JP2020146480A - トンネル非常用設備 - Google Patents

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賢昭 外村
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Abstract

【課題】トンネル非常用設備に設けられたスピーカから火災発生場所とスピーカの設置場所の位置関係を考慮して、最適な避難場所へ避難を誘導する音声を出力することにより、避難場所へ迅速且つ安全な避難行動を可能とする。【解決手段】トンネル10内に複数設置された指向性スピーカは、火災発生場所から遠い場所(火災発生場所に対する危険範囲外)の場合は、最短距離に位置する避難場所へ避難を誘導する避難誘導メッセージを音声出力し、火災発生場所に近い場所(火災発生場所に対する危険範囲内)の場合は、火災発生場所から遠ざかる方向に位置する避難場所へ避難を誘導する避難誘導メッセージを音声出力する。【選択図】図9

Description

本発明は、ホース収納部を上昇させてホース取出しを可能とする消火栓設備に設けられたスピーカを利用して避難誘導を行うトンネル非常用設備に関する。
従来、高速道路や自動車専用道路などのトンネル内に設置するトンネル非常用設備として消火栓設備が設けられており、消火栓設備は開放自在な消火栓扉を備えた筐体の消火栓収納部に、先端にノズルを装着したホースとバルブ類を収納し、また、開閉自在な消火器扉を備えた消火器収納部に例えば2本の消火器を収納している。
このような消火栓設備は、トンネル内に設けた監視員通路に面した側壁に沿って例えば50メートル間隔で設置している。監視員通路は路面に対し1メートル程度高くした側壁通路として設け、トンネル内の車両通行を妨げることなく且つ安全にトンネル内に設置している消火栓設備を含む各種の機器の点検を行うことを可能としている。
火災を伴う車両事故が発生した場合には、事故車両の運転者等の利用者は、消火栓設備の消火栓扉を開いてノズル付きのホースを引き出し、消火栓弁開閉レバーを操作することで消火ポンプ設備を起動して放水することにより消火作業を行うことができる。
また、トンネル内で発生する火災事故から人身及び車両等を守るため、火災を監視する火災検知器が設置され、防災受信盤から引き出された信号線に接続されている。
火災検知器は左右の両方向に監視エリアを持ち、トンネルの長手方向に沿って、隣接して配置される火災検知器との監視エリアが相互補完的に重なるように、例えば、25m間隔、或いは50m間隔で連続的に配置されている。
更に、トンネル出口や避難連絡口の方向と距離を示した誘導表示板を設置した誘導設備が設置されている。
特開2008−055024号公報 特開2009−285126号公報 特開平6−325271号公報 特開平5−123411号公報 特開2001−009053号公報 特開2014−153787号公報 特開2000−194977号公報 特開2013−242689号公報
しかしながら、このような従来のトンネル内に設置した消火栓設備にあっては、監視員通路に面したトンネル側壁に沿って設置していたため、車両事故による火災の発生時に利用者は、路面から監視員通路を超えたトンネル側壁に設置している消火栓設備に手を伸ばして消火栓扉を開き、ホースを引き出して消火作業を行う必要があり、消火栓設備が路面から離れた高い位置に設置されているため、人によっては手が届かずに監視員通路に上がって操作しなければならない場合もあり、また、監視員通路によっては手摺りを設けており、手摺りが消火作業の邪魔になり、扱いづらい場合があった。
この問題を解決するため、本願出願人は、道路側及び監視員通路側から簡単且つ容易に取り扱うことができる昇降型の消火栓設備を提案している。昇降型の消火栓設備は、ノズル付きのホースが収納されたホース収納部が監視員通路内に昇降機構により昇降自在に配置されており、トンネル内で火災を伴う車両事故の発生時には、所定のスイッチ操作を行うと、昇降機構の作動によりホース収納部が監視員通路上の露出位置に上昇して保持され、消火栓扉の開放操作を必要とすることなく、監視員通路上に露出したホース収納部から簡単且つ容易にノズル付きホースを引き出して消火を行うことができる。
また、昇降型の消火栓設備にはスピーカが設けられ、ホース収納部を昇降機構により上昇して監視員通路上に露出させる場合に、スピーカから警報音を出力し、周囲にいる人に注意を喚起させるようにしている。
一方、従来のトンネル内に設置された誘導設備は、誘導表示板を設置して出口や避難連絡坑の方向と距離数を固定的に表示しているだけであり、トンネル内で火災が発生した場合に、例えば、火災により生じる煤煙によりトンネル内部の視界が不良になると、誘導表示板が視認できにくくなり、迅速且つ適切な避難誘導を行うことが困難になる事態も起こり得る。
本発明は、昇降型の消火栓設備に設けられたスピーカによる音声警報機能を利用することにより、トンネル内の避難場所の方向や距離などの情報を適確に伝えて迅速且つ安全な避難行動を可能とするトンネル非常用設備を提供することを目的とする。
(トンネル非常用設備)
本発明は、スピーカがトンネル内に複数配置されたトンネル非常用設備に於いて、
トンネル内の火災発生時に、
トンネル内の火災発生場所に近い場所に配置されているスピーカの音声は、火災発生場所から遠ざかる方向に位置する避難場所へ避難を誘導し、
トンネル内の火災発生場所から遠い場所に配置されているスピーカの音声は、最短距離に位置する避難場所へ避難を誘導する、
ことを特徴とする。
(トンネル内の気流方向を考慮する判定条件)
トンネル内の火災発生場所に対するスピーカの配置位置が近い場所か遠い場所かの判定条件は、少なくともトンネル内の気流方向を含む。
(判定を行う防災受信盤)
トンネル非常用設備は、トンネル内の火災発生場所に対するスピーカの配置位置が近い場所か遠い場所かの判定を行い、判定された結果に基づきスピーカから音声を出力させる制御部が設けられた防災受信盤を備える。
