JP6679434B2 - トンネル非常用設備 - Google Patents
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Description
本発明は、トンネル非常用設備に於いて、
トンネル内に設置され、消火栓を使用する場合に、監視員通路下に配置されたホース収納部を昇降機構の作動により監視員通路上に上昇させて保持する消火栓設備と、
消火栓設備に配置され、昇降機構の作動を制御する消火栓制御部と、
防災受信盤に配置され、消火栓制御部を介して消火栓設備の昇降機構を作動させる点検部と、
を備えたことを特徴とする。
点検部は、
消火栓制御部に上昇制御信号を送信して昇降機構を上昇駆動させ、消火栓制御部から上昇位置検出信号が得られた場合に上昇完了を確認し、
上昇完了の確認後に下降制御信号を送信して昇降機構を下降駆動させ、消火栓制御部から下降位置検出信号が得られた場合に下降終了を確認して点検を終了させる。
点検部は、上昇制御信号を送信した後、消火栓制御部からの下降位置検出信号が断たれた場合に上昇開始を確認し、
下降制御信号を送信した後、消火栓制御部からの上昇位置検出信号が断たれた場合に下降開始を確認する。
消火栓制御部は、点検部からの上昇制御信号の受信により昇降機構を上昇駆動してから所定時間を経過しても下降位置検出信号が断たれない場合にエラーと判定し、昇降機構の下降駆動と上昇駆動を交互に所定回数繰り返すエラー回復動作を行わせる。
消火栓設備は、警報音及び又は警報メッセージを出力する音声警報部を備え、
点検部は、消火栓設備の点検中に、消火栓制御部に指示して音声警報部から警報音又は警報メッセージを出力させる。
消火栓設備は、点滅、明滅又は点灯される警報表示灯を備え、
点検部は、消火栓設備の点検中に、消火栓制御部に指示して警報示灯を点滅、明滅又は点灯させる。
防災受信盤は、消火栓設備の点検中に、トンネル内に設置された火災検知器からの火災信号又は前記消火栓設備に設けられた発信機からの火災通報信号を受信した場合、消火栓設備の点検を中止させる。
本発明は、トンネル非常用設備に於いて、トンネル長手方向に所定間隔で設置され、監視員通路下に配置されたホース収納部を、消火栓を使用する場合に昇降機構の作動により監視員通路上の露出位置に上昇して保持させる消火栓設備と、消火栓設備に配置され、昇降機構の作動を制御する消火栓制御部と、防災受信盤に配置され、消火栓制御部を介して消火栓設備の昇降機構を定期的に作動させる点検部とが設けられため、例えば1週間に1回または1ケ月に1回といった頻度で、トンネル内に設置されている消火栓設備に設けられた昇降機構によるホース収納部を監視員通路上の露出位置に上昇させた後に下降させて元の収納位置に戻す昇降動作が行われ、万一、昇降動作に問題があった場合には、修理交換等の対処をとって問題を解決することができ、所謂昇降型の消火栓設備の使用期間が長くなっても、車両事故による火災の発生時に、確実に昇降機構によりホース収納部を監視員通路上の露出位置に上昇させる動作が行われ、昇降型の消火栓設備の信頼性を確保することができる。
また、点検部は、所定の点検タイミングを判別した場合に、消火栓制御部に上昇制御信号を送信して昇降機構を上昇駆動させ、消火栓制御部から上昇位置検出信号が得られた場合に上昇完了を確認し、上昇完了の確認後に下降制御信号を送信して昇降機構を下降駆動させ、消火栓制御部から下降位置検出信号が得られた場合に下降終了を確認して点検を終了させるようにしたため、昇降機構によるホース収納部の上昇完了及び下降完了といった一連の昇降動作を、点検部からの制御信号による指示で行い、消火栓設備側からの下降位置及び上昇位置の検出状態と連携して確認しながら動作させることができ、万一、昇降動作中に問題が発生した場合には、どの動作段階で問題が発生したかを点検側で把握して適切な対処を可能とする。
