JP6670702B2 - トンネル内消火栓設備 - Google Patents

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本発明は、ノズル付きホースが収納されたホース収納部とバルブ類が収納された放水制御機構が分離配置されたトンネル内消火栓設備に関する。
従来、高速道路や自動車専用道路などのトンネル内に設置するトンネル非常用設備として消火栓装置が設けられており、消火栓装置は開放自在な消火栓扉を備えた筐体の消火栓収納部に、先端にノズルを装着したホースとバルブ類を収納し、また、開閉自在な消火器扉を備えた消火器収納部に例えば2本の消火器を収納している。
このような消火栓装置は、トンネル内に設けた監視員通路に面した側壁に沿って例えば50メートル間隔で設置している。監視員通路は路面に対し1メートル程度高くした側壁通路として設け、トンネル内の車両通行を妨げることなく且つ安全にトンネル内に設置している消火栓装置を含む各種の機器の点検を行うことを可能としている。
火災を伴う車両事故が発生した場合には、事故車両の運転者等の利用者は、消火栓装置の消火栓扉を開いてノズル付きのホースを引き出し、消火栓弁開閉レバーを操作することで消火ポンプ設備を起動して放水することにより消火作業を行うことができる。
特開2008−055024号公報 特開2009−285126号公報
しかしながら、このような従来のトンネル内に設置した消火栓装置にあっては、監視員通路に面したトンネル側壁に沿って設置していたため、車両事故による火災の発生時に利用者は、路面から監視員通路を超えたトンネル側壁に設置している消火栓装置に手を伸ばして消火栓扉を開き、ホースを引き出して消火作業を行う必要があり、消火栓装置が路面から離れた高い位置に設置されているため、人によっては手が届かずに監視員通路に上がって操作しなければならない場合もあり、また、監視員通路によっては手摺りを設けており、手摺りが消火作業の邪魔になり、扱いづらい場合があった。
この問題を解決するため、本願出願人は、道路側及び監視員通路側から簡単且つ容易に取り扱うことができる消火栓設備を提案している。この消火栓設備は、ノズル付きのホースが収納されたホース収納部が監視員通路側に配置されており、バルブ類が設けられた放水制御機構は監視員通路内に設置スペースを確保することが困難であることから、道路が形成される床版の下側に形成された管理用通路に配置するようにしている。
このように監視員通路側のホース収納部に対し放水制御機構を管理用通路に分離配置した場合には、放水制御機構に電動弁を用いた遠隔消火栓弁を配置し、ホース収納部側に設けた放水スイッチの操作により遠隔消火栓弁を開放してホース収納部から引き出されたノズル付きホースに消火用水を供給するようしにている。
ところで、消火栓設備によっては、監視員通路側に設けた消火栓開閉レバーの手動操作により放水開始と放水停止を行う必要があり、そのため消火栓弁をホース収納部側に配置して消火栓弁開閉レバーで操作することが考えられる。
しかしながら、ホース収納部側に消火栓弁を配置したのでは、バルブ類を含む放水制御機構を管理用通路側に分離配置して監視員通路側の設置スペースを低減とするメリットが損なわれることとなり、この点が新たな解決課題として残されている。
本発明は、放水制御機構の分離配置により確保されたホース収納部の設置スペースに影響を及ぼすことなく、手動操作による放水制御を可能とするトンネル内消火栓設備を提供することを目的とする。
(トンネル内消火栓設備)
本発明は、ノズル付きホースが収納されたホース収納部と、ノズル付きのホースに対する消火用水の供給を制御する放水制御機構が分離配置されたトンネル内消火栓設備に於いて、
放水制御機構に設けられ、パイロット圧の供給を受けて開放されることによりホース収納部へ消火用水を供給する一斉開放弁と、
ホース収納部に設けられ、放水位置と放水停止位置とに操作される操作部と、
ホース収納部に設けられ、操作部の操作により開閉されるパイロット手動弁と、
パイロット手動弁の開操作により一斉開放弁にパイロット圧を供給して開放駆動させると共にパイロット手動弁の閉操作により一斉開放弁からパイロット圧を抜いて閉鎖駆動させるパイロット回路部と、
が設けられたことを特徴とする。
(パイロット手動弁のレバー直結操作部)
操作部は、パイロット手動弁の弁体回転軸に連結されて開閉させる開閉レバーを備える。
(リンクケーブルによる遠隔操作)
操作部は、開閉レバーの操作をリンクケーブルによりパイロット手動弁の弁体回転軸に伝達して開閉させる。
(手動開閉弁を用いたパイロット回路部)
パイロット手動弁は開位置と閉位置を切替える開閉弁であり、
一斉開放弁は、シリンダ室に対するパイロット圧の供給により開放駆動され、シリンダ室からのパイロット圧の排出により閉鎖駆動される開閉駆動部が設けられ、
パイロット回路部は、
パイロット手動弁の開操作により一斉開放弁のシリンダ室にパイロット圧を供給する起動用パイロット配管と、
一斉開放弁のシリンダ室を2次側に連通する停止用パイロット配管に設けられ、パイロット手動弁が閉鎖された状態でシリンダ室からパイロット圧を排出させるオリフィスと、
が設けられる。
(三方切替弁を用いたパイロット回路部)
パイロット手動弁は放水位置と放水停止位置の2位置切替えが可能な三方切替弁であり、
一斉開放弁は、シリンダ室に対するパイロット圧の供給により開放駆動され、シリンダ室からのパイロット圧の排出により閉鎖駆動される開閉駆動部が設けられ、
パイロット回路部は、
三方切替弁の放水位置への切替え操作により一斉開放弁のシリンダ室にパイロット圧を供給する起動用パイロット配管と、
三方切替弁の放水停止位置への切替え操作により一斉開放弁のシリンダ室からパイロット圧を排出させる停止用パイロット配管と、
が設けられる。
(一斉開放弁以外の構成)
放水制御機構は、更に、
一斉開放弁の1次側に接続された逆止弁と、
一斉開放弁の2次側に接続された自動調圧弁と、
一斉開放弁と自動調圧弁の間に設けられた仕切弁と、
仕切弁と一斉開放弁との間に分岐接続された試験用排水弁と、
が設けられる。
(定流量弁)
自動調圧弁に替えて定流量弁が設けられる。
(昇降式のホース収納部と放水制御機構の分離設置)
ホース収納部は、通常監視時は昇降機構により監視員通路内に収納され、消火栓を使用する場合に、昇降機構の作動により監視員通路上の露出位置に上昇して保持され、
