JP6679434B2 - トンネル非常用設備 - Google Patents

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Description

本発明は、ホース収納部を上昇させてホース取出しを可能とする消火栓設備が設けられたトンネル非常用設備に関する。
従来、高速道路や自動車専用道路などのトンネル内に設置するトンネル非常用設備として消火栓設備が設けられており、消火栓装置は開放自在な消火栓扉を備えた筐体の消火栓収納部に、先端にノズルを装着したホースとバルブ類を収納し、また、開閉自在な消火器扉を備えた消火器収納部に例えば2本の消火器を収納している。
このような消火栓設備は、トンネル内に設けた監視員通路に面した側壁に沿って例えば50メートル間隔で設置している。監視員通路は路面に対し1メートル程度高くした側壁通路として設け、トンネル内の車両通行を妨げることなく且つ安全にトンネル内に設置している消火栓設備を含む各種の機器の点検を行うことを可能としている。
火災を伴う車両事故が発生した場合には、事故車両の運転者等の利用者は、消火栓設備の消火栓扉を開いてノズル付きのホースを引き出し、消火栓弁開閉レバーを操作することで消火ポンプ設備を起動して放水することにより消火作業を行うことができる。
特開2008−055024号公報 特開2009−285126号公報
しかしながら、このような従来のトンネル内に設置した消火栓設備にあっては、監視員通路に面したトンネル側壁に沿って設置していたため、車両事故による火災の発生時に利用者は、路面から監視員通路を超えたトンネル側壁に設置している消火栓設備に手を伸ばして消火栓扉を開き、ホースを引き出して消火作業を行う必要があり、消火栓設備が路面から離れた高い位置に設置されているため、人によっては手が届かずに監視員通路に上がって操作しなければならない場合もあり、また、監視員通路によっては手摺りを設けており、手摺りが消火作業の邪魔になり、扱いづらい場合があった。
この問題を解決するため、本願出願人は、道路側及び監視員通路側から簡単且つ容易に取り扱うことができる昇降型の消火栓設備を提案している。昇降型の消火栓設備は、ノズル付きのホースが収納されたホース収納部が監視員通路内に昇降機構により昇降自在に配置されており、トンネル内で火災を伴う車両事故の発生時には、所定のスイッチ操作を行うと、昇降機構の作動によりホース収納部が監視員通路上の露出位置に上昇して保持され、消火栓扉の開放操作を必要とすることなく、監視員通路上に露出したホース収納部から簡単且つ容易にノズル付きホースを引き出して消火を行うことができる。
ところで、トンネル非常用設備については、半年又は1年に一度、定期点検を行っており、昇降型の消火栓設備についても、定期点検の際に昇降機構によるホース収納部の昇降動作を確認することになるが、使用期間が長くなると、定期点検を行うまでに、昇降機構の動作に問題を起こしている可能性があり、車両事故による火災の発生時に、昇降機構の作動不良等によりホース収納部が監視員通路上の露出位置に上昇されず、消火作業に支障を来たす恐れがある。
本発明は、ホース収納部を上昇させてホース取出しを可能とする昇降型の消火栓設備を確実に動作させる維持管理を可能とするトンネル非常用設備を提供することを目的とする。
(トンネル非常用設備)
本発明は、トンネル非常用設備に於いて、
トンネル内に設置され消火栓を使用する場合に、監視員通路下に配置されたホース収納部を昇降機構の作動により監視員通路上に上昇させて保持する消火栓設備と、
消火栓設備に配置され、昇降機構の作動を制御する消火栓制御部と、
防災受信盤に配置され、消火栓制御部を介して消火栓設備の昇降機構を作動させる点検部と、
を備えたことを特徴とする。
(点検部による上昇完了と下降完了の確認)
点検部は、
消火栓制御部に上昇制御信号を送信して昇降機構を上昇駆動させ、消火栓制御部から上昇位置検出信号が得られた場合に上昇完了を確認し、
上昇完了の確認後に下降制御信号を送信して昇降機構を下降駆動させ、消火栓制御部から下降位置検出信号が得られた場合に下降終了を確認して点検を終了させる。
(点検部による上昇開始と下降開始の確認)
点検部は、上昇制御信号を送信した後、消火栓制御部からの下降位置検出信号が断たれた場合に上昇開始を確認し、
下降制御信号を送信した後、消火栓制御部からの上昇位置検出信号が断たれた場合に下降開始を確認する
(エラー判定と回復処理)
消火栓制御部は、点検部からの上昇制御信号の受信により昇降機構を上昇駆動してから所定時間を経過しても下降位置検出信号が断たれない場合にエラーと判定し、昇降機構の下降駆動と上昇駆動を交互に所定回数繰り返すエラー回復動作を行わせる。
(昇降時の注意喚起音)
消火栓設備は、警報音及び又は警報メッセージを出力する音声警報部を備え、
点検部は、消火栓設備の点検中に、消火栓制御部に指示して音声警報部から警報音又は警報メッセージを出力させる。
(昇降時の注意喚起表示)
消火栓設備は、点滅、明滅又は点灯される警報表示灯を備え、
点検部は、消火栓設備の点検中に、消火栓制御部に指示して警報示灯を点滅、明滅又は点灯させる。
(火災発生時の点検中止)
防災受信盤は、消火栓設備の点検中にトンネル内に設置された火災検知器からの火災信号又は前記消火栓設備に設けられた発信機からの火災通報信号を受信した場合、消火栓設備の点検を中止させる。
(基本的な効果)
本発明は、トンネル非常用設備に於いて、トンネル長手方向に所定間隔で設置され、監視員通路下に配置されたホース収納部を、消火栓を使用する場合に昇降機構の作動により監視員通路上の露出位置に上昇して保持させる消火栓設備と、消火栓設備に配置され、昇降機構の作動を制御する消火栓制御部と、防災受信盤に配置され、消火栓制御部を介して消火栓設備の昇降機構を定期的に作動させる点検部とが設けられため、例えば1週間に1回または1ケ月に1回といった頻度で、トンネル内に設置されている消火栓設備に設けられた昇降機構によるホース収納部を監視員通路上の露出位置に上昇させた後に下降させて元の収納位置に戻す昇降動作が行われ、万一、昇降動作に問題があった場合には、修理交換等の対処をとって問題を解決することができ、所謂昇降型の消火栓設備の使用期間が長くなっても、車両事故による火災の発生時に、確実に昇降機構によりホース収納部を監視員通路上の露出位置に上昇させる動作が行われ、昇降型の消火栓設備の信頼性を確保することができる。
