図1は本発明による消火栓装置点検システムの実施形態を示したブロック図である。図1において、消火栓装置10はトンネルの側壁に沿って50メートル間隔で複数台設置され、内部にノズル付きホースと消火器を収納している。消火栓装置10の各々には端末ユニット12が設けられる。
消火栓装置10に設けた端末ユニット12は伝送路16を介して監視室などに設置されたセンタ装置14に接続される。センタ装置14は消火栓装置10の点検時に機能点検コマンドを含む電文信号(以下単に「電文」という)を送信し、機能点検動作を行わせる。端末ユニット12側からセンタ装置14へは、各消火栓装置10に設けた起動センサや放水圧センサ等の状態情報を送信する。
センタ装置14には防災受信盤20が信号線接続され、防災受信盤20に接続された火災検知器の火災検知信号を受信する。消火栓装置10に設けた発信機等の起動スイッチが操作された場合にはセンタ装置14から防災受信盤20へ移報信号を送信する。
またセンタ装置14にはポンプ制御盤18が信号線接続され、消火作業や機能点検時にポンプを起動する起動信号をポンプ制御盤18に送信する。
図2は図1に示したトンネルに設置される消火栓装置の説明図であり、図2(A)に正面図を、図2(B)に消火栓扉を外した状態の内部構造を示している。図2(A)において、消火栓装置10は、筐体26の前面に配置した化粧板28の右側の扉開口に、消火栓扉30と保守扉32が設けており、その内部がホース収納空間及びバルブ類収納空間となっている。消火栓扉30は下側のヒンジを中心に前方に開閉する。
消火栓扉30の上には、上側のヒンジにより上向に開閉する保守扉32が設けられており、点検時に消火栓扉30を開いて内側のロックを外すことで開くことができる。
筐体26の左側扉開口の右側には通報装置扉34が設けられ、ここに赤色表示灯36、発信機38、及び応答ランプ40を設けている。赤色表示灯36は常時点灯し、消火栓装置10の設置場所が遠方から分かるようにしている。火災時には、発信機38を押してスイッチボタンをオンすると、発信信号が監視室のセンタ装置14を経由して防災受信盤20に送信されて火災警報が出され、これに伴い応答信号がセンタ装置14から送られて、応答ランプ40を点灯する。
通報装置扉34の左側には消火器扉42が設けられ、消火器扉42に対応した筐体22の内部を消火器収納空間とし、図2(B)に示すように2本の消火器45を収納している。消火器扉42は左側をヒンジとして前方に開くことができる。また、消火器扉44の下側には覗き窓45が設けられ、外部から消火器の収納状態の有無を確認できるようにしている。
図2(B)において、筐体22の左側にはホース収納空間が形成され、右側にバルブ類収納空間を形成している。ホース収納空間には、その周囲を囲んでホース50を押えるホースバケット46が設けられ、ホースバケット46及び筐体内壁で囲まれたホース収納空間にホース54を内巻きして収納している。ホースバケット46は、格子状のフレーム配置により扉開口の左右方向における略中央となる位置にホース取出口48を仕切り形成している。
ホースバケット46の右側には、ホース取出口48から引き出したホース50の先端に装着しているノズル52を横向きで着脱自在に保持している。
ホース収納空間の右側に配置したバルブ類収納空間には、ポンプ設備からの配管22が接続される消火栓接続口からホース接続口に至る配管系統に、給水弁53、消火栓弁(操作案内板の背面に位置)、自動調圧弁58及びメンテナンス装置65を含む放水バルブ系統と後の説明で明らかにする機能点検バルブ系統を設けている。
消火栓弁に対しては消火栓弁開閉レバー66が設けられ、これに対応して設けた銘板の裏側に配置された消火栓弁を開閉する。
同時に消火栓弁開閉レバー66の背後に設置している弁開閉検出スイッチがオンし、これによって図1のセンタ装置14を経由してポンプ制御盤18にポンプ起動信号が送られ、ポンプ設備が起動される。放水を停止する際には、消火栓弁開閉レバー66を元の上向き位置に戻すと消火栓弁が閉じ、同時に弁解閉検出スイッチがオフとなってポンプ設備の運転停止が行われる。
また給水弁54の手前にはポンプ起動スイッチ70が配置される。給水弁54及びポンプ起動スイッチ70は消防隊が消火時に操作する機器であり、消火栓扉30を開いても保守扉32により隠されており、消火栓装置を操作しようとする一般ユーザに見せないことで、不要な混乱を起させないようにしている。
図3は本願の第1発明による消火栓装置の放水バルブ系統と点検バルブ系統の実施形態を示した説明図である。図3において、バルブ類収納空間には、給水弁54、遠隔消火栓弁55、消火栓弁56、自動調圧弁58、遠隔三方切替弁60、オリフィス72、仕切弁76、放水圧力センサ78、自動排水弁61、安全弁64およびメンテナンス装置65を設けている。
