JP2024057774A - 空調制御システム - Google Patents

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拓也 古橋
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Abstract

【課題】換気のために窓を開けた場合に対象空間内の人の温熱的快適性低下の抑制と、空調負荷の増大の抑制とを両立可能である空調制御システムを提供する。【解決手段】空調制御システムは、窓が設けられた対象空間内の空気調和を行う空調手段と、窓の開閉状態に関する情報を取得する窓状態取得手段と、空調手段を制御する制御手段と、を備える。制御手段は、対象空間内の温度が設定温度を含む第1温度範囲内になるように空調手段を制御する第1制御と、対象空間内の温度が設定温度を含む第2温度範囲内になるように空調手段を制御する第2制御とを実行可能である。第2温度範囲は、第1温度範囲よりも広い。制御手段は、窓の開閉状態に応じて、第1制御と第2制御とを切り替える。【選択図】図4

Description

本開示は、空調制御システムに関するものである。
外気温を検知する外気温検知手段と、窓を自動で開閉する窓開閉手段と、送風手段を有し室内の温度を制御する空気調和機と、窓開閉手段と空気調和機の駆動を制御する制御手段を備え、使用者が空気調和機に冷房運転を指示している際あるいは指示を開始する際に、外気温が所定の温度以下の場合、制御手段が空気調和機の冷房運転を停止し、窓開閉手段で窓を開けるとともに、送風手段による送風動作と連動させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014-031950号公報
特許文献1に示されるような技術は、冷房時は所定温度以下、暖房時は所定温度以上の場合のみ有用であって、それ以外の場合は、室内への外気流入により空調装置にかかる負荷が増大してしまう。特に、換気のために窓を開けた場合、空調装置にかかる負荷を低減するために、空調装置の冷房又は暖房を停止して送風のみを行うと、室内への外気流入により室内の温熱的快適性が低下してしまう。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、換気のために窓を開けた場合に、対象空間内の人の温熱的快適性が低下してしまうことの抑制と、空調装置にかかる負荷が増大してしまうことの抑制とを両立可能である空調制御システムを提供することにある。
本開示に係る空調制御システムは、窓が設けられた対象空間内の空気調和を行う空調手段と、前記窓の開閉状態に関する情報を取得する窓状態取得手段と、前記空調手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記対象空間内の温度が設定温度を含む第1温度範囲内になるように前記空調手段を制御する第1制御と、前記対象空間内の温度が前記設定温度を含む第2温度範囲内になるように前記空調手段を制御する第2制御とを実行可能であり、前記第2温度範囲は、前記第1温度範囲よりも広く、前記制御手段は、前記窓の開閉状態に応じて、前記第1制御と前記第2制御とを切り替える。
本開示に係る空調制御システムによれば、換気のために窓を開けた場合に、対象空間内の人の温熱的快適性が低下してしまうことの抑制と、空調装置にかかる負荷が増大してしまうことの抑制とを両立可能であるという効果を奏する。
実施の形態1に係る空調制御システムの対象空間の構成を模式的に示す平面図である。 実施の形態1に係る空調制御システムが有する空調装置の斜視図である。 実施の形態1に係る空調装置の要部を拡大して示す斜視図である。 実施の形態1に係る空調制御システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る空調制御システムの動作例を説明する図である。 実施の形態1に係る空調制御システムの動作例を説明する図である。 実施の形態1に係る空調制御システムの動作例を説明する図である。 実施の形態1に係る空調制御システムの動作例を示すフロー図である。
本開示に係る空調制御システムを実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
実施の形態1.