また、点検部は、上昇制御信号を送信した後、消火栓制御部からの下降位置検出信号が断たれた場合に上昇開始を確認し、下降制御信号を送信した後、消火栓制御部からの上昇位置検出信号が断たれた場合に下降開始を確認するようにしたため、昇降機構によるホース収納部の上昇開始、上昇完了、下降開始、下降完了といった一連の昇降動作を、点検部からの制御信号による指示で行い、消火栓設備側からの下降位置及び上昇位置の検出状態と連携して確認しながら動作させることができ、万一、昇降動作中に問題が発生した場合には、どの動作段階で問題が発生したかを点検側で把握して適切な対処を可能とする。
また、消火栓制御部は、点検部からの上昇制御信号の受信により昇降機構を上昇駆動してから所定時間を経過しても下降位置検出信号が断たれない場合にエラーと判定し、昇降機構の下降駆動と上昇駆動を交互に所定回数繰り返すエラー回復動作を行わせるようにしたため、昇降機構によりホース収納部を下降して監視員通路内に収納した状態では、監視員通路の開口をホース収納部の上部に設けた路面板で閉鎖した状態にあり、閉鎖状態にある路面板に付着している塵埃に湿気が付いて固着していたような場合に、定期点検により昇降機構でホース収納部を上昇させようとしても動かない場合が考えられるが、このエラーを判定して、昇降機構の上昇駆動と下降駆動を繰り返すことで振動的にホース収納部に力を加え、固着している路面板を動かすことで、エラー回復を可能とする。
また、消火栓設備は、警報音及び又は警報メッセージを出力する音声警報部を備え、点検部は、消火栓設備の点検動作を開始する前及び点検動作中に、消火栓制御部に指示して音声警報部から警報音又は警報メッセージを出力させるようにしたため、点検部による消火栓設備におけるホース収納部の昇降動作は無人状態で行われるため、もしトンネル内の監視員通路に作業要員等がいた場合、点検動作を開始する前に、警報音又は警報メッセージの出力により周囲にいる人の注意を喚起して点検動作が開始されることを知らせ、ホース収納部の路面板に人が乗っているような状態で、突然、路面板が持ち上がり始めるといった事態を回避可能とする。
また、消火栓設備は、点滅、明滅又は点灯される警報表示灯を備え、点検部は、消火栓設備の点検動作を開始する前及び点検動作中に、消火栓制御部に指示して警報表示灯を点滅、明滅又は点灯させるようにしたため、警報音又は警報メッセージの場合と同様、点検動作を開始する前に、警報表示灯が例えば点滅することで、周囲にいる人の注意を喚起して点検動作が開始されることを知らせ、ホース収納部の路面板に人が乗っているような状態で、突然、路面板が持ち上がり始めるといった事態を回避可能とする。また、警報表示灯の点滅、明滅又は点灯は、離れた位置からも確認できるため、監視員通路上で消火栓設備の点検によるホース収納部の昇降動作が順番に行われていく様子を、遠方から見て確認することも可能となる。
また、防災受信盤は、消火栓設備の点検中に、トンネル内に設置された火災検知器からの火災信号又は消火栓設備に設けられた発信機からの火災通報信号を受信した場合、消火栓設備の点検を中止させるようにしたため、消火栓設備のホース収納部を昇降機構により昇降させる点検中に、万一、車両事故による火災が発生した場合、その時点で、点検を中止させ、火災に伴って実際に使用する消火栓設備のホース収納部を監視員通路上に露出させる動作を優先させて、消火栓設備を利用した迅速且つ適切な消火活動を可能とする。
図1は自動車専用道路のトンネル内に設置された消火栓設備を示した説明図である。図1に示すように、シールド工法により構築されたトンネル10内は円筒形のトンネル壁面12により覆われ、床版18により仕切られることで道路15が設けられており、この例
にあっては、道路15は1方向2車線としている。
図2は防災受信盤により消火栓設備の点検を行うトンネル用非常設備の概略を示した説明図である。
図3はトンネル内消火栓設備を道路側から示した説明図、図4はトンネル内消火栓設備の内部構造を路面側から見た断面で示した説明図である。
図3に示すように、消火栓設備16の主要部分は、手摺り40を設けた監視員通路14の床面下の内部空間に設置されており、消火栓設備16の設置場所となる監視員通路14の道路に面した前壁14aの上部に消火栓扉26と内側に操作ボックスを備えた通報装置パネル28を設置している。
