JP2013123288A - 電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転効率の低下を防止する。
【解決手段】処理装置14は、直流電圧検出部31によるバッテリ11の直流電圧の検出が正常に行われている際は、モータ12の運転域を直交領域または界磁弱め領域において運転する。処理装置14は、直流電圧検出部31によるバッテリ11の直流電圧の検出が正常に行われなくなった際は、目標トルクの上限を直交領域内に規制し、モータ12の運転域を直交領域内に規制する。処理装置14は、モータ12の運転点が直交領域内に入った後に、モータ12の制御に用いる直流電圧の値を、直流電圧検出部31による検出が正常に行われていた際に検出された直流電圧の値よりも小さな固定値に設定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、電動機の制御装置に関する。
従来、例えばモータを駆動するための直流電圧を検出する電圧検出部が正常に検出できなくなった場合、直流電圧をインバータの最低保障電圧に固定するモータ制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−117756号公報
ところで、上記従来技術に係るモータ制御システムにおいて、直流電圧をインバータの最低保障電圧に固定した場合、モータの運転域によっては、本来は不要であるはずの進角制御を行ってしまい、運転効率が低下してしまう虞がある。
つまり、モータの誘起電圧が電源電圧を超えない運転域においては、モータの運転効率が最大となる条件でモータの運転(通電)を制御することができることに対して、モータの誘起電圧が電源電圧を超える運転域においては、界磁弱めによる進角制御を行なう必要が生じ、運転効率は低下することになる。
したがって、実際にはインバータの最低保障電圧よりも高い直流電圧によってモータを駆動することが可能な状態において、単に、モータを駆動するための直流電圧をインバータの最低保障電圧に固定するだけでは、実際の電源電圧がモータの誘起電圧に対して余裕があるにもかかわらずに、界磁弱めによる進角制御が実行されてしまい、運転効率が低下してしまうという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、運転効率の低下を防止することが可能な電動機の制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の請求項1に係る電動機の制御装置は、電動機(例えば、実施の形態でのモータ12)を駆動するための電源(例えば、実施の形態でのバッテリ11)の直流電圧を検出する直流電圧検出手段(例えば、実施の形態での直流電圧検出部31)と、前記直流電圧検出手段により検出された前記直流電圧に基づいて前記電動機を制御する制御手段(例えば、実施の形態での処理装置14)と、を備える電動機の制御装置であって、前記制御手段は、前記直流電圧検出手段による前記直流電圧の検出が正常に行われている際は、前記電動機の電機子に供給される電流をdq座標上に変換して得たd軸電流およびq軸電流を制御して前記電動機の運転域を直交領域または界磁弱め領域において運転し、前記直流電圧検出手段による前記直流電圧の検出が正常に行われなくなった際は、前記直流電圧を、前記直流電圧検出手段による前記直流電圧の検出が正常に行われていた際に検出された前記直流電圧の値よりも小さな固定値に設定するとともに、前記電動機の運転域を前記直交領域内に規制する。
本発明の請求項2に係る電動機の制御装置では、前記制御手段は、前記電動機の目標出力を算出する目標出力算出手段(例えば、実施の形態での目標トルク設定部37)と、前記直流電圧に基づいて前記d軸電流および前記q軸電流の指令値(例えば、実施の形態での目標d軸電流Idc及び目標q軸電流Iqc)を算出する電流指令値算出手段(例えば、実施の形態での目標電流算出部38および第2直流電圧切替部39および遅延タイマ40および第2ローパスフィルタ41および界磁弱め制御部42)と、を備え、前記直流電圧検出手段による前記直流電圧の検出が正常に行われなくなった際は、前記目標出力算出手段は、前記目標出力の上限を規制し、前記電流指令値算出手段は、前記電動機の運転点が前記直交領域内に入った後に、前記直流電圧を前記固定値に設定する。
本発明の請求項3に係る電動機の制御装置では、前記目標出力算出手段は、前記目標出力の前記上限を規制する際において、前記目標出力の変化速度を所定速度以下に規制する。
本発明の請求項4に係る電動機の制御装置では、前記制御手段は、前記直流電圧検出手段による前記直流電圧の検出が正常に行われなくなった際は、前記直流電圧を前記電源の最低保障電圧に固定する。