(点検部による上昇完了と下降完了の確認による効果)
また、点検部は、所定の点検タイミングを判別した場合に、消火栓制御部に上昇制御信号を送信して昇降機構を上昇駆動させ、消火栓制御部から上昇位置検出信号が得られた場合に上昇完了を確認し上昇完了確認後に下降制御信号を送信して昇降機構を下降駆動させ、消火栓制御部から下降位置検出信号が得られた場合に下降終了を確認して点検を終了させるようにしたため、昇降機構によるホース収納部の上昇完了及び下降完了といった一連の昇降動作を、点検部からの制御信号による指示で行い、消火栓設備側からの下降位置及び上昇位置の検出状態と連携して確認しながら動作させることができ、万一、昇降動作中に問題が発生した場合には、どの動作段階で問題が発生したかを点検側で把握して適切な対処を可能とする。
(点検部による上昇開始と下降開始の確認による効果)
また、点検部は上昇制御信号を送信した後、消火栓制御部からの下降位置検出信号が断たれた場合に上昇開始を確認し下降制御信号を送信した後、消火栓制御部からの上昇位置検出信号が断たれた場合に下降開始を確認するようにしたため、昇降機構によるホース収納部の上昇開始、上昇完了、下降開始、下降完了といった一連の昇降動作を、点検部からの制御信号による指示で行い、消火栓設備側からの下降位置及び上昇位置の検出状態と連携して確認しながら動作させることができ、万一、昇降動作中に問題が発生した場合には、どの動作段階で問題が発生したかを点検側で把握して適切な対処を可能とする。
(エラー判定と回復処理による効果)
また、消火栓制御部は、点検部からの上昇制御信号の受信により昇降機構を上昇駆動してから所定時間を経過しても下降位置検出信号が断たれない場合にエラーと判定し、昇降機構の下降駆動と上昇駆動を交互に所定回数繰り返すエラー回復動作を行わせるようにしたため、昇降機構によりホース収納部を下降して監視員通路内に収納した状態では、監視員通路の開口をホース収納部の上部に設けた路面板で閉鎖した状態にあり、閉鎖状態にある路面板に付着している塵埃に湿気が付いて固着していたような場合に、定期点検により昇降機構でホース収納部を上昇させようとしても動かない場合が考えられるが、このエラーを判定して、昇降機構の上昇駆動と下降駆動を繰り返すことで振動的にホース収納部に力を加え、固着している路面板を動かすことで、エラー回復を可能とする。
(昇降時の警報音による効果)
また、消火栓設備は、警報音及び又は警報メッセージを出力する音声警報部を備え、点検部は、消火栓設備の点検動作を開始する前及び点検動作中に、消火栓制御部に指示して音声警報部から警報音又は警報メッセージを出力させるようにしたため、点検部による消火栓設備におけるホース収納部の昇降動作は無人状態で行われるため、もしトンネル内の監視員通路に作業要員等がいた場合、点検動作を開始する前に、警報音又は警報メッセージの出力により周囲にいる人の注意を喚起して点検動作が開始されることを知らせ、ホース収納部の路面板に人が乗っているような状態で、突然、路面板が持ち上がり始めるといった事態を回避可能とする。
(昇降時の警報表示による効果)
また、消火栓設備は、点滅、明滅又は点灯される警報表示灯を備え、点検部は、消火栓設備の点検動作を開始する前及び点検動作中に、消火栓制御部に指示して警報表示灯を点滅、明滅又は点灯させるようにしたため、警報音又は警報メッセージの場合と同様、点検動作を開始する前に、警報表示灯が例えば点滅することで、周囲にいる人の注意を喚起して点検動作が開始されることを知らせ、ホース収納部の路面板に人が乗っているような状態で、突然、路面板が持ち上がり始めるといった事態を回避可能とする。また、警報表示灯の点滅、明滅又は点灯は、離れた位置からも確認できるため、監視員通路上で消火栓設備の点検によるホース収納部の昇降動作が順番に行われていく様子を、遠方から見て確認することも可能となる。
(火災発生時の点検中止)
また、防災受信盤は、消火栓設備の点検中にトンネル内に設置された火災検知器からの火災信号又は消火栓設備に設けられた発信機からの火災通報信号を受信した場合、消火栓設備の点検を中止させるようにしたため、消火栓設備のホース収納部を昇降機構により昇降させる点検中に、万一、車両事故による火災が発生した場合、その時点で、点検を中止させ、火災に伴って実際に使用する消火栓設備のホース収納部を監視員通路上に露出させる動作を優先させて、消火栓設備を利用した迅速且つ適切な消火活動を可能とする。
シールドトンネル内に設置した消火栓設備を示した説明図 防災受信盤により消火栓設備の点検を行うトンネル用非常設備の概略を示した説明図 トンネル内消火栓設備を道路側から示した説明図 トンネル内消火栓設備の内部構造を路面側から見た断面で示した説明図 監視員通路内に設置した制御機構収納部に設けた放水制御機構と昇降制御機構の実施形態を示した説明図 昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を路面側から見た断面で示した説明図 図2の防災受信盤と消火栓制御装置の機能構成を示したブロック図 防災受信盤による消火栓設備の点検制御を示したタイムチャート 図8に続く防災受信盤による消火栓設備の点検制御を示したタイムチャート 図8のステップS9におけるエラー処理の詳細を示したフローチャート
[トンネル内消火栓設備の概要]
図1は自動車専用道路のトンネル内に設置された消火栓設備を示した説明図である。図1に示すように、シールド工法により構築されたトンネル10内は円筒形のトンネル壁面12により覆われ、床版18により仕切られることで道路15が設けられており、この例
にあっては、道路15は1方向2車線としている。
床版18で仕切られた道路15の左側のトンネル壁面12に沿って監視員通路14が設けられ、監視員通路14の下側の内部空間はダクト22として利用され、電線管23等が敷設される。
道路15が形成された床版18の下側はトンネル横方向に複数の区画に仕切られており、例えば、監視員通路14の下に位置する区画は、管理用通路20として使用され、また、管理用通路20はトンネル内での火災発生時には、緊急避難通路として使用される。管理用通路20には給水本管24が敷設されている。
トンネル10の長手方向の50メートルおきには、消火栓設備16が設置され、消火栓設備16はホース収納部44と制御機構収納部45に分離されている。また、消火栓設備16に隣接して消火器を収納した消火器箱17が設けられている。