(基本的な効果)
本発明は、スピーカがトンネル内に複数配置されたトンネル非常用設備に於いて、トンネル内の火災発生時に、トンネル内の火災発生場所に近い場所に配置されているスピーカの音声は、火災発生場所から遠ざかる方向に位置する避難場所へ避難を誘導し、トンネル内の火災発生場所から遠い場所に配置されているスピーカの音声は、最短距離に位置する避難場所へ避難を誘導するようにしたため、トンネル内で火災を伴う車両事故が発生し、トンネルの長手方向となる監視員通路を通って避難する場合、スピーカから避難連絡口等の避難場所へ誘導する避難誘導メッセージを聞き、例えば現在位置から避難場所までの距離或いは距離と方向を知ることができ、火災発生により混乱した状況にあっても、避難場所が確認できることで、落ち着いた避難行動を可能とする。また、トンネル内に煙層などがあって視界が悪い場合でも、避難誘導メッセージを聞くことができるため適切な避難行動を可能とし、火災発生場所に近い場合は、火災発生場所に近い危険な避難場所に向かう避難行動を防止し、火災発生場所から離れている場合は、最短距離の避難場所へ誘導することで迅速な避難ができる。
(トンネル内の気流方向を考慮する判定条件による効果)
また、トンネル内の火災発生場所に対するスピーカの配置位置が近い場所か遠い場所かの判定条件は、少なくともトンネル内の気流方向を含むため、トンネル内の気流の影響を考慮した上で火災発生場所に対して近い場所、遠い場所が判定され、より安全に避難場所へ誘導することができる。
(判定を行う防災受信盤による効果)
また、トンネル非常用設備は、トンネル内の火災発生場所に対するスピーカの配置位置が近い場所か遠い場所かの判定を行い、判定された結果に基づきスピーカから音声を出力させる制御部が設けられた防災受信盤を備えるため、火災発生場所に対しての近い場所、遠い場所の判定と、判定された結果に基づき音声を出力させる機能を、トンネル非常用設備が従来備える防災受信盤の制御部に持たせることで、トンネル非常用設備として簡単な構成とすることができる。
シールドトンネル内に設置した消火栓設備を含むトンネル非常用設備を示した説明図 防災受信盤により監視制御を行う消火栓設備を備えたトンネル非常用設備の概略を示した説明図 消火栓設備を道路側から示した説明図 消火栓設備の内部構造を路面側から見た断面で示した説明図 消火栓設備におけるホース収納部の内部構造を監視員通路の断面で示した説明図 管理用通路内に設置した制御機構収納部に設けた放水制御機構と昇降制御機構の実施形態を示した説明図 昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を路面側から見た断面で示した説明図 図2の防災受信盤と消火栓制御装置の機能構成を示したブロック図 消火栓設備毎に設けられた指向性スピーカによる避難誘導の様子をトンネル平面で示した説明図 指向性スピーカとして使用するアレイスピーカを示した説明図
[トンネル内消火栓設備の概要]
図1は自動車専用道路のトンネル内に設置された消火栓設備を含むトンネル非常用設備を示した説明図である。図1に示すように、シールド工法により構築されたトンネル10内は円筒形のトンネル壁面12により覆われ、床版18により仕切られることで道路15が設けられており、この例にあっては、道路15は1方向2車線としている。
床版18で仕切られた道路15の左側のトンネル壁面12に沿って監視員通路14が設けられ、監視員通路14の下側の内部空間はダクト22として利用され、電線管等が敷設される。
道路15が形成された床版18の下側はトンネル横方向に複数の区画に仕切られており、例えば、監視員通路14の下に位置する区画は、管理用通路20として使用され、また、管理用通路20はトンネル内での火災発生時には、緊急避難通路として使用される。管理用通路20には給水本管23が敷設されている。
トンネル10の長手方向の50メートルおきには、消火栓設備16が設置され、消火栓設備16はホース収納部44と制御機構収納部45に分離して設置されている。また、消火栓設備16に隣接して消火器を収納した消火器箱17が設けられている。
ホース収納部44は、監視員通路14の路面上に取付口が開口された消火栓埋込部に配置されている。制御機構収納部45は、ホース収納部44の下側となる管理用通路20に配置され、給水本管23から分岐した分岐管が引き込まれ、また、ホース収納部44に消火用水を供給する給水配管が立ち上げられている。
消火栓設備16のホース収納部44はノズル付きホースを収納し、監視員通路14内に昇降機構に支持されており、所定の上昇操作を行うと、昇降機構により監視員通路14上の露出位置にホース収納部44が上昇されて露出状態となり、ノズル付きホースの引き出しによる消火作業を可能とする。
消火栓設備16のホース収納部44が設置された監視員通路14のトンネル壁面12には指向性スピーカ24と方向表示装置25が設置されている。指向性スピーカ24は、消火栓設備16のホース収納部44を監視員通路14上の露出位置に上昇させる場合に警報音又は警報メッセージを出力して周囲に注意を促す。
また、指向性スピーカ24は、火災を伴う車両事故が発生し、監視員通路14を通って利用者が避難する場合に、トンネル10内の避難連絡口等の避難場所に誘導する所定の避難誘導メッセージを音声出力する。
この指向性スピーカ24からの避難誘導メッセージの音声出力に連動して方向表示装置25に避難方向となるトンネル上り方向又はトンネル下り方向の何れかの方向を示す矢印等による方向表示が行われる。
また、トンネル10の内部には、トンネル長手方向の壁面に沿って例えば25メートル又は50メートル間隔で火災検知器27が設置されている。火災検知器27は2組の火災検知部を備えることでトンネル長手方向の上り側および下り側の両方向に監視エリアを持ち、トンネルの長手方向に沿って、隣接して配置される火災検知器との監視エリアが相互補完的に重なるように連続的に配置され、監視エリア内で起きた火災による炎からの放射線、例えば赤外線を観測して火災を検知する。
