JP4906369B2 - 同期モータの制御方法および装置 - Google Patents

同期モータの制御方法および装置 Download PDF

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本発明は、同期モータの制御方法および装置に係り、特に回転子の回転位置を検出する磁極位置センサ無し、または、低分解能な位置センサを用いた時に、同期モータを安定に起動するモータ制御方法および装置に関する。
各種同期モータのうち永久磁石同期モータを例として、磁極位置センサ無しでモータを駆動する場合、起動過程は、(1)位置決めモード、(2)同期運転モード、そして、(3)位置フィードバック運転モードの順に進む。位置決めモード(1)では、特定の相に電流を通電して回転子の位置決めを行い、同期運転モード(2)では、永久磁石同期モータの回転角度位置の情報を用いずに(位置フィードバックを行わず)モータを駆動し、インバータの出力周波数を徐々に高めて、上記の位置決め状態から、ある回転数まで加速する。その後、位置フィードバック運転モード(3)では、磁極位置をセンサ無しで推定した回転角度位置の情報を用いて運転する。以下、このモード(3)を、位置センサレスモードと呼ぶ。
この方法では、任意の目標回転子位置を設定して電流を通電し、回転子の位置決めを行う際に、位置決めモードで目標とする回転子位置と、実際の回転子位置とが真逆にあった場合や、真逆付近の位置にあった場合、回転トルクが作用しない。このため、位置決めができず、そのまま同期運転モードに移行してしまい、制御系で作成している仮想の回転位置を回転させる。仮想の回転位置が、実際の回転子に対してトルクを出せるところまで回転すると、回転子が仮想位置まで逆回転方向から回転する。この回転により、モータに逆起電圧が発生し、電流が流れる。逆起電圧の大きさは回転子の速度に依存し、逆回転方向に負荷トルクが作用していない場合、実際の回転子に回転トルクが発生した時点で逆回転方向に高速で回転し、発生した逆起電圧で過電流に至ることがある。
停止した状態にある永久磁石同期モータを駆動する従来方法として、特許文献1に記載されたものがある。この方法では、磁石モータへの3相電機子巻線への電流経路を任意の1つに固定し、この電機子巻線に流れる電流を0から起動時に加わる最大負荷トルクに対応する電流以上まで徐々に高める。これにより、任意の位置にある回転子を、回転トルクが発生しない位置まで移動させる。これを位置決めモード期間と呼び、負荷トルクの大きさにかかわらず、一旦、所定の位置へ停止させ、その後、低速域での同期運転モードに切り替える。上記仮想の回転子位置と、実際の回転子位置とが真逆(180度)にあり、回転トルクが発生せず、位置決めできないときは、位相を変えた第2の位置決め期間を用意し、改めて、電流目標値に対して電流を0から徐々に増加させることが開示されている。
また、特許文献2には、位置決めモードの直流通電期間におけるスイッチング素子のスイッチング制御を工夫して、半導体スイッチング素子や周辺回路の電力損失および放射ノイズや伝導ノイズを減らすことが開示されている。
特許第2533472号公報 特開2005−218247号公報
上記の従来方法では、位置決めモード状態での仮想の回転子位置と実際の回転子位置とが真逆であるときの対処法について、特許文献2には開示が無いが、特許文献1には、上記したように、位相を変えた第2の位置決め期間を用意するとしている。
しかし、第2の位置決め期間を用意した場合、位置決め期間が長くなるため、運転状態から停止して直ちに起動といった、短時間再起動が難しくなる。
また、直流駆動期間が長くなることにより、インバータを構成する半導体への負担や熱損失が大きくなる。
本発明の目的は、実際の回転子位置に関係なく、短時間再起動特性を実現する同期モータの制御方法および装置を提供することである。
本発明の他の目的は、位置決めモードから同期運転モードへの切り替え後に発生する大きな速度変化を抑制できる同期モータの制御方法および装置を提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、インバータを構成する半導体への負担を軽くし、半導体の温度上昇を抑え、その長寿命化と信頼性の向上を図ることのできる同期モータの制御方法および装置を提供することである。
本発明はその一面において、同期モータの起動時に、その電機子巻線に対して通流径路を固定して通電する位置決めモードと、この位置決めモードの後に、可変電圧・可変周波数の交流を前記電機子巻線に供給する同期運転モードを備えた同期モータの制御において、前記位置決めモード中に、前記通流径路を時間の経過とともに連続的に移動させる位相回転モードを設けたことを特徴とする。
本発明は他の一面において、同期モータの起動時に、その回転子を所定の目標回転角度位置に向かって停止するように、電機子巻線に通電する位置決めモードと、この位置決めモードの後に、可変電圧・可変周波数の交流を前記電機子巻線に供給する同期運転モードを備えた同期モータの制御において、前記位置決めモード中に、前記目標回転角度位置を時間の経過とともに連続的に移動させる位相回転モードを設けたことを特徴とする。