ホース収納部44は、監視員通路14の路面上に取付口が開口された消火栓埋込部に配置されている。制御機構収納部45は、ホース収納部44の下側となる管理用通路20に配置され、給水本管24から分岐した分岐管が引き込まれ、また、ホース収納部44に消火用水を供給する給水配管が立ち上げられている。
消火栓設備16のホース収納部44は、監視員通路14内に昇降機構により昇降自在にノズル付きホースを支持しており、所定の上昇操作を行うと、昇降機構により監視員通路14上の露出位置に上昇され、ノズル付きホースの引き出しによる消火作業を可能とする。
[トンネル防災設備の概要]
図2は防災受信盤により消火栓設備の点検を行うトンネル用非常設備の概略を示した説明図である。
図2に示すように、トンネル10の内部には、トンネル長手方向に、ホース収納部44と制御機構収納部45が分離配置された消火栓設備16が50メートル間隔で設置されている。ホース収納部44と制御機構収納部45に対しては消火栓制御装置140が設けられている。
また、トンネル10内には、消火栓設備16以外の非常用設備として、火災による炎を検知するため火災検知器が25メートル又は50メートル間隔で設けられ、火災通報のために手動通報装置や非常電話が設けられ、火災の消火や延焼防止のために消火栓設備が設けられ、更にトンネル躯体やダクト内を火災から防護するために水噴霧ヘッドから消火用水を散水させる水噴霧などが設置されるが、図示は省略されている。
一方、監視センター等には防災受信盤100が設置されており、防災受信盤100からはトンネル10に対し伝送路102が引き出され、トンネル10内に設置された消火栓設備16の消火栓制御装置140が接続されている。伝送路102はFTTH等の光ファイバー伝送路や同軸伝送路が使用され、例えばIPパケット等を用いたデジタル伝送が行われる。
また、防災受信盤100に対しては、消火ポンプ設備104、ダクト用の冷却ポンプ設備106、換気設備108、警報表示板設備110、ラジオ再放送設備112、テレビ監視設備114、照明設備116及びIG子局設備118等が設けられており、IG子局設備118がデータ伝送回線で接続される点を除き、それ以外の設備はP型信号回線により防災受信盤100に個別に接続されている。
ここで、換気設備108は、トンネル内の天井側に設置されているジェットファンの運転による高い吹き出し風速によってトンネル内の空気にエネルギーを与えて、トンネル長手方向に換気の流れを起こす設備である。
警報表示板設備110は、トンネル内の利用者に対して、トンネル内の異常を、電光表示板に表示して知らせる設備である。ラジオ再放送設備112は、トンネル内で運転者等が道路管理者からの情報を受信できるようにするための設備である。テレビ監視設備114は、火災の規模や位置を確認したり、水噴霧設備の作動、避難誘導を行う場合のトンネル内の状況を把握するための設備である。
照明設備116はトンネル内の照明機器を駆動して管理する設備である。更に、IG子局設備118は、防災受信盤100と外部に設けた上位設備である遠方監視制御設備120とをネットワーク122を経由して結ぶ通信設備である。
[消火栓設備の設置構造]
図3はトンネル内消火栓設備を道路側から示した説明図、図4はトンネル内消火栓設備の内部構造を路面側から見た断面で示した説明図である。
(消火栓設備の外観構造)
図3に示すように、消火栓設備16の主要部分は、手摺り40を設けた監視員通路14の床面下の内部空間に設置されており、消火栓設備16の設置場所となる監視員通路14の道路に面した前壁14aの上部に消火栓扉26と内側に操作ボックスを備えた通報装置パネル28を設置している。
消火栓扉26は、下側のヒンジ26aを中心に下向きに開閉自在に装着されており、ハンドル27を手前に引くことで、ロックが外れて開放できる。消火栓扉26で閉鎖された操作ボックス35の内部には、点線で示すように、ホース接続口を備えた給水栓90とポンプ起動スイッチ92が設けられている。このため、火災を伴う車両事故が発生した場合、消防隊が消火栓扉26を開いて消防ホースを給水栓90に接続し、ポンプ起動スイッチの操作により消火ポンプを起動して消火活動ができるようにしている。
通報装置パネル28には、赤色表示灯30、発信機32及び応答ランプ34を設けている。赤色表示灯30は常時点灯し、消火栓設備16の設置場所が遠方から分かるようにしている。火災時には、発信機32を押して押し釦スイッチをオンすると、発信信号が監視室の火災受信機に送信されて火災警報が出され、これに伴い応答信号が火災受信機から送られて、応答ランプ34を点灯する。
また、通報装置パネル28には、監視員通路14内に配置している消火栓設備16のホース収納部を昇降操作するための上昇スイッチ36aと下降スイッチ36bが設けられている。
更に、消火栓設備16を設置している監視員通路14の部分には手摺り40を設けておらず、監視員通路14の路面上に内部から上昇して露出するホース収納部に対する操作の邪魔にならないようしている。
なお、通報装置パネル28の上昇スイッチ36a及び下降スイッチ36bを配置したパネル部分は、道路15側及び監視員通路14の両方からの操作を可能とするため、監視員通路14の路肩部分に対し斜めに位置するように配置しても良い。
(内部空間に設置した消火栓設備の構造)
図4に示すように、監視員通路14の消火栓設備16の設置場所に対応した路面には、矩形の消火栓昇降口42が開口されており、消火栓昇降口42の開口縁の上部には段部42aが形成されている。
消火栓昇降口42に対してはその下側から消火栓設備16のホース収納部44が昇降自在に配置される。ホース収納部44は、前面及び背面に開口した箱型の筐体48を備え、筐体48の前面及び背面の開口に4本のフレームパイプ52を配置して間にホース取出口55を形成している。
ホース収納部44の内部には、先端にノズル56を装着したホース54を内巻きした状態で収納し、内巻したホース54の中央部分にホース先端に装着したノズル56を配置し、筐体48の前面及び背面の何れからもノズル56の取出しを可能にしている。
また、ホース収納部44内には、管理用通路20内に配置している制御機構収納部45に設けた電動弁を用いた遠隔消火栓弁を開閉操作するための放水スイッチ38aと放水停止スイッチ38bが設けられている。