図1から図8を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。図1は空調制御システムの対象空間の構成を模式的に示す平面図である。図2は空調制御システムが有する空調装置の斜視図である。図3は空調装置の要部を拡大して示す斜視図である。図4は空調制御システムの構成を示すブロック図である。図5から図7は、空調制御システムの動作例を説明する図である。図8は空調制御システムの動作例を示すフロー図である。
この実施の形態に係る空調制御システムは、図1に示すような対象空間1内の空気調和を行うものである。対象空間1は、例えば、1つの部屋の内部空間である。対象空間1の具体例として、オフィスの会議室等の内部空間が挙げられる。対象空間1には、窓2が設けられている。窓2は、開閉可能である。窓2が開いた状態では、当該窓2を介して対象空間1の内部と外部とが通じる。対象空間1の外部とは、例えば屋外である。したがって、開いた状態の窓2を通じて、対象空間1内の換気が可能である。
この実施の形態に係る空調制御システムは、空調装置201を備えている。空調装置201は、対象空間1内の空気調和を行うことで、対象空間1内の主に温熱的環境を制御する機器である。空調装置201は、対象空間1に係る部屋の壁面又は天井面に設置される。ここで説明する構成例では、空調装置201は、天井面に設置されている。
空調装置201は、対象空間1内の空気の温度、湿度等を調節することで対象空間1内の空気調和を行う空調手段である。空調装置201は、冷房運転及び暖房運転の一方又は両方を含む空調運転が可能である。また、空調装置201は、除湿運転、加湿運転、送風運転のいずれか1つ以上の運転を可能としてもよい。
この実施の形態の空調装置201は、空気調和装置の室内機である。室内機である空調装置201は、冷媒が流れる配管を介して、室外機と接続されている。この配管及び室外機の図示を、本開示では省略している。また、空気調和装置が空調運転を実行するために必要な冷凍サイクルを構成する各機器及び対象空間1内に空気を吹き出すための送風ファン等の図示も、本開示では省略している。冷凍サイクルを構成する機器には、例えば、熱交換器及び圧縮機等が含まれる。
図2に示すように、空調装置201は、筐体20を備えている。空調装置201の筐体20は、略直方体形を呈する箱状に形成されている。空調装置201の筐体20の下部には、矩形状又は正方形状の下面パネル21が設けられている。下面パネル21には、吸込口22が形成されている。吸込口22は、外部から筐体20の内部に空気を取り込むための開口である。吸込口22には、図示しないフィルタが搭載されている。図2に示す構成例では、吸込口22は、下面パネル21の中央に配置されている。
また、下面パネル21には、吹出口23が形成されている。吹出口23は、筐体20の内部から外部へと空気を排出するための開口である。図示の構成例では、下面パネル21には、4つの吹出口23が形成されている。4つの吹出口23は、図2に示すように、吸込口22の周囲に配置されている。4つの吹出口23は、それぞれ、下面パネル21の各辺に沿って設けられている。
図2及び図3に示すように、空調装置201は、上下ルーバー24及び左右ルーバー25を備えている。上下ルーバー24及び左右ルーバー25は、吹出口23のそれぞれに設けられている。上下ルーバー24は、吹出口23から吹き出される空気の上下方向の吹き出し角度を調整するためのものである。左右ルーバー25は、吹出口23から吹き出される空気の左右方向の吹き出し角度を調整するためのものである。
上下ルーバー24は、矩形の板状を呈する部材である。上下ルーバー24の一端は、吹出口23の縁部のうちの、下面パネル21の中央側の部分に、回動可能に取り付けられている。この一端を軸にして上下ルーバー24が回動することで、吹出口23から吹き出される空気の上下方向の吹き出し角度が変更される。
特に図3に示すように、左右ルーバー25は、矩形の板状を呈する複数枚の部材によって構成されている。この矩形の板状を呈する複数枚の部材は、吹出口23の長手方向に垂直な方向に沿うように配置されている。左右ルーバー25の一端は、吹出口23の縁部の奥側部分に、回動可能に取り付けられている。この一端を軸にして左右ルーバー25が回動することで、吹出口23から吹き出される空気の左右方向の吹き出し角度が変更される。
以上のように構成された上下ルーバー24及び左右ルーバー25は、吹出口23から室内に空気が吹き出される方向を変更可能な風向変更手段の一例である。この実施の形態における空調装置201は、上下ルーバー24の向きと左右ルーバー25の向きとの組み合わせを変更することで、様々な方向への送風が可能である。
また、上下ルーバー24の向きが最も上向きにされることで、吹出口23は当該上下ルーバー24によって閉塞される。この実施の形態における空調装置201は、複数の吹出口23のうちの一部の吹出口23を上下ルーバー24によって閉塞することで、当該一部の吹出口からの送風を停止することが可能である。
筐体20の内部には、吸込口22から吹出口23へと通じる風路が形成されている。吸込口22から吹出口23へと通じる風路内には、熱交換器及び送風ファンが設置されている。熱交換器は、風路を流れる空気と冷媒との間での熱交換によって、当該空気を加熱又は冷却する。熱交換器によって空気が加熱されるか冷却されるかは、空調装置201が実行する空調運転の種類に依る。熱交換器は、空気を加熱又は冷却することで、当該空気の温度及び湿度等を調整し、調和空気を生成する。具体的には、暖房運転時には、熱交換器は、空気を加熱する。冷房運転時には、熱交換器は、空気を冷却する。また、送風運転時には、熱交換器を通過した空気は、常温の調和空気として生成される。
