JP2023054614A - 環境制御システム - Google Patents

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Mari Orito
拓也 古橋
Takuya Furuhashi
大介 松原
Daisuke Matsubara
奈穗 白川
Naho Shirakawa
聡司 峯澤
Satoshi Minesawa
遼 伏江
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Abstract

【課題】作業者の姿勢が悪化した場合に、作業性を低下させることなく自発的な姿勢矯正を促すとともに作業性の向上を図ることが可能である環境制御システムを提供する。【解決手段】環境制御システムは、作業空間の環境を制御する環境制御機器と、作業者への報知を行う報知機器と、作業者の姿勢を検知する姿勢検知手段と、作業者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、検知された作業者の姿勢が悪化したか否かを判定する姿勢悪化判定手段と、作業者の姿勢が悪化したと判定された場合に、生体情報に基づいて、当該作業者の姿勢悪化の要因を推定する変化要因推定手段と、変化要因推定手段による推定結果に応じて、環境制御機器の動作内容を変更するか、報知機器による報知を行うかを決定する決定手段と、決定手段の決定結果に応じて環境制御機器及び報知機器を制御する制御部と、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、環境制御システムに関するものである。
少なくとも検出エリア内の人間または環境の温度を計測する赤外線画像(熱画像)入力手段を持つセンサ部、センサ部の出力である検出温度を画素値とする熱画像から特徴量を抽出する画像処理部、及び、画像処理部からの信号に基づいて人間の個人情報信号または環境情報信号を出力する画像情報検出部を有する画像処理装置と、画像処理装置から得られる個人情報信号及び環境情報信号から空調を行うための制御指標を決める制御指標決定部と、空調機器の制御を行う空調制御部と、を有する空気調和機の制御装置であって、画像情報検出部が姿勢検出手段を有することで、人の姿勢に応じて空気調和機を制御するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平06-117836号公報
このように、特許文献1に示されるような技術においては、画像センサにより検出された作業者の姿勢の変化に応じた空気調和機等の制御を行う。しかしながら、外観上は同じような姿勢変化、例えば、前屈み等の姿勢の悪化があったとしても、作業者の作業への集中度、作業性は同じではない。例えば、オフィスでの座位によるコンピュータ作業において姿勢が悪化する場合、作業への没頭等、作業性の高い状態が引き起こす姿勢悪化もあるし、眠気の増加、集中力の欠如等の作業性が低い状態で引き起こされる姿勢悪化もある。特許文献1に示されるような技術では、このような様々な姿勢悪化に応じた適切な環境制御が困難である。一方、作業に没頭して姿勢悪化が生じた場合、一時的には作業性は向上するが、姿勢の悪化した状態が長時間にわたって継続すると身体への負担が蓄積し、長期的には作業性が低下してしまう可能性もある。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、作業者の姿勢が悪化した場合に、作業性を低下させることなく自発的な姿勢矯正を促すとともに、作業性低下を伴うような姿勢悪化であれば作業性の向上を図ることが可能である環境制御システムを提供することにある。
本開示に係る環境制御システムは、作業空間の環境を制御する環境制御機器と、前記作業空間内の作業者への報知を行う報知機器と、前記作業者の姿勢を検知する姿勢検知手段と、前記作業者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、前記姿勢検知手段により検知された前記作業者の姿勢が悪化したか否かを判定する姿勢悪化判定手段と、前記姿勢悪化判定手段により前記作業者の姿勢が悪化したと判定された場合に、前記生体情報取得手段により取得された生体情報に基づいて、当該作業者の姿勢悪化の要因を推定する変化要因推定手段と、前記変化要因推定手段による推定結果に応じて、前記環境制御機器の動作内容を変更するか、前記報知機器による報知を行うかを決定する決定手段と、前記決定手段の決定結果に応じて前記環境制御機器及び前記報知機器を制御する制御部と、を備える。
本開示に係る環境制御システムによれば、作業者の姿勢が悪化した場合に、作業性を低下させることなく自発的な姿勢矯正を促すとともに、作業性低下を伴うような姿勢悪化であれば作業性の向上を図ることが可能であるという効果を奏する。
実施の形態1に係る環境制御システムの対象となる作業空間の構成を模式的に示す側面図である。 実施の形態1に係る環境制御システムが有する空調装置の縦断面図である。 実施の形態1に係る環境制御システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る環境制御システムの動作例を示すフロー図である。 実施の形態1に係る環境制御システムの動作の変形例を示すフロー図である。 実施の形態2に係る環境制御システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る環境制御システムの動作例を示すフロー図である。 実施の形態2に係る環境制御システムの動作例を示すフロー図である。 実施の形態2に係る環境制御システムの動作例を示すフロー図である。 実施の形態2に係る学習装置の動作の一例を示すフロー図である。 実施の形態2に係る学習装置におけるニューラルネットワークの一例を示す図である。
本開示に係る環境制御システムを実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
実施の形態1.
図1から図5を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。図1は環境制御システムの対象となる作業空間の構成を模式的に示す側面図である。図2は環境制御システムが有する空調装置の縦断面図である。図3は環境制御システムの構成を示すブロック図である。図4は環境制御システムの動作例を示すフロー図である。図5は環境制御システムの動作の変形例を示すフロー図である。
この実施の形態に係る環境制御システムは、環境制御機器200を備えている。環境制御機器200は作業空間1の環境を制御する機器である。作業空間1は、作業者2が作業するための空間である。作業空間1は、例えば、会議室内の空間、作業室内の空間、オフィス内の空間のうちのいずれかでもよい。「作業」は、頭脳を主として使用する労働でもよいし、身体の動作を主として使用する労働でもよい。図示の例では、作業者2が座って作業する席に、当該作業者2が使用するパーソナルコンピュータ3が配置されている。なお、図1では作業空間1内に1人の作業者2が配置されている例を図示しているが、作業空間1内に配置される作業者2は2人以上であってもよい。
図1では、環境制御機器200の例として、空調装置201及び照明装置204を図示している。なお、図1では作業空間1内に1つの空調装置201と1つの照明装置204とが配置されている例を図示しているが、作業空間1内に配置される空調装置201、照明装置204は、それぞれ2つ以上であってもよい。また、後述するように、環境制御機器200には、空調装置201及び照明装置204以外の機器も含まれ得る。空調装置201は、作業空間1内の空気調和を行うことで、作業空間1内の主に温熱的環境を制御する機器である。空調装置201は、作業空間1に係る部屋の壁面又は天井面に設置される。ここで説明する構成例では、空調装置201は、壁面に設置されている。
