JP7419576B2 - トンネル内消火栓装置 - Google Patents
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Description
本発明は、トンネル内の監視員通路の路面の下部と上部に昇降自在に設置されたホース収納部を備えたトンネル内消火栓装置であって、
消火用水の給排水により昇降駆動され、ホース収納部を、消火用水の排水時に監視員通路の路面の下部に下降して保持し、消火用水の供給時に監視員通路の路面の上部に上昇して保持する昇降機構と、
監視員通路の道路に面した前壁に設けられた壁面開口を開閉自在に設置され、開放時に、監視員通路の路面の下部に下降した状態のホース収納部から壁面開口を介してホースを道路側に引き出し可能にする消火栓扉と、
監視員通路の道路に面した前壁の内部に設置され、消火栓扉の開放時に道路側から操作可能な給水栓と、
を備え、
ホース収納部は、
監視員通路の路面上に上昇して前面開口が露出した場合、当該前面開口からホースを道路側に引き出し可能であることを特徴とする。
本発明は、トンネル内の監視員通路の路面の下部と上部に昇降自在に設置され、ホースを引き出し自在に収納したホース収納部を備えたトンネル内消火栓装置であって、ホース収納部を、消火用水の排水時に監視員通路の路面の下部に下降して保持し、消火用水の供給時に監視員通路の路面の上部に上昇して保持される昇降機構と、監視員通路の道路に面した前壁に設けられた壁面開口を開閉自在に設置され、開放時に、監視員通路の路面の下部に下降した状態のホース収納部から壁面開口を介してホースを道路側に引き出し可能にする消火栓扉と、監視員通路の道路に面した前壁の内部に設置され、消火栓扉の開放時に道路側から操作可能な給水栓を備え、ホース収納部は、監視員通路の路面上に上昇して前面開口が露出した場合、当該前面開口からホースを道路側に引き出し可能であるため、トンネル内で火災を伴う車両事故の発生時には、所定のスイッチ操作を行うと、監視員通路内に収納されているホース収納部が昇降機構により押し上げられて監視員通路の路面上に露出し、消火栓扉の開放操作を必要とすることなく、監視員通路上に露出したホース収納部から簡単且つ容易にノズル付きホースを引き出して消火を行うことができる。
また、ホースは、トンネルの床版下に位置する管理用通路内に設置された放水制御機構によって消火用水の供給を制御され、ホース収納部は、管理用通路内に設置され、監視員通路の路面の下部に設置された昇降機構への消火用水の供給を制御する昇降制御機構によって昇降を制御されるようにしたため、スペース的に制約のある監視員通路の内部空間に昇降制御機構と放水制御機構を設ける必要がなくなり、設備工事や点検を容易に行うことを可能とする。
また、ホース収納部は、トンネルの道路側から見て前面及び背面が開口し、昇降機構により消火栓昇降口の上部に上昇して保持された状態で、前面及び背面の両方からホースの引き出しが可能であるため、道路側からも監視員通路からも簡単且つ容易にノズル付きホースを引き出して消火を行うことができる。
また、ホース収納部は、監視員通路の路面側の上面に路面板が配置され、路面板は、消火栓昇降口の開口よりも大きく、通常時に当該開口を覆うように閉鎖するため、監視員通路内にホース収納部を収納して消火栓昇降口を閉鎖した場合、筐体上面の路面板が消火栓昇降口を確実に閉鎖し、また、路面板が消火栓昇降口の周囲を超えて位置することで、路面板の上に人が乗っても確実に支えることができ、点検時や避難時に監視員通路の通行を妨げることがない。
また、ホースは、放水制御機構と連結ホースを用いて接続するようにしたため、固定設置された放水制御機構に対しホース収納部を昇降自在に分離配置していても、ホース収納部の動きに影響されることなく、放水制御機構から消火用水をホース収納部のホースに供給して放水させることができる。
また、ホースと連結ホースとの接続及び放水制御機構と連結ホースとの接続の少なくとも何れか一方は、フレキシブルジョイントが用いられるようにしたため、固定設置された放水制御機構に対しホース収納部を昇降自在に分離配置していても、ホース収納部の動きに影響されることなく、放水制御機構から消火用水をホース収納部のホースに供給して放水させることができる。
また、ホースは、放水制御機構に備わる、消火栓弁を開閉操作する操作スイッチ又は操作レバーの操作により消火用水の供給が制御されるようにしたため、ホース収納部を監視員通路上に露出させる操作後に、ノズル付きホースを引き出し、操作スイッチ又は操作レバーを操作して消火栓弁を開いて放水を開始できる。
