JP6354523B2 - 電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動機の駆動制御を行う電動機の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、下記特許文献1に見られるように、通常運転期間に移行する前の期間であって、電動機の回転停止状態から予め定める回転速度で回転する回転状態まで電動機を駆動する起動期間において、電動機の駆動電圧を制御するものが知られている。詳しくは、起動期間において、電動機に流れる相電流のピーク値のばらつきを算出し、算出したピーク値のばらつきが所定範囲よりも大きいときに駆動電圧の変調率を小さくし、算出したピーク値のばらつきが所定範囲よりも小さいときに駆動電圧の変調率を大きくする。これにより、電動機を駆動する駆動回路の信頼性向上と、電動機の起動時における異常音の抑制とを図っている。
特開2013−13293号公報
ところで、上記特許文献1の手法による電動機の起動期間における駆動制御では、例えば急激な外乱が入った場合に、応答速度が遅く不安定となり、ひいては脱調停止に至る可能性も考えられる。このため、起動期間における駆動制御の安定性の向上が望まれる。
本発明は、電動機の起動期間における駆動制御の応答性と安定性とを向上できる電動機の制御装置を提供することを主たる目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
本発明は、電動機(10)と、前記電動機に交流電圧を印加可能な電力変換回路(20)と、前記電動機に流れる電流を検出する電流検出部(23)とを備えるシステムに適用され、前記電動機の回転停止状態から前記電動機が所定の回転状態となるまでの起動期間において、前記電動機の磁極位置を検出する位置検出器の検出値を用いることなく、前記電力変換回路の操作によって前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの位相である電圧位相を操作する起動時操作手段(30a,30f)と、前記電動機の出力トルク又は該出力トルクと正の相関を有する値のいずれかをトルクパラメータとし、前記起動期間において、前記トルクパラメータの変動成分を0に近づけるように、前記電流検出部の検出値に基づいて、前記起動時操作手段によって操作される前記電圧位相を補正する電圧位相補正手段(30b〜30e)とを備えることを特徴とする。
電動機の起動期間においては、電動機を構成する電機子巻線に流れる電流ベクトルの位相が外乱等によって変動しやすく、この変動によって電動機の回転速度が不安定になる等、電動機の駆動制御が不安定となりやすい。ここで、こうした問題は、起動期間において上記トルクパラメータの変動成分を0に維持することで解決できる。そして、変動成分を0に維持するために、電力変換回路の出力電圧ベクトルの大きさである電圧振幅ではなく、電圧位相を操作することで、変動成分を迅速に0に近づけることができる。
そこで上記発明では、起動期間において、上記トルクパラメータの変動成分を0に近づけるように、電流検出部の検出値に基づいて、上記起動時操作手段によって操作される電圧位相を補正する。これにより、起動期間における電動機の駆動制御の応答性と安定性とを向上することができる。
車載モータ制御システムの全体構成図。 制御装置における強制起動期間のモータ制御を示すブロック図。 相電圧と相電流との位相差を示す図。 dq座標系における各種パラメータを説明するための図。 制御装置における通常運転期間のモータ制御を示すブロック図。 本実施形態の効果を示すタイムチャート。
以下、本発明にかかる制御装置を車載モータ制御システムに適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、モータ制御システムは、モータ10、「電力変換回路」としてのインバータ20、及びモータ10を制御対象とする制御装置30を備えている。本実施形態において、モータ10は、車載空調装置を構成する車室内送風用ファンや、車載ラジエータファンの駆動に用いられる。本実施形態において、モータ10は、永久磁石を備える3相同期モータである。なお、モータ10としては、突極機であってもよいし、非突極機であってもよい。