前記電機子巻線に対する通流径路または前記目標回転角度位置の連続的移動は、周波数指令を実質的にゼロに固定したままで、磁界を若干の角度だけ回転させることであり、位置決めモードの終盤、途中、はじめ、あるいは全期間に亘って実行することができる。望ましくは、所定電流値に到達後の位置決めモードの終盤に実行する。
本発明の望ましい実施態様によれば、実際の回転子位置によらず、確実に位置決めをし、同期モータの短時間再起動を可能とすることができる。
また、本発明の望ましい実施態様によれば、同期モータの位置決めモードから同期運転モードへの切り替え後に発生する大きな速度変化を抑制することができる。
さらに、本発明の望ましい実施態様によれば、インバータを構成する半導体スイッチング素子への負担を軽くし、温度上昇を抑え、その長寿命化と信頼性の向上を図ることを可能とする。
本発明によるその他の目的と特徴は、以下に述べる実施例の中で明らかにする。
<座標軸についての定義>
本実施例では、永久磁石同期モータの制御上のdc−qc制御回転座標系での制御を基本としている。すなわち、回転子の磁束方向をd軸、そこから90度進んだq軸からなるd−q実回転座標系に対し、仮想回転子位置dc軸と、そこから90度進んだ位置qc軸とからなる制御上のdc−qc制御回転座標系での制御が基本となる。
なお、これ以降の説明においてdc−qc座標軸を単に制御軸と呼ぶ。また、永久磁石同期モータは、非突極型で、リラクタンストルクの発生はないものとして説明する。
以下、図面を用いて本発明の望ましい実施例による同期モータの制御につき説明する。
<同期モータの制御装置の基本構成>
図1は、本発明の実施例1による同期モータの制御装置の全体制御構成図であり、電動コンプレッサの駆動システムに適用している。モータ制御装置1は、制御部2、電力変換回路3、および電流検出手段4によって構成され、永久磁石同期モータ5へ、可変電圧・可変周波数の交流を供給し、可変速駆動する。
制御部2は、周波数指令値ω*と、d軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値Iq*を入力し、電流検出手段4の出力であるd軸電流検出値Idcおよびq軸電流検出値Iqcを帰還入力して演算を行う。そして、最終的に、永久磁石同期モータ5に供給する3相交流電圧の指令値Vu*'、Vv*'、Vw*'と、推定磁極位置θdc'を出力する。
電力変換回路3は、上記の3相電圧指令値Vu*'、Vv*'、Vw*'通りの電圧を永久磁石同期モータ5に印加する。
電流検出手段4は、モータ5に流れる3相交流電流のうちの2相、例えば、U相およびW相に流れる電流Iu、Iwを検出する電流検出器6aおよび6bと、3φ/dq変換部7から構成される。この3φ/dq変換部7は、電流検出器6a,6bで検出したモータ電流を、制御部2にて演算された推定磁極位置θdc'を用いて3相軸から制御軸へ座標変換し、d軸検出電流Idcおよびq軸検出電流Iqcを求める。
コンプレッサ19は永久磁石同期モータ5により駆動され、圧縮動作を行う。
図2は、本発明で採用する電力変換回路3の一例主回路概要図である。図に示すように、直流電圧源15からの直流電力を、インバータ16、ドライバ回路17によって構成される電力変換回路3によって、可変電圧・可変周波数の交流に変換し、永久磁石同期モータ5へ供給する。インバータ16は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOS FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの半導体素子によって構成される。これら半導体は、U相、V相、W相の正負アームに用いられ、それぞれの正負アームの接続点が永久磁石同期モータ5へ配線されている。インバータ16は、ドライバ回路17が出力するPWMパルス信号18a、18b、18cによってスイッチング駆動される。このスイッチングにより、任意の周波数と電圧の交流電力を永久磁石同期モータ5に印加してモータを駆動する。
図1に戻って、制御部2は、次のような演算処理部から構成されている。まず、電流制御部13は、d軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値Iq*と、d軸電流検出値Idcおよびq軸電流検出値Iqcとの差をそれぞれ求め、これらがゼロになるように、第2の電流指令値Id**およびIq**を調整する。次に、電圧指令値作成部8は、電流指令値Id**およびIq**と周波数指令値ω*とを用いてベクトル演算を行いVd*およびVq*を出力する。また、積分器14は、周波数指令値ω*を用いて磁極位置θdcを演算する。運転モード判定部9は、位置決めモードを判定し、位相回転部10は、d軸およびq軸電圧指令値Vd*およびVq*を用いて、位相を回転させたd軸およびq軸電圧指令値Vd*'およびVq*'を演算するとともに、位置決めモード中に位相を回転させた角度Δθを出力する。dq/3φ変換部11は、Vd*'およびVq*'を制御軸から3相軸へ座標変換して、永久磁石同期モータ5に印加する3相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を出力する。最後に、スイッチング回数低減処理部12は、運転モード判定部9による位置決めモードの判定に応じ、3相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を、後述する位置決めモードの通電時にスイッチング数を低減させた3相電圧指令値Vu*'、Vv*'、Vw*'を出力する。
