構成した場合の一例を図17に示す。図17に示すように、乗算器11により、速度指令値と速度検出値の偏差に比例ゲインKpを乗算する。積分器12では、乗算器13により、乗算器11の出力に積分ゲインKiを乗算する。加算器14は乗算器13の出力にバッファ15の出力を加算する。積分器リミッタ16は、加算器14の出力を制限値で制限する。積分器リミッタ16の出力はバッファ15を介して加算器14に出力される。また、積分器リミッタ16の出力は積分器12の出力となり、加算器17において、乗算器11の出力と加算される。加算器17の出力がトルク指令となる。
図17に示したように速度制御器1が積分器12を備える場合、積分器リミッタ16は出力側のリミッタと同一の値で制限される。ここで、積分器リミッタ16は、モータトルクリミッタ2の制限値と同一の制限値となる。積分器12が飽和するとモータトルクリミッタ2の制限値で制限されることとなる。
この構成において、モータ定格電流がインバータ定格電流を超える場合には、下記に記す問題点がある。
速度指令値と速度検出値の差が大きい場合には、速度制御器1の積分器12が積分器リミッタ16で制限され、かつ、速度制御器1の出力のトルク指令がモータトルクリミッタ2で制限される。この場合において、トルク指令を電流指令値に変換した値は、電流リミッタ4でインバータ定格電流に再度制限される。
このため、実際に出力されるトルクはモータトルクリミッタ2で制限される値よりも小さくなる。これにより、積分器12の出力と速度制御器1から出力されるトルク指令は、実際のトルクと誤差が生じる。
速度指令値と速度検出値が近づいてくると、速度制御器1の入力が小さくなるため、積分器12の出力はモータトルクリミッタ2の制限値以内に収まっていく。本来は、積分器12の出力がモータトルクリミッタ2の制限値に収まると速度制御器1自体の出力もモータトルクリミッタ2の制限値に収まる。しかし、本例では実際に出せるトルクとモータトルクリミッタ2の制限値が異なるため速度制御器1の出力としては、実際に出力可能な範囲を超えた値を出力し続けることとなる。実トルクは制御したいトルクよりも大きいトルクを出し続けるため、オーバーシュートが発生し速度検出値の速度指令値に対する追従性が劣化する。
以上示したようなことから、電力変換装置において、減定格運転時にインバータ定格電流がモータ定格電流よりも小さくなった場合においても、制御性能の劣化を抑制しつつ、インバータを保護することが課題となる。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、インバータ定格電流を超えたモータ定格電流を駆動する電力変換装置であって、積分器リミッタ処理後の値を前回値として保持して現在値に加算していく積分器を有し、指令値と検出値の偏差に応じてトルク指令を出力する制御器と、インバータの電流閾値からモータの設計情報に基づいて算出されたモータ出力トルクをインバータトルク制限値とし、前記トルク指令を前記インバータトルク制限値で制限するインバータトルクリミッタと、を備え、前記制限後のトルク指令に応じて電力変換器を制御し、モータに電圧を出力することを特徴とする。
また、他の態様として、インバータ定格電流を超えたモータ定格電流を駆動する電力変換装置であって、積分器リミッタ処理後の値を前回値として保持して現在値に加算していく積分器を有し、指令値と検出値の偏差に応じてトルク指令を出力する制御器と、インバータの電流閾値からモータの設計情報に基づいて算出されたモータ出力トルクをインバータトルク制限値とし、前記トルク指令を前記インバータトルク制限値とモータ出力トルクの小さい方で制限するインバータトルクリミッタと、を備え、前記制限後のトルク指令に応じて電力変換器を制御し、モータに電圧を出力することを特徴とする。
また、その一態様として、前記インバータの電流閾値は、インバータ定格電流とすることを特徴とする。
また、他の態様として、前記インバータの電流閾値は、過負荷電流値とし、前記インバータトルクリミッタは、トルク指令が過負荷領域にある場合に装置の停止判定を実施することを特徴とする。
また、その一態様として、キャリア周波数が動的に変化する場合、前記キャリア周波数に応じて前記インバータトルク制限値を算出することを特徴とする。
本発明によれば、減定格運転時にインバータ定格電流がモータ定格電流よりも小さくなった場合においても、制御性能の劣化を抑制しつつ、インバータを保護することが可能となる。
