JP4775145B2 - 同期モータ制御装置 - Google Patents

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本発明は、同期モータ制御装置に関し、特に車両用同期モータ制御装置の改良に関する。
ステータ回転磁界の角速度と一致する角速度でロータが回転する同期モータとして種々の形式が周知となっている。同期モータのトルクは、ステータ電流ベクトル(以下、単に電流ベクトルと言う)の振幅を制御する以外にロータの磁極位置に対する電流ベクトルの位相を制御することによっても調整することができ、典型的には弱め界磁制御が知られている。この弱め界磁制御は、電圧指令値と電源電圧との比較結果に基づいてd軸電流検出値Idをdq軸座標系上において負方向へ増大することによりステータコイルに誘起される逆起電圧を低減し、これにより電圧指令値が電源電圧を上回らないようにする制御である。
また、下記の特許文献1は、d軸電流指令値Id’やq軸電流指令値Iq’などにより算出したトルク推定値Tdと、入力されたトルク指令値Tsとの間のトルク偏差ΔTを算出し、このトルク偏差ΔTを解消するためのq軸電流指令値Iq’の補正分である補正q軸電流指令値ΔIq’を算出し、この補正q軸電流指令値ΔIq’をq軸電流指令値Iq’に加算して応答性を改善するq軸電流補正方式のトルク偏差補正技術を提案している。
特開2001−161099号公報
しかしながら、上記した同期モータを車両系に用いる場合、車両電源系の電圧変動が定置電源系に比べて格段に大きいため、同期モータの脱調などの問題が発生することが懸念される。
更に具体的に説明すると、車載大電力電気負荷がオンされる場合や、走行状態が回生モードから電動モードに変化する場合などにおいて、インバータに印加される電源電圧が急減する。このような電源電圧の急減は、dq軸回転座標系上の電流制限楕円の縮小を生じさせるため同期モータに実際に通電される電流ベクトルの振幅減少によりトルク低下が生じ、その結果として脱調などの問題が生じる可能性が生まれる。この問題に対して、上記した弱め界磁制御では電源電圧の低下が生じて電源電圧が電圧指令値より小さくなるとこの電源電圧と電圧指令値との偏差に応じてd軸電流指令値Id’を負方向へ逐次増大させる制御を行うため、電源電圧低下に対するd軸電流指令値Id’の変化及びそれが電圧指令値に反映されるまでのレスポンスが遅くなり、その結果として急激な電源電圧低下に対してd軸電流指令値Id’の追従が遅れ、脱調などの問題が発生することが懸念される。
一方、上記した特許文献1のq軸電流補正によるトルク偏差補正技術では、q軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’から磁束量Φを演算し、この磁束量Φとq軸電流指令値Iq’とd軸電流指令値Id’とからモータモデルを用いてトルク推定値Tdを算出し、算出したトルク推定値Tdと入力されたトルク指令値Tsとの偏差に対応するq軸電流補正量ΔIq’を算出し、このq軸電流補正量ΔIq’をq軸電流指令値Iq’に加算するというトルク偏差補正動作を行う。したがって、このq軸電流補正は電源電圧変動を考慮しておらず、急激に電源電圧が変動した際にはレスポンスが悪いという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、電源電圧の急減にもかかわらず同期モータの運転をレスポンス良く安定化可能な同期モータ制御装置を提供することをその目的としている。
上記課題を解決する各発明は、電流ベクトル指令値を構成するq軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’をトルク指令値Tsに基づいて算出する電流指令値算出部と、前記q軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’に基づいて同期モータへ印加すべき電圧としての電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、直流の電源電圧が印加されるとともに前記電圧指令値に相当する相電圧を形成して前記同期モータに印加するインバータとを備える同期モータ制御装置に適用される。この種の回転座標系上の電流ベクトル演算によるトルク制御は周知技術となっており、本発明は、ステータ電流が形成する回転磁界に同期してロータが回転する種々の形式をもつ公知の同期モータに適用されることができる。
第1発明は特に、所定のサンプリング期間内における前記電源電圧の低下量に正相関を有する大きさの第1d軸電流補正量ΔId’を算出するとともに、前記第1d軸電流補正量ΔId’を前記d軸電流指令値Id’に負方向へ実質的に加算する補正を行う第1d軸電流補正部を有し、前記電圧指令値算出部は、前記q軸電流指令値Iq’と、前記補正されたd軸電流指令値Id’とに基づいて前記電圧指令値を算出することを特徴としている。
これにより、電源電圧低下率による電圧制限楕円の縮小に対応して高速にd軸電流を負方向へ増大できるため、急激なトルク減少を抑制でき、脱調を防止することができる。