また、制御部2の多くの処理機能は、マイクロコンピュータやDSP(Digital Signal Processor)などの半導体集積回路による演算制御手段によって構成される。
<同期モータ起動時の動作>
永久磁石同期モータ5を起動する際の基本動作について説明する。
図3は、本発明の実施例1により永久磁石同期モータ5を起動する際の各運転モードの遷移を示した簡略図である。Iはモータ電流を示しており、本実施例1においては、電流制御系があるため、Idc=Id*、Iqc=Iq*である。
したがって、モータ電流Iは、次式にて表される。
Figure 0004906369
この実施例における運転モードは、次の3つである。
(1)位置決めモード:各相のモータ巻線に、徐々に電流を流して永久磁石同期モータ5の回転子をある位置に固定する。
(2)同期運転モード:d軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値Iq*と周波数指令ω*に従って永久磁石同期モータ5に印加する電圧を決定する。
(3)位置センサレスモード:磁極位置の推定値による回転角度位置の情報を用いて運転する。
さらに、(1)位置決めモードを、本発明により、次の2つのモードに分けている。
(11)初期位置決めモード:上位コントローラなどの他から与えられるq軸電流指令値Iq*をゼロとし、d軸電流指令値Id*により任意の相のモータ巻線に、徐々に電流を流し、ある目標値まで徐々に増加させる。
(12)位相回転モード:電流値がある目標値に達すると一定値のままとし、電流経路を徐々に変化させる。
位相回転モードでの電流経路の変化は、後述するPWMパルス信号に応じてスイッチング動作を行い、任意の相に電流を通電している状態で、スイッチング時間を変化させることによって実行する。なお、位置決めモードでは、永久磁石同期モータ5に直流を流すために、上位コントローラなどの他から与えられる周波数指令値ω*は、実質的にゼロとなっている。
位置決めモードが終了後、同期運転モードへ遷移する。同期運転モードでは、d軸電流指令値Id*を一定値のままとし(この起動方法を「Id起動」と呼ぶ)、周波数指令値ω*を増加させる。これにより、永久磁石同期モータ5は、周波数指令値ω*に追従して加速する。
位置センサレスが可能な周波数になった時点で、位置センサレスモードへ遷移する。
<位相回転位置決めの必要性>
図4は、本発明の実施例1において、初期位置決めモードでの巻線電流の電流経路と、目標とする最終移動位置に収斂できた回転子位置を示す説明図であり、U相巻線軸より反対側の位置が、θ=0度である。
図5は、本発明の実施例1において、初期位置決めモードでの回転子位置と制御軸のなす角度を横軸に、モータの出力トルクTmを縦軸に示した図で、回転子を時計方向に回転させるトルクの方向を正方向として図示している。
図6は、本発明の実施例1において、初期位置決めモード期間における各相の電流を示す図である。U,VおよびW相の電流を、図6のように流せば、電機子巻線による磁束方向は、θ=0度であり、制御軸は、U相巻線軸の反対側(180度)の位置となる。モータトルクTmは、図5に示すように、巻線電流の増加とともに増大し、θ=0度ではモータトルクはゼロとなり、巻線電流の大きさに関係なく、一旦回転した回転子は、θ=0度の近傍で停止する。
図7は、本発明の実施例1において、初期位置決めモードでの巻線電流の電流経路と実際の回転子位置の説明図で、回転子が、θ=180度の位置で停止していた場合を示している。図5に示すように、θ=180度の位置では、電流が目標値まで増加しても、モータトルクはゼロであり、θ=0度の位置へ、回転子を位置決めすることはできない。この状態で、同期運転モードに遷移した場合、実際の回転子に対して、制御軸がトルクを出せるところまで回転すると、実際の回転子が仮想の回転位置に逆回転側に引き込まれ、回転速度が異常に高速になり、逆起電圧が生じ過電流に至る場合がある。
上記図4〜7の結果を踏まえると、特定位相のみで位置決めを行った場合、回転子位置と制御軸のなす角度が180度付近で、位置決めできないデッドポイントが必ず存在することを理解できる。この問題を解決するために、特許文献1に開示されたように、複数回の異なる位相での位置決めモードを実行すれば良いが、短時間起動をする点で不利となり、また、インバータを構成する半導体素子への負担や熱損失が大きくなる。
そこで、本発明では、位相回転モードを追加し、1回の位置決めモードで位置決めのできないデッドポイントをカバーし、速やかで確実な位置決めを実現する。
<位相回転位置決めモード>
次に、本発明の特徴である位相回転位置決めモードについて説明する。
図8は、本発明の実施例1において、図3の(11)および図4に示す初期位置決めモードの後の、図3の(12)に示す位相回転モードでの巻線電流と、実際の回転子最終移動位置を示す説明図である。
図9は、本発明の実施例1における位相回転モードでの、回転子位置とU相巻線軸より反対側の位置(θ=0度)とのなす角度を横軸に、モータの出力トルクをTmを縦軸に示した関係図である。
図10は、本発明の実施例1における位相回転モードを含めた位置決めモードでの各相の電流の時間変化を示す説明図である。