空調装置201は、作業空間1内の空気の温度、湿度等を調節することで作業空間1内の空気調和を行う機器である。空調装置201は、冷房運転及び暖房運転の一方又は両方を含む空調運転が可能である。また、空調装置201は、除湿運転、加湿運転、送風運転のいずれか1つ以上の運転を可能としてもよい。なお、図1では、冷凍サイクルを含む空調運転の実現に必要な構成の図示は省略されている。
この実施の形態の空調装置201は、空気調和装置の室内機である。室内機である空調装置201は、空気調和装置の図示しない室外機と接続されている。空調装置201は、筐体901を備えている。筐体901の下面部には、吸込口902及び吹出口903が形成されている。吸込口902は、外部から筐体901の内部に空気を取り込むための開口である。吹出口903は、筐体901の内部から外部へと空気を排出するための開口である。吸込口902は、筐体901の下面部における中央部分に配置されている。吹出口903は、筐体901の下面部における吸込口902の周囲に配置されている。
筐体901の内部には、吸込口902から吹出口903へと通じる風路が形成されている。筐体901内の風路中には、送風ファン904及び熱交換器905が設けられている。送風ファン904は、吸込口902から吹出口903へと向かう空気流を、前述の風路中に生成するためのものである。熱交換器905は、前述の風路を流れる空気と熱交換を行って、前述の風路を流れる空気を加熱又は冷却する。空気を加熱するか冷却するかは、空調装置201が暖房運転であるか冷房運転であるかによる。
筐体901の内部には、ドレンパン908が設けられている。ドレンパン908は、熱交換器905の下方に配置されている。ドレンパン908は、熱交換器905のフィンの表面で生じた凝縮水を受けるためのものである。
吸込口902には、プレフィルタ907が設置されている。プレフィルタ907は、吸込口902から空調装置201の内部へと入る空気から、比較的大きなごみ、塵、埃等を取り除くためのものである。熱交換器905は、前述した風路におけるプレフィルタ907の風下側に配置されている。送風ファン904は、前述した風路における熱交換器905の風下側に配置されている。
吹出口903には、ルーバ906が設けられている。ルーバ906は、吹出口903から吹き出す空気の吹き出し角度を調整するためのものである。図2の断面図では、ルーバ906として、上下風向板が表れている。ルーバ906の上下風向板は、筐体901の前面側から見て、手前側と奥側とに設置されている。また、手前側と奥側の各上下風向板は、それぞれ左右に分割されている。そして、ルーバ906の上下風向板の向きを変えることで、空調装置201は、送風方向を上下に変更可能である。また、ここでは図示が省略されているが、ルーバ906は、左右風向板も備えている。左右風向板は、吹出口903から吹き出す空気の左右方向の吹き出し角度を調整するためのものである。
送風ファン904が動作すると、吸込口902から吹出口903へと向かう空気流が前述の風路中に生成され、吸込口902から空気が吸い込まれ、吹出口903から空気が吹き出される。吸込口902から吸い込まれた空気は、筐体901内部の前述した風路を、プレフィルタ907、熱交換器905、送風ファン904の順に通過する空気流となり、吹出口903から吹き出す。この際、送風ファン904の風下側に配置されたルーバ906の上下風向板及び左右風向板により、吹出口903から吹き出される風の方向すなわち送風方向が調整される。
照明装置204は、作業空間1内に光を照射することで、作業空間1内の主に光環境を制御する機器である。照明装置204は、作業空間1に係る部屋の壁面又は天井面に設置される。図示の構成例では、照明装置204が、天井面に設置されている。照明装置204は、作業空間1内に照射する光の照度及び色温度の一方又は両方を変更可能であってもよい。
図1に示す構成例では、空調装置201の筐体901の下面部に表面温度センサ910が設けられている。表面温度センサ910は、作業空間1内の被検出体の表面温度を非接触で検出するセンサである。表面温度センサ910は、作業空間1内の被検出体の表面温度を周期的に検出する。表面温度センサ910は、例えば、図示しない複数のサーモパイルを有する赤外線センサを備えた構成でもよい。表面温度センサ910は、この赤外線センサを回転駆動することで温度検出範囲を走査し、赤外線センサの出力を用いて温度検出範囲の熱画像データを生成してもよい。温度検出範囲内の被検出体には、例えば、作業者2の人体、床面、及び、壁面等が含まれ得る。表面温度センサ910を用いることにより、作業空間1内における作業者2の有無を判定することができるとともに、作業空間1内に作業者2が存在する場合には作業者2の位置の特定及び作業者2の体の表面温度の検出が可能となる。
表面温度センサ910は、サーモパイルに代えて、SOI(Silicon on Insulator)ダイオード方式の非冷却赤外線イメージセンサを備えていてもよい。SOIダイオード方式の場合、センサ部にシリコンダイオードを使用しているため、シリコン半導体ラインのみで製造可能であり、生産コストが安いというメリットがある。
表面温度センサ910は、このような構成により、前述した対象範囲内を走査して当該範囲内の表面温度分布を非接触で取得する。表面温度センサ910の検出結果、すなわち、表面温度センサにより取得した表面温度分布データを、環境制御装置100等で処理することで、例えば背景との温度差から、室内における人(作業者2)を含む熱源の有無及びその位置、人体の表面皮膚温度、人の身体の部位(肌の露出部と非露出部、頭部等)等を検出することができる。
また、表面温度センサ910の検出結果に基づいて、室内の人の体感温度も得ることができる。この場合、肌を露出している人体ほど体感温度を検出しやすい。さらに、表面温度センサにより取得した表面温度分布データを、環境制御装置100等で処理することで、作業空間1内の作業者2の人数も検出できる。さらに、作業空間1内の作業者2の人数の変化から、作業空間1への作業者2の入退出も検知できる。
次に、図3も参照しながら、この実施の形態に係る環境制御システムの構成について説明を続ける。作業空間1に設けられた空調装置201及び照明装置204は、環境制御システムが備える環境制御機器200の例である。環境制御システムは、環境制御機器200として、他に例えば図3に示すように、空清機202、換気機器203、アロマディフューザー205を含んでいてもよい。
空清機202は、作業空間1内の空気を清浄化することで、作業空間1の環境を制御する空気清浄装置である。換気機器203は、作業空間1内の空気を換気することで、作業空間1の環境を制御する機器である。アロマディフューザー205は、作業空間1内に芳香物質を放出することで、作業空間1の主に匂い環境を制御する機器である。なお、環境制御機器200は、空調装置201、照明装置204、空清機202、換気機器203、アロマディフューザー205のすべてを含んでいる必要はない。環境制御機器200は、これらの少なくともいずれかを含んでいればよい。
この実施の形態に係る環境制御システムは、報知機器300を備えている。報知機器300は、作業空間1内の作業者2への報知を行う機器である。図3では、報知機器300として、ディスプレイ301及びスピーカー302を図示している。ディスプレイ301は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescense)ディスプレイ等である。ディスプレイ301は、報知内容を例えば文字メッセージ等で表示可能である。スピーカー302は、報知内容を例えば音声メッセージ等として鳴らすことができる。また、報知機器300は、作業者2が座る椅子等に設けられたバイブレーターを含んでもよい。
パーソナルコンピュータ3が有するディスプレイ、スピーカーを報知機器300のディスプレイ301、スピーカー302として用いてもよいし、報知機器300専用のディスプレイ301、スピーカー302を作業空間1内に設置してもよい。また、作業者2が所持するスマートフォン、スマートウォッチ等の携帯端末が有するディスプレイ、スピーカーを報知機器300のディスプレイ301、スピーカー302として用いてもよい。