[トンネル防災設備の概要]
図2は防災受信盤により監視制御を行うトンネル非常用設備の概略を示した説明図である。
図2に示すように、トンネル10の内部には、トンネル長手方向に、ホース収納部44と制御機構収納部45が分離配置された消火栓設備16が50メートル間隔で設置されている。消火栓設備16に設けられているホース収納部44、制御機構収納部45、指向性スピーカ24及び方向表示装置25に対しては消火栓制御装置140が設けられている。
これ以外のトンネル非常用設備として、トンネル10内には、消火栓設備16以外に、火災による炎を検知するため火災検知器が所定間隔で設けられ、火災通報のために手動通報装置や非常電話が設けられ、更にトンネル躯体やダクト内を火災から防護するために水噴霧ヘッドから消火用水を散水させる水噴霧などが設置されるが、図示は省略されている。
一方、監視センター等には防災受信盤100が設置されており、防災受信盤100からはトンネル10に対し伝送路102が引き出され、トンネル10内に設置された消火栓設備16の消火栓制御装置140及び図示しない火災検知器が接続されている。伝送路102はFTTH等の光ファイバー伝送路や同軸伝送路が使用され、例えばIPパケット等を用いたデジタル伝送が行われる。
また、防災受信盤100に対しては、消火ポンプ設備104、ダクト用の冷却ポンプ設備106、換気設備108、警報表示板設備110、ラジオ再放送設備112、テレビ監視設備114、照明設備116及びIG子局設備118等が設けられており、IG子局設備118がデータ伝送回線で接続される点を除き、それ以外の設備はP型信号回線により防災受信盤100に個別に接続されている。
ここで、換気設備108は、トンネル内の天井側に設置されているジェットファンの運転による高い吹き出し風速によってトンネル内の空気にエネルギーを与えて、トンネル長手方向に換気の流れを起こす設備である。
警報表示板設備110は、トンネル内の利用者に対して、トンネル内の異常を、電光表示板に表示して知らせる設備である。ラジオ再放送設備112は、トンネル内で運転者等が道路管理者からの情報を受信できるようにするための設備である。テレビ監視設備114は、火災の規模や位置を確認したり、水噴霧設備の作動、避難誘導を行う場合のトンネル内の状況を把握するための設備である。
照明設備116はトンネル内の照明機器を駆動して管理する設備である。更に、IG子局設備118は、防災受信盤100と外部に設けた上位設備である遠方監視制御設備120とをネットワーク122を経由して結ぶ通信設備である。
[消火栓設備の設置構造]
図3は消火栓設備を道路側から示した説明図、図4は消火栓設備の内部構造を路面側から見た断面で示した説明図、図5は消火栓設備におけるホース収納部の内部構造を監視員通路の断面で示した説明図である。
(消火栓設備の外観構造)
図3に示すように、消火栓設備16のホース収納部側は、手摺り40を設けた監視員通路14の床面下の内部空間に設置されており、消火栓設備16の設置場所となる監視員通路14の道路に面した前壁14aの上部に消火栓扉26と通報装置パネル28が設置されている。
消火栓扉26は、下側のヒンジ26aを中心に下向きに開閉自在に装着されており、ハンドル27を手前に引くことで、ロックが外れて開放できる。消火栓扉26の内部には、点線で示すように、ホース接続口を備えた給水栓90とポンプ起動スイッチ92が設けられている。このため、火災を伴う車両事故が発生した場合、消防隊が消火栓扉26を開いて消防ホースを給水栓90に接続し、ポンプ起動スイッチ92の操作により消火ポンプを起動して消火活動ができるようにしている。
通報装置パネル28には、赤色表示灯30、発信機32及び応答ランプ34が設けられている。赤色表示灯30は常時点灯し、消火栓設備16の設置場所が遠方から分かるようにしている。火災時には、発信機32を押して押し釦スイッチをオンすると、火災通報信号が監視センターの防災受信盤に送信されて火災警報が出され、これに伴い応答信号が防災受信盤から送られて、応答ランプ34を点灯する。
また、通報装置パネル28には、監視員通路14内に配置している消火栓設備16のホース収納部を昇降操作するための上昇スイッチ36aと下降スイッチ36bが設けられている。
更に、消火栓設備16を設置している監視員通路14の部分には手摺り40を設けておらず、監視員通路14の路面上に内部から上昇して露出するホース収納部に対する操作の邪魔にならないようしている。
なお、通報装置パネル28の上昇スイッチ36a及び下降スイッチ36bを配置したパネル部分は、道路15側及び監視員通路14の両方からの操作を可能とするため、監視員通路14の路肩部分に対し斜めに位置するように配置しても良い。
(平面スピーカと方向表示装置)
図3に示すように、監視員通路14の消火栓設備16が設置された位置のトンネル壁面12には、例えば3台の指向性スピーカ24が配置され、中央の指向性スピーカ24に対応して方向表示装置25が配置されている。なお、指向性スピーカ24は1台であっても良い。
指向性スピーカ24は、音響振動を平面波として出力する平面波スピーカであり、スピーカ本体の厚みが10ミリメートル程度のフラットパネルスピーカとして知られている。平面波スピーカは例えばフラットな振動板の背後に複数のボイスコイルを配置して音響信号により駆動することで、振動板を平行移動し、平面波振動を発生して前方へ向けて高い指向性により音を伝播する。
このような平面波スピーカを用いた指向性スピーカ24を避難経路として利用される監視員通路14を横切る方向に、その指向方向を向けて配置して避難誘導メッセージを音声出力することで、避難する人が指向性スピーカ24の前を横切る場合に、そのメッセージ内容を明瞭に聞くことができる。
