JP7248846B2 - スプリンクラ消火設備 - Google Patents

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Description

本発明は、スプリンクラ消火設備に関し、特に予作動式スプリンクラ消火設備に関するものである。
ある一定規模以上の建物には、消火設備としてスプリンクラ消火設備が設けられている。スプリンクラ消火設備は、天井に設置されたスプリンクラヘッドから放水することで、火災を消火する設備である。
スプリンクラ消火設備は、スプリンクラヘッドが火災の熱によって感熱部が溶融または破裂すると、水を放水するものであるが、設備としての信頼性を高めたものとして、予作動式のスプリンクラ消火設備がある。
この予作動式のスプリンクラ消火設備は、常時は閉じた予作動弁と、予作動弁の二次側に接続され、圧縮空気等が封入された二次側配管と、二次側配管に接続されたスプリンクラヘッドと、スプリンクラヘッドと同じ防護区域に設けられた火災感知器などから構成される。
この設備では、火災が発生すると、火災感知器が動作し、その火災感知器からの信号に基づいて、予作動弁が開放され、その後、スプリンクラヘッドが火災の熱によって開放すると、配管内の圧縮空気が排出され、スプリンクラヘッドから放水するものである。この設備の場合、万が一、外力などによってスプリンクラヘッドの感熱部が破損しても、火災感知器が動作していなければ、防護区域で水損が発生することがなく信頼性が高い。
しかし、予作動式のスプリンクラ消火設備は、火災感知器の動作により予作動弁が開放することから、火災感知器が非火災によって動作してしまうと、予作動弁が開放し、二次側配管内に水が流入してしまう。二次側配管内に水が入った場合には、その後水抜き作業が必要となるが、スプリンクラヘッドが接続された立下り管は、水抜きを行うことができず、長い期間が経過すると、そこに溜まった水と圧縮空気によって配管が腐食する場合がある。
そこで、特許文献1では、予作動式のスプリンクラ消火設備においては、予作動弁を開放させる条件として、火災感知器が動作することに加えて、二次側配管内の圧力が所定値以下になったことを検知する圧力スイッチが動作することとしている。
この設備では、防護区域で火災が発生し、スプリンクラヘッドが開放すると、二次側配管内の圧縮空気が排出されて配管内の圧力が低下して圧力スイッチが動作すると共に、その火災により火災感知器が動作した場合に、予作動弁が開放する。このように2つの条件で予作動弁を開放させることから、ダブルインターロック制御とも呼ばれている。
このダブルインターロック制御を採用した設備では、非火災で火災感知器が動作しても予作動弁が開放しないことから、二次側配管内に水が流入することがなく、しかも通常のスプリンクラ消火設備に対して水損が生じにくい点で優れている。
特開昭62-57569号公報
しかしながら、ダブルインターロック制御の場合、二次側配管内の圧力低下が所定値まで低下しないと圧力スイッチが動作しないし、また誤動作を防ぐために圧力スイッチにおける監視時の圧力と圧力低下設定値との差を大きくとっているため、スプリンクラヘッドが動作してから圧力低下信号が出るまでに時間がかかるので、結果的に、放水遅れにつながるという問題がある。
このような問題を解決するものとして、本出願人は先願(特願2018-58038)において、圧力スイッチに代えて圧力センサを用いて、圧力センサの検知信号を入力して圧力変化率を演算し、該演算値が所定の値になるとスプリンクラ作動信号を発信する信号変換器を有するスプリンクラ消火設備を提案している。
この先願のスプリンクラ消火設備によれば、二次側配管内の圧力が減圧して所定値に達する前に、圧力低下を検知でき、圧力スイッチを用いる従来例に比較して早期に減圧状態を検知できるので、放水遅れを防止する効果が高いという効果を奏している。
しかしながら、圧力センサは電気的に作動するものであるため、電磁波等による電気的なノイズの影響を受けることが考えられる。もっとも、ノイズの影響を受けて圧力センサが誤作動をしても、実際に火災でない場合には、火災感知器の信号がないので、予作動弁が開くことない。