モータ10は、電機子巻線であるU,V,W相巻線10u,10v,10wを備えている。モータ10は、インバータ20を介して、直流電源21(例えばバッテリ)に接続されている。インバータ20は、上アームスイッチSup,Svp,Swpと下アームスイッチSun,Svn,Swnとの直列接続体を備えている。U相上,下アームスイッチSup,Sunの接続点には、U相巻線10uの一端が接続され、V相上,下アームスイッチSvp,Svnの接続点には、V相巻線10vの一端が接続され、W相上,下アームスイッチSwp,Swnの接続点には、W相巻線10wの一端が接続されている。ちなみに、本実施形態では、各スイッチSup〜Swnとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用い、より具体的には、MOS−FETを用いている。そして、各スイッチSup〜Swnには、各フリーホイールダイオードDup〜Dwnが逆並列に接続されている。なお、各フリーホイールダイオードDup〜Dwnは、MOS−FETのボディダイオードであってもよいし、外付けのダイオードであってもよい。
各上アームスイッチSup,Svp,Swpのコレクタには、直流電源21の正極端子に接続された正極側直流母線Lpが接続されている。各下アームスイッチSun,Svn,Swnのエミッタには、直流電源21の負極端子に接続された負極側直流母線Lnが接続されている。
モータ制御システムは、相電流センサ22と母線電流センサ23とを備えている。本実施形態において、相電流センサ22は、モータ10の相電流を検出する。母線電流センサ23は、負極側直流母線Lnに流れる電流を検出する。なお、本実施形態では、相電流センサ22及び母線電流センサ23として、シャント抵抗体を備えて構成されているものを用いている。母線電流センサ23は、例えば過電流検出用に設けられている。
制御装置30は、マイコンを主体として構成され、モータ10の制御量(本実施形態では回転速度)をその指令値(以下、指令回転速度ω*)に制御すべく、インバータ20を操作する。詳しくは、制御装置30は、インバータ20を構成するスイッチSup〜Swnをオンオフ操作すべく、上記各種センサの検出値に基づき、各スイッチSup〜Swnに対応する操作信号gup〜gwnを生成し、生成された各操作信号gup〜gwnを各スイッチSup〜Swnに対して出力する。ここで、上アーム操作信号gup,gvp,gwpと、対応する下アーム操作信号gun,gvn,gwnとは、互いに相補的な信号(論理が反転した信号)となっている。すなわち、上アームスイッチと、対応する下アームスイッチとは、交互にオン状態とされる。なお、指令回転速度ω*は、例えば、制御装置30の外部に設けられた制御装置であって、制御装置30よりも上位の制御装置から制御装置30へと入力される。
続いて、制御装置30によって実行されるモータ制御について説明する。本実施形態にかかる制御は、レゾルバ等の位置検出器を用いないセンサレス正弦波駆動制御である。
制御装置30は、強制起動期間と通常運転期間とに分けて、モータ10の駆動制御を行う。強制起動期間は、モータ10の回転が停止している回転停止状態から、モータ10が予め定められた所定回転速度で回転する回転状態となるまでモータ10を起動する期間である。通常運転期間は、強制起動期間の完了後、後述する位相差制御で駆動制御が行われる期間である。
強制起動期間では、まず、モータ10の回転開始に先立ち、モータ10の磁極位置を推定する処理を行う。これは、例えば、モータ10の所定の2相に通電することによって行う。その後、モータ10の3相に通電してモータ10を回転させ始める。その後、所定の条件が成立した場合に通常運転期間に移行する。ここで、所定の条件とは、例えば、後述する力率角ξrの算出が可能になったとの条件とすればよい。
まず、図2を用いて、強制起動期間における制御装置30の処理について説明する。
