以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において、「見付方向」とは、建物に配置された開口部に納められた建具におけるガラスパネルの面方向を意味する。見付方向において、横方向を左右方向という。「見込方向」とは、上記ガラスパネルの厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。本実施形態においては、パネルの一例としてガラスパネルを用いた場合について説明する。パネルはガラスパネルに限定されない。パネルとしては、ガラスパネルの他に、例えば、樹脂パネル、アルミ樹脂複合板(アルポリック(登録商標)等)などが挙げられる。
図1~図3に示すように、第1実施形態の建具1は、建物としてのユニットバス(図示省略)に形成される開口部に設けられる。建具1は、いわゆる引き違い窓であり、図1に示すように、枠体2と、枠体2内に開閉可能に嵌め込まれた内障子3(障子)及び外障子4(障子)と、浴室の換気構造7と、を備える。本実施形態においては、引き違い窓において、浴室側に配置される障子を内障子3といい、脱衣室側に配置される障子を外障子4という。建具1は、内障子3及び外障子4により枠体2内の開口部分を開閉可能である。本実施形態においては、浴室側に配置される障子を内障子3(浴室側から見て右側)とし、脱衣室側に配置される障子を外障子4(同左側)としたが、これに限定されない。浴室側に配置される障子を内障子3(同左側)とし、脱衣室側に配置される障子を外障子4(同右側)としてもよい。
枠体2は、建物としてのユニットバス(図示省略)に形成される開口部に設けられる。ユニットバスの内側には防水パン121及び浴槽(図示省略)等が設けられる浴室空間が形成される。ユニットバスの開口部は、浴室と脱衣室とを連通する。
枠体2は、図1~3に示すように、上枠21、下枠22及び左右の縦枠23,24により矩形に枠組みされている。上枠21は、枠体2の上部において左右方向に延びる長尺状に形成される。下枠22は、枠体2の下部において左右方向に延びる長尺状に形成される。左右の縦枠23,24は、上枠21及び下枠22の左右方向の両端部において上下方向に延びる。
上枠21は、図2に示すように、上枠21の上端に設けられ見込方向に延びる中空状の上端中空部211と、上端中空部211の下方に配置される上枠浴室側呑み込み部212及び上枠脱衣室側呑み込み部213と、中空状の上枠浴室側延在中空部214と、板状の上枠脱衣室側延在板部215と、を有する。上端中空部211、上枠浴室側呑み込み部212、上枠脱衣室側呑み込み部213及び上枠浴室側延在中空部214は、上枠21の本体部分であり、上枠脱衣室側延在板部215は、上枠21における建物構造物への取付枠部分である。
上枠浴室側呑み込み部212及び上枠脱衣室側呑み込み部213は、見込方向に隣り合って並んで配置され、いずれも下方に向けて開放する枠状に形成される。上枠浴室側呑み込み部212は浴室側に配置され、上枠脱衣室側呑み込み部213は脱衣室側に配置される。上枠浴室側呑み込み部212には、内障子3の上框31が呑み込まれて配置される。上枠脱衣室側呑み込み部213には、外障子4の上框41が呑み込まれて配置される。
上枠浴室側呑み込み部212の上部には、内障子側戸車保持部212aが形成される。内障子側戸車保持部212aには、内障子3の上框31が接続された吊車37が、左右方向に移動可能に配置される。上枠脱衣室側呑み込み部213の上部には、外障子側戸車保持部213aが形成される。外障子側戸車保持部213aには、外障子4の上框41に接続された吊車47が、左右方向に移動可能に配置される。
上枠浴室側延在中空部214は、上枠浴室側呑み込み部212の浴室側の下端部において浴室側に突出して形成される。上枠浴室側延在中空部214は、浴室側天井パネル111よりも下方側に配置される。上枠脱衣室側延在板部215は、上枠21における建物構造物への取付枠部分であり、上枠脱衣室側呑み込み部213の脱衣室側の下端部から脱衣室側に延びる。上枠脱衣室側延在板部215は、脱衣室側天井パネル112よりも下方側に配置される。上枠浴室側延在中空部214の下面と、上枠脱衣室側延在板部215の下面とは、ほぼ同じ高さに位置する。なお、上枠脱衣室側延在板部215及び脱衣室側天井パネル112の上下方向の位置は、これに限定されない。上枠脱衣室側延在板部215及び脱衣室側天井パネル112の上下方向の位置は、天井部分の納まりによっては、本実施形態の位置よりも上方に位置してもよいし、下方に位置してもよい。
上枠21の上枠浴室側延在中空部214は、図2に示すように、浴室側において、浴室側天井パネル111よりも下方側に配置される。上枠21の浴室側天井パネル111よりも上方側の部分は、浴室側から見た場合に、浴室側天井パネル111に遮蔽されている。
上枠21の取付枠部分である上枠脱衣室側延在板部215は、脱衣室側において、脱衣室側天井パネル112よりも僅かに下方側に配置される。上枠21の脱衣室側天井パネル112よりも上方側の部分は、脱衣室側から見た場合に、脱衣室側天井パネル112により遮蔽されている。