この実施の形態に係る環境制御システムは、環境制御装置100を備えている。環境制御装置100は、例えばマイクロコンピュータ等を備えた処理回路により構成されている。環境制御装置100がマイクロコンピュータを備えている場合、環境制御装置100は、図示しないプロセッサ及びメモリを備えている。メモリには、制御用のプログラムが記憶されている。プロセッサは、メモリに記憶されているプログラムを読み出して実行する。
プロセッサが制御用のプログラムを実行することで、環境制御装置100は予め設定された処理を実行して環境制御機器200である空調装置201、空清機202、換気機器203、照明装置204及びアロマディフューザー205のそれぞれの動作を制御する。また、特に、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することで、後述する情報取得部101、在室者姿勢・状態推定部110及び制御部120の各部の機能が実現される。
なお、環境制御装置100の機能を実現する処理回路は、例えば、専用ハードウェアとして形成されていてもよい。また、処理回路は、その一部が専用ハードウェアとして形成され、かつ、さらにプロセッサ及びメモリを備えていてもよい。一部が少なくとも1つの専用ハードウェアである処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを備える場合、環境制御装置100の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。前述したように、プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、予め設定された処理を実行して環境制御装置100の機能を実現する。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、環境制御装置100の機能を実現することができる。なお、環境制御機器200のそれぞれは、単一の環境制御装置100により動作が制御される構成に限定されるものではない。環境制御機器200は、複数の装置が連携することで動作を制御されてもよい。
環境制御装置100は、情報取得部101、在室者姿勢・状態推定部110及び制御部120を備えている。情報取得部101は、情報源から情報を取得する。図示の構成例では、情報源としてセンサ類10がある。この実施形態に係る環境制御システムは、センサ類10として姿勢検知用センサ11、生体情報センサ12及び環境情報センサ13を備えている。
姿勢検知用センサ11には、例えば、以下のようなセンサが含まれ得る。
・作業者2が座る椅子に設けられた加速度センサ、圧電センサ
・パーソナルコンピュータ3のディスプレイと作業者2の顔面との距離を計測するセンサ
・前述した表面温度センサ910
・作業空間1内の可視画像を撮影するカメラ
・筋電センサ、筋音センサ
生体情報センサ12には、例えば、以下のようなセンサが含まれ得る。
・前述した表面温度センサ910
・作業空間1内の可視画像を撮影するカメラ
・準ミリ波・ミリ波レーダー応用センサ
・脳波センサ
・心拍センサ
環境情報センサ13には、例えば、以下のようなセンサが含まれ得る。
・室温センサ
・湿度センサ
・空気質(二酸化炭素濃度、粉塵濃度、VOC濃度等)センサ
・照度センサ
情報取得部101は、これらのセンサ類10の検出データを取得する。特に、生体情報センサ12及び情報取得部101は、作業空間1内の作業者2の生体情報を取得する生体情報取得手段を構成している。生体情報取得手段は、生体情報センサ12の他に例えば、作業者2の自己申告から生体情報を取得してもよい。また、生体情報取得手段は、パーソナルコンピュータ3のキーボード、マウス等の入力装置の操作状況を生体情報として取得してもよい。
在室者姿勢・状態推定部110は、記憶部111、姿勢検知部112、姿勢悪化判定部113、変化要因推定部114及び制御機器決定部115を備えている。記憶部111には、情報取得部101により取得されたセンサ類10の検出データが記憶される。姿勢検知部112は、記憶部111に記憶されている検出データ、特に、姿勢検知用センサ11の検出結果を用いて、作業空間1内の作業者2の姿勢を検知する。姿勢検知用センサ11、情報取得部101及び姿勢検知部112は、作業空間1内の作業者2の姿勢を検知する姿勢検知手段を構成している。
例えば、作業者2が座る椅子に設けられた加速度センサ、圧電センサが姿勢検知用センサ11に含まれる場合、姿勢検知部112は、椅子に掛かる荷重分布の変化から当該椅子に座っている作業者2の姿勢、例えば、前傾姿勢であるのか後傾姿勢であるのか直立姿勢であるのか等を検知する。
パーソナルコンピュータ3のディスプレイと作業者2の顔面との距離を計測する距離センサが姿勢検知用センサ11に含まれる場合、姿勢検知部112は、パーソナルコンピュータ3のディスプレイと作業者2の顔面との距離から作業者2の姿勢を検知する。なお、この際の距離センサは、ディスプレイに設けられていてもよいし、作業者2が装着するスマートグラス等に設けられていてもよい。
表面温度センサ910及び作業空間1内の可視画像を撮影するカメラの一方又は両方が姿勢検知用センサ11に含まれる場合、姿勢検知部112は、まず、これらのセンサ、カメラの検出データから、作業者2の頭部、胴体等の身体部位を特定する。そして、姿勢検知部112は、これらの身体部位の相対位置等から作業者2の姿勢を検知する。
筋電センサは、脳から筋肉に伝達される電気信号を検出するセンサである。筋音センサは、筋肉の収縮音を検出するセンサである。これらのセンサにより、筋肉がどの程度の負荷を受けているのか等の状態が分かる。これらのセンサが姿勢検知用センサ11に含まれる場合、姿勢検知部112は、これらのセンサの検出データから作業者2の首、肩等の筋肉の状態から作業者2の姿勢を検知できる。
姿勢悪化判定部113は、姿勢検知部112により検知された作業者2の姿勢が悪化したか否かを判定する。例えば、記憶部111には、作業者2の姿勢悪化についての判定基準値が予め記憶されている。この場合の判定基準値は、例えば、作業者2の上半身の前傾角度、作業者2の顔面とディスプレイとの距離等に関するものである。そして、姿勢悪化判定部113は、姿勢検知部112により検知された作業者2の姿勢を判定基準値と照らし合わせることで姿勢悪化したか否かを判定する。また、他に例えば、姿勢悪化判定部113は、姿勢検知部112が検知した作業者2の姿勢について着座直後からの変化量が一定範囲内であれば姿勢が悪化しておらず、一定範囲を超えて着座直後の姿勢から変化が見られた場合に姿勢が悪化したと判定してもよい。
変化要因推定部114は、姿勢悪化判定部113により作業者2の姿勢が悪化したと判定された場合に、当該作業者2の姿勢悪化の要因を推定する。変化要因推定部114による作業者2の姿勢悪化要因の推定は、姿勢検知部112の検知結果と前述の生体情報取得手段により取得された生体情報とに基づいて行われる。
例えば、変化要因推定部114は、まず、前述の生体情報取得手段により取得された生体情報に基づいて、作業者2の作業性を推定する。作業者2の労働の能率は、その作業者2個人の現在の体調、眠気の度合い、覚醒の度合い、疲労の度合い、リラックスの度合い、ストレスの度合い等に応じて変化する。「作業性」とは、その作業者2個人としての最高能率に対する、その作業者2個人の現在の能率の割合に相当する。作業性は生産性と言い換えることもできる。作業者2の作業性が高いことは、当該作業者2の現在の能率が当該作業者2の最高能率に近いことに相当する。作業者2の作業性が低いことは、当該作業者2の現在の能率が当該作業者2の最高能率に比べて低下していることに相当する。