本発明の請求項1に係る電動機の制御装置によれば、直流電圧検出手段による直流電圧の検出が正常に行われなくなった際は、電動機の制御に用いられる直流電圧の値を、直流電圧の検出が正常に行われていた際に検出された直流電圧の値よりも小さな固定値に固定する。
これにより、例えば真の直流電圧が直流電圧の検出値よりも低くなることによって運転時に発生する誘起電圧が真の直流電圧を超えてしまい、これに伴い電動機が制御不能となること、を防止することができる。
したがって、直流電圧検出手段による直流電圧の検出が正常に行われなくなった際にも電動機の運転を継続することができ、例えば退避走行などを行なうことが可能となる。
また、この際、例えば、固定値が真の直流電圧より小さい場合は、固定値に対する界磁弱め領域で運転する際に界磁弱め制御を行ってしまうので、実際には界磁弱め制御が不要であるにもかかわらず不要な進角制御を行ってしまい、電動機の運転効率の低下を招く虞れがある。
このような問題に対して、本発明においては、電動機の運転域を直交領域内に制限することにより、直交領域内では、電動機の効率を最大とするd軸電流およびq軸電流(つまり、最大トルクと電流との所定の関係を満たすd軸電流およびq軸電流)が出力に対して一義的に定まる。
このため、固定値が真の直流電圧より小さい場合であっても、実際には不要な界磁弱め制御(例えば、進角制御)を行ってしまうことがなく、電動機の効率を最大とする条件で運転することができ、電動機の運転効率の低下を防止することができる。
本発明の請求項2に係る電動機の制御装置によれば、直流電圧の検出が正常に行われなくなった時点の運転点から、直交領域内まで過渡的に運転点が移動する際において、仮に直流電圧検出手段による直流電圧の検出が正常に行われなくなった時点から直ちに直流電圧を固定値に設定してしまうと、直交領域内まで運転点が移動する間の過渡状態において実際には不要な界磁弱め制御を行ってしまう虞がある。
このような問題に対して、本発明においては、直流電圧の検出が正常に行われなくなった際に、目標出力算出手段が目標出力の上限を規制し、電流指令値算出手段は電動機の運転点が直交領域内に入った後に直流電圧の値を固定値に設定することにより、直交領域内まで運転点が移動する間の過渡状態において不要な界磁弱め制御を行ってしまうことがなく、運転効率の低下をさらに効果的に防止することができる。
本発明の請求項3に係る電動機の制御装置によれば、直流電圧検出手段による直流電圧の検出が正常に行われなくなった際に、目標出力算出手段が目標出力の上限を制限する際において、目標出力が急激に変化することを抑制することができ、電動機の出力が急激に変化することを抑制することができる。
したがって、例えば電動機を車両駆動用として用いる場合には、車両の速度の急激な変化を抑制することができ、車両の速度の急激な変化に伴うショックを乗員に与えてしまうことを防止することができる。
本発明の請求項4に係る電動機の制御装置によれば、直流電圧検出手段による直流電圧の検出が正常に行われなくなった際に電動機の運転を継続した場合に、運転の継続に伴って電源電圧が低下傾向に変化したとしても、電源電圧が最低保障電圧つまり電源電圧の取り得る最低電圧に至るまで、電動機が制御不能となることを防止することができるため、より長い間、適正に運転を継続することができる。
本発明の実施の形態に係る電動機の制御装置の構成図である。 本発明の実施の形態に係る電動機の制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る電動機の制御装置における運転点の変化の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電動機の制御装置における直流電圧検出部の正常時と異常時とにおけるモータの運転点である界磁弱め領域と直交領域との例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る電動機の制御装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による電動機の制御装置10は、例えば車両に搭載されており、図1に示すように、バッテリ11を直流電源として、例えば車両走行用の駆動力を出力する3相(例えば、U相、V相、W相の3相)交流のブラシレスDCモータ12(以下、単に、モータ12と呼ぶ)を制御するインバータ13と、処理装置14とを備えて構成されている。