ただ、圧力センサの設置環境によってノイズの影響の有無を知ることができれば、それに対する対策を講じることができるので好ましい。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、圧力センサを用いることで、ダブルインターロック制御を採用しつつも、放水遅れを防止できると共に、電気的なノイズの影響の有無を検知できるスプリンクラ消火設備を提供することを目的としている。
(1)本発明に係るスプリンクラ消火設備は、常時は閉じた予作動弁と、該予作動弁の二次側に接続され、圧縮気体が封入された二次側配管と、該二次側配管に接続されたスプリンクラヘッドと、該スプリンクラヘッドと同じ防護区域に設けられ、火災受信機に対して火災信号またはセンサ出力を送信する火災感知器と、前記二次側配管内の圧力を常時検知する圧力センサと、該圧力センサの検知信号を入力して圧力変化率を演算して該演算値が所定の値になるとスプリンクラ作動信号を発信する信号変換器と、前記火災受信機からの火災信号の入力及び前記信号変換器のスプリンクラ作動信号の入力があったときに前記予作動弁を開放する制御盤とを備え、
前記信号変換器は、所定時間毎に前記圧力センサから入力される入力圧力値のログをとり、前記スプリンクラ作動信号を発信した場合、該発信後の所定時間における前記ログを保持する機能を有することを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記信号変換器が演算する圧力変化率を、所定時間ごとに取得した圧力の値と、取得時間との関係について、最小二乗法による直線回帰をした回帰直線の傾きとして求めることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記二次側配管内の圧力が所定の値になると動作する圧力スイッチをさらに有し、前記制御盤は、前記火災信号の入力及び、前記信号変換器のスプリンクラ作動信号又は圧力スイッチからの信号のいずれか一方の信号の入力があったときに前記予作動弁を開放することを特徴とするものである。
本発明に係るスプリンクラ消火設備は、二次側配管内の圧力を常時検知する圧力センサと、該圧力センサの検知信号を入力して圧力変化率を演算して該演算値が所定の値になるとスプリンクラ作動信号を発信する信号変換器と、前記火災受信機からの火災信号の入力及び前記信号変換器のスプリンクラ作動信号の入力があったときに前記予作動弁を開放する制御盤とを備えたことにより、二次側配管内の圧力が減圧して所定値に達する前に、二次側配管内の圧力低下を検知できる。このため、圧力スイッチを用いる従来例に比較して早期に減圧状態を検知できるので、放水遅れを防止する効果が高い。
また、信号変換器は、所定時間毎に前記圧力センサから入力される入力圧力値のログをとり、前記スプリンクラ作動信号を発信した場合、該発信後の所定時間における前記ログを保持する機能を有することにより、信号変換器がスプリンクラ作動信号を発信した後に前記ログを確認することで、スプリンクラ作動信号の発信が、圧力スイッチが電気的ノイズの影響を受けたことによるものか否かを知ることができる。
本発明の一実施の形態に係るスプリンクラ消火設備の全体構成の説明図である。 図1に示したスプリンクラ消火設備の要部の説明図である。 図1に示したスプリンクラ消火設備に設けられた信号変換器における圧力変化率による判定方法の説明図である(その1)。 図1に示したスプリンクラ消火設備に設けられた信号変換器における圧力変化率による判定方法の説明図である(その2)。 図1に示したスプリンクラ消火設備に設けられた信号変換器における圧力変化率による判定方法の効果を説明する説明図である(その1)。 図1に示したスプリンクラ消火設備に設けられた信号変換器における圧力変化率による判定方法の効果を説明する説明図である(その2)。 図1に示したスプリンクラ消火設備に設けられた信号変換器によるログを取る機能を説明する説明図である。 図1に示したスプリンクラ消火設備に設けられた信号変換器のログをとることによる効果を説明する説明図である(その1)。 図1に示したスプリンクラ消火設備に設けられた信号変換器のログをとることによる効果を説明する説明図である(その2)。 図1に示したスプリンクラ消火設備の火災時の動作のフローチャートである。