変化要因推定部114は、表面温度センサ910のような生体情報センサ12を用いて得られた作業者2の生体情報に基づいて、当該作業者2の作業性の指標となる数値(以下、「作業性の値」と称する)を計算してもよい。例えば、作業者2個人の作業性が最高であるときの作業性の値を100とした場合、作業性判定部41は、生体情報センサ12を用いて得られた作業者2の生体情報に基づいて1よりも小さい補正係数を算出し、当該補正係数を100に乗じることによって当該作業者2の作業性の値を算出してもよい。
生体情報センサ12により、作業者2の皮膚温度、心拍、眼球の動き、まぶたの動き、及び、まぶたの開度のうちの少なくとも1つを生体情報として検出するとよい。このような生体情報を用いることで、作業性を精度良く検知及び判定することが可能となる。変化要因推定部114は、例えば、作業者2の生体情報に基づいて、当該作業者2の眠気レベル、覚醒レベル、疲労レベル、リラックスレベル及びストレスレベルのうちの1又は2以上のレベルを推定し、その推定結果に基づいて当該作業者2の作業性の値を算出してもよい。例えば、変化要因推定部114は、眠気レベルが高いほど作業性の値が低くなるように算出してもよいし、覚醒レベルが高いほど作業性の値が高くなるように算出してもよい。また、変化要因推定部114は、例えば、疲労レベルが高いほど作業性の値が低くなるように算出してもよいし、リラックスレベルが高いほど作業性の値が高くなるように算出してもよいし、ストレスレベルが高いほど作業性の値が低くなるように算出してもよい。作業者2の生体情報に基づいて以上のようなレベルを推定するための基準値は、例えば記憶部111に予め格納されていてもよい。
生体情報センサ12にカメラが含まれる場合、変化要因推定部114は、カメラにより撮影された作業者2の顔の画像に対して画像認識処理をすることで、作業者2の眼球の動き、まぶたの動き及びまぶたの開度のうちの少なくとも1つを検出し、その検出結果に基づいて作業性を判定してもよい。例えば、眠気レベルが高いと、時間当たりの瞬目の回数が低下する。そこで、変化要因推定部114は、カメラにより取得された作業者2のまぶたの動きから時間当たりの瞬目の回数を算出し、当該回数に基づいて作業者2の眠気レベルを推定してもよい。また、瞬目の時間間隔が一定で維持されている場合、変化要因推定部114は、作業者2が作業に集中、熱中、没頭しており作業性が高いと判定してもよい。
眠気レベルが高いと、まぶたの開度が低下する。そこで、変化要因推定部114は、カメラにより取得された作業者2のまぶたの開度に基づいて作業者2の眠気レベルを推定してもよい。また、眠気レベルが高いと、額の皮膚温度と鼻の皮膚温度との温度差が大きくなる。生体情報センサ12に表面温度センサ910が含まれる場合、変化要因推定部114は、表面温度センサ910を用いて取得された作業者2の顔の熱画像から作業者2の額の皮膚温度と鼻の皮膚温度との温度差を検出し、当該温度差に基づいて作業者2の眠気レベルを推定してもよい。
さらに、変化要因推定部114は、表面温度センサ910の検出結果から体感温度を算出し、集中度を推定してもよい。変化要因推定部114は、カメラにより撮影された画像を用いて作業者2の顔面の色度解析により血流量を推定し、この推定した血流量から集中度を推定してもよい。また、生体情報センサ12に脳波センサが含まれる場合、変化要因推定部114は、作業者2の脳波から当該作業者2の眠気レベル、覚醒レベル、リラックスレベル等を推定して集中度を推定してもよい。
生体情報センサ12に準ミリ波・ミリ波レーダー応用センサが含まれる場合、当該生体情報センサ12により、例えば、作業者2の体動、呼吸数、心拍、血流のうちの少なくとも1つを生体情報として取得可能である。また、生体情報センサ12に心拍センサが含まれる場合も、作業者2の心拍を生体情報として取得できる。変化要因推定部114は、そのようにして検出された心拍変動に基づいて、高周波変動成分であるHF成分と、低周波変動成分であるLF成分とを抽出し、HF成分の数値と、LF/HFの数値との少なくとも一方を用いて作業者2の緊張又はリラックスの状態を推定してもよい。例えば、自律神経におけるリラックス指標であるHF成分が多いほど、作業者2のリラックスレベルが高いと推定してもよい。また、LF/HFの値が小さいほど作業者2のリラックスレベルが高いと推定してもよい。また、LF/HFの値が大きいほど作業者2のストレスレベルが高いと推定してもよい。また、変化要因推定部114は、生体情報センサ12の検出データから指標値を算出し、算出した指標値に基づいて作業者2の作業性を推定してもよい。
変化要因推定部114は、パーソナルコンピュータ3のキーボードの操作状況に基づいて、作業者2の作業性を推定してもよい。例えば、単位時間当たりにおけるキーボードの削除キー(バックスペースキー、及び、デリートキー)の打鍵回数から、入力ミスの頻度を推定してもよい。また、キーボードのタイプ速度から作業者2の作業性を推定してもよい。
変化要因推定部114は、姿勢悪化判定部113により作業者2の姿勢が悪化したと判定された場合に、当該作業者2の作業性が維持されている又は向上しているときには、当該姿勢悪化の要因は、当該作業者2が作業に集中、熱中、没頭等していることにあると推定する。この場合の姿勢悪化を本開示では「単純な姿勢悪化」ともいう。一方、変化要因推定部114は、姿勢悪化判定部113により作業者2の姿勢が悪化したと判定された場合に、当該作業者2の作業性が低下しているときには、当該姿勢悪化の要因は、当該作業者2が作業に集中、熱中、没頭等していることにはないと推定する。この場合の姿勢悪化を本開示では「作業性低下を伴う姿勢悪化」ともいう。
制御機器決定部115は、変化要因推定部114による推定結果に応じて、環境制御機器200の動作内容を変更するか、報知機器300による報知を行うかを決定する決定手段である。変化要因推定部114による推定結果が単純な姿勢悪化である場合、制御機器決定部115は、報知機器300による報知を行うと決定する。
一方、変化要因推定部114による推定結果が作業性低下を伴う姿勢悪化である場合、制御機器決定部115は、環境制御機器200の動作内容を変更すると決定する。そして、制御機器決定部115は、環境制御機器200の動作内容を変更すると決定した場合には、動作内容を変更する環境制御機器200、及び、当該環境制御機器200の変更後の動作内容を決定する。
この場合の動作内容は、例えば、以下のうちのいずれか1つ、あるいは、これらの組み合わせとすることが考えられる。
・空調装置201からの気流を作業者2に当てたり、気流の風量、風向にゆらぎを加えたりして作業者2に刺激を与えるものにする。
・空清機202の運転量、換気機器203の換気量を増加させて、作業空間1内の空気質を改善させるものにする。
・照明装置204の照度を上げたり、色温度を高くしたりする。
・アロマディフューザー205から例えば柑橘系、ミント系等の清涼感のある香りを放出させる。
制御部120は、決定手段である制御機器決定部115の決定結果に応じて環境制御機器200及び報知機器300を制御する。制御機器決定部115が、報知機器300による報知を行うと決定した場合、制御部120は報知機器300に対し、作業空間1内の作業者2に姿勢悪化について注意を喚起する報知を報知機器300に行わせる制御信号を出力する。報知機器300は、制御機器決定部115からの制御信号に従って、作業空間1内の作業者2に姿勢悪化について注意を喚起する報知を行う。この際の報知は、例えば、報知機器300のディスプレイ301に、姿勢悪化について注意喚起し、姿勢を正すよう促すメッセージを表示する。また、報知機器300のスピーカー302から、姿勢悪化について注意喚起し、姿勢を正すよう促すメッセージを鳴らしてもよい。さらに、報知機器300が作業者2が座る椅子等に設けられたバイブレーターを含む場合は、当該バイブレーターを振動させてもよい。
また、制御機器決定部115が、環境制御機器200の動作内容を変更すると決定した場合、制御部120は環境制御機器200に対し、制御機器決定部115で決定された動作内容で動作するよう制御信号を出力する。環境制御機器200は、制御機器決定部115からの制御信号に従って、動作内容を変更する。この際、それぞれの環境制御機器200は、環境情報センサ13の検出結果を用いて制御されてもよい。