インバータ13は、スイッチング素子(例えば、双方向性のMOSFET:Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistorなど)を複数用いてブリッジ接続してなるブリッジ回路(スイッチング回路)と平滑コンデンサとを具備し、このブリッジ回路がパルス幅変調(PWM)された信号によって駆動される。
そして、インバータ13は、例えばモータ12の力行運転時において、処理装置14から出力されて各スイッチング素子に入力されるスイッチング指令(つまり、PWM信号)に基づき、各相毎に対をなす各スイッチング素子のオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り替える。これによって、バッテリ11からリレー15を介して供給される直流電力を3相交流電力に変換し、モータ12の3相のステータ巻線への通電を順次転流させることで、各相のステータ巻線に交流のU相電流IuおよびV相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
一方、例えばモータ12の回生運転時において、インバータ13は、モータ12のロータの回転角θに基づいて同期がとられて処理装置14から出力されるスイッチング指令(つまり、PWM信号)に基づき、各相毎に対をなす各スイッチング素子のオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り替えることによって、モータ12から出力される3相交流電力を直流電力に変換してバッテリ11に充電可能である。
処理装置14は、例えば、回転直交座標をなすdq座標上で電流のフィードバック制御(ベクトル制御)をおこなうものであり、目標d軸電流Idc及び目標q軸電流Iqcを算出する。
そして、目標d軸電流Idc及び目標q軸電流Iqcに基づいて各相電圧指令Vu,Vv,Vwを算出し、各相電圧指令Vu,Vv,Vwに応じてインバータ13に対するスイッチング指令であるPWM信号を出力する。
そして、実際にインバータ13からモータ12に供給される各相電流Iu,Iv,Iwをdq座標上に変換して得たd軸電流Id及びq軸電流Iqと、目標d軸電流Idc及び目標q軸電流Iqcとの各偏差がゼロとなるように制御をおこなう。
このため、処理装置14には、インバータ13からモータ12の電機子に供給される各相電流Iu,Iv,Iwを検出する相電流センサ21から出力される検出値の信号と、モータ12のロータ(図示略)の回転角(例えば、所定の基準回転位置からの回転子の磁極の回転角度)θを検出する回転角センサ22から出力される検出値の信号とが入力されている。
処理装置14は、例えば、直流電圧検出部31と、電圧検出正常時トルク制限部32と、回転数算出部33と、第1直流電圧切替部34と、第1ローパスフィルタ35と、電圧検出異常時トルク制限部36と、目標トルク設定部37と、目標電流算出部38と、第2直流電圧切替部39と、遅延タイマ40と、第2ローパスフィルタ41と、界磁弱め制御部42と、電流制御部43とを備えて構成されている。
直流電圧検出部31は、バッテリ11の直流電圧を検出し、検出結果の信号を出力すると共に、直流電圧検出部31の故障の有無を検知し、バッテリ11の直流電圧の検出を正常に行なうことができるか否かの検知結果の信号(故障検知信号)を出力する。
電圧検出正常時トルク制限部32は、例えば、直流電圧検出部31から出力された直流電圧の検出結果と、車両の運転者のアクセル操作などに応じて設定された目標トルクと、回転角センサ22から出力される検出値の信号に基づきモータ12のロータの回転数を算出する回転数算出部33から出力された回転数の算出結果の信号とに基づき、モータ12から出力されるトルクに対する制限値である所定の定格リミット(電圧検出正常時トルク制限値)を出力する。
第1直流電圧切替部34は、直流電圧検出部31から出力された故障検知信号に基づき、直流電圧検出部31によるバッテリ11の直流電圧の検出が正常に行われている際は、直流電圧検出部31から出力された直流電圧の検出結果を選択して、この直流電圧の値を第1ローパスフィルタ35へと出力する。
一方、直流電圧検出部31によるバッテリ11の直流電圧の検出が正常に行われていない際は、予め設定された所定の固定値(例えば、バッテリ11の電圧が取り得る最低電圧である最低保障電圧など)を選択して、この固定値を直流電圧の値として第1ローパスフィルタ35へと出力する。
なお、所定の固定値は、直流電圧検出部31によるバッテリ11の直流電圧の検出が正常に行われていた際に直流電圧検出部31により検出された直流電圧の値よりも小さな値となる。
