JP7415023B2 - 空調システム - Google Patents

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Description

本開示は空調システムに関するものである。
特許文献1に、天井の高さと、天井に付随する照明や鴨居の存在を検知し、照明や鴨居を避けるように気流を制御することで室内を効率よく空調する空気調和機が記載されている。
特開2012-52680号公報
ところで、近年は室内の解放感の向上や、採光用の窓の設置を目的として、天井面のうち一部を高くした高天井を設けるケースが多くなりつつある。このような室内では、冬季に暖房を行っても暖かい空気が高天井付近に集中してしまい、人が生活する空間が思うように暖まらないことがある。結果、人の快適性の低下や、エネルギーの無駄といった課題が生じる。上記課題を解決するためには、高天井の有無と位置を検知し、高天井付近に暖かい空気が集中したときに、それを人が生活する空間に導くことが必要になる。しかしながら特許文献1に記載された空気調和機においては、天井面に付随する照明や鴨居を検出し、それらの障害物をよける気流を発生させることが可能であるものの、高天井を検出し、高天井付近と人が生活する空間で温度差が生じた場合の空調方法は考慮していない。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、天井の一部が高くなっている高天井を設けた室内において、高天井が存在することを確実に検知し、さらに高天井空間と人が生活する空間で温度差が発生したときに、上記温度差を解消できる空調システムを提案するものである。
本開示に係る空調システムは、室内機と、室内に高さが異なる複数の天井が存在する場合に、複数の天井のうち最も低い天井より高い位置の高天井空間を検知する高天井検知手段と、床を検知する床検知手段と、高天井空間及び床の表面温度を計測する温度計測手段と、温度計測手段が検知した、高天井空間の温度と床の表面温度の温度差を算出する温度差算出手段と、温度差算出手段が算出した温度差が、第1閾値未満の場合あらかじめ定められた運転条件に従って第1気流を発生させ、温度差が第1閾値以上の場合、少なくとも第1気流より温度が低いか、あるいは、上下方向の速度成分が大きい第2気流を生成する制御を行う制御手段と、を備える。
本開示の空調システムは、室内に高天井が存在していることを検知し、さらに高天井付近の空気温度と床付近の空気温度に差が生じたときに、高天井付近の空気と床付近の空気とを混合させることで、上記温度差を解消する。これにより、室内の人の快適性の向上や省エネが達成される。
実施の形態1の空調システムの構成を示す図である。 実施の形態1の室内機が設置された室内の図である。 実施の形態1の室内機の構造を示す図である 実施の形態1の風向調整手段の機能を示す図である。 実施の形態1の距離計測手段の構造を示す図である。 実施の形態1の制御手段の構成を示す図である。 実施の形態1の距離計測手段の計測結果を示す図である。 実施の形態1の空調システムの動作例を示すフローチャートである。 実施の形態1の温度差低減モードの実施条件を示す図である。 実施の形態1の温度差低減モードの実施条件の詳細を示す図である。 実施の形態1の運転モードの制御対象と変更値を示す図である。 実施の形態1の温度差低減モードの機能を示す図である。 実施の形態1の温度差低減モードの別の機能を示す図である。 実施の形態2の制御手段の構成を示す図である。 実施の形態2の空調システムの動作例を示すフローチャートである。 実施の形態2の運転モードの制御対象と変更値を示す図である。 実施の形態3の制御手段の構成を示す図である。 実施の形態3の空調システムの動作例を示すフローチャートである。
以下、添付の図面を参照して、本開示を実施するための形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示し、当該部分の重複する説明は適宜簡略化または省略する。なお本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、以下の各実施の形態の構成の種々の変形が含まれ得る。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における空調システム1000の構成を示す図である。空調システム1000は、所謂セパレートタイプのヒートポンプ式空調システムである。図1に示すように空調システム1000は、室内機100と、室外機101と、人が操作を行うための端末70を有する。室内機100と室外機101とは銅管などの配管で接続され、冷媒回路を構成する。冷媒回路内には例えばR32(ジフルオロメタン)などのHFC(Hydro Fluoro Carbons)冷媒やR290(プロパン)などの自然冷媒が循環している。本実施の形態では、冷媒回路内に流れる冷媒の種類は特に限定しない。以下では空調システム1000の各構成要素の構造及び機能について、高天井空間300の空気温度と床206付近の空気温度とに差が生じやすい暖房運転を中心に説明する。
室外機101は、冷媒を圧縮する圧縮機1と、外気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器2と、室外熱交換器2に外気を送る室外送風手段3と、開度可変の膨張弁4と、を有する。圧縮機1と室外熱交換器2、及び室外熱交換器2と膨張弁4とは銅管などで接続される。また室外機101は、制御手段50を有する。制御手段50は後述するように高天井検知手段51、床検知手段52、温度差算出手段53、記憶手段54、及び運転制御手段55を有する。
室内機100は、室内の空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器5と、室内熱交換器5に室内の空気を送る室内送風手段6と、室内機から吹き出される気流の方向を調整する風向調整手段7と、を有する。室内熱交換器5は銅管などで室外機101の圧縮機1及び膨張弁4と接続される。また室内機100には室内の測距を行う距離計測手段10と、室内の温度分布を計測する温度計測手段11と、室内機100に吸い込まれる空気の温度を計測する吸い込み温度計測手段12と、を有する。なお、室内送風手段6、風向調整手段7、距離計測手段10、温度計測手段11、及び吸い込み温度計測手段12は制御手段50で制御される。
圧縮機1は、例えばスクロール圧縮機、ロータリー圧縮機、その他の方式で冷媒を圧縮する装置である。圧縮機1は流入した低圧の冷媒蒸気を圧縮して、高温高圧の冷媒蒸気を吐出する。圧縮機1が吐出した冷媒蒸気は室内機100の室内熱交換器5に流入する。
室内熱交換器5では、室内の空気と冷媒との間で熱交換が行われる。暖房運転時、室内熱交換器5は凝縮器として機能し、流入した高温高圧の冷媒蒸気は凝縮し高圧の液冷媒に変化する。室内熱交換器5から流出した液冷媒は膨張弁4に流入する。
膨張弁4は、開度を連続的に変更可能な減圧装置である。膨張弁4は、室内熱交換器5から流入した液冷媒を減圧し、低圧低温の蒸気-液の二相冷媒に変化させる。膨張弁4から流出した二相冷媒は室外熱交換器2に流入する。
室外熱交換器2では、外気と冷媒との間で熱交換が行われる。暖房運転時、室外熱交換器2は蒸発器として機能し、流入した低温低圧の二相冷媒は蒸発して低圧の冷媒蒸気に変化する。室外熱交換器2から流出した冷媒蒸気は圧縮機1に流入する。
圧縮機1では、流入した低圧の冷媒蒸気を再び高温高圧の冷媒蒸気とし室内熱交換器5に吐出する。このようにして、室内機100と室外機101の間を冷媒が循環する。つまり、空調システム1000において暖房運転が実行されるとき、冷媒は圧縮機1、室内熱交換器5、膨張弁4、室外熱交換器2の順に通過して循環する。
室外送風手段3は、例えばプロペラファンである。室外送風手段3は、室外熱交換器2の近傍に配置される。室外送風手段2が動作することで、外気が室外機101に吸い込まれ、室外熱交換器2を通過した後、室外機101から吹き出される。
端末70は、人が空調システム1000を操作するための遠隔操作端末である。端末70は、リモコン、スマートフォン、ウェアラブル端末、あるいはスマートスピーカーなどである。端末70は、人から入力された目標温度、風向設定、時間予約などを受け付けて、空調システム1000を制御するための信号を運転制御部55に送信する。
