JP7418023B2 - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
電解コンデンサは、等価直列抵抗(ESR)が小さく、周波数特性が優れているため、様々な電子機器に搭載されている。電解コンデンサは、通常、陽極部および陰極部を備えるコンデンサ素子を備える。陽極部は、多孔質の陽極体を含み、陽極体の表面に誘電体層が形成される。誘電体層は、電解質と接触する。電解質として、導電性高分子などの固体電解質を用いた電解コンデンサがある(例えば、特許文献1)。
特開2009-182157号公報
固体電解質を用いた電解コンデンサの信頼性を高める。
本開示の一局面は、多孔質の陽極体と、前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備え、前記陽極体は、複数の主面と、角部分と、を有し、前記角部分は、前記複数の主面同士を連結する複数の辺部分および頂点部分を含み、前記角部分の少なくとも一部の表層Xは、前記表層Xに隣接する前記主面の表層Yよりも緻密である、電解コンデンサに関する。
本開示の他の局面は、多孔質の陽極体と、前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備える固体電解コンデンサを製造する方法であって、前記陽極体を準備する工程と、前記陽極体の少なくとも一部を前記誘電体層で覆う工程と、前記誘電体層の少なくとも一部を前記固体電解質層で覆う工程と、を含み、前記陽極体は、複数の主面と、前記複数の主面同士を連結する複数の辺部分および頂点部分を含む角部分と、を有し、前記陽極体を準備する工程は、前記角部分の少なくとも一部にレーザー光を照射する工程を含む、電解コンデンサの製造方法に関する。
本開示のさらに別の局面は、多孔質の陽極体と、前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備える固体電解コンデンサを製造する方法であって、前記陽極体を準備する工程と、前記陽極体の少なくとも一部を前記誘電体層で覆う工程と、前記誘電体層の少なくとも一部を前記固体電解質層で覆う工程と、を含み、前記陽極体は、複数の主面と、前記複数の主面同士を連結する辺部分および頂点部分を含む角部分と、を有し、前記陽極体を準備する工程は、前記角部分の少なくとも一部に、メディア粒子を衝突させる工程を含む、電解コンデンサの製造方法に関する。
本開示のさらに別の局面は、多孔質の陽極体と、前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備える固体電解コンデンサを製造する方法であって、前記陽極体を準備する工程と、前記陽極体の少なくとも一部を前記誘電体層で覆う工程と、前記誘電体層の少なくとも一部を前記固体電解質層で覆う工程と、を含み、前記陽極体は、複数の主面と、前記複数の主面同士を連結する辺部分および頂点部分を含む角部分と、を有し、前記陽極体を準備する工程は、前記陽極体を、振動部材とともに振動させる工程を含む、電解コンデンサの製造方法に関する。
電解コンデンサの信頼性が向上する。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成および内容の両方に関し、本発明の他の目的および特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
本発明の一実施形態に係る電解コンデンサに用いられる陽極体の形状を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電解コンデンサを模式的に示す断面図である。 レーザー光照射を行った後の陽極体の角部分の断面の電子顕微鏡写真である。
[電解コンデンサ]
本発明の一実施形態に係る電解コンデンサは、多孔質の陽極体と、陽極体の表面に形成された誘電体層と、誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備える。陽極体は複数の主面と、角部分と、を有する。角部分は、例えば、複数の主面同士を連結する複数の辺部分、および、複数の主面同士を連結する1または複数の頂点部分を含む。角部分の少なくとも一部は、曲面を有し、もしくは面取りされている。
陽極体において、辺部分および/または頂点部分の少なくとも一部に曲面を有しているか、もしくは面取りされていることで、角部分における誘電体層の損傷が抑制され、漏れ電流の小さな電解コンデンサを実現できる。よって、電解コンデンサの信頼性を高めることができる。