次に、以上のように構成された環境制御システムの動作例について、図4のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS11において、情報取得部101は、センサ類10の検出データに係る情報を取得する。続くステップS12で、在室者姿勢・状態推定部110の姿勢検知部112は、ステップS11で取得した特に姿勢検知用センサ11の検出データに基づいて、作業者2の姿勢を検知する。そして、在室者姿勢・状態推定部110の姿勢悪化判定部113は、姿勢検知部112により検知された作業者2の姿勢が悪化したか否かを判定する。作業者2の姿勢が悪化していない場合、一連の動作は終了となる。一方、作業者2の姿勢が悪化した場合、在室者姿勢・状態推定部110は次にステップS13の処理を行う。
ステップS13においては、在室者姿勢・状態推定部110の変化要因推定部114は、ステップS11で取得した特に生体情報センサ12の検出データに基づいて、作業者2の姿勢悪化の要因を推定する。続くステップS14において、在室者姿勢・状態推定部110の制御機器決定部115は、変化要因推定部114による推定結果に基づいて、作業者2の姿勢悪化が前述した「単純な姿勢悪化」であるのか、前述した「作業性低下を伴う姿勢悪化」であるのかを判定する。作業者2の姿勢悪化が「単純な姿勢悪化」である場合、環境制御装置100は次にステップS15の処理を行う。
ステップS15においては、在室者姿勢・状態推定部110の制御機器決定部115は、報知機器300による報知を行うと決定する。この場合、制御部120は報知機器300に報知を行わせる制御信号を出力する。報知機器300は、制御機器決定部115からの制御信号に従って、作業空間1内の作業者2に姿勢悪化について注意を喚起する報知を行う。ステップS15の処理が完了すれば、一連の動作は終了となる。
一方、ステップS14で作業者2の姿勢悪化が「単純な姿勢悪化」でなく「作業性低下を伴う姿勢悪化」である場合、環境制御装置100は次にステップS16の処理を行う。ステップS16においては、制御機器決定部115は、環境制御機器200の動作内容を変更すると決定する。そして、制御機器決定部115は、動作内容を変更する環境制御機器200、及び、当該環境制御機器200の変更後の動作内容を決定する。ステップS16の後、環境制御装置100は次にステップS17の処理を行う。
ステップS17においては、制御部120は、環境制御機器200に対し、ステップS17で決定された動作内容で動作するよう制御信号を出力する。環境制御機器200は、制御機器決定部115からの制御信号に従って、動作内容を変更する。ステップS17の処理が完了すれば、一連の動作は終了となる。
以上のように構成された環境制御システムにおいては、作業者2の姿勢を検知し、検知された作業者2の姿勢が悪化したか否かを判定する。続いて、作業者2の姿勢が悪化した場合には、作業者2の生体情報に基づいてその姿勢悪化の要因を推定し、作業性低下を伴わない単純な姿勢悪化であるのか、作業性低下を伴う姿勢悪化であるのかを判定する。そして、単純な姿勢悪化の場合には報知を行い、作業性低下を伴う姿勢悪化の場合には、環境制御機器200の動作内容を変更して作業空間1内の環境を変化させる。
このような環境制御システムによれば、外観上は同じような姿勢悪化であっても、作業性低下を伴わない単純な姿勢悪化であるのか、作業性低下を伴う姿勢悪化であるのかを判定し、作業への没頭等による単純な姿勢悪化の場合には単に報知するだけに留めて、自発的な姿勢矯正を促し、不自然な姿勢による身体への負担の抑制と、高い作業性の維持とを両立できる。一方、作業性低下を伴う姿勢悪化であれば、環境制御機器200の動作内容を変更して作業空間1内の環境を変化させることで、作業者2に刺激を与えるとともに、作業空間1内の環境をより作業に適したものにし、作業性の向上を図ることが可能である。したがって、作業者2の姿勢が悪化した場合に、作業性を低下させることなく自発的な姿勢矯正を促すとともに、作業性低下を伴うような姿勢悪化であれば作業性の向上を図ることが可能である。
なお、この実施形態に係る環境制御システムの変形例として、作業空間1内にいる作業者2の個人を識別する個人識別手段をさらに備えてもよい。個人識別手段は、例えば、環境制御装置100の在室者姿勢・状態推定部110に個人識別部として設けられる。例えば、作業空間1が個人毎の入退室管理がなされた部屋等である場合、管理された各個人の入退室履歴等を用いることで、作業空間1内にいる作業者2の個人を識別できる。また、作業者2の個人毎に作業する座席が予め決められている場合、作業者2の位置を検出し、当該作業者2がいる座席を特定することで、作業者2の個人を識別できる。作業者2の位置の検出は、例えば、前述した表面温度センサ910の検出結果、又は、カメラによる撮影画像等を用いて行うことができる。さらに、生体情報センサ12による検出結果を用いて、作業者2の個人を識別することもできる。例えば、作業者2の瞳をカメラ等で撮影する場合、作業者2の虹彩を用いて作業者2の個人を識別可能である。
そして、この変形例においては、制御部120は、さらに個人識別手段により識別された個人に応じた環境制御機器200の制御を行う。この場合、制御機器決定部115は、環境制御機器200の動作内容を識別された個人の嗜好に応じたものに決定する。そして、制御部120は、制御機器決定部115により決定された、個人の嗜好に応じた環境制御機器200の動作内容に応じて、環境制御機器200を制御する。個人毎の嗜好に応じた環境制御機器200の動作内容については、例えば、環境制御装置100の記憶部111に予め登録しておくことが考えられる。
個人の嗜好に応じた環境制御機器200の動作内容とは、具体的に例えば以下のようなものが挙げられる。
・作業者2が暑がり(又は寒がり)で空調装置201を動作させる場合:暑がりの場合は室温を下げる。寒がりの場合は室温を下げずに送風で気流を当てる。
・体調(例えば片頭痛がある)によって光に敏感になっている作業者2がいる場合に照明装置204を点灯するとき:照度を明るくするのではなく、色温度をゆるやかに高くなるように変化させる。
・香りに敏感な作業者2がいる場合にアロマディフューザー205を動作させるとき:芳香物質の濃度を薄める、又は、使用する精油の量を少なくする、又は、予め登録された好みの精油を使用する、又は、アロマディフューザー205を動作させない。
次に、以上のように構成された環境制御システムの変形例における動作の一例について、図5のフロー図を参照しながら説明する。図5のステップS21からS25及びS28は、それぞれ、図4のステップS11からS15及びS17と同じである。このため、ここでは、図5のステップS21からS25及びS28の説明については重複を避けるため省略する。
図5のステップS24で作業者2の姿勢悪化が「単純な姿勢悪化」でなく「作業性低下を伴う姿勢悪化」である場合、環境制御装置100は次にステップS26の処理を行う。ステップS26においては、在室者姿勢・状態推定部110の個人識別部は、対象となる作業者2の個人を識別する。続くステップS27において、制御機器決定部115は、環境制御機器200の動作内容を変更すると決定する。そして、制御機器決定部115は、ステップS26で識別された作業者2の個人に応じて、動作内容を変更する環境制御機器200、及び、当該環境制御機器200の変更後の動作内容を決定する。ステップS27の後、環境制御装置100は次にステップS28の処理を行う。
以上のように構成された環境制御システムの変形例においては、作業者2の姿勢が悪化した場合に、作業性を低下させることなく自発的な姿勢矯正を促すとともに、作業性低下を伴うような姿勢悪化であれば、個人嗜好に応じた環境を実現し、さらなる作業性の向上を図ることが可能である。
実施の形態2.