これにより、浴室側から見た場合に、上枠21の上枠浴室側延在中空部214は視認される。脱衣室側から見た場合に、上枠21の本体部分(上端中空部211、上枠浴室側呑み込み部212、上呑み込み部213及び上枠浴室側延在中空部214)は視認されずに、上枠21の取付枠部分(上枠脱衣室側延在板部215)は視認される。
下枠22は、図2に示すように、下枠本体5と、下枠スロープ部材6(下枠カバー部材)と、を有する。下枠本体5及び下枠スロープ部材6は、いずれも、左右方向に延びる長尺状に形成されると共に、見込方向に延びる。
下枠本体5は、見込方向において、浴室内の防水パン121と脱衣室内の脱衣室側床材122を跨ぐように延びる。下枠本体5は、上面が段差状に形成される。下枠本体5は、下枠本体5の下端に設けられ見込方向に延びる中空状の下端中空部51と、下端中空部51の浴室側の端部の上面から浴室側に延びる浴室側延在部52と、下端中空部51の脱衣室側の端部から上方に延びる段差部53と、段差部53の上端から脱衣室側に延びる脱衣室側延在部54と、段差部53の上端から浴室側に突出する突出片55と、を有する。下端中空部51、浴室側延在部52及び段差部53は、下枠本体5の本体部分であり、脱衣室側延在部54は、下枠本体5における建物構造物への取付枠部分である。浴室側延在部52の浴室側の端部は、浴室の防水パン121の上面に配置される。脱衣室側延在部54の脱衣室側の端部は、脱衣室側床材122の上面に配置される。なお、下枠本体5は、見込方向において、浴室内の防水パン121と脱衣室内の脱衣室側床材122とを跨がなくてもよい。
下枠スロープ部材6は、見込方向に延びる板状に形成される。下枠スロープ部材6は、下枠本体5との間に換気通路71を構成する隙間Sを形成して、下枠本体5の上方側に配置される。下枠スロープ部材6は、見込方向において、下枠本体5の段差部53の上端から浴室側に離れて配置される。
下枠スロープ部材6は、図4に示すように、複数の台座221,222により支持される。複数の台座221,222は、下枠本体5と下枠スロープ部材6との間に配置される。下枠スロープ部材6は、図2に示すように、ガイド凹部61と、スロープ延在部62と、スロープ傾斜部63と、を有する。ガイド凹部61、スロープ延在部62及びスロープ傾斜部63は、脱衣室側から浴室側に向けてこの順に配置される。
ガイド凹部61は、図2に示すように、上方側が凹んだ枠状に形成される。ガイド凹部61は、内障子3及び外障子4の下方に配置される。ガイド凹部61には、内障子3の下端突起3a及び外障子4の下端突起4aが配置される。ガイド凹部61は、スライド移動可能な内障子3及び外障子4の下端をガイドする。
スロープ延在部62は、ガイド凹部61の浴室側の端部から浴室側に水平に所定長さ延びる。スロープ傾斜部63は、スロープ延在部62の浴室側の端部から浴室側に下り傾斜で所定長さ延びる。
下枠22の下枠スロープ部材6は、図2に示すように、浴室側において、防水パン121よりも上方側に配置される。下枠22の防水パン121よりも下方側の部分は、浴室側から見た場合に、防水パン121に遮蔽されている。
下枠22の取付枠部分である脱衣室側延在部54は、脱衣室側において、脱衣室側床材122よりも僅かに上方側に配置される。下枠22の脱衣室側床材122よりも下方側の部分は、脱衣室側から見た場合に、脱衣室側天井パネル112により遮蔽されている。
これにより、浴室側から見た場合に、下枠22の下枠スロープ部材6は視認される。脱衣室側から見た場合に、下枠22の下枠本体5の本体部分(下端中空部51、浴室側延在部52及び段差部53)は視認されずに、下枠22の下枠本体5の取付枠部分(脱衣室側延在部54)は視認される。
下枠22には、浴室の換気構造7が設けられている。浴室の換気構造7は、下枠22における下枠本体5と下枠スロープ部材6との間の隙間Sを換気通路71として構成し、換気通路71を通して、浴室を換気する。浴室の換気構造7において、浴室側から脱衣室側への水の流入を抑制するために、換気通路71には、回動軸722を中心に回動可能な第1羽根板721と、回動軸732を中心に回動可能な第2羽根板731とが配置される。浴室の換気構造7の詳細については後述する。
図3に示すように、左右の縦枠23,24のうち、一方の縦枠23(本実施形態においては、図3における右側の縦枠23、図1における左側の縦枠23)は、見込方向に延びるように形成される。縦枠23は、浴室側中空部231と、中間中空部232と、縦枠呑み込み凹部233と、脱衣室側中空部234と、縦枠脱衣室側延在板部235と、を有する。浴室側中空部231、中間中空部232、縦枠呑み込み凹部233、脱衣室側中空部234及び縦枠脱衣室側延在板部235は、浴室側から脱衣室側に向かってこの順に配置される。浴室側中空部231、中間中空部232、縦枠呑み込み凹部233及び脱衣室側中空部234は、縦枠23の本体部分であり、縦枠脱衣室側延在板部235は、縦枠23における建物構造物への取付枠部分である。
浴室側中空部231は、見込方向の浴室側に配置される。浴室側中空部231は、見込方向に延びる中空状に形成される。中間中空部232は、浴室側中空部231の脱衣室側の端部から脱衣室側に延びる中空状に形成される。