消火栓弁56は給水配管22を接続した給水弁54の1次配管に分岐接続され、消火栓弁開閉レバー66の操作により開閉される。消火栓弁56と並列には電動弁を用いた遠隔消火栓弁55が接続され、センタ装置14からの制御電文により遠隔的に開閉制御され、通常時は閉止しており、点検時に開放される点検時用消火栓弁である。自動調圧弁58は消火栓弁56の2次側に直列接続され、ノズル52側の放水圧力を規定圧に調整する。
自動調圧弁58の二次側に遠隔三方切替弁60が接続され、電動式の三方切替弁であり、センタ装置14からの切替電文により、自動調圧弁58の2次側のポートaとノズル側のポートbを連通する右側に取り出して示す通常位置60a、又は自動調圧弁58の2次側のポートaを排水側のポートcに連通する右側に取り出して示す点検位置60bに切り替える。
オリフィス72は遠隔三方切替弁60のポートcからドレインに至る排水管74aの途中に設けられ、所定の点検流量を排水側に流す。即ち、オリフィス72はノズル52に相当する流量を流すもので点検時の擬似的なノズルとして機能する。
自動調圧弁58の二次側に接続された放水圧力センサ78は、機能点検時にオリフィス72の1次側の圧力を放水圧力として検出し、検出した放水圧力は端末ユニット12によりセンタ装置14の測定情報として送られる。本実施形態では圧力センサ72は自動調圧弁58と遠隔三方切替弁60との間の配管に仕切弁76を介して接続され、機能点検時のオリフィス72の一次側の放水圧力測定だけでなく、消火放水時のホース50に入力される消火用水の放水圧力も測定して、センタ装置14に測定情報を送るようにしている。この放水圧力センサを遠隔三方切替弁の一次側に接続配置することで、消火作業時の放水圧力の監視と、機能点検時のオリフィス72に流れる放水圧の点検と、従来通りのメンテナンス装置65に点検用ホースを接続して機能点検を行うときの圧力測定にも使用することができる。なお、放水圧力センサ78は本発明のオリフィス72及び排水管74aを使用した機能点検のみに使用する場合は、遠隔三方切替弁60のポートcに接続される排水管74aに接続して機能点検時にのみ使用するよう配置しても良い。
ホース接続口67への配管の途中にはメンテナンス装置65が設けられる。また遠隔三方切替弁60のノズル側のポートbからドレインに至る排水管74bには自動排水弁61と安全弁64が並列に設けられている。自動排水弁61は、消火作業を行っていない通常監視時に開放して消火栓弁56からホース52に至る配管内に存在する消火用水を排水管74bに流して排水し、消火時には消火用水の充水により配管内の圧力が所定値を越えたときに閉動作して排水を停止する。安全弁64はホース52側の圧力が所定値を越えたときに開動作して排水管74bに消火用水を流して圧力上昇を抑える。
端末ユニット12は制御負荷として遠隔消火栓弁55と遠隔三方切替弁60を接続し、また、検出部や操作部として、消火栓弁開閉検出スイッチ68、放水圧力センサ78と消防隊が使用するポンプ起動スイッチ70を接続している。
ここで図3の実施形態による火災時の放水動作を説明する。消火栓装置10の通常監視状態にあっては、遠隔三方切替弁60は通常位置60aにあり、ポートaとポートbを連通することで、自動調圧弁58の2次側を遠隔三方切替弁60を介してノズル付きホース50側に連通している。通常監視状態では消火栓弁56の二次側には消火用水が存在せず、ノズル52及び自動排水弁61が開放していることから放水圧力センサ78は大気開放圧となる。
火災時には、図2に示した消火栓扉30を開き、消火栓弁開閉レバー66を操作し消火栓弁56が開放位置に作動され、給水配管22から加圧供給された消火用水を自動調圧弁58で所定圧に調圧した後、遠隔三方切替弁60を介してホース50側に供給し、ホース50を消火対象物まで引き延ばしてノズル52から放水する。
消火栓弁開閉レバー66を操作すると同時に背後に設置している消火栓弁開閉検出スイッチ68がオンし、端末ユニット12から図1のセンタ装置14に消火栓弁開の電文を送信し、ホンプ制御盤18にポンプ起動信号を出力してポンプ設備を起動する。放水を停止する際には、消火栓弁開閉レバー66を元の位置に戻すと消火栓弁56が閉じ、同時に弁開閉検出スイッチ68がオフとなり、端末ユニット12から図1のセンタ装置14に消火栓弁閉の電文を送信し、ホンプ制御盤18にポンプ停止信号を出力してポンプ設備の運転停止が行われる。
次に図3の実施形態による機能点検時の動作を説明する。機能点検を行う際には、図1に示したセンタ装置14で消火栓装置を指定した機能点検開始操作が行われ、これに伴い端末ユニット12に機能点検の電文が送信される。受信電文から機能点検を認識した端末ユニット12は、遠隔三方切替弁60に制御信号を出力して通常位置60aから点検位置60bに切り替える。これによって自動調圧弁58の2次側はオリフィス72を通って排水管74a側に連通する。遠隔三方切替弁60が正しく切り替わったかを監視する監視用センサを遠隔三方切替弁60に配置して、センタ装置14に送信してもよい。