位相回転モードによって、図8,10に示すように、W相電流を増加させ、U相電流を減少させ、V相電流を急激に減少させることによって、図8の位相回転矢印で示す方向に制御軸を回転させる。これによって、モータトルクは、図9の位相回転矢印で示す方向にシフトし、回転子がデッドポイント付近の位置に停止していたとしても、斜線部分で示すモータトルクが発生するようになり、位置決めを可能とすることができる。
<通流径路を固定した通電方法>
以上に原理説明を行った本発明の実施例1における位置決めモードの電流通電方法としては、半導体スイッチング回数を低減する方法を採用している。
まず、比較のため、半導体スイッチング回数を低減しない一般的なインバータの通電方法について説明する。
図11は、半導体スイッチング回数を低減しない通電方法のPWMパルス波形ならびにインバータ各相の半導体スイッチング状況説明図である。
ここで注目すべき点は、全ての半導体スイッチが、全期間に亘ってオン、オフ制御されていることと、正負の直流入力端子Tp、Tnを基準とした永久磁石同期モータ5の中性点Npの電位変動幅が、直流電圧源電圧Edに等しく大きいことである。スイッチング波形から明らかなように、三相全部の正側及び負側の半導体スイッチが同時にオンあるいは同時にオフする期間が存在する。したがって、負極側端子Tnを基準とした永久磁石同期モータ5の中性点Npの電位は、直流電圧源電圧Edに等しい0〜Edで変動する。ここで、直流入力端子と永久磁石同期モータ5の中性点Npは、大地との間で浮遊容量にて接続されているため、永久磁石同期モータ5の中性点の電位が変動すると、放射ノイズや伝導ノイズの発信源となる。このため、半導体スイッチ及び周辺回路の電力損失を増大させ効率を低下させ、また、永久磁石同期モータ5の中性点Npの急峻な電位変化により、伝導ノイズ及び放射ノイズの発信源となり、周辺回路の誤動作、上位との通信不通の発生を招く恐れがある。
図12は、本発明の実施例1において、位置決めモードの電流通電方法として半導体スイッチング回数を低減する方法を採用したときのPWMパルス波形ならびにインバータ各相の半導体スイッチング状況を示した説明図である。図12において、PWMキャリアの谷周期で、半導体スイッチパターン(1)と(2)とを切り替えながら交互に繰返すことでスイッチング回数を低減する。ここでは、U相の半導体スイッチのスイッチングがゼロとなるのに加え、V相及びW相の半導体スイッチのスイッチング回数も半減させている。もちろん、V相又はW相のいずれか1相の負アーム半導体スイッチをPWM谷周期でオン固定とするため、オン固定とした相の不足電圧分を補うための加算処理をスイッチング回数低減処理内で行っている。
図13は、本発明の実施例1における位置決めモードでの半導体スイッチパターンを示す回路説明図である。図13において、U相とW相の負アーム半導体スイッチがオン固定となるパターン(1)と、U相とV相の負アーム半導体スイッチがオン固定となるパターン(2)があり、パターン(1)及び(2)は、PWM谷周期で切り替わる。この通電方法では、1相の半導体スイッチのオン、オフ状態を固定した状態で、他の2相の半導体スイッチをオン、オフ制御するものとしたが、2相の半導体スイッチのオン、オフ状態を固定し、他の1相の半導体スイッチをオン、オフ制御することもできる。
これにより、半導体スイッチのスイッチング回数及び永久磁石同期モータ5の中性点電位変動幅を半導体スイッチング回数を低減しない場合の1/3まで大幅に低減できる。この結果、半導体スイッチ及び周辺回路の電力損失ならびに放射ノイズ、伝導ノイズを大幅に軽減できる。また、2個の異なるスイッチパターンを切り替えることにより、特定の半導体スイッチのスイッチング回数の増大に伴う負担を軽減し、半導体スイッチの温度上昇を抑え、その長寿命化と信頼性の向上を図ることができる。
また、上記方法の他、以下に示すような方法においても半導体スイッチのスイッチング回数を低減することができる。
図14は、本発明の実施例1において、位置決めモードの電流通電方法として半導体スイッチング回数を低減する第2の方法を採用したときのPWMパルス波形ならびにインバータ各相の半導体スイッチング状況を示した説明図である。
図15は、図14におけるPWMパルス波形ならびにインバータ各相の半導体スイッチパターンを示す回路説明図である。
これらの図に示すように、位置決めモード期間に、1相の半導体スイッチのオン、オフ状態を固定し、他の2相の半導体スイッチをそれぞれオン、オフ制御する。特に、他の2相の2個の正極側半導体スイッチと、2個の負極側半導体スイッチをそれぞれ対として同時にオン、オフ制御する。
これにより、インバータのスイッチング回数及び永久磁石同期モータ5の中性点電位変動幅を半導体スイッチング回数を低減しない場合の2/3まで低減できる。その結果、半導体スイッチ及び周辺回路の電力損失ならびに放射ノイズ・伝導ノイズを軽減できる。
<位相回転モード>
図16および図17は、本発明の実施例1における第1および第2の位相回転モードでのPWMパルスによるインバータ各相の半導体スイッチング状況を示した説明図である。それぞれ、V相およびW相の電圧指令値を変化させることによって、図16,17に示すように、半導体スイッチング時間を変化させる。これによって、前述した半導体スイッチのスイッチング回数を低減する(1)と(2)の2種類の通電方法において、位相回転モードを実現することが可能となる。これらの例では、図8,10で示したように、V相電流を減少させ、W相電流を増大させている。このとき、全体で流れるモータ電流は一定となるように、V相とW相の半導体スイッチングの比率のみを変化させる。