放水制御機構は、監視員通路の下側に形成された管理用通路に設置される。
(固定式のホース収納部と放水制御機構の分離設置)
ホース収納部は、監視員通路の路面から道路に面した壁面に掛けて形成された開口部に設けられた消火栓扉の内部に設置され、
放水制御機構は、監視員通路の下側に形成された管理用通路に設置される。
(基本的な効果)
本発明は、ノズル付きホースが収納されたホース収納部と、ノズル付きのホースに対する消火用水の供給を制御する放水制御機構が分離配置されたトンネル内消火栓設備に於いて、放水制御機構に設けられ、パイロット圧の供給を受けて開放されることによりホース収納部へ消火用水を供給する一斉開放弁と、ホース収納部に設けられ、放水位置と放水停止位置とに操作される操作部と、ホース収納部に設けられ、操作部の放水停止位置への操作により開閉されるパイロット手動弁と、パイロット手動弁の開操作により一斉開放弁にパイロット圧を供給して開放駆動させると共にパイロット手動弁の閉操作により一斉開放弁からパイロット圧を抜いて閉鎖駆動させるパイロット回路部とが設けられたため、ホース収納部には分離配置された放水制御機構に設けられた一斉開放弁を開閉制御させるパイロット手動弁が設けられるだけであり、パイロット手動弁は一斉開放弁に対するパイロット圧を制御することから小型であり、また、パイロット配管も給水配管に比べ十分に細い管で済み、ホース収納部側に操作部の操作により開閉されるパイロット手動弁を設けても、ホース収納部の設置スペースは殆ど増加せず、一斉開放弁を含む放水制御機構を分離配置して、ホース収納部の設置スペースを低減するメリットが損なわれることなく、手動操作による放水開始と放水停止を可能とする。
(パイロット手動弁のレバー直結操作部による効果)
また、操作部は、パイロット手動弁の弁体回転軸に連結されて開閉させる開閉レバーが設けられたため、簡単な操作部の機構により手動操作による放水開始と放水停止が可能となる。
(リンクケーブルによる遠隔操作による効果)
また、操作部は、開閉レバーの操作をリンクケーブルによりパイロット手動弁の弁体回転軸に伝達して開閉させるようにしたため、ホース収納部側に、操作部と開閉レバーを分離して配置することを可能とし、操作部とパイロット受動弁の配置の自由度を高めることができる。
(手動開閉弁を用いたパイロット回路部による効果)
また、パイロット手動弁は開位置と閉位置を切替える開閉弁であり、一斉開放弁は、シリンダ室に対するパイロット圧の供給により開放駆動され、シリンダ室からのパイロット圧の排出により閉鎖駆動される開閉駆動部が設けられ、パイロット回路部は、パイロット手動弁の開操作により一斉開放弁のシリンダ室にパイロット圧を供給する起動用パイロット配管と、一斉開放弁のシリンダ室を2次側に連通する停止用パイロット配管に設けられ、パイロット手動弁が閉鎖された状態でシリンダ室からパイロット圧を排出させるオリフィスとが設けられたため、パイロット手動弁として小型の開閉弁が使用でき、また、パイロット回路部側は、パイロット手動弁を設ける起動用パイロット配管と停止用パイロット配管に設けられたオリフィスによる簡単な構成で済み、ホース収納部側の設置スペースの増加が抑制可能となる。
(三方切替弁を用いたパイロット回路部の効果)
また、パイロット手動弁は放水位置と放水停止位置の2位置切替えが可能な三方切替弁であり、一斉開放弁は、シリンダ室に対するパイロット圧の供給により開放駆動され、シリンダ室からのパイロット圧の排出により閉鎖駆動される開閉駆動部が設けられ、パイロット回路部は、三方切替弁の放水位置への切替え操作により一斉開放弁のシリンダ室にパイロット圧を供給する起動用パイロット配管と、三方切替弁の放水停止位置への切替え操作により一斉開放弁のシリンダ室からパイロット圧を排出させる停止用パイロット配管とが設けられたため、パイロット手動弁としてホース収納部に設けられた三方切替弁は、斉開放弁に対するパイロット圧を制御することから小型であり、また、放水制御機構側のパイロット回路部は一斉開放弁に接続されるパイロット配管のみの簡単が構成で済み、ホース収納部側の設置スペースの増加が抑制可能となる。
(一斉開放弁以外の構成による効果)
また、放水制御機構は、更に、一斉開放弁の2次側に接続された自動調圧弁と、一斉開放弁と自動調圧弁の間に設けられた仕切弁と、仕切弁と一斉開放弁との間に分岐接続された試験用排水弁とが設けられたため、自動調圧弁によりノズル付きホースに対する給水圧力が所定圧に維持されて安定した放水を可能とし、また、仕切弁を閉鎖して試験用排水弁を開くことで、試験排水弁2次側に試験用ホース等の試験治具を装着した状態で、ノズル付きホースから放水させることなく、実放水による点検を可能とする。
(定流量弁による効果)
また、自動調圧弁に替えて定流量弁が設けられたことで、給水本管かせの給水圧力が変動しても、常にノズル付きホースに所定流量の消火用水を供給することができ、安定した放水能力を確保可能とする。
(昇降式のホース収納部と放水制御機構の分離設置による効果)
また、ホース収納部は、通常監視時は昇降機構により監視員通路内に収納され、消火栓を使用する場合に、昇降機構の作動により監視員通路上の露出位置に上昇して保持され、放水制御機構は、監視員通路の下側に形成された管理用通路に設置されたため、トンネル内で火災を伴う車両事故の発生時には、所定のスイッチ操作を行うと、監視員通路内に収納されているホース収納部が昇降機構により押し上げられて監視員通路の路面上に露出し、消火栓扉の開放操作を必要とすることなく、監視員通路上に露出したホース収納部から簡単且つ容易にノズル付きホースを引き出して消火を行うことができる
(固定式のホース収納部と放水制御機構の分離設置による効果)
また、ホース収納部は、監視員通路の路面から道路に面した壁面に掛けて形成された開口部に設けられた消火栓扉の内部に設置され、放水制御機構は、監視員通路の下側に形成された管理用通路に設置されたため、トンネル内で火災を伴う車両事故の発生時には、消火栓扉を開くことで、ホース収納部が監視員通路及び道路側に開口し、道路側からも監視員通路からも簡単且つ容易にノズル付きのホースを引き出して消火を行うことができる。