また、ホース収納部は、昇降機構に備わる1又は複数の水圧アクチュエータに消火用水が供給されて上昇し、当該水圧アクチュエータから消火用水が排水されて下降し、昇降機構は、水圧アクチュエータに対する消火用水の供給を制御する制御弁と、水圧アクチュエータから消火用水を排水させる排水弁と、制御弁の開制御により水圧アクチュエータに消火用水を供給してホース収納部を上昇させると共に、制御弁の閉制御により排水弁の開操作で水圧アクチュエータから消火用水を排水させてホース収納部の下降を可能とする昇降操作スイッチとを備えるようにしたため、消火栓設備に供給されている消火用水の水圧を利用した水圧アクチュエータの作動により、監視員通路の内部に収納しているホース収納部を路面の消火栓昇降口から押し上げて路面上に露出させることができ、昇降機構の駆動源を新たに設ける必要がなく、設備構成が簡単となり、設備コストの低減を可能とする。
また、ホース収納部は、消火器を前面及び背面の両方から取出し自在に収納した消火器収納部を一体に備えるようにしたため、トンネル内で火災を伴う車両事故の発生時には、所定のスイッチ操作を行うと、監視員通路内に収納されている消火器収納部がホース収納部と共に昇降機構により押し上げられて監視員通路の路面上に露出し、消火器扉の開放操作を必要とすることなく、監視員通路上に露出した消火器収納部から簡単且つ容易に取り出して消火を行うことができる。更に、道路側からも監視員通路からも簡単且つ容易に消火器を取り出して消火を行うことができる。
また、ホース収納部は、発信機の操作により昇降機構が作動して上昇するようにしたため、通報装置パネルに設けられた発信機の操作により火災通報を行うと、これに連動して昇降機構によりホース収納部が上昇されて監視員通路の路面上に露出させることができ、速やかにノズル付きのホースを引き出して消火作業を行うことが可能となる。
また、ホース収納部は、昇降機構の動作による上昇時に、音響警報を鳴動するようにしたため、昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路の路面上に押し上げる場合に、その周囲にいる人に注意を喚起することができる。
また、電線管等が全て管理用通路に配置される場合、監視員通路下部のダクトがなく、コンクリートで埋められることとなる。この場合において、ホース収納部は、監視員通路の路面から路肩を介して前壁に至る部分に刳り貫き形成された箱抜き部に収納されるようにしたため、監視員通路にホース収納部及び昇降機構を収納するための空間が作り易く、また、前方の道路側からホース収納部及び昇降機構が組み込めるので、施工が容易になる。
図1は自動車専用道路のトンネル内に設置した消火栓設備を示した説明図である。図1に示すように、シールド工法により構築されたトンネル10内には円筒形のトンネル壁面12により覆われた床版18により仕切られることで道路15が設けられており、この例にあっては、道路15は1方向2車線としている。
図2はトンネル内消火栓設備を道路側から示した説明図、図4はトンネル内消火栓設備の内部構造を路面側から見た断面で示した説明図、図5はトンネル内消火栓設備の内部構造を側面から見た断面で示した説明図である。
図2に示すように、消火栓設備16の主要部分は、手摺り40を設けた監視員通路14の床面下の内部空間に設置されており、消火栓設備16の設置場所となる監視員通路14の道路に面した前壁14aの上部に消火栓扉26と操作ボックス35を備えた通報装置パネル28を設置しており、消火栓扉26と通報装置パネル28は、図4に示すように、前壁14aに埋込設置された操作ボックス35の前面に取付けられている。
図3及び図4に示すように、監視員通路14の消火栓設備16の設置場所対応した路面には、矩形の消火栓昇降口42が開口されており、消火栓昇降口42の開口縁の上部には段部42aが形成されている。
図5は監視員通路内に設置した制御機構収納部に設けた放水制御機構と昇降制御機構の実施形態を示した説明図である。
また、放水作業中に図3に示したホース収納部44に設けられた放水停止スイッチ38bを操作すると閉制御され、ホース収納部44に対する消火用水の供給が停止される。
図5に示すように、昇降制御機構66は、給水本管からの分岐配管24aを引き込んで電動弁を用いた遠隔制御弁78が接続され、遠隔制御弁78と並列に手動制御弁80が接続されている。遠隔制御弁78の二次側は自動調圧弁81、逆止弁82及びオリフィス83を介して図4に示した水圧アクチュエータ60に配管を介して連結されている。オリフィス83の1次側には排水弁84が接続される。
図6は昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を道路側から見た断面で示した説明図、図7は昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を側面から見た断面で示した説明図である。