本実施の形態が対象としているスプリンクラ消火設備は、予作動式スプリンクラ消火設備であるため、この概要を図1に基づいて説明する。
予作動式スプリンクラ消火設備1は、図1に示すように、建物の地下階に消火水を貯留する貯水槽3を設け、貯水槽3の消火水は消火ポンプ5によって給水本管7に供給される。給水本管7には、消火ポンプ5の起動に使用される圧力タンク9が接続され、圧力タンク9には給水本管7の圧力水が導入され、内部の空気を圧縮するように構成されている。圧力タンク9には、圧力スイッチ11が設けられ、圧力スイッチ11が規定圧力以下の減圧を検出すると、この減圧信号がポンプ制御盤13に出力されて、消火ポンプ5が起動するように構成されている。
給水本管7からは、防護区域毎に分岐管15が引き出され、分岐管15には予作動式流水検知装置17が設けられている。そして、分岐管15における予作動式流水検知装置17の二次側、すなわち二次側配管19に閉鎖型のスプリンクラヘッド21が取り付けられ、さらに二次側配管19の末端には試験弁23が設けられている。また、二次側配管19には、コンプレッサ25によって所定の圧力に加圧された圧縮空気(請求項内の、圧縮気体に相当する)が空気配管27を介して供給されている。
予作動式流水検知装置17は、予作動弁29と予作動弁29を開放する電動弁31と、減圧を検知する圧力スイッチ33と、流水検知スイッチ35を備えている。
電動弁31、圧力スイッチ33、流水検知スイッチ35はバルブ中継器37を介して本発明の制御盤としての消火システム制御盤39に電気的に接続されて、信号伝送が可能になっている。
また、スプリンクラヘッド21が設置された防護区域には火災感知器41が設置されて、火災感知器41が火災であると判断すると火災信号が火災受信機43に入力され、火災受信機43から消火システム制御盤39に火災信号が入力されるようになっている。
なお、上記は火災感知器41が火災であると判断する場合であるが、火災感知器41がアナログ式のものである場合には、火災感知器41からのセンサ出力が火災受信機43に入力され、火災受信機43がそのセンサ出力と所定値とを比較して火災か否かを判断する。火災受信機43が火災であると判断したときには、その判断に基づく火災信号が消火システム制御盤39に入力される。
以上が、一般的な予作動式スプリンクラ消火設備の概要であるが、本発明では、図1、図2に示すように、二次側配管19内の圧力を常時検知する圧力センサ45と、圧力センサ45の検知信号を入力して圧力の変化率を演算して該演算値が所定の値になるとスプリンクラ作動信号を発信すると共に圧力センサから入力される圧力値のログを取る機能を有する信号変換器47を備えている。
また、信号変換器47と圧力センサ45には非常電源装置49が接続されている。非常電源装置49により電源が供給されるので、火災が発生し、かつ停電が発生するような場合であっても信号変換器47は正しくスプリンクラ作動信号を送信できる。なお信号変換器47の出力は、バルブ中継器37へ入力され、バルブ中継器37から消火システム制御盤39に入力されるようになっている。
なお、図1に示す例では、信号変換器47と消火システム制御盤39は他の電送ライン(例えば、流水検知スイッチ35と消火システム制御盤39を繋ぐ電送ライン)と同様に、バルブ中継器37を介して接続されている。そして、信号の伝送はいわゆるポーリング方式といって消火システム制御盤39からバルブ中継器37に対して呼びかけを行って、バルブ中継器37が末端の端末(例えば、流水検知スイッチ35や、信号変換器47)の状態を知らせるという方式を採用しているのが一般的である。
しかしながら、この方式の場合には、バルブ中継器37が消火システム制御盤39に複数接続されていた場合、消火システム制御盤39は先頭のバルブ中継器39から順に呼びかけを行うため、信号変換器47がスプリンクラ作動信号を発信した後、消火システム制御盤39にその情報が送信されるまでに時間を要するという問題がある。
そこで、信号変換器47と消火システム制御盤39を専用線で接続して、信号変換器47がスプリンクラ作動信号を発信すれば、消火システム制御盤39からの呼びかけを待たずに、その時点でその信号が消火システム制御盤39に送信されるようにするのが好ましい。このようにすることで、信号変換器47がスプリンクラ作動信号を発信してから放水までの時間短縮が可能となる。