つまり、本発明では、たとえば所定時間以前に読み込んだ電源電圧値(電源電圧の過去値)と、今回読み込んだ電源電圧値(電源電圧の今回値)との差に算出することにより電源電圧低下量(実質的には電源電圧低下率)を算出し、算出した電源電圧低下量に正相関を有するd軸電流補正量ΔId’を算出してd軸電流指令値Id’に加えるd軸電流指令値補正を行う。なお、この補正は、電圧指令値を1回算出する期間(1電圧指令値算出周期)に際して少なくとも1回は行われる。このようにすれば、実質的に電源電圧低下によるトルク減少を抑えることができるため、電源電圧が急減しても良好に脱調を抑止することができる。このような電源電圧低下率に正相関を有する量だけd軸電流を補正する技術は、従来の弱め界磁制御によるd軸電流補正技術においてまったく知られていなかったものである。これは、従来の同期モータベクトル制御が定置交流電源からの電力を整流した直流電源電力に対して適用されていたため、急激な電源電圧低下による脱調の可能性が小さかったためである。
これに対して、本発明がその制御対象とする車両用同期モータでは、車載電源系の電源電圧が急激に変動(低下)することがあった。本発明者は、この時、車両用同期モータに脱調が生じる可能性があることに着目し、この認識に基づいてこの発明をなしたものである。
本発明によれば、車載電源系の電源電圧が急激に低下しても、それに素早く追従してトルク減少を防ぐことができ、脱調を良好に抑止することができる。
好適な態様において、前記第1d軸電流補正部は、前記電源電圧の低下量ΔVに所定定数kを掛けた大きさの前記第1d軸電流補正量ΔId’を算出して前記d軸電流指令値Id’に加算することにより、前記d軸電流指令値Id’を補正する。このようにすれば、電源電圧低下時にd軸電流指令値Id’をレスポンスよくかつ複雑な演算を回避しつつ負方向へ増大できるため、電源電圧低下によるトルク減少を速やかに補正できる。
好適な態様において、前記補正されたd軸電流指令値Id’と前記q軸電流指令値Iq’とに基づいて前記補正されたd軸電流指令値Id’及び前記q軸電流指令値Iq’に対応するトルクであるトルク推定値Tdを算出するトルク推定部と、前記トルク指令値Tsと前記トルク推定値Tdとの間の偏差に基づいて前記偏差を低減する向きへ前記q軸電流指令値Iq’を補正するq軸電流補正部を有する。このようにすれば、更に良好に脱調防止を図ることができる。
更に説明すると、本発明では、既述したように、電源電圧低下に起因する電圧制限楕円の縮小により電流ベクトルが電圧制限楕円から逸脱する場合にはd軸電流指令値Id’の負方向への増大を行い、それにより縮小した電圧制限楕円内にてトルクを電源電圧低下前のトルク指令値に近づける。このようにd軸電流指令値Id’を負方向に増大すると、電圧制限楕円が許容するq軸電流指令値Iq’の最大値が増大する。そこで、この態様では、補正したd軸電流指令値Id’を加味したトルク推定値Tdとトルク指令値Tsとの偏差を減らす向きにq軸電流指令値Iq’を補正する。これにより、電源電圧急低下時のトルク急減による脱調を更に良好に抑止することができる。
好適な態様において、前記電圧指令値が前記インバータの出力可能最大電圧を上回ったかどうかを判定するとともに、上回った場合に前記電圧指令値及び前記電源電圧に基づいて第2d軸電流補正量ΔId”を算出し、前記第2d軸電流補正量ΔId”を前記d軸電流指令値Id’に負方向へ実質的に加算する補正を行う第2d軸電流補正部を有する。これにより、電源電圧低下による脱調を更に抑止することができる。
更に説明すると、たとえば電圧指令値がインバータの出力可能最大電圧(以下、近似的に電源電圧とみなす)を上回った時に、電圧指令値と電源電圧との偏差に応じて算出した第2d軸電流補正量ΔId”をd軸電流指令値Id’に負方向へ追加する。すなわち、この態様は従来の弱め界磁制御によりd軸電流指令値Id’を第2d軸電流補正量ΔId”だけ制御する動作を追加したものである。これにより、電源電圧低下による脱調を更に抑止することができる。
好適な態様において、前記電流指令値算出部は、前記トルク指令値Tsを実現する最小振幅の前記電流ベクトル指令値を構成する前記q軸電流指令値Iq’及び前記d軸電流指令値Id’を算出する。これにより損失を低減することができ、効率を向上することができる。たとえば、トルク指令値Tsを実現する最小振幅の電流ベクトル指令値に相当するq軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’とトルク指令値Tsとの関係は、マップに予め記憶されており、このマップにトルク指令値Tsを代入して補正前のq軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’を求めればよい。
好適な態様において、前記q軸電流補正部は、前記補正されたd軸電流指令値Id’と前記q軸電流検出値Iqとトルクとの間の予め記憶する関係に前記補正されたd軸電流指令値Id’と前記q軸電流検出値Iqとを代入して前記トルク推定値Tdを求める。上記関係はたとえばマップに予め書き込んでおけばよい。これにより、簡素にトルク推定値Tdを求めることができる。
好適な態様において、前記第2d軸電流補正部は、変調率を計算するとともに、予め1より大きく設定された所定の変調率しきい値を前記変調率が上回る場合に、前記第2d軸電流補正量ΔId”を前記d軸電流指令値Id’に追加する。変調率しきい値としてはたとえば 1.0〜 1.3とすることができる。これにより、第2d軸電流補正量ΔId”の追加補正を適切な条件にて実施することができる。