また、50メートル離れた隣接する消火栓設備16に設置されている指向性スピーカ24からの音は、それぞれの指向性が高いことから、相互に聞こえることはなく、通過する位置の指向性スピーカ24からのメッセージのみを明瞭に聞きとることができる。
また指向性スピーカ24の高い指向性により、避難行動に伴い騒音が高くなっている状況でも、騒音に影響されることなく、明瞭にメッセージ内容を聞きとることができる。
指向性スピーカ24からの避難誘導メッセージの音声出力は、図2の消火栓制御装置140からの音声信号により行われる。
方向表示装置25は、図示で例えば右方向をトンネル上り方向、左方向をトンネル下り方向とすると、矢印を表示可能な上り方向表示部25Rと下り方向表示部25Lが設けられており、図2に示した消火栓制御装置140からの制御信号により、上り方向表示部25R又は下り方向表示部25Lの矢印を例えば背光照明により点灯、点滅又は明滅させて避難方向を表示させる。なお、方向表示装置25はこれに限定されず、避難方向を示す表示であれば良く、適宜の方向の表示形態とすることができる。
(内部空間に設置した消火栓設備の構造)
図4及び図5に示すように、監視員通路14の消火栓設備16の設置場所に対応した路面には、矩形の消火栓昇降口42が開口されており、消火栓昇降口42の開口縁の上部には段部42aが形成されている。
消火栓昇降口42に対してはその下側から消火栓設備16のホース収納部44が昇降自在に配置される。ホース収納部44は、前面及び背面に開口した箱型の筐体48を備え、筐体48の前面及び背面の開口に4本のフレームパイプ52を配置して間にホース取出口55が形成されている。
ホース収納部44の内部には、先端にノズル56を装着したホース54が内巻きした状態で収納され、内巻したホース54の中央部分にホース先端に装着したノズル56が配置され、筐体48の前面及び背面の何れからもノズル56の取出しができるようにしている。
また、ホース収納部44内には、管理用通路20内に配置している制御機構収納部45に設けた電動弁を用いた遠隔消火栓弁を開閉操作するための放水スイッチ38aと放水停止スイッチ38bが設けられている。
ホース収納部44は昇降機構46により昇降自在に支持されている。昇降機構46は、ホース収納部44の矩形底部のコーナーに相対した4箇所に水圧アクチュエータ60が起立して配置され、水圧アクチュエータ60はシリンダ筒内に摺動自在に設けたピストンに連結されたピストンロッドが上方に取出され、ピストンロッドの先端がホース収納部44の底部に固定されている。
昇降機構46を配置した内部空間の下側となる管理用通路20には制御機構収納部45が配置され、制御機構収納部45には、ホース収納部44のホース54に消火用水を供給して放水させる放水制御機構と、昇降機構46を昇降駆動させるための昇降制御機構が設けられている。
制御機構収納部45に対しては給水本管23から分岐した分岐配管23aが連結され、消火ポンプ設備から給水本管23に供給されている消火用水を導入している。また、分岐配管23aは上部に分岐され、図3に示した給水栓90に接続されている。
制御機構収納部45に内蔵した放水制御機構からの配管は、連結ホース62を介してホース収納部44のホース接続口となるフレキシブルジョイント63に連結されている。連結ホース62は、昇降機構46によりホース収納部44を監視員通路14の消火栓昇降口42から押し上げて露出させた露出位置に保持した場合に、連結に必要な余裕を持ったホース長としており、これにより固定側となる配管に対しホース収納部44が昇降作動しても、連結ホース62が抜けることなく、ホース収納部44が動けるようにしている。また、昇降作動で生ずる連結ホース62の動きはフレキシブルジョイント63の動きで吸収される。
また、制御機構収納部45に内蔵した昇降制御機構からは、消火用水の供給と排水を行うための配管が昇降機構46の水圧アクチュエータ60に接続されている。
ここで、昇降機構46に設ける水圧アクチュエータ60の数は必要に応じて適宜の数とすることができ、例えば、ホース収納部44の重量に対応した押上力を持つ所定口径の水圧アクチュエータを中央に1本配置しても良いし、同様に、ホース収納部44の重量に対応した合計押上力をもつ3本の水圧アクチュエータ60を三角形に配置しても良い。
また、ホース収納部44と制御機構収納部45との連結は、監視員通路内を連結ホース62とし、管理用通路20側を配管としているが、ホース収納部44と制御機構収納部45との間を連結ホースにより直接に連結してもよい。この場合にも、ホース収納部44側及び制御機構収納部45に対する連結ホースの接続は、何れか一方又は両方をフレキシブルジョイントによる連結とする。
また、図5に示すように、監視員通路14に面したトンネル壁面12に設置された指向性スピーカ24及び方向表示装置25は、監視員通路14を通って避難する人の背丈を超えない高さに設置されており、更に、トンネル壁面12の湾曲に合せて指向方向を僅かに斜め下向きとしており、監視員通路14を避難する人、及び、監視員通路14の前壁14aに沿って道路15を避難する人も、指向性スピーカ24から出力された避難誘導メッセージを明瞭に聞くことができる。
(放水制御機構)
図6は管理用通路内に設置した制御機構収納部に設けられた放水制御機構と昇降制御機構の実施形態を示した説明図である。
図6に示すように、放水制御機構64は、給水本管からの分岐配管23aを引き込んで電動弁を用いた遠隔消火栓弁70が接続され、遠隔消火栓弁70と並列に手動消火栓弁72が接続されている。遠隔消火栓弁70に続いては圧力調整弁74が接続され、圧力調整弁74の2次側が、図4に示したように、連結ホース62を介してホース収納部44に連結されている。更に、圧力調整弁74の二次側には自動排水弁76が接続されている。