縦枠呑み込み凹部233は、中間中空部232の脱衣室側に形成される。縦枠呑み込み凹部233は、左右方向の内側に向けて開放する枠状に形成される。縦枠呑み込み凹部233には、外障子4の戸先框44が呑み込まれて配置される。
脱衣室側中空部234は、縦枠呑み込み凹部233の脱衣室側の端部から脱衣室側に延びる中空状に形成される。縦枠脱衣室側延在板部235は、脱衣室側中空部234における枠体2の左右方向の内側の端部において脱衣室側の端部から脱衣室側に延在する板状に形成される。縦枠脱衣室側延在板部235は、脱衣室側中空部234における枠体2の左右方向の内側の端部から延在しなくてもよく、脱衣室側中空部234における枠体2の左右方向の途中から延在してもよい。
本実施形態においては、浴室側中空部231、中間中空部232及び脱衣室側中空部234を中空状に形成したが、これに限定されず、ソリッド形状に形成してもよい。
図3に示すように、左右の縦枠23,24のうち、他方の縦枠24(本実施形態においては、図3における左側の縦枠24、図1における右側の縦枠24)は、見込方向に延びるように形成される。縦枠24は、浴室側中空部241と、縦枠呑み込み凹部243と、脱衣室側中空部244と、縦枠脱衣室側延在板部245と、を有する。浴室側中空部241、縦枠呑み込み凹部243、脱衣室側中空部244及び縦枠脱衣室側延在板部245は、浴室側から脱衣室側に向かってこの順に配置される。浴室側中空部241、縦枠呑み込み凹部243及び脱衣室側中空部244は、縦枠24の本体部分であり、縦枠脱衣室側延在板部245は、縦枠24における建物構造物への取付枠部分である。
浴室側中空部241は、見込方向の浴室側に配置される。浴室側中空部241は、見込方向に延びる中空状に形成される。縦枠呑み込み凹部243は、浴室側中空部241の脱衣室側に形成される。縦枠呑み込み凹部243は、左右方向の内側に向けて開放する枠状に形成される。縦枠呑み込み凹部243には、内障子3の戸先框34が呑み込まれて配置される。
脱衣室側中空部244は、縦枠呑み込み凹部243の脱衣室側の端部から脱衣室側に延びる中空状に形成される。縦枠脱衣室側延在板部245は、脱衣室側中空部244における左右方向の内側の端部において脱衣室側の端部から脱衣室側に延在する板状に形成される。縦枠脱衣室側延在板部245は、脱衣室側中空部244における枠体2の左右方向の内側の端部から延在しなくてもよく、脱衣室側中空部244における枠体2の左右方向の途中から延在してもよい。
本実施形態においては、浴室側中空部241及び脱衣室側中空部244を中空状に形成したが、これに限定されず、ソリッド形状に形成してもよい。
左右の縦枠23,24それぞれの浴室側中空部231,241の左右方向の外側の面は、中空状のスチールフレーム236,246に固定される。スチールフレーム236,246の浴室側の面には、浴室側壁パネル131,132が配置される。浴室側壁パネル131,132は、スチールフレーム236,246の浴室側の面から浴室側に延びる。
本実施形態においては、浴室側中空部231,241を、例えば、頭部が曲面状のなべネジにより、スチールフレーム236,246にネジ固定している。しかし、これに限定されず、浴室側中空部231,241を、意匠性を考慮して、例えば、頭部が平面状の皿ネジにより、スチールフレーム236,246にネジ固定してもよい。
本実施形態においては、中空状のスチールフレーム236,246を中空状に形成したが、これに限定されず、ソリッド形状に形成してもよい。
左右の縦枠23,24それぞれの縦枠脱衣室側延在板部235,245の左右方向の外側には、造作パネル141が固定される。造作パネル141は、脱衣室側中空部234,244の脱衣室側の面から、脱衣室側に所定長さ延びる。造作パネル141の脱衣室側の端部の左右方向の外側の面には、石膏ボードなどの脱衣室側壁材142が接続される。脱衣室側壁材142は、造作パネル141の左右方向の外側の面から外側に延びる。
本実施形態においては、縦枠脱衣室側延在板部235,245を、例えば、頭部が曲面状のなべネジにより、造作パネル141にネジ固定している。しかし、これに限定されず、縦枠脱衣室側延在板部235,245は、意匠性を考慮して、例えば、頭部が平面状の皿ネジにより、造作パネル141にネジ固定してもよい。
左右の縦枠23,24それぞれにおいては、浴室側において、浴室側中空部231,241は、浴室側壁パネル131,132よりも左右方向の内側に配置される。これにより、例えば、左右の縦枠23,24を取り外してメンテナンスを行うことができる。しかし、これに限定されず、左右の縦枠23,24を浴室側から見た場合に、縦枠23,24を遮蔽するように、浴室側壁パネルを配置してもよい。
左右の縦枠23,24それぞれにおいては、脱衣室側において、取付枠部分である縦枠脱衣室側延在板部235,245は、造作パネル141よりも僅かに左右方向の内側に配置され、造作パネル141よりも左右方向の外側の部分は、造作パネル141により遮蔽されている。これにより、左右の縦枠23,24は、見込方向の脱衣室側から見た場合に、造作パネル141(建物構造物)に遮蔽されている。