シールドトンネル内に設置した消火栓設備を含むトンネル非常用設備を示した説明図 ホース収納部を昇降させる消火栓設備を道路側から示した説明図 図2の消火栓設備の内部構造を道路側から見た断面で示した説明図 図2の消火栓設備におけるホース収納部の内部構造を監視員通路の断面で示した説明図 昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を路面側から見た断面で示した説明図 開閉レバーが直結されたパイロット手動弁を備えた放水制御機構の実施形態を昇降制御機構と共に示した説明図 パイロット手動弁として開閉弁を用いた放水制御系の実施形態を示した説明図 パイロット手動弁として三方切替弁を用いた放水制御系の実施形態を示した説明図 開閉レバーとパイロット手動弁がリンクケーブルで連結された放水制御機構の実施形態を昇降制御機構と共に示した説明図 ホース収納部が固定設置された消火栓設備を断面で示した説明図 図10の消火栓設備の内部構造を監視員通路の断面で示した説明図
[トンネル内消火設備の概要]
図1は自動車専用道路のトンネル内に設置された消火栓設備を含むトンネル非常用設備を示した説明図である。図1に示すように、シールド工法により構築されたトンネル10内は円筒形のトンネル壁面12により覆われ、床版18により仕切られることで道路15が設けられており、この例にあっては、道路15は1方向2車線としている。
床版18で仕切られた道路15の左側のトンネル壁面12に沿って監視員通路14が設けられ、監視員通路14の下側の内部空間はダクト22として利用され、電線管等が敷設される。
道路15が形成された床版18の下側はトンネル横方向に複数の区画に仕切られており、例えば、監視員通路14の下に位置する区画は、管理用通路20として使用され、また、管理用通路20はトンネル内での火災発生時には、緊急避難通路として使用される。管理用通路20には給水本管24が敷設されている。
トンネル10の長手方向の50メートルおきには、消火栓設備16が設置され、消火栓設備16はホース収納部44と制御機構収納部45に分離して設置されている。
ホース収納部44は、監視員通路14の路面及び道路15側の壁面にかけて箱形に刳り貫かれた消火栓埋込部に配置されている。制御機構収納部45は、ホース収納部44の下側となる管理用通路20に配置され、給水本管24から分岐した分岐管が引き込まれ、また、ホース収納部44に消火用水を供給する給水配管が立ち上げられている。
消火栓設備16のホース収納部44にはノズル付きホースが収納され、監視員通路14内に昇降機構により支持されており、所定の上昇操作を行うと、昇降機構により監視員通路14上の露出位置にホース収納部44が上昇されて露出状態となり、ノズル付きホースの引き出しによる消火作業を可能とする。
ホース収納部44からノズル付きホースを引き出した場合の放水開始は、ホース収納部44側に設けている開閉レバーを操作して行う。
[消火栓設備の設置構造]
図2はホース収納部を昇降させる消火栓設備を道路側から示した説明図、図3は図2の消火栓設備の内部構造を路面側から見た断面で示した説明図、図4は図2の消火栓設備におけるホース収納部の内部構造を監視員通路の断面で示した説明図、図5は昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を路面側から見た断面で示した説明図である。
(消火栓設備の外観構造)
図2に示すように、消火栓設備16のホース収納部側は、手摺り40を設けた監視員通路14の床面下の内部空間に設置されており、パンタグラフ機構を用いた昇降機構46の水圧シリンダ60の駆動により、昇降自在に配置されている。
消火栓設備16の設置場所となる監視員通路14の道路に面した前壁14aには通報装置パネル28と消火栓パネル26が設置されている。消火栓パネル26はビス止め等で固定設置されており、内部を点検する場合には、取り外すことができる。
通報装置パネル28には、赤色表示灯30、発信機32及び応答ランプ34が設けられている。赤色表示灯30は常時点灯し、消火栓設備16の設置場所が遠方から分かるようにしている。火災時には、発信機32を押して押し釦スイッチをオンすると、火災通報信号が監視センターの防災受信盤に送信されて火災警報が出され、これに伴い応答信号が防災受信盤から送られて、応答ランプ34が点灯され、赤色表示灯30が点滅される。
また、通報装置パネル28には、監視員通路14内に配置している消火栓設備16のホース収納部を昇降操作するための上昇スイッチ36aと下降スイッチ36bが設けられている。
通報装置パネル28の左側には、ハンドル122により上向きに開閉自在な操作扉120が設けられ、内部にハンドル付きの開閉レバー102が配置され、後の説明で明らかにする放水制御回路に設けられたパイロット手動弁100を放水位置と放水停止位置に切り替え操作可能としている。
更に、消火栓設備16を設置している監視員通路14の部分には手摺り40を設けておらず、監視員通路14の路面上に内部から上昇して露出するホース収納部に対する操作の邪魔にならないようしている。
なお、通報装置パネル28の上昇スイッチ36a及び下降スイッチ36bを配置したパネル部分は、道路15側及び監視員通路14の両方からの操作を可能とするため、監視員通路14の路肩部分に対し斜めに位置するように配置しても良いし、それ以外の場所に配置しても良い。
(内部空間に設置した消火栓設備の構造)
図3及び図4に示すように、監視員通路14の消火栓設備16の設置場所に対応した路面には、矩形の消火栓昇降口42が開口されており、消火栓昇降口42の開口縁の上部には段部42aが形成されている。
消火栓昇降口44に対してはその下側から消火栓設備16のホース収納部44が昇降自在に配置される。ホース収納部44は、前面及び背面に開口した箱型の筐体48を備え、筐体48の前面及び背面の開口に4本のフレームパイプ52を配置して間にホース取出口55が形成されている。
ホース収納部44の内部には、先端にノズル56を装着したホース54が内巻きした状態で収納され、内巻したホース54の中央部分にホース先端に装着したノズル56が配置され、筐体48の前面及び背面の何れからもノズル56の取出しができるようにしている。
ホース収納部44は昇降機構46により昇降自在に支持されており、本実施形態にあっては、昇降機構46としてパンタグラフ機構を用いている
パンタグラフ機構を用いた昇降機構46は、2本のリンクアーム46a,46bで構成される。リンクアーム46aは左端が支点47aにより基台41に回動自在に支持され、またリンクアーム46bは左端を支点47bにより取付台43に回動自在に支持され、リンクアーム46a,46bを中央で交差させて支点47cで回動自在に連結させている。