図4に示すように、監視員通路14の消火栓設備16の設置場所に対応した路面には、矩形の消火栓昇降口42が開口されており、消火栓昇降口42の開口縁の上部には段部42aが形成されている。
図5は監視員通路内に設置した制御機構収納部に設けた放水制御機構と昇降制御機構の実施形態を示した説明図である。
図5に示すように、昇降制御機構66は、給水本管からの分岐配管24aを引き込んで電動弁を用いた遠隔制御弁78が接続され、遠隔制御弁78と並列に手動制御弁80が接続されている。遠隔制御弁78の二次側は自動調圧弁81、逆止弁82及びオリフィス83を介して図4に示した水圧アクチュエータ60に配管を介して連結されている。オリフィス83の1次側には遠隔排水弁84が接続される。
図6は昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を道路側から見た断面で示した説明図である。
図1に示すトンネル10の道路を車両が通行している通常監視時にあっては、図3に示すように、消火栓設備16のホース収納部44は、昇降制御機構66からの消火用水の供給が停止されていることで、昇降機構46の水圧アクチュエータ60はピストンを最下点に位置させ、これにより昇降機構46はホース収納部44を監視員通路14の内部空間に収納し、筐体48の上面の路面板50を消火栓昇降口42の段部42aに押し当てて支えており、監視員通路14内に消火栓設備16を設置していても、監視員通路14を通る人の通行を妨げたり、危険を及ぼすことはない。このときホース収納部44に設けられた下降位置検出スイッチ94はオンし、上昇位置検出スイッチはオフしている。
一方、トンネル10内で火災を伴う車両事故が発生した場合には、利用者は火災発生場所に近い消火栓設備16に出向き、図2に示す通報装置パネル28の発信機32を押して監視室に火災を通報し、応答ランプ34の点灯により監視室側への通報完了を確認する。
消火栓設備16を現場で点検する場合には、監視員通路14側から係員が点検に必要な操作を行えば良い。また、昇降機構46の点検作業は、監視員通路14の路面に設けている点検用扉を係員が開いて中に入って行い、制御機構収納部45の点検作業は、係員が管理用通路20に入って行う。
(防災受信盤)
図7は図2の防災受信盤と消火栓制御装置の機能構成を示したブロック図である。図7に示すように、防災受信盤100は盤制御部124を備え、盤制御部124は例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
図7に示すように、消火栓設備16には消火栓制御装置140が設けられる。消火栓制御装置140は消火栓制御部142と伝送部144を備える。消火栓制御部142は例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
図8は防災受信盤による消火栓設備の点検制御を示したタイムチャート、図9は図8に続く防災受信盤による消火栓設備の点検制御を示したタイムチャートである。
図8のステップS6で昇降機構46によりホース収納部44の上昇駆動を開始しても、ステップS7で下降位置検出スイッチ94のオフが判別されない場合は、ステップS8で所定時間のタイムアウトを判別しており、ステップS8でタイムアウトが判別されるとステップS9に進み、昇降装置46の水圧アクチュエータ60に消火用水を供給してもホース収納部44が上昇を始めないエラーと判断し、所定のエラー処理1を行う。
(消火栓収納部)
上記の消火栓設備は、昇降機構によりホース収納部を昇降自在に支持しているが、ホース収納部と一体に消火器収納部を設けて消火器を収納し、消火器を使用する場合にも、昇降機構により消火器収納部をホース収納部と一体に監視員通路上の露出位置に上昇させるようにしても良い。
上記の実施形態は、水圧シリンダにより直接にホース収納部を昇降させる昇降機構を例にとっているが、別の機構、例えば油圧シリンダや電動式の昇降装置、パンタグラフ式の昇降機構を用いても良い。
(消火栓設備)