辺部分とは、陽極体の2つの主面が交差する辺およびその近傍の領域をいう。頂点部分とは、陽極体の3つの主面が交差する頂点およびその近傍の領域をいう。ここで、辺部分および頂点部分を、「角部分」と総称する。角部分の少なくとも一部が曲面を有し、もしくは面取りされているとは、例えば、少なくとも1つの辺部分、および/または、少なくとも1つの頂点部分が曲面を有し、もしくは面取りされていることを意味する。また、1つの辺部分の一部が曲面を有し、もしくは面取りされている場合を含む。
また、角部分の少なくとも一部が「曲面」を有するとは、角部分の断面形状が曲線である場合に限られない。例えば、角部分の断面形状は、複数の鈍角を有する折れ線であってもよい。断面形状が凸形状であり、且つ、断面形状において、一方の主面に対応する直線と、隣接する別の主面に対応する直線とが、少なくとも1つの直線および/または曲線を介して連結されている場合には、角部が曲面を有しているといえる。換言すると、角部分に「曲面」を有するとは、隣接する2つの主面に垂直な断面における角部分の断面形状において、90°以下に尖った領域を有さないことも意味する。
誘電体層は、通常、陽極体に化成処理を施し、陽極体の表面に酸化皮膜を成長させることにより形成される。したがって、化成により形成される誘電体層の性状は、化成処理前の陽極体の表面状態の影響を受ける。
陽極体は、通常、直方体の形状を有している。この場合、直方体の2つの直交する主面を連結する辺の近傍、および/または、直方体の3つの互いに直交する主面が交わる頂点の近傍(角部分)では、陽極体の表面は、微視的に見ると平坦ではなく、表面粗さが大きく、凹凸を有した形状になり易い。この状態で化成処理により誘電体層を成長させると、凹凸部分において、誘電体層に欠陥が生じ易い。誘電体層に欠陥が生じると、欠陥部分を介して固体電解質と弁作用金属との間に電流が流れる経路が生じ、漏れ電流が増加する場合がある。
また、陽極体は、多孔質であるため脆く、壊れ易い。特に陽極体の角部分は、角部分以外の部分と比べて機械的強度が低く、且つ、熱応力が集中し易い。多孔質部分が損傷することにより、多孔質部分を覆っている誘電体層が損傷する場合がある。誘電体層の損傷により、漏れ電流が増加する場合がある。
本実施形態の電解コンデンサでは、陽極体の角部分の少なくとも一部を曲面に形成しておくことで、誘電体層の化成時の欠陥を低減することができる。結果、漏れ電流を低減できる。また、機械的強度を高めることができるとともに、熱応力が緩和される。これにより、化成後の誘電体層の損傷が抑制され得る。結果、漏れ電流の増加が抑制される。
誘電体層を覆うように、固体電解質層が形成される。陽極体の角部分に曲面を有しない場合、角部分における固体電解質層の厚みが薄く形成され易い。特に、固体電解質層が導電性高分子を含み、導電性高分子を化学重合により形成する場合に、角部分において固体電解質層の厚みが薄くなり易い。しかしながら、角部分の少なくとも一部を曲面に形成しておくことで、角部分における固体電解質層の薄膜化を抑制でき、固体電解質層を均一な厚みで形成できる。これにより、電解コンデンサは、外部からの応力に対して強くなり、漏れ電流の増加およびショート不良の発生を抑えることができる。また、耐電圧が向上する。
角部分の少なくとも一部の表層Xは、表層Xに隣接する主面の表層Yよりも緻密であってもよい。表層Yは、角部分に隣接する主面の表層であり、通常、多孔質の陽極体が露出している。角部分の表層Xが緻密に形成されていることにより、角部分の機械的強度を一層高めることができる。よって、角部分を介した漏れ電流の増加の抑制効果を高めることができる。
また、角部分の少なくとも一部の表層Xが緻密に形成されている場合、緻密な表層Xは曲面でなくてもよく、もしくは面取りされた表層でなくてもよい。角部分が曲面を有しておらず、且つ面取りされていない場合であっても、角部分の表層Xが緻密に形成されていることにより、十分な機械的強度が得られる。よって、角部分を介した漏れ電流の増加は抑制され得る。しかしながら、表層Xを含む部分の少なくとも一部が曲面形状または面取り形状であると、漏れ電流を一層抑制でき、好ましい。この場合、表層Yは、表層Xの曲面形状または面取り形状を有する部分に隣接する領域であり得る。
表層Xが表層Yよりも緻密であるとは、例えば、表層Xにおける気孔率Pが、表層Yにおける気孔率Pよりも小さいことを意味する。表層Xは、例えば、気孔率Pが10%以下の部分を有していてもよい。これに対し、表層Yにおける気孔率Pは、通常、20%以上である。
表層Xおよび表層Yは、気孔率Pに対する気孔率Pの比P/Pが、例えば5以上を満たす部分を有していてもよい。P/Pは、10以上もしくは50以上であってもよい。表層Xの任意の部分と表層Yの任意の部分とが、P/Pが5以上を満たしていてもよい。