また、リンクアーム46aの右端はローラ49aにより取付台43に沿って移動自在に支持され、リンクアーム46bの右端はローラ49bにより基台41に移動自在に支持されている。
昇降機構46の駆動機構としては、ピストンシリンダ機構が設けられ、複動水圧シリンダ60−1の下端がリンクアーム46bに支点51aにより回動自在に連結され、複動水圧シリンダ60−1内に摺動自在に設けられたピストン61に連結されたピストンロッド63の先端がリンクアーム46aに支点51bにより回動自在に連結されている。
昇降機構46を配置した内部空間の下側となる管理用通路20には制御機構収納部45が配置され、制御機構収納部45には、ホース収納部44のホース54に消火用水を供給して放水させる放水制御機構と、昇降機構46を昇降駆動させるための昇降制御機構が設けられている。
制御機構収納部45に対しては水圧源として機能する給水本管24から分岐した分岐配管24aが連結され、消火ポンプ設備から給水本管24に供給されている消火用水を導入している。
制御機構収納部45に内蔵した放水制御機構には、図2のホース収納部44側に設けたパイロット手動弁100によるパイロット圧の制御で開閉される一斉開放弁が設けられており、放水制御機構からの給水配管58は、連結ホース62を介してホース収納部44のホース接続口となるフレキシブルジョイント65に連結されている。給水配管58は例えば口径50ミリメートル程度の配管を使用している。
連結ホース62は、昇降機構46によりホース収納部44を監視員通路14の消火栓昇降口42から押し上げて露出させた露出位置に保持した場合に、連結に必要な余裕を持ったホース長としており、これにより固定側となる配管に対しホース収納部44が昇降作動しても、連結ホース62が抜けることなくホース収納部44が動けるようにしている。また、昇降作動で生ずる連結ホース62の動きはフレキシブルジョイント65の動きで吸収される。
また、制御機構収納部45に内蔵した放水制御機構からは起動用パイロット配管104a,104bがホース収納部44側に配管され、図2に示したパイロット手動弁100に接続されている。この起動用パイロット配管104a,104bは、口径10ミリメートル程度の金属パイプが使用される。
また、制御機構収納部45に内蔵した昇降制御機構からは、消火用水の供給と排水を行うための2本の配管59が昇降機構46の水圧シリンダ60に接続されている。
ここで、ホース収納部44と制御機構収納部45との連結は、監視員通路内を連結ホース62とし、管理用通路20側を給水配管58としているが、ホース収納部44と制御機構収納部45との間を連結ホースにより直接に連結してもよい。この場合にも、ホース収納部44側及び制御機構収納部45に対する連結ホースの接続は、何れか一方又は両方をフレキシブルジョイントによる連結とする。
[消火栓設備の動作]
(通常監視時)
図1に示すトンネル10の道路を車両が通行している通常監視時にあっては、図2乃至図4に示すように、消火栓設備16のホース収納部44は、制御機構収納部45に設けられた放水制御機構からの消火用水の供給が停止されていることで、昇降機構46の水圧シリンダ60はピストン61を最下点に位置させ、これにより昇降機構46はホース収納部44を監視員通路14の内部空間に収納し、筐体48の上面の路面板50を消火栓昇降口42の段部42aに押し当てて支えており、監視員通路14内に消火栓設備16を設置していても、監視員通路14を通る人の通行を妨げたり、危険を及ぼすことはない。
(火災発生時)
一方、トンネル10内で火災を伴う車両事故が発生した場合には、利用者は火災発生場所に近い消火栓設備16に出向き、図2に示す通報装置パネル28の発信機32を押して監視センターの防災受信盤に火災通報信号を送信し、防災受信盤から確認応答信号を受信して応答ランプ34が点灯されると共に赤色表示灯30が点滅され、監視センター側への通報完了を確認する。
続いて、消火作業を行うため、通報装置パネル28に設けている上昇スイッチ36aを押してオンする。この上昇スイッチ36のオン操作により制御機構収納部45から昇降機構46の複動水圧シリンダ60に消火用水が送られ、シリンダ内に供給された消火用水によりピストン61が上昇し、ピストンロッド63を介してリンクアーム46aとリンクアーム46bの間隔が押し広げられる。
リンクアーム46a,46bの間隔が押し広げられると、支点47cを中心にリンクアーム46a,46bの角度が広がり、リンクアーム46a,46bの右端のローラ49a,4bが左側に移動し、その結果、取付台43が上方に押し上げられ、取付台43に取付けられたホース収納部44が押し上げられる。
このため監視員通路14の消火栓昇降口42を閉鎖している路面板50が持ち上がり、内部に収納していたホース収納部44が路面からゆっくり表れ、図5に示す露出位置まで上昇して停止し、この露出位置を保持する。
このように監視員通路14の上に露出状態にホース収納部44が保持されると、利用者は道路側から筐体48の前面開口を介してノズル56を取出すことで、簡単且つ容易にホース54を引き出すことができる。
続いて、利用者は、図2に示した操作扉120を開いて開閉レバー102を下向きに操作することでパイロット手動弁100を開くと、制御機構収納部45に設けられた一斉開放弁が開放駆動され、消火用水が給水配管58及び連結ホース62を介してホース54に供給され、ノズル56からの放水により消火作業を行うことができる。
一方、監視員通路14側から利用者が消火作業を行う場合には、監視員通路14上に露出保持されたホース収納部44における筐体48の背面開口からノズル56を取出し、図2に示した操作扉120を開いて開閉レバー102を下向きに回動して放水位置に操作することでパイロット手動弁100を開き、放水制御機構に設けられた一斉開放弁にパイロット圧を供給して開放駆動させ、これにより消火用水をホース54に供給してノズル56から放水させ、消火作業を可能とする。
火災が鎮火して消火作業が終了した場合には、図2に示した開閉レバー102を上向きに回動して放水停止位置に戻すことでパイロット手動弁100を閉じ、放水制御機構の一斉開放弁が閉鎖駆動され、ノズル56からの放水が停止される。