図6から図11を参照しながら、本開示の実施の形態2について説明する。図6は環境制御システムの構成を示すブロック図である。図7から図9は環境制御システムの動作例を示すフロー図である。図10は学習装置の動作の一例を示すフロー図である。図11は学習装置におけるニューラルネットワークの一例を示す図である。
以下、この実施の形態2に係る環境制御システムについて、実施の形態1との相違点を中心に説明する。説明を省略した構成については実施の形態1と基本的に同様である。以降の説明においては、実施の形態1と同様の又は対応する構成について、原則として実施の形態1の説明で用いたものと同じ符号を付して記載する。
この実施の形態に係る環境制御システムは、図6に示すように、環境制御装置100、環境制御機器200及び報知機器300に加えて、推論装置500をさらに備えている。推論装置500は、少なくとも、実施の形態1で説明した在室者姿勢・状態推定部110の変化要因推定部114に相当する機能を有している。すなわち、推論装置500は、少なくとも、作業者2の姿勢悪化の要因を推論するものである。
図6に示す構成例では、推論装置500は、変化要因推定部114に相当する機能だけでなく、在室者姿勢・状態推定部110の全体と情報取得部101とに相当する機能を有している。推論装置500は、データ取得部501、モデル更新部502及び推論部503を備えている。
推論装置500の処理回路には、例えば、図示しないプロセッサ及びメモリが備えられている。推論装置500は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって予め設定された処理を実行し、推論装置500の動作を制御する。すなわち、推論装置500においてメモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行し、推論装置500のハードウェアとソフトウェアとが協働することによって、推論装置500が備えるデータ取得部501、モデル更新部502及び推論部503の機能が実現される。
プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
なお、推論装置500の処理回路は、例えば、専用のハードウェアとして形成されてもよい。推論装置500の処理回路の一部が専用のハードウェアとして形成され、かつ、この処理回路にプロセッサ及びメモリが備えられていてもよい。一部が専用のハードウェアとして形成される処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
学習済みモデル記憶部600には、学習済みモデルが記憶されている。学習済みモデル記憶部600に記憶される学習済みモデルは、作業空間1内の作業者2の生体情報が少なくとも含まれる入力データから、少なくとも作業者2の姿勢悪化の要因を推論するためのものである。なお、ここで説明する構成例では、学習済みモデルは、作業者2の姿勢を検知するための姿勢検知用センサ11の検出データと、生体情報センサ12により検出された作業者2の生体情報と、環境情報センサ13により検出された作業空間1内の環境データとが少なくとも含まれる入力データから、作業者2の姿勢悪化の要因と、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容とを推論するためのものである。学習済みモデル記憶部600に記憶される学習済みモデルは、例えば、後述する学習装置800により生成される。学習済みモデル記憶部600は、例えば、推論装置500と通信可能に設けられたサーバ装置等に備えられる。また、学習済みモデル記憶部600を、環境制御装置100に設けてもよいし、推論装置500に設けてもよい。
推論装置500のデータ取得部501は、推論装置500への入力データを取得する。入力データには、センサ類10の検出データ、すなわち、姿勢検知用センサ11、生体情報センサ12及び環境情報センサ13のそれぞれのセンサの検出データが含まれている。
推論装置500の推論部503は、学習済みモデル記憶部600に記憶されている学習済みモデルを用いて、データ取得部501が取得した入力データから、作業者2の姿勢悪化の要因と、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容とを推論する。推論部503は、データ取得部501が取得した入力データを、学習済みモデルに入力することで、入力データから推論される作業者2の姿勢悪化の要因と、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容とを出力することができる。このようにして、推論部503は、入力データからよどみ度分布を推論するための学習済みモデルを用いて、データ取得部501が取得した入力データから作業者2の姿勢悪化の要因と、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容とよどみ度分布を出力する。
なお、ここでいう環境制御機器200及び報知機器300の動作内容には、環境制御機器200又は報知機器300のいずれか一方を動作させないことも含まれる。すなわち、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容には、以下の内容が含まれている。
・環境制御機器200の動作内容を変更するか否か
・報知機器300による報知を行うか否か
・環境制御機器200の動作内容を変更する場合、その変更後の動作内容
・報知機器300による報知を行う場合、その報知内容
推論部503から出力された環境制御機器200の動作内容は、環境制御装置100に送信される。環境制御装置100の制御部120は、推論装置500から送信された環境制御機器200の動作内容に基づいて、それぞれの環境制御機器200を制御する。この際の環境制御機器200の動作内容の具体例は、実施の形態1で説明したものと同様である。
また、推論部503から出力された報知機器300の動作内容は、報知機器300に送信される。報知機器300は、推論装置500から送信された報知機器300の動作内容に基づいて動作して、必要に応じ作業者2に報知する。
次に、以上のように構成された推論装置500を備えたシステムの動作例について、図7のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS31において、推論装置500のデータ取得部501は、入力データを取得する。続くステップS32において、推論装置500の推論部503は、ステップS31で取得した入力データを学習済みモデルに入力する。さらに続くステップS33において、推論部503は、ステップS12で学習済みモデルに入力データを入力して得られた推論結果である、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容を出力する。
ステップS33で推論部503から出力されたデータは、環境制御機器200及び報知機器300に入力される。ステップS33の後、報知機器300はステップS34の処理を行う。また、これに並行して、ステップS33の後、環境制御機器200はステップS35の処理を行う。ステップS34においては、報知機器300は必要に応じて報知を行う。また、ステップS35においては、環境制御装置100の制御部120は、環境制御機器200を制御する。ステップS34及びステップS35の処理が完了すれば、一連の動作は終了となる。
なお、図7に示す構成例では、推論装置500はモデル更新部502を備えている。モデル更新部502は、学習済みモデル記憶部600に記憶されている学習済みモデルを更新することができる。学習済みモデル記憶部600は、モデル更新部502により更新された学習済みモデルを記憶する。そして、推論部503は、モデル更新部502により更新された学習済みモデルを使って、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容を推論する。
モデル更新部502は、環境制御機器200及び報知機器300が動作した結果として、作業者2の姿勢が改善したか否か、及び、作業者2の作業性、快適性が改善したか否かに応じて、学習済みモデルを更新する。モデル更新部502による学習済みモデル更新の一例は、環境制御機器200及び報知機器300が動作した結果として、作業者2の姿勢が改善した場合及び改善しなかった場合の両方で、モデル更新部502は学習済みモデルを更新する。
