JP5377391B2 - スプリンクラ消火設備 - Google Patents
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このような予作動式のスプリンクラ消火設備では、火災感知器とスプリンクラヘッドの両方が動作したときに放水されるので水損が生じにくいが、スプリンクラヘッドが接続される立ち下がり管部分に溜まった水と圧縮空気との影響で、立ち下がり管部分で腐食を起こすことがある。
この負圧式のスプリンクラ消火設備では、火災時に、スプリンクラヘッドが動作すると二次側配管内の負圧状態にある圧力が上昇する。そこで、二次側配管には圧力スイッチが設けられ、この圧力スイッチにより圧力上昇を検出することで、スプリンクラヘッドの動作や配管内の漏れを検知できるように構成されている。
また、反対に配管容積が大きい二次側配管に合わせて、通常状態の真空圧から近い値にその閾値を設定すると、配管容積が小さい二次側配管では圧力上昇の検知が頻繁に行われ、真空ポンプの起動回数が増えるという問題点がある。
また、火災感知器は、たばこの煙等によって誤動作することがある。しかしながら、従来の真空式の予作動式スプリンクラ消火設備は火災感知器の動作と連動して予作動弁を開放してしまう。そのため、真空ポンプに水が流入してしまう機会が増加するという問題点があった。また、通常は、予作動弁の開放と連動させて火災放送を発するため、火災感知器の誤動作の度に火災放送を誤報してしまうという問題点があった。つまり、予作動式スプリンクラ消火設備の信頼性が低下してしまうという問題点があった。
図1は、本発明の実施の形態1に係るスプリンクラ消火設備を示すシステム構成図である。このスプリンクラ消火設備は、スプリンクラヘッド2、予作動弁22、一次側配管11、二次側配管12、吸引用配管14、真空ポンプ24、定流量弁23、流水遮断弁31、真空スイッチ41、真空スイッチ42及びレギュレータ43等から構成されている。
なお、図1では、本発明の一例として、2つの防護区画(防護区画A,B)にスプリンクラヘッド2が設けられたスプリンクラ消火設備を示している。また、本実施の形態1では、防護区画Aのスプリンクラヘッド2に接続された二次側配管12の配管容積が、例えば500Lとなっている。また、防護区画Bのスプリンクラヘッド2に接続された二次側配管12の配管容積が、例えば2000Lとなっている。
一方、二次側配管12の他方の端部は、末端試験弁25の一方の端部に接続されている。末端試験弁25の他方の端部には、排水配管16が接続されている。スプリンクラ消火設備の水漏れ試験等によって二次側配管12に充填された水は、末端試験弁25及び予作動弁22に備えた図示しない排水弁を開くことにより、外部に排出される。通常の監視状態においては、末端試験弁25は閉じられた状態となっている。
吸引用分岐配管14aには、二次側配管12との接続部側から吸引用配管14側に向けて、電動弁等である流水遮断弁31、スプリンクラヘッドの作動を検知する真空スイッチ41、及びレギュレータ43が順に設けられている。レギュレータ43は、二次側配管12内及び吸引用分岐配管14a内の圧力が所定圧力(以下、動作圧力という)以下となったとき、吸引用分岐配管14aの流路を閉止する。また、吸引用配管14には、真空スイッチ42が設けられている。この真空スイッチ42は、真空ポンプ24の動作を制御する真空ポンプ制御盤6と電気的に接続されている。ここで、真空スイッチ41が、本発明の作動検知手段に相当する。また、真空スイッチ42が本発明の圧力検知手段に相当する。
なお、流水遮断弁31と真空スイッチ41の位置は逆にしてもよく、その場合には真空スイッチ41は二次側配管12に設けるようにしてもよい。また、本実施の形態1では給水手段として給水ポンプ21を用いているが、例えば建物の屋上等に設けられる高架水槽や、加圧された水源等を給水手段として用いてもよい。
本実施の形態1に係るスプリンクラ消火設備は、通常の監視状態においては、真空ポンプ24を起動させて二次側配管12内、吸引用分岐配管14a内及び吸引用配管14内が真空状態となっている、真空式の予作動式スプリンクラ消火設備である。ここで真空状態とは、完全な真空状態である必要はなく、負圧状態であればよい。以下、このスプリンクラ消火設備の動作について説明する。まず、スプリンクラヘッド2の作動を検出する動作について説明する。続いて、スプリンクラ消火設備の消火動作について説明する。
スプリンクラヘッド2の作動を検出する動作について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係るスプリンクラ消火設備の通常監視状態における二次側配管12内、吸引用分岐配管14a内及び吸引用配管14内の圧力状態を示す特性図である。また、図3は、このスプリンクラ消火設備の火災発生時における二次側配管12内、吸引用分岐配管14a内及び吸引用配管14内の圧力状態を示す特性図である。なお、図2及び図3の縦軸は、圧力の真空度合(真空圧)を示しており、上側程、真空度が高く、つまり圧力が低いことを示している。
真空スイッチ42には、2つの閾値(閾値42ON、閾値42OFF)が設定されている。真空スイッチ42は、検知する圧力が閾値42ONよりも大きくなった場合(検知する真空圧が閾値42ONよりも小さくなった場合)、ON状態となって真空ポンプ制御盤6に真空ポンプ起動信号を送信する。また、真空スイッチ42は、検知する圧力が閾値42OFFよりも小さくなった場合(検知する真空圧が閾値42OFFよりも大きくなった場合)、OFF状態となって真空ポンプ制御盤6に真空ポンプ停止信号を送信する。なお、真空圧で考えた場合、閾値42ONは、閾値41ONよりも高目に設定される。そして、閾値42OFFは、閾値41ONよりも高い真空圧が設定される。