遠隔消火栓弁70は、図4に示したホース収納部44に設けられた放水スイッチ38aを操作すると開制御され、消火用水がホース収納部44側に供給される。また、放水作業中に図4に示したホース収納部44に設けられた放水停止スイッチ38bを操作すると閉制御され、ホース収納部44に対する消火用水の供給が停止される。
なお、遠隔消火栓弁70を電動弁とせず、ホース収納部44に消火栓弁開閉レバーを設けてリンクワイヤーで連結し、消火栓弁開閉レバーの操作による遠隔操作で消火栓弁を開閉させるようにしても良い。
(昇降制御機構)
図6に示すように、昇降制御機構66は、給水本管からの分岐配管23aを引き込んで電動弁を用いた遠隔制御弁78が接続され、遠隔制御弁78と並列に手動制御弁80が接続されている。遠隔制御弁78の二次側は自動調圧弁81、逆止弁82及びオリフィス83を介して図4に示した水圧アクチュエータ60に配管を介して連結されている。オリフィス83の1次側には排水弁84が接続される。
自動調圧弁81はスプリング荷重の調整により設定圧力を調整することができ、設定圧力を変えることで水圧アクチュエータ60によるホース収納部44の上昇速度を調整可能としている。
通常監視状態で、遠隔制御弁78、手動制御弁80及び排水弁84は閉鎖されており、図4の水圧アクチュエータ60に消火用水が供給されないことから、水圧アクチュエータ60のピストンは図示の最下点に位置し、ホース収納部44を監視員通路14の内部空間に収納し、ホース収納部44の路面板50により消火栓昇降口42を閉鎖した状態としている。
トンネル内での火災を伴う車両事故の発生時には、図2に示した通報装置パネル28の上昇スイッチ36aを操作すると遠隔制御弁78の開制御が行われ、オリフィス83を介して水圧アクチュエータ60に消火用水が供給され、シリンダ内のピストンを押上げ、ピストンロッドを介してホース収納部44を上昇させる。
この場合、オリフィス83で絞られた量の消火用水が水圧アクチュエータ60に供給されるため、ホース収納部44は、自動調圧弁81の調整圧力とオリフィス83で決まるゆっくりした所定の速度で押し上られて監視員通路14上に露出され、フルストロークとなった位置に停止して保持される。
監視員通路14上に露出保持されたホース収納部44を収納する場合には、図3に示したホース収納部44の下降スイッチ36bを操作すると遠隔制御弁78の閉制御が行われ、水圧アクチュエータ60に対する消火用水の供給が停止される。この状態で係員が管理用通路20に入って制御機構収納部45の排水弁84を開操作すると、水圧アクチュエータ60から消火用水が排水され、ホース収納部44の重量を受けている昇降機構46の水圧アクチュエータ60がオリフィス83により決まるゆっくりした所定の速度で下降し、ホース収納部44を消火栓昇降口42の中に収納させる。
なお、排水弁84を電動弁を用いた遠隔排水弁とし、下降スイッチ36bの操作により遠隔制御弁78を閉制御させ、続いて、遠隔排水弁を開制御させることで、昇降機構46によるホース収納部44の下降で消火栓昇降口42の中に収納させるようにしても良い。
[消火栓設備の動作]
図7は昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を道路側から見た断面で示した説明図である。
(通常監視時)
図1に示すトンネル10の道路を車両が通行している通常監視時にあっては、図4及び図5に示すように、消火栓設備16のホース収納部44は、昇降制御機構66からの消火用水の供給が停止されていることで、昇降機構46の水圧アクチュエータ60はピストンを最下点に位置させ、これにより昇降機構46はホース収納部44を監視員通路14の内部空間に収納し、筐体48の上面の路面板50を消火栓昇降口42の段部42aに押し当てて支えており、監視員通路14内に消火栓設備16を設置していても、監視員通路14を通る人の通行を妨げたり、危険を及ぼすことはない。
(火災発生時)
一方、トンネル10内で火災を伴う車両事故が発生した場合には、利用者は火災発生場所に近い消火栓設備16に出向き、図3に示す通報装置パネル28の発信機32を押して図2に示した防災受信盤100に火災通報信号を送信し、防災受信盤100から確認応答信号を受信して応答ランプ34が点灯され、監視センター側への通報完了を確認する。
続いて、消火作業を行うため、通報装置パネル28に設けている上昇スイッチ36aを押してオンする。この上昇スイッチ36aのオン操作により昇降制御機構66の遠隔制御弁78に開制御信号が送られ、遠隔制御弁78が開制御されることで、分岐配管23aからの消火用水が遠隔制御弁78からオリフィス83を介して昇降機構46の水圧アクチュエータ60に送られ、シリンダ内に供給された消火用水によりピストンが上昇し、ピストンロッドを介して支持しているホース収納部44を押し上げる。
このため監視員通路14の消火栓昇降口42を閉鎖している路面板50が持ち上がり、内部に収納していたホース収納部44が路面からゆっくり表れ、図7に示す露出位置まで上昇して停止し、この露出位置を保持する。
このように監視員通路14の上に露出状態にホース収納部44が保持されると、利用者は道路側から筐体48の前面開口を介してノズル56を取出すことで、簡単且つ容易にホース54を引き出すことができる。
続いて、利用者は、露出したホース収納部44に設けている放水スイッチ38aを押してオンすると、放水制御機構64の遠隔消火栓弁70に開制御信号が出力され、遠隔消火栓弁70が開放し、圧力調整弁74で調整された規定圧力の消火用水が連結ホース62を介してホース54に供給され、ノズル56からの放水により消火活動を行うことができる。
一方、監視員通路14側から利用者が消火作業を行う場合には、監視員通路14上に露出保持されたホース収納部44における筐体48の背面開口からノズル56を取出すことで、簡単且つ容易にホース54を引き出して消火作業を行うことができる。
火災が鎮火して消火作業が終了した場合には、ホース収納部44に設けている放水停止スイッチ38bを押してオンすると、放水制御機構64の遠隔消火栓弁70に閉制御信号が出力され、遠隔消火栓弁70が閉鎖し、ノズル56からの放水を停止させることができる。