また、本発明の消火システム制御盤39は、火災受信機43からの火災信号及び、信号変換器47のスプリンクラ作動信号又は圧力スイッチ33の信号のいずれかの信号の入力があったときに電動弁31を制御して、予作動弁29を開放するように構成されている。
圧力センサ45は、常時極めて短い時間間隔(例えば、10m秒間隔)で配管内の圧力値をサンプリングして、信号変換器47に出力している。
信号変換器47の特徴的な機能として、圧力変化率を演算してスプリンクラ作動信号を発信する機能(第1機能)と、圧力センサ45がサンプリングする圧力値のログをとる機能(第2機能)を備えているので、以下、これらの機能について詳細に説明する。
<第1機能について>
信号変換器47が演算する圧力変化率の求め方として、本実施の形態では、所定時間ごとに取得した圧力の値と、取得時間との関係について、最小二乗法による直線回帰をした回帰直線の傾きとして求めるようにしている。
具体的には、図3に示すように、10m秒毎に圧力値のサンプリングデータを取得し、例えば199個のデータ(≒2秒分)について、図4に示すように、縦軸Yを圧力値、横軸Xを時間としたグラフにおいて、最小二乗法による直線回帰をした回帰直線の傾きを求める。
これを式で表現すると以下のようになる。
なお、図4においては、模式図であるため、サンプリングデータ数は4個しか図示していないが実際には、上述のように200個程度のデータによって直線回帰を行う。もっとも、データ数が多いほど電気的ノイズの影響が少なくなり精度は向上するが、直線回帰に時間を要するので、例えば200個から400個程度のデータ数とするのが好ましい。
傾き=XY共分散/X分散
ただし、XY共分散=(xi*yi)平均-(xi平均*yi平均)
X分散=合計((xi平均-xi)^2)
i=1~199
傾きの計算は、図3に示すように、所定時間(図3の例では、10m秒×20=200m秒=0.2秒)毎に行い、予め設定した所定のしきい値と比較してスプリンクラ作動信号発信の要否を判定する。
例えば、図3に示すように、
(i)n1~n199のデータで「最小二乗法」により傾きを算出し、しきい値と比較して判定
(ii)n21~n219のデータで「最小二乗法」により傾きを算出し、しきい値と比較して判定
(iii)n41~n239のデータで「最小二乗法」により傾きを算出し、しきい値と比較して判定
(iv)n61~・・(以下略)・・・
傾きの値が、しきい値を超えると、信号変換器47は、バルブ中継器37へスプリンクラ作動信号を出力する。
圧力変化率を上記のように求めることの効果について、図5、図6に基づいて説明する。
図5は、実際には圧力変化がほとんどない監視状態において、10m秒毎×199個(≒2秒分)の圧力センサから出力されるサンプリングデータに基づく圧力変化を示したグラフであり、縦軸が圧力(kPa)、横軸が時間(秒)をそれぞれ示している。
図5に示すように、圧力センサから出力されるサンプリングデータに基づく圧力値は極めて短時間に常時変化している。この変化は、実際の圧力変化を示したものではく、電気的ノイズによる変化である。
このような電気的ノイズの影響を受けているサンプリングデータに基づいて圧力変化率を求める場合、例えば、所定時間間隔における最初と最後の値のみから傾きを算出したものを図示すると、図5の一点鎖線で示すように、一定の傾きを持った直線となる。一定の傾きをもっているということは、圧力が変化していることを示しており、実際には圧力変化がないのに圧力変化があることを示すことになる。
これに対して、最小二乗法による直線回帰をした回帰直線の傾きを求めると、図5の破線で示すように、傾きがほぼゼロの直線となる。
このように、最小二乗法を用いることで、電気的ノイズの影響を除いて、実際の圧力の変化を正しく捉えることができる。
図6はスプリンクラヘッドが作動した場合の、サンプリングデータに基づく圧力値の変化を示すグラフであり、グラフ中には、最小二乗法による直線を記載している。
直線の傾きは、図中にも記載しているように約-1.557kPa/秒であり、スプリンクラが作動した際の圧力変化率を正しく表している。
