JP2013205006A - クローズドドレン回収システム - Google Patents

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【課題】有効ドレン回収率を低下させることなくドレンタンクの小型化を実現する。
【解決手段】 蒸気ボイラ2と、密閉型のドレンタンク4と、大気開放型の補給水タンク7とを備えるクローズドドレン回収システムであって、ドレンタンク4内の第一フラッシュ蒸気を補給水タンク7へ導入する蒸気導入ライン10と、ドレンタンク4からの余剰ドレンを補給水タンク7へ導入する余剰ドレン導入ライン8と、補給水タンク7に設けられ、前記第一フラッシュ蒸気および/または前記余剰ドレンから発生する第二フラッシュ蒸気を前記補給水タンク7内の補給水と接触させて凝縮させる凝縮装置33,39を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、負荷機器で生成した高温のドレンをドレンタンクに回収して、回収したドレンを蒸気ボイラへ供給して利用するドレン回収システムに関する。
この種のドレン回収システムとしては、特許文献1のような大気開放型のドレンタンクにドレンを回収して蒸気ボイラへ供給して利用するオープンドレン回収システムが知られている。このオープンドレン回収システムにおいては、高温高圧のドレンがドレンタンクに流入すると多量のフラッシュ蒸気が発生するため有効ドレン回収率は多くても40%〜50%程度である。このため特許文献1のように、フラッシュ蒸気の回収を図るために、種々の工夫がなされているが、これらの工夫にも拘わらずシステム全体としての有効ドレン回収率は制限されてしまう。なお、有効ドレン回収率とは、(ドレン戻り量−大気に放出されたフラッシュ蒸気量)/ドレン戻り量で定義される。
この課題を根本的に解消するものとして、特許文献2のような密閉型のドレンタンクにドレンを回収して蒸気ボイラへ供給して利用するクローズドドレン回収システムが知られている。このクローズドドレン回収システムは、ドレンタンクで発生したフラッシュ蒸気から熱回収することなく大気へ放出することを防止するので、有効ドレン回収率を向上させることができる。これは、ドレン戻り量に対してドレンタンクの容量を大きくすることで、さらなる回収率の向上が期待できる。
特開2009−150603号公報 特開2006−105442号公報
しかしながら、クローズドドレン回収システムのドレンタンクの容量を大きくすると、システムの設置スペースが広くなると共にシステムのイニシャルコストも高くなるので、ドレンタンクの小型化が課題となる。
ドレンタンクを小型化すると、負荷変動が起き単位時間当たりのドレンの戻り量が多くなった場合、戻ってきたドレン全てをドレンタンクに収容できず、余剰ドレンを大気開放型の補給水タンクへ逃がしたりドレンタンクで発生したフラッシュ蒸気(ドレンタンクの加圧蒸気を含む)を補給水タンクへ放出しなければならない。またドレンタンクでは、ドレンの自圧送水の際に発生したフラッシュ蒸気を補給水タンクへ放出する。これらの余剰ドレンやフラッシュ蒸気が補給水タンクへ放出された場合、これらの持つ熱を完全に回収することができず、有効ドレン回収率が低下してしまうというクローズドドレン回収システム特有の課題がある。
この発明が解決しようとする課題は、有効ドレン回収率を低下させることなくドレンタンクの小型化を実現できるクローズドドレン回収システムを提供することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、蒸気を負荷機器へ供給する蒸気ボイラと、ドレン戻りラインを通して前記負荷機器から排出
されるドレンを貯留し、ドレン供給ラインを通して貯留したドレンを前記蒸気ボイラへ供給する密閉型のドレンタンクと、補給水ラインを通して補給水を前記ドレンタンクへ供給する大気開放型の補給水タンクとを備えるクローズドドレン回収システムであって、
前記ドレンタンク内の第一フラッシュ蒸気を前記補給水タンクへ導入する蒸気導入ラインと、
前記ドレンタンクからまたは前記負荷機器からの余剰ドレンを前記補給水タンクへ導入する余剰ドレン導入ラインと、
前記補給水タンクに設けられ、前記第一フラッシュ蒸気および/または前記余剰ドレンから発生する第二フラッシュ蒸気を前記補給水タンク内の補給水と接触させて凝縮させる凝縮装置を備え、
前記凝縮装置は、混合手段および循環手段を備え、
前記混合手段は、散水器を備え、前記第一フラッシュ蒸気および/または前記第二フラッシュ蒸気を前記散水器から散水される補給水と接触させ凝縮させる混合部と、前記混合部の凝縮水を前記補給水タンクの液相部内へ導く導水部とを含んで構成され、
前記循環手段は、循環ポンプを備え、前記補給水タンク内下部の補給水を前記散水器へ導く循環ラインを含んで構成されることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、前記凝縮装置により、前記第一フラッシュ蒸気および/または前記余剰ドレンから発生する第二フラッシュ蒸気が前記補給水タンク内の補給水と接触して凝縮するので、フラッシュ蒸気が大気中に逃げることによる有効ドレン回収率の低下を防止しながら前記ドレンタンクを小型化することができる。また、前記循環手段により、補給水を循環させながら接触させるので、前記補給水タンク内の補給水温度を100℃未満で均一化でき、かつタンク内下部の比較的低温の水と接触させることができるようになるため、より多くのフラッシュ蒸気を凝縮させることができると共に、前記混合手段により、フラッシュ蒸気と補給水との接触をし易くして、フラッシュ蒸気を効率よく凝縮させることができ、前記ドレンタンクをより一層小型化できる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記蒸気導入ラインおよび前記余剰ドレン導入ラインを備え、
前記凝縮装置が前記蒸気導入ラインおよび前記余剰ドレン導入ラインの前記補給水タンクの接続部に設けられることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、第一フラッシュ蒸気および第二フラッシュ蒸気の凝縮を行うことができ、前記ドレンタンクをより一層小型化できるという効果を奏する。
この発明によれば、有効ドレン回収率を低下させることなくドレンタンクの小型化を実現するクローズドドレン回収システムを提供することができる。
この発明を実施したドレン回収システムの実施例1の概略構成図である。 同実施例1の凝縮装置の断面による概略構成図である。 同実施例1の第一弁の制御プログラムを説明するフローチャート図である。 同実施例1の第二弁の制御プログラムを説明するフローチャート図である。 同実施例1の補給水ポンプの制御プログラムを説明するフローチャート図である。 同実施例1のドレンポンプの制御プログラムを説明するフローチャート図である。 同実施例1の第三弁の制御プログラムを説明するフローチャート図である。 同実施例1の第四弁の制御プログラムを説明するフローチャート図である。 同実施例1の第五弁の制御プログラムを説明するフローチャート図である。 同実施例1の循環ポンプの制御プログラムを説明するフローチャート図である。 この発明を実施したドレン回収システムの実施例2の凝縮装置を示す断面による概略構成図である。 この発明を実施したドレン回収システムの実施例3の概略構成図である。 同実施例3の凝縮装置を示す断面による概略構成図である。 この発明を実施したドレン回収システムの実施例4の概略構成図である。 この発明を実施したドレン回収システムの実施例5の概略構成図である。 この発明を実施したドレン回収システムの実施例6の概略構成図である。