ホース収納部44は昇降機構46により昇降自在に支持されている。昇降機構46は、ホース収納部44の矩形底部のコーナーに相対した4箇所に水圧アクチュエータ60を起立して配置し、水圧アクチュエータ60はシリンダ筒内に摺動自在に設けたピストンに連結されたピストンロッドを上方に取出し、ピストンロッドの先端をホース収納部44の底部に固定している。
昇降機構46を配置した内部空間の下側となる管理用通路20には制御機構収納部45が配置され、制御機構収納部45には、ホース収納部44のホース54に消火用水を供給して放水させる放水制御機構と、昇降機構46を昇降駆動させるための昇降制御機構が設けられている。
制御機構収納部45に対しては給水本管24から分岐した分岐配管24aが連結され、消火ポンプ設備から給水本管24に供給されている消火用水を導入している。また、分岐配管24aは上部に分岐され、図3に示した給水栓90に接続されている。
制御機構収納部45に内蔵した放水制御機構からの配管は、連結ホース62を介してホース収納部44のホース接続口となるフレキシブルジョイント63に連結されている。連結ホース62は、昇降機構46によりホース収納部44を監視員通路14の消火栓昇降口42から押し上げて露出させた露出位置に保持した場合に、連結に必要な余裕を持ったホース長としており、これにより固定側となる配管に対しホース収納部44が昇降作動しても、連結ホース62が抜けることなく、ホース収納部44が動けるようにしている。また、昇降作動で生ずる連結ホース62の動きはフレキシブルジョイント63の動きで吸収される。
また、制御機構収納部45に内蔵した昇降制御機構からは、消火用水の供給と排水を行うための配管が昇降機構46の水圧アクチュエータ60に接続されている。
なお、昇降機構46に設ける水圧アクチュエータ60の数は必要に応じて適宜の数とすることができ、例えば、ホース収納部44の重量に対応した押上力を持つ所定口径の水圧アクチュエータを中央に1本配置しても良いし、同様に、ホース収納部44の重量に対応した合計押上力をもつ3本の水圧アクチュエータ60を三角形に配置しても良い。
また、ホース収納部44と制御機構収納部45との連結は、監視員通路内を連結ホース62とし、管理用通路20側を配管としているが、ホース収納部44と制御機構収納部45との間を連結ホースにより直接に連結してもよい。この場合にも、ホース収納部44側及び制御機構収納部45に対する連結ホースの接続は、何れか一方又は両方をフレキシブルジョイントによる連結とする。
ホース収納部44の筐体48の左側上部には下降位置検出スイッチ94が設けられ、左側下部には上昇位置検出スイッチ96が設けられている。下降位置検出スイッチ94はホース収納部44が監視員通路14内に収納された図示の下降位置を検出してオンしており、昇降機構46により上昇を開始すると下降位置検出スイッチ94はオフする。
また、上昇位置検出スイッチ96は、図示のホース収納部44の収納位置でオフしており、図6に示すホース収納部44が監視員通路14上に露出した上昇位置となったときにオンする。
下降位置検出スイッチ94及び上昇位置検出スイッチ96しては、例えば、下降位置検出スイッチ94及び上昇位置検出スイッチ96ともにリードスイッチとして構成し、ホース収納部44内の監視員通路直近に配置し、リードスイッチを動作させる永久磁石を監視員通路の消火栓昇降口付近のうち水平方向において下降位置検出スイッチ94及び上昇位置検出スイッチ96の近傍に配置し、ホース収納部44が監視員通路14内に収納されたときには磁石の磁力により下降位置検出スイッチ94がオンするようにし、ホース収納部44が露出したときには磁石の磁力により上昇位置検出スイッチ96がオンするようにする構成がある。
また、下降位置検出スイッチ94及び上昇位置検出スイッチ96しては、リミットスイッチ等の機械式のスイッチを使用してもよいし、磁気式或いは光学式の非接触スイッチを使用しても良い。なお、下降位置検出スイッチ94及び上昇位置検出スイッチ96は、固定側となる監視員通路内に設けるようにしても良い。
(放水制御機構)
図5は監視員通路内に設置した制御機構収納部に設けた放水制御機構と昇降制御機構の実施形態を示した説明図である。
図5に示すように、放水制御機構64は、給水本管からの分岐配管24aを引き込んで電動弁を用いた遠隔消火栓弁70が接続され、遠隔消火栓弁70と並列に手動消火栓弁72が接続されている。遠隔消火栓弁70に続いては圧力調整弁74が接続され、圧力調整弁74の2次側を、図4に示したように、連結ホース62を介してホース54に連結している。更に、圧力調整弁74の二次側には自動排水弁76が接続されている。
遠隔消火栓弁70は、図3に示したホース収納部44に設けられた放水スイッチ38aを操作すると開制御され、消火用水がホース収納部44側に供給される。また、放水作業中に図3に示したホース収納部44に設けられた放水停止スイッチ38bを操作すると閉制御され、ホース収納部44に対する消火用水の供給が停止される。
なお、遠隔消火栓弁70を電動弁とせず、ホース収納部44に消火栓弁開閉レバーを設けてリンクワイヤーで連結し、消火栓弁開閉レバーの操作による遠隔操作で消火栓弁を開閉させるようにしても良い。
(昇降制御機構)
図5に示すように、昇降制御機構66は、給水本管からの分岐配管24aを引き込んで電動弁を用いた遠隔制御弁78が接続され、遠隔制御弁78と並列に手動制御弁80が接続されている。遠隔制御弁78の二次側は自動調圧弁81、逆止弁82及びオリフィス83を介して図4に示した水圧アクチュエータ60に配管を介して連結されている。オリフィス83の1次側には遠隔排水弁84が接続される。
自動調圧弁81はスプリング荷重の調整により設定圧力を調整することができ、設定圧力を変えることで水圧アクチュエータ60によるホース収納部44の上昇速度を調整可能としている。
通常監視状態で遠隔制御弁78、手動制御弁80及び遠隔排水弁84は閉鎖されており、図4の水圧アクチュエータ60に消火用水が供給されないことから、水圧アクチュエータ60のピストンは図示の最下点に位置し、ホース収納部44を監視員通路14の内部空間に収納し、ホース収納部44の路面板50により消火栓昇降口42を閉鎖した状態としている。
トンネル内での車両事故に伴う火災時には、図3に示した通報装置パネル28の上昇スイッチ36aを操作すると遠隔制御弁78の開制御が行われ、オリフィス83を介して水圧アクチュエータ60に消火用水が供給され、シリンダ内のピストンを押上げ、ピストンロッドを介してホース収納部44を上昇させる。