図2(a)、(b)は室内機100が設置された空調対象の室内の例を表す図である。図2(a)、(b)は同一の形状の室内であり、壁200、202、204及び205と、天井201及び203と、床206とに囲まれた空間である。ここで天井201と天井203とは高さが異なり、天井201の方が天井203より低い。また線207は天井201を水平に延長してなる延長線である。本実施の形態では、壁202、天井203、壁204及び線207とで囲まれる空間を高天井空間300と規定する。高天井空間300は実際に人が生活する空間でなく、室内の解放感を向上させたり、採光用の窓を設置するための空間である。高天井空間300は人が生活する空間でないため空調を行う必要はない。しかしながら、空調システム1000を暖房運転で動作させた場合、暖かく密度の小さい空気が高天井空間300に滞留する傾向がある。また、壁200、天井201、線207、壁205、及び床206で囲まれる空間を生活空間301と規定する。
図2(a)において室内機100は壁200に設置されている。また点線L30及びL40は、後述する距離計測手段10の上下方向の角度を、上方向に30度及び40度にした場合の超音波の到達経路を示す線である。同様に点線Lー60、Lー30及びL―20は、後述する距離計測手段10の上下方向の角度を、下方向に60度、30度及び20度にした場合の超音波の到達経路を示す線である。
また本開示においては室内機100の設置位置は特に限定しない。室内機100は、図2(a)では壁200に設置されているが、図2(b)のように壁205に設置されていてもよい。この場合、図2(a)と図2(b)に示す例では、高天井空間300と室内機100の相対的な位置が異なる。さら室内機100はに図2(c)のように、壁面に埋め込まれる壁埋ビルトイン型であってもよく、床206上に置かれる床置き型であってもよい。なお、壁埋ビルトイン型や、床置き型の室内機では、吹き出し口が室内機の筐体の正面にある場合も多く、さらに室内機の吹き出し口から上方向に気流を吹き出すことができる場合もある。このような場合でも、以下で説明する空調システム1000の構造及び動作は同じである。
なお本開示においては、上記のような高天井空間300が存在するならば、室内空間の用途は特に限定しない。例えば、室内機100を設置する室内は居住用リビングでも、オフィスでも、工場であってもよい。また任意の壁及び天井には、窓、ドア、及び換気口などが取り付けられていてもよい。
図3は本実施の形態における室内機100の構造を示す図である。室内機100は、筐体30を有する。筐体30には吸い込み口31及び吹き出し口32が設けられている。吸い込み口31には、吸い込み温度計測手段12が取り付けられている。吸い込み温度計測手段12は、例えばサーミスタである。吹き出し口32には、風向調整手段7が取り付けられている。また、筐体30内部には室内熱交換器5及び室内送風手段6が収められている。さらに、筐体30右下部には距離計測手段10及び温度計測手段11が取り付けられている。なお距離計測手段10及び温度計測手段11の取り付け位置は上記筐体の右下部に限定せず、例えば筐体30の任意の位置に取り付けてもよいし、筐体30に埋め込んでもよい。
室内送風手段6は例えばクロスフローファンである。室内送風手段6は、室内熱交換器5の近傍に配置される。室内送風手段6が動作することで、室内の空気が吸い込み口31から室内機100に吸い込まれ、室内熱交換器5を通過した後、吹き出し口32から室内に吹き出される。なお室内送風手段6は、プロペラファン及びシロッコファンなどでもよく、それらを複数配置したものであってもよい。
風向調整手段7は例えば板状のフラップとベーンから構成される。図3においては、風向調整手段7はフラップ7a、7b、7c、及び7dと、ベーン7e及び7fから構成される。フラップ7a、7b、7c、及び7dはそれぞれ独立した回動機構を有しており、フラップ7a、7b、7c、及び7dが回動し角度が変化することで、室内機100から吹き出される気流の上下方向が変化する。同様にベーン7e及び7fもそれぞれ独立した回動機構を有しており、ベーン7e及び7fが回動し角度が変化することで、室内機100から吹き出される気流の左右方向が変化する。
図4はフラップ7a、7b、7c、及び7dの角度の変化を表す図である。図4に示されるように、フラップ7a、7b、7c、及び7dは水平方向である「上下風向1」から鉛直下方である「上下風向5」までの5段階のうちいずれか1つの状態に制御される。例えば、フラップ7a、7b、7c、及び7dは「上下風向3」から1段階下がると、「上下風向4」に制御される。これにより、室内機100から吹き出される気流の上下方向が変化する。なお、図4ではフラップ7a、7b、7c、及び7dの角度の変化を5段階で示しているが、角度の変化は5段階に限らず、これよりも多くても少なくてもよい。また、図示はしないがベーン7e及び7fの角度も同様にして左右方向に変化する。
以上のような室内機100において、室内送風手段6が動作することで、吸い込み口31から室内の空気が吸い込まれ、室内熱交換器5によって空気が加熱される。加熱された空気は吹き出し口32から吹き出され、その風向は風向調整手段7によって調整される。これにより室内の空気の温度が調整され、暖房運転による空気調和が行われる。
なお吸い込み口31及び吹き出し口32の位置は図3に示した例に限らない。例えば吸い込み口31は筐体30の下部あるいは側部に設けられていてもよい。同様に吹き出し口32は筐体30の上部あるいは側部に設けられていてもよい。さらに、吸い込み口31及び吹き出し口32の形状や数は任意としてよく、例えば円形の吸い込み口を筐体30の側部両方に設けてもよいし、大きさの異なる複数の吹き出し口を筐体30の下部に並べて設けてもよい。なお、室内熱交換器5、室内送風手段6、及び風向調整手段7の形状や配置は、吸い込み口31及び吹き出し口32の位置や形状に応じて適宜変更される。
距離計測手段10は、室内を走査し距離データを取得する。距離計測手段10は室内機100を基準として、可能な限り上下方向に広い角度で測距を行うことが望ましい。距離計測手段10が計測した距離データは、高天井検知手段51、床検知部52、及び記憶手段54に送信される。高天井検知手段51は上記距離データのうち、特に距離計測手段10が水平より上方向を向いていた時の距離データを分析し、上記距離データが複数の群に分けられるかによって、室内に高天井空間300が存在するかを検知する。高天井空間300が存在する場合、高天井検知手段51はさらに高天井空間300の範囲を検知する。また床検知手段52は、距離計測手段10が計測した距離データのうち、特に距離計測手段10が水平より下方向を向いていた時の距離データを分析し、距離の増減の傾向によって床206の範囲を検知する。高天井検知手段51及び床検知手段52の距離データの分析方法の詳細については後述する。
距離計測手段10は、例えば超音波式距離センサ(以下超音波センサと記載)と駆動機構から構成される。超音波センサは、特定の方向に超音波パルスを放出し、壁や天井等に当たり反射した反射波を受信する。超音波パルスを送信してから受信するまでの時間と音速とを乗じ、さらに2で除することで超音波センサから壁や天井までの距離を取得する。なお、距離計測手段10はレーザー式距離センサあるいは赤外線式距離センサと駆動機構から構成されていてもよい。
超音波センサは、駆動機構により少なくとも上下方向に回動可能である。駆動機構は例えばステッピングモータであり、モータ軸の方向は水平であり、超音波センサは支持部材を介してモータ軸に取り付けられている。図5は駆動機構の一例を模式的に示したものである。図5においては、モータ本体21から延びるモータ軸22に支持部材23が取り付けられており、支持部材23に超音波センサ24が取り付けられている。このような駆動機構により、超音波センサ24は上下方向に回動する。
なお図5に示す距離計測手段10の構成において、ステッピングモータをもう一つ追加すれば超音波センサを上下左右方向に回動できる。超音波センサが上下左右方向に回動可能であれば、室内に高天井空間300が存在するかをより確実に検知でき望ましい。以下では、超音波センサは上下左右方向に回動可能であるとして説明を行う。
温度計測手段11は、室内を走査し床、壁及び天井の温度分布を計測する。温度計測手段11は、少なくとも床206と、高天井空間300を構成する天井203や壁204を含む範囲の温度を計測する。なお温度計測手段11が壁204の温度を計測する場合、できるだけ高い位置の温度を計測することが望ましい。これは後述する温度差算出手段53が、室内の上下方向の温度差をより確実に算出できるようにするためである。このとき天井203や壁204の温度は、概ね高天井空間300の空気温度に等しく、床206の温度は、概ね床206付近の空気の温度に等しいと考えられる。温度計測手段11は計測した温度分布を温度差算出手段53及び記憶手段54に送信する。温度差算出手段53は、高天井空間300と床206との温度差を算出する。