例えば、所定の固定値は、直流電圧検出部31の故障発生が確定する直前において直流電圧検出部31による直流電圧の検出が正常に行われていた際に検出された直流電圧の値よりも所定値だけ小さな値、などというように設定されてもよい。
第1ローパスフィルタ35は、予め設定された時定数に応じて第1直流電圧切替部34から出力された信号を遅延させて電圧検出異常時トルク制限部36へと出力する。
電圧検出異常時トルク制限部36は、第1ローパスフィルタ35から出力された直流電圧の値と、車両の運転者のアクセル操作などに応じて設定された目標トルクと、回転数算出部33から出力された回転数の算出結果の信号とに基づき、モータ12から出力されるトルクに対する制限値(電圧検出異常時トルク制限値)を出力する。
なお、この電圧検出異常時トルク制限値は、例えば、バッテリ11の電圧が取り得る最低電圧である最低保障電圧に対してモータ12から出力されるトルクの定格リミットであって、かつモータ12の運転域を直交領域内に制限するものである。
目標トルク設定部37は、例えば、電圧検出正常時トルク制限部32から出力された電圧検出正常時トルク制限値と、電圧検出異常時トルク制限部36から出力された電圧検出異常時トルク制限値と、車両の運転者のアクセル操作などに応じて設定された目標トルクとに基づき、必要に応じて目標トルクを制限して、目標トルクを出力する。
例えば、目標トルク設定部37は、直流電圧検出部31によるバッテリ11の直流電圧の検出が正常に行われている際は、電圧検出正常時トルク制限値と目標トルクとのうち何れか小さいほうを制限後の目標トルクとして出力する。
一方、直流電圧検出部31によるバッテリ11の直流電圧の検出が正常に行われていない際は、電圧検出異常時トルク制限値と目標トルクとのうち何れか小さいほうを制限後の目標トルクとして出力する。
目標電流算出部38は、例えば、目標トルク設定部37から出力された目標トルクに応じて、予め設定された目標トルクと目標d軸電流Idcおよび目標q軸電流Iqcとの所定の対応関係(例えば、目標トルクに応じたトルクを出力する際のモータ12の効率を最大とする目標d軸電流Idcおよび目標q軸電流Iqcなど)に基づき、目標d軸電流Idcおよび目標q軸電流Iqcを算出する。
さらに、目標電流算出部38は、例えば、後述する界磁弱め制御部42から磁束調整値が出力されている場合には、この磁束調整値によって目標d軸電流Idcを補正し、この補正後の目標d軸電流Idcを出力する。
第2直流電圧切替部39は、直流電圧検出部31から出力されてから遅延タイマ40による所定遅延時間後に入力された故障検知信号に基づき、直流電圧検出部31によるバッテリ11の直流電圧の検出が正常に行われている際は、直流電圧検出部31から出力された直流電圧の検出結果を選択して、この直流電圧の値を第2ローパスフィルタ41へと出力する。
一方、直流電圧検出部31によるバッテリ11の直流電圧の検出が正常に行われていない際は、予め設定された所定の固定値(例えば、バッテリ11の電圧が取り得る最低電圧である最低保障電圧など)を選択して、この固定値を直流電圧の値として第2ローパスフィルタ41へと出力する。
なお、所定の固定値は、直流電圧検出部31によるバッテリ11の直流電圧の検出が正常に行われていた際に直流電圧検出部31により検出された直流電圧の値よりも小さな値となる。
また、遅延タイマ40による所定遅延時間は、少なくとも、モータ12の運転点が界磁弱め領域内である場合に、直流電圧検出部31によるバッテリ11の直流電圧の検出が正常に行われなくなったことに起因して電圧検出異常時トルク制限部36によってトルク制限が実行されてから、モータ12の運転点が界磁弱め領域内から直交領域内まで移動するのに要する時間以上に設定されている。
第2ローパスフィルタ41は、予め設定された時定数に応じて第2直流電圧切替部39から出力された信号を遅延させて界磁弱め制御部42および電流制御部43へと出力する。
界磁弱め制御部42は、例えば、第2ローパスフィルタ41から出力された直流電圧の値と、回転数算出部33から出力された回転数の算出結果の信号とに基づき、例えばモータ12の回転数の増大に伴う逆起電圧の増大を抑制するために回転子の界磁量を等価的に弱めるようにして電流位相を制御する界磁弱め制御の界磁弱め電流に対する磁束調整値を目標電流算出部38へと出力する。
電流制御部43は、相電流センサ21から出力された検出値の信号と、回転角センサ22から出力された検出値の信号と、第2ローパスフィルタ41から出力された直流電圧の値と、目標電流算出部38から出力された目標d軸電流Idcおよび目標q軸電流Iqcとに基づき、各相電圧指令Vu,Vv,Vwを算出し、各相電圧指令Vu,Vv,Vwに応じてインバータ13に対するスイッチング指令であるPWM信号を出力する。