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、蒸気ボイラの蒸気使用機器である負荷機器から回収したドレンを蒸気ボイラへ供給して利用するクローズドドレン回収システム(以下、オープンドレン回収システムと区別する必要が無い場合、単にドレン回収システムという。)に好適に実施される。
この実施の形態を具体的に説明する。この実施の形態のドレンシ回収ステムは、蒸気を負荷機器へ供給する蒸気ボイラと、ドレン戻りラインを通して負荷機器から排出されるドレンを貯留し、ドレン供給ラインを通して貯留したドレンを蒸気ボイラへ供給する密閉型のドレンタンクと、補給水ラインを通して補給水をドレンタンクへ供給する大気開放型の補給水タンクとを備えている。
このドレン回収システムは、さらに、ドレンタンク内の第一フラッシュ蒸気を補給水タンクへ導入する蒸気導入ラインと、ドレンタンクからまたは負荷機器からの余剰ドレンを前記補給水タンクへ導入する余剰ドレン導入ラインを備えている。余剰ドレンは、ドレンタンク内の水位が設定水位を超過する場合などドレンタンク内にドレンを導入できない場合に、ドレンタンクから補給水タンクへ導くドレンを意味する。蒸気導入ラインには、ドレンタンク内の圧力が設定圧力を超過するか、またはドレンタンク内水位が設定水位を超過すると開く弁を備える。
負荷機器からのドレンがドレンの圧力より低く大気圧を超過する圧力のドレンタンクへ流入すると、ドレンタンク内でフラッシュ蒸気が発生する。このフラッシュ蒸気を第一フラッシュ蒸気と称する。この第一フラッシュ蒸気の量は、ドレンタンクを小型化するほど増加する。この出願明細書においては、ドレンタンク内を所定の圧力に加圧するために蒸気ボイラからドレンタンクへ導入される加圧蒸気を第一フラッシュ蒸気に含むものとして説明している。
前記余剰ドレン導入ラインは、つぎの二つの形態を含む。第一の形態は、余剰ドレンを、ドレンタンクを経由して補給水タンクへ導く余剰ドレン間接回収手段を構成するものである。第二の形態は、余剰ドレンを、ドレンタンクを経由することなくドレン戻りラインから補給水タンクへ導く余剰ドレン直接回収手段を構成するものである。余剰ドレン導入ラインには、補給水タンクへの余剰ドレンの流入を制御する開閉弁を備える。また、間接回収手段においては、ドレン戻りラインにドレンタンクへのドレンの流入を制御する開閉弁を備える。
いずれの形態においても、余剰ドレン導入ラインを通して大気圧を越える余剰ドレンが補給水タンクに導入されると、余剰ドレンが大気圧の補給水タンクの補給水または空気と接触してフラッシュ蒸気が発生する。このフラッシュ蒸気を第二フラッシュ蒸気と称する
。この第二フラッシュ蒸気の量は、ドレンタンクの小型化に伴い、余剰ドレンが増加するに連れて増加する。
そして、この実施の形態の特徴とするところは、第一フラッシュ蒸気および余剰ドレンから発生する第二フラッシュ蒸気を補給水タンク内の補給水と接触させて凝縮させる凝縮装置を補給水タンクに備えたことにある。この凝縮装置は、好ましくは、第一フラッシュ蒸気を凝縮させる第一凝縮装置と、第二フラッシュ蒸気を凝縮させる第二凝縮装置とを別の凝縮装置とするが、一つの凝縮装置とすることもできる。
この実施の形態によれば、第一フラッシュ蒸気および第二フラッシュ蒸気は、凝縮装置により補給水と接触して凝縮されて、補給水タンクの補給水に回収されるので、ドレン戻り量を同じとした場合、凝縮装置を備えないシステムと比較して、ドレンタンクを小容量化、小型化できる。なお、第一フラッシュ蒸気および/または第二フラッシュ蒸気が補給水と接触した際にフラッシュ蒸気が発生するが、このフラッシュ蒸気は、この発明実施の形態では、第一フラッシュ蒸気および/または第二フラッシュ蒸気に含めるものとする。
この実施の形態のドレン回収システムにおいては、第一凝縮装置および第二凝縮装置のいずれか一方を備えないものとすることができる。この場合、発生量が少ない方の第一フラッシュ蒸気または第二フラッシュ蒸気に対応する凝縮装置を備えないものとする。こうすることで、システム全体としてのフラッシュ蒸気の回収量を多くすることができる。フラッシュ蒸気の回収率を上げることは、ドレンタンクの小型化につながる。
この実施の形態においては、凝縮装置は、好ましくは、補給水を補給水タンク内で循環させながら第一フラッシュ蒸気および/または第二フラッシュ蒸気と接触させ、混合させるように構成される。補給水を補給水タンク内で循環させる形態として、好ましくは、一端が補給水タンクの下部と接続され、他端がフラッシュ蒸気との接触混合部と接続され、循環ポンプを有する循環ラインによって補給水を循環させるものとする。
補給水タンク内の補給水を循環させないと、補給水の第一フラッシュ蒸気および/または第二フラッシュ蒸気との接触部分が高温となる。その温度が100℃以上となると、フラッシュ蒸気を凝縮して回収できない。補給水を循環させながらフラッシュ蒸気と補給水とを接触させることで、補給水タンク内の補給水温度を100℃未満の比較的低温で均一化することができ、より多くのフラッシュ蒸気を凝縮して回収できる。なお、第一フラッシュ蒸気を第一凝縮装置で補給水と接触混合させて補給水タンク内へ導くことにより、第一フラッシュ蒸気を直接補給水タンク内の補給水へ導くものと比較してより確実にタンク内の低温水と接触させることができる。
また、この実施の形態においては、凝縮装置は、好ましくは、混合手段および循環手段を備える。そして、混合手段は、補給水を散水する散水器を備え、第一フラッシュ蒸気および/または第二フラッシュ蒸気を散水器から散水される補給水と接触させ凝縮させる混合部(接触混合部と称することができる。)と、混合部の凝縮水を補給水タンクの液相部内へ導く導水部とを含んで構成される。また、循環手段は、循環ポンプを備え、補給水タンク内下部の補給水を前記散水器へ導く循環ラインを含んで構成される。
このように構成すると、混合手段の散水器の散水機能により、フラッシュ蒸気と補給水とが接触し易くなり、フラッシュ蒸気を効率よく凝縮させることができる。散水器は、補給水をシャワー状に噴出したり、霧状に噴出するものを含む。
この好ましい実施の形態において、第二凝縮装置の混合部には、ドレンを散水する第二の散水器を設けることができる。このように構成すると、混合部内でドレンと補給水との
接触の機会が多くなり、これに伴い発生する第二フラッシュ蒸気と補給水とが接触し易くなり、第二フラッシュ蒸気を効率よく凝縮させることができる。
また、この実施の形態においては、好ましくは、補給水とフラッシュ蒸気との接触を促進する接触熱交換部材(接触熱交換促進部材と称することができる。)を混合部に設けることように構成する。そして、第一散水器からの補給水が接触熱交換部材の上方から接触熱交換部材へ導かれ、フラッシュ蒸気が接触熱交換部材の下方から接触熱交換部材へと導かれるように構成する。
この接触熱交換部材は、通気性および通水性を有し、内部において散水された補給水とフラッシュ蒸気との接触熱交換を促進する機能を有するもので、好ましくは、デミスタを用いることができる。ここでは、デミスタとは、メッシュ状部材によって補給水を微粒化させフラッシュ蒸気との接触面積を広くすると共に補給水の落下速度を遅くする機能を有するものをいう。なお、接触熱交換部材は、デミスタに限定されないものであり、このデミスタと類似の機能を有する冷却塔に用いるエリミネータを用いることができる。