以上のように、信号変換器47が第1の機能を有することにより、常時極めて短い時間間隔で配管内の圧力値をサンプリングし、信号変換器47はこのサンプリング信号を入力して常時圧力の変化率を演算しているので、二次側配管内の圧力が減圧して所定値に達する前に、圧力低下を検知できる。このため、圧力スイッチのみを用いる従来例に比較して減圧状態を極めて早期に検知できるので、放水遅れを防止する効果が高い。
しかも、本実施の形態では、圧力変化率を、最小二乗法を用いて演算するようにしているので、電気的ノイズの影響を可及的に少なくすることができる。
なお、本発明において、信号変換器47による圧力変化率の演算は、上記のものに限定されず、例えば以下のようにしてもよい。
信号変換器47は、定期的に圧力センサ45の出力値をサンプリングし、例えば、サンプリングするたび今回サンプリングした出力値と、前回の出力値とを差分し、圧力が減少傾向にあるかを判定する。そして圧力の減少傾向が、何回かにわたって連続してあり、かつ所定値以上の圧力低下である場合に、信号変換器47は、バルブ中継器37へスプリンクラ作動信号を出力する。
なお、圧力スイッチ33が動作する圧力をAとし、通常時、つまり監視状態の二次側配管19内の圧力をBとした場合、圧力Aと圧力Bの中間値である圧力Cよりも高い圧力で、ある一定の圧力の減少傾向があるときにスプリンクラ作動信号を出力するようにすることで、早期に二次側配管19内の圧力低下を検知することができる。
<第2機能について>
信号変換器47は、圧力センサ45から入力される圧力値のログを記憶手段(例えば、信号変換器47の内部RAM)に、所定時間(例えば10秒)分を記憶しており、常時更新しながら最新の所定時間(例えば10秒)を保持している。
ログの内容は、図7に示すように、圧力値と圧力値を取得した時刻である。ログは極めて短い時間間隔(例えば、0.1秒間隔)で取得しているため、すべてのログを保存すると多大な記憶容量を要することから、所定時間分のみを記憶手段に保存するようにしている。
ログをとる目的は以下の通りである。
上述したように、圧力センサは電気的ノイズの影響を受ける場合があり、その場合には、実際の圧力変動とは違ったサンプリングデータを送信する。この点、上述したように、本実施の形態では、圧力変化率を、最小二乗法を用いて演算することによって、電気的ノイズの影響を可及的に少なくしている。
しかし、場合によっては、電気的ノイズの影響を受けたサンプリングデータを入力した信号変換器47が、実際には二次側配管19内の圧力が低下していないのにスプリンクラ作動信号を発信することが考えられる。
このため、スプリンクラ作動信号が発信された場合において、圧力センサ45の発信した圧力値のログを後で確認することができれば、スプリンクラ作動信号が発信された場合において、その前後の圧力値の変化状況を知ることができ、スプリンクラ作動信号が電気的ノイズの影響によるものかどうかを知ることができる。
そこで、スプリンクラ作動信号が発信されたときには、信号変換器47は、スプリンクラ作動信号の発信時の前後の所定時間(例えば、10秒間)のログを記憶手段から記録媒体(例えば、SDカード)へとコピーする。これによってログを後から確認することが可能となる。
図8、図9はスプリンクラ作動信号の発信前後10秒間のログをグラフにしたものであり、図8はスプリンクラヘッドが作動した場合であり、図9は一過性の電気的ノイズの影響があった場合である。
スプリンクラヘッドが作動して二次側配管19の圧力が低下していた場合には、図8に示すように、スプリンクラ作動信号を発信した後も圧力は下がり続ける。他方、電気的ノイズの影響によってスプリンクラ作動信号が発信された場合には、図9に示すように、スプリンクラ作動信号の発信後も圧力が下がり続けることはなく、監視状態の圧力値に復帰する。
このように、スプリンクラ作動信号が発信された時点の前後の圧力センサ45の圧力値のログを取ることで、スプリンクラ作動信号の発信が正常であったのか、電気的ノイズの影響であったのかを確認することができる。
これによって、仮に、電気的ノイズの影響によってスプリンクラ作動信号が発信されたことが確認できれば、その設置環境が電気的ノイズの影響のある環境であることを知ることができ、適切な対策を講じることが可能となる。
