JP7313121B2 - スプリンクラ消火設備 - Google Patents
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そこで、特許文献1では、予作動式のスプリンクラ消火設備においては、予作動弁を開放させる条件として、火災感知器が動作することに加えて、二次側配管内の圧力が所定値以下になったことを検知する圧力スイッチが動作することとしている。
このダブルインターロック制御を採用した設備では、非火災で火災感知器が動作しても予作動弁が開放しないことから、二次側配管内に水が流入することがなく、しかも通常のスプリンクラ消火設備に対して水損が生じにくい点で優れている。
そして、圧力センサは、常時極めて短い時間間隔で配管内の圧力値をサンプリングし、信号変換器はこのサンプリング信号を入力して常時圧力の変化率を演算しているので、二次側配管内の圧力が減圧して所定値に達する前に、圧力低下を検知できる。このため、二次側配管内の圧力が下がると、圧力スイッチを用いる従来例に比較して早期に減圧状態を検知できるので、放水遅れを防止する効果が高い。
予作動式スプリンクラ消火設備1は、図1に示すように、建物の地下階に消火水を貯留する貯水槽3を設け、貯水槽3の消火水は消火ポンプ5によって給水本管7に供給される。給水本管7には、消火ポンプ5の起動に使用される圧力タンク9が接続され、圧力タンク9には給水本管7の圧力水が導入され、内部の空気を圧縮するように構成されている。圧力タンク9には、圧力スイッチ11が設けられ、圧力スイッチ11が規定圧力以下の減圧を検出すると、この減圧信号がポンプ制御盤13に出力されて、消火ポンプ5が起動するように構成されている。
予作動式流水検知装置17は、予作動弁29と予作動弁29を開放する電動弁31と、減圧を検知する圧力スイッチ33と、流水検知スイッチ35を備えている。
電動弁31、圧力スイッチ33、流水検知スイッチ35はバルブ中継器37を介して本発明の制御盤としての消火システム制御盤39に電気的に接続されて、信号伝送が可能になっている。
ここで信号変換器47が演算する圧力変化率について言及する。信号変換器47は、定期的に圧力センサ45の出力値をサンプリングし、例えば、サンプリングするたび今回サンプリングした出力値と、前回の出力値とを差分し、圧力が減少傾向にあるかを判定する。そして圧力の減少傾向が、何回かにわたって連続してあり、かつ所定値以上の圧力低下である場合に、信号変換器47は、バルブ中継器37へスプリンクラ作動信号を出力する。
なお、圧力スイッチが動作する圧力をAとし、通常時、つまり監視状態の二次側配管19内の圧力をBとした場合、圧力Aと圧力Bの中間値である圧力Cよりも高い圧力で、ある一定の圧力の減少傾向があるときにスプリンクラ作動信号を出力するようにすることで、早期に二次側配19内の圧力低下を検知することができる。
<監視状態>
監視状態では、圧力センサ45は常時二次側配管19の圧力を検知して、信号変換器47が圧力の変化率を演算している。しかし、演算した変化率が予め設定した所定値を越えない限り、信号変換器47はスプリンクラ作動信号をバルブ中継器37へは送信しない。
火災時には、通常、まず火災感知器41が作動し(S1)、その信号が火災受信機43に入力され、火災受信機43が火災信号を消火システム制御盤39に送信する(S2)。
なお、ここでは、火災感知器41自体が火災であるかを判定した場合で説明する。つまり、火災感知器41が検出した出力値が所定値を上回り火災であると判定した場合に、火災感知器41は火災受信機43へ火災信号を送信する。これに対して、火災受信機43が火災であるかを判断する場合であっても本発明は適用できる。この場合には、火災感知器41からはセンサ出力が火災受信機43へ送信され、そのセンサ出力と所定値とを比較して、火災受信機43が火災か否かを判断する。いずれの場合であっても、火災が発生した場合には、火災受信機43からの火災信号が消火システム制御盤39に入力される。
また、次に、火災の熱によってスプリンクラヘッド21が開放して二次側配管19の圧力が減圧すると(S3)、信号変換器47の演算値である圧力変化率が所定の値を越えるため、信号変換器47がバルブ中継器37を介して消火システム制御盤39にスプリンクラ作動信号を送信する(S4)。
また予作動弁29が開放したときには、分岐管15における予作動弁29の一次側配管の圧力低下が生じ、これによって、圧力タンク9に設けた圧力スイッチ11が作動して、ポンプ制御盤13が消火ポンプ5を起動する。
消火ポンプ5が起動することで、加圧された消火水が給水本管7を通じて二次側配管19に供給されて作動したスプリンクラヘッド21から放水されて消火が行われる(S9)。