続いて端末ユニット12は遠隔消火栓弁55に制御信号を出力して開制御する。遠隔消火栓弁55が開放されると、給水配管22からの加圧消火用水は自動調圧弁58で調圧された後、点検位置60aに切り替わっている遠隔三方切替弁60を通ってオリフィス72から排水管74aに流れ、擬似的な実機能点検状態を作り出す。
この機能点検中に放水圧力センサ78で検出された放水圧力の電文が、端末ユニット12から図1のセンタ装置14に送られて放水圧力が表示され、適正な放水圧力が得られているかどうかが判断でき、消火栓装置10の設置現場に出向く必要はない。適正な放水圧力が得られているかどうかの判断はセンタ装置が自動的に判断して判断結果を表示するようにしても良い。
また点検中にあっては、遠隔三方切替弁60からオリフィス72を介して排水管74aに消火用水が流れるだけであり、メンテナンス装置65にノズル付きダミーホースを接続した実機能点検のように、トンネル内への放水が行われることはなく、機能点検の際にトンネル内での車線規制は不要であり、簡単且つ容易に機能点検ができる。
点検放水による放水圧力を確認すると、センタ装置14から機能点検終了の電文が送られ、この電文を端末ユニット12で受信して遠隔消火栓弁55に制御信号を出力して閉制御し、同時にセンタ装置14からポンプ停止信号がポンプ制御盤18に出力されてポンプ設備の運転が停止される。
遠隔消火栓弁55の閉制御に伴いオリフィス72側の圧力は低下し、圧力センサ78で検出している放水圧力がドレイン側の大気開放圧に低下した時に、端末ユニット12は遠隔三方切替弁60に制御信号を出力して点検位置60bから通常位置60aに切替え、機能点検を終了する。遠隔三方切替弁60の点検位置60bから通常位置60aに切替えは、管内に残っている消火用水を完全に排水するため、所定の遅延時間後に切替えることが望ましい。
また機能点検中に、火災が発生して消火栓弁開閉レバー66の開操作が行われた場合には、強制的に機能点検を終了して遠隔三方切替弁60を点検位置60bから通常位置60aに切替えることで、ノズル52からの放水に切替えることができる。
なお、本実施形態においてはメンテナンス装置65を従来通りに配管途中に設けているが、本発明は遠隔的に点検を行うことができることから、メンテナンス装置65を削除してもよい。遠隔点検だけでなく現地でも従来通りの機能点検を行ないたい場合にはメンテナンス装置65を設けても良い。自動調圧弁58は消火栓弁56の一次側に配置しても良い。
この遠隔点検の実行タイミングは、センタ装置14における監視員の点検開始操作で行っても良いし、センタ装置14が定期的に所定のタイミングで自動的に行っても良い。機能点検は消火栓装置毎に順に点検を行う。また、防災受信盤からの火災信号を受信した場合や、消火栓装置にて消火作業時には、遠隔点検を行わない。また、機能点検中に、火災信号の受信や消火栓による作業の開始を受信した場合には点検を終了し、元の通常監視状態に復旧させる。
また、施工時などの自動調圧弁58を操作して調圧設定を行う場合、あるいは消火栓装置に居て圧力値を目視監視するために、圧力センサ78と並列に表示部を備える圧力計を配置しても良い。
図4は図1のセンタ装置14と消火栓装置10に設けた端末ユニット12の詳細を示したブロック図である。図4において、消火栓装置の端末ユニット12には端末伝送部80と端末処理部82が設けられ、端末処理部82に対しては制御負荷として遠隔消火栓弁55及び遠隔三方切替弁60が設けられ、また操作部及びセンサとして消火栓弁開閉検出スイッチ68、ポンプ起動スイッチ70及び放水圧力センサ78が設けられている。
一方、センタ装置14にはセンタ伝送部84とセンタ処理部86が設けられ、センタ処理部86に対しては表示部92、操作部94、警報部96、更に記憶部98が接続されている。センタ処理部86にはコンピュータのCPUによるプログラムの実行で実現される機能として、消火栓装置監視部88と機能点検部90が設けられている。
センタ処理部86に設けた消火栓装置監視部88は、火災発生により消火栓装置からノズル付きホースを引き出して放水するときの消火栓弁開閉レバーの開位置への操作に伴う消火栓弁検出スイッチ68のオン操作の電文を端末ユニット12から受信した際に、ポンプ制御盤18にポンプ起動信号を送ってポンプ設備を起動する。その後、端末ユニット12から受信した放水圧力センサ78で検出した放水圧力の測定電文に基づき、所定の放水圧力が得られた時に消火栓装置の動作表示を表示部92に行う。また消火栓弁開閉検出スイッチ68のオフ操作の電文を端末ユニット12から受信した際に、ポンプ制御盤18にポンプ停止信号を送ってポンプ設備を停止する。
機能点検部90は消火栓装置10の定期点検の際に、担当者の点検指示操作に基づき機能点検コマンドを含む電文を端末ユニット12に送信して図3に示した消火栓装置10の機能点検を行わせる。