また、角部分の少なくとも一部が曲面を有する場合、曲面における曲率は、例えば、0.002(1/μm)~0.05(1/μm)であり、より好ましくは、0.005(1/μm)~0.02(1/μm)である。
なお、曲率および気孔率は、所定の領域における陽極体の断面写真を画像解析することにより求められる。断面の電子顕微鏡写真において、表層X内の任意の領域Aにおける空隙部分の面積を求め、空隙部分の面積の領域Aに対する比率を気孔率Pとする。同様に、表層Y内の任意の領域Bにおける空隙部分の面積を求め、空隙部分の面積の領域Bに対する比率を気孔率Pとする。
曲面を有する角部分は、曲面を形成した型を用いて陽極体を加圧成型することにより形成してもよいし、陽極体の角部分の一部を除去することにより形成してもよい。しかしながら、角部分にレーザー光を照射することにより、曲面を形成し、および/または、角部分の表層を緻密に形成することができる。レーザー光の照射により、角部分の表層Xが溶融する。レーザー光照射後の表層Xは、陽極体の多孔質部分が溶融して形成された溶融層であり、多孔質な表層Yよりも緻密に形成され得る。レーザー光照射により形成された表層Xの気孔率Pは、極めて小さく、例えば、1%以下であり得る。
あるいは、陽極体をふるいやメディア粒子などの振動部材の上に置き、振動部材を振動させることにより、角部分を曲面に形成してもよい。この場合、振動により陽極体の角部分が振動部材と衝突し、衝突により角部分が圧縮されるとともに、角部分が曲面形状に形成され得る。これにより、角部分の表層Xを、多孔質が維持される主面の表層Yよりも緻密(高密度)に形成することができる。
角部分のうち、曲面形状または面取り形状を有する部分は、例えば、20μm~500μmの曲率半径Rを有する部分を含み、さらに好ましくは、50μm~200μmの曲率半径Rを有する部分を含む。ここで、角部分の曲率半径は、陽極体をある主面の側から写真撮影し、得られた角部(頂点)近傍の輪郭形状を画像解析することにより算出される。陽極体の輪郭線において、曲面が形成された領域(面取り部分)と曲面が形成されていない(面取りされていない)辺部分との境界から、曲面形成前(面取り前)における頂点位置(辺部分と辺部分との交点の位置)までの距離を求め、曲率半径Rとみなす。陽極体の各辺部分のそれぞれについて曲率半径Rを求め、平均値を算出することもできる。例えば陽極体が略直方体の場合、12個の辺部分の両端で曲率半径Rを求め、計24個の曲率半径Rの平均値を求める。振動部材を用いることで、上記範囲の曲率半径Rの平均値を有する陽極体が容易に得られる。
陽極体の角部分において、曲面形状または面取り形状を有する部分は、上記曲率半径Rが互いに異なる部分を含み得る。その場合、陽極体における複数の角部分の曲率半径Rのばらつきは、例えば350μm以下、さらに好ましくは、150μm以下であり得る。曲率半径Rのばらつきは、上記方法で算出された角部の曲率半径Rの最大値と最小値との差(陽極体が略直方体の場合、算出された24個の曲率半径のうち最大値と最小値との差)である。
図1は、本実施形態の電解コンデンサに用いられる陽極体の一例を示す模式的な斜視図である。図1に示すように、陽極体1は、略直方体の形状を有し、6つの主面101A~101Fが露出している。なお、101D~101Fは、紙面から隠れた位置にあるため、図示されていない。
主面101A~101Fにおいて、隣接する2つの主面同士が交差する辺の近傍には、辺部分の角を取ることにより、接続面が形成されている。図1の例では、主面101Aと101Bとの間に接続面102Cが介在し、主面101Bと101Cとの間に接続面102Aが介在し、主面101Bと101Cとの間に接続面102Aが介在している。また、3つの主面が交わる頂点の近傍には、頂点部分の角を取ることにより、第2の接続面が形成されている。図1の例では、主面101A~101Cが交わる頂点部分に、第2の接続面103Aを有する。第2の接続面103Aは、接続面102A~102C同士を相互に接続している。接続面102A~102Cおよび第2の接続面103Aは、丸みを帯びた曲面に加工されている。接続面102A~102Cおよび第2の接続面103Aは、曲面であってもよく、一または複数の平面で(例えば、角部分が面取りされて)構成されていてもよい。
このように、尖った部分が除去された形状を陽極体1が有していることにより、陽極体1の表面に欠陥の少ない誘電体層を形成することができる。結果、漏れ電流を低減できる。また、陽極体の機械的強度が高められ、熱応力の集中が緩和される。結果、誘電体層の損傷が抑制され、誘電体層の損傷による漏れ電流の増加が抑制され、漏れ電流を小さく維持できる。