この好ましい実施の形態では、接触熱交換部材において散水器からの霧状の補給水が捕集され、落下速度が低下し、これによりフラッシュ蒸気との接触の機会が増大して、フラッシュ蒸気の冷却、凝縮が効果的に行われる。
さらに、この実施の形態においては、好ましくは、前記の余剰ドレン直接回収手段を、ドレン戻りラインに設けられる開閉可能な第一弁と、ドレン戻りラインの第一弁の上流側と補給水タンクとの間に接続される余剰ドレン導入ラインと、余剰ドレン導入ラインに設けられる開閉可能な第二弁とを備えるものとすることができる。そして、第一弁を開き、第二弁を閉じる第一開閉状態と、第一弁を閉じ、第二弁を開く第二開閉状態とを選択可能に構成し、第二開閉状態として余剰ドレンを凝縮装置を介して補給水タンクに導入するように構成する。
この余剰ドレン直接回収手段を備えることにより、ドレンタンクにてドレンを収容できない異常時において第二開閉状態とすることで、ドレンタンクに収容できない余剰ドレンをドレンタンクを経由することなく補給水タンクに導入することができる。その結果、余剰ドレンを直接ドレンタンクに導くシステムと比較して、ドレンタンクを小型化できる。そして、導入により生ずる第二フラッシュ蒸気の凝縮が凝縮装置にて行われ、第二フラッシュ蒸気を回収することができる。
この余剰ドレン直接回収の構成を備える実施の形態においては、好ましくは、余剰ドレン導入ラインに設けられる凝縮装置には、分離板に流入余剰ドレンを衝突させて蒸気を分離させる蒸気分離部を混合部の接触熱交換部材の下方に設ける。このように構成することにより、余剰ドレン導入ラインから流入する蒸気とドレンとの2相流となっているドレンが分離板に衝突するので、ドレンから蒸気を効果的に分離できる。その結果、分離した蒸気と補給水との接触による凝縮が促進される
以上説明した実施の形態において、ドレンタンク内の第一フラッシュ蒸気は、好ましくは、ドレンタンク内の気相部にドレンタンク内下部の比較的低温のドレンを散水して接触させることにより、ドレンタンク内にて回収するように構成することができる。
また、この実施の形態においては、ドレンタンク内圧力に応じて開閉する加圧弁を有し、蒸気ボイラ(蒸気ボイラの蒸気出口に設けられるスチームヘッダを含む)からドレンタンクへ大気圧を超える圧力の加圧蒸気を供給する加圧蒸気ラインを備えることができる。加圧弁は、機械式に圧力に応答して開閉する弁,または圧力センサにより電気的に開閉す
る弁とする。また、加圧弁は、供給蒸気量または供給蒸気圧を調整する機能と蒸気を遮断する機能を有する単一の弁とするが、供給蒸気量または供給蒸気圧を調整する弁と、蒸気を遮断する弁とから構成することもできる。この加圧蒸気ラインを備えることにより、ドレンタンク内へ蒸気を供給して飽和圧力以上に保つことで、第一フラッシュ蒸気の発生量を少なくできる。
ここで、この発明の実施の形態のドレンシ回収ステムを構成する構成要素を説明する。蒸気ボイラおよび負荷機器は、特定の形式、構造のものに限定されない。
また、ドレンタンクは、密閉型のものであればよく、特定の構造のものに限定されない。補給水タンクは、開放型のものであればよく、特定の構造のものに限定されない。
また、余剰ドレン導入ラインおよびドレン戻りラインに設ける開閉弁は、モータバルブや電磁弁やエア駆動バルブを用いることができる。
ついで、この発明の実施例1のドレン回収システム1を図1〜図10に従い説明する。
<実施例1の構成>
この実施例1のドレン回収システム1は、蒸気ボイラ2と、ドレン戻しライン3と、ドレンタンク4と、補給水ライン5と、ドレン供給ライン6と、補給水タンク7と、余剰ドレン導入ラインとしてのドレン逃がしライン8と、加圧蒸気ライン9と、蒸気導入ラインとしての圧力逃がしライン(蒸気逃がしラインと称することができる。)10と、ドレン循環ライン11と、制御手段としての制御器12とを主要部として備えている。蒸気ボイラ2は、蒸気を使用する負荷機器13へ蒸気供給ライン2Aを通して供給するものである。図1において、一点鎖線Yで囲む部分は、ドレン回収装置として一体的に構成されている。
ドレン戻しライン3は、負荷機器13から排出されるドレンを、スチームトラップ(図示省略)を介してドレンタンク4へ供給するもので、ノーマルクローズのモータバルブからなるドレン戻し弁としての第一弁V1を備えている。
ドレンタンク4は、密閉型に構成され、貯留したドレンを、ドレンポンプ14を有するドレン供給ライン6を通して蒸気ボイラ2へ供給するものである。ドレンタンク4には、水面計15が気相部同士を連通する第一連通管16と液相部同士を連通する第二連通管17とで接続されている。第一連通管16には、ドレンタンク4内の圧力を検出する第一圧力検出器としての圧力センサ18を設けている。この圧力センサ18は、ドレンタンク4または水面計15の液相部(または気相部)に設けても良い。
また、水面計15には、水面計15内の水位を検出する第一水位検出器としての差圧式の水位センサ19と、水位センサ19をバックアップするように異常水位を検出する第二水位検出器としてのフロートスイッチ20と、圧力センサ18をバックアップするように異常圧力を検出する第二圧力検出器としての開閉スイッチ式の圧力スイッチ21とを備えている。この圧力スイッチ21もドレンタンク4に設けても良い。この圧力スイッチは、複数設けることができる。
補給水ライン5は、補給水ポンプ22と、補給水タンク7方向の流れを阻止する第一逆止弁23とを有し、大気開放型の補給水タンク7内に貯留された補給水をドレンタンク4へ供給するものである。補給水タンク7内の液相部7Aの上面には、補給水が大気と接触して再溶存することを防止するビーズ等の再溶存防止部材(図示省略)を浮かべている。
補給水タンク7には、脱気水(または非脱気水)を供給する補給水補充ライン24を備えており、図示省略の水位検出器により補給水タンク7内の水位が設定水位となるように補給水補充ライン24の流量を調整する。
ドレン供給ライン6には、ドレンポンプ14と、ドレンポンプ14方向の流れを阻止する第二逆止弁25とを設けている。そして、ドレン供給ライン6のドレンポンプ14出口側とドレンタンク4との間に、ドレンタンク4内のドレンを循環させるドレン循環ライン11(ドレン供給ライン6の一部を含む)を設けている。ドレン循環ライン11の循環量は、ドレンポンプ14の冷却に必要な最低限の流量である最小流量(ミニマムフロー)以上としている。
ドレン循環ライン11は、ドレンタンク4内の気相部にドレンを霧状に噴射するノズルを有する噴射部としての噴出管(噴射器と称することができる。)26を備える第一循環ライン11Aと、ドレンタンク4内の液相部にドレンを戻す第二循環ライン11Bとを含んで構成されている。第一循環ライン11Aには、モータバルブからなる第五弁V5を設け、第二循環ライン11Bには、第五弁V5閉時の第二循環ライン11Bの流量(ミニマムフロー)を調整する流通抵抗としてのオリフィス27を設けている。また、第二循環ライン11Bを構成する流路(ドレンタンク4内,ドレン供給ライン6を含む)の適所(実施例1では、ドレン供給ライン6のドレンタンク4とドレンポンプ14との間)に蒸気ボイラ2へ供給するドレンの温度を検出する第一温度センサとしての第一温度センサ28を設けている。