温度計測手段11は、例えば赤外線センサを格子状に配置したサーモパイルと駆動機構から構成される。サーモパイルは床、壁、天井から放射される赤外線に基いて温度を計測する。なお、温度計測手段11は非冷却赤外線イメージセンサ等と駆動機構から構成されていてもよい。
温度計測手段11の駆動機構は、図5に示す距離計測手段10の駆動機構と同等の機構でよく、さらに距離計測手段10と温度計測手段11とは一つの駆動機構を共有してもよい。図2(a)、(b)及び図3では、距離計測手段10と温度計測手段11とが一つの駆動機構で駆動するとして例示している。以下では、距離計測手段10と温度計測手段11とが一つの上下左右に駆動可能な駆動機構を共有するとして説明を行う。
吸い込み温度計測手段12は、室内機100において、吸い込み口31から室内熱交換器5の間に取り付けられる。吸い込み温度計測手段12は、吸い込み口31から吸い込まれる室内の空気の温度を計測する。吸い込み温度計測手段12は計測した温度を記憶手段54及び運転制御手段55に送信する。
制御手段50は、例えばCPU(Central Processiiing Uniiit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記憶媒体、RAM(Random Access Memory)等の作業用メモリ、およびCPU、ROM,及びRAM間で信号をやり取りする信号回路から構成される。
さらに制御手段50は、外部のクラウドサーバと通信を行うための通信手段を備えていてもよい。この場合制御手段50は上記通信手段を介して、各種情報をクラウドサーバとの間で送受信することができる。具体的にはクラウドサーバから制御プログラムの更新データを受信したり、空調システム1000の運転履歴をクラウドサーバへ送信する。
制御手段50は、距離計測手段10、温度計測手段11、及び吸い込み温度計測手段12の計測結果と、端末70への人の入力結果を受信する。制御手段50には空調システム1000の機能を発揮させるための制御プログラムが記憶されており、上記受信結果と、上記制御プラグラムを元に圧縮機1、室外送風手段3、膨張弁4、室内送風手段6、及び風向調整手段7を動作させるための指令を発する。
図6は制御手段50の構成を示す図である。制御手段50は、高天井検知手段51、床検知手段52、温度差算出手段53、記憶手段54、及び運転制御手段55を有する。
高天井検知手段51は、距離計測手段10が計測した距離データをもとに、高天井空間300が存在するかを検知し、高天井空間300が存在する場合、さらにその範囲を検知する。高天井検知手段51は上記処理の結果を温度差算出部53、記憶手段54及び運転制御部55に送信する。
高天井検知手段51は例えば以下の方法で高天井空間300が存在するかを検知する。高天井検知手段51は、まず距離計測手段10が計測した距離データのうち、距離計測手段10の上下方向角度が上方向であったときの距離データを抽出する。ここで距離計測手段10の上下方向角度が上方向とは水平方向より上を意味する。高天井検知手段51は抽出したデータについて、有意に異なるデータ群が存在するか否かによって、高天井空間300が存在するかを検知する。
図7(a)、(b)は距離計測手段10が計測した距離データのうち、距離計測手段10の上下方向角度が上方向であったときの距離データを抽出した一例である。図7(a)、(b)で距離計測手段10の左右方向角度が0度とは室内機100の正面方向を意味する。図7(a)に示す例では、距離計測手段10の上下方向角度が30度以下の場合は距離が大きく、上下方向角度が30度より大きい場合は距離が小さい。これは図2(a)に示すように、距離計測手段10の上下方向角度が30度の場合は、距離計測手段10は線L30が示すように室内機100から壁204までの距離を計測し、上下方向角度が30度より大きい場合は線L40が示すように天井201までの距離を計測するからである。高天井空間300が存在する場合、このように距離計測手段10の上下方向角度の変化に対して、距離データが有意に異なる群に分けられる。このようにして、高天井検知手段51は高天井空間300が存在すると検知する。
また図7(b)は図2(b)のように室内機100の上方に高天井空間300がある場合の、距離計測手段10が計測した距離データを一部抽出した例である。なお図7(a)、(b)において距離計測手段10の左右方向角度と上下方向角度は、0度から80度の範囲で10度刻みで変化しているが、これは距離計測手段10の計測範囲及び計測間隔を限定するものではない。
なお距離計測手段10が計測した距離データを、有意な複数の群に分けることができるかの基準は任意に設定してよい。例えば、図7(a)、(b)に示す距離データを値の大きなものから順に並べた場合に、上からN(ある整数)番目の距離データと、N+1番目の距離データの間に、所定の値(例えば100[cm])以上の減少があったとき、有意な複数の群に分けることができるとしてもよい。
なお距離計測手段10の誤計測により、極端に大きいあるいは小さい距離データや、室内機100から高天井空間300までの距離と、室内機100から天井201までの距離の中間的な距離データが計測される可能性がある。この場合、高天井空間300の存在の有無を見誤る虞がある。誤計測の影響を低減するため、高天井検知手段51は例えば下記のような方法により距離データを選別してもよい。図7(a)、(b)のように抽出された距離データのうちある一つの距離データを選択し、その距離データとの差が所定の値(例えば50[cm])以内の別の距離データが存在しない場合、選択された距離データは誤計測によるものと見做す。誤計測によるものと見做された距離データは除去され、それ以外の距離データに対し、上記の方法で有意な複数の群に分けることができるかを判断する。
なお、上記説明した方法は高天井検知手段51が高天井空間300の有無を検知する方法の一例であり、高天井検知手段51はこれ以外の方法で高天井空間300の有無を検知してもよい。例えば、距離データから床面の段差の有無を検知する方法が公知技術として開示されているが、同様の方法を空調システム1000に適用することでも高天井空間300の有無を検知することは可能である。
さらに高天井検知手段51は、高天井空間300の左右方向の範囲を検知する。具体的には、高天井検知手段51は室内機100から見た場合の天井201と高天井空間300の境目までの距離と、室内機100から壁205までの距離とから高天井空間300の範囲を検知する。まず、高天井検知手段51は左右の各方向において、下記計算式(i)により、室内機100から天井201と高天井空間300の境目までの距離を算出する。

D×cosα・・・(i)

ここでαは天井201と高天井空間300とが切り替わった直後の距離計測手段10の上下方向の角度であり、図7(a)では40度である。またDはその場合の距離データである。図7(a)において距離計測手段10の左右方向角度が0度の場合は、計算式(i)の計算結果は、133[cm](175×cos40°)である。この場合、高天井検知手段51は室内機100の正面方向において、室内機100から天井201と高天井空間300の境目までの距離は133[cm]以上であると算出する。
室内機100の正面方向以外の方向についても、同様の方法で天井201と高天井空間300の境目までの距離を算出する。なお、上記方法では厳密には天井201と高天井空間300の境目のやや手前までの距離を算出するので、上記計算結果に所定の値(例えば30[cm])を足した値を天井201と高天井空間300の境目までの距離としてもよい。
高天井検知部51は、さらに距離計測手段10の上下方向角度が0度であった場合の距離データから、室内機100から壁205までの距離を取得する。図7(a)では525[cm]である。高天井検知部51は、上記壁205までの距離から、上記天井201と高天井空間300の境目までの距離を減ずることによって高天井空間300の範囲を検知する。
なお、高天井検知手段51が高天井空間300の範囲を検知する方法についても、上記説明した以外の方法を用いることができる。例えば、距離データから床面の凹部を検出しその大きさを検知する方法が公知技術として開示されている。これと同様の方法を空調システム1000に適用することで、高天井空間300の範囲を検知することも可能である。