火災感知器41が非火災によって動作した場合、消火システム制御盤39には火災信号は入力されるがスプリンクラ作動信号は入力されない。したがって、消火システム制御盤39は予作動弁29の開放をしない。このため、二次側配管19に消火水が供給されることはなく、水抜き作業が発生することはない。
圧力センサ45が故障すると、火災であるにも拘わらずスプリンクラ作動信号が発信されない場合がありうる。しかし、スプリンクラヘッド21が開放したことで、二次側配管19内の減圧が生ずるので、二次側配管19内の圧力が所定値まで減圧すると圧力スイッチ33が作動して、圧力スイッチ33の信号がバルブ中継器37を介して消火システム制御盤39に入力される。
火災の場合、消火システム制御盤39には火災信号が入力されているので、消火システム制御盤39は圧力スイッチ33からの信号の入力があると、例え信号変換器47からのスプリンクラ作動信号が入力されていなくても予作動弁29を開放する。
そこで、このような事態に対処するために、以下のような構成を採用することがより好ましい。
すなわち、図4に示すように、火災受信機43は消火システム制御盤39に故障信号を送信し、消火システム制御盤39は、故障信号を受信すると、その後は、火災信号の入力がなくても、信号変換器47の信号又は圧力スイッチ33の信号のいずれかの信号の入力があったときに電動弁31を制御して、予作動弁29を開放する。
火災感知器41が故障し、火災受信機43が故障信号を受信すると、故障・連動遮断信号を消火システム制御盤39に発信する(S11)。この信号を受信すると消火システム制御盤39は、火災信号がなくても二次側配管内の圧力低下があれば予作動弁29を開放するする単独モードに切り替わる(S12)。
この状態で、火災が発生し、スプリンクラヘッド21が作動すると(S13)、信号変換器47の演算値である圧力変化率が所定の値を越えるため、信号変換器47がバルブ中継器37を介して消火システム制御盤39にスプリンクラ作動信号を送信する(S14)。消火システム制御盤39は、火災信号の入力がなくても、スプリンクラ作動信号の信号を入力すると、電動弁31を制御して予作動弁29を開放する(S15)。予作動弁29が開放すると、流水検知スイッチ35が作動して、流水信号が消火システム制御盤39に送信され(S16)、消火システム制御盤39はバルブ中継器37を介して流水信号を受信する(S17)。
予作動弁29が開放した後は、図3において説明したのと同様の動作がおこなわれて消火が行われる(S18)。
また本実施の形態では、火災受信機と消火システム制御盤をそれぞれ設けたが、これらの盤が有する機能を一つにまとめた一体盤で構成するようにしてもよい。
3 貯水槽
5 消火ポンプ
7 給水本管
9 圧力タンク
11 圧力スイッチ(圧力タンク)
13 ポンプ制御盤
15 分岐管
17 予作動式流水検知装置
19 二次側配管
21 スプリンクラヘッド
23 試験弁
25 コンプレッサ
27 空気配管
29 予作動弁
31 電動弁
33 圧力スイッチ(予作動式流水検知装置)
35 流水検知スイッチ
37 バルブ中継器
39 消火システム制御盤
41 火災感知器
43 火災受信機
45 圧力センサ
47 信号変換器
49 非常電源装置
Claims (2)
- 常時は閉じた予作動弁と、該予作動弁の二次側に接続され、圧縮気体が封入された二次側配管と、該二次側配管に接続されたスプリンクラヘッドと、該スプリンクラヘッドと同じ防護区域に設けられ、火災受信機に対して火災信号またはセンサ出力を送信する火災感知器と、前記二次側配管内の圧力を常時短い時間間隔で検知する、非常電源装置が接続された圧力センサと、該圧力センサの検知信号を入力して圧力の変化率を演算して該演算値が所定の値になると、スプリンクラ作動信号をバルブ中継器へ発信する、前記非常電源装置が接続された信号変換器と、前記二次側配管内の圧力が所定の値になると動作する圧力スイッチと、前記火災信号及び、前記バルブ中継器を介して入力される前記信号変換器のスプリンクラ作動信号又は前記圧力スイッチからの信号のいずれか一方の信号の入力があったときに前記予作動弁を開放する制御盤とを備え、
前記信号変換器は、前記圧力スイッチが動作する圧力をAとし、通常時、つまり監視状態の前記二次側配管内の圧力をBとした場合、圧力Aと圧力Bの中間値である圧力Cよりも高い圧力で、ある一定の圧力の減少傾向があるときに前記スプリンクラ作動信号を出力し、火災の場合、制御盤は、前記圧力スイッチからの信号の入力があると、前記信号変換器のスプリンクラ作動信号が入力されていなくても前記予作動弁を開放することを特徴とするスプリンクラ消火設備。 - 前記制御盤は、前記圧力センサがサンプリングした圧力値を入力し、入力した圧力値を表示する表示部を有することを特徴とする請求項1に記載のスプリンクラ消火設備。
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