WO2020044826A1 - 飛沫到達範囲制御システム及び飛沫到達範囲制御方法 - Google Patents

飛沫到達範囲制御システム及び飛沫到達範囲制御方法 Download PDF

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Abstract

空間内の風速、風向、温度、湿度及び空間スケールの少なくとも1つを示す環境情報を取得する第1取得部(110)と、前記空間内に存在する第1対象者と第2対象者の各々の顔の位置及び向きを示す対象者情報を取得する第2取得部(120)と、 前記環境情報及び前記対象者情報に基づいて、前記第1対象者からの飛沫の到達範囲を推定する推定部(130)と、前記到達範囲内に、前記第2対象者の呼吸域が存在する場合、前記呼吸域が前記到達範囲外になるように前記空間内の環境を調整する制御部(140)を備える、飛沫到達範囲制御システム(100)。

Description

飛沫到達範囲制御システム及び飛沫到達範囲制御方法
 本開示は、飛沫到達範囲制御システム及び飛沫到達範囲制御方法に関する。
 インフルエンザ又はマイコプラズマ肺炎をはじめとした感染症が伝播する感染経路の1つに飛沫感染がある。飛沫感染では、感染者の咳又はくしゃみなどにより放出された飛沫に付着したウイルスを介して周辺の人が感染する。
 飛沫感染を抑える技術として、例えば、特許文献1又は2に開示された技術が知られている。特許文献1に開示された被感染候補者特定装置では、感染者が飛沫を放出する行動をした際の位置と時刻とに基づいて、飛沫感染による感染の候補者を絞り込んでいる。特許文献2に開示された空気浄化システムでは、室内空間に浮遊するウイルスなどの微小物質を、発生させた水粒子によって回収することで、空気の浄化を行う。
特開2017-117416号公報 特開2012-135325号公報
Xie X., Li Y., Chwang A.T., Ho P.L. and Seto W.H., "How far droplets can move in indoor environments--revisiting the Wells evaporation-falling curve", Indoor Air, 2007 Jun. 17(3), 211-225.
 一般的に、飛沫は最大で約2m先まで到達すると想定されている。しかしながら、飛沫の到達範囲は、風速、風向及び湿度などの環境の要因によって変化する。例えば、非特許文献1によれば、咳による飛沫の到達距離と相対湿度との関係をシミュレーションした結果、約30μmの粒径の飛沫の到達距離は、相対湿度が30%である場合と70%である場合とで約80cm異なる。
 上記従来技術では、このような環境の要因が考慮されていないため、飛沫の到達範囲の推定精度が悪く、飛沫感染を効率良く抑制することができないという問題がある。
 そこで、本開示は、飛沫感染を効率良く抑制することができる飛沫到達範囲制御システム及び飛沫到達範囲制御方法を提供する。
 本開示の一態様に係る飛沫到達範囲制御システムは、空間内の風速、風向、温度、湿度及び空間スケールの少なくとも1つを示す環境情報を取得する第1取得部と、前記空間内に存在する第1対象者と第2対象者の各々の顔の位置及び向きを示す対象者情報を取得する第2取得部と、前記環境情報及び前記対象者情報に基づいて、前記第1対象者からの飛沫の到達範囲を推定する推定部と、前記到達範囲内に、前記第2対象者の呼吸域が存在する場合、前記呼吸域が前記到達範囲外になるように前記空間内の環境を調整する制御部とを備える。
 尚、この包括的又は具体的な態様は、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の不揮発性の記録媒体を含む。
 本開示によれば、飛沫感染を効率良く抑制することができる。本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
図1は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムの構成を示す図 図2は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムが適用される空間の一例を示す図 図3は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムが気流を調整した場合の飛沫の到達範囲の変化を示す図 図4は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムによって推定された空間の気流分布と直接的な気流による環境の調整処理を示す図 図5は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムによって推定された空間の気流分布と間接的な気流による環境の調整処理を示す図 図6は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムが湿度を調整した場合の飛沫の到達範囲の変化を示す図 図7は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムが用いる環境リスクデータベースの一例を示す図 図8は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムが用いる人リスクデータベースの一例を示す図 図9は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムが用いる飛沫の到達距離データベースの一例を示す図 図10は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムが用いる第1飛沫抑制行動に基づいた補正係数データベースの一例を示す図 図11は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムが用いる第2飛沫抑制行動に基づいた補正係数データベースの一例を示す図 図12は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムが用いる対象者の健康状態に基づいた補正係数データベースの一例を示す図 図13は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムが用いる対象者の高低差に基づいた補正係数データベースの一例を示す図 図14は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムが用いる快適性データベースの一例を示す図 図15は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムの動作を示すフローチャート 図16は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムによる推定処理の一例を示すフローチャート 図17は、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムによる予備動作が検出された場合の処理を示すフローチャート 図18は、実施の形態の変形例に係る飛沫到達範囲制御システムの2人の対象者の位置関係を示す図 図19は、実施の形態の変形例に係る飛沫到達範囲制御システムが用いる特定行動データベースを示す図
 (本開示の概要)
 本開示の一態様に係る飛沫到達範囲制御システムは、空間内の風速、風向、温度、湿度及び空間スケールの少なくとも1つを示す環境情報を取得する第1取得部と、前記空間内に存在する第1対象者と第2対象者の各々の顔の位置及び向きを示す対象者情報を取得する第2取得部と、前記環境情報及び前記対象者情報に基づいて、前記第1対象者からの飛沫の到達範囲を推定する推定部と、前記到達範囲内に、前記第2対象者の呼吸域が存在する場合、前記呼吸域が前記到達範囲外になるように前記空間内の環境を調整する制御部とを備える。
 これにより、第1対象者からの飛沫の到達範囲内に第2対象者の呼吸域が存在する場合に、当該呼吸域が飛沫の到達範囲外になるように環境が調整されるので、第2対象者が第1対象者からの飛沫によって感染するのを抑制することができる。また、第1対象者の飛沫の到達範囲内に第2対象者の呼吸域が存在しない場合には、仮に第1対象者が飛沫を放出したとしても、第1対象者からの飛沫が第2対象者の鼻又は口から体内に入る可能性が充分に低い。また、空間内に対象者が一人しかいない場合も同様に、他人の体内に飛沫が入る可能性が極めて小さい。このため、これらの場合には環境を調整しなくてもよくなるので、環境の調整に要する電力などのエネルギーの消費を抑制することができる。このように、本態様に係る飛沫到達範囲制御システムによれば、飛沫感染の可能性が高い場合を重点的に環境の調整が行われるので、飛沫感染を効率良く抑制することができる。
 また、第1対象者と第2対象者に特別な測定装置などを装着しなくてもよいので、様々な環境下で利用することができる。例えば、予め定められた人物だけでなく、突然の訪問者なども対象者とすることができ、飛沫感染を効率良く抑制することができる。
 なお、飛沫の到達範囲は、相対湿度に依存する。具体的には、相対湿度が高い程、飛沫の到達範囲は狭くなり、相対湿度が低い程、飛沫の到達範囲が広くなる。
 このため、本開示の一態様に係る飛沫到達範囲制御システムでは、例えば、前記環境情報は、前記空間内の湿度を示し、前記推定部は、さらに、前記空間内の湿度分布を推定し、前記調整する環境は、前記第1対象者と前記第2対象者との間の空間の第1湿度であり、前記制御部は、前記湿度分布に基づいて、前記第1湿度を調整してもよい。