実施形態1における電力変換装置を示す制御ブロック図。 回転数とトルク、回転数と出力の関係を示す図。 実施形態1における回転数と電流値との関係を示す図。 実施形態1における回転数とモータトルクおよびインバータトルク制限値、回転数とモータ出力電流およびインバータ定格電流の関係を示す図。 実施形態2における回転数と電流値の関係を示す図。 実施形態2における回転数とモータトルクおよびインバータトルク制限値、回転数とモータ出力電流およびインバータ定格電流の関係を示す図。 実施形態2における回転数とモータトルクおよびインバータトルク制限値および装置トルク制限値の関係を示す図。 実施形態3における電力変換装置を示す制御ブロック図。 キャリア周波数とインバータ定格電流の関係を示す図。 キャリア周波数とインバータトルク制限値の関係を示す図。 実施形態3における回転数とモータトルクおよびインバータトルク制限値、回転数とモータ出力電流およびインバータ定格電流の関係を示す図。 標準キャリア周波数時、最大キャリア周波数時における回転数とモータトルクおよびインバータトルク制限値および装置トルク制限値の関係を示す図。 インバータトルク制限値と運転可能時間の関係を示す図。 実施形態4における回転数とモータトルクおよびインバータトルク制限値および装置トルク制限値の関係を示す図。 実施形態4における過負荷領域運転継続可否判定処理を示すブロック図。 従来技術における電力変換装置を示す制御ブロック図。 速度制御器の一例を示すブロック図。
以下、本願発明における電力変換装置の実施形態1~4を図1~図15、図17に基づいて詳述する。
[実施形態1]
本実施形態1におけるインバータ保護方式は、インバータが出力する電流値が連続定格運転値を超えないように保護する方式である。なお、連続定格電流値(以下、インバータ定格電流と称する)は、インバータが時間の制約なく運転できる最大の電流値を示す。すなわち、実施形態1~3は、瞬時的にインバータを破壊する電流値が発生するのを検出して保護する方式に関するものではない。
本実施形態1は従来技術の問題点を解決するために、インバータの保護をトルクリミッタとして実施する。図1に本実施形態1における電力変換装置の制御ブロック図を示す。
従来技術(図16)からの変更点としては、モータトルクリミッタ2がインバータトルクリミッタ6に変更されている。これは、トルク指令値をインバータが許容するトルク(以下、インバータトルク制限値と称する)で制限する処理である。インバータトルク制限値は、インバータ定格電流(インバータの電流閾値)時にモータが発生するトルクを算出して求める。また、電流リミッタ4は、インバータトルクリミッタ6でインバータ定格電流を超えないように制限するため不要となる。
なお、本実施形態1の速度制御器1の構成は例えば図17に示すものと同様とする。ただし、本発明において、速度制御器1の箇所が位置制御やトルク制御など、その他の制御器に代わっても同様である。また、速度制御器1の構成は、積分器を持っているような構成であればPI制御器である必要はない。また、積分器リミッタ16後の値を前回値として保持して現在値に加算していく回路構成であればよい。その他の箇所は図16と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本実施形態1の方式を用いることにより、速度制御器1の積分器リミッタ16の制限値とインバータトルクリミッタ6のインバータトルク制限値は実際に出力されるトルクと等しくなる。
積分器12が積分器リミッタ16で制限された後、積分器12の出力がインバータトルクリミッタ6のインバータトルク制限値内に収まっていくような動作の場合を考える。このとき、実際のトルクとインバータトルクリミッタ6のインバータトルク制限値が同一であるため、積分器12の出力がインバータトルクリミッタ6のインバータトルク制限値内に収まると実トルクも速度制御器1の出力するトルク指令と一致する。
このため、制御したいトルク値を出力することができるので、従来方式よりもオーバーシュートを抑制して速度検出値の速度指令値に対する追従性を改善することができる。
次に、インバータが許容するインバータトルク制限値の算出方法について説明する。本実施形態1では、モータの設計情報からモータ出力電流とトルクの関係を演算する。例として、表面型永久磁石同期電動機(SPM)のベクトル制御におけるトルクの理論式を一例として記載する。他のモータの場合においても、電流とトルクの関係式から演算できるので省略する。