もちろん、半導体スイッチのスイッチング回数を低減しない通電方法においても、U相〜W相の電圧指令を変化させスイッチング時間を変化させることで実現できる。
また、ある特定相の電流の正または負のピークを跨ぐように位相を回転することで、他の2相に対してインバータを構成する半導体への負担や熱損失を均一化することができる。一般的に、インバータを構成するIGBTと還流ダイオードにおいて、還流ダイオードの耐熱性はIGBTより低くなり、位置決めモードのように一定の直流駆動期間を有する場合、還流ダイオードの熱容量が問題となる。
図18は、本発明の実施例1における位相回転モードでの、回転子位置がθ=0度となす角度に対するモータ電流と、各相の電流の時間変化を示す説明図である。図に示すように、U相の負の(マイナス)ピーク位相を中心として、左右対称に位相θだけ回転させれば、V相、W相の還流ダイオードへの負担は均一となり、最適設計をすることが可能となる。例えば、回転子を停止させる目標位置を、−15°〜+15°の間で移動させれば、回転子が180度のデッドポイントに位置する場合でも、回転子から見て等価的に、−165°〜+165°の間に目標回転角度位置が存在することになる。したがって、デッドポイントにある回転子を回転させ、速やかな位置決めを実現することができる。
さて、図1に戻って、コンプレッサ19の圧縮動作途中で同期モータ5を停止し、すぐに、同期モータを起動する必要がある場合、コンプレッサ19からモータへ負荷が加わった状態となっている。この場合、前述したデッドポイントは、負荷の全く無い状態と比較して広くなる。そこで、位置決めモードにおいて、本実施例1の位相回転を行うことにより、デッドポイントをカバーすることができ、確実に短時間再起動を行うことができる。
以上の実施例1では、まず、同期モータ5の回転子を目標回転角度位置まで回転させ停止させるように、電機子巻線に対して通流径路を固定して通電する位置決めモードを有する。いわゆる、直流通電による位置決めモードである。前提として、この位置決めモードの後に、可変電圧・可変周波数の交流を同期モータの電機子巻線に供給する同期運転モードを備えている。ここで、位置決めモード中に、目標回転角度位置または電機子巻線に対する電流通流径路を時間の経過とともに連続的に移動させる位相回転モードを設けている。すなわち、目標回転角度位置または電機子巻線に対する電流通流径路を移動させることによって、周波数指令ω*を実質的にゼロに固定したままで、磁界を若干回転させるのである。具体的には、初期位置決めモードの後半に電流指令値が目標値に達した後、この実施例の場合には、電圧指令値Vd*,Vq*を変化させてVd*’,Vq*’を作り、インバータの半導体スイッチング時間を変化させ、位相回転モードを実現している。この位相回転モードにより、初期位置決めモードにて発生する位置決めのできないデッドポイントをカバーできる。
このようにして、実際の回転子がどの位置にあっても確実に位置決めを行い、短時間再起動を可能にする。
次に、本発明による同期モータ制御方法および装置の実施例2について以下説明する。実施例1と異なる点は、位相回転モードにおいて、モータ電流を一定とせず増加または減少させ、同期運転モードに遷移する点である。
本実施例2における装置の構成は実施例1と同じであり、図1および図2に示した通りであり、構成の説明は省略する。また、位置決めモードにおける通電方法、位相回転方法も、実施例1と同じであるため、説明は省略する。
図19は、本発明の実施例2により、モータ電流を増加させながら位相回転させる際の各運転モードの遷移を示した簡略図である。同期モータ5の運転モードは、実施例1と同じく(1)位置決めモードと、(2)同期運転モードと、(3)位置センサレスモードの3つがある。また、(1)位置決めモードに、(11)初期位置決めモードと、(12)位相回転モードがあることも同じであるが、位相回転モードにおいて、電流を時間とともに増加させるようにしたことだけが異なっている。
さて、初期位置決めモード(11)では、実施例1と同じく、上位コントローラなどの他から与えられるq軸電流指令値Iq*をゼロとし、d軸電流指令値Id*により任意の相のモータ巻線に、徐々に電流を流し、ある目標値まで徐々に増加させる。次に、電流値がある目標値に達すると、目標値から電流を増加しつつ、電流経路を徐々に変化させる位相回転モード(12)に入る。位置決めモードでは、永久磁石同期モータ5に直流を流すために上位コントローラなどの他から与えられる周波数指令値ω*は、実質的にゼロとなっている。
位置決めモードの終了後、同期運転モード(2)へ遷移する。同期運転モードでは、d軸電流指令値Id*を一定値のままとし、周波数指令値ω*を増加させる。これにより、永久磁石同期モータ5は、周波数指令値ω*に追従して加速する。
位置センサレスが可能になる周波数になった時点で、位置センサレスモード(3)へ遷移する。
本実施例2では、初期位置決めモード実施後の位相回転モードにおいて、モータ電流Iを徐々に増加させている。位相回転モード中に電流を増加させることで、初期位置決めモードにて位置決めできないデッドポイント付近に停止していた場合にも、速やかにモータトルクを発生させ、位相回転モードの時間を短縮できる。このようにして、より早く、確実な、短時間再起動を可能にする。