 これにより、例えば、相対湿度を高くすることで飛沫の到達範囲を狭くすることができるので、飛沫の到達範囲と呼吸域とが重なるのを抑制することができる。このため、飛沫感染を抑制することができる。
 また、例えば、前記制御部は、前記第1湿度を相対湿度40%以上70%以下に調整してもよい。
 これにより、複数の対象者の快適性を維持しながら飛沫感染を抑制することができる。
 また、例えば、前記環境情報は、前記空間内の風速及び風向を示し、前記推定部は、さらに、前記空間内の気流分布を推定し、前記調整する環境は、前記第1対象者と前記第2対象者との間に流れる第1気流であり、前記制御部は、前記気流分布に基づいて、前記第1気流を調整してもよい。
 これにより、気流の風速及び風向を調整することで飛沫の到達範囲を変更することができるので、飛沫の到達範囲と呼吸域とが重なるのを抑制することができる。このため、飛沫感染を抑制することができる。
 また、例えば、前記制御部は、前記第1対象者の呼吸域と前記第2対象者の呼吸域とを結ぶ直線と、前記第1気流の風向とがなす角度が10°以上になるように、前記第1気流を調整してもよい。
 これにより、飛沫の到達範囲を呼吸域から大きく外すことができるので、飛沫感染を抑制することができる。
 また、例えば、前記制御部は、前記第1気流の風速を0.5m/s以下に調整してもよい。
 これにより、複数の対象者の快適性を維持しながら飛沫感染を抑制することができる。
 また、例えば、前記推定部は、前記第1対象者の身体的特徴を示す属性情報にさらに基づいて前記到達範囲を推定してもよい。
 これにより、例えば、性別、年齢又は身長などの身体的特徴に基づいて飛沫の到達範囲を精度良く推定することができる。推定される到達範囲の精度が良くなるので、飛沫感染を更に抑制することができる。
 また、例えば、前記推定部は、前記環境情報及び前記対象者情報の少なくとも一方に基づいて前記第1対象者の健康状態を推定し、推定した健康状態に基づいて前記到達範囲を推定してもよい。
 これにより、健康状態に基づいて飛沫の到達範囲を精度良く推定することができる。推定される到達範囲の精度が良くなるので、飛沫感染を更に抑制することができる。
 また、例えば、前記推定部は、前記第1対象者が行う飛沫放出行動の予備動作を検出し、検出した予備動作に基づいて前記飛沫の放出方向と放出量とを予測し、前記予測にさらに基づいて前記到達範囲を推定し、前記制御部は、前記予備動作が検出された場合には、予め定められた調整範囲を逸脱して、前記環境を調整してもよい。
 予備動作が検出された場合には、飛沫感染の可能性が非常に高くなるので、予め定められた調整範囲を超えて環境の調整を行う。これにより、予備動作の後に放出される飛沫が他者の鼻又は口から体内に入る可能性を充分に低減することができる。したがって、飛沫感染を更に抑制することができる。
 また、例えば、本開示の一態様に係る飛沫到達範囲制御システムは、さらに、前記第1対象者及び前記第2対象者の各々の行動履歴を記憶する記憶部を備え、前記推定部は、さらに、前記行動履歴に基づいて、第1時刻に前記第1対象者が第1場所に位置し、前記第2対象者が第2場所に位置することを推定し、前記制御部は、前記第1時刻より前に、前記第2場所に位置する前記第2対象者の呼吸域が、前記第1場所に位置する前記第1対象者の前記到達範囲外になるように前記空間内の環境を調整してもよい。
 これにより、行動履歴に基づいて呼吸域が飛沫の到達範囲外になるように予め環境を調整しておくことができる。つまり、急激な環境の変化などを行わなくてもよくなるので、環境の調整に要する電力などのエネルギーの消費を抑制することができる。
 また、例えば、前記推定部は、前記第1対象者が行う飛沫抑制行動に基づいて前記到達範囲を推定してもよい。
 これにより、例えば、マスクを装着している、又は、顔を背けるなどの飛沫抑制行動に基づいて飛沫の到達範囲を精度良く推定することができる。また、例えば、マスクを装着している場合には、装着していない場合に比べて飛沫の到達範囲が充分に狭くなる。このため、到達範囲内に呼吸域が存在する場合が起こりにくくなるので、環境の調整を行う頻度が少なくなる。したがって、環境の調整に要する電力などのエネルギーの消費を抑制することができるので、飛沫感染を効率良く抑制することができる。
 また、本開示の一態様に係る飛沫到達範囲制御方法は、空間内の風速、風向、温度、湿度及び空間スケールの少なくとも1つを示す環境情報を取得し、前記空間内に存在する第1対象者と第2対象者の各々の顔の位置及び向きを示す対象者情報を取得し、前記環境情報及び前記対象者情報に基づいて、前記第1対象者からの飛沫の到達範囲を推定し、前記到達範囲内に、前記第2対象者の呼吸域が存在する場合、前記呼吸域が前記到達範囲外になるように前記空間内の環境を調整する。
 これにより、上述した飛沫到達範囲制御システムと同様に、飛沫感染を効率良く抑制することができる。
 以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
 なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
 また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
 (実施の形態)
 [1.構成]
 まず、実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムの構成について説明する。
 図1は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100の構成を示す図である。図2は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100が適用される空間90の一例を示す図である。
 図1に示される飛沫到達範囲制御システム100は、飛沫を介した病気の感染(すなわち、飛沫感染)を抑制するためのシステムである。飛沫は、人が飛沫放出行動を行った場合に、主に人の口から放出される。飛沫放出行動は、くしゃみ、咳、会話(若しくは発声)又は呼吸などである。例えばインフルエンザ又はマイコプラズマ肺炎などの病気に人が罹っている場合、当該人の飛沫には、インフルエンザウイルス又はマイコプラズマなどの病原体が含まれる。飛沫が他者の鼻又は口から体内に取り入れられた場合に、当該他者も病気に感染する。このため、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100では、人からの飛沫の到達範囲を制御することで、飛沫感染を抑制する。
 具体的には、飛沫到達範囲制御システム100は、図2に示されるような空間90内の環境を調整することで、空間90内に存在する複数の対象者U1及びU2の各々からの飛沫の到達範囲を制御し、飛沫感染を抑制することができる。対象者の人数は2人に限らず、3人以上であってもよい。対象者U1は、空間90内に存在する複数の対象者に含まれる第1対象者の一例である。対象者U2は、空間90内に存在する複数の対象者に含まれる第2対象者の一例である。飛沫到達範囲制御システム100は、例えば、対象者U1からの飛沫によって対象者U2が感染するのを抑制することができ、かつ、対象者U2からの飛沫によって対象者U1が感染するのを抑制することができる。
 図1に示されるように、飛沫到達範囲制御システム100は、環境情報取得部110と、対象者情報取得部120と、推定部130と、制御部140と、記憶部150とを備える。飛沫到達範囲制御システム100は、具体的には、環境測定装置10と、人検出装置20と、サーバ装置30と、空調機器40とによって実現される。環境測定装置10と、人検出装置20と、サーバ装置30と、空調機器40とは、例えば、有線又は無線で互いに接続されており、データ及び情報の送受信が可能である。
 なお、飛沫到達範囲制御システム100の実現される具体的な構成は、図1に示される例に限られない。例えば、飛沫到達範囲制御システム100は、複数の環境測定装置10又は複数の人検出装置20を備えてもよく、あるいは、サーバ装置30及び空調機器40の少なくとも一方を備えなくてもよい。また、飛沫到達範囲制御システム100は、単一の機器で実現されてもよい。
 環境情報取得部110は、空間90内の風速、風向、温度、湿度及び空間スケールの少なくとも1つを示す環境情報を取得する第1取得部の一例である。具体的には、環境情報には、空間90内の風速及び風向を示す気流情報、空間90内の温度を示す温度情報、空間90内の湿度を示す湿度情報、及び、空間スケールを示す空間情報が含まれる。空間スケールは、空間90の大きさ及び形状である。空間情報は、さらに、空間90内に配置された家具又は機器の配置を示してもよい。
 本実施の形態では、図1に示されるように、環境測定装置10が環境情報取得部110を備える。環境測定装置10は、例えば、図2に示される温湿度計11又は風速風向計12である。温湿度計11は、空間90内に設けられ、空間90内の温度及び湿度を測定する。風速風向計12は、空間90内に設けられ、設けられた位置での風速及び風向を測定する。なお、環境測定装置10は、温度を測定する温度計、又は、湿度を測定する湿度計であってもよい。測定される湿度は、例えば相対湿度であるが、絶対湿度であってもよい。