よって、浴室側から見た場合に、左右の縦枠23,24の浴室側中空部231,241は視認される。脱衣室側から見た場合に、左右の縦枠23,24の本体部分(浴室側中空部231、中間中空部232、縦枠呑み込み凹部233及び脱衣室側中空部234、浴室側中空部241、縦枠呑み込み凹部243及び脱衣室側中空部244)は視認されずに、左右の縦枠23,24の取付枠部分(縦枠脱衣室側延在板部235,245)は視認される。
内障子3及び外障子4は、枠体2内をスライド可能である。内障子3及び外障子4は、いずれも引き戸であり、これらを左右方向にスライドさせることで、枠体2の内側の開口部分を開放又は閉鎖する、いわゆる引き違い窓を構成する。
内障子3は、図1~図3に示すように、いずれも、細幅で長尺状の上框31、下框32及び召内框33(縦框),戸先框34(縦框)により矩形に枠組みされた框体35と、框体35内に嵌め込まれて固定されたガラスパネル36と、を含んで構成される。上框31(図2参照)及び戸先框34(図3参照)は、上枠21及び縦枠24に呑み込まれて配置されており、図1に示すように、浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見た場合においても遮蔽されている。そのため、上框31及び戸先框34は、建具1を浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見た場合においても視認されない。
外障子4は、いずれも、細幅で長尺状の上框41、下框42及び召外框43(縦框),戸先框44(縦框)により矩形に枠組みされた框体45と、框体45内に嵌め込まれて固定されたガラスパネル46と、を含んで構成される。上框41(図2参照)及び戸先框44(図3参照)は、上枠21及び縦枠23に呑み込まれて配置されており、図1に示すように、浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見た場合においても遮蔽されている。そのため、上框41及び戸先框44は、建具1を浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見た場合においても視認されない。
内障子3及び外障子4は、図2及び図3に示すように、いずれも、上框31,41、下框32,42、召内框33、召外框43及び戸先框34,44は、ガラスパネル36,46の端部が配置される呑み込み溝38,48を有して形成される。呑み込み溝38,48は、ガラスパネル36,46の端面が対向した状態で接着されるガラス対向面39,49を有する。ガラス対向面39,49とガラスパネル36,46の端面とは、接着剤により接着されて固定される。ガラス対向面39,49とガラスパネル36,46の端面とを、接着剤により固定することに限定されない。例えば、ガラス対向面39,49とガラスパネル36,46の端面とを、両面テープ等により固定してもよい。
本実施形態においては、図2に示すように、ガラスパネル36,46の上端部は、上框31,41における見込方向の中央に配置された状態で、接着剤により接着されて固定されている。ガラスパネル36の下端部は、下框32の見込方向の中央よりも浴室側に寄った位置に配置されている。ガラスパネル46の下端部は、下框42の見込方向の中央よりも脱衣室側に寄った位置に配置されている。ガラスパネル36,46の下端部の端面は、呑み込み溝38,48のガラス対向面39,49において、接着剤により接着されて固定されている。
図3に示すように、ガラスパネル36の左右方向の端部は、召内框33及び戸先框34の見込方向の中央よりも浴室側に寄った位置に配置されている。ガラスパネル36の左右方向の端部の端面は、呑み込み溝38のガラス対向面39において、接着剤により接着されて固定されている。ガラスパネル46の左右方向の端部は、召外框43及び戸先框44の見込方向の中央よりも脱衣室側に寄った位置に配置されている。ガラスパネル46の左右方向の端部の端面は、呑み込み溝48のガラス対向面49において、接着剤により接着されて固定されている。
本実施形態においては、ガラスパネル36,46の上端部を、上框31,41における見込方向の中央に配置した。ガラスパネル36,46の下端部及び左右方向の端部を、下框32,42、召内框33、召外框43及び戸先框34,44のいずれかにおいて、見込方向の中央よりも浴室側又は脱衣室側に寄った位置に配置した。しかし、これに限定されない。ガラスパネル36,46の上端部を、上框31,41において、見込方向の中央よりも浴室側又は脱衣室側に配置してもよい。ガラスパネル36,46の下端部及び左右方向の端部を、下框32,42、召内框33、召外框43及び戸先框34,44のいずれかにおいて、見込方向の中央に配置してもよいし、見込方向の中央よりも本実施形態で配置された浴室側又は脱衣室側とは反対側に寄った位置に配置してもよい。
以上のように構成される上框31,41は、全部が、図2に示すように、上枠21の内部の呑み込み部212,213に呑み込まれて配置される。上框31,41の全部は、見込方向の浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見た場合においても、上枠21に遮蔽されており、浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見ても視認されない。