接続面102A~102Cおよび/または第2の接続面103Aの表層は、多孔質である主面101A~101Fの表層よりも緻密に形成されていてもよい。すなわち、接続面102A~102Cおよび/または第2の接続面103Aの表層における気孔率Pは、主面101A~101Fの表層における気孔率Pよりも小さくてもよい。この場合、陽極体の角部分における機械的強度を一層高めることができる。
陽極体1の主面101Bから、陽極ワイヤ2が延出している。陽極体1および陽極ワイヤ2は、陽極部6を構成する。
以下、本実施形態に係る電解コンデンサの構成について、適宜図面を参照しながら説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。図2は、本実施形態に係る電解コンデンサの断面模式図である。
電解コンデンサ20は、陽極部6および陰極部7を有するコンデンサ素子10と、コンデンサ素子10を封止する外装体11と、陽極部6と電気的に接続し、かつ、外装体11から一部が露出する陽極リード端子13と、陰極部7と電気的に接続し、かつ、外装体11から一部が露出する陰極リード端子14と、を備えている。陽極部6は、陽極体1と陽極ワイヤ2とを有する。陽極体の表面に誘電体層3が形成されている。陰極部7は、誘電体層3の少なくとも一部を覆う固体電解質層4と、固体電解質層4の表面を覆う陰極層5とを有する。
<コンデンサ素子>
以下、コンデンサ素子10について、電解質として固体電解質層を備える場合を例に挙げて、詳細に説明する。
陽極部6は、陽極体1と、陽極体1の一面から延出して陽極リード端子13と電気的に接続する陽極ワイヤ2と、を有する。
陽極体1は、例えば、金属粒子を焼結して得られる直方体の多孔質焼結体である。上記金属粒子として、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)などの弁作用金属の粒子が用いられる。陽極体1には、1種または2種以上の金属粒子が用いられる。金属粒子は、2種以上の金属からなる合金であってもよい。例えば、弁作用金属と、ケイ素、バナジウム、ホウ素等とを含む合金を用いることができる。また、弁作用金属と窒素等の典型元素とを含む化合物を用いてもよい。弁作用金属の合金は、弁作用金属を主成分とし、例えば、弁作用金属を50原子%以上含む。
陽極ワイヤ2は、導電性材料から構成されている。陽極ワイヤ2の材料は特に限定されず、例えば、上記弁作用金属の他、銅、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。陽極体1および陽極ワイヤ2を構成する材料は、同種であってもよいし、異種であってもよい。陽極ワイヤ2は、陽極体1の一面から陽極体1の内部へ埋設された第一部分2aと、陽極体1の上記一面から延出した第二部分2bと、を有する。陽極ワイヤ2の断面形状は特に限定されず、円形、トラック形(互いに平行な直線とこれら直線の端部同士を繋ぐ2本の曲線とからなる形状)、楕円形、矩形、多角形等が挙げられる。
陽極部6は、例えば、第一部分2aを上記金属粒子の粉体中に埋め込んだ状態で直方体状に加圧成形し、焼結することにより作製される。これにより、陽極体1の一面から、陽極ワイヤ2の第二部分2bが植立するように引き出される。第二部分2bは、溶接等により、陽極リード端子13と接合されて、陽極ワイヤ2と陽極リード端子13とが電気的に接続する。溶接の方法は特に限定されず、抵抗溶接、レーザー溶接等が挙げられる。その後、直方体の角部分に曲面を形成する加工が施され得る。
陽極体1の表面には、誘電体層3が形成されている。誘電体層3は、例えば、金属酸化物から構成されている。陽極体1の表面に金属酸化物を含む層を形成する方法として、例えば、化成液中に陽極体1を浸漬して陽極体1の表面を陽極酸化する方法や、陽極体1を、酸素を含む雰囲気下で加熱する方法が挙げられる。誘電体層3は、上記金属酸化物を含む層に限定されず、絶縁性を有していればよい。
(陰極部)
陰極部7は、固体電解質層4と、固体電解質層4を覆う陰極層5とを有している。固体電解質層4は、誘電体層3の少なくとも一部を覆うように形成されている。
固体電解質層4には、例えば、マンガン化合物や導電性高分子が用いられる。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。また、導電性高分子は、2種以上のモノマーの共重合体でもよい。導電性に優れる点で、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールであってもよい。特に、撥水性に優れる点で、ポリピロールであってもよい。