図5は図4のセンタ装置に設けた機能点検部による本願発明の実施形態となる図3の消火栓装置を対象とした機能点検処理を示したフローチャートである。
図5において、機能点検を行う際には、センタ装置14の操作部94の操作もしくはスケジュール管理により機能点検の開始操作が行われ、ステップS1で機能点検開始操作を判別するとステップS2に進み、機能点検する消火栓装置を選択する。なお、点検する消火栓装置の順番は予め設定されており、ステップS2では最初に機能点検する消火栓装置が選択される。
次にステップS3で点検位置へ切替える制御電文を送信して遠隔三方切替弁60を通常位置60aから点検位置60bに切替え、自動調圧弁58の2次側はオリフィス72を通って排水管74a側に連通させる。続いてステップS4で遠隔消火栓弁55を開く制御電文を送信し、遠隔消火栓弁55を開制御し、続いてステップS5でポンプ制御盤18にポンプ起動信号を送ってポンプ設備の運転を開始する。
このため、遠隔消火栓弁55が開放されると、給水配管22からの加圧消火用水は自動調圧弁58で調圧された後、点検位置60bに切り替わっている遠隔三方切替弁60を通ってオリフィス72から排水管74aに流れ、擬似的な放水状態を作り出す。
機能点検中にあってはステップS6で放水圧力センサ78で検出された放水圧力の測定電文がセンタ装置14に送信されてくることから、測定電文から取得した放水圧力をセンタ装置14の表示部92に表示し、また所定の閾値と比較判定して適正な放水圧力が得られているかどうか判断し、判断結果を報知する。
続いてステップS7で機能点検停止操作の有無を判別しており、機能点検停止操作を判別しない時はステップS8で消火栓弁開閉レバー66の開操作の有無を判別している。もしステップS8で消火栓弁開閉検出スイッチ68による開操作検出の電文を受信した時は、ステップS9に進んで遠隔三方切替弁60を点検位置60bから通常位置60aに戻す制御電文を送信し、火災発生に対応するため強制的に機能点検を中止させる。
機能点検中にステップS7で機能点検の停止操作が判別されると、ステップS10に進んで放水停止の制御電文を送信して遠隔消火栓弁55を閉制御し、続いてステップS11でポンプ制御盤18にポンプ停止信号を送信してポンプ設備の運転停止を指示する。
続いてステップS12で放水圧力センサ78の検出圧力を測定し、ステップS13で放水圧力が大気開放圧まで低下したか否か監視している。測定している放水圧力が大気開放圧に低下したことをステップS13で判別すると、ステップS14に進み、制御電文の送信により、遠隔三方切替弁60を点検位置60bから通常位置60aに切替え、機能点検を終了する。
続いてステップS15で予め定めた全ての消火栓装置の点検が終了したか否か判別し、未終了であればステップS16で次の消火栓装置を点検対象として選択し、ステップS3からの処理を繰り返し、終了であれば一連の機能点検処理を終了する。
なお、図5の機能点検処理においては、消火栓装置の点検を行う毎にポンプ起動とポンプ停止を繰り返す処理を行うが、これに限らず、機能点検モードに設定した段階で、ポンプ起動を行い、全ての消火栓装置の機能点検が終了したときにポンプ停止を行うようにしても良い。
図6は本願発明の応用例における消火栓装置の放水バルブ系統と点検バルブ系統の実施形態を示した説明図であり、本実施形態にあっては図3の第1発明実施形態に設けている遠隔消火栓弁55及び消火栓弁56を廃止し、遠隔三方切替弁60により消火栓弁と点検弁の機能を実現するようにしたことを特徴とする。
図6において、バルブ類収納空間には、給水弁54、自動調圧弁58、遠隔三方切替弁60、オリフィス72、仕切弁76、放水圧力センサ78、安全弁64およびメンテナンス装置65を設けており、消火栓弁は設けられていない。
自動調圧弁58は給水配管22を接続した給水弁54の1次配管に分岐接続され、ノズル52側の放水圧力を所定圧に調整する。
遠隔三方切替弁60は、点検用の消火栓弁で電動弁であり、自動調圧弁58の2次側に接続され、センタ装置14からの切替電文により、自動調圧弁58の2次側のポートaを切り離してノズル側のポートbと排水側のポートcを連通する右側に取り出して示す通常位置60a、自動調圧弁58の2次側のポートaを排水側のポートcに連通する右側に取り出して示す点検位置60b、または自動調圧弁58の二次側のポートaをノズル側のポートbに連通する右側に取り出して示す放水位置60cに切り替えられる。
オリフィス72は遠隔三方切替弁60とドレインに至る排水管74aの途中に設けられ、ノズル52に相当する所定の流量を流すもので擬似的なノズルとして機能する。
放水圧力センサ78はオリフィス72の1次側の圧力を放水圧力として検出し、検出した放水圧力は端末ユニット12によりセンタ装置14の測定情報として送られる。放水圧力センサ78は自動調圧弁58と遠隔三方切替弁60との間の配管に仕切弁76を介して接続され、点検放水時及び消火放水時の放水圧力を検出できるようにしている。