また、消火作業が終了した後の復旧作業では、ホース56の水抜きを行った後に、監視員通路14上に露出保持されているホース収納部44の中に内巻き状態にホース54を収納する。続いて、通報装置パネル28に設けている下降スイッチ36bをオン操作することで、昇降機構46によりホース収納部44が下降され、路面板50が消火栓昇降口42の段部42aに当る位置まで下降して停止し、ホース収納部44が監視員通路14の内部空間に収納された状態となる。
[放水制御機構]
図6は開閉レバーが直結されたパイロット手動弁を備えた放水制御機構の実施形態を昇降制御機構と共に示した説明図である。
図6に示すように、放水制御機構64は、給水本管24からの分岐配管24aが引き込まれ、逆止弁68に続いて一斉開放弁70が接続されている。一斉開放弁70は、弁体を開閉する開閉駆動部としてシリンダピストン機構を備えており、シリンダ室に対するパイロット圧の供給によりピストンを作動して弁体を開放位置に移動させ、パイロット圧の抜きによりリターンスプリングによりピストンを初期位置に戻して弁体を閉鎖位置に移動させる構造を備える
一斉開放弁70に対しては、ホース収納部44側に分離配置されたパイロット手動弁100が設けられる。パイロット手動弁100は開位置と閉位置に切り替え可能な小型の開閉弁を使用しており、弁体回転軸に開閉レバー102を直結し、開閉レバー102の操作で閉位置となる放水停止位置と開位置となる放水位置が切替えられる。
パイロット手動弁100に対しては一斉開放弁100の1次側から分岐された起動用パイロット配管104aが立ち上げられ、ホース収納部44に配置されたパイロット手動弁100の入口ポートに接続されている。また、パイロット手動弁100の出口ポートに接続した起動用パイロット配管104aが断ち下げられ、一斉制御弁70に接続されている。
更に、一斉開放弁70に戻されたパイロット配管104bからは停止用パイロット配管108が分岐され、一斉開放弁100の2次側に接続され、この停止用パイロット配管108にはオリフィス106が設けられている。
ここで、一斉開放弁70に対するパイロット圧を制御して開閉駆動させるパイロット回路部は、パイロット手動弁100、起動用パイロット配管104a,104b、オリフィス106及び停止用パイロット配管108で構成される。
一斉開放弁70に続いては仕切弁74を介して自動調圧弁76が接続され、自動調圧弁76の2次側が、給水配管58及び連結ホース62を介してホース収納部44のホース54に連結されている。更に、仕切弁74の手前からは配管が排水側に分岐され、試験用排水弁75が接続されている。
(開閉弁を用いたパイロット回路部)
図7はパイロット手動弁として開閉弁を用いた放水制御系の実施形態を示した説明図である。
図7に示すように、一斉開放弁70は、シリンダ室70aにピストン70bが動自在に収納され、ピストン70bの背後にスプリング70cが配置され、ピストン70bに弁体70dが連結されたシリンダピストン機構を開閉駆動部として備えている。
一斉開放弁70は、シリンダ室70aに対するパイロット圧の供給によりピストン70bをスプリング70cに抗してストロークされることで開放駆動され、また、開放状態でシリンダ室70aからパイロット圧を抜くことで、スプリング70cによりピストン70bが初期位置に押し戻されることで閉鎖駆動される。
パイロット回路部としては、一斉開放弁70にパイロット圧を供給するパイロット手動弁100がホース収納部44側に設けられ、一斉開放弁100の1次側から分岐した起動用パイロット配管104が立ち上げられてパイロット手動弁100の入口ポートに接続され、出口ポートに接続された起動用パイロット配管104bが立ち下げられて一斉開放弁70のシリンダ室70aに接続されている。
また、一斉開放弁70のシリンダ室70aに対する起動用パイロット配管104bから停止用パイロット配管108が分岐され、一斉開放弁の2次側に接続され、この停止用パイロット配管108にはオリフィス106が設けられている。
開閉レバー102により操作されるパイロット手動弁100による一斉開閉弁70の開閉駆動は次のようになる。通常時、開閉レバー102は放水停止位置にあり、パイロット手動弁100は閉鎖し、一斉開放弁70のシリンダ室70はオリフィス106が設けられた停止用パイロット配管108を介して2次側(大気開放側)に連通しており、シリンダ室70aは無圧状態となり、スプリング70cによりピストン70bは弁体70dを閉じた閉鎖位置としている。
開閉レバー102を放水位置に操作すると、パイロット手動弁100が開放され、消火用水が起動用パイロット配管104aを介して一斉開放弁70のシリンダ室70aに供給され、シリンダ室70aにパイロット圧が加わることで、ピストン70bがスプリング70cに抗してストロークし、弁体70dが開放し、2次側に消火用水が供給され、引き出されたホースのノズルからの放水が開始される。
このとき停止用パイロット配管108にも消火用水が加わるが、オリフィス106により2次側への流出が制限され、シリンダ室70aのパイロット圧は所定圧以上に維持される。
放水を停止する場合には、開閉レバー102を放水位置から放水停止位置に戻すと、パイロット手動弁100が閉鎖され、一斉開放弁70のシリンダ室70aに対する消火用水に供給が停止される。このためシリンダ室70aの圧力は停止用パイロット配管108のオリフィス106を介して2次側の圧力に低下し、ピストン70aが弁体70dを閉鎖側に移動させ、これに伴い2次側の圧力が低下し、この繰り返しによる帰還作用により一斉開放弁70は閉鎖駆動され、ノズルからの放水が停止される。
(三方切替弁を用いたパイロット回路部)
図8はパイロット手動弁として三方切替弁を用いた放水制御系の実施形態を示した説明図である。
図8に示すように、本実施形態の放水制御系には、パイロット手動弁としてパイロット三方切替弁116が設けられる。パイロット三方切替弁116は、放水位置でポートa,bを連通させ、放水停止位置でポートb,cを連通させる2位置切替えを可能とする。
パイロット三方切替弁116のポートaには、一斉開放弁70の1次側から分岐された起動用パイロット配管104aが接続され、また、ポートbは起動用パイロット配管104bにより一斉開放弁70のシリンダ室70aに接続され、更に、ポートcは停止用パイロット配管118により排水側に接続されている。