本発明の実施例3による同期モータ制御方法および装置を説明する。実施例1、2と異なる点は、初期位置決めモードと位相回転モードを同時に行い、同期運転モードに遷移する点である。
本実施例の構成は実施例1と同じで図1および図2で示され、構成の説明は省略する。また、位置決めモードにおける通電方法、位相回転方法も実施例1と同じであるため、説明は省略する。
図20は、本発明の実施例3による同期モータの制御方法および装置を説明する各運転モードの遷移を示した簡略図である。運転モードは、実施例1と同じく(1)位置決めモードと、(2)同期運転モードと、(3)位置センサレスモードの3つである。
位置決めモード(1)では、初期位置決めモード(11)と、電流経路を徐々に変化させる位相回転モード(12)を同時に行う。
位置決めモードの終了後、同期運転モードへ遷移する。同期運転モードでは、d軸電流指令値Id*を一定値のままとし、周波数指令値ω*を増加させる。これにより、永久磁石同期モータ5は周波数指令値ω*に追従して加速する。
位置センサレスが可能になる周波数になった時点で、位置センサレスモードへ遷移する。
本実施例3では、初期位置決めモードと位相回転モードを同時に行うため、従来の初期位置決めモードではモータトルクを発生させ得なかったデッドポイント付近に対して、より早くモータトルクが働くようになる。したがって、位相回転モード時間を短縮できる。このようにして、より早く、確実な短時間再起動を可能にする。
図21は、本発明の実施例4による同期モータ制御装置の全体構成図であり、電動コンプレッサの駆動システムに適用している。実施例1〜3と異なる点は、制御部2において、電圧指定値作成部8の出力であるd軸、q軸電圧指定値Vd*、Vq*に対して位相回転処理を行うのではなく、d軸、q軸電流指令値Id*、Iq*に対して位相回転処理を行う点である。したがって、実施例1と同じ機能や構成を有するものには同じ符号を付してその説明は省略する。
制御部2は、運転モード判定部9により位置決めモードを判定し、位相回転部10にてd軸およびq軸電流指令値Id*、Iq*の位相を回転させたId*'およびIq*'を作成している点が実施例1と異なっている。そして、これら位相回転後のd軸およびq軸電流指令値Id*'、Iq*'と、電流検出値Idc、Iqcとの差をそれぞれ求め、電流制御部13にて、これらがゼロになるように、第2の電流指令値Id**、Iq**を調整する。
積分器14により、周波数指令値ω*を用いて磁極位置θdcを演算し、位置決めモード中には、位相を回転させた角度Δθを用いて推定磁極位置θdc'を出力する。
電圧指令値作成部8は、Id**およびIq**と周波数指令値ω*とを用いてベクトル演算を行いVd*およびVq*を出力し、最終的にdq/3φ変換部11にて3相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を出力する。また、位置決めモードではスイッチング回数低減処理部12によりスイッチングを低減させた3相電圧指令値Vu*'、Vv*'、Vw*'を出力する。
d軸およびq軸電流指令値Id*、Iq*に位相回転処理を行う場合は、位相回転時に時間の経過とともにId*、Iq*の割合を変化させ、Id*'、Iq*'とすることで可能となる。このような構成においても、実施例1〜3と同等の効果を得ることが可能である。
本発明の実施例1〜3による同期モータの制御装置の全体制御構成図。 本発明で採用する電力変換回路3の一例主回路概要図。 本発明の実施例1により同期モータ起動時の各運転モードの遷移簡略図。 本発明の実施例1において、初期位置決めモードでの巻線電流の電流経路と、目標とする最終移動位置に収斂できた回転子位置を示す説明図。 本発明の実施例1において、初期位置決めモードでの回転子位置と制御軸のなす角度を横軸に、モータの出力トルクTmを縦軸に示した説明図。 本発明の実施例1における初期位置決めモードでの各相の電流値を示す図。 本発明の実施例1において、初期位置決めモードでの各巻線電流の大きさと、位置決めできない回転子位置の説明図。 本発明の実施例1による位相回転モードでの各巻線電流の大きさと、回転子の初期位置および移動後の最終位置を示す説明図。 本発明の実施例1による位相回転モードによって、回転子位置に対するモータトルクを変化させた状況を説明する関係図。 本発明の実施例1における位相回転モードを含めた位置決めモードでの各相の電流の時間変化を示す説明図。 半導体スイッチング回数を低減しない通電方法のPWMパルス波形ならびにインバータ各相の半導体スイッチング状況説明図。 本発明の実施例1による位置決めモードの第1の電流通電時のPWMパルス波形とインバータ各相の半導体スイッチング状況を示した説明図。 本発明の実施例1における位置決めモードでの半導体スイッチパターンを示す回路説明図。 本発明の実施例1による位置決めモードの第2の電流通電時のPWMパルス波形とインバータ各相の半導体スイッチング状況を示した説明図。 図14におけるPWMパルス波形ならびにインバータ各相の半導体スイッチパターンを示す回路説明図。 本発明の実施例1における第1の位相回転モードでのPWMパルスによるインバータ各相の半導体スイッチング状況を示した説明図。 本発明の実施例1における第2の位相回転モードでのPWMパルスによるインバータ各相の半導体スイッチング状況を示した説明図。 本発明の実施例1における位相回転モードでの、回転子位置がθ=0度となす角度に対するモータ電流と、各相の電流の時間変化を示す説明図。 本発明の実施例2による同期モータ起動時の運転モード遷移簡略図。 本発明の実施例3による同期モータ起動時の運転モード遷移簡略図。 本発明の実施例4による同期モータ制御装置の全体構成図。