ホース接続口67への配管の途中にはメンテナンス装置65が設けられる。また遠隔三方切替弁60のノズル側のポートbからドレインに至る排水管74bには安全弁64が設けられている。
端末ユニット12には制御負荷として遠隔三方切替弁60を接続し、また、検出部や操作部として、放水圧力センサ78、消防隊が使用するポンプ起動スイッチ70を接続し、更に消火栓弁開閉レバーに代えてユーザが火災時に操作する放水スイッチ71を接続している。ポンプ起動スイッチ70は図2の消火栓装置の保守扉32に隠れて一般の人は操作できないようにしており、放水スイッチ71は一般の人が容易に操作できるように消火栓扉30を開放した際に現れる位置に配置する。
ここで図6の実施形態による火災時の放水動作を説明する。消火栓装置10の通常監視状態において、遠隔三方切替弁60は通常位置60aにあり、ポートaを切り離すと共にポートbとポートcを連通している。これにより、消火栓弁として機能する遠隔三方切替弁60のポートbからホース50に至る流路内部の消火用水を排水することができ、本実施形態においては図3の自動排水弁61を削除している。
火災時には、図2に示した消火栓扉30を開き、ノズル52を取り出し、放水スイッチ71をオン操作する。放水スイッチ71をオン操作すると、端末ユニット12から図1のセンタ装置14に放水スイッチの操作電文を送信し、ホンプ制御盤18にポンプ起動信号を送信してポンプ設備を起動する。また、センタ装置14からの受信電文から放水制御を認識した端末ユニット12は、遠隔三方切替弁60に制御信号を出力して通常位置60aから放水位置60cに切り替え、自動調圧弁58の2次側はホース50に連通する。これによって、ノズル52から消火用水を放水して消火作業を行うことができる。
放水を停止する際には、放水スイッチ71を再度操作すると端末ユニット12から図1のセンタ装置14に操作電文を送信し、ホンプ制御盤18にポンプ停止信号を送信してポンプ設備の運転停止が行われるとともに、遠隔三方切替弁60を通常位置60aに切り替えて放水を停止し、ホース内の消火用水をオリフィス72を介して排水を行う。
なお、放水スイッチ71としては押釦スイッチ以外に、図3に示す消火栓弁開閉レバー66と消火栓弁開閉検出スイッチ68を設け、消火栓弁は存在しないが、ダミーとしての消火栓弁開閉操作による消火栓弁開閉検出スイッチ68のオン、オフをセンタ装置14に操作電文として送信してポンプ設備の起動と停止を行うようにしても良い。
次に図6の実施形態による機能点検の動作を説明する。機能点検を行う際には、図1に示したセンタ装置14で消火栓装置を指定した点検開始操作が行われ、これに伴い端末ユニット12に機能点検電文が送信される。受信電文から機能点検を認識した端末ユニット12は、遠隔三方切替弁60に制御信号を出力して通常位置60aから点検位置60bに切替える。これによって自動調圧弁58の2次側はオリフィス72を通って排水管74a側に連通する。またセンタ装置18はポンプ制御盤18にポンプ起動信号を送信してポンプ設備の運転を開始する。
このため給水配管22からの加圧消火用水は自動調圧弁58で調圧された後、点検位置60bに切り替わっている遠隔三方切替弁60を通ってオリフィス72から排水管74aに流れ、擬似的な実放水状態を作り出す。
機能点検中に放水圧力センサ78で検出された放水圧力値は、電文により端末ユニット12から図1のセンタ装置14に送られて表示され、適正な放水圧力が得られているかどうかが判断でき、消火栓装置10の設置現場に出向く必要はない。また点検中にあっては、遠隔三方切替弁60からオリフィス72を介して排水管74aに消火用水が流れるだけであり、トンネル内への放水が行われないことからトンネル内での車線規制は不要である。
機能点検が終了すると、センタ装置14から機能点検終了電文が送られ、この電文を端末ユニット12で受信して遠隔三方切替弁60を点検位置60bから通常位置60aに切替える。この遠隔三方切替弁60は切り状態を確認できるセンサを備えており、センタ装置14で遠隔三方切替弁60の切替状態を確認しながら点検や消火作業を行うことができる。
また機能点検中に、火災が発生して消火栓弁開閉レバー66の開操作が行われた場合には、遠隔三方切替弁60を点検位置60bから放水位置60cに切替えることで、強制的に機能点検を中止してノズル52からの放水に切替える。
図6の実施形態の場合においても、放水圧力センサ78は配管74aに取り付けて、機能点検専用に使用しても良い。
図7は図6の消火栓装置を対象として図1のセンタ装置と消火栓装置に設けた端末ユニットの詳細を示したブロック図である。図7において、消火栓装置の端末ユニット12には端末伝送部80と端末処理部82が設けられ、端末処理部82に対しては制御負荷として遠隔三方切替弁60が設けられ、また操作部及びセンサとしてポンプ起動スイッチ70、放水スイッチ71及び放水圧力センサ78が設けられている。