 図2に示されるように、飛沫到達範囲制御システム100は、例えば、1つの温湿度計11と、複数の風速風向計12とを備える。なお、温湿度計11及び風速風向計12の個数は、これに限らない。飛沫到達範囲制御システム100は、複数の温湿度計11を備えてもよく、1つの風速風向計12を備えてもよい。複数の温湿度計11は、空間90内の互いに異なる位置に設けられ、設けられた位置での温度及び湿度を測定してもよい。これにより、空間90内の温度分布及び湿度分布を精度良く推定することができる。飛沫到達範囲制御システム100は、1つ以上の温度計と1つ以上の湿度計とを備えてもよい。
 対象者情報取得部120は、対象者情報を取得する第2取得部の一例である。対象者情報は、空間90内に存在する複数の対象者U1及びU2の各々の顔の位置及び向き、並びに、当該複数の対象者U1及びU2の人数を示す情報である。
 本実施の形態では、図1に示されるように、人検出装置20が対象者情報取得部120を備える。人検出装置20は、例えば、図2に示されるカメラ21である。カメラ21は、可視光カメラであるが、赤外線カメラであってもよい。飛沫到達範囲制御システム100は、複数のカメラ21を備えてもよい。例えば、複数のカメラ21は、空間90内の異なる位置に設けられている。複数のカメラ21は、例えば、撮影範囲の死角を互いに補うように設けられている。カメラ21が空間90内を撮影することで、撮影画像を生成し、生成した撮影画像を対象者情報として推定部130に出力する。撮影画像は、例えば動画像であるが、静止画であってもよい。
 撮影画像に対して顔検出処理などの画像処理が行われることで、対象者の人数、顔の位置及び向きが決定される。また、画像処理によって飛沫抑制行動の種類が決定されてもよい。また、画像処理によって飛沫放出行動の予備動作が検出される。画像処理は、例えば、推定部130によって行われるが、対象者情報取得部120によって行われてもよい。
 また、人検出装置20は、対象者U1及びU2が身につけるICタグ80若しくは携帯情報端末から送信されるデータを読み取る機器、又は、対象者に装着された測定機器などで実現されてもよい。例えば、ICタグ80又は携帯情報端末には、対象者の年齢、性別又は身長などの身体的特徴を示す属性情報が記憶されている。また、ICタグ80又は携帯情報端末には、対象者の健康状態を示す健康情報が記憶されていてもよい。また、測定機器は、対象者の心拍数、血圧又は呼吸量などを測定する。
 推定部130は、環境情報及び対象者情報に基づいて、複数の対象者U1及びU2の各々からの飛沫の到達範囲を推定する処理部の一例である。飛沫の到達範囲は、対象者が飛沫放出行動を行った場合に、対象者の口から放出される飛沫が到達する範囲である。
 飛沫の到達範囲は、空間90内の三次元の範囲であり、例えば、対象者の口の位置及び顔の向きと、飛沫の放出方向と、飛沫の到達距離とに基づいて定められる。飛沫の到達距離は、空間90内の気流分布、温度分布又は湿度分布などの環境値の分布に基づいて推定される。推定部130は、空間90内に存在する全ての対象者に対して、対象者毎に飛沫の到達範囲の推定を行う。飛沫の到達範囲の推定の具体例については、後で説明する。
 本実施の形態では、推定部130は、さらに、気流情報に基づいて空間90内の気流分布を推定する。例えば、推定部130は、複数地点での測定により得られた複数の気流情報の時間変化に基づいて流体解析を行うことで、気流分布を推定する。流体解析は、例えばCFD(Computational Fluid Dynamics)解析であるが、これに限らない。
 気流分布は、空間90を三次元マトリクス状に複数の部分空間(例えば、図4又は図5に示される部分空間91)に分割し、部分空間毎の気流の風速及び風向を示している。複数の部分空間は、例えば、三次元直交座標系(x,y,z)でその位置が表される立体空間であるが、これに限らない。部分空間は、直方体状の空間でもよく、三角錐状の空間でもよい。
 また、推定部130は、湿度情報に基づいて空間90内の湿度分布を推定してもよい。例えば、推定部130は、複数地点での測定により得られた複数の湿度情報に基づいたシミュレーションを行うことで、湿度分布を推定する。なお、複数の測定地点間の未測定の湿度は、複数の測定値の内挿又は外挿により算出されてもよい。
 湿度分布は、気流分布と同様に、空間90を三次元マトリクス状に複数の部分空間に分割し、部分空間毎の相対湿度を示している。なお、空間90内での湿度の測定箇所が一箇所である場合、空間90内の相対湿度は均一であるとみなしてもよい。
 また、推定部130は、温度情報に基づいて空間90内の温度分布を推定してもよい。温度分布は、例えば湿度分布と同様に推定される。
 本実施の形態では、推定部130は、推定した気流分布、湿度分布及び温度分布の少なくとも1つに基づいて飛沫の到達範囲を推定する。各分布を利用することで、飛沫の到達範囲の推定精度を高めることができる。例えば、飛沫は気流に沿って運ばれやすいので、気流分布に基づいて飛沫の到達距離及び方向が精度良く推察される。また、湿度分布又は温度分布を推定することで、空間90内の飽和水蒸気量の分布が分かるので、水分を含む飛沫の蒸発のしやすさが推定される。蒸発しやすい程、飛沫の到達距離は短くなり、蒸発しにくい程、飛沫の到達距離は長くなる。
 本実施の形態では、図1に示されるように、サーバ装置30が推定部130を備える。サーバ装置30は、空間90内に設置されていてもよく、空間90の外に設置されていてもよい。サーバ装置30は、例えば、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどで実現される。サーバ装置30が備える推定部130は、プロセッサによって実行されるソフトウェアで実現されてもよく、複数の回路素子を含む電子回路などのハードウェアで実現されてもよい。
 制御部140は、空間90内に存在する複数の対象者に含まれる第1対象者からの飛沫の到達範囲内に、複数の対象者に含まれる第2対象者の呼吸域が存在する場合、当該呼吸域が第1対象者からの飛沫の到達範囲外になるように空間90内の環境を調整する。具体的には、制御部140は、対象者U1からの飛沫の到達範囲内に対象者U2の呼吸域が存在する場合、対象者U2の呼吸域が対象者U1からの飛沫の到達範囲外になるように空間90内の環境を調整する。また、逆に、制御部140は、対象者U2からの飛沫の到達範囲内に対象者U1の呼吸域が存在する場合、対象者U1の呼吸域が対象者U2からの飛沫の到達範囲外になるように空間90内の環境を調整する。
 より具体的には、制御部140は、空間90内に存在する全ての対象者の各々からの飛沫の到達範囲内に、自身を除く少なくとも1人の他者の呼吸域が存在する場合に、当該呼吸域が飛沫の到達範囲外になるように空間90内の環境を調整する。つまり、制御部140は、空間90内において他者間で飛沫の到達範囲と呼吸域との重複が起きないように、空間90内の環境を調整する。なお、対象者の飛沫の到達範囲と当該対象者自身の呼吸域とは通常、重複する。
 例えば、制御部140は、気流分布に基づいて、対象者U1と対象者U2との間に流れる気流を調整する。具体的には、制御部140は、気流の風速を0.5m/s以下に調整する。風速が0.5m/s以下の範囲は、空間90内に存在する複数の対象者が快適感を得られるように予め定められた範囲である。
 また、例えば、制御部140は、推定された湿度分布に基づいて、対象者U1と対象者U2との間の空間90の湿度を調整してもよい。具体的には、制御部140は、対象者U1と対象者U2との間の空間90の相対湿度を40%以上70%以下に調整してもよい。相対湿度が40%以上70%以下の範囲は、空間90内に存在する複数の対象者が快適感を得られるように予め定められた範囲である。
 本実施の形態では、図1に示されるように、空調機器40が制御部140を備える。なお、制御部140は、サーバ装置30に備えられていてもよい。
 空調機器40は、例えば、図2に示される送風機41又はエアコン42である。送風機41は、空間90内に気流を放出する機器であり、放出する気流の風速(風量)及び風向が調整可能である。エアコン42は、空間90内の温度及び湿度を調整する機器である。エアコン42は、送風機41と同様に、風速及び風向が調整された気流を空間90内に放出してもよい。
 記憶部150は、飛沫到達範囲制御システム100の動作時に用いるデータを記憶する。記憶部150は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの不揮発性記憶装置である。記憶部150に記憶されるデータの詳細については、後で説明する。
 本実施の形態では、サーバ装置30が記憶部150を備える。あるいは、サーバ装置30とは異なる別の装置が記憶部150を備えてもよい。
 [2.環境の調整]
 続いて、飛沫到達範囲制御システム100による空間90内の環境の調整の具体例について説明する。本実施の形態における環境の調整には、空間90内の気流の調整、又は、空間90内の湿度の調整が含まれる。以下では、まず、気流の調整について説明する。
 [2-1.気流の調整]
 図3は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100が気流を調整した場合の飛沫の到達範囲の変化を示す図である。具体的には、図3の(a)は、気流の調整前の状態を示し、図3の(b)は、気流の調整後の状態を示している。
 図3の(a)に示されるように、対象者U1と対象者U2との間には気流50が流れている。気流50は、対象者U1から対象者U2に向かって流れている。対象者U1からの飛沫の到達範囲61は、気流50に沿って対象者U2に向かう方向に延びている。対象者U2からの飛沫の到達範囲62は、対象者U2から対象者U1に向かう方向とは反対方向に延びている。