この場合、オリフィス83で絞られた量の消火用水が水圧アクチュエータ60に供給されるため、ホース収納部44は、自動調圧弁81の調整圧力とオリフィス83で決まるゆっくりした所定の速度で押し上られて監視員通路14上に露出され、フルストロークとなった位置に停止して保持される。
監視員通路14上に露出保持されたホース収納部44を収納する場合には、図3に示したホース収納部44の下降スイッチ36bを操作すると遠隔制御弁78の閉制御が行われ、水圧アクチュエータ60に対する消火用水の供給が停止される。この状態で遠隔排水弁84が開制御され、水圧アクチュエータ60から消火用水が排水され、ホース収納部44の重量を受けている昇降機構46の水圧アクチュエータ60がオリフィス83により決まるゆっくりした所定の速度で下降し、ホース収納部44を消火栓昇降口42の中に収納させる。
[消火栓設備の動作]
図6は昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を道路側から見た断面で示した説明図である。
(通常監視時)
図1に示すトンネル10の道路を車両が通行している通常監視時にあっては、図3に示すように、消火栓設備16のホース収納部44は、昇降制御機構66からの消火用水の供給が停止されていることで、昇降機構46の水圧アクチュエータ60はピストンを最下点に位置させ、これにより昇降機構46はホース収納部44を監視員通路14の内部空間に収納し、筐体48の上面の路面板50を消火栓昇降口42の段部42aに押し当てて支えており、監視員通路14内に消火栓設備16を設置していても、監視員通路14を通る人の通行を妨げたり、危険を及ぼすことはない。このときホース収納部44に設けられた下降位置検出スイッチ94はオンし、上昇位置検出スイッチはオフしている。
(火災発生時)
一方、トンネル10内で火災を伴う車両事故が発生した場合には、利用者は火災発生場所に近い消火栓設備16に出向き、図2に示す通報装置パネル28の発信機32を押して監視室に火災を通報し、応答ランプ34の点灯により監視室側への通報完了を確認する。
続いて、消火作業を行うため、通報装置パネル28に設けている上昇スイッチ36aを押してオンする。この上昇スイッチ36aのオン操作により昇降制御機構66の遠隔制御弁78に開制御信号が送られ、遠隔制御弁78が開制御されることで、分岐配管24aからの消火用水が遠隔制御弁78からオリフィス83を介して昇降機構46の水圧アクチュエータ60に送られ、シリンダ内に供給された消火用水によりピストンが上昇し、ピストンロッドを介して支持しているホース収納部44を押し上げる。
このため監視員通路14の消火栓昇降口42を閉鎖している路面板50が持ち上がり、内部に収納していたホース収納部44が路面からゆっくり表れ、図6に示す露出位置まで上昇して停止し、この露出位置を保持する。ここで、昇降機構46によりホース収納部44が上昇を始めると、下降位置検出スイッチ94はオフし、ホース収納部44が露出位置まで上昇して停止すると、上昇位置検出スイッチ96はオンする。
このように監視員通路14の上に露出状態にホース収納部44が保持されると、利用者は道路側から筐体48の前面開口を介してノズル56を取出すことで、簡単且つ容易にホース54を引き出すことができる。
続いて、利用者は、露出したホース収納部44に設けている放水スイッチ38aを押してオンすると、放水制御機構64の遠隔消火栓弁70に開制御信号が出力され、遠隔消火栓弁70が開放し、圧力調整弁74で調整された規定圧力の消火用水が連結ホース62を介してホース54に供給され、ノズル56からの放水により消火活動を行うことができる。
一方、監視員通路14側から利用者が消火作業を行う場合には、監視員通路14上に露出保持されたホース収納部44における筐体48の背面開口からノズル56を取出すことで、簡単且つ容易にホース54を引き出して消火作業を行うことができる。
火災が鎮火して消火作業が終了した場合には、ホース収納部44に設けている放水停止スイッチ38bを押してオンすると、放水制御機構64の遠隔消火栓弁70に閉制御信号が出力され、遠隔消火栓弁70が閉鎖し、ノズル56からの放水を停止させることができる。
また、消火作業が終了した後の復旧作業では、ホース54の水抜きを行った後に、監視員通路14上に露出保持されているホース収納部44の中に内巻き状態にホース54を収納する。
続いて、通報装置パネル28に設けている下降スイッチ36bをオン操作することで、昇降制御機構66の遠隔制御弁78に閉制御信号を送って閉鎖させ、続いて遠隔排水弁84が開制御され、水圧アクチュエータ60から消火用水が排水され、ホース収納部44の重量を受けて昇降機構46が下降し、路面板50が消火栓昇降口42の段部42aに当る位置まで下降して停止し、ホース収納部44が監視員通路14の内部空間に収納された状態となる。
ここで、昇降機構46によりホース収納部44が下降を始めると、上昇位置検出スイッチ96はオンからオフに切替り、ホース収納部44が収納位置まで下降して停止すると、下降位置検出スイッチ94がオンする。
なお、昇降機構46の故障等により上昇スイッチ36aを操作してもホース収納部44が監視員通路14上に露出されない場合は、消火栓扉26を開くことで、ノズル56を取り出してホース54を引き出すことが可能であり、高いフェイルセーフ性が確保されている。
(消火栓設備の現場点検)
消火栓設備16を現場で点検する場合には、監視員通路14側から係員が点検に必要な操作を行えば良い。また、昇降機構46の点検作業は、監視員通路14の路面に設けている点検用扉を係員が開いて中に入って行い、制御機構収納部45の点検作業は、係員が管理用通路20に入って行う。
このような消火栓設備16の点検作業により、道路15側に消火栓扉が開いたり、道路側から操作することもないため、消火栓設備の点検で車両の通行を規制する必要がなく、通行を規制しなくとも安全に点検作業ができる。
[消火栓設備の自動点検]
(防災受信盤)
図7は図2の防災受信盤と消火栓制御装置の機能構成を示したブロック図である。図7に示すように、防災受信盤100は盤制御部124を備え、盤制御部124は例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