上記導電性高分子を含む固体電解質層4は、例えば、原料モノマーを誘電体層3上で重合することにより、形成される。あるいは、上記導電性高分子を含んだ液を誘電体層3に塗布することにより形成される。固体電解質層4は、1層または2層以上の固体電解質層から構成されている。固体電解質層4が2層以上から構成されている場合、各層に用いられる導電性高分子の組成や形成方法(重合方法)等は異なっていてもよい。
なお、本明細書では、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどは、それぞれ、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどを基本骨格とする高分子を意味する。したがって、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどには、それぞれの誘導体も含まれ得る。例えば、ポリチオフェンには、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)などが含まれる。
導電性高分子を形成するための重合液、導電性高分子の溶液または分散液には、導電性高分子の導電性を向上させるために、様々なドーパントを添加してもよい。ドーパントは、特に限定されないが、例えば、ナフタレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸などが挙げられる。
導電性高分子が、粒子の状態で分散媒に分散している場合、その粒子の平均粒径D50は、例えば0.01μm以上、0.5μm以下である。粒子の平均粒径D50がこの範囲であれば、陽極体1の内部にまで粒子が侵入し易くなる。
陰極層5は、例えば、固体電解質層4を覆うように形成されたカーボン層5aと、カーボン層5aの表面に形成された金属ペースト層5bと、を有している。カーボン層5aは、黒鉛等の導電性炭素材料と樹脂を含む。金属ペースト層5bは、例えば、金属粒子(例えば、銀)と樹脂とを含む。なお、陰極層5の構成は、この構成に限定されない。陰極層5の構成は、集電機能を有する構成であればよい。
<陽極リード端子>
陽極リード端子13は、陽極ワイヤ2の第二部分2bを介して、陽極体1と電気的に接続している。陽極リード端子13の材質は、電気化学的および化学的に安定であり、導電性を有するものであれば特に限定されない。陽極リード端子13は、例えば銅等の金属であってもよいし、非金属であってもよい。その形状は平板状であれば、特に限定されない。陽極リード端子13の厚み(陽極リード端子13の主面間の距離)は、低背化の観点から、25μm以上、200μm以下であってよく、25μm以上、100μm以下であってよい。
陽極リード端子13の一端は、導電性接着材やはんだにより、陽極ワイヤ2に接合されてもよいし、抵抗溶接やレーザ溶接により、陽極ワイヤ2に接合されてもよい。陽極リード端子13の他方の端部は、外装体11の外部へと導出されて、外装体11から露出している。導電性接着材は、例えば後述する熱硬化性樹脂と炭素粒子や金属粒子との混合物である。
<陰極リード端子>
陰極リード端子14は、接合部14aにおいて陰極部7と電気的に接続している。接合部14aは、陰極層5と陰極層5に接合された陰極リード端子14とを、陰極層5の法線方向からみたとき、陰極リード端子14の陰極層5に重複する部分である。
陰極リード端子14は、例えば、導電性接着材8を介して、陰極層5に接合される。陰極リード端子14の一方の端部は、例えば接合部14aの一部を構成しており、外装体11の内部に配置される。陰極リード端子14の他方の端部は、外部へと導出されている。そのため、陰極リード端子14の他方の端部を含む一部は、外装体11から露出している。
陰極リード端子14の材質も、電気化学的および化学的に安定であり、導電性を有するものであれば、特に限定されない。陰極リード端子14は、例えば銅等の金属であってもよいし、非金属であってもよい。その形状も特に限定されず、例えば、長尺かつ平板状である。陰極リード端子14の厚みは、低背化の観点から、25μm以上200μm以下であってもよく、25μm以上100μm以下であってもよい。
<外装体>
外装体11は、陽極リード端子13と陰極リード端子14とを電気的に絶縁するために設けられており、絶縁性の材料(外装体材料)から構成されている。外装体材料は、例えば、熱硬化性樹脂を含む。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、不飽和ポリエステル等が挙げられる。
≪電解コンデンサの製造方法≫
以下に、本実施形態に係る電解コンデンサの製造方法の一例を説明する。