また、消火作業が終了した後の復旧作業では、ホース54の水抜きを行った後に、監視員通路14上に露出保持されているホース収納部44の中に内巻き状態にホース54を収納する。続いて、通報装置パネル28に設けている下降スイッチ36bをオン操作することで、昇降制御機構66の遠隔制御弁78に閉制御信号を送って閉鎖させる。
この状態で係員が管理用通路20に入り、制御機構収納部45に設けている昇降制御機構66の排水弁84を開くと、水圧アクチュエータ60から消火用水が排水され、ホース収納部44の重量を受けて昇降機構46が下降し、路面板50が消火栓昇降口42の段部42aに当る位置まで下降して停止し、ホース収納部44が監視員通路14の内部空間に収納された状態となる。
なお、排水弁84を電動弁を用いた遠隔排水弁とし、下降スイッチ36bのオン操作で遠隔制御弁78を閉制御させた後に遠隔排水弁を開制御させることで、管理用通路20に入って排水弁84を操作することなく、遠隔操作によりホース収納部44を収納状態に下降させるようにしても良い。
なお、昇降機構46の故障等により上昇スイッチ36aを操作してもホース収納部44が監視員通路14上に露出されない場合は、消火栓扉26を開くことで、ノズル56を取り出してホース54を引き出すことが可能であり、高いフェイルセーフ性が確保されている。
[消火栓設備を利用した避難誘導制御]
(防災受信盤)
図8は図2の防災受信盤と消火栓制御装置の機能構成を示したブロック図である。図8に示すように、防災受信盤100は盤制御部124を備え、盤制御部124は例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
盤制御部124に対しては伝送部126が設けられ、伝送部126から引き出された伝送路102にトンネル10内に50メートル間隔で設置された消火栓設備16の消火栓制御装置140が接続され、またトンネル10内に所定間隔で設置された火災検知器が接続されている。
盤制御部124に対しては、スピーカ、警報表示灯等を備えた警報部128、液晶ディスプレイ、プリンタ等を備えた表示部130、各種スイッチ等を備えた操作部132、外部監視設備と通信するIG子局設備118を接続するモデム134が設けられ、更に、図2に示した消火ポンプ設備104、冷却ポンプ設備106、換気設備108、警報表示板設備110、ラジオ再放送設備112、テレビ監視設備114及び照明設備116が接続されたIO部136が設けられている。
盤制御部124は、伝送部126に指示してトンネル内に設置された火災検知器のアドレスを順次指定したポーリングコマンドを含む呼出信号を繰り返し送信しており、火災検知器は自己アドレスに一致する呼出信号を受信すると、火災検知等の自己の状態情報を含む応答信号を返信する。また、防災受信盤100の盤制御部124は、火災検知器からの火災情報を含む応答信号(火災信号)の受信により火災を検知した場合は警報部128により火災警報を出力させると共にIO部136を介し他設備の連動を指示する制御を行う。
また、盤制御部124は、火災検知器から火災情報を含む応答信号(火災信号)を受信して火災警報を出力した場合、火災発生場所に対し所定の危険範囲、例えば100メートル以内に位置する消火栓設備16に対しては、火災発生場所から遠ざかる方向を避難方向に設定した避難誘導制御信号を送信し、それ以外の消火栓設備16に対しては、近い方の避難場所に向かう避難方向を設定した避難誘導制御信号を送信する制御を行う。
また、トンネル10内は、換気設備によりトンネル上り方向に気流の流れを作り出していることから、盤制御部124は、トンネル内の気流方向を考慮した避難方向を設定しても良い。
なお、火災発生場所に対する避難方向の設定は、防災受信盤100から消火栓設備16側へ火災発生場所を設定した避難誘導制御信号を送信することで、消火栓設備16側で行うようにしても良い。
(消火栓制御装置)
図8に示すように、消火栓設備16には消火栓制御装置140が設けられる。消火栓制御装置140は消火栓制御部142と伝送部144を備える。伝送部144は防災受信盤100との間で伝送路102を介してIPパケットの送受信を行う。このため伝送部144には固有のIPアドレスが設定されている。
消火栓制御部142は例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
消火栓制御部142に対しては、指向性スピーカ24、方向表示装置25、ホース収納部44に設けられた通報装置パネルユニット146、放水スイッチ38a、放水停止スイッチ38bが接続される。なお、通報装置パネルユニット146には、図3に示した赤色表示灯30、発信機32、応答ランプ34、上昇スイッチ36a及び下降スイッチ36bが含まれる。また、消火栓制御部142に対しては、制御機構収納部45に設けられた遠隔消火栓弁70及び遠隔制御弁78が接続される。
消火栓制御部142は、通報装置パネルユニット146に設けられた発信機32の操作による信号を入力すると、伝送部144に指示して防災受信盤100に火災通報信号を送信させる制御を行う。
また、消火栓設備16からの火災通報信号を受信した防災受信盤100は火災警報を出力させると共に応答確認信号を送信してくることから、消火栓制御部142は防災受信盤100からの確認応答信号を受信して通報装置パネルユニット46に設けられた応答ランプ34を点灯させる制御を行う。
また、消火栓制御部142は、通報装置パネルユニット146に設けられた上昇スイッチ36aの操作信号を入力すると、遠隔制御弁78を開制御して昇降機構46によりホース収納部44を上昇させて監視員通路14上に露出させる制御を行う。
また、消火栓制御部142は、放水スイッチ38aの操作信号を入力すると、遠隔消火栓弁70を開制御してノズル付きホースから消火用水を放水させる制御を行う。