符号の説明
1…モータ制御装置、2…制御部、3…電力変換回路、4…電流検出手段、5…永久磁石同期モータ、6a,6b…電流検出器、7…3φ/dq変換部、8…電圧指令値作成部、9…運転モード判定部、10…位相回転部、11…dq/3φ変換部、12…スイッチング回数低減処理部、13…電流制御部、14…積分器、15…直流電圧源、16…インバータ、17…ドライバ回路、18a〜18c…IGBT駆動信号、19…コンプレッサ、Idc,Iqc…d,q軸電流検出値、Id*,Iq*…d,q軸電流指令値、Id**,Iq**…第2のd,q軸電流指令値、Iu〜Iw…U〜W相電流検出値、Vd*,Vq*…d,q軸電圧指令値、Vu*〜Vw*…U〜W相電圧指令値、ω*…周波数指令、θdc…磁極位置、θdc'…推定磁極位置、Δθ…位置決めモード中に位相を回転させた角度。

Claims (22)

  1. 同期モータの起動時に、その電機子巻線に対して通流径路を固定して通電する位置決めモードと、この位置決めモードの後に、可変電圧・可変周波数の交流を前記電機子巻線に供給する同期運転モードを備えた同期モータの制御方法において、前記位置決めモード中に、電流を徐々に増加させていき、所定の目標値までは通流経路を固定し、電流が前記所定の目標値に達した後、前記通流径路を時間の経過とともに連続的に移動させる位相回転モードに移行させることを特徴とする同期モータの制御方法。
  2. 同期モータの起動時に、その回転子を所定の目標回転角度位置に向かって停止するように、電機子巻線に通電する位置決めモードと、この位置決めモードの後に、可変電圧・可変周波数の交流を前記電機子巻線に供給する同期運転モードを備えた同期モータの制御方法において、前記位置決めモード中に、電流を徐々に増加させていき、所定の目標値までは通流経路を固定し、電流が前記所定の目標値に達した後、前記目標回転角度位置を時間の経過とともに連続的に移動させる位相回転モードに移行させることを特徴とする同期モータの制御方法。
  3. 請求項1または2において、前記位置決めモード中に、前記電機子巻線に流れる電流を所定値まで増加させる初期位置決めモードと、その後、電流を前記所定値付近に保ちながら、前記電機子巻線内の電流径路または前記目標回転角度位置を時間の経過とともに連続的に変化させる位相回転モードを設けたことを特徴とする同期モータの制御方法。
  4. 請求項1または2において、前記位相回転モード中に、前記電機子巻線に流れる電流を増加させることを特徴とする同期モータの制御方法。
  5. 請求項1〜のいずれかにおいて、3相の正負アームに半導体スイッチを有し、前記同期モータの前記電機子巻線に給電する3相電力変換回路を備え、前記位置決めモード中に、前記電力変換回路内の1相(又は2相)の前記半導体スイッチのオン/オフ状態を固定し、他の2相(又は1相)の前記半導体スイッチをオン/オフ制御することを特徴とする同期モータの制御方法。
  6. 請求項1〜のいずれかにおいて、3相の正負アームに半導体スイッチを有するとともに、前記同期モータの前記電機子巻線に給電する3相電力変換回路を備え、前記位置決めモード中に、前記電力変換回路内の1相の負(又は正)アームの半導体スイッチをオンに固定した状態で、他の2相の負(又は正)アームの半導体スイッチを同時にオンする期間を含むように前記半導体スイッチをオン/オフ制御することを特徴とする同期モータの制御方法。
  7. 請求項1〜のいずれかにおいて、3相の正負アームに半導体スイッチを有するとともに、前記同期モータの前記電機子巻線に給電する3相電力変換回路を備え、前記位置決めモード中に、電力変換回路内の第1、2相の負(又は正)アームの半導体スイッチをオン状態に固定する第1のスイッチパターンと、第1,3相の負(又は正)アームの半導体スイッチをオン固定とする第2のスイッチパターンとの組み合わせで、前記半導体スイッチをオン/オフ制御することを特徴とする同期モータの制御方法。
  8. 請求項1〜のいずれかにおいて、低分解能回転位置センサーを用いて位置フィードバックを行うことを特徴とする同期モータの制御方法。
  9. 請求項1〜のいずれかにおいて、前記電機子の1相の正または負のピーク電流位相を跨ぐように、前記目標回転角度位置または前記電機子内の電流流通径路を時間の経過とともに連続的に移動させる位相回転モードを設けたことを特徴とする同期モータの制御方法。
  10. 同期モータに可変電圧・可変周波数の交流を供給する電力変換回路と、前記同期モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、周波数指令値,電流指令値,および前記電流検出手段の出力を入力し、前記電力変換回路を制御する制御手段と、この制御手段内に設けられ、前記同期モータの起動時に、その電機子巻線に対して通流径路を固定して前記電力変換回路から通電させる位置決め制御部と、この位置決めの後に、前記電力変換回路から可変電圧・可変周波数の交流を前記電機子巻線に供給させる同期運転制御部を備えた同期モータの制御装置において、前記位置決め制御部は、前記通流径路を、時間の経過とともに移動させる位相回転制御部を備えており、