電解コンデンサの製造方法は、多孔質の陽極体と、陽極体の表面に形成された誘電体層と、誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備える固体電解コンデンサを製造する方法であって、陽極体を準備する工程と、陽極体の少なくとも一部を誘電体層で覆う工程と、誘電体層の少なくとも一部を固体電解質層で覆う工程と、を含み、陽極体は、複数の主面と、複数の主面同士を連結する複数の辺部分および頂点部分を含む角部分と、を有し、陽極体を準備する工程は、角部分の少なくとも一部に曲面を形成し、もしくは角部分の少なくとも一部を面取りする工程を有する。
(1)陽極体の準備工程
陽極体1としては、多孔質焼結体を用いることができる。弁作用金属粒子と陽極ワイヤ2とを、第一部分2aが弁作用金属粒子に埋め込まれるように型に入れ、加圧成形した後、焼結することにより、弁作用金属の多孔体である陽極体1を含む陽極部6を得る。陽極ワイヤの第一部分2aは、多孔質焼結体の一面からその内部に埋設されている。加圧成形の際の圧力は特に限定されない。焼結は、減圧下で行なうことが好ましい。弁作用金属粒子には、必要に応じて、ポリアクリルカーボネート等のバインダを混合してもよい。
弁作用金属粒子は、通常、直方体の内部空間を有する型を用いて加圧成形され、焼結される。この場合、焼結後の陽極体1の形状も直方体であり、複数の主面を有している。この場合、複数の主面同士が直接連結して、辺および頂点が形成されており、複数の主面同士を連結する辺部分および/または頂点部分である角部分の先端部が尖った状態である。
先端部が尖った状態の陽極体に対して、角部分の少なくとも一部に曲面を形成する加工もしくは角部分の少なくとも一部を面取りする加工が行われ得る。これにより、先端部の角が取られ、例えば丸みを帯びた形状に加工され得る。角部分に曲面を形成する加工は、例えば、角部分の一部を削り取ることにより、先端部を除去することで行うことができる。
角部分の少なくとも一部に曲面を形成し、もしくは角部分の少なくとも一部を面取りする加工工程において、角部分の少なくとも一部を高密度に形成してもよい。例えば、角部分にレーザ光を照射することにより、角部分が曲面に形成されるとともに、角部分の少なくとも一部が高密度に形成され得る。あるいは、陽極体を振動部材とともに振動させてもよい。振動に伴い、陽極体の特に角部分が振動部材と衝突し、角部分が圧縮されることにより曲面が形成されるとともに、角部分の少なくとも一部が高密度に形成され得る。
角部分にレーザー光を照射することにより、角部分に曲面を形成してもよい。角部分へのレーザー光照射により、角部分が溶融し、先端部が尖った形状から曲面を有する形状に変化し得る。溶融後に形成される溶融層は、陽極体の多孔質部分よりも緻密であり、気孔度が極めて小さい。よって、角部分の機械的強度を顕著に高めることができ、角部分における誘電体層の損傷の抑制効果が大きい。溶融層の厚みは、例えば、1μm~100μmであればよい。
レーザー照射に用いるレーザーは、限定されるものではないが、例えばYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザー(波長1064nm)を用いることができる。
固体電解質層の形成時において、陽極体の細孔内に存在する空気が抜け易くなる観点から、レーザー光照射は、角部分に対して行い、角部分に隣接する陽極体の主面には実質的にレーザー光が照射されないことが好ましい。なお、上記記載は主面上の大部分の領域にはレーザー光が照射されないという意味であり、主面の一部領域(例えば、角部分に隣接する主面上の領域)にレーザ光が照射される場合を排除するものではない。
レーザー光の照射は、焼結後の陽極体に対して行ってもよく、焼結前の加圧成形した弁作用金属粒子に対して行ってもよい。しかしながら、焼結後の体積収縮に伴う変形を考慮すると、焼結後の陽極体にレーザー光を照射することが好ましい。
陽極体を振動部材とともに振動させる場合、例えば、先端部の除去は、例えば、篩(ふるい)あるいは鑢などの表面に凹凸を有する台座(振動部材)の上に陽極体を載せ、台座を上下方向および/または左右方向に振動させることで行ってもよい。台座の振動に伴い、陽極体が台座の上で飛び跳ねながら転がり移動する。これに伴い、角部分の先端部の一部が削り取られ、角部分に曲面が形成される。しかしながら、先端部の大半は、削り取られることなく、圧縮された状態で角部分の表層に残存し得る。この結果、曲面を有する角部分の表層が高密度に形成され得る。台座は、先端部が削り取られた残渣が下方に落下して除去し易く、また、静摩擦係数が適度に小さく、陽極体を転がり移動させ易い点で、篩を用いてもよい。篩の目開きは、陽極体が篩の開口を通過して落下しないように陽極体の外径の最小値未満であればよい。篩の目開きは、1mm以上であってもよく、2mm以上3.4mm以下であってもよい。目開きが1mm以上であると、角部分における曲率半径Rのばらつきを一定値以下に低減し易い。