また、消火栓制御部142は、放水停止スイッチ38bの操作信号を入力すると、遠隔消火栓弁70を閉制御してノズル付きホースから消火用水の放水を停止させる制御を行う。
(指向性スピーカによる避難誘導制御)
消火栓制御部142には避難誘導制御部148の機能が設けられる。避難誘導制御部148は、防災受信盤100で火災警報が出力された場合に送信される避難誘導制御信号を受信した場合に、メモリに予め記憶されている避難誘導メッセージの音声データを読出し、音声信号に変換した後に増幅して指向性スピーカ24に供給し、避難誘導メッセージを音声出力させる制御を行う。
ここで、避難誘導制御部148により指向性スピーカ24から出力させる避難誘導メッセージの音声データは、避難口までの距離を示す音声データとしてメモリに予め記憶されている。
メモリに記憶されている避難口までの距離を示す音声データは、例えば「避難口まで250メートルです」としている。トンネル内の避難方向はトンネル上り方向(出口方向)とトンネル下り方向(入口方向)があることから、トンネル上り方向について「避難口まで300メートルです」とする音声データと、トンネル下り方向について「避難口まで200メートルです」とする音声データが記憶され、避難誘導制御部148は防災受信盤100からの避難誘導制御信号に設定されている避難方向に対応した音声データを選択して指向性スピーカ24から避難誘導メッセージを音声出力させる。
一方、本発明の他の実施形態として、方向表示装置25を設置していない場合には、避難誘導制御部148により指向性スピーカ24から出力させる避難誘導メッセージの音声データは、避難口までの距離と方向を示す音声データがメモリに予め記憶されている。メモリに記憶されている避難口までの距離と方向を示す音声データは、例えば「トンネル上り方向に避難してください。避難口まで300メートルです。」としている。
また、トンネル内の避難方向はトンネル上り方向とトンネル下り方向があることから、メモリには、トンネル上り方向について「トンネル上り方向に避難してください。避難口迄3000メートルです。」とする音声データと、トンネル下り方向について「トンネル下り方向に避難してください。避難口まで200メートルです。」とする音声データが記憶され、避難誘導制御部148は防災受信盤100からの避難誘導制御信号に設定されている避難方向に対応した音声データを選択して指向性スピーカ24から避難誘導メッセージを音声出力させる。
(方向表示装置による避難誘導制御)
避難誘導制御部148は、防災受信盤100で火災警報が出力された場合に送信される避難誘導制御信号を受信した場合に、受信した避難誘導制御信号に設定されている避難方向に基づき、方向表示装置25にトンネル上り方向又はトンネル下り方向を表示させる制御を行う。
(ホース収納部の上昇警報音)
消火栓制御部142は、通報装置パネルユニット146に設けられた上昇スイッチ36aの操作信号を入力して昇降機構46によりホース収納部44を上昇させる場合に、指向性スピーカ24から所定の警報音又は警報メッセージを出力させる制御を行い、周囲にいる人に注意を促す。
なお、消火栓制御部142は、通報装置パネルユニット146に設けられた下降スイッチ36bの操作信号を入力して昇降機構46によりホース収納部44を下降させる場合に、指向性スピーカ24から所定の警報音又は警報メッセージを出力させる制御を行い、周囲にいる人に注意を促すようにしても良い。
(トンネル内火災に伴う避難誘導)
図9は消火栓設備毎に設けられた指向性スピーカによる避難誘導の様子をトンネル平面で示した説明図である。
図9に示すように、トンネル10にはトンネル入口10aから監視員通路14に沿って例えば消火栓設備16−1,・・・16−10,16−11,16−12,・・・・が設置されており、これに対応してトンネル壁面に指向性スピーカ24−1,・・・24−10,24−11,24−12,・・・が設置されている。なお、消火栓設備16−1,16−10,16−11,16−12及び指向性スピーカ24−1,24−10,24−11,24−12を区別する必要がない場合は、消火栓設備16及び指向性スピーカ24という場合がある。
いま、消火栓設備16−12の右側のトンネル内で火災を伴う車両事故が発生しており、且つ、消火栓設備16−1〜16−12が火災発生場所に対する危険範囲から外れていたとすると、消火栓設備16−1〜16−12に対し防災受信盤100からは、近い方の避難場所となる避難口150又はトンネル入口10aの方向を避難方向に設定した避難誘導制御信号が送信される。
このため消火栓設備16−1に設けられた指向性スピーカ24−1は、「出口まで25メートルです。」とする避難誘導メッセージを音声出力し、方向表示装置25−1はトンネル入口10aを示すトンネル下り方向を避難方向に表示する。
また、消火栓設備16−10に設けられた指向性スピーカ24−10は、「避難口まで75メートルです。」とする避難誘導メッセージを音声出力し、方向表示装置25−10は避難口150のを示すトンネル上り方向を避難方向に表示する。
また、消火栓設備16−11に設けられた指向性スピーカ24−11は避難口150に誘導するため、「避難口まで25メートルです。」とする避難誘導メッセージを音声出力し、方向表示装置25−11は避難口150を示すトンネル上り方向を避難方向に表示する。
更に、消火栓設備16−12に設けられた指向性スピーカ24−12は避難口150に誘導するため、「避難口まで25メートルです。」とする避難誘導メッセージを音声出力し、方向表示装置25−12は避難口150を示すトンネル下り方向を避難方向に表示する。