上記の実施形態で示した消火栓設備のホース類や消火栓弁等のバルブ類、通報装置の構成及び配置、その他の構成については任意であり、適宜の構成を採用して良い。
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
12:トンネル壁面
14:監視員通路
15:道路
16:消火栓設備
17:消火器箱
18:床版
20:管理用通路
22:ダクト
24:給水本管
24a:分岐配管
26:消火栓扉
28:通報装置パネル
36a:上昇スイッチ
36b:下降スイッチ
38a:放水スイッチ
38b:放水停止スイッチ
42:消火栓昇降口
44:ホース収納部
45:制御機構収納部
46:昇降機構
48:筐体
50:路面板
54:ホース
55:ホース取出口
56:ノズル
60:水圧アクチュエータ
62:連結ホース
63:フレキシブルジョイント
64:放水制御機構
66:昇降制御機構
70:遠隔消火栓弁
78:遠隔制御弁
80:手動制御弁
81:自動調圧弁
82:逆止弁
83:オリフィス
84:遠隔排水弁
94:下降位置検出スイッチ
96:上昇位置検出スイッチ
100:防災受信盤
102:伝送路
124:盤制御部
125:点検部
126,144:伝送部
140:消火栓制御装置
142:消火栓制御部
148:音声警報部
150:警報表示灯
Claims (7)
- トンネル内に設置され、監視員通路下に配置されたホース収納部を昇降機構の作動により監視員通路上に上昇させて保持する消火栓設備と、
前記消火栓設備に配置され、前記昇降機構の作動を制御する消火栓制御部と、
防災受信盤に配置され、前記消火栓制御部を介して前記消火栓設備の前記昇降機構を作動させる点検部と、
を備えたことを特徴とするトンネル非常用設備。
- 請求項1記載のトンネル非常用設備に於いて、
前記点検部は、
前記消火栓制御部に上昇制御信号を送信して前記昇降機構を上昇駆動させ、前記消火栓制御部から上昇位置検出信号が得られた場合に上昇完了を確認し、
前記上昇完了の確認後に下降制御信号を送信して昇降機構を下降駆動させ、前記消火栓制御部から下降位置検出信号が得られた場合に下降終了を確認して点検を終了させることを特徴とするトンネル非常用設備。
- 請求項2記載のトンネル非常用設備に於いて、
前記点検部は、
前記上昇制御信号を送信した後、前記消火栓制御部からの前記下降位置検出信号が断たれた場合に上昇開始を確認し、
前記下降制御信号を送信した後、前記消火栓制御部からの前記上昇位置検出信号が断たれた場合に下降開始を確認することを特徴とするトンネル非常用設備。
- 請求項3記載のトンネル非常用設備に於いて、
前記消火栓制御部は、前記点検部からの前記上昇制御信号の受信により前記昇降機構を上昇駆動してから所定時間を経過しても前記下降位置検出信号が断たれない場合にエラーと判定し、前記昇降機構の下降駆動と上昇駆動を交互に所定回数繰り返すエラー回復動作を行わせることを特徴とするトンネル非常用設備。
- 請求項1乃至4の何れかに記載のトンネル非常用設備に於いて、
前記消火栓設備は、警報音及び又は警報メッセージを出力する音声警報部を備え、
前記点検部は、前記消火栓設備の点検中に、前記消火栓制御部に指示して前記音声警報部から警報音又は警報メッセージを出力させることを特徴とするトンネル非常用設備。
- 請求項1乃至5の何れかに記載のトンネル非常用設備に於いて、
前記消火栓設備は、点滅、明滅又は点灯される警報表示灯を備え、
前記点検部は、前記消火栓設備の点検中に、前記消火栓制御部に指示して前記警報表示灯を点滅、明滅又は点灯させることを特徴とするトンネル非常用設備。
- 請求項1乃至6の何れかに記載のトンネル非常用設備に於いて、
前記防災受信盤は、
前記防災受信盤は、前記消火栓設備の点検中に、トンネル内に設置された火災検知器からの火災信号又は前記消火栓設備に設けられた発信機からの火災通報信号を受信した場合、前記消火栓設備の点検を中止することを特徴とするトンネル非常用設備。
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