なお、この明細書で言う変調率とは、各相の電圧指令値の大きさ(負の最大値から正の最大値までの振幅幅を言う)を電源電圧の大きさで割った値を意味する。また、この明細書では、変調率が1を超える場合の運転モードを過変調モードと称し、1以下の運転モードを正弦波モードと呼ぶこともある。なお、第2d軸電流補正部は、変調率が1以上の値である所定の変調率値に最終的に収束するように第2d軸電流補正量ΔId”を設定する制御を行うことが更に好適である。このようにすると、電源電圧低下時に過変調モードにより相電圧波形を出力できるため言い換えれば過変調領域で弱め界磁制御を行うため、電圧利用率が向上する分だけトルク減少を抑止でき、脱調防止に更に有効となる。
好適な態様において、前記所定のサンプリング期間は、前記電圧指令値の1回の算出周期よりも長く、かつ、前記d軸電流が流れる回路の時定数よりも短く設定される。これにより、電源電圧低下に速やかに応答してトルク減少を抑止することができる。好適な態様において、前記所定のサンプリング期間内における電源電圧の低下量は、前記所定のサンプリング期間内における変調率の変化量とされる。このようにすれば、簡素な演算により電源電圧低下に速やかに応答してトルクを増大することができる。
好適な態様において、前記所定のサンプリング期間は、前記電圧指令値の算出周期のn(nは1以上20以下の整数)倍に設定される。このようにすれば、n回前の電圧指令値算出ルーチンにて読み込んで記憶している電源電圧のデータと、今回の電圧指令値算出ルーチンにて読み込んだ電源電圧のデータとの差を演算し、その正負を判定するだけで、実質的に電源電圧低下率を算出ことができるため、演算を簡素化することができる。
第2発明は特に、直前の所定期間における前記電源電圧の低下率又は前記トルク指令値Tsの増加率を実質的に算出するとともに、算出したこれらの率の少なくとも一方が大きい場合にそれが小さい場合よりも前記電流指令値算出部及び電圧指令値算出部の算出周期を短縮する算出周期変更部を有することを特徴としている。
このようにすれば、直前の所定期間における電源電圧の低下又はトルク指令値Tsの増加が顕著であることを認識した場合に、インバータの電流指令値変更をそれ以外の期間より頻繁に行うため、これら電源電圧低下やトルク指令値増加に対する制御追従性を向上することができ、脱調を抑止することができる。また、これらの変化が小さい安定状態では制御装置の演算負担やインバータのスイッチング損失を低減することができるため、制御負担や電力損失を低減することができる。
第3発明は特に、直前の所定期間における前記電源電圧の低下率又は前記トルク指令値Tsの増加率を実質的に算出するとともに、算出したこれら率の少なくとも一方に正相関を有してトルク増大方向に電流ベクトルを補正する電流指令値補正部を有し、前記電流指令値補正部の演算周期は、前記電流指令値算出部及び電圧指令値算出部の算出周期よりも短く設定されていることを特徴としている。
このようにすれば、直前の所定期間における電源電圧の低下又はトルク指令値Tsの増加に対応してd軸電流指令値Id’やq軸電流指令値Iq’を補正してトルクを増大する処理を、トルク指令値Tsに対応する電流指令値を演算する処理よりも多数回行うため、これら電源電圧低下やトルク指令値増加に対する制御追従性を向上することができ、脱調を抑止することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照して説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定解釈されるべきものではなく、本発明の技術思想を他の技術の組み合わせにより実現してもよい。たとえば下記の実施形態ではフィードバックベクトル制御を説明するが、その代わりに公知のオープン制御に変更しても良い。また、下記のモータ回転位置検出装置3を省略してセンサレスのロータ回転位置検出を行っても良い。更に、同期モータとしては、公知の種々の形式の同期モータを採用することができ、たとえば相数変更やスイッチドリラクタンスモータの採用なども可能である。
(第1実施形態)
(全体説明)
図1は、第1実施形態のモータ制御装置のブロック回路図である。このモータ制御装置は車両に搭載された同期モータの制御に用いられる。1は同期モータ制御装置、2は車両に搭載された埋め込み磁石型の三相同期モータ、3はモータ回転位置検出装置、4は直流電源、5はU相電流センサ、6はW相電流センサである。
同期モータ制御装置1は、電流指令部(本発明で言う電流指令値算出部)11、電流制御部(本発明で言う電圧指令値算出部の一部)12、2相3相変換部(本発明で言う電圧指令値算出部の残部)13、PWM信号発生部14、電流検出部15、3相2相変換部16、三相インバータ17、第1d軸電流補正部18及び加算器19を有している。この同期モータ制御装置1のうち三相インバータ17を除く部分はいわゆるマイコン内蔵の電子制御装置(以下、モータコントローラとも言う)として構成されている。三相インバータ17は、直流電源4と直流電力を授受し、内蔵のスイッチング素子のPWM駆動により三相同期モータ2と三相交流電力を授受する。
この同期モータ制御装置1の回路構成のうち第1d軸電流補正部18を除く部分は、従来の三相同期モータ制御装置と同一の回路構成をもち、動作も本質的に同じであるが、以下、簡単に説明する。
電流検出部15、U相電流センサ5及びW相電流センサ6から入力された検出信号に基づいて求めた三相電流iu、iv、iwを3相2相変換部16に出力する。3相2相変換部16は、入力された三相電流iu、iv、iwをモータ回転位置検出装置3から得たモータ回転位置に基づいてd軸電流検出値Idと、q軸電流検出値Iqとに変換する。