以上のように構成される戸先框34,44は、全部が、図3に示すように、縦枠の内部の呑み込み凹部233,243に呑み込まれて配置される。戸先框34,44の全部は、見込方向の浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見た場合においても、縦枠23,24に遮蔽されており、浴室側及び脱衣室側のいずれの側から見ても視認されない。
次に、浴室の換気構造7について説明する。図4及び図5に示すように、浴室の換気構造7は、下枠22に設けられる。浴室の換気構造7は、下枠22を構成する下枠本体5及び下枠スロープ部材6と、第1羽根板721と、第1当て部723と、第2羽根板731と、第2当て部733と、を備える。
下枠22は、図4及び図5に示すように、見込方向において、浴室内の防水パン121と脱衣室内の脱衣室側床材122とを跨ぐように延びる。下枠スロープ部材6は、左右方向に延びる長尺状に形成され、見込方向に所定長さ延びる。下枠スロープ部材6は、見込方向において、下枠本体5の段差部53の上端から浴室側に離れて配置される。下枠スロープ部材6は、下枠本体5との間に隙間Sを有して配置される。なお、下枠本体5は、見込方向において、浴室内の防水パン121と脱衣室内の脱衣室側床材122とを跨がなくてもよい。
隙間Sは、浴室と脱衣室とを連通する換気通路71を構成する。換気通路71は、換気機構を構成し、建具1の見込方向に延びて形成される。換気通路71は、浴室側に形成される浴室側開口71aと、脱衣室側に形成される脱衣室側開口71bと、を有する。
浴室側開口71aは、換気通路71における浴室側に設けられる開口であり、浴室側において防水パン121と下枠スロープ部材6の浴室側の先端との間に形成される。脱衣室側開口71bは、換気通路71における脱衣室側に設けられる開口であり、下枠スロープ部材6の脱衣室側の端部と下枠本体5の段差部53との間に形成される。浴室の換気構造7は、換気通路71を通して、浴室を換気する。
下枠22は、段差部53の上端から浴室側に突出する突出片55を有する。突出片55は、脱衣室側開口71bの一部を塞ぐように、下枠本体5の段差部53の上端から脱衣室側開口71b側に突出する。突出片55は、下方に向けて開放するL字状に形成され、下枠本体5の段差部53の上端部から脱衣室側開口71bの一部を塞ぐように下枠スロープ部材6側に所定長さ延びる突出横片551と、突出横片551における下枠スロープ部材6側の端部から下方に所定長さ突出する突出縦片552と、を有する。突出片55は、換気通路71において、2枚の第1羽根板721及び第2羽根板731を突破して脱衣室側に流入した水を、脱衣室側開口71bから溢れないように、一定程度抑制することができる。
換気通路71には、図5に示すように、第1羽根板721及び第2羽根板731が配置される。第1羽根板721及び第2羽根板731は、換気通路71において見込方向(換気通路71が延びる方向)に離れて配置される。
第1羽根板721及び第2羽根板731は、浴室側から換気通路71に流入する水を受けて、脱衣室側に流れ込むことを低減させる。第1羽根板721及び第2羽根板731は、換気通路71の見込方向において、例えば、内障子3が配置される位置よりも浴室側に配置される。換気通路71の下部において、第1羽根板721は、浴室側の端部側に配置され、第2羽根板731は、第1羽根板721よりも脱衣室側に配置される。
第1羽根板721は、換気通路71の下部において、下枠本体5の浴室側の先端近傍に配置される回動軸722を中心に回動可能に固定される。第1羽根板721は、換気通路71を浴室側から脱衣室側に移動する水を受けた場合に、回動軸722を中心に回動可能である。
第1羽根板721は、水を受ける前の状態において、回動軸722から浴室側に直線状に延びる。第1羽根板721は、換気通路71の浴室側の浴室側開口71aから、比較的少量の水が流入した場合に、回動軸722を中心に回動して、換気通路71に流入した水を受ける部材である。比較的少量の水としては、例えば、シャワー装置(図示省略)により散水されるシャワー散水などがある。
第1羽根板721は、所定角度回動した場合に、先端の上面が第1当て部723(規制部)に当接する。第1当て部723は、第1羽根板721の上方側において下枠スロープ部材6の下面に設けられる。第1当て部723は、第1羽根板721が回動した場合に、第1羽根板721が当接して、第1羽根板721の回動角度を規制する。第1羽根板721は、シャワー散水などの比較的少量の水の流入を抑制する回動角度及び長さに設定される。第1当て部723の位置を調整することで、第1羽根板721の回動角度を設定できる。
第1羽根板721の見込方向の長さは、例えば、比較的少量の水が換気通路71を流入した場合に、少量の水でも大きな水圧を受けることができる程度に長く設定される。本実施形態においては、第1羽根板721の見込方向の長さは、第1羽根板721よりも脱衣室側に配置される第2羽根板731の見込方向の長さよりも長く形成される。第1羽根板721の回動角度及び見込方向の長さは、適宜設定される。