この例では、作業者2の姿勢が改善した場合には、今回の環境制御機器200及び報知機器300の動作内容が、より優先されて出力されるように、すなわち、今回の出力が強化されるように学習済みモデルを更新する。また、作業者2の姿勢が改善しなかった場合には、今回の環境制御機器200及び報知機器300の動作内容とは異なるものが、より優先されて出力されるように学習済みモデルを更新する。
また同様に、作業者2の作業性・快適性が改善した場合には、今回の環境制御機器200及び報知機器300の動作内容が、より優先されて出力されるように、すなわち、今回の出力が強化されるように学習済みモデルを更新する。そして、作業者2の作業性・快適性が改善しなかった場合には、今回の環境制御機器200及び報知機器300の動作内容とは異なるものが、より優先されて出力されるように学習済みモデルを更新する。
次に、以上のようなモデル更新部502を有する推論装置500を含む環境制御システムの動作例について、図8のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS41において、推論装置500のデータ取得部501は、入力データを取得する。続くステップS42において、推論装置500の推論部503は、ステップS31で取得した入力データを学習済みモデルに入力する。さらに続くステップS43において、推論部503は、ステップS42で学習済みモデルに入力データを入力して得られた推論結果である、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容を出力する。
ステップS43で推論部503から出力されたデータは、環境制御機器200及び報知機器300に入力される。ステップS43の後、ステップS44において、報知機器300は必要に応じて報知を行う。また、環境制御装置100の制御部120は、環境制御機器200を制御する。ステップS44の後、推論装置500はステップS45の処理を行う。
ステップS45においては、モデル更新部502は、ステップS44で環境制御機器200及び報知機器300が動作した結果として、作業者2の姿勢が改善したか否かを判定する。作業者2の姿勢が改善した場合、ステップS46を経てステップS47の処理を推論部503は実行する。ステップS47においては、モデル更新部502は、ステップS44で環境制御機器200及び報知機器300が動作した結果として、作業者2の作業性・快適性が改善したか否かを判定する。作業者2の作業性・快適性が改善した場合、ステップS48を経てステップS49の処理を推論部503は実行する。
一方、ステップS45で作業者2の姿勢が改善しない場合、ステップS50を経てステップS49の処理を推論部503は実行する。また、ステップS47で作業者2の作業性・快適性が改善しない場合、ステップS51を経てステップS49の処理を推論部503は実行する。
ステップS49においては、これまでにステップS46及びステップS48の処理を経ている場合、モデル更新部502は、今回の環境制御機器200及び報知機器300の動作内容が、より優先されて出力されるように、すなわち、今回の出力が強化されるように学習済みモデルを更新する。一方、これまでにステップS50又はステップS51の処理を経ている場合、モデル更新部502は、今回の環境制御機器200及び報知機器300の動作内容とは異なるものが、より優先されて出力されるように学習済みモデルを更新する。ステップS49の処理が完了すると、一連の動作は終了となる。
モデル更新部502による学習済みモデル更新の別例として、環境制御機器200及び報知機器300が動作した結果として、作業者2の姿勢が改善した場合にモデル更新部502は学習済みモデルを更新し、作業者2の姿勢が改善しなかった場合には学習済みモデルを更新しないようにしてもよい。
この別例でも、作業者2の姿勢が改善した場合には、今回の環境制御機器200及び報知機器300の動作内容が、より優先されて出力されるように、すなわち、今回の出力が強化されるように学習済みモデルを更新する。一方、作業者2の姿勢が改善しなかった場合には、学習済みモデルの更新は行われない。
また、この別例では、作業者2の作業性・快適性が改善した場合には、今回の環境制御機器200及び報知機器300の動作内容が、より優先されて出力されるように、すなわち、今回の出力が強化されるように学習済みモデルを更新する。そして、作業者2の作業性・快適性が改善しなかった場合には、今回の環境制御機器200及び報知機器300の動作内容とは異なるものが、より優先されて出力されるように学習済みモデルを更新する。
次に、以上のようなモデル更新部502を有する推論装置500を含む環境制御システムの動作例について、図9のフロー図を参照しながら説明する。図9のステップS61からS68、S70及びS71は、それぞれ、図4のステップS41からS48、S50及びS51と同じである。このため、ここでは、図5のステップS26からS68、S70及びS71の説明については重複を避けるため省略する。
図9のステップS70の後、推論装置500は、ステップS61に戻って処理を継続する。また、ステップS69においては、これまでにステップS66及びステップS68の処理を経ている場合、モデル更新部502は、今回の環境制御機器200及び報知機器300の動作内容が、より優先されて出力されるように、すなわち、今回の出力が強化されるように学習済みモデルを更新する。一方、これまでにステップS71の処理を経ている場合、モデル更新部502は、今回の環境制御機器200及び報知機器300の動作内容とは異なるものが、より優先されて出力されるように学習済みモデルを更新する。ステップS69の処理が完了すると、一連の動作は終了となる。
次に、図10を参照しながら、この実施の形態に係る学習装置800の構成について説明する。この実施の形態に係る学習装置800は、少なくとも作業者2の姿勢悪化の要因を学習するものである。なお、ここで説明する構成例では、学習装置800は、作業者2の姿勢悪化の要因と、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容とを学習する。作業者2の姿勢悪化の要因と、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容とは、前述したように、環境制御機器200及び報知機器300の制御に使用される。
同図に示すように、学習装置800は、学習用データ取得部801及びモデル生成部802を備えている。学習装置800の処理回路には、例えば、図示しないプロセッサ及びメモリが備えられている。学習装置800は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって予め設定された処理を実行し、学習装置800の動作を制御する。すなわち、学習装置800においてメモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行し、学習装置800のハードウェアとソフトウェアとが協働することによって、学習装置800が備える学習用データ取得部801及びモデル生成部802の機能が実現される。
学習用データ取得部801は、学習用データを取得する。学習用データには、センサ類10の検出データ、すなわち、姿勢検知用センサ11、生体情報センサ12及び環境情報センサ13のそれぞれのセンサの検出データと、環境制御機器200の動作設定値及び報知機器300の報知内容とが含まれている。環境制御機器200の動作設定値及び報知機器300の報知内容は、いわゆる正解データである。学習用データは、姿勢検知用センサ11、生体情報センサ12及び環境情報センサ13のそれぞれのセンサの検出データと、正解データである環境制御機器200の動作設定値及び報知機器300の報知内容とを互いに関連付けたデータである。
なお、作業者2の姿勢悪化の要因を学習する場合には、正解データとして、作業者2の姿勢悪化の要因、特に、その要因が作業者2が作業に没頭していることであるか否かが用いられる。作業者2が作業に没頭しているか否かは、例えば、実施の形態1で説明した作業性を用いることで評価できる。