電流指令部(本発明で言う電流指令値算出部)11は、モータ回転位置検出装置3から得たモータ角速度ωと、直流電源4から入力する電源電圧Vbと、外部から入力されたトルク指令値Tsとから、3相モータ3に通電すべき電流としてのq軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’を算出する。好適には、電流指令部(本発明で言う電流指令値算出部)11は、トルク指令値Tsを実現する最小振幅の電流ベクトル指令値を構成するq軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’を算出する。これにより損失を低減することができ、効率を向上することができる。この種のq軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’の算出自体は従来公知であり、たとえばトルク指令値Tsを実現する最小振幅の電流ベクトル指令値に相当するq軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’とトルク指令値Tsとの関係をマップに予め記憶しておき、このマップにトルク指令値Tsを代入してq軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’を求めればよい。
電流制御部(本発明で言う電圧指令値算出部の一部)12は、各電流偏差Δid(=id’ーid)、及び、Δiq(=iq’ーiq)を求め、求めた電流偏差Δid、Δiqを0に収束させるべく電流偏差Δid、Δiqに対応するdq軸電圧指令Vd、VqをPI演算してd軸電圧指令値Vd’及びq軸電圧指令値Vq’を算出し、算出されたd軸電圧指令値Vd’及びq軸電圧指令値Vq’を2相3相変換部(本発明で言う電圧指令値算出部の残部)13に出力する。このd軸電圧指令値Vd’及びq軸電圧指令値Vq’2相3相変換部13にて三相電圧指令値Vu’、Vv’、Vw’に変換され、三相電圧指令値Vu’、Vv’、Vw’は更にPWM信号発生部14にて三相PWM電圧に変換される。三相PWM電圧は、図示しないスイッチングゲートドライバでそれぞれ電力増幅された後、三相インバータ17の各スイッチング素子のゲート電極に個別に印加される。これにより、トルク指令値Tsに応じたトルクを発生するように三相同期モータ2がフィードバック制御される。
(第1d軸電流補正部18の説明)
次に、この実施形態の特徴をなす第1d軸電流補正部18について更に詳しく説明する。
第1d軸電流補正部18は、直流電源4から入力する電源電圧Vbの所定期間の低下量である電源電圧低下量ΔVを算出し、算出した電源電圧低下量ΔVに所定定数kを掛けた大きさに等しい第1d軸電流補正量ΔId’を算出し、この第1d軸電流補正量ΔId’を加算器19にてd軸電流指令値Id’に負方向へ加算して補正済みのd軸電流指令値Id’とする。ゲインkは適宜設定可能である。なお、この明細書で言う第1d軸電流補正量ΔId’を負方向に加算するということは、q軸電流指令値Iq’に対してπ/2進んだ位相にて加算することに相当する。これにより、電圧指令値算出部は、この電源電圧低下量に応じて補正された第1d軸電流補正量ΔId’に応じた電圧指令値を次回の演算周期にて算出し、その結果としてこの補正をインバータ電流に高速に反映することができる。
好適には、q軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’のベクトル和として定義される電流ベクトルが電圧制限楕円から逸脱する電源電圧低下が急激に生じた場合を検出し、この場合に電源電圧低下量ΔVに比例する第1d軸電流補正量ΔId’を元のd軸電流指令値Id’に加算することが好適である。なお、ここで言う電圧制限楕円とは、現在の角速度にてステータコイルに通電可能な電流ベクトルの範囲を示す楕円であるが周知であるため、説明を省略する。
電源電圧低下が急激に生じて電流ベクトルが電圧制限楕円から逸脱した場合の第1d軸電流補正量ΔId’の追加補正について更に詳しく説明する。ただし、以下の符号の一部は説明を簡単とするためのもので、図示されたものではない。
最初、トルク指令値Tsがある所定値Tr1であり、これに対応して現在の状態に対応するある電圧制限楕円V1から逸脱しない範囲にて電流ベクトルI1に相当するd軸電流指令値Id’とq軸電流指令値Iq’とが形成され、それに一致するd軸電流とq軸電流とがステータコイルに通電されているものとする。このような制御は従来周知であるため、説明は省略する。この時、電源電圧Vbが急減して電圧制限楕円が上記電圧制限楕円V1より小さなV2になった場合を考える。この時には、電圧制限楕円V2の制限から実際に流れる電流ベクトルはI2となり、その結果、発生トルクは元のトルクTr1からそれより大幅に小さいトルクTr3となるはずである。
しかし、この実施形態では、電源電圧低下量ΔVのk倍の第1d軸電流補正量ΔId’をd軸電流指令値Id’に負方向に加えて電流ベクトルI3とする。これにより、電圧制限楕円V2から逸脱しない範囲にてトルクはトルクTr3より大きいTr2まで増加することができるため、モータの脱調を抑止することができる。