なお、上記の例では、保存するログは、スプリンクラ作動信号が発信されたときの、前後の所定時間(10秒間)であったが、本発明においては、スプリンクラ作動信号が発信された前後ではなく、少なくともスプリンクラ作動信号発信後の所定時間のログを保存するようにすればよい。
次に、上記のように構成された本実施の形態の予作動式スプリンクラ消火設備1の動作を図2、図10に基づいて説明する。
<監視状態>
監視状態では、圧力センサ45は常時二次側配管19の圧力を検知して、信号変換器47が圧力の変化率を演算している。しかし、演算した変化率が予め設定した所定値を越えない限り、信号変換器47はスプリンクラ作動信号をバルブ中継器37へは送信しない。
このとき、信号変換器47は常時、圧力センサ45から入力される圧力値のログを記録している。
<火災時の動作>
火災時には、通常、まず火災感知器41が作動し(S1)、その信号が火災受信機43に入力され、火災受信機43が火災信号を消火システム制御盤39に送信する(S2)。
なお、ここでは、火災感知器41自体が火災であるかを判定した場合で説明する。つまり、火災感知器41が検出した出力値が所定値を上回り火災であると判定した場合に、火災感知器41は火災受信機43へ火災信号を送信する。なお、前述したように、火災受信機43が火災であるかを判断する場合であっても本発明は適用できる。この場合には、火災感知器41からはセンサ出力が火災受信機43へ送信され、そのセンサ出力と所定値とを比較して、火災受信機43が火災か否かを判断する。いずれの場合であっても、火災が発生した場合には、火災受信機43からの火災信号が消火システム制御盤39に入力される。
また、次に、火災の熱によってスプリンクラヘッド21が開放して二次側配管19の圧力が減圧すると(S3)、信号変換器47の演算値である圧力変化率が所定の値を越えるため、信号変換器47がバルブ中継器37を介して消火システム制御盤39にスプリンクラ作動信号を送信する(S4)。
また、信号変換器47は、スプリンクラ作動信号を発信すると、発信前後の所定時間(例えば、10秒間)のサンプリング信号のログを記録媒体に保存する。(S4)。
上述したように、圧力センサ45は、常時極めて短い時間間隔で配管内の圧力値をサンプリングし、信号変換器47はこのサンプリング信号を入力して常時圧力の変化率を演算しているので、二次側配管19内の圧力が減圧して所定値に達する前に、圧力低下を検知でき、スプリンクラヘッド21が開放した後、きわめて早い時期に減圧状態を検知できる。
消火システム制御盤39は、火災信号とスプリンクラ作動信号の両方の信号を入力すると、電動弁31を制御して予作動弁29を開放する(S5)。予作動弁29が開放すると、その後、給水本管7から継続して水が流れる状態となり、その水の流れを検知し、流水検知スイッチ35が作動して、流水信号が消火システム制御盤39に送信する(S6)。消火システム制御盤39が流水信号を受信すると(S7)、消火システム制御盤39から火災受信機43にも流水信号が送信される(S8)。
また予作動弁29が開放したときには、分岐管15における予作動弁29の一次側配管の圧力低下が生じ、これによって、圧力タンク9に設けた圧力スイッチ11が作動して、ポンプ制御盤13が消火ポンプ5を起動する。
消火ポンプ5が起動することで、加圧された消火水が給水本管7を通じて二次側配管19に供給されて作動したスプリンクラヘッド21から放水されて消火が行われる(S9)。
<火災感知器の誤動作の場合>
火災感知器41が非火災によって動作した場合、消火システム制御盤39には火災信号は入力されるがスプリンクラ作動信号は入力されない。したがって、消火システム制御盤39は予作動弁29の開放をしない。このため、二次側配管19に消火水が供給されることはなく、水抜き作業が発生することはない。
<圧力センサが故障の場合>
圧力センサ45が故障すると、火災であるにも拘わらずスプリンクラ作動信号が発信されない場合がありうる。しかし、スプリンクラヘッド21が開放したことで、二次側配管19内の減圧が生ずるので、二次側配管19内の圧力が所定値まで減圧すると圧力スイッチ33が作動して、圧力スイッチ33の信号がバルブ中継器37を介して消火システム制御盤39に入力される。