電圧位相算出部30aは、指令回転速度ω*を入力としたオープンループ制御によって電圧位相Vθを算出する。詳しくは、指令回転速度ω*の時間積分値として、電圧位相Vθを算出する。電圧位相Vθは、図3及び図4に示すように、インバータ20から各相巻線10u,10v,10wに印加する電機子電圧ベクトルの位相である。ここで、図4では、モータ10を構成するロータの磁極方向をd軸とし、d軸に直交する方向をq軸としている。図4において、「Vn」は、上記電圧ベクトルを示し、「Vθ」は、q軸に対する電圧ベクトルVnの電圧位相を示し、「Vmod」は、電圧ベクトルVnの大きさである電圧振幅を示している。本実施形態において、電圧位相Vθは、q軸から反時計まわりに回転した場合を進角とし、q軸から時計まわりに回転した場合を遅角とし、q軸と一致した場合を0°とする。電圧ベクトルVnは、d,q軸電圧Vd,Vqによって表すことができる。
先の図2の説明に戻り、変動成分抽出部30bは、フィルタ部30cから出力された推定トルクTrqと、母線電流センサ23によって検出された母線電流IDCとに基づいて、トルクの変動成分(以下、トルク変動成分ΔI)を抽出する。本実施形態では、推定トルクTrqと母線電流IDCとの差分により、トルク変動成分ΔIを抽出する。フィルタ部30cは、母線電流センサ23によって検出された母線電流IDCに基づいて、トルクパラメータとしての推定トルクTrqを算出する。詳しくは、本実施形態では、まず、母線電流IDCにローパスフィルタ処理を施す。そして、ローパスフィルタ処理が施された母線電流IDCをトルクTrqに変換する。ここで、トルクの変換には、例えば、ローパスフィルタ処理が施された母線電流IDCと推定トルクTrqとが関係付けられた数式やマップが用いられる。
電流制御器30dは、トルク変動成分ΔIに基づいて、トルク変動成分ΔIを0にフィードバック制御するための操作量として位相補正量Δθを算出する。本実施形態では、トルク変動成分ΔIに基づく比例制御によって位相補正量Δθを算出する。
位相加算部30eは、電圧位相算出部30aから出力された電圧位相Vθに、電流制御器30dから出力された位相補正量Δθを加算することで、電圧位相Vθを補正する。
正弦波算出部30fは、位相加算部30eの出力値「Vθ+Δθ」と、電圧振幅Vmodとに基づいて、モータ10のU,V,W相に、下式(eq1)にて表されるように、モータ10の電気角で位相が互いに120°ずれた正弦波のU,V,W相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*を印加するための操作信号gup〜gwnを生成してインバータ20に対して出力する。
ここで、上記操作信号gup〜gwnは、例えば、上式(eq1)にて表される正弦波データと、三角波等のキャリア信号との大小比較に基づくPWM処理によって生成すればよい。U,V,W相巻線10u,10v,10wにU,V,W相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*を印加するように、各操作信号gup〜gwnに基づいて各スイッチSup〜Swnをオンオフ操作することにより、モータ10の回転速度を指令回転速度ω*に制御する。なお、強制起動期間における指令回転速度ω*は、例えば、予め定められた値に設定すればよい。具体的には例えば、強制起動期間の開始から時間経過とともに、0から予め定められた所定回転速度まで指令回転速度ω*を徐々に上昇させてもよい。また、強制起動期間における電圧振幅Vmodも、例えば、予め定められた値に設定すればよい。具体的には例えば、強制起動期間の開始から時間経過とともに規定値(>0)に向かって電圧振幅Vmodを徐々に上昇させてもよい。
続いて、図5を用いて、通常制御期間における制御装置30の位相差制御について説明する。なお、図5において、先の図2と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