陽極体をメディア粒子の上に置いた状態で、メディア粒子に外力を作用させることで陽極体をメディア粒子とともに振動させてもよい。例えば、陽極体をメディア粒子と混合し、陽極体をメディア粒子とともに振とう機に投入し、振とう機を稼働させてもよい。振とう機は、水平方向のほか、垂直方向の振動を加えることができるものが好ましい。メディア粒子は、アルミナ粒子、ジルコニア粒子などを用いることができる。メディア粒子の粒径(平均粒径)は、例えば、0.1mm~3mmであり、0.5mm~2mmであってもよい。
陽極体とともに振とう機に投入されたメディア粒子は、振とう機の稼働によって振動し、陽極体と衝突する。陽極体の角部分は機械的強度が低いため衝突による変形を受け易く、角部分の多孔質部がつぶれ、圧縮され易い。よって、角部分の表層を高密度に形成することができる。
メディア粒子の密度は、陽極体の密度(真密度)の0.15~0.4倍であってもよい。メディア粒子の密度が上記範囲である場合、メディア粒子の衝突によるエネルギーが効率的に角部分の圧縮変形に利用され得る。また、衝突により角部分が削り取られる割合を低減することができる。
陽極体とメディア粒子とを混合した状態でメディア粒子を振動させる方法では、陽極体を載置した篩を振動させる方法と比べて、より短い時間で角部分に曲面を形成し、または面取りすることができる。よって、角部分における曲率半径Rのばらつきが低減され易い。
振動部材を用いて角部分の曲面形成または面取りを行う場合、角部分の曲面形成または面取りは、焼結により機械的強度が高まり、角部分が圧縮され難くなることから、焼結前の多孔体に対して行うことが好ましい。
予め角が取られた型を用いて、弁作用金属粒子を加圧成形し、焼結することにより、角部分に曲面が形成された陽極体を得てもよい。
(2)誘電体層の形成工程
次に、陽極体1を化成処理し、陽極体1の少なくとも一部を誘電体層3で覆う。具体的には、電解水溶液(例えば、リン酸水溶液)が満たされた化成槽に、陽極体1を浸漬し、陽極ワイヤ2の第二部分2bを化成槽の陽極体に接続して、陽極酸化を行うことにより、多孔質部分の表面に弁作用金属の酸化被膜からなる誘電体層3を形成することができる。電解水溶液としては、リン酸水溶液に限らず、硝酸、酢酸、硫酸などを用いることができる。
(3)固体電解質層の形成工程
続いて、誘電体層3の少なくとも一部を固体電解質層4で覆う。これにより、陽極体1、誘電体層3、および固体電解質層4を含むコンデンサ素子10を得る。
導電性高分子を含む固体電解質層4は、例えば、誘電体層3が形成された陽極体1に、モノマーやオリゴマーを含浸させ、その後、化学重合や電解重合によりモノマーやオリゴマーを重合させる方法、あるいは、誘電体層3が形成された陽極体1に、導電性高分子の溶液または分散液を含浸し、乾燥させることにより、誘電体層3の少なくとも一部に形成される。
固体電解質層4は、例えば、誘電体層3が形成された陽極体1を、導電性高分子とバインダと分散媒とを含む分散液に含浸し、取り出して、乾燥させることにより形成され得る。分散液には、バインダ、および/または導電性の無機粒子(例えば、カーボンブラックなどの導電性炭素材料)が含まれていてもよい。また、導電性高分子には、ドーパントが含まれていてもよい。導電性高分子およびドーパントとしては、それぞれ、固体電解質層4について例示したものから選択すればよい。バインダは、公知のものを利用できる。分散液は、固体電解質層を形成する際に使用される公知の添加剤を含んでもよい。
続いて、固体電解質層4の表面に、カーボンペーストおよび金属ペーストを順次、塗布することにより、カーボン層5aと金属ペースト層5bとで構成される陰極層5を形成する。陰極層5の構成は、これに限られず、集電機能を有する構成であればよい。
次に、陽極リード端子13と陰極リード端子14とを準備する。陽極体1から植立する陽極ワイヤ2の第二部分2bを、レーザー溶接や抵抗溶接などにより、陽極リード端子13と接合する。また、陰極層5に導電性接着材8を塗布した後、陰極リード端子14を、導電性接着材8を介して陰極部7に接合する。
続いて、コンデンサ素子10および外装体11の材料(例えば、未硬化の熱硬化性樹脂およびフィラー)を金型に収容し、トランスファー成型法、圧縮成型法等により、コンデンサ素子10を封止する。このとき、陽極リード端子13および陰極リード端子14の一部を金型から露出させる。成型の条件は特に限定されず、使用される熱硬化性樹脂の硬化温度等を考慮して、適宜、時間および温度条件を設定すればよい。