第1羽根板721の回動角度について、水を受ける前の第1羽根板721の初期角度a1は、水を迎え入れるという観点から、浴室側の水平面に対して、例えば0~3°であることが好ましい。第1羽根板721が水の圧力を受けて第1当て部723に当接した場合の回動角度a2は、浴室側の水平面に対して、例えば28~45°であることが好ましい。本実施形態においては、例えば、初期角度a1を0°に設定し、回動角度a2を33°に設定した。
第2羽根板731は、換気通路71の下部において、第1羽根板721よりも脱衣室側に配置される回動軸732を中心に回動可能に固定される。第2羽根板731は、換気通路71を浴室側から脱衣室側に移動する水を受けた場合に、回動軸732を中心に回動可能である。
第2羽根板731は、水を受ける前の状態において、回動軸732から浴室側に直線状に延びる。第2羽根板731は、換気通路71の浴室側の浴室側開口71aから、比較的大量の水が流入した場合に、回動軸732を中心に回動して、換気通路71に流入した水を受ける部材である。比較的多量の水としては、例えば、浴槽を満水にした状態で入浴する際に溢れ出る、溢れ水(オーバーフロー水)などがある。
第2羽根板731は、所定角度回動した場合に、先端の上面が第2当て部733(規制部)に当接する。第2当て部733は、第2羽根板731の上方側において下枠スロープ部材6の下面に設けられる。第2当て部733は、第2羽根板731が回動した場合に、第2羽根板731が当接して、第2羽根板731の回動角度を規制する。
第2羽根板731は、オーバーフロー水などの比較的多量の水の流入を抑制する回動角度及び長さに設定される。第2羽根板731の回動角度は、例えば、比較的多量の水が換気通路71を流入した場合に、多量の水の水圧を受けることができる程度に大きく設定される。本実施形態においては、第2羽根板731の回動角度は、第2羽根板731よりも浴室側に配置される第1羽根板721よりも大きく形成される。第2羽根板731の回動角度及び見込方向の長さは、適宜設定される。
第2羽根板731の回動角度について、水を受ける前の第2羽根板731の初期角度b1は、水を迎え入れるという観点から、浴室側の水平面に対して、例えば0~3°であることが好ましい。第2羽根板731が水の圧力を受けて第1当て部723に当接した場合の回動角度b2は、浴室側の水平面に対して、例えば40~90°であることが好ましい。本実施形態においては、例えば、初期角度b1を3°に設定し、回動角度b2を45°に設定した。
換気通路71における第2羽根板731よりも脱衣室側の部分は、第1羽根板721及び第2羽根板731によりせき止められなかった水を溜める水溜め部74を構成する。水溜め部74の大きさは、第1羽根板721及び第2羽根板731の見込方向の位置を調整することで、適宜設定される。
次に、浴室の換気構造7の作用について説明する。浴槽の換気構造7においては、下枠本体5と下枠スロープ部材6との間の隙間Sを換気通路71とすることで、換気通路71を通して、浴室の換気を行うことができる。浴室の換気構造7が下枠22に設けられるため、上枠21などに設けられるよりも目立ち難いため、意匠性を向上できる。
浴室の換気構造7において、換気通路71における浴室側の浴室側開口71aから、水が流入した場合には、換気通路71に配置される2つの羽根板(第1羽根板721及び第2羽根板731)により、換気通路71に流入した水を2段階の流入低減構造により受けることができるため、水の脱衣室側への流入を低減できる。
更に、第1羽根板721においては、例えば比較的少量の水が換気通路71に流入した場合に、脱衣室側への水の流入を低減することができる。第2羽根板731においては、例えば比較的多量の水が換気通路71に流入した場合に、脱衣室側への水の流入を低減することができる。これにより、換気通路71に流入する水の量が異なる場合においても、効率よく、脱衣室側に流入する水を低減できる。
そのため、浴室側の浴室側開口71aから換気通路71に流入した水が、比較的少量又は比較的多量のいずれの場合であっても、それぞれの場合に効果的な羽根板により水の流入を大きく低減できる。更に、換気通路71に沿って羽根板を2つ配置しているため、水の流入を大きく低減できる効果が高い羽根板により水の流入を低減させつつ、別の羽根板においても補助的に水の流入を低減できる。よって、効果的に、水の脱衣室側への流入を低減できる。
以上のように構成される第1実施形態の浴室の換気構造7は、以下の効果を奏する。
本実施形態の浴室の換気構造7は、下枠22を有する枠体2と、枠体2内に配置される内障子3及び外障子4と、を備える建具に設けられ、下枠22に設けられ浴室と脱衣室とを連通する換気通路71と、換気通路71に配置される第1羽根板721及び第2羽根板731と、を備える。これにより、換気機構を備えた構造において、意匠性を向上させつつ、浴室側から脱衣室側に流入する水を低減することができる。
本実施形態においては、第1羽根板721及び第2羽根板731は、換気通路71を浴室側から脱衣室側に移動する水を受けた場合に、回動軸722,732を中心に回動可能に構成され、第1羽根板721及び第2羽根板731が回動した場合に、第1羽根板721及び第2羽根板731が当接して第1羽根板721及び第2羽根板731の回動角度を規制する第1当て部723及び第2当て部733を更に備える。これにより、第1羽根板721及び第2羽根板731により換気通路71に流入した水を効率的に受け止めて、脱衣室側に流入する水を効果的に低減できる。