このため、トンネル内で火災を伴う車両事故が発生し、監視員通路14を通って避難する場合、所定間隔で設置された消火栓設備16の前を通過する際に、指向性スピーカ24から避難口やトンネル出口等の避難場所へ誘導する避難誘導メッセージを聞き、且つ、方向表示装置25による避難方向の表示を確認することで、現在位置から避難口やトンネル出口等の安全な避難場所までの距離と方向を知ることができ、火災発生により混乱した状況にあっても、避難場所が確認できることで、落ち着いた避難行動を可能し、また、トンネル内に煙層などがあって視界が悪い場合でも、避難誘導メッセージを聞くことができるため適切な避難行動を可能とする。
[アレイスピーカ]
図10は指向性スピーカとして使用するアレイスピーカを示した説明図であり、図10(A)に正面を示し、図10(B)に側面を示す。
図3に示したように、監視員通路14の消火栓設備16が設置されたトンネル壁面12に設置される指向性スピーカ24として図10に示すアレイスピーカを使用してもよい。
図10に示すように、本実施形態で使用するアレイスピーカ150は、3台のスピーカ152を水平方向に並べて配列している。
アレイスピーカ150のスピーカ152をから出力された避難誘導メッセージの音は、垂直方向にはスピーカ152の音波面の干渉により増幅されて、点線で示すように、扇状に伝播し、アレイスピーカ150に対しトンネル長手方向において同じ位置にいる人物は、短手方向(トンネルを横切る方向)の位置に関わらず、避難誘導メッセージの音を聞き取ることができ、長手方向となる避難場所までの距離を明瞭に聞くことができる。
また、水平方向にはアレイスピーカ150のスピーカ152の音波面の干渉により減衰されて、点線で示すように、水平幅以上の伝播が乏しくなるので、所定間隔に設置した消火栓設備にアレイスピーカ150が配置されていても、相互に干渉することなく、内容の異なる避難誘導メッセージを明瞭に聞くことができる。
[本発明の変形例]
(指向性スピーカのみの避難誘導)
上記の実施形態は、消火栓設備毎に指向性スピーカと方向表示装置を設置しているが、これに限定されず、例えば、消火栓設備毎に指向性スピーカのみを設置し、避難場所までの距離と方向を示す避難誘導メッセージを音声出力させるようにしても良い。
(指向性スピーカと方向表示装置の配置)
上記の実施形態では、消火栓設備が設置された監視員通路のトンネル壁面に指向性スピーカと方向表示装置を配置しているが、これに限定されず、例えば、消火栓設備の近傍であれば適宜の位置に設置しても良い。
(消火栓収納部)
上記の消火栓設備は、昇降機構によりホース収納部を昇降自在に支持しているが、これに限定されない。例えば、ホース収納部と一体に消火器収納部を設けて消火器を収納し、消火器を使用する場合にも、昇降機構により消火器収納部をホース収納部と一体に監視員通路上の露出位置に上昇させるようにしても良い。
このため、火災検知器による火災検知時または発信機を操作した場合に、監視員通路内に収納されている消火器収納部がホース収納部と共に昇降機構により上昇して監視員通路の路面上に露出し、消火器扉の開放操作を必要とすることなく、監視員通路上に露出した消火器収納部から簡単且つ容易に取り出して消火を行うことができる。
(昇降機構)
上記の実施形態は、水圧シリンダによりホース収納部を昇降させる昇降機構を例にとっているが、これに限定されない。例えば、別の機構、パンタグラフ式の昇降機構やネジシャフト式の昇降機構を用いても良い。また、油圧式の昇降機構としても良い。
(消火栓設備)
上記の実施形態で示した消火栓設備のホース類や消火栓弁等のバルブ類、通報装置の構成及び配置、その他の構成については任意であり、適宜の構成を採用して良い。
(その他)
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:トンネル
12:トンネル壁面
14:監視員通路
15:道路
16:消火栓設備
18:床版
20:管理用通路
22:ダクト
23:給水本管
23a:分岐配管
24:指向性スピーカ
25:方向表示装置
25R:上り方向表示部
25L:下り方向表示部
26:消火栓扉
28:通報装置パネル
36a:上昇スイッチ
36b:下降スイッチ
38a:放水スイッチ
38b:放水停止スイッチ
42:消火栓昇降口
44:ホース収納部
45:制御機構収納部
46:昇降機構
48:筐体
50:路面板
54:ホース
55:ホース取出口
56:ノズル
60:水圧アクチュエータ
62:連結ホース
63:フレキシブルジョイント
64:放水制御機構
66:昇降制御機構
70:遠隔消火栓弁
78:遠隔制御弁
80:手動制御弁
81:自動調圧弁
82:逆止弁
83:オリフィス
84:排水弁
100:防災受信盤
102:伝送路
124:盤制御部
126,144:伝送部
140:消火栓制御装置
142:消火栓制御部
148:避難誘導制御部
150:アレイスピーカ

Claims (3)

  1. スピーカがトンネル内に複数配置されたトンネル非常用設備に於いて、
    前記トンネル内の火災発生時に、
    前記トンネル内の火災発生場所に近い場所に配置されている前記スピーカの音声は、前記火災発生場所から遠ざかる方向に位置する避難場所へ避難を誘導し、
    前記トンネル内の火災発生場所から遠い場所に配置されている前記スピーカの音声は、最短距離に位置する避難場所へ避難を誘導する、
    ことを特徴とするトンネル非常用設備。
  2. 請求項1記載のトンネル非常用設備に於いて、
    前記トンネル内の火災発生場所に対する前記スピーカの配置位置が前記近い場所か前記遠い場所かの判定条件は、少なくともトンネル内の気流方向を含むことを特徴とするトンネル非常用設備。
  3. 請求項1記載のトンネル非常用設備に於いて、
    前記トンネル非常用設備は、前記トンネル内の火災発生場所に対する前記スピーカの配置位置が前記近い場所か前記遠い場所かの判定を行い、判定された結果に基づき前記スピーカから音声を出力させる制御部が設けられた防災受信盤を備えたことを特徴とするトンネル非常用設備。
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