なお、PWM信号発生部14は、電源電圧Vbより大きな三相電圧指令値Vu’、Vv’、Vw’が入力される場合に、それを電源電圧Vbに等しい振幅の三相電圧指令値Vu’、Vv’、Vw’に規制した後で、PWM信号に変換してもよい。また、PWM信号発生部14は、入力される三相電圧指令値Vu’、Vv’、Vw’を電源電圧Vbで割った変調率を算出し、この変調率が100%を超える場合に100%に規制してもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態を図2に示すブロック回路図を参照して説明する。図2は、図1に示す第1実施形態において、トルク推定部20とq軸電流補正部21と減算器22と加算器23とを追加した点が異なっているため、これら変更部分だけを以下に説明する。
トルク推定部20は、補正されたd軸電流指令値Id’とq軸電流検出値Iqとに基づいてd軸電流指令値Id’及び前記q軸電流検出値Iqに対応するトルクであるトルク推定値Tdを算出する。この算出は、予め記憶するd軸電流指令値Id’とq軸電流検出値Iqとトルクとの関係を示すマップに補正されたd軸電流指令値Id’とq軸電流検出値Iqを代入してなされる。減算器22は、外部から入力されたトルク指令値Tsと求めたトルク推定値Tdとの偏差ΔTを算出し、q軸電流補正部21はこの偏差ΔTに基づいてこの偏差ΔTを減らす向きにq軸電流補正量ΔIqを算出し、算出したq軸電流補正量ΔIqは加算器23により電流指令部11が出力するq軸電流指令値Iq’に加算される。
これにより、更に電源電圧急減によるトルク減少を更に補償することができる。このq軸電流補正量ΔIqによるトルク増加作用を以下、更に詳しく説明する。ただし、以下の符号の一部は説明を簡単とするためのもので、図示されたものではない。
最初、トルク指令値Tsがある所定値Tr1であり、これに対応して現在の状態に対応するある電圧制限楕円V1から逸脱しない範囲にて電流ベクトルI1に相当するd軸電流指令値Id’とq軸電流指令値Iq’とが形成され、それに一致するd軸電流とq軸電流とがステータコイルに通電されているものとする。このような制御は従来周知であるため、説明は省略する。この時、電源電圧Vbが急減して電圧制限楕円が上記電圧制限楕円V1より小さなV2になった場合を考える。この時には、電圧制限楕円V2の制限から実際に流れる電流ベクトルはI2となり、その結果、発生トルクは元のトルクTr1からそれより大幅に小さいトルクTr3となるはずである。
しかし、この実施形態では、電源電圧低下量ΔVのk倍の第1d軸電流補正量ΔId’をd軸電流指令値Id’に負方向に加えて電流ベクトルI3とする。これにより、電圧制限楕円V2から逸脱しない範囲にてトルクはトルクTr3より大きいトルクTr2まで増加することができるため、モータの脱調を抑止することができる。
この実施形態では更に、補正済みのd軸電流指令値Id’(=元のd軸電流指令値Id’+第1d軸電流補正量ΔId’)とq軸電流指令値Iq’とにより規定される電流ベクトルI3に相当するトルクをマップ演算してトルク推定値Tdを求め、このトルク推定値Tdとトルク指令値Ts(ここではTr1)との差異に相当するトルク偏差ΔTに対応するq軸電流補正量ΔIqをマップ演算し、このq軸電流補正量ΔIqをq軸電流指令値Iq’に加算して、電流ベクトルI4を求め、この電流ベクトルI4に相当するd軸電流補正量ΔId’とq軸電流指令値Iq’とを電流制御部12に出力する。
これにより、更にトルクを増大することができる。このトルク増大は、d軸電流補正量ΔId’の負方向への追加により形成された電流ベクトルI3が電圧制限楕円V2のq軸方向における幅広領域にシフトすることを利用して、電圧制限楕円V2を超えることなくq軸電流指令値Iq’を増大するものである。なお、トルク推定部20はd軸電流検出値Id、q軸電流検出値Iqを用いて処理を行ってもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態を図3に示すブロック回路図を参照して説明する。図3は、図2に示す第2実施形態において、変調率算出部24、変調率制限部25、第2d軸電流補正部26及び加算器27を追加した点が異なっているため、これら変更部分だけを以下に説明する。なお、これら変調率算出部24、変調率制限部25、第2d軸電流補正部26は本発明で言う第2d軸電流補正部を構成している。
変調率算出部24は、電流制御部から出力されたd軸電圧指令値Vd’及びq軸電圧指令値Vq’から求めた電流ベクトルの振幅(ここでは負の最大値から正の最大値までの振幅すなわち通常で言う振幅の2倍の値を言う)を電源電圧Vbで割って変調率を算出する。なお、よく知られているように、電流ベクトルの振幅はd軸電圧指令値Vd’の二乗値とq軸電圧指令値Vq’の二乗値とを加算してその平方根を求める演算により求められる。
変調率制限部25は、変調率が1以上の所定の変調率しきい値を上回った場合に1以上の値である所定の変調率制限値に制限する。第2d軸電流補正部26は、変調率が1以上の所定の変調率しきい値を上回った場合(ここでは、電圧指令値がたとえば所定の出力可能最大電圧を上回る場合)に、所定の大きさの第2d軸電流補正量ΔId”を算出し、この第2d軸電流補正量ΔId”を加算器27にてd軸電流指令値Id’に追加する。この実施例では、変調率と第2d軸電流補正量ΔId”との関係をマップに予め記憶しておき、このマップに変調率を代入して第2d軸電流補正量ΔId”を求めればよい。