ドレン逃がしライン8は、負荷機器13からの余剰ドレンを補給水タンク7へ導入する機能をなすものである。余剰ドレンとは、何らかの理由で、ドレンタンク4に収容することができなかったドレンを意味している。このドレン逃がしライン8は、ドレン戻しライン3の第一弁V1の上流側と補給水タンク7とを接続し、ノーマルオープンのモータバルブからなるドレン逃がし弁としての第二弁V2を設けている。
加圧蒸気ライン9は、蒸気ボイラ2の蒸気出口側である蒸気供給ライン2Aとドレンタンク4とを接続し、加圧弁としてのモータバルブからなる第三弁V3を設けている。なお、第三弁V3の一次側に必要に応じて減圧弁(図示省略)を設ける。
圧力逃がしライン10は、ドレンタンク4内の第一フラッシュ蒸気を前記補給水タンクへ導入する機能を有する。第一フラッシュ蒸気とは、負荷機器13からのドレンがドレンタンク4内へ流入する際に発生するフラッシュ蒸気である。この第一フラッシュ蒸気には、加圧蒸気ライン9を通してドレンタンク4内へ導入された加圧蒸気と区別がつかないので、この発明では、第一フラッシュ蒸気に加圧蒸気を含めている。
この圧力逃がしライン10は、ドレンタンク4の気相部と補給水タンク7とを接続し、設定圧以上で開く圧力逃がし弁としての圧力調整弁29と、この圧力調整弁29と並列に接続するモータバルブからなる第四弁V4を設けている。第四弁V4は、圧力センサ18により圧力調整弁の作動圧力(第一作動圧力)より高い作動圧力(第二作動圧力)で開き、第二作動圧力よりディファレンシャル分低い圧力で閉じると共に、圧力スイッチ21により第二作動圧力より高い作動圧力(第三作動圧力)で閉じ、第三作動圧力よりディファレンシャル分低い圧力で開く開閉弁である。第一作動圧力,第二作動圧力PH,第三作動圧力PHHは、それぞれ例えば0.78MPa,0.83MPa,0.9MPaとするが、これに
限定されるものではない。
ここで、圧力調整弁29は、特許文献1に記載のような電気的に作動するモータバルブ
などの開閉弁に限定されることなく、電気的に作動するのではなく、機械的に開閉する圧力調整弁とすることができる。また、開閉弁は、好ましくは、圧力検出器により電気的に作動する開閉弁とするが、機械的に圧力に応答して開閉する圧力調整弁とすることができる。
補給水タンク7と蒸気ボイラ2との間には、ドレンポンプ14が停止して、蒸気ボイラ2へドレンが供給できないとき、補給水タンク7の補給水を蒸気ボイラ2へ供給する予備給水ライン30を設けている。この予備給水ライン30には、蒸気ボイラ2に付属している補助ポンプ31と、補助ポンプ31方向の流れを阻止する第三逆止弁32とを設けている。
また、補給水タンク7には、第一凝縮装置33を設けている。第一凝縮装置33は、圧力逃がしライン10を通して補給水タンク7に導入される第一フラッシュ蒸気と、循環する補給水タンク7内の比較的低温の補給水とを接触させて凝縮させる機能を有する装置である。
第一凝縮装置33、具体的には、図1および図2に示す構造を有している。第一凝縮装置33は、混合手段34および循環手段35を備えている。混合手段34は、二分割構成の筒状本体36の上部本体体36Aを、第一フラッシュ蒸気を散水器37から散水される補給水と接触させて凝縮させる混合部38として形成している。混合部38には、上方から順に、散水器37,デミスタからなる接触混合部材38A,圧力逃がしライン10が接続される接続部40,混合部38にて生成された凝縮水を補給水タンク7の液相部7A内へ導く筒状の導水部41を配設している。
散水器37は、補給水を上方に向けてシャワー上に噴出する多数の噴出孔37Aを備えている。なお、散水器37の補給水噴射方向を含めた散水構造は、図示のものに限定されない。接触熱交換部材38Aは、混合部38の上方空間と下方空間とを仕切るように配設されている。
接続部40は、先端を閉じた筒状に形成され、下面側に導入口40Aを形成している。この接続部40の先端は、2相流のドレンが導入されたとき、ドレンが衝突して、ドレンから蒸気を分離する分離板40Bとして機能する。また、導水部40は、蒸気やドレンが直ちに導水部41内へ入らないように、上端を閉止し、周面に複数の導水口41Aを形成している。この接続部40は、この発明の蒸気分離部を構成する。なお、蒸気分離部は、第一凝縮装置33においては、ドレンではなく、第一フラッシュ蒸気が導入されるので、必ずしも必要としない。
そして、導水口41Aの下端は、混合部38の内底面を構成する後記仕切板42の上面よりも高くして、混合部38内底部に凝縮水を貯留するように構成している。さらに、混合部38内での酸素の再溶存を防止するために、センサ(図示省略)により貯留した凝縮水の温度を検出し、検出温度が95〜100℃となるように、循環ライン48に設けた流量調整手段(図示省略)により補給水の循環量調整するようにしている。この流量調整手段は、手動で調整しても良いが、制御器12により自動的に調整してもよい。
導水部41は、筒状本体36の上部本体36Aと下部本体36Bとをその接合部において仕切る仕切板42および43にて保持されている。下部本体36Bには、圧力逃がしライン10が分岐して接続される蒸気導入孔44と、補給水タンク7の気相部7Bに連通する第一蒸気導出孔45とを設け、導水部41の周面には第二蒸気導出孔41Bを設けている。第一蒸気導出孔45および第二蒸気導出孔41Bは、導水部41内に存在する蒸気を補給水タンク7の気相部7Bに導き、気相部7Bに微量の蒸気を存在させることで、酸素
の再溶存を防止するためのものである。
蒸気導入孔44は、ドレン戻りライン3の途中から分岐された分岐ライン(図示省略)から一部の蒸気を取り出して下部本体36B内へ導き、第一蒸気導出口45から補給水タンク7の気相部7Aに導くことで、補給水タンク7内の空気をパージするためのものである。下部本体36B内へ導く蒸気は、蒸気ボイラ2において発生する蒸気の一部を蒸気ボイラ2から直接取り出したものとすることができる。第二蒸気導出孔41Bは、導水部41を通過する液体に含まれる蒸気を気相部7Bへ導くためものである。
図1を参照して、循環手段35は、循環ポンプ47を備え、補給水タンク7内下部の補給水を散水器37へ導く補給水循環ライン48を含んで構成されている。また、補給水タンク7には、補給水タンク7内の補給水温度を検出する第二温度検出器としての第二温度センサ50を備えている。
また、補給水タンク7には、第一凝縮装置33と同じ構造の第二凝縮装置39を設けている。第二凝縮装置39は、ドレン逃がしライン8を通して補給水タンク7に導入される余剰ドレンによって発生する第二フラッシュ蒸気と、循環する補給水タンク7内の比較的低温の補給水とを接触させて凝縮させる機能を有する装置である。第二凝縮装置39の構造は、図2に示す第一凝縮装置と同じであるので、その説明を省略する。
制御器12は、圧力センサ18,水位センサ19,フロートスイッチ20,圧力スイッチ21,第一温度センサ28,第二温度センサ50などからの信号を入力して、予め記憶している制御手順に基づき、第一弁V1〜第五弁V5,ドレンポンプ14、補給水ポンプ22などを制御する。なお、補助ポンプ31は、蒸気ボイラ2側の制御器で制御しているが、制御器12で制御するように構成することもできる。
制御器12の制御手順には、ドレンタンク内圧力制御手順,水位・ドレン温度制御手順,ドレン循環ライン11の循環を制御するドレン循環制御手順,補給水温度制御手順などが含まれている。