一方、センタ装置14にはセンタ伝送部84とセンタ処理部86が設けられ、センタ処理部86に対しては表示部92、操作部94、警報部96、更に記憶部98が接続されている。センタ処理部86にはコンピュータのCPUによるプログラムの実行で実現される機能として、消火栓装置監視部88と機能点検部90が設けられている。
センタ処理部86に設けた消火栓装置監視部88は、火災発生により消火栓装置からノズル付きホースを引き出して放水するときの放水スイッチ71の操作電文を端末ユニット12から受信した際に、ポンプ制御盤18にポンプ起動信号を送ってポンプ設備を起動する。
その後、端末ユニット12から受信した放水圧力センサ78で検出した放水圧力の測定電文に基づき、所定の放水圧力が得られた時に消火栓装置の動作表示を表示部98に行う。また機能点検中に放水スイッチ68の再度の操作に基づく操作電文を端末ユニット12から受信した際に、ポンプ制御盤18にポンプ停止信号を送ってポンプ設備を停止する。
機能点検部90は消火栓装置10の定期点検の際に、担当者の機能点検操作に基づき機能点検電文を端末ユニット12に送信して図6に示した消火栓装置10の機能点検を行わせる。
図8は図7のセンタ装置に設けた機能点検部による本願発明の応用例における実施形態となる図6の消火栓装置を対象とした機能点検処理を示したフローチャートである。
図8において機能点検を行う際には、センタ装置14の操作部94により機能点検の開始操作が行われ、ステップS21で機能点検開始操作を判別するとステップS22に進み、点検する消火栓装置を選択する。
次にステップS23で点検位置へ切替える制御電文を送信して遠隔三方切替弁60を点検位置60bに切替え、続いてステップS24でポンプ制御盤18にポンプ起動信号を送ってポンプ設備の運転を開始する。
このため、給水配管22からの加圧消火用水は自動調圧弁58で調圧された後、点検位置60bに切り替わっている遠隔三方切替弁60を通ってオリフィス72から排水管74aに流れ、擬似的な実放水状態を作り出す。
機能点検中にあってはステップS25で放水圧力センサ78で検出された放水圧力の測定電文によりセンタ装置14に送信されてくることから、受信測定電文から取得した放水圧力をセンタ装置14の表示部92に表示し、また所定の閾値と比較判定して適正な放水圧力が得られているかどうか判断し、判断結果を報知する。
続いてステップS26で機能点検停止操作の有無を判別しており、機能点検停止操作を判別しない時はステップS27で放水スイッチ71のオン操作の有無を判別している。もしステップS27で放水スイッチ71のオン操作の操作電文を受信した時は、ステップS28に進んで遠隔三方切替弁60を点検位置60bから放水位置60cに切替える制御電文を送信し、火災発生に対応するため強制的に機能点検を中止し、ノズル52からの放水に切替える。
機能点検中にステップS26で機能点検の停止操作が判別されると、ステップS29に進んで放水停止の制御電文を送信して遠隔三方切替弁60を点検位置60bから通常位置60aに戻し、続いてステップS30でポンプ制御盤18にポンプ停止信号を送信してポンプ設備の運転を停止する。
続いてステップS31で予め定めた全ての消火栓装置の点検が終了したか否か判別し、未終了であればステップS32で次の消火栓装置を点検対象として選択し、ステップS23からの処理を繰り返し、終了であれば一連の機能点検処理を終了する。
なお、図8の点検フローの場合も消火栓の点検をする毎にポンプ起動と停止を行うが、これに限らず点検開始でポンプの起動を行い、全ての消火栓装置の点検が終了したときにポンプ停止を行っても良い。
図9は本願の更に他の応用例における消火栓装置の放水バルブ系統と点検バルブ系統の実施形態を示した説明図である。図9において、バルブ類収納空間には、給水弁54、自動調圧弁58、消火栓弁56、自動排水弁62、安全弁64、メンテナンス装置65、遠隔点検弁100、オリフィス72を設けている。
自動調圧弁58は給水配管22を接続した給水弁54の1次配管に分岐接続され、ノズル52側の放水圧力を所定圧に調整する。
消火栓弁56は自動調圧弁68からホース接続口67との間に配置され、消火栓弁開閉レバー66の操作により開閉される。消火栓弁開閉レバー66の開閉操作は消火栓弁開閉検出スイッチ68により検出される。
また自動調圧弁58の2次側には排水管74aが分岐接続され、排水管74aに遠隔点検弁100を設けている。遠隔点検弁100は端末ユニット12で機能点検電文をセンタ装置14から受信した時に開制御され、所定の点検流量を排水管74aに流す。即ち、オリフィス72はノズル52に相当する流量を流すもので擬似的なノズルとして機能する。
放水圧力センサ78はオリフィス72の1次側の圧力を放水圧力として検出し、検出した放水圧力は測定電文により端末ユニット12からセンタ装置14に送られる。本実施形態では圧力センサ72は自動調圧弁58の2次側の配管に仕切弁76を介して接続され、点検放水時及び消火放水時の放水圧力を検出できるようにしている。