SPMのベクトル制御におけるトルクの理論式は以下の(1)式となる。(1)式において、Tはトルク、poleは極数、Iqはq軸電流、λdは永久磁石による界磁磁束を示す。トルクは、磁石の磁束及び電流と比例関係にあることがわかる。この(1)式から求めたトルクと電流の関係を利用して、インバータ定格電流(インバータの電流閾値)時にはどの程度のトルクが発生するかを算出する。この算出したトルクで制限をかけることにより、インバータの保護を実施する。
Figure 0007424109000001
また、モータの回転数とトルク、回転数と出力の関係を図2に示す。図2(a)は回転数とトルクの関係を示し、図2(b)は回転数と出力の関係を示す。回転数とトルクの関係、回転数と出力の関係はモータ特性により決定される。基底回転数以下はトルクが一定の定トルク範囲であり、基底回転数以上は出力が一定の定出力範囲である。
基底回転数時にインバータ出力電圧がモータ定格電圧に達する場合を考える。また、図2にあるようなトルクを発生させる電流値を考える。このようなモータの場合、回転数と電流の関係は図3となる。回転数と電流の関係はモータ特性により決定される。基底回転数以降は定出力範囲であるため、モータ出力電流は一定となる。モータ出力電流は減少しないが、(1)式の磁束λdを減らす方向にd軸電流を流し、d軸電流を流す分だけq軸電流を減らす。このように、磁束とq軸電流が減るため、モータ出力トルクは減少していく。
このとき、インバータトルク制限値は、図4のように設定すればよい。図4(a)は回転数とモータトルクおよびインバータトルク制限値の関係を示し、図4(b)は回転数とモータ出力電流およびインバータ定格電流の関係を示す。図4はモータ特性とインバータ特性の関係によって定まる。インバータ定格電流がモータ定格電流よりも低いため、インバータが発生できるトルクはモータが発生できるトルクよりも低くなる。図4(a)に示すように、インバータトルク制限値はモータ出力トルクよりも一定の割合で減少した値を設定する。図4(a)のインバータトルク制限値は、インバータ定格電流値からモータの設計情報に基づいて算出されたモータ出力トルクである。
以上示したように、本実施形態1によれば、インバータ定格電流とモータ定格電流がほぼ等しいようなモータを駆動する場合において、減定格運転時にインバータ定格電流がモータ定格電流より小さくなった場合においても、トルク指令をインバータトルクリミッタ6でインバータトルク制限値に制限することにより、制御性能の劣化を抑制しつつインバータの保護を実施することが可能となる。
[実施形態2]
本実施形態2における電力変換装置の制御ブロックの構成は実施形態1(図1)と同様であるため、説明は省略する。本実施形態2では、インバータの保護のみではなく、モータも保護する。
本実施形態2では、基底回転数時にインバータ出力電圧がモータ定格電圧に達していない場合であり、図2に示すようなトルクを発生させる電流値を考える。
このようなモータの場合、回転数と電流の関係は図5となる。図5はモータ特性によって定まる。基底回転数を超えた場合にはモータ出力電流が減少する。
図6(a)は回転数とモータトルクおよびインバータトルク制限値の関係を示し、図6(b)は回転数とモータ出力電流およびインバータ定格電流の関係を示す。
基底回転数時にインバータ出力電圧がモータ定格電圧に達していない。そのため、基底回転数より高い回転数ではインバータ最大出力電圧まで、モータ出力電圧は上昇する。そのため、モータ出力電流は出力を一定に保つため基底回転数以上では減少していく。インバータ定格電流は、回転数が高くなっても低くならない。このため、インバータトルク制限値とモータ出力トルクの関係は図6(a)のような関係になる。
図6(a)に示すように、モータ出力トルクは基底回転数以上で減少する。インバータトルク制限値は一定となる。このため、装置保護の観点からみるとインバータトルク制限値のみでトルクを制限した場合、モータ出力トルクが過大になるような指令が与えられてしまい、インバータは保護できるがモータが保護できなくなる。
このため、インバータ保護及びモータ保護を実施するため、装置としてのトルク制限は図7のようになる。すなわち、インバータトルクリミッタ6はインバータトルク制限値とモータ出力トルクの小さい方を装置トルク制限値として設定する。そして、インバータトルクリミッタ6は、速度制御器1から出力されたトルク指令を装置トルク制限値で制限する。以降は実施形態1と同様である。