 対象者U1の呼吸域71は、対象者U1の鼻又は口を中心とする領域である。対象者U2の呼吸域72は、対象者U2の鼻又は口を中心とする領域である。具体的には、呼吸域71及び72はそれぞれ、対象者U1若しくはU2の鼻、口、又は、鼻と口との間(いわゆる鼻の下)を中心とする所定半径の球状の領域である。なお、呼吸域の形状は、球状に限らず、楕円球状、立方体状又は直方体状であってもよい。
 図3の(a)に示されるように、対象者U1からの飛沫の到達範囲61内に対象者U2の呼吸域72が存在している。このように到達範囲61と呼吸域72とが重複している場合、対象者U1が飛沫を放出させたとき、その飛沫が対象者U2の呼吸によって対象者U2の体内に取り込まれる恐れがある。つまり、対象者U1から対象者U2への飛沫感染が発生する恐れがある。
 そこで、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100では、制御部140が、対象者U1と対象者U2との間に流れる気流を調整する。例えば、制御部140は、調整前の気流50とは風向が異なる気流51が対象者U1と対象者U2との間に流れるように空間90内の気流を調整する。具体的には、図3の(b)に示されるように、制御部140は、対象者U1の呼吸域71と対象者U2の呼吸域72とを結ぶ直線L2と、気流51の風向とがなす角度θが10°以上になるように、気流51を調整する。なお、図3の(b)では、気流51の風向を破線L1で表している。
 対象者U1と対象者U2との間に気流51が流れることによって、飛沫の到達範囲61及び62はそれぞれ、その延びる方向が気流51の風向に沿った方向に変化する。具体的には、調整前の到達範囲61及び62はそれぞれ、図3の(b)に示される到達範囲63及び64に変化する。これにより、対象者U1の飛沫の到達範囲63と対象者U2の呼吸域72との重複が解消される。このため、仮に対象者U1が飛沫を放出させたとしても、対象者U2の呼吸によって体内に取り入れられる可能性が充分に低減される。したがって、飛沫感染を抑制することができる。
 なお、図3の(a)に示されるように、対象者U2の飛沫の到達範囲62内に対象者U1の呼吸域71は存在していない。このため、対象者U2から対象者U1への飛沫感染については考慮しなくてよい。
 気流51の風速及び風向は、空間90内に存在する全ての対象者の飛沫の到達範囲と呼吸域とが重複しないように調整される。図3に示されるように、空間90内に対象者が2人しかいない場合、制御部140は、例えば角度θが90°に近づくように気流51の風向を調整する。調整された風向は、水平面内における風向に限らず、鉛直面内における風向、あるいは、水平面に対して傾斜した傾斜面内における風向であってもよい。具体的には、気流51の風向は、鉛直下方であってもよく、斜め下方であってもよい。
 対象者U1と対象者U2との間に流れる気流50を風向の異なる気流51にする方法には、直接的に行う方法と間接的に行う方法とがある。以下では、まず、直接的に行う方法について、図4を用いて説明する。
 図4は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100によって推定された空間90の気流分布と直接的な気流による環境の調整処理を示す図である。図4に示されるように、空間90は、三次元マトリクス状に複数の部分空間91に分割されている。図4では、空間90内の一面(例えば水平面又は垂直面)に二次元状に並んだ複数の部分空間91を示している。各部分空間91に示される矢印の向き及び長さがそれぞれ、推定された気流分布に基づく気流の風向及び風速を示している。なお、図4において、部分空間91内に描画されたドットは、風速が実質的に0であることを示している。
 また、図4には、一例として、9台の環境測定装置10a~10iと、3台の人検出装置20a~20cと、2台の空調機器40a及び40bとが空間90内に配置されている例を示している。環境測定装置10a~10iはそれぞれ、図1に示される環境測定装置10であり、配置地点における風向及び風速を測定する。環境測定装置10の台数が多い程、環境値の分布の推定精度を高めることができる。人検出装置20a~20cはそれぞれ、図1に示される人検出装置20であり、配置地点から空間90内を互いの死角を補うように撮影することで、空間90内に存在する対象者を検出する。人検出装置20の台数が多い程、対象者の検出精度、例えば、対象者の顔の位置及び向きの検出精度を高めることができる。空調機器40a及び40bはそれぞれ、図1に示される空調機器40であり、空間90内に気流を生成する。空調機器40の台数が多い程、空間90内の環境の調整の精度を高めることができる。
 図4に示されるように、空間90内には、2人の対象者U1及びU2が存在している。対象者U1からの飛沫の到達範囲61と、対象者U2からの飛沫の到達範囲62とをドットの網掛けを付して示している。到達範囲61及び62はいずれも、推定部130によって推定されることで得られる。
 図4に示される例では、対象者U1からの飛沫の到達範囲61と対象者U2の呼吸域とが重複している。到達範囲61と呼吸域との重複領域75には、破線及びドットの網掛けを付して示している。
 この場合、制御部140は、空間90内に配置された複数の空調機器40の中から、対象者U1と対象者U2との間に気流を生成させることができる少なくとも1台の空調機器を選択し、選択した空調機器40を制御する。例えば、制御部140は、複数の空調機器40のうち、対象者U1及び対象者U2の間に最も近い空調機器40を選択する。
 図4に示される例では、制御部140は、空調機器40aを選択し、空調機器40aを制御することで、空調機器40aから気流50aを放出させる。気流50aは、対象者U1と対象者U2との間をそのまま(すなわち、直接)流れる。つまり、空調機器40aから放出された直後の気流50aの風向と、対象者U1と対象者U2との間を流れる気流の風向とが実質的に同じである。気流50aの放出方向である矢印51aは、図3の(b)に示される破線L1に相当する。このように、対象者U1と対象者U2との間に気流50aを直接送ることにより、飛沫の到達範囲61と呼吸域との重複を解消することができる。
 次に、対象者U1と対象者U2との間に流れる気流50を風向の異なる気流51にする間接的な方法について、図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100によって推定された空間90の気流分布と間接的な気流による環境の調整処理を示す図である。
 図5に示されるように、制御部140は、空調機器40bを制御することで、空調機器40bから気流50bを放出させる。気流50bは、空間90の壁に向かって放出されている。気流50bは、壁に当たった後、壁に沿って流れるとともに一部(具体的には、矢印51bに示される気流成分)が、対象者U1と対象者U2との間を流れる。
 このように、空間90を形成する壁、又は、空間90内に配置された家具若しくは家電機器などによって進行方向が曲げられた気流50bが、対象者U1と対象者U2との間を流れる。つまり、空調機器40bから放出された直後の気流50bの風向と、対象者U1と対象者U2との間の気流の風向とが異なっている。このように、対象者U1と対象者U2との間に気流を間接的に送ることにより、飛沫の到達範囲61と呼吸域との重複を解消することができる。
 なお、対象者U1と対象者U2との間に流す気流を生成するための空調機器40は、1台でなくてもよい。複数の空調機器40が協働して対象者U1と対象者U2との間に気流を流してもよい。
 [2-2.湿度の調整]
 続いて、空間90内の湿度の調整について説明する。
 図6は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100が湿度を調整した場合の飛沫の到達範囲の変化を示す図である。具体的には、図6の(a)は、湿度の調整前の状態を示し、図6の(b)は、湿度の調整後の状態を示している。図6の(a)は、図3の(a)と同じである。
 本実施の形態では、制御部140は、対象者U1と対象者U2との間の空間(以下、局所空間と記載する)の湿度を調整する。局所空間は、例えば、対象者U1の呼吸域71と対象者U2の呼吸域72との間である。具体的には、局所空間は、呼吸域71と呼吸域72とを両端に含む空間である。
 具体的には、制御部140は、局所空間を内包する、局所空間より大きい空間の相対湿度を調整することで、局所空間の相対湿度を調整する。例えば、制御部140は、空間90内の全体の相対湿度を調整する。あるいは、制御部140は、対象者U1及びU2を含む空間との相対湿度を調整してもよい。制御部140は、局所空間の相対湿度を局所的に調整してもよい。
 湿度が高い程、飛沫に含まれる水分が蒸発しにくくなり、飛沫の粒径が大きく、かつ、重量も重い状態で維持される。このため、湿度が高い場合には、人から放出された飛沫は重力によって地面に落下しやすくなり、拡散される範囲が狭くなる。逆に、湿度が低い程、飛沫に含まれる水分が蒸発しやすくなり、飛沫の粒径が小さく、かつ、軽量化される。このため、飛沫は空気中を漂いやすくなり、拡散される範囲が広くなる。
 したがって、制御部140は、飛沫の到達範囲61内に呼吸域72が存在している場合に、局所空間の湿度を高くする。これにより、飛沫の到達範囲61及び62はそれぞれ、湿度が高くなることにより、図6の(b)に示される到達範囲65及び66に変化する。具体的には、湿度を高くした後の飛沫の到達範囲65は、湿度の調整前の到達範囲61よりも狭くなっている。到達範囲66も同様に、到達範囲62より狭くなっている。