通常時、開閉レバー102は放水停止位置に切り替えられており、パイロット三方切替弁110はポートa,cを連通させた位置にあり、一斉開放弁70のシリンダ室70aは停止用パイロット配管118を介して排水側に開放され、閉鎖状態を維持している。
開閉レバー102が放水位置に切り替えられると、パイロット三方切替弁118は図示のポートa,bが連通される放水位置に切り替えられ、一斉開放弁70のシリンダ室70aに消火用水を供給してパイロット圧により開放駆動させ、ホース収納部から引き出されたノズル付きホースから消火用水を放水させる。
放水を停止する場合には、開閉レバー102を放水位置から放水停止位置に戻すと、パイロット切替弁116はポートa,cを連通させた位置に切り替えられ、一斉開放弁70のシリンダ室70aは停止用パイロット配管118を介して排水側に開放され、パイロット圧が低下して一斉開放弁70は閉鎖駆動され、ノズルからの放水が停止される。
[昇降制御機構]
図6に示すように、昇降制御機構66は、三方切替弁82,84を備える。三方切替弁82,84は、モータ駆動により切替え作動される電動切替弁である。三方切替弁82はポートa,bが連通される上昇切替え位置と、ポートb,cが連通される下降切替え位置の2位置切替えが可能である。また、三方切替弁84はポートb,cが連通される上昇切替え位置と、ポートa,bが連通される下降切替え位置の2位置切替えが可能である。
水圧源となる給水本管24から引き込まれた分岐管には逆止弁78が設けられ、続いて定流量弁80が設けられる。逆止弁78は給水本管24側の水圧が低下した場合に閉鎖して消火用水の逆流を阻止する。定流量弁80はシリンダ側に供給する消火用水(圧力水)の流量を圧力変動に関わらず所定流量に制御させる。
定流量弁80の2次側は三方切替弁82,84のポートaに接続される。三方切替弁82のポートbは水圧シリンダ60の上昇用シリンダ室60aに接続され、また、三方切替弁84のポートbは水圧シリンダ60の下降用シリンダ室60bに接続される。更に、三方切替弁82,84のポートcは排水側に接続される。
三方切替弁82から水圧シリンダ60の上昇用シリンダ室60aに接続された2次側配管には、流量制御弁86と逆止弁88の並列回路が接続され、また、三方切替弁84から水圧シリンダ60の下降用シリンダ室60bに接続された2次側配管にも、流量制御弁90と逆止弁92の並列回路か接続される。
流量制御弁90は水圧シリンダ60を上昇駆動させる場合に下降用シリンダ室60bから排出される消火用水の流量を設定流量に制御することで、ピストン61によるホース収納部44の上昇速度を所定速度に制御させる。
流量制御弁86は水圧シリンダ60を下降駆動させる場合に上昇用シリンダ室60aから排出される消火用水の流量を設定流量に制御することで、ピストン61によるホース収納部44の下降速度を所定速度に制御させる。
(昇降制御機構による制御動作)
通常監視時にあっては、三方切替弁82,84は、ポートb,cを連通させた切替え位置にあり、水圧シリンダ60の上昇用シリンダ室60a及び下降用シリンダ室60bは共に排水側に連通されており、ホース収納部44の重量による負荷圧を受けて下降停止位置にあり、ホース収納部44を監視員通路14内に収容させている。
この状態で上昇操作を行うと、三方切替弁82がポートa,bを連通させる上昇切替え位置に切り替わり、消火用水が水圧シリンダ60の上昇用シリンダ室60aに供給され、ホース収納部44の重量による負荷圧に打ち勝ってピストン60が上昇を開始する。ピストン61の上昇に伴い下降用シリンダ室60bの消火用水が三方切替弁84を通って排水側に流れ出し、このとき流量制御弁90を流れる設定流量によりピストン61によるホース収納部44の上昇速度が決まる。
ピストン61がフルストロークに達するとホース収納部44の上昇が停止し、監視員通路14上に露出されることで、ノズル付きホースの引き出しにより消火作業が可能となる。ホース収納部44を上昇位置に停止させた状態は、三方切替弁82を上昇切替え位置に保つことで、水圧シリンダ60の上昇用シリンダ室60aに対する消火用水の供給が維持され、ピストン61は負荷圧を超える押上力を得ることで、ホース収納部44を上昇停止位置に保持させる。
また、ホース収納部44を上昇停止位置に保持している間に、給水本管24側の水圧が一時的に低下した場合には、逆止弁78の閉鎖によりシリンダ側の圧力低下が阻止され、安定してホース収納部44を上昇停止位置に保持することができる。
消火作業が終了し、ホースを水抜きしてホース収納部44に収納した場合には、下降操作を行うと、三方切替弁82がポートb,cを連通させる下降切替位置に切り替えられ、また、三方切替弁84がポートa,bを連通させる下降切替位置に切り替えられる。
このため三方切替弁84を介して消火用水が水圧シリンダ60の下降用シリンダ室60bに供給され、上昇用シリンダ室60aが三方切替弁82を介して排水側に連通され、消火用水の水圧とホース収納部44の重量による負荷圧を受けてピストン60が下降を開始する。ピストン61の下降に伴い上昇用シリンダ室60aの消火用水が三方切替弁82を通って排水側に流れ出し、このとき流量制御弁86を流れる設定流量によりピストン61によるホース収納部44の下降速度が決まる。
ピストン61が下降停止位置にストロークすると、ホース収納部44は監視員通路14内に収納され、例えば、下降停止位置で動作する検出スイッチ等の信号により三方切替弁84をポートb,cが連通される上昇切替位置に切り替えられ、これにより図6に示した通常監視に戻る。
[リンクケーブルを用いた操作部]
図9は開閉レバーとパイロット手動弁がリンクケーブルで連結された放水制御機構の実施形態を昇降制御機構と共に示した説明図である。
図9に示すように、監視員通路14側に固定設置されたパイロット手動弁100に対し、開閉レバー102はシリンダ60により昇降されるホース収納部44に分離配置されている。
は開閉レバー102の回転軸にはリンク円盤110が設けられ、リンク円盤110とパイロット手動弁100の弁体回転軸に設けられたリンク円盤114との間は、2本のリンクケーブル112に通したリンクケーブルで連結され、開閉レバー102によるリンク円盤110の回転をリンクケーブル112に通したリンクケーブルによりリンク円盤114に伝えてパイロット手動弁100を遠隔的に開閉可能としている。