以上示したように、本実施形態2によれば、実施形態1と同様の作用効果に加え、制御性能の劣化を抑制しつつインバータの保護およびモータの保護を実施することが可能となる。
[実施形態3]
本実施形態3では、キャリア周波数が動的に変更される場合についてのインバータ保護方法を示す。本実施形態3における電力変換装置の制御ブロックの構成を図8に示す。図8に示すように、速度制御器1とインバータトルクリミッタ6は、設定キャリア周波数を入力する。
キャリア周波数が動的に変化する場合、インバータは減定格運転になることがある。図9にキャリア周波数とインバータ定格電流の関係を示す。最大キャリア周波数時には、標準キャリア周波数時よりもインバータ定格電流が減少する。
インバータトルク制限値はキャリア周波数に応じて図10に示すように変化する。設定キャリア周波数が標準キャリア周波数より大きい場合は、図10に示すようにインバータトルク制限値を低減させる。設定キャリア周波数が標準キャリア周波数以下の場合にはインバータトルク制限値を低減させない。このようにして、設定キャリア周波数に応じてインバータトルク制限値を動的に切り換える。
図11に回転数とモータ出力トルク、インバータトルク制限値、電流の関係を示す。図11(a)は、回転数とモータ出力トルクおよびインバータトルク制限値の関係を示し、図11(b)は回転数と電流の関係を示す。ここでは、実施形態2と同様に、基底回転数時にインバータ出力電圧がモータ定格電圧に達していない場合で考える。標準キャリア周波数時は実施形態2で示したような関係となる。最大キャリア周波数時には、図11(b)に示すようにインバータの定格電流が標準キャリア周波数時よりも下がる。このため、図11(a)に示すように最大キャリア周波数時のインバータトルク制限値も、標準キャリア周波数時よりも低い制限値となる。
図12に装置トルク制限値を示す。図12(a)は標準キャリア周波数のインバータトルク制限値を装置トルク制限値に用いた場合を示し、図12(b)は最大キャリア周波数のインバータトルク制限値を装置トルク制限値に用いた場合を示す。最大キャリア周波数時には、インバータトルク制限値が標準キャリア周波数時よりも低い値となるため、装置トルク制限値は標準キャリア周波数より低い値となる。
インバータトルクリミッタ6において、設定キャリア周波数の情報に応じて、インバータトルク制限値を変更する。ここで、インバータトルク制限値は、標準キャリア周波数時の値と最大キャリア周波数時の値とで離散的に切り替えてもよく、設定キャリア周波数の値に応じて算出された連続的な値として良い。なお、ここでは本実施形態3を実施形態2に適用した場合について説明したが、実施形態1にも適用可能である。実施形態1に適用した場合も同様に、設定キャリア周波数に応じてインバータトルク制限値を変更すればよい。
以上示したように、本実施形態3によれば、キャリア周波数が動的に変化する場合においても、制御性能の劣化を抑制しつつ、インバータの保護を実施することが可能となる。
[実施形態4]
本実施形態4は、インバータが出力する電流値が連続定格電流値を超え、過負荷領域での運転を実施しても壊れないように保護することを対象とする。基本的な構成は、実施形態1,3と同様である。インバータトルクリミッタ6の処理に過負荷領域での運転継続可否判定処理を追加する。
過負荷領域の場合、インバータは電流に応じて運転できる時間が定義されている。このためインバータトルク制限値と運転できる時間も定義できる。過負荷電流に応じたトルクを算出すれば運転可能な時間とトルクの関係を導出可能である。
図13にインバータトルク制限値と運転可能時間の例を示す。図14に過負荷領域まで拡張した装置トルク制限値を示す。インバータトルクリミッタ6に設定するインバータトルク制限値は、図14に示す過負荷電流値(インバータの電流閾値)時のインバータトルク制限値を設定すればよい。図14に示す過負荷領域にトルク指令が入った場合、つまり定格電流時のインバータトルク制限値よりもトルク指令が大きくなった場合には、図15に示す運転継続可否判断処理を実施する。
処理としてはまず、減算器7において、トルク指令過負荷レベルとトルク指令の差分をトルク指令過負荷量として算出する。比較部8は、トルク指令過負荷量とトルク指令負荷量停止判定値とを比較して停止すべきかどうかを判定する。停止すべき値までトルク指令過負荷量が増加していなければトルク指令過負荷量を加算していく処理を実施する。
すなわち、比較部8の出力をバッファ9を介して加算器10に出力する。加算器10では、新たなトルク指令過負荷量とバッファ9の出力を加算し、比較部8に出力する。