ホース接続口67への配管の途中にはメンテナンス装置65が設けられる。また消火栓弁56の2次側からドレインに至る排水管74bには自動排水弁64と安全弁64が設けられている。自動排水弁64は消火栓弁56の開により所定値以上の圧力が加わると閉鎖し、所定値未満に低下した圧力が加わると開放する。
端末ユニット12には制御負荷として遠隔点検弁100を接続し、また、検出部や操作部として、消火栓弁開閉検出スイッチ68、放水圧力センサ78及び消防隊が使用するポンプ起動スイッチ70を接続している。
ここで図9の実施形態による火災時の放水動作を説明する。消火栓装置10の通常監視状態にあっては、消火栓弁56及び遠隔点検弁100は閉鎖位置となっている。
火災時には、図2に示した消火栓扉30を開き、消火栓弁開閉レバー66を下向きとなる開位置に操作する。消火栓弁開閉レバー66の開操作により消火栓弁56が開放位置に作動され、給水配管22から供給された加圧消火用水を自動調圧弁58で所定圧に調圧した後、消火栓弁56を介してホース50側に供給し、ノズル52から放水する。
同時に消火栓弁開閉レバー66の背後に設置している消火栓弁開閉検出スイッチ68がオンし、端末ユニット12から図1のセンタ装置14に消火栓弁の開操作電文を送信し、センタ装置14からホンプ制御盤18にポンプ起動信号を送信してポンプ設備を起動する。
放水を停止する際には、消火栓弁開閉レバー66を元の上向き位置に戻すと消火栓弁56が閉じ、同時に弁開閉検出スイッチ68がオフとなり、端末ユニット12から図1のセンタ装置14に消火栓弁の閉操作電文を送信し、ホンプ制御盤18にポンプ停止信号を出力してポンプ設備の運転停止が行われる。
次に図9の実施形態による機能点検を説明する。機能点検を行う際には、図1に示したセンタ装置14で消火栓装置を指定した機能点検開始操作が行われると、これに伴い端末ユニット12に機能点検電文が送信される。受信電文から機能点検を認識した端末ユニット12は、遠隔点検弁100に制御信号を出力して開制御し、給水配管22からの加圧消火用水は自動調圧弁58で調圧された後、開放した遠隔点検弁100を通ってオリフィス72から排水管74aに流れ、擬似的な実機能点検状態を作り出す。
機能点検中に放水圧力センサ78で検出された放水圧力は、測定電文により端末ユニット12から図1のセンタ装置14に送られて表示され、適正な放水圧力が得られているかどうかが判断でき、消火栓装置10の設置現場に出向く必要はない。
また点検中にあっては、遠隔点検弁100からオリフィス72を介して排水管74aに消火用水が流れるだけであり、消火栓弁56は閉鎖しているため、メンテナンス装置65にノズル付きダミーホースを接続した実機能点検のように、トンネル内への放水が行われることはなく、機能点検の際にトンネル内での車線規制は不要である。
機能点検が終了すると、センタ装置14から機能点検終了コマンドを含む電文が送られ、この電文を端末ユニット12で受信して遠隔点検弁100に制御信号を出力して閉制御し、同時にセンタ装置14からポンプ停止信号がポンプ制御盤18に出力されてポンプ設備の運転が停止される。
また機能点検中に、火災が発生して消火栓弁開閉レバー66の開操作が行われた場合には、遠隔点検弁100を閉制御することで強制的に機能点検を終了し、ノズル52からの放水に切替える。
この図9の構成であると、機能点検用の遠隔点検弁100が排水管74aに設けてあるため、火災時に消火用水が通る給水配管22からノズル52に至る通路に存在しないため、もし遠隔点検弁100が故障して動かない場合でも、消火栓弁開閉レバー66を手動開放すれば消火作業を確実に行うことができるというメリットがある。
図9の実施形態においても、保水圧力センサ78はオリフィス72付近の排水管74aに接続して、機能点検専用の圧力センサとしても良い。
図10は図1のセンタ装置14と消火栓装置10に設けた端末ユニット12の詳細を示したブロック図である。図10において、消火栓装置10の端末ユニット12には端末伝送部80と端末処理部82が設けられ、端末処理部82に対しては制御負荷として遠隔点検弁100が設けられ、また操作部及びセンサとして消火栓弁開閉検出スイッチ68、ポンプ起動スイッチ70及び放水圧力センサ78が設けられている。
一方、センタ装置14にはセンタ伝送部84とセンタ処理部86が設けられ、センタ処理部86に対しては表示部94、操作部96、警報部98、更に記憶部100が接続されている。センタ処理部86にはコンピュータのCPUによるプログラムの実行で実現される機能として、消火栓装置監視部88と機能点検部90が設けられている。
センタ処理部86に設けた消火栓監視部88は、火災発生により消火栓装置からノズル付きホースを引き出して放水するときの消火栓弁開閉レバー66の開操作に伴う消火栓弁検出スイッチ68のオンに基づく開操作電文を端末ユニット12から受信した際に、ポンプ制御盤18にポンプ起動信号を送ってポンプ設備を起動する。