例えば、電流制御部43は、各相電流Iu,Iv,Iwをdq座標上に変換してd軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出し、d軸電流Idおよびq軸電流Iqと目標d軸電流Idcおよび目標q軸電流Iqcとの各偏差を、例えばPID(比例積分微分)動作などにより制御増幅してd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを算出する。
そして、モータ12のロータの回転角θに応じて、dq座標上でのd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、静止座標である3相交流座標上でのU相出力電圧VuおよびV相出力電圧VvおよびW相出力電圧Vwに変換する。
そして、モータ12の各相のステータ巻線に交流の正弦波状のU相電流IuおよびV相電流IvおよびW相電流Iwを通電するために、第2ローパスフィルタ41から出力された直流電圧の値に基づき、各相出力電圧Vu,Vv,Vwと三角波などのキャリア信号とを比較して、インバータ13の各スイッチング素子をオン/オフ駆動させるスイッチング指令(つまり、PWM信号)を生成する。
本実施の形態による電動機の制御装置10は上記構成を備えており、次に、この電動機の制御装置10の動作について説明する。
先ず、例えば図2に示すステップS01においては、直流電圧検出部31から出力された故障検知信号に基づき、直流電圧検出部31の故障発生が確定したか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS04に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS02に進む。
そして、ステップS02においては、通常の定格トルク制限の処理として、直流電圧検出部31から出力された直流電圧の検出結果と、車両の運転者のアクセル操作などに応じて設定された目標トルクと、回転数算出部33から出力された回転数の算出結果の信号とに基づき、モータ12から出力されるトルクを所定の定格リミット(電圧検出正常時トルク制限値)により規制する。
次に、ステップS03においては、直流電圧検出部31から順次出力される直流電圧の検出結果に応じて、モータ12の制御に用いられる直流電圧の値(つまり、電流制御部43に入力される直流電圧の値)を順次更新し、エンドに進む。
また、ステップS04においては、異常時のトルク制限の処理として、例えばバッテリ11の電圧が取り得る最低電圧(最低保障電圧)である所定の固定値が設定された直流電圧の値に応じたトルクに対する制限値、つまり最低保障電圧に対してモータ12から出力されるトルクの定格リミットであって、かつモータ12の運転域を直交領域内に制限する電圧検出異常時トルク制限値に向かい、第1ローパスフィルタ35の時定数に応じて徐々に(つまり、目標トルクの変化速度を所定速度以下に規制しつつ)モータ12のトルクを制限する。
次に、ステップS05においては、直流電圧検出部31の故障発生が確定してから遅延タイマ40による所定遅延時間が経過したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS06に進み、このステップS06においては、モータ12の制御に用いられる直流電圧の値(つまり、電流制御部43に入力される直流電圧の値)として、直流電圧検出部31の故障発生が確定する直前において直流電圧検出部31による直流電圧の検出が正常に行われていた際に検出された直流電圧の値を維持し、エンドに進む。
一方、ステップS05の判定結果が「YES」の場合には、ステップS07に進み、このステップS07においては、モータ12の制御に用いられる直流電圧の値(つまり、電流制御部43に入力される直流電圧の値)を、例えばバッテリ11の電圧が取り得る最低電圧(最低保障電圧)である所定の固定値に向かい、第2ローパスフィルタ41の時定数に応じて徐々に切り替え、エンドに進む。
この電動機の制御装置10の動作によれば、直流電圧検出部31の故障発生が確定した場合に、トルク制限を先行させて、所定遅延時間が経過した後、つまりモータ12の運転点が界磁弱め領域内から直交領域内まで移動するのに要する時間が経過した後に、モータ12の制御に用いられる直流電圧の値を所定の固定値(最低保障電圧)に切り替えている。
つまり、例えば図3に示すように、モータ12の運転点が界磁弱め領域内の適宜の位置P1である場合に直流電圧検出部31の故障発生が確定すると、先ず、トルク制限が実行されることに伴い、モータ12の加速度が低下して、モータ12の運転点は、モータ12のトルクに対する目標トルクがゼロトルクに制限される界磁弱め領域内の適宜の位置P2に移行する。