床検知手段52は、距離計測手段10が計測した室内の距離データを基に床206と、壁205との境界を特定し、床206の左右方向の範囲を検知する。具体的には、距離計測手段10が計測した距離データのうち、距離計測手段10の上下方向角度が下向きのときの距離データを抽出する。ここで距離計測手段10の上下方向角度が下方向とは水平方向より下を意味する。床検知手段52は、左右方向を一定として、距離計測手段10の角度を下方向から上方向に変更していったときに、室内機100からの距離が大きくなり続ける範囲を床206と検知する。床検知手段52は、上記処理の結果を温度差算出部53、記憶手段54及び運転制御部55に送信する。
上記の方法を図2(a)の例で説明する。距離計測手段10の角度が、例えば下方向に60度から下方向に30度まで変化するとき、線L-60と線L-30が示すように室内機100からの距離は大きくなる。一方、距離計測手段10の角度が下方向に20度になると、線L-20が示すように、室内機100からの距離は小さくなり始める。これにより距離計測手段10から見て、下方向に30度と、下方向に20度との間に床206と、壁205との境界が存在し、少なくとも下方向に30度の範囲までは床206であると検知できる。
なお高天井空間300の有無を検知した場合と同様、距離データを使用して床の範囲を検知する方法は公知技術として開示されている。床検知手段52は、それらの公知技術を用いて床206の範囲を検知してもよい。
また床検知手段52は下記の方法で床206の範囲を検知してもよい。床検知手段52は、温度計測手段11が計測した温度データを基に床206の範囲を検知する。一般的な建物において、床の温度分布は、壁の温度分布と傾向が異なることが知られている。例えば、床の温度分布は均一に近くなることが多いが、壁の温度分布は均一となりにくいことが知られている。このような傾向の違いを利用して床を特定している公知技術がある。本実施の形態においても、同様の方法により床206の範囲を検知してもよい。
温度差算出手段53は、高天井検知手段51及び床検知手段52で行われた処理の結果と、温度計測手段11が計測した温度データとから、高天井空間300の温度と床206の温度を取得する。次いで、上記高天井空間300の温度から、上記床206の温度を減ずることによって室内温度差を算出する。温度差算出手段53は、算出した室内温度差を記憶手段54及び運転制御手段55に送信する。
なお温度計測手段11が高天井空間300の温度を、天井203や壁204の複数の位置で計測しているとき、温度差算出手段53はその複数の計測結果の平均値あるいは中央値を高天井空間300の温度としてよい。さらに複数の計測結果から標準偏差を算出し、その標準偏差に基いて決定される条件(例えば、平均値からの差が標準偏差の三倍以上)によって、誤計測と考えられる値を排除し、そのうえで平均値を算出するなどの処理を行ってもよい。なお床206の複数の位置での温度の計測結果がある場合、上記処理は床206の温度に対しても適用してよい。
記憶手段54は、空調システム1000を動作させるための制御プログラムを記憶している。より具体的には、記憶手段54は、圧縮機1、室外送風手段3、膨張弁4、室内送風手段6、風向設定手段7、距離計測手段10、温度計測手段11、及び吸い込み温度計測手段12を動作させるプログラムを記憶している。加えて記憶手段54は、距離計測手段10、温度計測手段11、及び吸い込み温度計測手段12の計測結果と、高天井検知手段51、床検知手段52、及び温度差算出手段53の処理の結果と、端末70への人の入力結果も記憶している。
運転制御手段55は、空調システム1000の運転動作全般を制御するために、空調システム1000を構成する各要素に対し指令を発する。具体的には、運転制御手段55は圧縮機1、室外送風手段3、膨張弁4、室内送風手段6、風向調整手段7、距離計測手段10、温度計測手段11、及び吸い込み温度計測手段12に対して指令を発する。これにより空調システム1000を構成する各要素が動作し、空調システム1000の機能が発揮される。
このとき、運転制御手段55が発する指令の内容は、少なくとも高天井検知手段51、床検知手段52、及び温度差算出手段53の処理の結果と、端末70への人の入力と、記憶手段54に記憶された制御プログラムとに基いて決定される。
続いて、空調システム1000の動作について説明する。図8は空調システム1000の動作例を表すフローチャートである。なお重複する説明は適宜簡略化或いは省略する。
図8に示される空調システム1000の動作は、人によって端末70に暖房運転開始の指令が入力されることで開始される。このとき、人により少なくとも室内空気の温度調整の目標温度が指定される。目標温度は記憶手段54に記憶される。その後、直ちにS101が開始される。
S101では、吸い込み温度計測手段12が室内機100に吸い込まれる室内空気の温度を計測する。吸い込み温度計測手段12が計測した温度は記憶手段54に記憶される。
S102では、高天井検知手段51が高天井空間300の有無を検知し、その範囲を検知する。さらに床検知手段52が床206の範囲を検知する。まず距離計測手段10が、室内を走査し距離データを取得する。取得された距離データは高天井検知手段51と床検知手段52に送信される。
次に高天井検知手段51は、上記距離データを分析する。具体的には、上記距離データのうち距離計測手段10の上下方向角度が上向きであった場合のデータを抽出し、そのデータが有意な複数の群に分けられるかで高天井空間300の有無を検知する。高天井空間300が存在する場合、高天井検知手段51は、室内機100から壁205までの距離と、上室内機100から天井201と高天井空間300の境目までの距離とから、高天井空間300の範囲も検知する。
なお、S102で室内に高天井空間300が存在せず単一高さの天井しかない場合でも空調システム1000は動作を継続する。高天井空間300が存在する場合と、存在しない場合とでは、動作に共通する部分があるため以下説明は必要な部分についてのみ行う。
続いて床検知手段52は、床206の範囲を検知する。床検知手段52は、距離計測手段10が計測した距離データから床206の範囲を特定する。具体的には、距離計測手段10の上下方向角度が下方向であった時のデータを抽出し、上下方向角度を上方向に変更していったときに、室内機100からの距離が増加し続ける範囲を床206だと検知する。高天井検知手段51と床検知手段52の処理の結果は温度差算出手段53、記憶手段54及び運転制御手段55に送信される。
S103では、温度計測手段11は室内を走査し温度分布を計測する。温度計測手段11は、少なくとも高天井空間300と床206の温度を計測する。温度計測手段11が計測した温度データは温度差算出手段53、記憶手段54、及び運転制御手段55に送信される。
なお高天井空間300が存在しない場合、温度計測手段11は天井の温度を計測する。後述するS111などの空調システム1000の動作で、高天井空間300の温度を用いる場合には、代わりに上記天井の温度を用いる。
S104では温度差算出手段53が、高天井空間300と床206の温度差である室内温度差を算出する。温度差算出手段53は、高天井検知手段51及び床検知手段52の処理の結果と、温度計測手段11の計測結果から、高天井空間300及び床206の温度を抽出する。温度差算出手段53は抽出した高天井空間300の温度から床206の温度を減じることで、室内温度差を算出する。算出された室内温度差は、記憶手段54及び運転制御手段55に送信される。
なお室内に高天井空間300が存在しない場合、天井の温度から床の温度を減じることで室内温度差を算出する。後述するS112などで、高天井空間300が存在する場合の室内温度差と、存在しない場合の室内温度差とは、空調システム1000の動作上区別はされない。
S105では、運転制御手段55が室内の温調が必要か判断する。まず吸い込み温度計測手段12が室内機100に吸い込まれる室内の空気の温度を計測する。計測された温度は記憶手段54及び運転制御手段55に送信される。次に運転制御手段55は、記憶手段54を参照し、スタート時に設定された目標温度とS101で計測された室内空気の温度を比較する。室内空気の温度が目標温度未満であれば、運転制御手段55は温調が必要と判断し、S106に進む。一方、室内空気の温度が目標温度以上であれば、運転制御手段55は温調が必要ないと判断し、S107に進む。