 これにより、対象者U1からの飛沫の到達範囲65と対象者U2の呼吸域72との重複が解消される。このため、仮に対象者U1が飛沫を放出させたとしても、対象者U2の呼吸によって体内に取り入れられる可能性が充分に低減される。したがって、飛沫感染を抑制することができる。
 [3.飛沫の到達範囲の推定]
 続いて、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100による飛沫の到達範囲の推定方法の具体例について説明する。
 上述したように、飛沫は、人がくしゃみなどの飛沫放出行動を行った場合に、人の口から放出される。飛沫の到達距離は、一般的には1mから2mの範囲と言われているが、空間の温度、湿度、並びに、気流の風速及び風向に依存する。さらには、飛沫の到達範囲は、飛沫を放出する人の年齢、性別及び身長などの身体的特徴にも依存する。このように、飛沫の到達範囲は、空間の環境に起因する要因と、人体に起因する要因とに応じて変化する。言い換えると、飛沫の到達範囲を広くするリスクには、環境に起因するリスク(以下、環境リスクと記載する)と、人に起因するリスク(以下、人リスクと記載する)とがある。
 本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100では、推定部130が環境リスクと人リスクとに基づいて飛沫の到達範囲を推定する。具体的には、推定部130は、環境情報取得部110によって取得された環境情報と、対象者情報取得部120によって取得された対象者情報とに基づいて、記憶部150に記憶された複数のデータベースを参照することで、飛沫の到達範囲を推定する。以下では、記憶部150に記憶された複数のデータベースの具体例について説明する。
 図7は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100が用いる環境リスクデータベースの一例を示す図である。
 図7に示されるように、相対湿度と、呼吸域間の方向(図3の(b)の直線L2に沿った方向)における風速との組み合わせ毎に、「A」~「E」の5段階の指標値(すなわち、環境リスクレベル)が割り当てられている。具体的には、相対湿度は、30%以下の範囲と、30%以上70%以下の範囲と、70%以上の範囲との3段階にレベル分けされている。風速は、0.25m/s以下の範囲と、0.25m/s以上0.50m/s以下の範囲と、0.50m/s以上1.00m/s以下の範囲と、1.00m/s以上の範囲との4段階にレベル分けされている。3段階の相対湿度と4段階の風速とがなす12個の組み合わせの各々に「A」~「E」の5段階の指標値が割り当てられている。
 指標値「A」~「E」は、環境リスクに基づいて飛沫の到達距離の最大値を決定するための指標である。「A」~「E」の順に、飛沫の到達距離の最大値が大きくなる。詳細については、図9を用いて後で説明する。
 図8は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100が用いる人リスクデータベースの一例を示す図である。
 図8に示されるように、人の性別及び年齢と飛沫の放出行動との組み合わせ毎に、「1」~「6」の6段階の指標値が割り当てられている。具体的には、人の性別は、男性及び女性の2種類に区分されている。人の年齢は、シニア、大人、子供の3段階にレベル分けされている。なお、シニアは65歳以上であり、大人は18歳以上65歳未満であり、子供は18歳未満であるが、これに限らない。放出行動は、呼吸、会話(発声)、咳及びくしゃみの4種類に区分されている。性別の2種類、年齢の3段階及び放出行動の4種類がなす24個の組み合わせの各々に「1」~「6」の6段階の指標値(すなわち、人リスクレベル)が割り当てられている。
 指標値「1」~「6」は、人リスクに基づいて飛沫の到達距離の最大値を決定するための指標である。「1」~「6」の順に、飛沫の到達距離の最大値が大きくなる。
 図9は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100が用いる飛沫の到達距離データベースの一例を示す図である。
 図9に示されるように、5段階の環境リスクに基づく指標値「A」~「E」と、6段階の人リスクに基づく指標値「1」~「6」とがなす30個の組み合わせの各々に、直線方向における到達距離が対応付けられている。環境リスクに基づく指標値「A」~「E」のアルファベット順序が小さい程、到達距離は短く、アルファベット順序が大きい程、到達距離が長い。また、人リスクに基づく指標値「1」~「6」の数字が小さい程、到達距離は短く、数字が大きい程、到達距離が長い。つまり、図9に示される表においては、左上程、到達距離が短く、右下程、到達距離が長くなるように、各指標値の組み合わせに到達距離の数値が対応付けられている。
 図7及び図9を参照して分かるように、相対湿度が高い程、短い到達距離が対応付けられており、相対湿度が低い程、長い到達距離が対応付けられている。風速が小さい程、短い到達距離が対応付けられており、風速が大きい程、長い到達距離が対応付けられている。
 また、図8及び図9を参照して分かるように、飛沫の放出行動は、呼吸、会話、咳、くしゃみの順で、長い到達距離が対応付けられている。また、男性の場合には、女性の場合と同じ、又は、女性の場合よりも長い到達距離が対応付けられている。大人の場合には、シニア又は子供の場合と同じ、又は、シニア又は子供の場合よりも長い到達距離が対応付けられている。シニアの場合には、子供の場合と同じ、又は、子供の場合よりも長い到達距離が対応付けられている。特に、飛沫放出行動が咳又はくしゃみの場合には、男性の子供、シニア、大人の順で到達距離が長くなっている。飛沫放出行動が咳又はくしゃみの場合には、女性の大人には、女性の子供又はシニアよりも到達距離が長くなっている。飛沫放出行動が呼吸又は会話の場合には、性別及び年齢による到達距離の差はない。
 例えば、推定部130は、環境情報取得部110によって取得された環境情報に基づいて、図7に示される環境リスクデータベースを参照することにより、「A」~「E」の指標値を決定する。また、推定部130は、対象者情報取得部120によって取得された対象者情報に基づいて、図8に示される人リスクデータベースを参照することにより、「1」~「6」の指標値を決定する。推定部130は、決定した2つの指標値に基づいて、図9に示される到達距離データベースを参照することで、直線方向における到達距離を決定する。推定部130は、対象者U1の顔の正面方向を中心に所定の広がり角で広がる範囲であって、対象者U1の口から、決定した到達距離までの範囲を飛沫の到達範囲61として推定する。広がり角は、例えば正面方向を含む任意の断面においてなす角度が10°以上20°以下になる範囲であるが、これに限らない。
 図9に示される到達距離を、対象者が行う飛沫抑制行動、対象者の健康状態、又は、対象者間の高低差などに応じて補正してもよい。以下では、到達距離を補正するための補正係数について説明する。
 図10は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100が用いる第1飛沫抑制行動に基づいた補正係数データベースを示す図である。
 補正係数は、例えば、図9に示される到達距離に乗ずる係数である。すなわち、補正係数が大きい程、到達距離が長くなり、補正係数が小さい程、到達距離が短くなる。
 第1飛沫抑制行動は、対象者が口を塞ぐことに関連する行動である。図10に示されるように、第1飛沫抑制行動には、口を塞ぐための行動をしないことと、口を手で覆うことと、マスクを着用していることとの3種類が含まれる。
 3種類の第1飛沫抑制行動の各々に補正係数が対応付けられている。口を塞ぐための行動をしない場合、放出される飛沫は遠くまで到達しやすい。これに対して、例えば口を手で覆う、又は、常時マスクを着用している場合には、飛沫の到達距離が抑制される。口を塞ぐための行動をしないこと、口を手で覆うこと、マスクを着用していることの順で、補正係数が小さくなっている。
 図11は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100が用いる第2飛沫抑制行動に基づいた補正係数データベースを示す図である。
 第2飛沫抑制行動は、顔の向きに関する行動である。具体的には、図11に示されるように、第2飛沫抑制行動は、顔のそむけ角度の大きさに応じて3段階に区分される。顔のそむけ角度は、対象者U1の呼吸域71と対象者U2の呼吸域72とを結ぶ直線L2と、対象者U1(又は対象者U2)の顔の正面方向とがなす角度である。
 顔のそむけ角度が小さい程、対象者U1は、対象者U2の呼吸域72に向かってまっすぐ向いていることになるので、対象者U1から放出される飛沫は、直線L2に沿って遠くまで到達しやすくなる。顔のそむけ角度が大きくなる程、飛沫は、直線L2に沿った方向とは異なる方向に向かって放出されるので、直線L2に沿った方向における到達距離は小さくなる。このため、図11に示されるように、顔のそむけ角度が大きい程、補正係数が小さくなっている。
 本実施の形態では、推定部130は、対象者U1が行う飛沫抑制行動に基づいて到達範囲を推定する。例えば、推定部130は、対象者情報取得部120によって取得された対象者情報に基づいて、対象者U1及びU2の各々が行う飛沫抑制行動の種類を判別する。具体的には、推定部130は、カメラ21などから対象者情報として出力された撮影画像に対して画像処理を行うことで、マスクの装着の有無、及び、口を手で塞ぐ処理の有無、並びに、顔のそむけ角度などを判別する。推定部130は、判別した飛沫抑制行動の種類に応じて、図10又は図11に示される補正係数データベースを参照することで、補正係数を決定する。推定部130は、図7~図9に基づいて推定された到達距離に、決定した補正係数を乗ずることで、到達距離を補正する。推定部130は、補正後の到達距離に基づいて飛沫の到達範囲を推定する。