そして、目標トルクがゼロトルクに到達した後には、モータ12の回転数の低下に伴いモータ12の運転点が直交領域内に移行するまでに亘って、目標トルクがゼロトルクに維持(拘束)され、モータ12の回転数が負荷に応じて低下する。
そして、モータ12の運転点は、直交領域内の適宜の位置P3に到達する。
このように、モータ12の運転点が、界磁弱め領域内の適宜の位置P1から位置P2を経由して、直交領域内の適宜の位置P3に到達するまでの期間において、例えば、直流電圧検出部31の故障発生が確定したときに、モータ12の制御に用いられる直流電圧の値を所定の固定値(最低保障電圧)に切り替える動作を、トルク制限の実行よりも先行させる比較例によれば、モータ12の運転点が直交領域内に到達するまでの期間において、電圧利用率が低く、モータ12の運転効率が低下し、発熱などの不具合が発生する虞がある。
これに対して、上述した実施の形態のように、モータ12の運転点が、界磁弱め領域内の適宜の位置P1から位置P2を経由して、直交領域内の適宜の位置P3に到達するまでの期間において、トルク制限の実行を、モータ12の制御に用いられる直流電圧の値を所定の固定値(最低保障電圧)に切り替える動作よりも先行させることにより、モータ12の運転点が直交領域内に到達するまでの期間においても、直流電圧検出部31の正常時における通常の定格トルク制限の処理の実行時と同様に、電圧利用率およびモータ12の運転効率の低下が防止される。
上述したように、本実施の形態による電動機の制御装置10によれば、直流電圧検出部31による直流電圧の検出が正常に行われなくなった際は、モータ12の制御に用いられる直流電圧の値を、直流電圧の検出が正常に行われていた際に検出された直流電圧の値よりも小さな固定値に固定する。
これにより、例えば真の直流電圧が直流電圧の検出値よりも低くなることによって運転時に発生する誘起電圧が真の直流電圧を超えてしまい、これに伴い電動機が制御不能となること、を防止することができる。
したがって、直流電圧検出部31による直流電圧の検出が正常に行われなくなった際にもモータ12の運転を継続することができ、例えば退避走行などを行なうことが可能となる。
また、この際、例えば図4(A),(B)に示すように、固定値が真の直流電圧より小さい場合は、固定値に対する界磁弱め領域で運転する際に界磁弱め制御を行ってしまうので、実際には界磁弱め制御が不要であるにもかかわらず不要な進角制御を行ってしまい、モータ12の運転効率の低下を招く虞れがある。
すなわち、直流電圧検出部31の正常時には、モータ12の誘起電圧が電源電圧を超えない運転域においては、モータ12の運転効率が最大となる条件でモータ12の通電(つまり、d軸電流Idおよびq軸電流Iq)が制御され、電圧ベクトル点は直交領域の電圧ベクトル軌跡を描く。
また、モータ12の誘起電圧が電源電圧を超える運転域においては、界磁弱めによる進角制御を行なう必要が生じ、電圧ベクトル点が電源電圧円の円周上を移動する。
これに対して、直流電圧検出部31の異常時において、モータ12を駆動するための直流電圧の値が真の電源電圧より小さい固定値に規制されると、真の電源電圧がモータ12の誘起電圧よりも大きい状態であることによって実際には界磁弱めによる進角制御が不要であるにもかかわらずに、モータ12の誘起電圧が固定値を超える運転域においては、界磁弱めによる進角制御が実行されてしまい、実際には不要なd軸電流Idあるいはq軸電流Iqを流すことで銅損が増加し、運転効率が低下してしまうという問題が生じる。
このような問題に対して、本発明においては、モータ12の運転域を直交領域内に制限することにより、直交領域内では、モータ12の効率を最大とするd軸電流およびq軸電流(つまり、最大トルクと電流との所定の関係を満たすd軸電流およびq軸電流)が出力(つまり、目標トルク)に対して一義的に定まる。
このため、固定値が真の直流電圧より小さい場合であっても、実際には不要な界磁弱め制御(例えば、進角制御)を行ってしまうことがなく、モータ12の効率を最大とする条件で運転することができ、モータ12の運転効率の低下を防止することができる。
さらに、直流電圧の検出が正常に行われなくなった時点の運転点から、直交領域内まで過渡的に運転点が移動する際において、仮に直流電圧検出部31による直流電圧の検出が正常に行われなくなった時点から直ちに直流電圧を固定値に設定してしまうと、直交領域内まで運転点が移動する間の過渡状態において実際には不要な界磁弱め制御を行ってしまう虞がある。