位相差算出部30gは、U相について説明すると、相電流センサ22によって検出されたU相電流Irと、電圧位相算出部30aから出力された電圧位相Vθとに基づいて、正弦波状のU相電流Irと正弦波状のU相電圧Vrとの位相差(以下、力率角ξr)を算出する。本実施形態では、先の図3及び図4に示すように、U相電圧VrがU相電流Irに対して進角している(位相が進んでいる)場合の力率角ξrを正の値で表し、遅角している(位相が遅れている)場合の力率角ξrを負の値で表すこととする。図4において、「In」は、各相巻線10U,10V,10Wに流れる電機子電流ベクトルを示し、「β」は、q軸に対する電流ベクトルInの電流位相を示し、「Ia」は、電流ベクトルInの大きさである電流振幅を示している。電流位相βは、q軸から反時計まわりに回転した場合を進角とし、q軸から時計まわりに回転した場合を遅角とし、q軸と一致した場合を0°とする。電流ベクトルInは、d,q軸電流Id,Iqによって表すことができる。ちなみに、位相差算出部30gにおいて、V,W相についての処理も、U相についての処理と同様に行うことができる。
なお、本実施形態では、相電流センサ22の検出値に基づいて力率角ξrを算出したがこれに限らない。例えば、相電流センサ22を制御システムに備えることなく、母線電流センサ23によって検出された母線電流IDCとスイッチングモードとに基づいて相電流を推定し、推定された相電流に基づいて力率角ξrを算出してもよい。この場合、相電流センサ22を除去できるため、制御システムのコストを低減することができる。
力率角設定部30hは、力率角ξrの目標値である目標力率角ξ*を可変設定する。本実施形態では、指令回転速度ω*、推定トルクTrq及び目標力率角ξ*が関係づけられた力率角マップが、制御装置30の備える図示しない記憶手段(例えばメモリ)に記憶されている。力率角設定部30hは、指令回転速度ω*及び推定トルクTrqを入力として、力率角マップを用いて目標力率角ξ*を可変設定する。
力率偏差算出部30iは、力率角設定部30hから出力された目標力率角ξ*と、位相差算出部30gから出力された力率角ξrとの偏差である力率偏差Δξを算出する。詳しくは、目標力率角ξ*から力率角ξrを減算することで力率偏差Δξを算出する。
第1制御器30jは、力率偏差Δξに基づいて、力率角ξrを目標力率角ξ*にフィードバック制御するための操作量として速度補正量Δωを算出する。本実施形態では、力率偏差Δξに基づく比例積分制御によって速度補正量Δωを算出する。
速度加算部30kは、指令回転速度ω*に速度補正量Δωを加算することで補正回転速度ωbを算出する。電圧位相算出部30aは、速度加算部30kから出力された補正回転速度ωbの時間積分値として、電圧位相Vθを算出する。
第2制御器30lは、力率偏差Δξに基づいて、力率角ξrを目標力率角ξ*にフィードバック制御するための操作量として電圧振幅Vmodを算出する。本実施形態では、力率偏差Δξに基づく比例積分制御によって電圧振幅Vmodを算出する。
正弦波算出部30fは、電圧位相算出部30aから出力された電圧位相Vθと、第2制御器30lから出力された電圧振幅Vmodとに基づいて、上述したように、モータ10の電気角で位相が互いに120°ずれた正弦波のU,V,W相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*を印加するための操作信号gup〜gwnを生成してインバータ20に対して出力する。
なお本実施形態では、通常運転期間において、先の図2に示したトルク変動成分ΔIに基づく電圧位相Vθの補正処理を行わないこととしたが、この補正処理を行ってもよい。
ここで、先の図2において、強制起動期間におけるトルク変動成分ΔIに基づく補正処理は、強制起動期間におけるモータ10の駆動制御を安定化させるために設けられている。これは、強制起動期間においては、指令回転速度ω*に基づくオープンループ制御が主であることや、モータ10に作用する負荷変動や回転速度変動が大きいことによる。モータ10の駆動制御が安定しない場合、指令回転速度ω*に対する実際の回転速度の追従性が悪化する。これにより、モータ10の駆動に伴って発生する騒音が増大したり、モータ10の脱調(同期外れ)が発生したりするなどの不都合が生じ得る。このため、本実施形態では、上記補正処理を行う。