ドレンタンク内圧力制御手順は、圧力センサ18が圧力調整弁29の作動圧力(第一作動圧力)より高い第二作動圧力PHを検出すると第四弁V4を開き、圧力スイッチ21が第二作動圧力PHより高い第三作動圧力PHHを検出すると、第四弁V4を閉じ、加圧蒸気ライン9を閉じると共に、第一弁V1を閉じ、第二弁V2を開く手順である。なお、第一作動圧力は、第二設定圧力PLより高く設定される。この制御手順は、図3,図4,図8の制御手順で実現している。
水位・ドレン温度制御手順は、つぎの第一制御と第二制御とを含んでいる。第一制御は、第一温度センサ28による検出温度が第一設定温度TH超過で補給水ポンプ22を駆動し、第一設定温度TH以下で補給水ポンプ22を停止し、補給水ポンプ22の駆動時、水位センサ19の検出水位が第一設定水位LHH超過で補給水ポンプ22を停止して、第一弁V1および第二弁V2を第二開閉状態とすると共に、第一設定水位LHH以下で補給水ポンプ22を駆動して第一弁V1および第二弁V2を第一開閉状態とする制御である。
第二制御は、補給水ポンプ22の駆動時、第一温度センサ28による検出温度が第一設定温度THより高い第二設定温度THH超過で、第一弁V1および第二弁V2を第二開閉状態とすると共に、第二設定温度THH以下で第一弁V1および第二弁V2を第一開閉状態とする制御である。これらの第一制御および第二制御は、図3,図4および図6の制御手順で実現している。
この実施例1では、第一設定温度TH,第二設定温度THHをそれぞれ170℃,175℃としているが、システムの構成や運転条件に応じて、温度は、100〜220℃の範囲で適宜設定可能である。
ドレン循環制御手順は、第一温度センサ28の検出温度が第一設定温度THを超過する(または以上となる)か、第一設定温度THより低い第三設定温度TL未満(または以下)のとき、第一循環路11Aによるドレン循環を停止する手順と、第一圧力検出器18の検出圧力が第一設定圧力PHを超過する(または以上となる)と第一循環路11Aによるドレン循環を行う手順とを含んでいる。このドレン循環制御手順の一例を図9に示す。
補給水温度制御手順は、第二温度センサ50による検出温度が第四設定温度T4超過で循環ポンプ47を停止し、第四設定温度T4よりディファレンシャル分低い温度以下で循環ポンプ47を駆動する制御手順である。この補給水温度制御手順は、循環ポンプ47を駆動することにより補給水タンク7内の水温を均一化し、より多くのフラッシュ蒸気の回収を促進すると共に、補給水タンク7内の水温が第四設定温度T4を超過することによる振動発生等を防止する。この補給水温度制御手順の一例を図10に示す。
また、具体的な実施例1の第一弁V1の制御手順,第二弁V2の制御手順,補給水ポンプ22の制御手順,ドレンポンプ14の制御手順第三弁V3の制御手順,第四弁V4の制御手順,第五弁V5の制御手順,循環ポンプ47の制御手順は、それぞれ図3,図4,図5,図6,図7,図8,図9,図10に示している。
<実施例1の基本的動作>
(水位・ドレン温度制御)
ここで、実施例1の水位・ドレン温度制御手順による動作を図1〜図6に基づき説明する。図1を参照して、負荷機器13においては、ボイラ2から供給された蒸気が液化する。液化したドレンは、ドレン戻しライン3を通して、ドレンタンク4へ流入しようとする。
図3および図4を参照して、システムの運転スイッチ(図示省略)がONされると、処理ステップS1(以下、処理ステップSNを単にSNと称する。),S11において、第一弁V1を閉じ,第二弁V2を開き(第二開閉状態)、S2,S12へ移行して、圧力スイッチ21がONしているかどうかを判定する。水面計15内の圧力が異常高圧設定圧力(後記第一設定圧力PHより高い設定圧力)以上となると、圧力スイッチ21がONするので、S2,S12でYESが判定され、S1,S11に戻って第二開閉状態を維持する。
こうして、ドレンタンク4内の圧力が異常高圧のときは、負荷機器13からのドレンはドレンタンクへ流入することが防止され、代わりに補給水タンク7へ流入する。その結果、ドレンタンク4内の圧力が異常高圧であっても負荷機器13の運転を継続しながらドレンが補給水タンク7へ回収される。このドレンの回収は、前述のように、第二凝縮装置39を通して行われる。この第二凝縮装置39では、ドレンが補給水タンク7へ流入する際に発生する第二フラッシュ蒸気の回収が行われるが、その詳細な動作は、後述する。
このとき、図6のS32においてもYESが判定されるので、ドレンポンプ14が停止され、ドレンタンク4から蒸気ボイラ2への給水が停止される。しかしながら、蒸気ボイラ2の制御器(図示省略)は、ドレンタンク4からの給水が無いことを判定すると、補助ポンプ31を駆動する。その結果、補給水タンク7から蒸気ボイラ2への給水が継続されるので、蒸気ボイラ2の運転も継続され、負荷機器13での蒸気の継続使用が可能となる。
図3,図4に戻ってS2,S12でNOが判定されると、S3,S13へ移行して、フロートスイッチ20が異常高設定水位(後記第一設定水位LHHより高い設定水位)以上を検出しているかどうかを判定する。水面計15内の水位が異常高設定水位以上となると、S3,S13でYESが判定され、S1,S11に戻って第二開閉状態を維持する。なお、水位センサ19が正常に作動しているときは、フロートスイッチ20が作動することは無く、S3,S13でYESが判定されることはない。
こうして、ドレンタンク4内の水位が異常高水位のときも、ドレンタンク4内の圧力が異常高圧のときと同様に、負荷機器13の運転を継続しながらドレンが補給水タンク7へ回収される。このとき、ドレンポンプ14が停止されるが、補助ポンプ31の駆動により、蒸気ボイラ2の運転が継続されるのは、ドレンタンク4内の水位が異常高水位のときと同様である。
S3,S13でNOが判定されると、S4,S14へ移行し、水位センサ19が第一設定水位LHHの超過(LHHよりディファレンシャル分高い値)を検出しているかどうかを判定する。水面計15内の水位が第一設定水位LHHを超過すると、S4,S14でYESが判定され、S1,S11に戻って第二開閉状態を維持する。
こうして、ドレンタンク4内の水位が第一設定水位LHHを超過すると、ドレンタンク4内へのドレンの流入が阻止され、ドレンタンク4内が異常高水位となることが防止される。そして、ドレンタンク4内の圧力が異常高圧のときと同様に、負荷機器13の運転を継続しながらドレンが補給水タンク7へ回収される。このとき、ドレンポンプ14が停止されるが、補助ポンプ31の駆動により、蒸気ボイラ2の運転が継続されるのは、ドレンタンク4内の水位が異常高水位のときと同様である。
そして、水位センサ19の検出水位が第一設定水位LHH以下を検出すると、S4,S14でNOが判定され、S5,S15へ移行して、温度センサ28の検出温度が第二設定温度THHを超過(THHよりディファレンシャル分高い値を検出)かどうかを判定する。S5,S15でYESが判定されると、S1,S11へ移行して、第二開閉状態を維持する。そして、温度センサ28の検出温度が第二設定温度THH以下を検出すると、S5,S15でNOが判定され、S6,S16へ移行して、第一弁V1を開き、第二弁を閉じ(第一開閉状態)、負荷機器13からのドレンがドレンタンク4へ流入する。
こうして、S5,S15の処理により、ドレンタンク4へは温度センサ28の検出温度が第二設定温度THHを超過すると、ドレンタンク4内へ高温のドレンの流入が阻止されることで、ドレンタンク4内のドレン温度が第二設定温度THHを超過することが阻止される。このドレン流入阻止の動作とつぎに説明する補給水ポンプ22の制御によるドレンの冷却動作により、ドレンタンク4内のドレン温度の速やかな低下が実現される。