このようにすれば、更に電源電圧急減時において更に良好にトルク急減を抑止して脱調を防止することができる。すなわち、この実施形態では実施形態1、2と同じ第1d軸電流補正量ΔId’の追加と、第2実施形態と同じq軸電流補正量ΔIqの追加の他に、第2d軸電流補正量ΔId”すなわちいわゆる弱め界磁制御を行う。これにより、電源電圧急減によるトルク減少を更に良好に補償することができる。
(フローチャートの説明)
上記した第3実施形態の制御動作を図4に示すフローチャートを参照して更に具体的に説明する。
まず、電源電圧Vbとトルク指令値Tsとを読み込み(S100)、読み込んだトルク指令値Tsに基づいてd軸電流指令値Id’とq軸電流指令値Iq’とを算出する(S102)。次に、変調率hを算出し(S103)、算出した変調率hが1以上の所定の変調率しきい値hthを上回ったかどうかを判定し(S104)、上回ったらS106にてd軸電流指令値Id’に第2d軸電流補正量ΔId”を追加する弱め界磁制御を行った後で、以下の場合にはこの弱め界磁制御を行わずにステップS107に進む。この弱め界磁制御により、変調率はこの変調率しきい値hth以下となるように、更に言えば変調率しきい値hthに収束するように制御される。したがって、変調率しきい値hthを1より大きく設定することにより、電圧利用率を向上することも可能となる。
ステップS107では所定のサンプリング期間前後の電源電圧差である電源電圧変化量(すなわち電源電圧低下量)ΔVを算出し、次に算出したΔVが負かどうかを判定し(S108)、負であればd軸電流指令値Id’に第1d軸電流補正量ΔId’を加算し(S110)、その後、トルク推定値Tdがトルク指令値Tsに等しいかどうかを調べる(S112)。等しくなければトルク偏差ΔTに対応するq軸電流指令値Iq’をマップから求めてq軸電流指令値Iq’に加算し(S114)、等しければこの加算を行わずにステップS116に進む。ステップS116では、上記のようにして求めた補正済みのd軸電流指令値Id’及びq軸電流指令値Iq’を次の電流制御部12に出力してメインルーチンにリターンする。
なお、この実施形態では、図7に示すフローの1周期のN(Nは2以上の整数であり、かつ、ステータ電流回路の時定数より短い期間に設定される)回前にステップS100にて読み込んだ電源電圧Vbの値と今回のフローのステップS100にて読み込んだ電源電圧Vbの値とにより電源電圧低下量ΔVが算出される。
(変形態様)
なお、図4では変調率をステップS102及びS104にて算出したが、算出タイミングはこれに限定されず自由である。
(第4実施形態)
第4実施形態を図5、図6に示すフローチャートを参照して以下に説明する。図5はトルク指令値Tsに基づいて電圧指令値を算出する通常のモータ制御ルーチンであり、図6は電源電圧低下率及びトルク指令値Tsの増加率に基づいてこのモータ制御ルーチン(図5)の演算周期を変更するモータ制御周期(電圧指令値算出周期)変更のためのルーチンである。
図5に示すモータ制御ルーチンは演算周期T1にて実行される。図5において、まずトルク指令値Tsを読み込み(S200)、読み込んだトルク指令値Tsに対して最小振幅となる電流ベクトルを構成するd軸電流指令値Id’及びq軸電流指令値Iq’を算出する(S202)。ステップS202は電流指令部11に対応する。次に、算出したd軸電流指令値Id’及びq軸電流指令値Iq’に基づいてd軸電圧指令値Vd’及びq軸電圧指令値Vq’を算出する(S204)。ステップS204は電流検出部15、3相2相変換部16、電流制御部12に対応する。次に、算出したd軸電圧指令値Vd’及びq軸電圧指令値Vq’に基づいて3相電圧指令値Vu’、Vv’、Vw’を算出し(S206)、算出した3相電圧指令値Vu’、Vv’、Vw’に基づいて3相のPWM信号(実際には上アーム及び下アームの合計6つのPWM信号)を算出し(S208)、算出した3相のPWM信号を三相インバータ17に出力する(S210)。ステップS206は2相3相変換部13に、ステップS208はPWM信号発生部14に相当する。この電圧指令値算出ルーチン(図5)は通常のモータベクトル制御ルーチンであるが、たとえば2相変調などの種々の公知の変形が可能である。
次に、この実施例の特徴をなすモータ制御周期変更ルーチンを図6を参照して説明する。このモータ制御周期変更ルーチンは演算周期T2にて実行される。演算周期T2は演算周期T1の約20%に設定されるが、後述の電源電圧低下率又はトルク指令値増加率が大きい場合に演算周期T2を更に短縮し、電源電圧低下率又はトルク指令値増加率が小さい場合に演算周期T2を更に延長することも可能である。
図6では、まず電源電圧Vb及びトルク指令値Tsを読み込み(S300)、直前の所定期間における電源電圧低下率及びトルク指令値増加率とを算出する(S302)。次にこれら電源電圧低下率及びルク指令値増加率が所定しきい値以上であるかどうかを判定し(S304)、イエスであればモータ制御ルーチン(図5)の実行周期T1をその後の所定期間だけ短縮し(S306)、ノーであればモータ制御ルーチン(図5)の実行周期T1をその後の所定期間だけ元の状態に延長する(S308)。
このようにすれば、直前の所定期間における電源電圧の低下又はトルク指令値Tsの増加が顕著であることを認識した場合に、インバータの電流指令値変更をそれ以外の期間より頻繁に行うため、これら電源電圧低下やトルク指令値増加に対する制御追従性を向上することができ、脱調を抑止することができる。また、これらの変化が小さい安定状態では制御装置の演算負担やインバータのスイッチング損失を低減することができるため、制御負担や電力損失を低減することができる。