 図12は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100が用いる健康状態に基づいた補正係数データベースを示す図である。
 図12に示されるように、健康状態は、通常状態(すなわち、健康状態が良好な者)と、重度疾患状態との2種類に区分される。通常状態に比べて重度疾患状態では、飛沫を放出しやすく、かつ、放出された際の飛沫の到達距離が長くなる傾向がある。このため、例えば、通常状態の補正係数よりも大きな値が、重度疾患状態の補正係数として対応付けられる。
 推定部130は、環境情報及び対象者情報の少なくとも一方に基づいて対象者U1の健康状態を推定し、推定した健康状態に基づいて飛沫の到達範囲を推定する。例えば、推定部130は、環境情報に基づいて対象者の体表面温度又は放熱量を推定することで、対象者の健康状態を判別する。具体的には、例えば、環境測定装置10の温度計として赤外線カメラを利用した場合には、推定部130は、赤外線カメラで撮像した対象者の画像から求めた体表面温度又は放熱量が予め定められた閾値より大きい場合に、当該対象者の健康状態が重度疾患状態であると判別する。あるいは、推定部130は、対象者情報が示す心拍数又は呼吸量に基づいて、対象者の健康状態を判別してもよい。推定部130は、判別した健康状態に応じて、図12に示される補正係数データベースを参照することで、補正係数を決定する。推定部130は、図7~図9に基づいて推定された到達距離に、決定した補正係数を乗ずることで、到達距離を補正する。推定部130は、補正後の到達距離に基づいて飛沫の到達範囲を推定する。
 図13は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100が用いる高低差に基づいた補正係数データベースを示す図である。
 高低差は、対象者U1の呼吸域71と対象者U2の呼吸域72との高低差である。例えば、対象者U1の飛沫の到達範囲を推定する場合に、高低差は、対象者U1の呼吸域71が対象者U2の呼吸域71より高い位置に位置しているときに正の値となる。対象者U1及び対象者U2の2人ともが起立している場合には、高低差は実質的に2人の身長差に相当するので、高低差の代わりに身長差を用いてもよい。
 図13に示されるように、高低差は、0cm以上10cm以下の範囲と、10cm以上20cm以下の範囲と、20cm以上の範囲との3段階にレベル分けされている。飛沫は、重力の影響を受けるので、斜め下方には飛距離が伸びる。つまり、対象者U1の飛沫の到達範囲を推定する場合において、対象者U2の呼吸域72が対象者U1の呼吸域71よりも下方に位置するとき、対象者U1からの飛沫の直線L2に沿った到達距離は長くなる。このため、高低差が大きくなる程、補正係数の値が大きくなる。
 推定部130は、対象者情報に基づいて2人の対象者の高低差を推定し、推定した高低差に基づいて飛沫の到達範囲を推定する。例えば、推定部130は、対象者U1の呼吸域71の中心の高さから、対象者U2の呼吸域72の中心の高さを減算した値を高低差として算出する。推定部130は、算出した高低差に基づいて、図13に示される補正係数データベースを参照することで、補正係数を決定する。推定部130は、図7~図9に基づいて推定された到達距離に、決定した補正係数を乗ずることで、到達距離を補正する。推定部130は、補正後の到達距離に基づいて飛沫の到達範囲を推定する。
 本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100では、制御部140は、快適性を考慮して環境の調整を行ってもよい。
 図14は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100が用いる快適性データベースの一例を示す図である。図14に示されるデータベースでは、快適性を示す指標値として「A」~「E」の5段階の指標値が割り当てられている。アルファベット順序が小さい程、快適性が高く、アルファベット順序が大きい程、快適性が低くなる。
 例えば、相対湿度が30%以下、又は、70%以上の場合は、空間90内に存在する人の快適性が損なわれる。また、相対湿度が30%以下の場合には、ウイルスの生存時間が増すという問題もある。また、相対湿度が70%以上の場合には、かびの発生及び繁殖が進むという問題もある。
 また、呼吸域間での風速は0.25m/s以下であれば、対象者が風を感じない程度である。風速が0.25m/s以上0.50m/s以下であれば、対象者が風を感じたとしても一般的には不快には思わない程度である。風速が0.50m/s以上である場合、不快に感じる恐れもある。
 本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100では、制御部140は、快適性の高い範囲を優先して制御を行う。例えば、対象者U1及びU2間で互いの飛沫の到達範囲と呼吸域とが重複していない場合、制御部140は、指標値「A」に対応する範囲、すなわち、相対湿度が30%以上で70%以下の範囲で、かつ、気流の風速が0.25m/s以下の範囲で環境を調整する。指標値「A」に対応する範囲で環境を調整した場合に、対象者U1及びU2間で互いの飛沫の到達範囲と呼吸域との重複が発生するとき、二番目に快適性が高い指標値「B」に対応する範囲で環境を調整する。このように、本実施の形態では、制御部140は、対象者U1及びU2間で互いの飛沫の到達範囲と呼吸域とが重複しない範囲で、最も快適性の高い制御を行う。
 これにより、快適性の確保と飛沫感染の抑制とをバランス良く両立させることができる。
 [4.動作(飛沫到達範囲制御方法)]
 続いて、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100の動作(つまり、飛沫到達範囲制御方法)について説明する。
 図15は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100の動作を示すフローチャートである。
 図15に示されるように、まず、飛沫到達範囲制御システム100は、人の検出を開始する(S10)。例えば、人検出装置20を作動させ、対象者情報の出力を開始させる。具体的には、カメラ21を作動させて空間90内の撮影を行わせ、撮影画像の生成及び出力を行わせる。
 次に、飛沫到達範囲制御システム100は、環境情報の取得を開始する(S12)。例えば、環境測定装置10を作動させ、環境情報の出力を開始させる。具体的には、温湿度計11及び風速風向計12を作動させて空間90内の温度、湿度、風速及び風向を測定し、測定した値の出力を行わせる。
 次に、推定部130は、空間90内の環境値の分布の推定を開始する(S14)。具体的には、推定部130は、環境情報に含まれる風速及び風向、並びに、空間スケールに基づいて、空間90内の気流分布の推定を行う。また、推定部130は、環境情報に含まれる湿度及び空間スケールに基づいて、空間90内の湿度分布の推定を行ってもよい。推定部130は、環境情報に含まれる温度及び空間スケールに基づいて、空間90内の温度分布の推定を行ってもよい。推定部130は、気流分布、湿度分布及び温度分布の全てを推定してもよく、または、これらの1つを推定してもよい。
 空間90内に人が検出されるまで(S16でNo)、環境情報の取得及び環境値の分布の生成が繰り返し行われる。人の検出は、撮影画像に対する画像処理、人感センサによる検出結果、又は、空間90に対する入退室の管理情報に基づいて推定部130によって行われる。
 例えば、入退室の管理では、カード認証又は生体認証などが行われてもよい。具体的には、空間90へ入室するためのドアを、ICタグ80をカードリーダに読み込ませることによって開けさせてもよい。ICタグ80には、対象者の年齢、性別及び個人情報などの属性情報が記憶されていてもよい。推定部130は、例えば、空間90内での対象者の有無、及び、当該対象者の属性情報を取得してもよい。
 空間90内に人が検出された場合(S16でYes)、推定部130は、空間90内の気流分布の推定及び飛沫の到達範囲の推定を行う(S18)。これらの推定処理の詳細について、図16を用いて説明する。
 図16は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100による推定処理の一例を示すフローチャートである。具体的には、図16は、図15に示されるステップS18又はS24の詳細を示している。
 図16に示されるように、推定部130は、対象者情報に基づいて顔の位置を検出する(S32)。例えば、推定部130は、撮影画像に対する画像処理を行うことで、対象者の顔の向き及び口の位置を取得する。
 次に、推定部130は、飛沫の到達範囲を推定する(S34)。具体的には、推定部130は、環境情報に基づいて図7に示される環境リスクデータベースを参照して環境リスクレベルを決定し、かつ、対象者情報に基づいて図8に示される人リスクデータベースを参照して人リスクレベルを決定する。決定した環境リスクレベル及び人リスクレベルに基づいて、推定部130は、図9に示される到達距離データベースを参照して到達距離を決定する。さらに、推定部130は、図10~図13に示される補正係数データベースを参照して補正係数を決定し、決定した到達距離に乗ずることで、到達距離を補正する。推定部130は、補正後の到達距離に基づいて到達範囲を推定する。