S106では、運転制御手段55は、空調システム1000を温調有り暖房運転で動作させる。温調有り暖房運転では、運転制御手段55は圧縮機1、室外送風手段3、膨張弁4、室内送風手段6、及び風向調整手段7を動作させ、室温が目標温度に等しくなるよう加熱された空気を室内に供給する。
S107では、運転制御手段55は、空調システム1000を温調無し運転で動作させる。温調無し運転とは、例えば送風運転である。送風運転では、運転制御手段55は室内送風手段6と風向調整手段7だけを動作させる。これにより、室内機100から室内空気と同じ温度の気流が吹き出される。
S108では、運転制御手段55は、S106あるいはS107で実行された空調システム1000の運転を所定の時間継続する。ここで所定の時間とは任意の時間でよく、例えば10秒間、1分間又は10分間である。所定の時間が経過後、S109に進む。
S109では、吸い込み温度計測手段12は再び室内機100に吸い込まれる室内の空気の温度を計測する。計測された温度は記憶手段54及び運転制御手段55に送信される。なお、このとき記憶手段54はS101で計測された温度と、S109で計測された温度との両方を記憶する。
S110では運転制御手段55は、空調システム1000が温調有り暖房運転で動作しているかを判定する。具体的には、運転制御手段55は圧縮機1などの制御状態を参照し、空調システム1000が温調有り暖房運転で動作しているかを判断する。空調システム1000が温調有り暖房運転で動作していると判断された場合、S111に進む。一方、空調システム1000が温調有り暖房運転で動作していないと判断された場合、S120に進む。
S111では、温度計測手段11は再び高天井空間300と床206の温度を計測する。このとき、高天井空間300と床206の温度を計測する位置は、S103で温度の計測を行った位置と同一にすることが望ましい。計測された温度は記憶手段54及び運転制御手段55に送信される。
S112では、温度差算出手段53は室内温度差の時間変化を算出する。温度差算出手段53は、まずS111で計測された高天井空間300の温度から床206の温度を減じ室内温度差を算出する。この室内温度差と、記憶手段54に記憶されたS104で算出された室内温度差とを比較し、室内温度差の時間変化を算出する。
より具体的には、温度差算出手段53は、S111の温度を基に算出された室内温度差をΔT(n+1)、S104で算出された室内温度差をΔT(n)、ΔT(n+1)を算出した時刻をt(n+1)、ΔT(n)を算出した時刻をt(n)として、下記計算式(ii)により室内温度差の時間変化を算出する。

(ΔT(n+1)-ΔT(n))/(t(n+1)-t(n))・・・(ii)

算出された室内温度差の時間変化は、記憶手段54及び運転制御手段55に送信される。
S113では、運転制御手段55はS112で算出された室内温度差の時間変化が、所定の第1閾値ΔTh1以上であるかを判定する。室内温度差の時間変化がΔTh1以上である場合、S117に進む。S117では、空調システム1000は温度差低減モード1で動作する。なお温度差低減モード1の詳細は後述する。一方、室内温度差の時間変化がΔTh1未満である場合、S114に進む。
S114では、運転制御手段55はS112で算出された室内温度差の時間変化が、所定の第2閾値ΔTh2以上であるかを判定する。ここで第2閾値ΔTh2は、第1閾値ΔTh1より小さい。室内温度差の時間変化がΔTh2以上である場合、S118に進む。S118では、空調システム1000は温度差低減モード2で動作する。なお温度差低減モード2の詳細は後述する。一方、室内温度差の時間変化がΔTh2未満である場合、S115に進む。
S115では、運転制御手段54はS112で算出された室内温度差が、所定の第3閾値ΔTs1以上であるかを判定する。室内温度差がΔTs1以上である場合、S119に進む。S119では、空調システム1000は温度差低減モード3で動作する。なお温度差低減モード3の詳細は後述する。一方、室内温度差がΔTs1未満である場合、S116に進む。
上記説明したS113、S114、及びS115は、高天井空間300と床206の間の温度差が時間経過とともに拡大しているか、拡大しているならばどの程度の速さで拡大しているかを検知するための処理である。例えば、S113では室内温度差が急速に拡大しているかが判断される。一方、S114とS115ではそれぞれ室内温度差が緩やかに拡大しているか、室内温度差はあるが拡大していないかが判断される。これは後述するように、室内温度差の拡大度合に応じて、空調システム1000の動作を変更するためである。S113、S114、及びS115のような処理は、必ずしも3段階で行う必要はないが、室内の状態を反映して空調システム1000を制御することができるので、複数段階あることが望ましい。
S116では、運転制御手段55は、空調システム1000を温調有り暖房運転で動作させる。このときの空調システム1000の動作はS106の動作と同じである。またS116では、S109で計測された室内の空気の温度とスタート時に定められた目標温度とに基いて、S105の処理を行ってもよい。この場合、処理の結果に応じて温調無し運転を行うようにしてもよい。
S116、S117、S118,あるいはS119が実行された後、所定の時間経過後に空調システム1000の動作はS109に戻る。S109に戻った後、空調システム1000は上記説明した動作を繰り返す。
S110で運転制御手段55が、空調システム1000が温調有り暖房運転で動作していないと判断した場合、S120に進む。S120では直前のS109で計測された室内の空気の温度が、一つ前に計測された室内の空気の温度未満であるかを判定する。例えば、S109が合計三回実行されている場合は、三回目のS109で計測された室内の空気の温度が、二回目のS109で計測された室内の空気の温度未満であるかを判定する。直前のS109で計測された室内の空気の温度が、一つ前に計測された室内の空気の温度未満である場合、S121に進む。一方、直前のS109で計測された室内の空気の温度が、一つ前に計測された室内の空気の温度未満でない場合、S111に進む。S111以下の空調システム1000の動作は上記説明したとおりである。
S121では、運転制御手段55は、空調システム1000を温調優先の暖房運転で動作させる。温調優先の暖房運転は、室内の空気の温度を目標温度に到達させることを優先する。なお温調優先の暖房運転の詳細は後述する。S121が実行された後、処理はS109に戻る。
続いて、S117、S118、及びS119における温度差低減モード1~3と、S121における温調優先の暖房運転について説明する。S117、S118、及びS119で実行される温度差低減モード1~3は、室内温度差を低減することを目的としている。なお、上記説明したように、S117、S118、及びS119のいずれが実行されるかは、S113、S114、及びS115の判定結果に依る。また温調優先の暖房は、室内温度差の低減よりも室温を目標温度に到達させることを優先している。
図9は、温度差低減モード1が実施されるS113の判定条件を示す図である。また、図10は室内温度差と経過時間との関係において、温度差低減モード1~3が実施される条件を示す図である。また、図11は温度差低減モード1~3と、温調優先の暖房運転が実施される条件、各運転での制御対象、及び制御内容を示す図である。以下では、各運転モードが実施される条件について詳細に説明した後、温度差低減モード1~3及び温調優先の暖房運転の制御対象及び制御内容を説明する。
図9は、人により暖房運転が開始されてからの時間と、高天井空間300の温度、床206の温度、及び室内温度差とを示す図である。また、図9には上記の値から求められる1時間当たりの室内温度差の変化も示している。
図9では、室内温度差は暖房運転が開始したとき1.5℃であり、暖房運転開始15分後では2.0℃になり、暖房運転開始後30分では2.5℃になっている。ここで、時間あたりの室内温度差変化は2.0℃/hとなる。ここで例えば第1閾値ΔTh1が1.5℃/hであるならば、上記室内温度差の時間変化はΔTh1より大きい。このような条件が満たされた場合、温度差低減モード1が実行される。なお図9に示す値は一例であり、温度差低減モード1が実施される条件は図9の例に限らない。例えば、暖房運転が開始されてから1時間後の室内温度差と、2時間後の室内温度差とを比較して上記判断を行ってもよい。また温度差低減モード2は、室内温度差の時間変化が第2閾値ΔTh2以上の場合に実行される。