消火栓設備16を使用する場合、ホース収納部44はシリンダ60により監視員通路16上の露出位置に上昇され、このとき開閉レバー102もホース収納部44と一体に監視員通路16上の露出位置に上昇され、露出したホース収納部44に設けられた開閉レバー102は、道路側又は監視員通路側からの操作が可能となる。このため本実施形態にあっては、図2に示すように、消火栓パネル26に操作扉120を設ける必要はない。
このようにパイロット手動弁100と開閉レバー102を分離配置してリンクケーブルで連結して遠隔操作可能としたことで、昇降機構により昇降されるホース収納部44側に開閉レバー102を配置し、固定側に遅配されたパイロット手動弁100を開閉操作することが可能となる。
なお、それ以外の構成及び動作は、図9の実施形態と同じになることから、同一符号を付して、その説明は省略する。
[ホース収納部が固定設置された分離構造の消火栓設備]
図10はトンネル内消火栓設備の内部構造を路面側から見た断面で示した説明図、図11はホース収納部の構造を側面から見た断面で示した説明図である。
(消火栓装置の外観構造)
図10及び図11に示すように、本実施形態の消火栓設備16は、ホース収納部44を監視員通路14内に固定設置し、その下の管理用通路20に制御機器収納部45が分離配置されたことを特徴とする。
ホース収納部44は、手摺り40を設けた監視員通路14の路肩から道路15に面した前壁14aに取付口を開口した消火栓埋込部を形成して設置されている。
監視員通路14の消火栓埋込部にはハンドルの操作によりロックを外して開放される消火栓扉96が設けられており、消火栓扉96は、道路15側に位置する垂直方向の扉前部96aと監視員通路14側に位置する水平方向の扉上部96bとを連設した横断面がL形に形成した扉板を備え、扉上部96bの後端のヒンジ97の軸支により上向き回りに開閉自在に支持されている。
また、消火栓扉96の監視員通路14側に位置する扉面にもハンドルが設けられており、ハンドルを開操作するとロックが解除され、監視員通路14側からの消火栓扉96の開放を可能としている。
消火栓扉96の左側には、上向きに開放可能な操作扉120が設けられ、図示の操作扉120の開放状態で、内部にハンドル付きの開閉レバー102が設けられている。開閉レバー102は図示の放水停止位置から下向きに操作すると放水位置に切り替わり、内蔵したパイロット手動弁を開放させる。
開閉レバー102によるパイロット手動弁の開閉操作は、図5に示した開閉レバー102をパイロット手動弁100に直結した実施形態、或いは図9に示したパイロット手動弁100と開閉レバー102を分離配置してリンクケーブルで連結して遠隔操作可能とした構造が適用される。
図9のリンクケーブルで連結される構造については、パイロット手動弁100と開閉レバー102を、図10におけるホース収納部44の適宜の位置に分離配置させることが可能となり、配置関係の自由度が高まり、また、ホース収納部44の設置スペースの低減にもつながる。
操作扉120の左側には通報装置パネル28が設けられ、赤色表示灯30、発信機32及び応答ランプ34が設けられている。通報装置バネル28の左側には消火器扉98が設けられる。消火器扉98は、道路15側に位置する垂直方向の扉前部と監視員通路14側に位置する水平方向の扉上部とを連設した横断面がL形に形成した扉板を備え、扉板が扉上部の後端のヒンジの軸支により上向き回りに開閉自在に支持されている。
(消火栓装置の内部構造)
消火栓扉96をハンドルの操作によるロック解除で上向き回りに開放すると、扉開口を介して内部に設置しているホース収納部44が操作可能となる。ホース収納部44は箱形に形成した筐体48の前面開口に4本のフレームパイプを配置して間にホース取出口55が形成されている。ホース収納部44の内部には、先端にノズル56を装着したホース54が内巻きした状態で収納され、内巻したホース54の中央部分にホース先端に装着したノズル56を位置させ、前面開口からのノズル56の取出しを可能にしている。
ホース収納部42は、図11に示すように、監視員通路14の路面から前壁14aに至るコーナー部に対し斜め上向きとなるように配置されており、これにより消火栓扉96を、想像線で示す消火栓扉96−1の位置に開放した場合、道路15側及び監視員通路14側の両方からホース収納部44に配置しているノズル56を取り出してホース54を引き出し可能な構造としている。
監視員通路14側に設置されたホース収納部44に対し放水制御機構が分離され、道路15の下に位置する管理用通路20内に設置した制御機構収納部45に収納されている。
制御機構収納部45には、図6に示した放水制御機構64が配置されており、放水制御機構64の一斉開放弁70に設けられたパイロット回路部は、図7又は図8のパイロット回路部が設けられ、例えば図7のパイロット回路部が設けられた場合、制御機構収納部45から起動用パイロット配管104a,104bが引き出され、ホース収納部44側に接続されている。
このような監視員通路14側にホース収納部44が固定設置され、管理用通路20に放水制御機構64が分離配置された実施形態についても、ホース収納部44には分離配置された放水制御機構に設けられた一斉開放弁を開閉制御させる小型のパイロット手動弁が設けられるだけであり、また、パイロット配管も給水配管に比べ十分に細い管で済み、ホース収納部側に操作部の操作により開閉されるパイロット手動弁を設けても、ホース収納部の設置スペースは殆ど増加せず、一斉開放弁を含む放水制御機構を分離配置して、ホース収納部の設置スペースを低減するメリットが損なわれることなく、手動操作による放水開始と放水停止を可能とする。
[本発明の変形例]
(一斉開放弁)
上記の実施形態は、放水操作により駆動部のシリンダ室に消火用水を供給して開放駆動させる加圧駆動型の一斉開放弁を例にとっているが、これに限定されない。例えば、駆動部のシリンダ室に初期状態で消火用水を供給してパイロット圧を封じ込め、放水操作によりシリンダ室の消火用水を排出してパイロット圧を抜くことで開放駆動させる減圧駆動型の一斉開放弁としても良い。この場合には、パイロット手動弁を放水操作により開動作して、シリンダ室の消火用水を排出させて一斉開放弁を開放駆動させる制御となる。
(消火栓設備)
上記の実施形態で示した消火栓設備のホース類や消火栓弁等のバルブ類、通報装置の構成及び配置、その他の構成については任意であり、適宜の構成を採用して良い。