(変形態様)
なお、ステップS304〜S308の代わりに、算出した電源電圧低下率及びトルク指令値増加率のうち大きな方に負相関を有して演算周期T1を変更してもよい。すなわち、直前の所定期間における電源電圧Vbの低下率、及び、直前の所定期間におけるトルク指令値Tsの増加率に応じて上記演算周期T1の長さを設定してもよい。
(第5実施形態)
第5実施形態を図5、図7に示すフローチャートを参照して以下に説明する。図5については既述したので説明を省略する。図7はたとえば第1実施形態で説明したd軸電流指令値Id’などの電流指令値の補正ルーチンであり、この実施形態では図5のモータ制御ルーチンに定期的に割り込んで実行される割り込みルーチンとされる。なお、この実施形態では、図7に示す電流指令値補正ルーチンの実行周期T2は演算周期T2にて実行される。演算周期T2は演算周期T1の約20%に設定されるが、後述の電源電圧低下率又はトルク指令値増加率が大きい場合に演算周期T2を更に短縮し、電源電圧低下率又はトルク指令値増加率が小さい場合に演算周期T2を更に延長することも可能である。
この実施例の特徴をなす電流指令値補正ルーチンを図7を参照して説明する。図7では、まず電源電圧Vb及びトルク指令値Tsを読み込み(S400)、直前の所定期間における電源電圧低下率及びトルク指令値増加率とを算出する(S402)。次にこれら電源電圧低下率及びトルク指令値増加率が所定しきい値以上であるかどうかを判定し(S404)、イエスであればこれら電源電圧低下率及びトルク指令値増加率のうち大きい方に正相関を有してd軸電流補正量ΔId’を算出する(S406)。なお、この実施形態では、d軸電流補正量ΔId’は第1実施形態と同じく、電源電圧低下率又はトルク指令値増加率の所定係数倍とされるが、これら電源電圧低下率及びトルク指令値増加率とd軸電流補正量ΔId’との関数関係を既述するマップを用いて更に複雑な関数関係を利用しても良い。次に、算出したd軸電流補正量ΔId’をd軸電流補正量ΔId’に追加して新たな補正済みd軸電流指令値Id’とする(S408)。なお、ステップS404にて電源電圧低下率及びトルク指令値増加率が所定しきい値未満であれば、d軸電流補正量ΔId’を0とする補正を行って(S410)、メインルーチンにリターンする。
このようにすれば、直前の所定期間における電源電圧の低下又はトルク指令値Tsの増加に対応してd軸電流指令値Id’やq軸電流指令値Iq’を補正してトルクを増大する処理を、トルク指令値Tsに対応する電流指令値を演算する処理よりも多数回行うため、これら電源電圧低下やトルク指令値増加に対する制御追従性を向上することができ、脱調を抑止することができる。
(変形態様)
上記実施形態では、ステップS406〜S408にて第1d軸電流補正量ΔId’だけを補正したが、これらのステップにて第2実施形態又は第3実施形態にて説明した第2d軸電流補正量ΔId”の加算や、q軸電流指令値Iq’へのq軸電流補正量ΔIqの加算を行ってもよい。
第1実施形態のモータ制御装置を示すブロック回路図である。 第2実施形態のモータ制御装置を示すブロック回路図である。 第3実施形態のモータ制御装置を示すブロック回路図である。 第3実施形態の電流指令値補正処理を示すフローチャートである。 第4、第5実施形態におけるモータ制御ルーチンを示すフローチャートである。 第4実施形態における電源電圧低下率及びトルク指令値Tsの増加率に基づくモータ制御ルーチンの演算周期を変更するためのルーチンを示すフローチャートである。 第5実施形態における電源電圧低下率及びトルク指令値Tsの増加率に基づくd軸電流指令値Id’の補正ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 同期モータ制御装置
2 三相同期モータ
3 モータ回転位置検出装置
4 直流電源
5 相電流センサ
6 相電流センサ
11 電流指令部
12 電流制御部
13 相変換部
14 信号発生部
15 電流検出部
16 相変換部
17 三相インバータ
18 第1d軸電流補正部
19 加算器
20 トルク推定部
21 q軸電流補正部
22 減算器
23 加算器
23’ 加算器
24 変調率算出部
25 変調率制限部
26 第2d軸電流補正部
27 加算器

Claims (12)

  1. 電流ベクトル指令値を構成するq軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’をトルク指令値Tsに基づいて算出する電流指令値算出部と、
    前記d軸電流指令値Id’及びq軸電流指令値Iq’に基づいて車両用の同期モータへ印加すべき電圧としての電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、
    直流の電源電圧が印加されるとともに前記電圧指令値に相当する相電圧を形成して前記同期モータに印加するインバータと、
    を備える同期モータ制御装置において、
    所定のサンプリング期間内における前記電源電圧の低下量に正相関を有する大きさの第1d軸電流補正量ΔId’を算出するとともに、前記第1d軸電流補正量ΔId’を前記d軸電流指令値Id’に負方向へ実質的に加算する補正を行う第1d軸電流補正部を有し、
    前記電圧指令値算出部は、前記q軸電流指令値Iq’と、前記補正されたd軸電流指令値Id’とに基づいて前記電圧指令値を算出することを特徴とする同期モータ制御装置。