図10は、人により暖房運転が開始されてからの時間と、室内温度差の関係を示す図である。図10の線S1、S2はそれぞれ室内温度差が時間とともに急速に拡大している場合と、緩やかに拡大している場合の例を示している。また線S11は室内温度差の時間変化がΔTh1に等しい場合を示し、線S12は室内温度差の時間変化がΔTh2に等しい場合を示す。
図10において、線S11より上側の薄いハッチングが付された領域A1内では、室内温度差が急速に拡大している。室内温度差が線S1のように変化した場合は、室内温度差の時間変化がΔTh1より大きいため、温度差低減モード1が実行される。一方、線S11と線S12に挟まれた濃いハッチングが付された領域A2内では、室内温度差は緩やかに拡大していく。このとき、室内温度差の時間変化はΔTh1より小さく、ΔTh2より大きいので、室内温度差が線S2のように変化した場合は、温度差低減モード2が実行される。さらに、線S12より下側の領域A3内で室内温度差が変化する場合、温度差低減モード3又は温調有り暖房運転が実施される。
なお、領域A3ではあくまでも室内温度差の時間変化が小さい場合であって、室内温度差が無いことを示すわけではない。温度差低減モード3は、室内温度差の時間変化が小さいが、室内温度差自体は第3閾値ΔTs1以上の場合に実行される。また上記温度差低減モード1~3の実施条件に対し、温調優先の暖房運転は、吸い込み温度計測手段12によって計測される室内の空気の温度の時間変化を参照し、室内の空気の温度が時間とともに低下している場合に実行される。
続いて図11を参照し、温度差低減モード1~3と、温調優先の暖房運転の制御対象及び制御内容について説明する。S117の温度差低減モード1では、運転制御手段55は圧縮機1の周波数をF1だけ低下させる。これにより、空調システム1000の暖房能力が小さくなるので、室内機100から吹き出される空気の温度が低下する。室内温度差が時間とともに増大する理由の一つは、室内機100から吹き出される暖かい空気が、室内の空気との密度差により吹き上がってしまうことである。室内機100から吹き出される空気の温度が低下すると、室内の空気との密度差が小さくなるので、床206付近まで暖かい空気が届くようになり室内温度差の低減が達成される。
さらにS117では、運転制御手段55は室内送風手段6の回転数をf1だけ増加させる。また運転制御手段55は風向調整手段7を制御し、室内機100から吹き出す気流の上下方向を、下方向に少なくとも1段階以上変更する。これにより、温度差低減モード1の実行前よりも下方向に強い気流が生成され、暖かい空気が床206付近に到達しやすくなる。さらに、室内機100から下方向に強い気流が吹き出されることで、室内全体に上下方向の空気の流れが生成される。これにより、温度の高い高天井空間300の空気と、温度の低い床206付近の空気とが攪拌され室内温度差のさらなる低減が達成される。
なお、S117において制御対象の変更値は室内機100の取り付け位置や高天井空間300の位置によって決定するようにしてもよい。例えば、図2(a)では室内機100にから離れた位置に高天井空間300が存在し、図2(c)では室内機100の上に高天井空間300が存在する。このとき、図2(a)のような場合は、気流の方向を1段階だけ変化させ、図2(c)のような場合は、気流の方向を2段階以上変化させるようにしてもよい。上記のような制御を行うことで、図12(a)、(b)で後述するように高天井空間300と床206付近の空気をより効率的に混合させることができる。
S118の温度差低減モード2では、運転制御手段55は圧縮機1の周波数をF2だけ低下させる。このとき、F2はF1より小さい。これは温度差低減モード2が実行される場合、時間経過による室内温度差の拡大は緩やかであり、空調システム1000の動作状態を大きく変えなくても室内温度差の低減が達成できるからである。圧縮機1の周波数の低下度合を小さくすることで、室内機100から吹き出される気流の温度を必要以上に低下させることがなくなる。
さらにS118では、室内送風手段6の回転数をf2だけ増加させるとともに、風向調整手段7を制御して室内機100から吹き出す気流の上下方向を下方向に少なくとも1段階以上変更する。このとき、f2はf1より小さい。これは時間経過による室内温度差の拡大が緩やかなので、必要以上に風速を上げすぎないためである。
S119の温度差低減モード3では、運転制御手段55は、圧縮機1の周波数をF3だけ低下させる。このとき、F3はF2より小さい。温度差低減モード3が実行される場合、室内温度差の時間変化は小さく、室内の空気の状態は安定していると考えられる。そのため、空調システム1000の動作状態を大きく変更せずとも、安定した状態を崩すことによって室内温度差が低減できるからである。
同様にS119では、運転制御手段55は室内送風手段6の回転数をf3だけ増加させ、風向調整手段7を制御して室内機100から吹き出す気流の上下方向を下方向に少なくとも1段階以上変更する。このとき、f3はf2より小さい。これは上下方向の空気の攪拌が弱くても室内温度差が低減されるからである。
なお、上記説明した温度差低減モード1~3が実行される際、必ずしも圧縮機1の周波数の低下と、室内送風手段6の回転数の増加と、風向調整手段7の方向の変化とのすべてを実行する必要はない。例えば、まず室内送風手段6の回転数の増加と、風向調整手段7の方向の変化だけを行い、室内温度差が低減されるかを判定するようにしてもよい。この場合、室内温度差が十分低減されれば、圧縮機1の周波数を低下させる必要はない。また圧縮機1、室内送風手段6、及び風向調整手段7の設計上、条件を変更できない場合は条件を変更しなくともよい。
空調システム1000がS117~S119の温度差低減モード1~3のいずれかで動作している場合、所定の時間経過後に処理はS109に戻る。S112の処理が再び行われると、上記説明した室内温度差の時間変化について改めて判定を行い、温度差低減モード1~3のいずれかあるいは温調有り暖房運転が実行される。これを繰り返すことによって、室内温度差の時間変化に基づいて、適宜最適な運転が実行される。
図12(a)、(b)は空調システム1000が温度差低減モード1~3で動作しているときの、室内の状態の一例を示す図である。図12(a)のような場合、温度差低減モード1~3では、室内機100から下向きの気流400が吹き出される。気流400は、室内全体で強い上下方向の空気の攪拌を発生させる。これにより高天井空間300に滞留していた暖気500が生活空間301の空気と混合される。これにより室内温度差が低減される。
また図12(b)では室内機100は壁埋ビルトイン型である。この場合、温度差低減モード1~3の制御対象の変更値を、室内機100と高天井空間300相対的な位置によって決定するようにしてもよい。例えば気流の方向でいえば、図12(a)のように室内機100と高天井空間300が離れているときは気流の方向を下方向に1段階だけ変更し、図12(b)のように室内機100と高天井空間300が近い場合は、気流の方向を上方向に2段階以上変更するようにしてもよい。このとき図12(a)では室内機100から距離のある高天井空間300まで届く気流が形成され、図12(b)では高天井空間300に特に強い上下方向の気流が形成される。このように温度差低減モード1~3の制御対象の変更値を、室内機100と高天井空間300相対的な位置によって決定することで、高天井空間300の暖気と床206付近の空気が効率よく混合する。
なお高天井空間300が存在しない場合についても、温度差低減モード1~3の動作は同じである。この場合、天井付近に溜まっていた暖気が生活空間の空気と混合されることになり、室内の上下方向の温度差は低減される。
再び図11を参照すると、S121において空調システム1000が温調優先の暖房運転で動作する場合、運転制御手段55は圧縮機1の周波数をF4だけ上昇させる。これにより、空調システム1000の暖房能力が上昇し、室内機から吹き出される気流の温度が高くなる。この温度が高い気流によって、室内の空気が温められ室温の低下を回避することができる。なお温調優先の暖房運転において、室内送風機6の周波数及び風向調整手段7の方向は変化させなくともよい。
以上説明したように、空調システム1000は高天井空間300と床206との温度差を室内温度差として算出する。さらに、算出した室内温度差が第3閾値ΔTs1未満であれば、温調有り暖房運転を実行する。一方、室内温度差が第3閾値ΔTs1以上であれば、空調システム1000は温度差低減モード3を実行する。これにより、室内において上下方向に空気の攪拌が発生し、高天井空間300に滞留していた暖気500が生活空間301の空気と混合される。結果、室内温度差を低減することができ、人の快適性の向上や省エネが達成される。