盤制御部124に対しては伝送部126を設け、伝送部126から引き出した伝送路102にはトンネル10に50メートル間隔で設置された消火栓設備16の消火栓制御装置140が接続されている。
また、盤制御部124に対しスピーカ、警報表示灯等を備えた警報部128、液晶ディスプレイ、プリンタ等を備えた表示部130、各種スイッチ等を備えた操作部132、外部監視設備と通信するIG子局設備118を接続するモデム134を設け、更に、図2に示した消火ポンプ設備104、冷却ポンプ設備106、換気設備108、警報表示板設備110、ラジオ再放送設備112、テレビ監視設備114及び照明設備116が接続されたIO部136を設けている。
盤制御部124は、伝送部126に指示してトンネル内に設置された火災検知器のアドレスを順次指定したポーリングコマンドを含む呼出信号を繰り返し送信しており、火災検知器は自己アドレスに一致する呼出信号を受信すると、火災検知等の自己の状態情報を含む応答信号を返信する。また、防災受信盤100の盤制御部124は、火災検知器12からの応答信号の受信により火災を検知した場合は警報部128により火災警報を出力させると共にIO部136を介し他設備の連動制御を指示する制御を行う。
盤制御部124には、点検部125の機能が設けられている。点検部125は、所定の点検周期、例えば1週間又は1ケ月の周期で、トンネル内に設置された消火栓設備16のIPアドレスを順次して指定して点検を指示する制御信号を送信し、消火栓設備16に設けられた昇降機構46を作動させてホース収納部44を昇降させる点検動作を行わせる。
点検部125による消火栓設備16の点検制御は、所定の点検タイミングを判別した場合に、消火栓制御装置140に上昇制御信号を送信して昇降機構46を上昇駆動させ、消火栓制御装置140で検出している下降位置検出信号が断たれた場合に上昇開始を確認し、所定時間以内に消火栓制御装置140から上昇位置検出信号が得られた場合に上昇完了を確認し、当該上昇完了確認後に下降制御信号を送信して昇降機構46を下降駆動させ、所定時間以内に消火栓制御装置140から下降位置検出信号が得られた場合に下降終了を確認して点検を終了させる制御を行う。
(消火栓制御装置)
図7に示すように、消火栓設備16には消火栓制御装置140が設けられる。消火栓制御装置140は消火栓制御部142と伝送部144を備える。消火栓制御部142は例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
消火栓制御部142に対しては、ホース収納部44に設けられた通報装置ユニット146、遠隔消火栓弁70、上昇位置検出スイッチ96、下降位置検出スイッチ94、音声警報部148及び警報表示灯150が接続される。また、消火栓制御部142には制御機構収納部45に設けられた遠隔制御弁78及び遠隔排水弁84が接続される。
通報装置ユニット146には、図2の通報装置パネル28に設けられた赤色表示灯30、発信機32、応答ランプ34、上昇スイッチ36a及び下降スイッチ36bが含まれる。
上昇位置検出スイッチ96は、図6に示したホース収納部44が監視員通路14上に露出する所定の上昇位置を検出してオンすることで上昇位置検出信号が出力され、それ以外の位置ではオフとなって上昇位置検出信号の出力が停止される。
下降位置検出スイッチ94は、図4に示したホース収納部44が監視員通路14内に収納された所定の下降位置を検出してオンすることで下降位置検出信号が出力され、それ以外の位置ではオフとなって下降位置検出信号の出力が停止される。
音声警報部148は、昇降機構46によりホース収納部44を上昇する場合に、消火栓制御部142の指示を受けて所定の警報音や警報メッセージを出力させ、周囲にいる人に注意を促す。
警報表示灯150は、昇降機構46によりホース収納部44を上昇する場合に、消火栓制御部142の指示を受けて点滅、明滅又は点灯され、周囲にいる人に注意を促す。警報表示灯150は例えば図3及び図4に示したホース収納部44における路面板50の下側に配置され、路面板50の閉鎖位置で点滅又は明滅することで、路面板50の周囲の隙間から光を出すことで注意を促し、また、ホース収納部44の上昇中は、路面板50の下側で点滅、明滅又は点灯することで、周囲に光を出して注意を促す。
また、ホース収納部44を上昇する場合に、何らかの異常によりホース収納部44が所定時間内に上昇位置検出スイッチ96がオンにならない場合、障害が発生したとして、消火栓設備16において表示または音声にて警報を行ったり、消火栓設備16の障害検出信号を防災受信盤100に送信したりしてもよい。
(消火栓設備の点検制御)
図8は防災受信盤による消火栓設備の点検制御を示したタイムチャート、図9は図8に続く防災受信盤による消火栓設備の点検制御を示したタイムチャートである。
図8に示すように、防災受信盤100の点検部125は、ステップS1で所定の点検タイミングへの到達を判別すると、複数の消火栓設備の内の初期設定された最初の消火栓設備16のIPアドレスの設定により、ステップS2で点検警報信号を消火栓設備16の消火栓制御部142に送信する。この点検警報信号を受信した消火栓設備16の消火栓制御部142は、ステップS3で音響警報部148に指示して所定の警報音の出力を開始させると共に、警報表示灯150の点滅又は明滅を開始させ、トンネル内に設置されている点検対象となった消火栓設備16からの警報音と警報表示により、消火栓設備16の動作が開始されることを予告させる。
続いて、防災受信盤100の点検部125は、ステップS4で所定時間のタイムアウトを判別した後に、ステップS5で上昇制御信号を消火栓設備16の消火栓制御部142に送信し、これを受信した消火栓制御部142はステップS6で制御機構収納部45の遠隔制御弁78を開制御し、消火用水を昇降機構46の水圧アクチュエータ60に供給してホース収納部44の上昇を開始させる。
昇降機構46によりホース収納部44が正常に上昇を始めると、下降位置検出スイッチ94がオフとなって下降位置検出信号が停止し、消火栓制御部142はステップS7で下降位置検出スイッチ94のオフを判別してステップS10に進み、防災受信盤100に上昇開始検出信号を送信し、これを受信した防災受信盤100の点検部125はステップS11で消火栓設備16の上昇開始を確認する。