トルク指令過負荷量がトルク指令負荷量停止判定値を超えた場合には、過負荷停止判定フラグをONとして装置を停止する処理を実施する。これにより、過負荷領域の運転がある場合にもインバータトルクリミッタ6によって、装置保護を実施することが可能である。
なお、本実施形態4を実施形態2に適用した場合について説明したが、実施形態1、3に適用してもよい。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
1…速度制御器(制御器)
2…モータトルクリミッタ
3…トルク-電流変換部
4…電流リミッタ
5…電流制御部
6…インバータトルクリミッタ
7…減算器
8…比較部
9…バッファ
10…加算器

Claims (7)

  1. インバータ定格電流を超えたモータ定格電流を駆動する電力変換装置であって、
    積分器リミッタ処理後の値を前回値として保持して現在値に加算していく積分器を有し、指令値と検出値の偏差に応じてトルク指令を出力する制御器と、
    インバータの電流閾値からモータの設計情報に基づいて算出されたモータ出力トルクをインバータトルク制限値とし、前記トルク指令を前記インバータトルク制限値で制限するインバータトルクリミッタと、
    を備え、
    前記制限後のトルク指令に応じて電力変換器を制御し、モータに電圧を出力し、
    前記積分器リミッタの制限値を前記インバータトルク制限値とすることを特徴とする電力変換装置。
  2. インバータ定格電流を超えたモータ定格電流を駆動する電力変換装置であって、
    積分器リミッタ処理後の値を前回値として保持して現在値に加算していく積分器を有し、指令値と検出値の偏差に応じてトルク指令を出力する制御器と、
    インバータの電流閾値からモータの設計情報に基づいて算出されたモータ出力トルクをインバータトルク制限値とし、前記トルク指令を前記インバータトルク制限値とモータ出力トルクの小さい方で制限するインバータトルクリミッタと、
    を備え、
    前記制限後のトルク指令に応じて電力変換器を制御し、モータに電圧を出力し、
    前記積分器リミッタの制限値を前記インバータトルク制限値とすることを特徴とする電力変換装置。
  3. 前記インバータの電流閾値は、インバータ定格電流とすることを特徴とする請求項1または2記載の電力変換装置。
  4. 前記インバータの電流閾値は、過負荷電流値とし、
    前記インバータトルクリミッタは、トルク指令が過負荷領域にある場合に装置の停止判定を実施することを特徴とする請求項1または2記載の電力変換装置。
  5. キャリア周波数が動的に変化する場合、
    前記キャリア周波数に応じて前記インバータトルク制限値を算出することを特徴とする請求項1~4のうち何れかに記載の電力変換装置。
  6. インバータ定格電流を超えたモータ定格電流を駆動する電力変換装置の制御方法であって、
    積分器リミッタの制限値をインバータトルク制限値とし、前記積分器リミッタ処理後の値を前回値として保持して現在値に加算していく積分器を有する制御器が、指令値と検出値の偏差に応じてトルク指令を出力し、
    インバータトルクリミッタが、インバータの電流閾値からモータの設計情報に基づいて算出されたモータ出力トルクを前記インバータトルク制限値とし、前記トルク指令を前記インバータトルク制限値で制限し、
    前記制限後のトルク指令に応じて電力変換器を制御し、モータに電圧を出力することを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  7. インバータ定格電流を超えたモータ定格電流を駆動する電力変換装置の制御方法であって、
    積分器リミッタの制限値をインバータトルク制限値とし、前記積分器リミッタ処理後の値を前回値として保持して現在値に加算していく積分器を有する制御器が、指令値と検出値の偏差に応じてトルク指令を出力し、
    インバータトルクリミッタが、インバータの電流閾値からモータの設計情報に基づいて算出されたモータ出力トルクを前記インバータトルク制限値とし、前記トルク指令を前記インバータトルク制限値とモータ出力トルクの小さい方で制限し、
    前記制限後のトルク指令に応じて電力変換器を制御し、モータに電圧を出力することを特徴とする電力変換装置の制御方法。
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