上記補正処理について詳しく説明する。本実施形態では、dq座標系のd軸,q軸のそれぞれが正となる象限(第1象限)に電流ベクトルInがある場合を想定する。電流制御器30dは、トルク変動成分ΔIが0よりも大きくなっている場合(すなわち、推定トルクTrqがその直流成分よりも大きくなっている場合)、トルクを低減するために電圧位相Vθを遅角させる位相補正量Δθを算出する。これにより、電流位相βが遅角し、指令回転速度ω*を実現するための適切な電流位相とされる。一方、電流制御器30dは、トルク変動成分ΔIが0未満となる場合、トルクを増加するために電圧位相Vθを進角させる位相補正量Δθを算出する。
ここで、上記補正処理において、電圧位相算出部30aから出力された電圧位相Vθを補正対象とするのは、トルク変動成分ΔIを迅速に0にするためである。つまり、入力となる電圧から出力となる電流までのモータ伝達関数は1次遅れ系として表すことができる。このため、トルク変動成分ΔIを0にフィードバック制御するための操作量として、電圧振幅Vmodを補正対象とする構成では、電圧位相Vθを補正対象とする構成よりも電流位相βを迅速に変化させることができない。これに対し、電圧位相Vθを補正対象とする構成では、モータ10に外乱が作用する場合であっても、実際の電流位相βを、指令回転速度ω*を実現するための適切な電流位相に迅速に変化させることができる。
続いて、図6に本実施形態の効果を示す。図6は、トルク変動成分ΔIの低減効果を、相電流振幅の交流成分低減効果として調べた計算結果である。図6では、関連技術と比較して本実施形態の効果を説明する。図6において、(a)は各相電流Iu〜Iwの推移を示し、(b)はd,q軸電流Id,Iqの推移を示し、(c)は相電流振幅の交流成分の推移を示す。ここで、関連技術とは、先の図2の構成から変動成分抽出部30b、フィルタ部30c及び電流制御器30dを除去し、電圧位相算出部30aの出力値がそのまま正弦波算出部30fに入力される構成のことである。なお、図中、時刻t1までは、2相通電による磁極位置推定処理が行われている。
関連技術において、時刻t1において磁極位置の推定が完了する。その後、時刻t2において強制起動期間が開始される。ただし、電圧位相Vθを補正していないことから、強制起動期間において相電流振幅の交流成分(トルク変動成分ΔI)が大きくなる。これに対し、本実施形態では、電圧位相Vθの補正により、強制起動期間において相電流振幅の交流成分を大きく低減することができる。
このように、本実施形態によれば、強制起動期間のようなモータ10の低速時における制御安定性を向上することができる。これにより、モータ10の騒音を抑制したり、モータ10の脱調を回避したりすることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態では、フィルタ部30cにおいて、トルクパラメータとして推定トルクTrq(出力トルク)を算出したがこれに限らない。例えば、トルクパラメータとして、q軸電流Iqを算出してもよい。この場合、算出されたq軸電流Iqが変動成分抽出部30bの入力となる。強制起動期間における外乱等による電流位相βの変動により、電流振幅Iaのq軸投影成分であるq軸電流Iqが変動することから、電圧位相Vθの補正処理によってモータ駆動制御を安定化することができる。また、トルクパラメータとして、電流振幅Iaを算出してもよい。q軸電流Iq及び電流振幅Iaは、モータの出力トルクを正の相関を有する電流値である。なお、q軸電流Iqや電流振幅Iaの算出に、例えば、3相のうち少なくとも2相分を検出する相電流センサの検出値を用いてもよい。ここでは、例えば、q軸電流又は電流振幅Iaと、相電流とが関係付けられた数式等を用いて、q軸電流又は電流振幅Iaを算出すればよい。
・負極側直流母線Lnに流れる電流を検出する母線電流センサの検出値をフィルタ部30cの入力としてもよい。
・位相差算出部30gにおいて、モータへの指令電圧のゼロクロスと相電流のゼロクロスとから力率角ξrを算出してもよい。
・電流制御器30dにおいて、トルク変動成分ΔIに基づく比例制御により、電圧位相Vθを補正するための乗算係数を算出する。そして、位相加算部30eにおいて、電圧位相Vθに乗算係数を乗算することで、電圧位相Vθを補正してもよい。