なお、ステップS7で下降位置検出スイッチ94のオフが判別されない場合はステップS8による所定時間のタイムアウトまで下降位置検出スイッチ94のオフを監視し、ステップS8でタイムアウトが判別された場合はステップS9のエラー処理1に進む。
続いて、消火栓制御部142はステップS12でホース収納部44が監視員通路14上の所定の露出位置に上昇して停止した場合の上昇位置検出スイッチ96のオンを判別するとステップS15に進み、防災受信盤100に上昇完了信号を送信し、これを受信した防災受信盤100の点検部125はステップS16で消火栓設備16の上昇完了を確認する。
なお、ステップS12で上昇位置検出スイッチ96のオンが判別されない場合はステップS13による所定時間のタイムアウトまで上昇位置検出スイッチ96のオンを監視し、ステップS13でタイムアウトが判別された場合はステップS14のエラー処理2に進む。
続いて、防災受信盤100の点検部125は、ステップS17で所定時間のタイムアウトを判別するとステップS18に進み、下降制御信号を消火栓設備16の消火栓制御部142に送信し、これを受信した消火栓制御部142は図9のステップS19で制御機構収納部45の遠隔制御弁78を閉制御すると共に遠隔排水弁84を開制御し、消火用水を昇降機構46の水圧アクチュエータ60から排出してホース収納部44の下降駆動を開始させる。
昇降機構46によりホース収納部44が正常に下降を始めると、上昇位置検出スイッチ96がオフとなり、消火栓制御部142はステップS20で上昇位置検出スイッチ96のオフを判別してステップS23に進み、防災受信盤100に下降開始検出信号を送信し、これを受信した防災受信盤100の点検部125はステップS24で消火栓設備16の下降開始を確認する。
なお、ステップS20で上昇位置検出スイッチ96のオフが判別されない場合はステップS21による所定時間のタイムアウトまで上昇位置検出スイッチ96のオフを監視し、ステップS21でタイムアウトが判別された場合はステップS22のエラー処理3に進む。
続いて、消火栓制御部142はステップS25でホース収納部44が監視員通路14内に下降して停止して停止した場合の下降位置検出スイッチ94のオンを判別するとステップS28に進み、防災受信盤100に下降完了信号を送信し、これを受信した防災受信盤100の点検部125はステップS29で消火栓設備16の下降完了を確認する。
なお、ステップS25で下降位置検出スイッチ94のオンが判別されない場合はステップS26による所定時間のタイムアウトまで下降位置検出スイッチ94のオンを監視し、ステップS26でタイムアウトが判別された場合はステップS27のエラー処理4に進む。
このようにステップS29で下降完了が確認されると、消火栓設備16のホース収納部44の点検による一連の昇降動作が正常に完了したことから、防災受信盤100の点検部125はステップS30で正常終了した点検結果を保存し、ステップS31で次の消火栓設備の点検制御に移行し、最後の消火栓設備まで同じ点検制御を繰り返す。
(エラー判別とエラー回復)
図8のステップS6で昇降機構46によりホース収納部44の上昇駆動を開始しても、ステップS7で下降位置検出スイッチ94のオフが判別されない場合は、ステップS8で所定時間のタイムアウトを判別しており、ステップS8でタイムアウトが判別されるとステップS9に進み、昇降装置46の水圧アクチュエータ60に消火用水を供給してもホース収納部44が上昇を始めないエラーと判断し、所定のエラー処理1を行う。
このように昇降機構46を上昇駆動してもホース収納部44が動かないエラーは、昇降機構46や昇降制御機構66の故障以外に、例えば、ホース収納部44の上部に配置している路面板50と監視員通路14に形成された消火栓昇降口42の段部42aとの隙間に塵埃が溜まって水分の付着に伴い固着した場合や冬場に路面板50の周囲が凍結した場合等が想定される。
図10は図8のステップS9におけるエラー処理1の詳細を示したフローチャートである。
図10に示すように、消火栓制御装置140の消火栓制御部142は、昇降機構46によりホース収納部44を上昇駆動しても動かないエラーを判別した場合のエラー処理1として、まず、ステップS41で昇降機構46をそれまでの上昇駆動から下降駆動に切替え、ステップS42で所定時間のタイムアウトを判別した後、ステップS43で昇降機構46を上昇駆動に切替え、ステップS44でホース収納部44の上昇により下降位置検出スイッチ94がオフするか否か判別し、オフしない場合はステップS45で所定時間のタイムアウトが判別されるまでステップS43で切り替えた上昇駆動を継続する。
この状態でステップS45でタイムアウトが判別された場合、ステップS46で所定のリトライ回数となるN回に達したか否か判別し、N回未満の場合はステップS41に戻って昇降機構46の下降駆動に切り替える。
このようにしてリトライ回数N回に達するまで、昇降機構46を上昇駆動と下降駆動に交互に繰り返し切替えることで上下方向の力がホース収納部44に繰り返し加えられる。
これによりホース収納部44の路面板50が固着して動かないような場合、路面板50に上下方向の力が繰り返し加わることで固着状態が緩み、N回のリトライ回数に達する前にホース収納部44が動いてステップS44で下降位置検出スイッチ94のオフが判別され、ステップS47で正常起動となって図8のメインルーチンにリターンする。
なお、ステップS46でリトライ回数がN回に達した場合には、回復不能としてエラー終了となり、消火栓設備16の障害検出信号を防災受信盤100に送信する。
また、図8のエラー処理1は、消火栓制御部142側の制御となるが、防災受信盤100の点検部125から下降制御信号と上昇制御信号を送信して動作させるようにしても良い。
更に、図8及び図9のステップS14,S22,S27に示したエラー処理2〜4は、昇降機構46及び又は昇降制御機構66の故障に起因していることから、図10のように回復処理は行わず、エラー終了として、消火栓設備16の障害検出信号を防災受信盤100に送信する。この場合、防災受信盤100の点検部125は、点検制御のどの段階で障害検出信号を受信したか判別することで、例えば、上昇駆動中の障害、下降駆動中の障害等のように、故障内容を識別する情報生成して利用者に提供可能とする。
また、ホース収納部44の昇降にエラーが出た消火栓設備16はエラーが解決されたことを確認されるまで、消火栓設備16や防災受信盤100にその旨を表示するようにしても良い。