このような問題に対して、本発明においては、直流電圧の検出が正常に行われなくなった際に、先ず、目標トルクの上限を規制し、モータ12の運転点が直交領域内に入った後に直流電圧の値を固定値に設定することにより、直交領域内まで運転点が移動する間の過渡状態において不要な界磁弱め制御を行ってしまうことがなく、運転効率の低下をさらに効果的に防止することができる。
さらに、直流電圧検出部31による直流電圧の検出が正常に行われなくなった際に、目標トルクの上限を制限する際において、目標トルク(または目標出力)が急激に変化することを抑制することができ、モータ12の実際の出力が急激に変化することを抑制することができる。
したがって、例えばモータ12を車両駆動用として用いる場合には、車両の速度の急激な変化を抑制することができ、車両の速度の急激な変化に伴うショックを乗員に与えてしまうことを防止することができる。
さらに、直流電圧検出部31による直流電圧の検出が正常に行われなくなった際にモータ12の運転を継続した場合に、運転の継続に伴って電源電圧が低下傾向に変化したとしても、電源電圧が最低保障電圧つまり電源電圧の取り得る最低電圧に至るまで、モータ12が制御不能となることを防止することができるため、より長い間、適正に運転を継続することができる。
なお、モータ12の運転点が界磁弱め領域から直交領域内まで移動する間の過渡状態は比較的短い期間であるため、この期間の電源電圧(直流電圧)の低下は僅かである。
したがって、この過渡状態においては、モータ12の制御に用いられる直流電圧の値を、直流電圧検出部31の故障発生が確定する直前において直流電圧検出部31による直流電圧の検出が正常に行われていた際に検出された直流電圧の値に維持しておいたとしても、真の直流電圧をモータ12の誘起電圧が超えてしまう事象は生じ得ない。
10 電動機の制御装置
11 バッテリ(電源)
12 モータ(電動機)
14 処理装置(制御手段)
31 直流電圧検出部(直流電圧検出手段)
37 目標トルク設定部(目標出力算出手段)
38 目標電流算出部(電流指令値算出手段)
39 第2直流電圧切替部(電流指令値算出手段)
40 遅延タイマ(電流指令値算出手段)
41 第2ローパスフィルタ(電流指令値算出手段)
42 界磁弱め制御部(電流指令値算出手段)

Claims (4)

  1. 電動機を駆動するための電源の直流電圧を検出する直流電圧検出手段と、
    前記直流電圧検出手段により検出された前記直流電圧に基づいて前記電動機を制御する制御手段と、
    を備える電動機の制御装置であって、
    前記制御手段は、
    前記直流電圧検出手段による前記直流電圧の検出が正常に行われている際は、
    前記電動機の電機子に供給される電流をdq座標上に変換して得たd軸電流およびq軸電流を制御して前記電動機の運転域を直交領域または界磁弱め領域において運転し、
    前記直流電圧検出手段による前記直流電圧の検出が正常に行われなくなった際は、
    前記直流電圧を、前記直流電圧検出手段による前記直流電圧の検出が正常に行われていた際に検出された前記直流電圧の値よりも小さな固定値に設定するとともに、前記電動機の運転域を前記直交領域内に規制する
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記電動機の目標出力を算出する目標出力算出手段と、
    前記直流電圧に基づいて前記d軸電流および前記q軸電流の指令値を算出する電流指令値算出手段と、
    を備え、
    前記直流電圧検出手段による前記直流電圧の検出が正常に行われなくなった際は、
    前記目標出力算出手段は、前記目標出力の上限を規制し、
    前記電流指令値算出手段は、前記電動機の運転点が前記直交領域内に入った後に、前記直流電圧を前記固定値に設定することを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  3. 前記目標出力算出手段は、
    前記目標出力の前記上限を規制する際において、前記目標出力の変化速度を所定速度以下に規制することを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記直流電圧検出手段による前記直流電圧の検出が正常に行われなくなった際は、
    前記直流電圧を前記電源の最低保障電圧に固定することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の電動機の制御装置。
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