モデル生成部802は、姿勢検知用センサ11、生体情報センサ12及び環境情報センサ13のそれぞれのセンサの検出データと、環境制御機器200の動作設定値及び報知機器300の報知内容との組み合わせに基づいて作成された前述の学習用データから、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容を学習する。すなわち、モデル生成部802は、学習用データ取得部801が取得した学習用データを用いて、姿勢検知用センサ11、生体情報センサ12及び環境情報センサ13のそれぞれのセンサの検出データから、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容を推論する学習済みモデルを生成する。
モデル生成部802が用いる学習アルゴリズムは、教師あり学習等の公知のアルゴリズムを用いることができる。一例として、ニューラルネットワークを適用した場合について説明する。モデル生成部802は、例えば、ニューラルネットワークモデルに従って、いわゆる教師あり学習により、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容を学習する。ここで、教師あり学習とは、入力と結果(ラベル)のデータの組を学習装置800に与えることで、それらの学習用データにある特徴を学習し、入力から結果を推論する手法をいう。
ニューラルネットワークは、複数のニューロンからなる入力層、複数のニューロンからなる中間層(隠れ層)、及び、複数のニューロンからなる出力層で構成される。中間層は、1層又は2層以上でもよい。
例えば、図11に示すような3層のニューラルネットワークであれば、複数の入力が入力層(X1-X3)に入力されると、その値に重みW1(w11-w16)を掛けて中間層(Y1-Y2)に入力され、その結果にさらに重みW2(w21-w26)を掛けて出力層(Z1-Z3)から出力される。この出力結果は、重みW1とW2の値によって変わる。
本開示において、ニューラルネットワークは、学習用データ取得部801によって取得された姿勢検知用センサ11、生体情報センサ12及び環境情報センサ13のそれぞれのセンサの検出データと、環境制御機器200の動作設定値及び報知機器300の報知内容との組み合わせに基づいて作成された前述の学習用データから、に基づいて、いわゆる教師あり学習により、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容を学習する。すなわち、ニューラルネットワークは、入力層に姿勢検知用センサ11、生体情報センサ12及び環境情報センサ13のそれぞれのセンサの検出データを入力して出力層から出力された結果が、環境制御機器200の動作設定値及び報知機器300の報知内容に近づくように重みW1とW2を調整することで学習する。
モデル生成部802は、以上のような学習を実行することで学習済みモデルを生成し、出力する。学習済みモデル記憶部600は、モデル生成部802から出力された学習済みモデルを記憶する。学習済みモデル記憶部600は、前述したように、例えば、推論装置500と通信可能に設けられたサーバ装置等、又は、推論装置500に備えられてもよいし、学習済みモデル記憶部600を学習装置800に設けてもよい。
なお、この実施の形態では、モデル生成部802が用いる学習アルゴリズムに教師あり学習を適用した場合について説明したが、これに限られるものではない。学習アルゴリズムについては、教師あり学習以外にも、強化学習等を適用することも可能である。モデル生成部802が用いる学習アルゴリズムに強化学習(Reinforcement Learning)を適用した場合について説明する。強化学習では、ある環境内におけるエージェント(行動主体)が、現在の状態(環境のパラメータ)を観測し、取るべき行動を決定する。エージェントの行動により環境が動的に変化し、エージェントには環境の変化に応じて報酬が与えられる。エージェントはこれを繰り返し、一連の行動を通じて報酬が最も多く得られる行動方針を学習する。強化学習の代表的な手法として、Q学習(Q-learning)、TD学習(TD-learning)等が知られている。
強化学習によって学習済みモデルを生成する場合、モデル生成部802は、報酬計算部及び関数更新部を備えている。報酬計算部は、姿勢検知用センサ11、生体情報センサ12及び環境情報センサ13のそれぞれのセンサの検出データと、環境制御機器200の動作設定値及び報知機器300の報知内容とに基づいて報酬を計算する。報酬計算部は、予め設定された報酬基準に基づいて、報酬を計算する。例えば、姿勢検知用センサ11の検出データから求めた作業者2の姿勢が改善した場合、及び、生体情報センサ12の検出データから求めた作業者2の作業性が改善した場合には報酬を増大させ(例えば「1」の報酬を与え)、他方、姿勢が改善しない場合及び作業性が改善しない場合には報酬を低減する(例えば「-1」の報酬を与える)。
関数更新部は、報酬計算部によって計算された報酬に従って、環境制御機器200及び報知機器300の動作内容を決定するための行動価値関数を更新する。モデル生成部802は、以上のような行動価値関数の更新を繰り返し実行することで、学習済みモデルを生成する。そして、学習済みモデル記憶部600は、関数更新部によって更新された行動価値関数すなわち学習済みモデルを記憶する。
また、モデル生成部802に用いられる学習アルゴリズムとしては、特徴量そのものの抽出を学習する、深層学習(Deep Learning)を用いることもでき、他の公知の方法、例えば遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、サポートベクターマシン等を用いて機械学習を実行してもよい。
以上のように構成された環境制御システムにおいても、実施の形態1と同様、作業者2の姿勢が悪化した場合に、作業性を低下させることなく自発的な姿勢矯正を促すとともに、作業性低下を伴うような姿勢悪化であれば作業性の向上を図ることが可能である。
1 作業空間
2 作業者
3 パーソナルコンピュータ
10 センサ類
11 姿勢検知用センサ
12 生体情報センサ
13 環境情報センサ
100 環境制御装置
101 情報取得部
110 在室者姿勢・状態推定部
111 記憶部
112 姿勢検知部
113 姿勢悪化判定部
114 変化要因推定部
115 制御機器決定部
120 制御部
200 環境制御機器
201 空調装置
202 空清機
203 換気機器
204 照明装置
205 アロマディフューザー
300 報知機器
301 ディスプレイ
302 スピーカー
500 推論装置
501 データ取得部
502 モデル更新部
503 推論部
600 学習済みモデル記憶部
800 学習装置
801 学習用データ取得部
802 モデル生成部
901 筐体
902 吸込口
903 吹出口
904 送風ファン
905 熱交換器
906 ルーバ
907 プレフィルタ
908 ドレンパン
910 表面温度センサ

Claims (3)

  1. 作業空間の環境を制御する環境制御機器と、
    前記作業空間内の作業者への報知を行う報知機器と、
    前記作業者の姿勢を検知する姿勢検知手段と、
    前記作業者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
    前記姿勢検知手段により検知された前記作業者の姿勢が悪化したか否かを判定する姿勢悪化判定手段と、
    前記姿勢悪化判定手段により前記作業者の姿勢が悪化したと判定された場合に、前記生体情報取得手段により取得された生体情報に基づいて、当該作業者の姿勢悪化の要因を推定する変化要因推定手段と、
    前記変化要因推定手段による推定結果に応じて、前記環境制御機器の動作内容を変更するか、前記報知機器による報知を行うかを決定する決定手段と、
    前記決定手段の決定結果に応じて前記環境制御機器及び前記報知機器を制御する制御部と、を備えた環境制御システム。
  2. 前記作業空間内にいる前記作業者の個人を識別する個人識別手段をさらに備え、
    前記制御部は、前記個人識別手段により識別された個人にさらに応じた、前記環境制御機器の制御を行う請求項1に記載の環境制御システム。
  3. 前記変化要因推定手段は、前記作業者の生体情報が少なくとも含まれる入力データから、前記作業者の姿勢悪化の要因を推論する推論装置を備えた請求項1又は請求項2に記載の環境制御システム。
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