また、火災検知器の火災検出により、直近の消火栓設備が上昇するような消火栓設備と防災システムの連携環境下にあっては、火災発生場所直近の消火栓設備に昇降のエラーが発生している場合、当該消火栓設備の代わりとして、当該消火栓設備の隣の消火栓設備のうち火災発生場所により近い方の消火栓設備を上昇させるようにしても良い。
また、防災受信盤100は、点検中に、火災検知器からの火災信号又は発信機からの火災通報信号を受信した場合、火災発生と判定し、点検中の消火栓設備16に点検中止信号を送信する。点検中止信号を受けた消火栓設備16は遠隔制御弁78を閉止し、昇降機構46を停止させる。
遠隔制御弁78を閉止後、消火栓設備16は遠隔制御弁閉止完了信号を防災受信盤100に送信する。防災受信盤100は遠隔制御弁閉止完了信号を受信後、火災発生場所に対応する消火栓設備16に対して昇降機構46の上昇制御信号を送り、ホース収納部44を上昇させる。
また、防災受信盤100は点検中止信号を送信後、一定時間内に遠隔制御閉止完了信号を受領しない場合は、タイムアウトして、火災発生場所に対応する消火栓設備16に対して上昇制御信号を送信する。
また、点検中止信号を受けた消火栓設備16は点検中止中を示す表示または音声により点検中止中を報知するようにしてもよい。
[本発明の変形例]
(消火栓収納部)
上記の消火栓設備は、昇降機構によりホース収納部を昇降自在に支持しているが、ホース収納部と一体に消火器収納部を設けて消火器を収納し、消火器を使用する場合にも、昇降機構により消火器収納部をホース収納部と一体に監視員通路上の露出位置に上昇させるようにしても良い。
(昇降機構)
上記の実施形態は、水圧シリンダにより直接にホース収納部を昇降させる昇降機構を例にとっているが、別の機構、例えば油圧シリンダや電動式の昇降装置、パンタグラフ式の昇降機構を用いても良い。
(消火栓設備)
上記の実施形態で示した消火栓設備のホース類や消火栓弁等のバルブ類、通報装置の構成及び配置、その他の構成については任意であり、適宜の構成を採用して良い。
(その他)
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:トンネル
12:トンネル壁面
14:監視員通路
15:道路
16:消火栓設備
17:消火器箱
18:床版
20:管理用通路
22:ダクト
24:給水本管
24a:分岐配管
26:消火栓扉
28:通報装置パネル
36a:上昇スイッチ
36b:下降スイッチ
38a:放水スイッチ
38b:放水停止スイッチ
42:消火栓昇降口
44:ホース収納部
45:制御機構収納部
46:昇降機構
48:筐体
50:路面板
54:ホース
55:ホース取出口
56:ノズル
60:水圧アクチュエータ
62:連結ホース
63:フレキシブルジョイント
64:放水制御機構
66:昇降制御機構
70:遠隔消火栓弁
78:遠隔制御弁
80:手動制御弁
81:自動調圧弁
82:逆止弁
83:オリフィス
84:遠隔排水弁
94:下降位置検出スイッチ
96:上昇位置検出スイッチ
100:防災受信盤
102:伝送路
124:盤制御部
125:点検部
126,144:伝送部
140:消火栓制御装置
142:消火栓制御部
148:音声警報部
150:警報表示灯

Claims (7)

  1. トンネル内に設置され、監視員通路下に配置されたホース収納部を昇降機構の作動により監視員通路上に上昇させて保持する消火栓設備と、
    前記消火栓設備に配置され、前記昇降機構の作動を制御する消火栓制御部と、
    防災受信盤に配置され、前記消火栓制御部を介して前記消火栓設備の前記昇降機構を作動させる点検部と、
    を備えたことを特徴とするトンネル非常用設備。
  2. 請求項1記載のトンネル非常用設備に於いて、
    前記点検部は、
    前記消火栓制御部に上昇制御信号を送信して前記昇降機構を上昇駆動させ、前記消火栓制御部から上昇位置検出信号が得られた場合に上昇完了を確認し、
    前記上昇完了確認後に下降制御信号を送信して昇降機構を下降駆動させ、前記消火栓制御部から下降位置検出信号が得られた場合に下降終了を確認して点検を終了させることを特徴とするトンネル非常用設備。
  3. 請求項記載のトンネル非常用設備に於いて、
    前記点検部は、
    前記上昇制御信号を送信した後、前記消火栓制御部からの前記下降位置検出信号が断たれた場合に上昇開始を確認し、
    前記下降制御信号を送信した後、前記消火栓制御部からの前記上昇位置検出信号が断たれた場合に下降開始を確認することを特徴とするトンネル非常用設備。
  4. 請求項3記載のトンネル非常用設備に於いて、
    前記消火栓制御部は、前記点検部からの前記上昇制御信号の受信により前記昇降機構を上昇駆動してから所定時間を経過しても前記下降位置検出信号が断たれない場合にエラーと判定し、前記昇降機構の下降駆動と上昇駆動を交互に所定回数繰り返すエラー回復動作を行わせることを特徴とするトンネル非常用設備。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のトンネル非常用設備に於いて、
    前記消火栓設備は、警報音及び又は警報メッセージを出力する音声警報部を備え、
    前記点検部は、前記消火栓設備の点検中に、前記消火栓制御部に指示して前記音声警報部から警報音又は警報メッセージを出力させることを特徴とするトンネル非常用設備。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載のトンネル非常用設備に於いて、
    前記消火栓設備は、点滅、明滅又は点灯される警報表示灯を備え、
    前記点検部は、前記消火栓設備の点検中に、前記消火栓制御部に指示して前記警報表示灯を点滅、明滅又は点灯させることを特徴とするトンネル非常用設備。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載のトンネル非常用設備に於いて、
    前記防災受信盤は、
    前記防災受信盤は、前記消火栓設備の点検中にトンネル内に設置された火災検知器からの火災信号又は前記消火栓設備に設けられた発信機からの火災通報信号を受信した場合、前記消火栓設備の点検を中止することを特徴とするトンネル非常用設備。
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