その後、端末ユニット12から受信した放水圧力センサ78で検出した放水圧力の測定電文に基づき、所定の放水圧力が得られた時に消火栓装置の動作表示を表示部98に行う。また消火栓弁検出スイッチ68のオフに基づく閉操作電文を端末ユニット12から受信した際に、ポンプ制御盤18にポンプ停止信号を送ってポンプ設備を停止する。
機能点検部90は消火栓装置10の定期点検の際に、担当者の機能点検開始操作にもとづき機能点検電文を端末ユニット12に送信して図9に示した消火栓装置10の機能点検を行わせる。
図11は図10のセンタ装置に設けた機能点検部による本願第3発明の実施形態となる図9の消火栓装置を対象とした機能点検処理を示したフローチャートである。
図11において機能点検を行う際には、センタ装置14の操作部94により機能点検の開始操作が行われ、ステップS41で機能点検開始操作を判別するとステップS42に進み、点検する消火栓装置を選択する。
次にステップS43で機能点検の制御電文を送信して遠隔点検弁100を開制御し、続いてステップS44でポンプ制御盤18にポンプ起動指示を行ってポンプ設備の運転を開始する。
このため、遠隔点検弁100が開放されると、給水配管22からの加圧消火用水は自動調圧弁58で調圧された後、遠隔点検弁100を通ってオリフィス72から排水管74aに流れ、擬似的な実放水状態を作り出す。
機能点検中にあっては、ステップS45で放水圧力センサ78で検出された放水圧力の測定電文がセンタ装置14に送信されてくることから、受信電文から放水圧力を取得する放水圧力測定を行い、センタ装置14の表示部92に表示し、また所定の閾値と比較判定して適正な放水圧力が得られているかどうか判断し、判断結果を報知する。
続いてステップS46で機能点検停止操作の有無を判別しており、機能点検停止操作を判別しない時はステップS47で消火栓弁開閉レバー66の開操作の有無を判別している。もしステップS47で消火栓弁開閉検出スイッチ68による開操作電文を受信した時は、ステップS48に進んで遠隔点検弁100を閉制御する制御電文を送信し、火災発生に対応するため強制的に機能点検を中止させる。
機能点検中にステップS46で機能点検の停止操作が判別されると、ステップS49に進んで点検終了の電文を送信して遠隔点検弁100を閉制御し、続いてステップS50でポンプ制御盤18に停止信号を送信してポンプ設備の運転停止を指示する。
続いてステップS51で予め定めた全ての消火栓装置の点検が終了したか否か判別し、未終了であればステップS52で次の消火栓装置を点検対象として選択し、ステップS43からの処理を繰り返し、終了であれば一連の機能点検処理を終了する。
なお、上記の実施形態にあっては、センタ装置14に設けた機能点検部90から機能点検の手順に従って制御コマンドを含む電文を送信して消火栓装置10側の遠隔消火栓弁55、遠隔三方切替弁60、遠隔点検弁100を制御しているが、センタ装置14の機能点検部90から機能点検コマンドの電文のみを消火栓装置10の端末ユニット12に送信し、端末ユニット12側で機能点検の開始から終了までの一連の点検動作を行い、その結果をセンタ装置14に応答送信するようにしても良い。
また、機能点検部はセンタ装置側に設けるものに限らず、各消火栓装置側に設けても良い。この場合は、点検員が現場に出向いて現地の点検開始操作部の操作で機能点検を開始し、点検結果を現地にて確認する。この場合は水圧値を目視確認するため測定を表示できる圧力計を備えると良い。消火栓装置が設置される現地にて点検操作が行われたときはセンタ装置にその旨の信号を送り、他の消火栓では機能点検ができないようにしても良い。
したがって、他の消火栓にて機能点検や消火作業が行われているときは、点検開始操作部を操作しても点検を行われないことから、消火作業や他の消火栓装置の機能点検に悪影響を及ぼすことがない。この実施形態では点検員が消火栓装置に出向いて機能点検を行う必要があるが、消火用水を道路に放水することがなく、道路規制を行う必要もないため、容易に機能点検を行うことができる。
また、機能点検部の機能はセンタ装置と消火栓装置側で分担して備えても良く、センタ装置側からの点検開始指示により、消火栓装置側が切替弁の制御等、放水圧の測定、点検結果判定を行い、判定結果をセンタ装置に返信して、センタ装置は全ての消火栓装置の機能点検結果を集計する構成としても良い。
また上記の実施形態におけるフローチャートの処理は概略例を説明したもので、処理の順番などは、これに限定されない。また各処理や、処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を導入するなど、適宜の形態をとることができる。
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。