図1に示すトンネル10の道路を車両が通行している通常監視時にあっては、図1乃至図3に示すように、消火栓設備16のホース収納部44は、昇降制御機構66からの消火用水の供給が停止されていることで、昇降機構46の水圧アクチュエータ60はピストンを最下点に位置させ、これにより昇降機構46はホース収納部44を監視員通路14の内部空間に収納し、筐体48の上面の路面板50を消火栓昇降口42の段部42aに押し当てて支えており、監視員通路14内に消火栓設備16を設置していても、監視員通路14を通る人の通行を妨げたり、危険を及ぼすことはない。
一方、トンネル10内で火災を伴う車両事故が発生した場合には、利用者は火災発生場所に近い消火栓設備16に出向き、図2に示す通報装置パネル28の発信機32を押して監視室に火災を通報し、応答ランプ34の点灯により監視室側への通報完了を確認する。
消火栓設備16を点検する場合には、監視員通路14側から係員が点検に必要な操作を行えば良い。また、昇降機構46や制御機構収納部45の点検作業は、監視員通路14の路面に設けている点検用扉を係員が開いて中に入って行う。
図8は消火器を収納したトンネル内消火栓設備を道路側から示した説明図、図9は消火器を収納したトンネル内消火栓設備の内部構造を路面側から見た断面で示した説明図である。
図10は昇降機構への消火用水の供給を制御する昇降制御機構の他の実施形態を水圧アクチュエータと共に示した説明図である。
図11は監視員通路の箱抜き部を道路側から示した説明図である。本実施形態にあっては、監視員通路14の下部にはダクトがなく、コンクリートで埋められており、電線管等は全て管理用通路に配置されている。
(昇降機構)
上記の実施形態は、水圧シリンダにより直接にホース収納部を昇降させる昇降機構を例にとっているが、別の機構、例えばパンタグラフ式の昇降機構を用いても良い。
(消火栓装置)
上記の実施形態で示した消火栓設備のホース類や消火栓弁等のバルブ類、通報装置の構成及び配置、その他の構成については任意であり、適宜の構成を採用して良い。
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
12:トンネル壁面
14:監視員通路
14a:前壁
15:道路
16:消火栓設備
17:消火器箱
18:床版
20:管理用通路
22:ダクト
23:電線管
24:給水本管
24a:分岐配管
25:箱抜き部
26:消火栓扉
28:通報装置パネル
30:赤色表示灯
32:発信機
34:応答ランプ
35:操作ボックス
36a:上昇スイッチ
36b:下降スイッチ
38a:放水スイッチ
38b:放水停止スイッチ
40:手摺り
42:消火栓昇降口
42a:段部
44:ホース収納部
45:制御機構収納部
46:昇降機構
48:筐体
50:路面板
52:フレームパイプ
54:ホース
55:ホース取出口
56:ノズル
60:水圧アクチュエータ
61:シリンダ
62:連結ホース
63:フレキシブルジョイント
64:放水制御機構
65:ピストン
66:昇降制御機構
67:ピストンロッド
70:遠隔消火栓弁
72:手動消火栓弁
74:圧力調整弁
76:自動排水弁
78:遠隔制御弁
80:手動制御弁
81:自動調圧弁
82:逆止弁
83:オリフィス
84:排水弁
85:ニードル弁
86:4方ボール弁
88:ニードル排水弁
90:給水栓
92:ポンプ起動スイッチ
94:消火器収納部
96:消火器
Claims (3)
- トンネル内の監視員通路の路面の下部と上部に昇降自在に設置されたホース収納部を備えたトンネル内消火栓装置であって、
消火用水の給排水により昇降駆動され、前記ホース収納部を、前記消火用水の排水時に前記監視員通路の路面の下部に下降して保持し、前記消火用水の供給時に前記監視員通路の路面の上部に上昇して保持する昇降機構と、
前記監視員通路の道路に面した前壁に設けられた壁面開口を開閉自在に設置され、開放時に、前記監視員通路の路面の下部に下降した状態の前記ホース収納部から前記壁面開口を介してホースを道路側に引き出し可能にする消火栓扉と、
を備えたことを特徴とするトンネル内消火栓装置。
- 請求項1記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
前記監視員通路の道路に面した前壁の内部に設置され、前記消火栓扉の開放時に前記道路側から操作可能な給水栓を備えたことを特徴とするトンネル内消火栓装置。
- 請求項1又は2記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
前記ホース収納部は、前記監視員通路の路面上に上昇して前記ホース収納部の筐体の前面開口が露出した場合、当該前面開口から前記ホースを前記道路側に引き出し可能であることを特徴とするトンネル内消火栓装置。
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