つぎに補給水ポンプ22の動作を図5に基づき説明する。S21で補給水ポンプ22を停止する。ついで、S22で、圧力スイッチ21がONかどうかを判定する。YESの場合、S21へ移行して、給水ポンプ21を停止し、NOの場合、S23へ移行して、フロートスイッチ20が異常高設定水位を検出しているかどうかを判定する。
S23で、YESが判定されると、補給水ポンプ22を停止する。S23でNOが判定されると、S24へ移行して、水位センサ19が第一設定水位LHH(>LH)の超過を検出(LHHよりディファレンシャル分高い値を検出)しているかどうかを判定する。YESの場合、S21へ移行して補給水ポンプ22を停止する。
後記のように、ドレンポンプ14の駆動により、ドレンタンク4内の水位が低下し、検出水位が第一設定水位LHH以下となると、S24でNOが判定され、S25へ移行して、第一温度センサ28の検出温度が第一設定温度TH(<THH)の超過(THよりディファレンシャル分高い値を検出)かどうかを判定する。検出温度が第一設定温度THを超過し、S25でYESが判定されると、S27へ移行して、補給水ポンプ22を駆動す
る。この補給水ポンプ22の駆動により、補給水タンク7から低温の補給水がドレンタンク4内へ補給される。
第一温度センサ28の検出温度が第一設定温度TH以下となり、S25でNOが判定されると、S26へ移行して、ドレンタンク4内水位が第二設定水位LHを超過(LHよりディファレンシャル分高い値を検出)かどうかを判定する。YESが判定されると、S21へ移行して、補給水ポンプ22を停止する。後記のように、ドレンポンプ14の駆動により、ドレンタンク4内の水位が低下し、水位が第二設定水位LH以下となり、S26でNOが判定されると、S27へ移行して、補給水ポンプ22を駆動する。この補給水ポンプ22の駆動により、補給水タンク7から低温の補給水がドレンタンク4内へ補給される。
このように、ドレンタンク4内のドレン温度が第一設定温度THを超過し、ドレンタンク4内の水位が第一設定水位LHH以下の場合、補給水ポンプ22が駆動されて、ドレンタンク4内のドレンの冷却制御(第一制御)が行われる。そして、前述のように、ドレンタンク4内の水位が第一設定水位LHHを超過するか、ドレン温度が第二設定温度THH以上となると、第一弁V1および第二弁V2を第二開閉状態とすることにより、ドレンが保有する多量の熱量をドレンタンク4内に取り込まない制御(第二制御)を行う。その結果、ドレンタンク4内の温度が第二設定温度THH以上となっても第一制御と第二制御とにより、特許文献1のシステムと比較して、短時間にドレンタンク4内のドレンが冷却される。これにより、補給水ポンプ22の運転時間を短縮でき、節電が可能となる。
つぎに、ドレンポンプ14の動作を図6に基づき説明する。S31で、ドレンポンプ14を停止する。ついで、S32へ移行して、圧力スイッチ21がONかどうかを判定し、YESの場合、S31へ移行して、ドレンポンプ14を停止する。
S32でNOが判定されると、S33へ移行して、フロートスイッチ20が異常低設定水位水位以上かどうかを判定する。YESの場合、S31へ移行して、ドレンポンプ14を停止する。S33でNOが判定されると、S34へ移行して、センサ19が第三設定水位LLL(<第二設定水位LH)の超過(LLLよりディファレンシャル分高い値)を検出しているかどうかを判定する。判定がNOの場合、S31へ移行してポンプ14を停止し、蒸気ボイラ2への給水を行わない。
ドレンタンク4内水位が第三設定水位LLLを超過すると、S34でYESが判定され、S35へ移行して、圧力センサ18が第二設定圧力PLより低い第三設定圧力PLLを超過(PLLよりディファレンシャル分高い値)かどうかを判定する。S35で、第三設定圧力PLL以下が検出されると、NOが判定され、S31へ移行して、ドレンポンプ14を停止する。S35でYESの場合、S36へ移行して、ドレンポンプ14を駆動する。
このように、ドレンポンプ14は、基本的に、ドレンタンク4内の水位が第三設定水位LLLを超過で、かつ圧力が第三設定圧力PLLを超過の条件で、駆動され、ドレンタンク4から蒸気ボイラ2へドレンが供給される。なお、ドレンポンプ14の故障停止時には、前述のように、補助ポンプ31の駆動により、蒸気ボイラ2の運転が継続される。
(ドレンタンク内圧力制御)
つぎに、ドレンタンク4内の圧力制御を説明する。まず、第三弁V3の動作を図7に基づき説明する。S41で、第三弁V3を閉じる。ついで、S42へ移行して、圧力スイッチ21(第三作動圧力PHHの超過でONし、ディファレンシャル分低下するとOFFする)がONかどうかを判定し、YESの場合、S41へ移行して、第三弁V3を閉じ、ドレンタンク4内が異常高設定圧力を超えないようにする。
S42でNOが判定されると、S43へ移行して、フロートスイッチ20が異常低設定水位以下かどうかを判定する。YESの場合、S41へ移行して、第三弁V3を閉じる。S43でNOが判定されると、S44へ移行して、水位センサ19が第三設定水位LLLの超過(LLLよりディファレンシャル分高い値)を検出しているかどうかを判定する。水位が第三設定水位LLL以下で、NOの場合、第三弁V3を閉じる。
S44でYESが判定されると、S45へ移行して、圧力センサ18が異常高設定圧力より低く第三設定圧力PLLより高い第二設定圧力PLを超過か(PLよりディファレンシャル分高い値)どうかを判定する。YESの場合、S41へ移行して、第三弁V3を閉じる。S45で、第二設定圧力PL以下が検出されると、NOが判定され、S46へ移行して、第三弁V3を開く。
このように、第三弁V3は、基本的に、ドレンタンク4内の水位が第三設定水位LL以上で、圧力が第二設定圧力PL未満の条件で開き、加圧蒸気ライン9を通して、ドレンタンク4内へ蒸気を供給して、ドレンタンク4内の圧力をほぼ第二設定圧力PLに保持する。
つぎに、第四弁V4の動作を図8に基づき説明する。S51では第四弁V4を閉じる。図1を参照して、圧力調整弁29は、ドレンタンク4内の圧力が設定圧力(異常高設定圧力より低く第二設定圧力PLより高い値)以上になると開くので、ドレンタンク4内の圧力は、圧力調整弁29の設定圧力未満に制御されている。しかしながら、圧力調整弁29が故障するなどの理由により、圧力が上昇し、圧力センサ18のよる検出圧力が第一設定圧力PH(異常高設定圧力より低く、第二設定圧力PLより高い値)を超過(PHよりディファレンシャル分高い値)すると、S52で、YESが判定され、S53のNOの判定を経て、S54で第四弁V4を開く。
第四弁V4の故障などにより、さらに圧力が上昇して、圧力スイッチ21が異常高圧を検出すると、圧力スイッチ21がONし、S53でNOが判定されて、第四弁V4を閉じる。この圧力スイッチ21が異常高圧を検出したときは、システム1をインターロック状態に停止する動作を行う。第四弁V4を閉じるのは、インターロック動作の一環である。なお、インターロック状態としない場合は、S53でYESが判定されると、第四弁V4を開くように構成することができる。
S52で、第一設定圧力PH以下が検出されると、NOが判定され、S51へ移行して、第四弁V4を閉じる。