 さらに、推定部130は、空間90内の環境値の分布の推定を行う(S36)。これにより、例えば、空間90内で人が存在し動くことで、空間90内の気流分布、湿度分布又は温度分布が変更された場合であっても、常に最新の気流分布、湿度分布又は温度分布に基づいた処理が実行可能になる。
 図15に示されるように、空間90内に2人以上の対象者が検出されるまで(S20でNo)、図16に示される処理が繰り返される。つまり、顔の検出、及び、飛沫の到達距離と空間90内の環境値の分布の推定とが繰り返される。繰り返されるタイミングは特に限定されないが、例えば、1分から数分毎に行われる。
 空間90内に2人以上の対象者が検出された場合(S20でYes)、飛沫到達範囲制御システム100は、環境値の分布の推定頻度を向上させる(S22)。例えば、推定部130は、数分毎に行っていた推定を1分又は数秒毎に行う。推定部130は、向上させた頻度で、図16に示される推定処理を行う(S24)。
 次に、推定部130は、呼吸域と飛沫の到達範囲との重複の有無を判定する(S26)。具体的には、推定部130は、対象者U1からの飛沫の到達範囲内に対象者U2の呼吸域が存在するか否か、及び、対象者U2からの飛沫の到達範囲内に対象者U1の呼吸域が存在するか否かを判定する。
 呼吸域と飛沫の到達範囲とが重複していない場合(S26でNo)、推定部130は、図16に示される推定処理を行う(S24)。呼吸域と飛沫の到達範囲とが重複している場合(S26でYes)、制御部140は、環境の調整を開始する(S28)。具体的には、制御部140は、呼吸域と飛沫の到達範囲との重複が解消されるように、対象者U1及びU2の間に流れる気流の風向及び風速を調整する。あるいは、制御部140は、呼吸域と飛沫の到達範囲との重複が解消されるように、対象者U1及び対象者U2間の相対湿度を高くする。
 以降、飛沫到達範囲の制御処理が終了されるまで(S30でNo)、ステップS18からステップS28の処理が繰り返される。これにより、空間90内に2人以上の対象者が存在する場合には、呼吸域と飛沫の到達範囲との重複が解消されるような環境が維持されるので、飛沫感染を抑制することができる。
 なお、ステップS30でNoである場合の繰り返しにおいて、ステップS22の頻度の向上処理は省略されてもよい。
 本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100では、推定部130は、図15及び図16に示される動作と並行して、飛沫放出行動の予備動作の検出処理を実行している。予備動作が検出された場合に、図17に示される割込処理を実行してもよい。図17は、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システム100による予備動作が検出された場合の処理を示すフローチャートである。
 図17に示されるように、予備動作が検出された場合(S40でYes)、推定部130は、検出した予備動作に基づいて飛沫の放出方向と放出量とを予測し、予測結果にさらに基づいて飛沫の到達範囲を推定する(S42)。例えば、予備動作は、くしゃみを行う前に対象者が行う動作である。具体的には、予備動作には、体を後ろに反らす、鼻をむずむずとさせる、目をつぶる、口を手で覆うなどの一般的にくしゃみを行う前に行われる動作である。予備動作には、対象者毎の癖が現れやすいので、対象者毎に予備動作を対応付けたデータベースが記憶部150に記憶されていてもよい。例えば、推定部130は、撮影画像(具体的には映像)に基づいて、データベースに記憶された予備動作に一致する動作を対象者が行った場合に、予備動作を検出する。
 制御部140は、予備動作が検出された場合には、予め定められた調整範囲を逸脱して、環境を調整する。具体的には、制御部140は、空調機器40を最大出力で動作させる(S44)。例えば、制御部140は、対象者U1と対象者U2との間に流れる気流が可能な範囲で最大になるように空調機器40を動作させる。例えば、制御部140は、空調機器40aが放出可能な最大の風速の気流を、対象者U1と対象者U2との間に向けて放出させる。
 これにより、例えば、対象者U1がくしゃみをしようと体を後ろに反らし口を大きく開けるような動作が行われた場合には、対象者U1と対象者U2との間に強い気流を発生させることができる。このため、仮に推定されたよりも遠く飛沫が放出されたとしても、対象者U1から放出された飛沫が対象者U2の呼吸域に到達しないようにすることができる。このように、飛沫感染を更に強く抑制することができる。
 (変形例)
 続いて、本実施の形態に係る飛沫到達範囲制御システムの変形例について説明する。
 上記の実施の形態では、空間90内に対象者が2人以上存在する場合に、空間90の環境の調整を行う例を示した。これに対して、本変形例では、対象者の行動履歴に基づいて空間90の環境の調整を行う。つまり、空間90内に対象者が2人以上居ない場合であっても、空間90の環境の調整が行われる場合が起こり得る。
 図18は、本変形例に係る飛沫到達範囲制御システムの2人の対象者U1及びU2の位置関係を示す図である。例えば、対象者U1が対象者U2(入居者)の介護又は看護を行う人物(従業員)である場合、図18に示されるように、対象者U2が寝ているベッド82のそばで対象者U1が長い時間に亘って起立しているという状況が頻繁に発生する。また、対象者U1が対象者U2の介護又は看護に現れる時刻は毎日同じ時刻であることが多い。このように、対象者U1及びU2の特定の位置関係は、長い期間維持される位置関係、規則的に繰り返される位置関係を含む。
 「位置関係」とは「対象者U1が第1場所に位置し、対象者U2が第2場所に位置する」ことである。
 「長い期間維持される位置関係」とは、「(対象者U1が第1場所に位置し、対象者U2が第2場所に位置する期間)≧(予め定められた期間)」を満たす関係である。上述した例では、対象者U2が寝ているベッド82のそばで対象者U1が起立している状況が長い期間維持される位置関係である。
 「規則的に繰り返される位置関係」とは、「時刻t1に対象者U1が第1場所に位置し、時刻t1に対象者U2が第2場所に位置し、・・・・、時刻tnに対象者U1が第1場所に位置し、時刻tnに対象者U2が第2場所に位置する。ここで{t(k-1)-tk}≒{tk-t(k+1)}、1≦(k-1)、n≦(k+1)、1<n、nは自然数、kは自然数」を満たす関係である。上述した例では、毎日同じ時刻に対象者U1が対象者U2の介護又は看護に現れる状況が繰り返される位置関係である。
 そこで、本変形例では、推定部130は、対象者U1及び対象者U2の各々の行動履歴に基づいて、対象者U1と対象者U2との位置関係であって、予め定められた期間よりも長い期間維持される位置関係、及び/又は、対象者U1と対象者U2との規則的に繰り返される位置関係を推定する。なお、行動履歴を示す情報は、記憶部150に記憶されている。
 例えば、推定部130は、一日又は一週間などの所定期間内の対象者U1及び対象者U2の行動履歴に基づいて、時刻毎の対象者U1及び対象者U2の位置関係を検出する。さらに、推定部130は、同じ位置関係を維持している期間を累積することで、位置関係毎の累積時間を算出する。推定部130は、算出した累積時間が、予め定められた期間よりも長い位置関係を特定の位置関係として決定する。同様に、推定部130は、所定期間内で同じ時刻に繰り返される位置関係を特定の位置関係として決定する。決定した特定の位置関係は、記憶部150にデータベース化して記憶する。行動履歴に基づく特定の位置関係の決定は、例えば機械学習によって行われる。随時、行動履歴を蓄積することで、特定の位置関係の決定の精度を高めることができる。
 図19は、本変形例に係る飛沫到達範囲制御システムが用いる特定行動データベースを示す図である。図19に示されるように、行動毎に、当該行動が行われる条件と、当該行動を行うときの2人の対象者の位置関係とが対応付けられている。例えば、“行動001”では、13時になった場合に、2人の対象者がいずれもドア付近に存在することを表している。これは、例えば対象者U1が13時に対象者U2を訪問するという行動を繰り返し行うことにより得られる。また、“行動002”では、対象者の入室後2分間は、対象者U1がベッド82の付近に存在し、かつ、対象者U2はベッド82上に寝ていることを表している。
 制御部140は、特定の位置関係になる前に、対象者U2の呼吸域が対象者U1の到達範囲外になるように空間90内の環境を調整する。具体的には、制御部140は、図19に示される特定行動データベースを参照し、特定行動データベースに含まれる行動が行われる条件を満たす前に、当該行動が行われたときの対象者U2の呼吸域が対象者U1からの飛沫の到達範囲外になるように空間90内の環境を調整する。
 例えば、制御部140は、13時になる前にドア付近に気流を生成することで、ドア付近に対象者U1と対象者U2とが存在するときに、互いの呼吸域と互いからの飛沫の到達範囲とが重複しないようにすることができる。つまり、実際に対象者U1と対象者U2とがドア付近に立つ前から、互いの呼吸域と互いからの飛沫の到達範囲とが重複しない環境を予め形成しておくことができる。
 これにより、例えば、対象者が現れてから制御を開始する場合に比べて、前もって飛沫感染が抑制される環境が形成されるので、飛沫感染をより効率良く抑制することができる。
 (他の実施の形態)
 以上、1つ又は複数の態様に係る飛沫到達範囲制御システム及び飛沫到達範囲制御方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