制御盤5は、真空スイッチ41から送信される信号に基づいて、以下のようにスプリンクラヘッド2の作動を検出する。
続いて、スプリンクラ消火設備の消火動作について説明する。なお、以下では、防護区画Aで火災が発生した場合について説明する。
通常の監視状態においては、一次側配管11の予作動弁22まで水が充填され、二次側配管12内、吸引用分岐配管14a内及び吸引用配管14内に水が充填されていない状態となっている。
また、予作動弁22を使用せずに、圧力変化によって開放する開閉弁を使用するようにしてもよい。この場合には、配管内が所定圧にまで圧力上昇したことを検知したら開閉弁を開放させるようにすればよい。また予作動弁22を火災信号と圧力上昇信号の2つの信号で開放させるようにしたが、火災信号のみで開放させるようにしてもよい。
本実施の形態2では、閾値42ON、閾値42OFF、レギュレータ43の動作圧力及び閾値41ONの具体的な設定方法について説明する。
なお、図4に、本発明の実施の形態2に係るスプリンクラ消火設備の閾値42ON、閾値42OFF、レギュレータ43の動作圧力及び閾値41ONの設定例を示す。図4では、容積が最も小さい二次側配管12の一例として、図1で示す二次側配管12の容積が500Lのものを示している。また、予作動弁22の二次側配管12の容積が大きい(容積が最も小さい二次側配管12以外の)二次側配管12の一例として、図1で示す二次側配管12の容積が2000Lのものを示している。
以下では、最も容積が小さい二次側配管12と接続されたレギュレータ43の動作圧力を基準値とした場合について説明する。
このように閾値42ONを設定することにより、予作動弁22の二次側配管12の容積が小さい場合でも、真空ポンプ24の運転頻度が高くなることを防止できる。
このように、最も容積が小さい二次側配管12以外の二次側配管12と接続されたレギュレータ43の動作圧力を設定することにより、二次側配管12容積が大きい場合でも、スプリンクラヘッド2の作動検出時間が長くなって放水遅れが生じてしまうことを防止できる。
レギュレータの動作圧力は、最も容積が小さい二次側配管12と接続されたレギュレータ43の動作圧力が一番小さくなる。このため閾値42OFFは、真空ポンプ24を運転したときに、最も容積が小さい二次側配管12の圧力がレギュレータ43の動作圧力に到達できる圧力以下に設定する。なお、閾値42OFFの値を設定して真空ポンプを停止する以外の方法として、最も容積が小さい二次側配管12の圧力がレギュレータ動作圧力に到達できる所定の時間、タイマー運転して停止する方法もある。
なお、レギュレータを使用しないで、レギュレータを設けた場合と同等な効果を備えるシステムについて説明する。
吸引用分岐配管の真空スイッチ41の二次側(真空ポンプ側)に、常時は閉じた閉止弁を設ける。そして、この閉止弁と真空スイッチ41との間に、別の真空スイッチを設ける。この別の真空スイッチは、閉止弁を開放させるためのスイッチであり、レギュレータの動作圧力と対応する圧力値が設定されるスイッチである。具体的には、この真空スイッチがONのとき(真空度がある程度高い状態)、閉止弁を閉止させ、圧力が上昇し、この真空スイッチがOFFすると、閉止弁を開放させるように制御盤等により制御する。この閉止弁の二次側には、オリフィス、逆止弁が設けられる。
Claims (3)
- 複数の開閉弁と、
前記各開閉弁の二次側に設けられ、スプリンクラヘッドが接続された容積が異なる複数の二次側配管と、
前記各二次側配管に接続された複数の吸引用分岐配管を有する吸引用配管と、
前記吸引用配管を介して前記各二次側配管と接続され、前記各二次側配管内を負圧にする真空ポンプと、
前記開閉弁の一次側に設けられ、基端側に給水手段が接続される一次側配管と、
を有するスプリンクラ消火設備において、
前記二次側配管又は前記吸引用分岐配管に設けられ、前記スプリンクラヘッドの作動を検知する複数の作動検知手段と、
前記作動検知手段よりも前記真空ポンプ側となる前記吸引用配管に設けられ、配管内の圧力を検知する圧力検知手段と、
前記吸引用分岐配管において前記作動検知手段と前記圧力検知手段との間となる位置に設けられ、配管内が所定の動作圧力以下となったときに流路を閉止する複数のレギュレータと、
前記圧力検知手段の検知圧力が第1の閾値よりも大きくなったとき、前記真空ポンプを起動させ、前記圧力検知手段の検知圧力が第2の閾値よりも小さくなったとき、前記真空ポンプを停止させる真空ポンプ制御手段と、
を備え、
前記第2の閾値は、最も動作圧力が小さい前記レギュレータの動作圧力と同一としたことを特徴とするスプリンクラ消火設備。 - 請求項1において、
前記レギュレータの前記動作圧力及び前記圧力検知手段の前記閾値は、前記二次側配管の容積に基づいて設定されることを特徴とするスプリンクラ消火設備。 - 容積の大きい側の前記二次側配管と接続された前記レギュレータの前記動作圧力は、容積の小さい側の前記二次側配管と接続された前記レギュレータの前記動作圧力よりも高く設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスプリンクラ消火設備。
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