最後に、陽極リード端子13および陰極リード端子14の露出部分を、外装体11に沿って折り曲げ、屈曲部を形成する。これにより、陽極リード端子13および陰極リード端子14の一部が外装体11の搭載面に配置される。
以上の方法により、電解コンデンサ20が製造される。
図3は、レーザー光照射を行った後の陽極体の角部分の断面の電子顕微鏡写真を示す。図3において、白色の部分に弁作用金属(Ta)が存在し、黒色部分は空隙である。角部分は曲面を有し、且つ、曲面を有する角部分の表層Xが緻密に形成されていることが分かる。一方、表層Xの内部は、多孔質の状態を維持している。
本発明は、電解コンデンサに利用可能であり、好適には、多孔体を陽極体に用いる電解コンデンサに利用することができる。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形および改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、すべての変形および改変を包含する、と解釈されるべきものである。
20:電解コンデンサ
10:コンデンサ素子
1:陽極体
2:陽極ワイヤ
2a:第一部分
2b:第二部分
3:誘電体層
4:固体電解質層
5:陰極層
5a:カーボン層
5b:金属ペースト層
6:陽極部
7:陰極部
8:導電性接着材
11:外装体
13:陽極リード端子
14:陰極リード端子
14a:接合部
101A~101C:陽極体の主面
102A~102C:接続面
103A:第2の接続面

Claims (6)

  1. 多孔質の陽極体と、前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備える固体電解コンデンサを製造する方法であって、
    前記陽極体を準備する工程と、
    前記陽極体の少なくとも一部を前記誘電体層で覆う工程と、
    前記誘電体層の少なくとも一部を前記固体電解質層で覆う工程と、を含み、
    前記陽極体は、複数の主面と、前記複数の主面同士を連結する辺部分および頂点部分を含む角部分と、を有し、
    前記陽極体を準備する工程は、
    弁作用金属粒子およびバインダを含み、複数の主面と、前記複数の主面同士を連結する辺部分および頂点部分を含む角部分と、を有する成形体を作製する第1準備工程と、
    前記成形体の前記角部分の少なくとも一部に、メディア粒子を衝突させる第2準備工程と、
    前記第2準備工程を経た前記成形体を焼結する第3準備工程と、を含む、電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記メディア粒子の平均粒径は、0.1mm~3mmである、請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
  3. 多孔質の陽極体と、前記陽極体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、を含むコンデンサ素子を備える固体電解コンデンサを製造する方法であって、
    前記陽極体を準備する工程と、
    前記陽極体の少なくとも一部を前記誘電体層で覆う工程と、
    前記誘電体層の少なくとも一部を前記固体電解質層で覆う工程と、を含み、
    前記陽極体は、複数の主面と、前記複数の主面同士を連結する辺部分および頂点部分を含む角部分と、を有し、
    前記陽極体を準備する工程は、
    弁作用金属粒子およびバインダを含み、複数の主面と、前記複数の主面同士を連結する辺部分および頂点部分を含む角部分と、を有する成形体を作製する第1準備工程と、
    前記成形体を、振動部材とともに振動させて、前記成形体の前記角部分の少なくとも一部を圧縮する第2準備工程と、
    前記第2準備工程を経た前記成形体を焼結する第3準備工程と、を含む、電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記第2準備工程において、前記成形体の前記角部分の少なくとも一部に、メディア粒子を衝突させる、請求項3に記載の電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記メディア粒子の平均粒径は、0.1mm~3mmである、請求項4に記載の電解コンデンサの製造方法。
  6. 前記振動部材は、篩または鑢であり、
    前記第2準備工程では、前記成形体を載置した前記振動部材を振動させる、請求項3~5のいずれか1項に記載の電解コンデンサの製造方法。
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