火災の場合、消火システム制御盤39には火災信号が入力されているので、消火システム制御盤39は圧力スイッチ33からの信号の入力があると、例え信号変換器47からのスプリンクラ作動信号が入力されていなくても予作動弁29を開放する。
このように、本実施の形態では、圧力センサ45が故障したような場合でも、火災時に放水が行われないという最悪の事態を確実に回避することができ、消火設備としての信頼性が高い。
<圧力センサが電気的ノイズの影響を受けた場合>
圧力センサ45が電気的ノイズの影響を受けた場合、上述したように、実際の火災でない場合において、信号変換器47がスプリンクラ作動信号を発信する場合がある。
この場合、火災感知器41は作動しないので、火災受信機43から消火システム制御盤39に火災信号が入力されず、消火システム制御盤39は予作動弁29の開放をしない。このため、二次側配管19に消火水が供給されることはなく、水抜き作業が発生することはない。
スプリンクラ作動信号が発信されると、信号変換器47は、スプリンクラ作動信号の発信時の前後の所定時間(例えば、10秒間)のログを記憶媒体に保持する。
このログを後で確認すると、例えば図9のように、スプリンクラ作動信号を発信した後、回復していることが分かり、電気的ノイズの影響であったことが分かる。
本実施の形態では、圧力スイッチ33の代わりとして圧力センサ45を使用し、圧力センサ45がサンプリングした圧力値を信号変換器47に送信するようしているが、例えば、圧力センサ45からサンプリングした圧力値を、バルブ中継器37を介して消火システム制御盤39にも送信するように構成してもよい。
この場合には、消火システム制御盤が、二次側配管内の圧力値を直接表示できる表示部を有し、管理者が一定時間における圧力値の変化を視認できるようにすることで、例えば夏季において、配管内の圧力上昇があるときは、管理者が、試験弁23を開放するなどして、配管内の圧力を低下させることができる。
また本実施の形態では、火災受信機43と消火システム制御盤39をそれぞれ設けたが、これらの盤が有する機能を一つにまとめた一体盤で構成するようにしてもよい。
さらに、上記の実施の形態では、圧力センサ45が故障する場合に備えて圧力スイッチ33を設けるようにしているが、本発明においては、圧力スイッチ33は必須ではなく、本発明は、圧力センサ45の情報のみに基づいて予作動弁29を開放制御するものを含む。
1 予作動式スプリンクラ消火設備
3 貯水槽
5 消火ポンプ
7 給水本管
9 圧力タンク
11 圧力スイッチ(圧力タンク)
13 ポンプ制御盤
15 分岐管
17 予作動式流水検知装置
19 二次側配管
21 スプリンクラヘッド
23 試験弁
25 コンプレッサ
27 空気配管
29 予作動弁
31 電動弁
33 圧力スイッチ(予作動式流水検知装置)
35 流水検知スイッチ
37 バルブ中継器
39 消火システム制御盤
41 火災感知器
43 火災受信機
45 圧力センサ
47 信号変換器
49 非常電源装置

Claims (2)

  1. 常時は閉じた予作動弁と、該予作動弁の二次側に接続され、圧縮気体が封入された二次側配管と、該二次側配管に接続されたスプリンクラヘッドと、該スプリンクラヘッドと同じ防護区域に設けられ、火災受信機に対して火災信号またはセンサ出力を送信する火災感知器と、前記二次側配管内の圧力を常時検知する圧力センサと、該圧力センサの検知信号を入力して圧力変化率を演算して該演算値が所定の値になるとスプリンクラ作動信号を発信する信号変換器と、前記火災受信機からの火災信号の入力及び前記信号変換器のスプリンクラ作動信号の入力があったときに前記予作動弁を開放する制御盤とを備え、
    前記信号変換器が演算する圧力変化率を、所定時間ごとに取得した圧力の値と、取得時間との関係について、最小二乗法による直線回帰をした回帰直線の傾きとして求めることを特徴とするスプリンクラ消火設備。
  2. 前記二次側配管内の圧力が所定の値になると動作する圧力スイッチをさらに有し、前記制御盤は、前記火災信号の入力及び、前記信号変換器のスプリンクラ作動信号又は圧力スイッチからの信号のいずれか一方の信号の入力があったときに前記予作動弁を開放することを特徴とする請求項1に記載のスプリンクラ消火設備。
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