本実施形態においては、第1羽根板721及び第2羽根板731は、換気通路71において換気通路71が延びる方向に離れて配置される。これにより、2つの羽根板(第1羽根板721及び第2羽根板731)により、換気通路71に流入した水を2段階の流入低減構造により受けることができるため、効率よく、脱衣室側に流入する水を低減できる。換気通路71に流入する水の量が異なる場合においても、効率よく、脱衣室側に流入する水を低減できる。
本実施形態においては、下枠22は、浴室と脱衣室とを跨ぐように配置される下枠本体5と、下枠本体5との間に換気通路71を構成する隙間Sを形成して下枠本体5の上方側に配置される下枠スロープ部材6と、を有する。これにより、簡易な構成により、換気機構を備えた換気通路71を構成できる。
第2実施形態及び第3実施形態について説明する。第2実施形態及び第3実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については、適宜説明を省略又は簡略化する。第2実施形態及び第3実施形態において説明しない構成については、第1実施形態の説明を援用する。
第1実施形態において換気通路71に設けた羽根板が2つであるのに対して、第2実施形態及び第3実施形態において換気通路71に設けた羽根板が1つである点において、第2実施形態及び第3実施形態は、第1実施形態と主に異なる。
第2実施形態の浴室の換気構造7Aは、換気通路71に、1つの羽根板741を設けた実施形態である。第3実施形態の浴室の換気構造7Bは、換気通路71に、1つの羽根板751を設けた実施形態である。換気通路71は、第1実施形態と同様である。
まず、第2実施形態の浴室の換気構造7Aについて説明する。図6に示すように、第2実施形態の浴室の換気構造7Aは、第1実施形態の換気通路71に、1つの羽根板741を設けた構成である。
第2実施形態の換気通路71は、第1実施形態の換気通路71と同様の構成である。第2実施形態の換気通路71には、羽根板741が1つ設けられている。羽根板741は、第1実施形態の第2羽根板731と同様の構成である。第2実施形態の換気通路71には、第1実施形態の第1羽根板721は設けられていない。
羽根板741は、第1実施形態の第2羽根板731と同様の位置に配置され、回動軸742を中心に回動可能に固定される。羽根板741は、水を受ける前の状態において、回動軸742から浴室側に直線状に延びる。羽根板741は、換気通路71の浴室側の浴室側開口71aから、比較的大量の水が流入した場合に、回動軸742を中心に回動して、換気通路71に流入した水を受ける部材である。比較的多量の水とは、例えば、浴槽を満水にした状態で入浴する際に溢れ出る、溢れ水(オーバーフロー水)などがある。
羽根板741は、所定角度回動した場合に、先端の上面が当て部743に当接する。当て部743は、羽根板741の上方側において下枠スロープ部材6の下面に設けられる。羽根板741の回動角度及び見込方向の長さは、適宜設定される。
羽根板741の回動角度について、水を受ける前の羽根板741の初期角度c1は、水を迎え入れるという観点から、浴室側の水平面に対して、例えば0~3°であることが好ましい。羽根板741が水の圧力を受けて当て部743に当接した場合の回動角度c2は、浴室側の水平面に対して、例えば40~90°であることが好ましい。本実施形態においては、例えば、初期角度c1を3°に設定し、回動角度c2を45°に設定した。
換気通路71における羽根板741よりも脱衣室側の部分は、羽根板741によりせき止められなかった水を溜める水溜め部74Aを構成する。水溜め部74Aの大きさは、羽根板741の見込方向の位置を調整することで、適宜設定される。本実施形態においては、比較的大量の水が流入した場合に、羽根板741が換気通路71に流入した水を受け止める構成であるため、水溜め部74Aの見込方向の長さを長く構成することが好ましい。
次に、第3実施形態の浴室の換気構造7Bについて説明する。図7に示すように、第3実施形態の浴室の換気構造7Bは、第2実施形態の羽根板741に代えて、羽根板751を設けた構成である。
第3実施形態の換気通路71は、第2実施形態の換気通路71と同様の構成である。第3実施形態の換気通路71には、羽根板751が1つ設けられている。第3実施形態の羽根板751は、羽根板751の回動軸752の位置が、第2実施形態の羽根板741の回動軸742の位置よりも、脱衣室側に位置すると共に、羽根板751の見込方向の長さを、第2実施形態の羽根板741の見込方向の長さよりも長く形成している。
羽根板751は、水を受ける前の状態において、回動軸752から浴室側に直線状に延びる。羽根板751は、換気通路71の浴室側の浴室側開口71aから、比較的少量の水が流入した場合に、回動軸752を中心に回動して、換気通路71に流入した水を受ける部材である。比較的少量の水とは、例えば、シャワー装置(図示省略)により散水されるシャワー散水などがある。