    前記位置決め制御部は、所定の目標値までは電機子巻線に対して通流経路を固定して、電流を徐々に増加させていき、電流が前記所定の目標値に達した後、前記位相回転制御部により、前記通流径路を時間の経過とともに移動させることを特徴とする同期モータの制御装置。
  11. 同期モータに可変電圧・可変周波数の交流を供給する電力変換回路と、前記同期モータに流れる電流を検出する電流検出手段と、周波数指令値,電流指令値,および前記電流検出手段の出力を入力し、前記電力変換回路を制御する制御手段と、この制御手段内に設けられ、前記同期モータの起動時に、その回転子を所定の目標回転角度位置まで回転させ停止させるように、前記同期モータの電機子巻線に対して前記電力変換回路から通電させる位置決め制御部と、この位置決めの後に、前記電力変換回路から可変電圧・可変周波数の交流を前記電機子巻線に供給させる同期運転制御部を備えた同期モータの制御装置において、前記位置決め制御部は、前記目標回転角度位置を、時間の経過にともなって移動させる位相回転制御部を備えており、
    前記位置決め制御部は、所定の目標値までは電機子巻線に対して通流経路を固定して、電流を徐々に増加させていき、電流が前記所定の目標値に達した後、前記位相回転制御部により、前記通流径路を時間の経過とともに移動させることを特徴とする同期モータの制御装置。
  12. 請求項10または11において、前記位置決め制御部は、前記電機子巻線に流れる電流を所定値まで増加させる初期位置決め制御部と、その後、電流を前記所定値付近に保ちながら、前記電機子巻線内の電流径路または前記目標回転角度位置を時間の経過とともに連続的に変化させる位相回転制御部を備えたことを特徴とする同期モータの制御装置。
  13. 請求項10〜12のいずれかにおいて、前記位相回転制御部を、前記制御手段に入力する前記周波数指令が実質的にゼロに固定されたままで、前記電機子巻線内の電流径路または前記目標回転角度位置を時間の経過とともに連続的に変化させるように構成したことを特徴とする同期モータの制御装置。
  14. 請求項10〜13のいずれかにおいて、前記位相回転制御部は、前記電機子巻線に流れる電流を増加させることを特徴とする同期モータの制御装置。
  15. 請求項10〜14のいずれかにおいて、前記電力変換回路は、3相の正負アームに半導体スイッチを備え、前記位置決め制御部は、前記電力変換回路内の1相(又は2相)の前記半導体スイッチのオン/オフ状態を固定し、他の2相(又は1相)の前記半導体スイッチをオン/オフ制御する位相回転制御部を備えたことを特徴とする同期モータの制御装置。
  16. 請求項10〜14のいずれかにおいて、前記電力変換回路は、3相の正負アームに半導体スイッチを備え、前記位置決め制御部は、前記電力変換回路内の1相の負(又は正)アームの半導体スイッチをオンに固定した状態で、他の2相の負(又は正)アームの半導体スイッチを同時にオンする期間を含むように前記半導体スイッチをオン/オフ制御する位相回転制御部を備えたことを特徴とする同期モータの制御装置。
  17. 請求項10〜14のいずれかにおいて、前記電力変換回路は、3相の正負アームに半導体スイッチを備え、前記位置決め制御部は、前記電力変換回路内の第1、2相の負(又は正)アームの半導体スイッチをオン状態に固定する第1のスイッチパターンと、第1,3相の負(又は正)アームの半導体スイッチをオン固定とする第2のスイッチパターンとの組み合わせで、前記半導体スイッチをオン/オフ制御することを特徴とする同期モータの制御装置。
  18. 請求項10〜17のいずれかにおいて、低分解能回転位置センサーを備え、前記制御手段は、前期低分解能回転位置センサーの出力を用いた位置フィードバック制御部を備えたことを特徴とする同期モータの制御装置。
  19. 請求項10〜18のいずれかにおいて、前記位置決め制御部は、前記電機子の1相の正または負のピーク電流位相を跨ぐように、前記目標回転角度位置または前記電機子内の電流流通径路を時間の経過とともに連続的に移動させる位相回転制御部を備えたことを特徴とする同期モータの制御装置。
  20. 請求項10〜19のいずれかにおいて、前記位相回転制御部は、前記制御手段内の電圧制御系の電圧指令値を操作し、前記目標回転角度位置または前記電機子内の電流流通径路を時間の経過とともに連続的に移動させる位相回転部を備えたことを特徴とする同期モータの制御装置。
  21. 請求項10〜20のいずれかにおいて、前記位相回転制御部は、前記制御手段内の電流制御系の電流指令値を操作し、前記目標回転角度位置または前記電機子内の電流流通径路を時間の経過とともに連続的に移動させる位相回転部を備えたことを特徴とする同期モータの制御装置。
  22. 請求項10〜21のいずれかにおける前記同期モータの制御装置と、この制御装置によって制御される同期モータを回転駆動源として駆動される電動コンプレッサ。
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