さらに空調システム1000は室内温度差の時間変化を算出する。空調システム1000は室内温度差の時間変化が第1閾値ΔTh1以上の場合は温度差低減モード1で動作し、第2閾値ΔTh2以上の場合は温度差低減モード2で動作する。これにより室内温度差が時間とともに拡大しているときは、室内の上下方向の空気の攪拌がより強くなり、室内温度差を効率よく低減することができる。結果、人の快適性の向上や省エネが達成される。
加えて、空調システム1000は室内の空気の温度が時間とともに低下した場合は、温調優先の暖房運転を実行する。これにより、室内の空気の温度が低下し、人の快適性が損なわれることを回避することができる。
なお以上説明した空調システム1000はあくまでも一例であり、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
例えば、本実施の形態は室内機100が床置き型であっても適用可能である。
図13は室内機100が床置き型である場合の空調システム1000の機能を示す図である。床206上に配置された室内機100から上向き気流401が吹き出されており、上向き気流401により高天井空間300に滞留する暖気500が生活空間301の空気と混合される。
さらに、空調システム1000には現在の運転状態を知らせる報知手段を備えてもよい。この場合、報知手段は例えば端末70に、空調システム1000が温度差低減モード1~3、温調有り暖房運転、温調無し暖房運転、温調優先の暖房運転のいずれで動作しているかを表示する。これにより人は空調システム1000の動作状況を知ることができる。
さらにこの場合、人が空調システム1000の運転状態を切り替えられるようにする機能を端末70に持たせてもよい。空調システム1000は、人に選択された運転状態で動作する。これにより、空調システム1000はより人の意に沿った運転をすることが可能となる。
実施の形態2
図14、図15、及び図16を参照しながら、本開示の実施の形態2について説明する。以下では、本実施の形態に係る空調システム1000について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。説明を省略した構成については実施の形態1と同一である。
図14は本実施の形態における制御手段50の構成を示す図である。本実施の形態における制御手段50は、図6に示す実施の形態1の制御手段50の構成に加えて、室内にいる人を検知するための人検知手段56を備える。
また本実施の形態では温度計測手段11は、床206と、高天井空間300を構成する天井203や壁204を含む範囲の温度に加え、人を検知するために、床206と高天井空間300の間の生活空間301の温度についても計測を行う。具体的には、温度計測手段11は壁204と壁205の境目から壁205と床206の境目まで手についても温度を計測する。計測された温度は温度差算出手段53、運転制御手段54、記憶手段55、及び人検知手段56に送信される。
人検知手段56は、温度計測手段11が計測した上記温度を基に人を検知する。なお、室内の温度分布から人を検知する技術は公知技術として開示されている。例えば、人の頭部は室内では露出されることが多く、その温度は年齢、性別による影響が少なくほぼ36度程度であるため、これを利用して人を検知する技術が開示されている。本実施の形態においても同様の方法により人を検知してもよい。
また人検出手段56は、室内に人がいると検出した場合、室内機100から見た上記人がいる方向も検知する。これは後述するように、温度差低減モード1~3を実施する場合に、人に気流が直接当たって快適性を低下させることを防止するためである。人検知手段56の検知結果は、運転制御手段54及び記憶手段55に送信される。
続いて、本実施の形態における空調システム1000の動作を説明する。図15は本実施の形態における空調システム1000の動作を示すフローチャートである。図8にフローチャートと比較すると、図15ではS111がS201に置き換えられ、さらにS211の後にS202が追加されている。
S201では温度計測手段11は、高天井空間300の温度、床206の温度、及び生活空間300の温度も計測する。計測した温度は温度差算出手段53、運転制御手段54、記憶手段55、及び人検知手段56に送信される。
S202では人検知手段56はS201で計測された生活空間300の温度から、人を検知する。人検知手段56は例えば、上記計測された温度を基に室内に人の頭部と思われる部位が存在しているかによって、人を検知する。さらにこの時、人検知手段56は室内機100から見た、人が存在する方向も検知する。人検知手段56の検知結果は運転制御手段54及び記憶手段55に送信される。
S117、S118、及びS119では実施の形態1と同様に、温度差低減モード1~3が実行される。ただし、本実施の形態における温度差低減モード1~3の制御対象及び変更値は、実施の形態1と異なる。
図16は、本実施の形態における温度差低減モード1~3の制御対象と変更値を示す図である。本実施の形態では、S202において人が検出された場合、温度差低減モード1~3で気流の上下方向に加えて、気流の左右方向も変更する。具体的には、温度差低減モード1~3において、運転制御手段55は風向調整手段7を制御して、室内機100から吹き出す気流の左右方向を人がいない方向に変更する。なおこのとき、そのほかの制御対象と変更値は実施の形態1と同様でよい。
以上説明したように、本実施の形態の空調システム1000は、室内に人がいることを検知し、温度差低減モード1~3での気流の左右方向を人がいない方向に調整する。これにより、温度差低減モード1~3を実行する場合に、速度の大きい気流が人に直接あたることがなくなり、人の快適性が向上する。
また、本実施の形態において空調システム1000は下記のような動作をしてもよい。図15に示すフローチャートにおいて、S202で人検知手段56が人を検知した場合、S116に進み、人を検知しなかった場合S112に進むようにしてもよい。この場合、室内に人が存在する場合温度差解消モード1~3は実行されなくなる。これにより、温度差低減モード1~3を実行する場合に、速度の大きい気流が人に直接あたることがより確実になくなり、人の快適性が向上する。
実施の形態3
図17、18を参照しながら、本開示の実施の形態3について説明する。以下では、本実施の形態に係る空調システム1000について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。説明を省略した構成については実施の形態1と同一である。
図17は本実施の形態における制御手段50の構成を示す図である。本実施の形態における制御手段50は、実施の形態1における制御手段50の構成に加え、人の入室を予見する入室予見手段57を有する。
入室予見手段57は、例えば人が所有するスマートフォンやウェアラブル端末と通信することが可能で、GPS(商標登録)などを利用して、少なくとも室内機100が設置された室内にいない人の位置を検知する。さらに、検知した人の位置の時間変化から、室内機100が設置された室内に人が入室することを予見する。
具体的には、入室予見手段57は所定の時間間隔(例えば5分)で、人の位置を検知する。このとき、人が室内機100の設置された室内から所定の距離(例えば5[km])以内におり、かつ室内に近づいているとき、入室予見手段57は人が室内に入室することを予見する。予見された結果は、運転制御手段54及び記憶手段55に送信される。
続いて、本実施の形態の空調システム1000の動作について説明する。図18は本実施の形態における空調システム1000の動作を示すフローチャートである。
S301では、入室予見手段57は人が室内に入室することを予見する。具体的には、入室予見手段57は少なくとも2つの異なる時刻で人の位置を検知し、人が室内から所定の距離に存在し、かつ時間経過とともに室内に近づいているとき人が室内に入室すると予見する。入室予見手段57が人の入室を予見した場合、S102に進む。一方、入室予見手段57が人の入室を予見しなかった場合、所定の時間間隔(例えば10分)でS301の処理を繰り返す。
S302では、S104で温度差算出手段53が算出した室内温度差が、第3閾値ΔTs1以上であった場合、S304に進む。一方、上記室内温度差が第3閾値ΔTs1未満であった場合、S303に進む。なおS302においては、必ずしも第3閾値ΔTs1と室内温度差とによって判断を行う必要はなく、第3閾値ΔTs1と異なる所定の第4閾値ΔTs2と室内温度差とによって判断を行ってもよい。