(その他)
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:トンネル
12:トンネル壁面
14:監視員通路
15:道路
16:消火栓設備
18:床版
20:管理用通路
22:ダクト
24:給水本管
24a:分岐配管
26:消火栓パネル
28:通報装置パネル
36a:上昇スイッチ
36b:下降スイッチ
42:消火栓昇降口
44:ホース収納部
45:制御機構収納部
46:昇降機構
48:筐体
50:路面板
54:ホース
55:ホース取出口
56:ノズル
60:シリンダ
60a:上昇用シリンダ室
60b:下降用シリンダ室
62:連結ホース
63:フレキシブルジョイント
64:放水制御機構
66:昇降制御機構
68,78,88,92:逆止弁
74:仕切弁
75:試験用排水弁
76:自動調圧弁
80:定流量弁
82,84:三方切替弁
86,90:流量制御弁
96:消火栓扉
98:消火器扉
100:パイロット手動弁
102:開閉レバー
104a,104b:起動用パイロット配管
106:オリフィス
108,118:停止用パイロット配管
110,114:リンク円盤
112:リンクケーブル
116:パイロット三方切替弁
120:操作扉

Claims (9)

  1. ノズル付きホースが収納されたホース収納部と、前記ノズル付きのホースに対する消火用水の供給を制御する放水制御機構が分離配置されたトンネル内消火栓設備に於いて、
    前記放水制御機構に設けられ、パイロット圧の供給を受けて開放されることにより前記ホース収納部へ消火用水を供給する一斉開放弁と、
    前記ホース収納部に設けられ、放水位置と放水停止位置とに操作される操作部と、
    前記ホース収納部に設けられ、前記操作部の放水停止位置への操作により開閉されるパイロット手動弁と、
    前記パイロット手動弁の開操作により前記一斉開放弁に前記パイロット圧を供給して開放駆動させると共に前記パイロット手動弁の閉操作により前記一斉開放弁からパイロット圧を抜いて閉鎖駆動させるパイロット回路部と、
    が設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  2. 請求項1記載のトンネル内消火栓設備に於いて、前記操作部は、前記パイロット手動弁の弁体回転軸に連結されて開閉させる開閉レバーが設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  3. 請求項1記載のトンネル内消火栓設備に於いて、前記操作部は、開閉レバーの操作をリンクケーブルにより前記パイロット手動弁の弁体回転軸に伝達して開閉させることを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  4. (手動開閉弁を用いたパイロット回路部)
    請求項1記載のトンネル内消火栓設備に於いて、
    前記パイロット手動弁は開位置と閉位置を切替える開閉弁であり、
    前記一斉開放弁は、シリンダ室に対するパイロット圧の供給により開放駆動され、前記シリンダ室からのパイロット圧の排出により閉鎖駆動される開閉駆動部が設けられ、
    前記パイロット回路部は、
    前記パイロット手動弁の開操作により前記一斉開放弁のシリンダ室にパイロット圧を供給する起動用パイロット配管と、
    前記一斉開放弁のシリンダ室を2次側に連通する配管に設けられ、前記パイロット手動弁が閉鎖された状態で前記シリンダ室からパイロット圧を排出させるオリフィスと、
    が設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  5. 請求項1記載のトンネル内消火栓設備に於いて、
    前記パイロット手動弁は放水位置と放水停止位置の2位置切替えが可能な三方切替弁であり、
    前記一斉開放弁は、シリンダ室に対するパイロット圧の供給により開放駆動され、前記シリンダ室からのパイロット圧の排出により閉鎖駆動される開閉駆動部が設けられ、
    前記パイロット回路部は、
    前記三方切替弁の放水位置への切替え操作により前記一斉開放弁のシリンダ室にパイロット圧を供給する起動用パイロット配管と、
    前記三方切替弁の放水停止位置への切替え操作により前記一斉開放弁のシリンダ室からパイロット圧を排出させる停止用パイロット配管と、
    が設けられた
    ことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  6. 請求項1記載のトンネル内消火栓設備に於いて、前記放水制御機構は、更に、
    前記一斉開放弁の1次側に接続された逆止弁と、
    前記一斉開放弁の2次側に接続された自動調圧弁と、
    前記一斉開放弁と前記自動調圧弁の間に設けられた仕切弁と、
    前記仕切弁と前記一斉開放弁との間に分岐接続された試験用排水弁と、
    が設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  7. 請求項6記載のトンネル内消火栓設備に於いて、前記自動調圧弁に替えて定流量弁が設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  8. (昇降式のホース収納部と放水制御機構の分離設置)
    請求項1記載のトンネル内消火栓設備に於いて、
    前記ホース収納部は、通常監視時は昇降機構により監視員通路内に収納され、消火栓を使用する場合に、昇降機構の作動により監視員通路上の露出位置に上昇して保持され、
    前記放水制御機構は、前記監視員通路の下側に形成された管理用通路に設置されたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  9. 請求項1記載のトンネル内消火栓設備に於いて、
    前記ホース収納部は、監視員通路の路面から道路に面した壁面に掛けて形成された開口部に設けられた消火栓扉の内部に設置され、
    前記放水制御機構は、前記監視員通路の下側に形成された管理用通路に設置されたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
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