  2. 請求項1記載の同期モータ制御装置において、
    前記第1d軸電流補正部は、
    前記電源電圧の低下量ΔVに所定定数kを掛けた大きさの前記第1d軸電流補正量ΔId’を算出して前記d軸電流指令値Id’に加算することにより、前記d軸電流指令値Id’を補正する同期モータ制御装置。
  3. 請求項1記載の同期モータ制御装置において、
    前記補正されたd軸電流指令値Id’と前記q軸電流指令値Iq’とに基づいて前記補正されたd軸電流指令値Id’及び前記q軸電流指令値Iq’に対応するトルクであるトルク推定値Tdを算出するトルク推定部と、
    前記トルク指令値Tsと前記トルク推定値Tdとの間の偏差に基づいて前記偏差を低減する向きへ前記q軸電流指令値Iq’を補正するq軸電流補正部を有する同期モータ制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか記載の同期モータ制御装置において、
    前記電圧指令値が前記インバータの出力可能最大電圧を上回ったかどうかを判定するとともに、上回った場合に前記電圧指令値及び前記電源電圧に基づいて第2d軸電流補正量ΔId”を算出し、前記第2d軸電流補正量ΔId”を前記d軸電流指令値Id’に負方向へ実質的に加算する補正を行う第2d軸電流補正部を有する同期モータ制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか記載の同期モータ制御装置において、
    前記電流指令値算出部は、
    前記トルク指令値Tsを実現する最小振幅の前記電流ベクトル指令値を構成する前記q軸電流指令値Iq’及び前記d軸電流指令値Id’を算出する同期モータ制御装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか記載の同期モータ制御装置において、
    前記q軸電流補正部は、
    前記補正されたd軸電流指令値Id’と前記q軸電流検出値Iqとトルクとの間の予め記憶する関係に前記補正されたd軸電流指令値Id’と前記q軸電流検出値Iqとを代入して前記トルク推定値Tdを求める同期モータ制御装置。
  7. 請求項4記載の同期モータ制御装置において、
    前記第2d軸電流補正部は、
    変調率を計算するとともに、予め1より大きく設定された所定の変調率しきい値を前記変調率が上回る場合に、前記第2d軸電流補正量ΔId”を前記d軸電流指令値Id’に追加する同期モータ制御装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか記載の同期モータ制御装置において、
    前記所定のサンプリング期間は、前記電圧指令値の算出周期よりも長く、かつ、前記d軸電流が流れる回路の時定数よりも短く設定される同期モータ制御装置。
  9. 請求項8記載の同期モータ制御装置において、
    前記所定のサンプリング期間内における電源電圧の低下量は、前記所定のサンプリング期間内における変調率の変化量とされる同期モータ制御装置。
  10. 請求項8又は9記載の同期モータ制御装置において、
    前記所定のサンプリング期間は、前記電圧指令値の算出周期のn(nは1以上20以下の整数)倍に設定される同期モータ制御装置。
  11. 電流ベクトル指令値を構成するq軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’をトルク指令値Tsに基づいて算出する電流指令値算出部と、
    前記d軸電流指令値Id’及びq軸電流指令値Iq’に基づいて車両用の同期モータへ印加すべき電圧としての電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、
    直流の電源電圧が印加されるとともに前記電圧指令値に相当する相電圧を形成して前記同期モータに印加するインバータと、
    を備える同期モータ制御装置において、
    直前の所定期間における前記電源電圧の低下率又は前記トルク指令値Tsの増加率を実質的に算出するとともに、算出したこれらの率の少なくとも一方が大きい場合にそれが小さい場合よりも前記電流指令値算出部及び電圧指令値算出部の算出周期を短縮する算出周期変更部を有することを特徴とする同期モータ制御装置。
  12. 電流ベクトル指令値を構成するq軸電流指令値Iq’及びd軸電流指令値Id’をトルク指令値Tsに基づいて算出する電流指令値算出部と、
    前記d軸電流指令値Id’及びq軸電流指令値Iq’に基づいて車両用の同期モータへ印加すべき電圧としての電圧指令値を算出する電圧指令値算出部と、
    直流の電源電圧が印加されるとともに前記電圧指令値に相当する相電圧を形成して前記同期モータに印加するインバータと、
    を備える同期モータ制御装置において、
    直前の所定期間における前記電源電圧の低下率又は前記トルク指令値Tsの増加率を実質的に算出するとともに、算出したこれら率の少なくとも一方に正相関を有してトルク増大方向に電流ベクトルを補正する電流指令値補正部を有し、
    前記電流指令値補正部の演算周期は、前記電流指令値算出部及び電圧指令値算出部の算出周期よりも短く設定されていることを特徴とする同期モータ制御装置。
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