S303では、運転制御手段54は空調システム1000の動作を停止する。なおこの時運転制御手段54は、圧縮機1、室外送風手段3、膨張弁4、室内送風手段6、及び風向調整手段7の動作を停止させる一方、少なくとも温度計測手段11、温度差算出手段53の動作は継続する。空調システム1000の動作が停止した後、S103に戻る。
S304では、空調システム1000は温度差低減モード4で動作する。温度差低減モード4では、運転制御手段54は室内送風手段6及び風向調整手段7を動作させる。このとき、室内送風手段6の室内ファン回転数は特に限定せず、例えば所定の一定の値でもよく、室内機100から高天井空間300までの距離に応じて決定するようにしてもよい。さらに風向調整手段7は、少なくとも水平以外の方向に向けて気流が吹き出されるよう制御される。図4の例でいえば、風向調整手段7は上下風向2~5のいずれかの状態に制御される。なお、実施の形態1の温度差低減モード1~3と同様に、風向調整手段7の向きを室内機100と高天井空間300の間の距離に応じて決定するようにしてもよい。
これにより、温度差低減モード4においては室内機100から下方向の気流が吹き出され、さらに室内全体に上下方向の空気の流れが生成される。これにより、高天井空間300の暖気と生活空間301空気とが混同され、室内温度差が解消する。
S305では、入室予見手段57は人が室内に入室したかを判断する。具体的には、人が室内機100の前方かつ室内機100から所定の距離(例えば5[m])以内にいる場合に人が室内に入室したと判断する。室内に人が入室した場合、空調システム1000の動作はS306で図8に示す実施の形態1の動作に切り替わる。このとき、空調システム1000の目標温度は、例えば前回実施の形態1の動作で空調システム1000が動作した時の目標温度などとしてもよい。一方、室内に人が入室していない場合、S103に戻る。
以上説明したように、本実施の形態の空調システム1000は、人が室内に入室することを予見する。人の入室が予見され、かつ室内温度差が第3閾値ΔTs1以上であるとき、空調システム1000は温度差低減モード3を実行する。これにより、例えば人が外出先から室内に戻ってくるとき、空調システム1000はあらかじめ高天井空間300に滞留している暖かい空気と、生活空間300の空気とを混合させておく。これにより、人が帰宅したとき生活空間300の空気の温度はすでに上昇しているので、人の快適性が向上する。
なお、本実施の形態における空調システム1000の動作を、実施の形態2における空調システム1000の動作と組み合わせることも可能である。この場合、S306では空調システム1000の動作は、図15に示す実施の形態2の動作に切り替わる。また、この場合S305において人が入室したかの判断は、人検知手段56により行ってもよい
1 圧縮機、 2 室外熱交換器、 3 室外送風手段、 4 膨張弁
5 室内熱交換器、 6 室内送風手段、 7 風向調整手段、 10 距離計測手段
11 温度計測手段、 12 吸い込み温度計測手段、 21 モータ本体
22 モータ軸、 23 支持部材、 24 超音波式距離センサ、 30 筐体
31 吸い込み口、 32 吹き出し口、 50 制御手段、 51 高天井検知手段
52 床検知手段、 53 温度差算出手段、 54 記憶手段、 55 運転制御手段
56 人検知手段 70 端末、 100 室内機、 101 室外機
200、202、204、205 壁 201、203 天井、 206 床
207 天井201の水平延長線、 300 高天井空間、 301 生活空間
400 気流、 401 上向きの気流、500 暖気、 1000 空調システム

Claims (10)

  1. 室内機と、
    室内に高さが異なる複数の天井が存在する場合に、前記複数の天井のうち最も低い天井より高い位置の高天井空間を検知する高天井検知手段と、
    床を検知する床検知手段と、
    前記高天井空間及び前記床の表面温度を計測する温度計測手段と、
    前記温度計測手段が検知した、前記高天井空間の温度と前記床の表面温度の温度差を算出する温度差算出手段と、
    前記温度差算出手段が算出した前記温度差が、第1閾値未満の場合あらかじめ定められた運転条件に従って第1気流を発生させ、前記温度差が前記第1閾値以上の場合、少なくとも前記第1気流より温度が低いか、あるいは、上下方向の速度成分が大きい第2気流を生成する制御を行う制御手段と、
    を備えることを特徴とする空調システム。
  2. 前記室内機から前記複数の天井までの距離を計測する距離計測手段を備え、
    前記高天井検知手段は、前記距離計測手段が計測した、前記室内機から前記複数の天井までの前記距離に基づき、前記高天井空間を検知する
    ことを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記室内機から前記床までの距離及び前記室内機から壁までの距離を計測する距離計測手段を備え、
    前記床検知手段は、前記距離計測手段が計測した、前記室内機から前記床までの前記距離と、前記室内機から前記壁までの前記距離と、に基づき、前記床を検知する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空調システム。
  4. 前記温度差算出手段は、少なくとも異なる2つ以上の時刻で前記温度差を計測し、前記異なる時刻で計測した前記温度差から、前記温度差の時間変化を算出し、
    前記制御手段は、前記温度差の時間変化が前記第1閾値と異なる第2閾値以上の場合、前記第2気流と温度、風向もしくは風速が異なる第3気流を生成する制御を行う
    ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の空調システム。
  5. 前記第3気流は、少なくとも前記第2気流より温度が低いか、あるいは、上下方向の速度成分が大きい
    ことを特徴とする請求項に記載の空調システム。
  6. 前記制御手段は、前記温度差の時間変化が前記第2閾値未満であり、少なくとも異なる2つ以上の時刻で計測された前記温度差のうち、最も後に計測された前記温度差が前記第1閾値以上の場合に前記第2気流を生成する制御を行う
    ことを特徴とする請求項またはに記載の空調システム。
  7. ユーザーが設定した目標温度を取得する目標温度取得手段と、
    前記室内機に吸い込まれる室内の空気の温度を計測する吸い込み温度の計測手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記第2気流もしくは前記第3気流のいずれかが生成されているときに、前記目標温度取得手段が取得した目標温度より前記吸い込み温度の計測手段が計測した室内の空気の温度が低い場合、前記第1気流より温度が高い第4気流を生成する制御を行う
    ことを特徴とする請求項からのいずれかに記載の空調システム。
  8. 前記制御手段は、前記室内機と前記高天井空間との距離に応じて、前記第2気流及び前記第3気流の上下方向を変化させる制御を行う
    ことを特徴とする請求項からのいずれかに記載の空調システム。
  9. 前記温度計測手段は、前記床と前記高天井空間との間の空間に存在する物体の表面温度を計測し、
    前記温度計測手段が計測した物体の表面温度から室内の人の存在を検知し、さらに、前記室内機から見た場合の人がいる方向を検知する人検知手段を備え、
    前記制御手段は室内に人が存在する場合、前記第2気流あるいは前記第3気流の左右方向を、前記人検知手段が検知した人がいる方向以外の方向に制御する
    ことを特徴とする請求項からのいずれかに記載の空調システム。
  10. 室外にいる人の位置を検知し、前記室外にいる人の位置の時間変化から、室内に人が入室することを予見する入室予見手段を備え、
    前記制御手段は、前記入室予見手段が室内に人が入室することを予見し、かつ、前記温度差算出手段が算出した前記温度差が前記第1閾値より大きい場合、温度調整を行わず送風のみを行う第5気流を生成する制御を行う
    ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の空調システム。
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