・モータとしては、永久磁石型のものに限らず、例えば巻線界磁型のものであってもよい。また、モータとしては、3相のものに限らず、4相以上のものであってもよい。さらに、モータの用途としては、ファン駆動用に限らず、例えばポンプ駆動用であってもよい。
・モータ10に交流電圧を印加可能な電力変換回路としては、3相インバータに限らず、交流電圧を印加可能であれば他の電力変換回路であってもよい。
10…モータ、20…インバータ、30…制御装置。

Claims (7)

  1. 電動機(10)と、前記電動機に交流電圧を印加可能な電力変換回路(20)と、前記電動機に流れる電流を検出する電流検出部(23)とを備えるシステムに適用され、
    前記電動機の回転停止状態から前記電動機が所定の回転状態となるまでの起動期間において、前記電動機の磁極位置を検出する位置検出器の検出値を用いることなく、前記電動機の制御量の指令値に基づいて、オープンループ制御によって前記電力変換回路の出力電圧の位相である電圧位相を算出する起動時第1手段(30a)と、
    前記起動期間において、前記位置検出器の検出値を用いることなく、前記起動時第1手段によって算出された前記電圧位相に基づいて、前記電力変換回路の操作によって前記電動機を構成する電機子巻線(10u,10v,10w)の印加電圧を操作する起動時第2手段(30f)と、
    前記電動機の出力トルク又は該出力トルクと正の相関を有する値のいずれかをトルクパラメータとし、前記起動期間において、前記トルクパラメータの変動成分を0に近づけるように、前記電流検出部の検出値に基づいて、前記起動時第1手段によって算出される前記電圧位相を補正する電圧位相補正手段(30b〜30e)とを備えることを特徴とする電動機の制御装置。
  2. 前記電圧位相補正手段は、前記起動期間において、前記電流検出部の検出値に基づいて前記トルクパラメータを算出するトルク算出手段(30c)を含み、前記トルク算出手段によって算出された前記トルクパラメータの変動成分を0に近づけるように、前記電圧位相を補正する請求項1記載の電動機の制御装置。
  3. 記電圧位相補正手段は、
    前記トルク算出手段によって算出された前記トルクパラメータの変動成分を0にフィードバック制御するための操作量として、前記起動時第1手段によって算出される前記電圧位相の補正量を算出する補正量算出手段(30b,30d)と、
    前記起動時第2手段において用いられる前記電圧位相を前記補正量で補正する補正手段(30e)とを含む請求項記載の電動機の制御装置。
  4. 前記トルク算出手段は、前記電流検出部の検出値にローパスフィルタ処理を施し、前記ローパスフィルタ処理が施された検出値と、前記電流検出部の検出値とに基づいて、前記トルクパラメータの変動成分を算出する請求項2又は3記載の電動機の制御装置。
  5. 前記起動期間の完了後、前記電動機の位相差制御を行う通常時操作手段(30a,30c,30f〜30l)をさらに備え、
    前記通常時操作手段は、
    前記電動機を構成する電機子巻線の印加電圧と、前記電機子巻線に流れる電流との位相差を算出する位相差算出手段(30g)と、
    前記位相差算出手段によって算出された前記位相差をその目標値に制御すべく、前記電力変換回路の操作によって前記電機子巻線の印加電圧を操作する印加電圧操作手段(30a,30c,30f,30h〜30l)とを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動機の制御装置。
  6. 前記電動機は、3相電動機であり、
    前記電力変換回路は、直流電源(21)を入力とする3相インバータであり、
    前記電流検出部は、前記直流電源と前記電力変換回路とを接続する母線(Ln)に流れる電流を検出する請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動機の制御装置。
  7. 前記電動機は、車載ファンの駆動に用いられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の電動機の制御装置。
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