 例えば、推定部130は、飛沫の到達範囲をレベル毎に複数推定してもよい。図3の(a)及び(b)ではそれぞれ、飛沫の到達範囲61及び62をレベル分けして示している。到達範囲のレベル分けは、例えば、対象者の飛沫放出行動、飛沫抑制行動又は健康状態などに基づいて行われる。
 例えば、対象者U1の飛沫の到達範囲61は、3段階の到達範囲61a~61cを含んでいる。最も大きい到達範囲61aは、対象者U1が飛沫の放出に対して何の対策も行わない場合で、かつ、くしゃみをした場合に飛沫の到達が推定される範囲である。二番目に大きい到達範囲61bは、対象者U1が飛沫の放出に対して何の対策も行わない場合で、かつ、咳をした場合の飛沫の到達が推定される範囲である。最も小さい到達範囲61cは、対象者U1が手で口を覆う場合に飛沫の到達が推定される範囲である。到達範囲62についても同様である。
 複数の到達範囲を推定することで、対象者U1の行動に応じた到達範囲を選択することができ、環境の調整を適切に行うことができる。例えば、最も狭い到達範囲61cが選択される場合には、対象者U2の呼吸域72とは重複していないので、環境の調整を行わなくてもよくなる。このように、飛沫感染をより効率良く抑制することができる。
 また、例えば、上記の実施の形態では、環境の調整の具体例として、気流の調整、又は、湿度の調整を示したが、飛沫到達範囲制御システム100は、気流及び湿度の両方の調整を行ってもよい。また、気流の調整及び湿度の調整のいずれか一方を行う場合、管理者又は対象者が、いずれかの調整を予め選択しておいてもよい。管理者又は対象者は、気流の調整及び湿度の調整の各々に優先順位を設定しておいてもよく、飛沫到達範囲制御システム100は、優先順位の高い順に環境の調整を行ってもよい。例えば、最も優先順位の高い調整方法では、飛沫の到達範囲と呼吸域との重複が解消されない場合、優先順位に従って、次に優先される調整方法を更に用いて(又は、代わりに用いて)環境の調整を行ってもよい。
 また、上記実施の形態で説明した装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間で無線通信が行われる場合、無線通信の方式(通信規格)は、例えば、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信である。あるいは、無線通信の方式(通信規格)は、インターネットなどの広域通信ネットワークを介した通信でもよい。また、装置間においては、無線通信に代えて、有線通信が行われてもよい。有線通信は、具体的には、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)又は有線LANを用いた通信などである。
 また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよく、あるいは、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、飛沫到達範囲制御システムが備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。また、飛沫到達範囲制御システムは、単一の装置として実現されてもよい。
 例えば、上記実施の形態において説明した処理は、単一の装置(システム)を用いて集中処理することによって実現してもよく、又は、複数の装置を用いて分散処理することによって実現してもよい。また、上記プログラムを実行するプロセッサは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
 また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
 また、制御部などの構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
 1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
 また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
 また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
 本開示は、飛沫感染を効率良く抑制することができる飛沫到達範囲制御システムとして利用でき、例えば、一般家庭、オフィス、学校、病院、介護施設、車内などの様々な空間の空調設備の管理システムなどに利用することができる。
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h、10i 環境測定装置
11 温湿度計
12 風速風向計
20、20a、20b、20c 人検出装置
21 カメラ
30 サーバ装置
40、40a、40b 空調機器
41 送風機
42 エアコン
50、50a、50b、51 気流
51a、51b 矢印
61、61a、61b、61c、62、63、64、65、66 到達範囲
71、72 呼吸域
75 重複領域
80 ICタグ
82 ベッド
90 空間
91 部分空間
100 飛沫到達範囲制御システム
110 環境情報取得部
120 対象者情報取得部
130 推定部
140 制御部
150 記憶部
U1、U2 対象者

Claims (12)

  1.  空間内の風速、風向、温度、湿度及び空間スケールの少なくとも1つを示す環境情報を取得する第1取得部と、
     前記空間内に存在する第1対象者と第2対象者の各々の顔の位置及び向きを示す対象者情報を取得する第2取得部と、
     前記環境情報及び前記対象者情報に基づいて、前記第1対象者からの飛沫の到達範囲を推定する推定部と、
     前記到達範囲内に、前記第2対象者の呼吸域が存在する場合、前記呼吸域が前記到達範囲外になるように前記空間内の環境を調整する制御部とを備える
     飛沫到達範囲制御システム。
  2.  前記環境情報は、前記空間内の湿度を示し、
     前記推定部は、さらに、前記空間内の湿度分布を推定し、
     前記調整する環境は、前記第1対象者と前記第2対象者との間の空間の第1湿度であり、
    前記制御部は、前記湿度分布に基づいて、前記第1湿度を調整する
     請求項1に記載の飛沫到達範囲制御システム。
  3.  前記制御部は、前記第1湿度を相対湿度40%以上70%以下に調整する
     請求項2に記載の飛沫到達範囲制御システム。
  4.  前記環境情報は、前記空間内の風速及び風向を示し、
     前記推定部は、さらに、前記空間内の気流分布を推定し、
    前記調整する環境は、前記第1対象者と前記第2対象者との間に流れる第1気流であり、
     前記制御部は、前記気流分布に基づいて、前記第1気流を調整する
     請求項1~3のいずれか1項に記載の飛沫到達範囲制御システム。
  5.  前記制御部は、前記第1対象者の呼吸域と前記第2対象者の呼吸域とを結ぶ直線と、前記第1気流の風向とがなす角度が10°以上になるように、前記第1気流を調整する
     請求項4に記載の飛沫到達範囲制御システム。
  6.  前記制御部は、前記第1気流の風速を0.5m/s以下に調整する
     請求項4又は5に記載の飛沫到達範囲制御システム。
  7.  前記推定部は、前記第1対象者の身体的特徴を示す属性情報にさらに基づいて前記到達範囲を推定する
     請求項1~6のいずれか1項に記載の飛沫到達範囲制御システム。
  8.  前記推定部は、前記環境情報及び前記対象者情報の少なくとも一方に基づいて前記第1対象者の健康状態を推定し、推定した健康状態に基づいて前記到達範囲を推定する
     請求項1~7のいずれか1項に記載の飛沫到達範囲制御システム。
  9.  前記推定部は、前記第1対象者が行う飛沫放出行動の予備動作を検出し、検出した予備動作に基づいて前記飛沫の放出方向と放出量とを予測し、前記予測にさらに基づいて前記到達範囲を推定し、
     前記制御部は、前記予備動作が検出された場合には、予め定められた調整範囲を逸脱して、前記環境を調整する
     請求項1~8のいずれか1項に記載の飛沫到達範囲制御システム。
  10.  さらに、
     前記第1対象者及び前記第2対象者の各々の行動履歴を記憶する記憶部を備え、
     前記推定部は、さらに、前記行動履歴に基づいて、第1時刻に前記第1対象者が第1場所に位置し、前記第2対象者が第2場所に位置することを推定し、
     前記制御部は、前記第1時刻より前に、前記第2場所に位置する前記第2対象者の呼吸域が、前記第1場所に位置する前記第1対象者の前記到達範囲外になるように前記空間内の環境を調整する
     請求項1~9のいずれか1項に記載の飛沫到達範囲制御システム。
  11.  前記推定部は、前記第1対象者が行う飛沫抑制行動に基づいて前記到達範囲を推定する
     請求項1~10のいずれか1項に記載の飛沫到達範囲制御システム。
  12.  空間内の風速、風向、温度、湿度及び空間スケールの少なくとも1つを示す環境情報を取得し、
     前記空間内に存在する第1対象者と第2対象者の各々の顔の位置及び向きを示す対象者情報を取得し、
     前記環境情報及び前記対象者情報に基づいて、前記第1対象者からの飛沫の到達範囲を推定し、
     前記到達範囲内に、前記第2対象者の呼吸域が存在する場合、前記呼吸域が前記到達範囲外になるように前記空間内の環境を調整する
     飛沫到達範囲制御方法。
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