羽根板751は、所定角度回動した場合に、先端の上面が当て部753に当接する。当て部753は、羽根板751の上方側において下枠スロープ部材6の下面に設けられる。羽根板751の回動角度及び見込方向の長さは、適宜設定される。
羽根板751の回動角度について、水を受ける前の羽根板751の初期角度d1は、水を迎え入れるという観点から、浴室側の水平面に対して、例えば0~3°であることが好ましい。羽根板751が水の圧力を受けて当て部753に当接した場合の回動角度d2は、浴室側の水平面に対して、例えば28~45°であることが好ましい。本実施形態においては、例えば、初期角度d1を3°に設定し、回動角度d2を33°に設定した。
換気通路71における羽根板751よりも脱衣室側の部分は、羽根板751によりせき止められなかった水を溜める水溜め部74Bを構成する。水溜め部74Bの大きさは、羽根板751の見込方向の位置を調整することで、適宜設定される。本実施形態においては、比較的少量の水が流入した場合に、羽根板751が換気通路71に流入した水を受け止める構成であるため、水溜め部74Bの見込方向の長さを、第2実施形態よりも、短く構成してもよい。
ここで、以上の第2実施形態の羽根板741及び第3実施形態の羽根板751において、同様の構成と異なる構成とについて説明する。
まず、第2実施形態の羽根板741及び第3実施形態の羽根板751において、同様の構成について主に説明する。第2実施形態の羽根板741及び第3実施形態の羽根板751の回動中心となる回動軸742,752は、いずれも同様に、軸方向に延びる回動軸である。第2実施形態の羽根板741及び第3実施形態の羽根板751は、いずれも、直線状に形成され、羽根板741,751の回動角度について、例えば、水を受ける前の羽根板741,751の初期角度c1,d1は、水を迎え入れるという観点から、浴室側の水平面に対して、僅かに角度を設けることが好ましい。本実施形態においては、水を受ける前の羽根板741,751の初期角度c1,d1は、例えば3°に設定されている。
次に、第2実施形態の羽根板741及び第3実施形態の羽根板751において、異なる構成について主に説明する。第2実施形態の羽根板741の材質は、第3実施形態の羽根板751よりも、比重が軽い材質を使用することが好ましい。第2実施形態の羽根板741の回動角度c2が、第3実施形態の羽根板751の回動角度d2よりも大きいため、第2実施形態の羽根板741は、第3実施形態の羽根板751よりも回動範囲が広い。そのため、第2実施形態の羽根板741の比重を第3実施形態の羽根板751の比重よりも軽くすることで、第2実施形態の羽根板741の浮力を第3実施形態の羽根板751の浮力よりも大きくする。これにより、第2実施形態の羽根板741は、第3実施形態の羽根板751よりも多量の水に対して効果的に回動できる。第3実施形態の羽根板751において、例えば、樹脂材料や金属材料などを用いることができる。第2実施形態の羽根板741において、比重が軽い材料として、例えば、ポリプロピレン樹脂の材料などを用いることができる。なお、第3実施形態の羽根板751の材料に樹脂材料を用いる場合に、ポリプロピレン樹脂の材料を用いることもできる。
第2実施形態の羽根板741と第3実施形態の羽根板751とを比べると、第2実施形態の羽根板741は、第3実施形態の羽根板751よりも、浴室側に配置される。これにより、第2実施形態の羽根板741の脱衣室側に形成される水溜め部74Aを、第2実施形態の羽根板751の脱衣室側に形成される水溜め部74Bよりも大きくすることができる。よって、第2実施形態の水溜め部74Aは、第3実施形態の水溜め部74Bよりも、多量の水を溜めることができる。従って、第2実施形態の水溜め部74Aを設けることにより、浴室側から脱衣室側に流入する水を効果的に低減できる。
第2実施形態及び第3実施形態によれば、意匠性を向上できる浴室の換気構造7A,7Bを備えつつ、換気通路71に水が流入した場合に、換気通路71に設けられる羽根板741,751により、浴室側から脱衣室側に流入する水を効果的に低減できる。
図6に示す第2実施形態においては、羽根板741の見込方向の長さを短く形成し、かつ、回動角度c2を大きく形成することで、比較的多量の水の流入を効果的に低減できる。
図7に示す第3実施形態においては、羽根板751の見込方向の長さを長く形成し、かつ、回動角度を小さく形成することで、比較的少量の水の流入を効果的に低減できる。
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
前記実施形態では、本開示に係る建具について、開口部を開閉する引違いの障子を備える建具として説明した。本開示は、片引きの引戸(障子)や、2枚以上の引戸(障子)を備える建具にも適用可能である。本開示は、開口部に対して弧を描いて開閉する開き戸や、折戸にも適用可能である。本開示は、引き違い窓、縦滑り出し窓、横滑り出し窓等にも適用可能である。浴室と脱衣室とを連通する開口部に設けられた建具にも限定されない。建物の内外を連通する建物開口部に設けられた建具に適用してもよい。
前記実施形態では、換気通路に羽根板を1つ又は2つ設けた。しかし、これに限定されない。換気通路に羽根板を3つ以上設けてもよい。