このように、第四弁V4は、基本的に、ドレンタンク4内の圧力が第一設定圧力PHの超過の条件で開くので、圧力調整弁29が故障しても蒸気逃がしライン10を通して、ドレンタンク4内の高圧蒸気を、第一凝縮装置33を通して補給水タンク7内へ逃がし、ドレンタンク4内の異常高圧を防止する。ドレンタンク4内の高圧蒸気には、ドレンがドレンタンク4内に流入する際に発生するフラッシュ蒸気と加圧蒸気ライン9を通してドレンタンク4に導かれる加圧蒸気とを含むが、この発明では両方の蒸気を第一フラッシュ蒸気と称する。この第一凝縮装置34では、第一フラッシュ蒸気の回収が行われるが、その詳
細な動作は、後述する。
(フラッシュ蒸気からの熱回収制御)
つぎに、ドレンタンク4内での第一フラッシュ蒸気からの熱回収制御について説明する。まず、第五弁V5の動作を図9に基づき説明する。S61では第五弁V5を閉じる。今、ドレンポンプ14が駆動されているとすると、ドレンタンク4内のドレンは第二循環ライン11Bを通して循環し、ドレンポンプ14のミニマムフローが確保されるともに、ドレンタンク4内のドレン温度が均一化される。
ついで、S62では、圧力スイッチ21がONかどうかを判定し、YESの場合、S61へ移行して、第五弁V5を閉じ、第一循環ライン11Aを通してドレンをドレンタンク4内へ噴出しない。
NOの場合、S63へ移行して、温度センサ28の検出温度が第二設定温度THH以上かどうかを判定する。S33でYESが判定されると、S61へ移行して、第五弁V5を閉じ、ドレンをドレンタンク4内へ噴出しない。
S63でNOが判定されると、S64へ移行して、温度センサ28の検出温度が第三設定温度TL未満かどうかを判定する。S64でYESが判定されると、S61へ移行して、第五弁V5を閉じ、ドレンをドレンタンク4内へ噴出しない。その理由は、つぎの通りである。ドレンタンク4内のドレン温度が低い状態でドレンを噴射すると、ドレンタンク4内の圧力が低下し、第三弁V3が開き、加圧蒸気ライン9から蒸気が供給されることを防止するためである。
S64で、第三設定温度TLを超える値(TLよりディファレンシャル分高い値)が検出され、NOが判定されると、S65へ移行して、ドレンタンク4内圧力が、第一設定圧力PHを超過(PHよりディファレンシャル分高い値)かどうかを判定する。第一設定圧力PH以下が検出されると、S65で、NOが判定され、S61で第五弁V5を閉じ、ドレ
ンをドレンタンク4内へ噴出しない。その理由は、つぎの通りである。ドレンタンク4内の圧力が低い状態でドレンを噴射すると、ドレンタンク4内の圧力がさらに低下し、第三弁V3が開き、加圧蒸気ライン9から蒸気が供給されることを防止するためである。
S65で、第一設定圧力PHの超過が検出されると、YESが判定され、S66へ移行して、第五弁V5を開く。すると、ドレンタンク4内のドレンは、第一循環ライン11Aを通して噴出管26からドレンタンク4の気相部へ噴出され、この噴出によりドレンタンク4内の気相部の熱を効率よく回収して高温のドレンを得ることができる。この第一循環ライン11Aからのドレン噴出時にも第二循環ライン11Bを通してドレンが循環している。
このように、第五弁V5は、基本的に、ドレンタンク4内のドレン温度が第二設定温度THH以下で、かつ第三設定温度TL以上で、かつドレンタンク4内圧力が第一設定圧力PHを超過の条件で開いて、噴出管26からドレンを噴出する。その結果、ドレン温度を必要以上に高くすることなく、ドレンタンク4内の気相部の熱を効率よく回収して高温のドレンを得ることができる。
<第一凝縮装置の動作>
つぎに、第一凝縮装置33の動作を説明する。ドレン戻しライン3を通して高温高圧(例えば1.2MPa)のドレンがドレンタンク4に流入して、流入ドレン圧力より温度、圧力が低い(例えば、0.8MPa)ドレンタンク4の蒸気やドレンと接触すると第一フラッシュ蒸気
が発生する。この第一フラッシュ蒸気が前述のように、圧力逃がしライン10、第一凝縮装置33を通して補給水タンク7へ流入する。
ここで、循環ポンプ50の制御について説明する。図10を参照して、S71で循環ポンプ14を停止する。S72において、第二温度センサ50の検出温度がT4を超える値(T4よりディファレンシャル分高い値)かどうかを判定する。YESが判定されると循環ポンプ14の停止を継続する。S72で、T4以下が検出されると、S73へ移行して、循環ポンプ50を駆動する。なお、第二凝縮装置39の循環ポンプ50の制御は、第一凝縮装置39の循環ポンプ50の制御と同じである。
循環ポンプ50の駆動により、図2に示すように、補給水タンク7内下部の比較的低温の補給水が補給水循環ライン48を通して、散水器37に導かれ、噴出孔37Aここからシャワー状に噴出される。噴出された補給水は、図2実線矢示のように、接触熱交換部材38Aへ向けて落下する。
一方、圧力逃がしライン10からの第一フラッシュ蒸気は、図2破線矢示X1のように、接続部40の分離板40Bに衝突し、方向を転換して導入口40Aから混合部38内へ流入し、接触熱交換部材38Aの下方の混合部38内に充満する。第一フラッシュ蒸気に液滴が含まれている場合には、分離板40Bに衝突時に分離され、分離部38内底部に貯留される。
接触熱交換部材38Aでは、散水器37からの補給水に含まれる液体分子が捕集され、落下速度が低下する。第一フラッシュ蒸気は、接触熱交換部材38A内で補給水との接触混合により効率よく凝縮が行われる。なお、捕集された液体分子と第一フラッシュ蒸気とが接触する際には、凝縮と同時に新たなフラッシュ蒸気も発生するが、このフラッシュ蒸気も接触熱交換部材38A内で冷却され凝縮する。凝縮水は、分離部38内底部に貯留された後、導水口41Aから導水部41内へ流入し、補給水タンク7の液相部7Aへ導かれる。
<第二凝縮装置の動作>
つぎに、第二凝縮装置39の動作を説明する。第二凝縮装置39の動作は、基本的には、第一凝縮装置33の動作と同様であるが、流入してくる流体が、第一凝縮装置33では蒸気であるのに対して、第二凝縮装置39では、ドレン逃がしライン8を通して流入する高温高圧のドレンである点で相違する。以下では、流入する流体の相違による動作の相違を中心に説明する。
循環ポンプ50の駆動により、図2に示すように、散水器37から噴出された補給水は、図2実線矢示のように、接触熱交換部材38Aへ向けて落下する。ドレン逃がしライン8からのドレンは、液体と蒸気の2相流となっている。ドレンは、図2実線矢示X2で示すように、圧力差で接続部40から流入して、分離板40Bに衝突し、ここで液体と気体と分離される。分離された蒸気は方向を転換して導入口40Aから混合部38内へ流入し、接触熱交換部材38Aへ向けて上昇する。そして、流入したドレンと混合部38内の液体または蒸気とが接触して第二フラッシュ蒸気が発生する。分離後のドレンは、下方に落下して分離部38内底部に貯留される。分離された蒸気および第二フラッシュ蒸気は、第一凝縮装置33と同様に接触熱交換部材38Aにて凝縮される。分離板40Bによる蒸気の分離により、フラッシュ蒸気と補給水の接触効率を高めることができる。
(実施例1の効果)
ここで、実施例1の効果を説明する。有効ドレン回収率を同じとし、第一凝縮装置33および第二凝縮装置39を備えない従来のドレン回収システム2と比較した場合、実施例
1のドレン回収システムは、ドレンタンクの4を小型化できる。この小型化について詳述する。クローズドドレン回収システムにおいては、ドレンタンク4から出てゆくドレン量(第一ドレン量)は、蒸気ボイラ2の負荷変動によって決まる。また、ドレンタンク4に流入するドレン量(第二ドレン量)は、負荷機器13の負荷変動によって決まる。
ところが、第一ドレン量の変化と第二ドレン量の変化には時間的遅れがあるので、蒸気ボイラ2の負荷が急激に減少したとき、第一ドレン量が急激に減少するのに対して、第二ドレン量は減少しないので、ドレンタンク4でドレンを収容しきれず、ドレンがオーバーフローしてしまう。ドレンがオーバーフローすると前述のように、多量の第二フラッシュ蒸気が発生し、第二凝縮装置39を備えていない従来システムであると、フラッシュ蒸気の熱が大気に捨てられて、熱損失生ずる。この問題を解決するには、ドレンタンク4を大容量化する必要がある。
また、第一フラッシュ蒸気は、負荷機器13からのドレンがドレンタンク4に流入する際に発生するが、ドレンタンク4が小容量であると、圧力逃がしライン8から放出される第一フラッシュ蒸気の量が多くなる。第一凝縮装置39を備えていない従来システムであると、フラッシュ蒸気の熱が大気に捨てられて、熱損失を生ずる。この問題を解決するにも、ドレンタンク4を大容量化する必要がある。
しかしながら、この実施例1では、第一凝縮装置33および第二凝縮装置39を備えていて、第一フラッシュ蒸気および第二フラッシュ蒸気を効率よく回収するので、ドレンタンク4を大容量化することなく,すなわち小型のドレンタンク4で熱損失を抑えることが可能となる。ちなみに、ある条件下であるが、実施例1のドレンタンク4の容量を1(たとえば、1000L)とすると、従来システムのドレンタンク4の容量は、3.4(たとえば、3400L)となる試算結果を得た。この試算結果によると、従来システムでは、実施例1を実施しているシステムのドレンタンク4を2.4個削減できるという顕著な効果を奏する。また、この小型化によりシステムの設置面積を大幅に低減できる。
この発明は、前記実施例1に限定されるものではなく、凝縮装置33,39は、図11に示すものを採用できる。この実施例2において、実施例1と異なるのは、実施例2では、接触熱交換部材38Aを省略すると共に、接続部40に代えて第二の散水器51を第一の散水器37の下方に設けた点である。第二の散水器51には、第一の散水器37と同様に、ドレンを上方に向けてシャワー上に噴出する多数の噴出孔51Aを備えている。
この実施例2によれば、循環ポンプ50の駆動により、図11に示すように、散水器37から噴出された補給水は、図11実線矢示のように下方へ向けて落下する。一方、ドレンは、噴出孔51Aから噴出されるが、その際に、混合部38内の液体または蒸気と接触して第二フラッシュ蒸気が発生する。この第二フラッシュ蒸気は、混合部38内に充満し、落下する噴霧状の補給水と接触して凝縮する。凝縮水およびフラッシュ蒸気とならなかったドレンは、落下して分離部38内底部に貯留された後、導水口41Aから導水部41内へ流入し、補給水タンク7の液相部7Aへ導かれる。
また、この発明は、図12,図13に示す実施例3を含む。この実施例3は、混合部36に直接第一フラッシュ蒸気やドレンを供給せず、補給水タンクへ供給するシステムとしている。そして、実施例1の凝縮装置33,39に代えて、図13に示す凝縮装置33を備えている。この実施例3においては、実施例1と同様に接触熱交換部材38Aを散水器37の下方に設けている。
また、この発明は、第一凝縮装置33,第二凝縮装置39のいずれか一方を削除したシステムを含む。図14に示す実施例4は、第一凝縮装置33を削除したものであり、その他の構成は実施例1と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
また、この発明は、第一凝縮装置33,第二凝縮装置39を共通にした図15に示す実施例5のシステムを含む。この実施例5は、図14の実施例4の凝縮装置39に圧力逃がしライン10を接続している。圧力逃がしライン10の接続位置は、図15では図2の混合部38としているが、ドレン逃がしライン8とすることができる。その他の構成は実施例1と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
さらに、この発明は、図16に示す実施例6を含む。この実施例6は、ドレンタンク7を経由することなくドレン戻りライン8から補給水タンク7へ導く余剰ドレン直接回収手段を備えた実施例1と異なり、余剰ドレンを、ドレンタンク4を経由して補給水タンク7へ導く余剰ドレン間接回収手段を備えている。この余剰ドレン間接回収手段は、ドレン逃がしライン8と、ドレン逃がしライン8に設けた第二弁V2とを含んで構成されている。この第二弁V2は、通常は閉じているが、ドレンタンク4内の水位が設定水位を超えたときなどに開いて、収容しきれない余剰ドレンを補給水タンク7へ導く。
この実施例6においても、実施例1と同様に第一凝縮装置33,第二凝縮装置39を備えている。この実施例6の第二凝縮装置39の動作において、実施例1の第二凝縮装置39と異なるのは、流入するドレン温度および圧力が低いだけであり、動作は基本的には同じであるので、その説明を省略する。
1 ドレン回収システム
2 蒸気ボイラ
3 ドレン戻りライン
4 ドレンタンク
5 補給水ライン
6 ドレン供給ライン
7 補給水タンク
8 ドレン逃がしライン(余剰ドレン導入ライン)
10 圧力逃がしライン(蒸気導入ライン)
12 制御器(制御手段)
13 負荷機器
14 ドレンポンプ
33 第一凝縮装置
34 混合手段
35 循環手段
37 散水器
38 混合部
38A 接触熱交換部材
39 第二凝縮装置
40 接続部(蒸気分離部)
40B 分離板
41 導水部
47 循環ポンプ
48 循環ライン(補給水循環ライン)
V1 第一弁(ドレン戻り弁)
V2 第二弁(ドレン逃がし弁)

Claims (2)

  1. 蒸気を負荷機器へ供給する蒸気ボイラと、ドレン戻りラインを通して前記負荷機器から排出されるドレンを貯留し、ドレン供給ラインを通して貯留したドレンを前記蒸気ボイラへ供給する密閉型のドレンタンクと、補給水ラインを通して補給水を前記ドレンタンクへ供給する大気開放型の補給水タンクとを備えるクローズドドレン回収システムであって、
    前記ドレンタンク内の第一フラッシュ蒸気を前記補給水タンクへ導入する蒸気導入ラインと、
    前記ドレンタンクからまたは前記負荷機器からの余剰ドレンを前記補給水タンクへ導入する余剰ドレン導入ラインと、
    前記補給水タンクに設けられ、前記第一フラッシュ蒸気および/または前記余剰ドレンから発生する第二フラッシュ蒸気を前記補給水タンク内の補給水と接触させて凝縮させる凝縮装置を備え、
    前記凝縮装置は、混合手段および循環手段を備え、
    前記混合手段は、散水器を備え、前記第一フラッシュ蒸気および/または前記第二フラッシュ蒸気を前記散水器から散水される補給水と接触させ凝縮させる混合部と、前記混合部の凝縮水を前記補給水タンクの液相部内へ導く導水部とを含んで構成され、
    前記循環手段は、循環ポンプを備え、前記補給水タンク内下部の補給水を前記散水器へ導く循環ラインを含んで構成されることを特徴とするクローズドドレン回収システム。
  2. 前記蒸気導入ラインおよび前記余剰ドレン導入ラインを備え、
    前記凝縮装置が前記蒸気導入ラインおよび前記余剰ドレン導入ラインの前記補給水タンクの接続部に設けられることを特徴とする請求項1に記載のクローズドドレン回収システム。
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