送風ファンは、吸込口22から吹出口23へと向かう空気流を筐体20の内部の風路中に生成するためのものである。送風ファンが動作すると、吸込口22から空気が吸い込まれ、吹出口23から空気が吹き出される。吸込口22から吸い込まれた空気は、空調装置201の筐体20の内部の風路を、熱交換器、送風ファンの順に通過する。送風ファンを通過した空気、すなわち調和空気は、吹出口23から吹き出される。暖房運転時には、吹出口23から温風が吹き出される。冷房運転時には、吹出口23から冷風が吹き出される。送風運転時には、吹出口23から常温の風が吹き出される。この際、吹出口23から空気が吹き出される方向は、送風ファンの風下側に配置された上下ルーバー24及び左右ルーバー25により調整される。空調装置201は、様々な温度の空気を様々な方向へ送風することができる。
この実施の形態に係る空調制御システムにおいては、対象空間1内には、複数のエリアが設定されている。そして、ここで説明する構成例では、空調手段である空調装置201は、複数のエリアのそれぞれに対応して複数設けられている。図1に示す例では、対象空間1内に2つの空調装置201が設置されている。そして、これらの空調装置201のそれぞれに対応して、対象空間1内に2つのエリアが設定されている。すなわち、この例では、対象空間1内におけるエリアの数と空調装置201の数は等しい。なお、空調装置201とエリアとは対応していなくともよい。また、対象空間1内におけるエリアの数と空調装置201の数は異なっていてもよい。
図1に示す構成例では、それぞれのエリアは、当該エリアに対応する空調装置201の吹出口23からの距離に応じて設定されている。つまり、各エリアは、それぞれの空調装置201の吹出口23からの気流が到達し得る範囲として設定されている。図示の例では、各エリアは半径4m程度の円形状である。
ここで説明する構成例では、空調装置201の筐体20の下面部に表面温度センサ11が設けられている。表面温度センサ11は、対象空間1内の被検出体の表面温度を非接触で検出するセンサである。表面温度センサ11は、対象空間1内の被検出体の表面温度を周期的に検出する。表面温度センサ11は、例えば、図示しない複数のサーモパイルを有する赤外線センサを備えた構成でもよい。表面温度センサ11は、この赤外線センサを回転駆動することで温度検出範囲を走査し、赤外線センサの出力を用いて温度検出範囲の熱画像データを生成してもよい。温度検出範囲内の被検出体には、例えば、人体、床面、及び、壁面等が含まれ得る。表面温度センサ11を用いることにより、対象空間1内における人の有無を判定することができるとともに、対象空間1内に人が存在する場合には人の位置の特定及び人の体の表面温度の検出が可能となる。
表面温度センサ11は、サーモパイルに代えて、SOI(Silicon on Insulator)ダイオード方式の非冷却赤外線イメージセンサを備えていてもよい。SOIダイオード方式の場合、センサ部にシリコンダイオードを使用しているため、シリコン半導体ラインのみで製造可能であり、生産コストが安いというメリットがある。
表面温度センサ11は、このような構成により、前述した対象範囲内を走査して当該範囲内の表面温度分布を非接触で取得する。表面温度センサ11の検出結果、すなわち、表面温度センサにより取得した表面温度分布データを、後述する環境制御装置100等で処理することで、例えば背景との温度差から、室内における人を含む熱源の有無及びその位置、人体の表面皮膚温度、人の身体の部位(肌の露出部と非露出部、頭部等)等を検出することができる。
また、表面温度センサ11の検出結果に基づいて、室内の人の体感温度も得ることができる。この場合、肌を露出している人体ほど体感温度を検出しやすい。さらに、表面温度センサにより取得した表面温度分布データを、環境制御装置100等で処理することで、対象空間1内にいる人数も検出できる。さらに、対象空間1内の人数の変化から、対象空間1への人の入退出も検知できる。
次に、図4も参照しながら、この実施の形態に係る空調制御システムの構成について説明を続ける。対象空間1に設けられた空調装置201は、空調制御システムが備える環境制御機器200の例である。空調制御システムは、環境制御機器200として、他に例えば図4に示すように、送風機202、換気機器203、調湿機器204、香り発生機器205、音発生機器206を含んでいてもよい。
送風機202は、対象空間1内に気流を生成することで、対象空間1の空気環境を制御する機器である。換気機器203は、対象空間1内の空気を換気することで、対象空間1の空気環境を制御する機器である。調湿機器204は、対象空間1内の空気中に含まれる水分量を調節することで、対象空間1の空気環境を制御する機器である。調湿機器204は、例えば、加湿器又は除湿機等である。送風機202、換気機器203及び調湿機器204は、前述した空調手段に含まれ得る。
香り発生機器205は、エッセンシャルオイル、フレグランスオイル等の香料を気化あるいは拡散等させて対象空間1内に香りを発生させるためのものである。音発生機器206は、波の音、川のせせらぎ、鳥の鳴き声等の環境音あるいはBGM等を対象空間1内に発生させるためのものである。
この実施の形態に係る空調制御システムは、環境制御装置100を備えている。環境制御装置100は、例えばマイクロコンピュータ等を備えた処理回路により構成されている。環境制御装置100がマイクロコンピュータを備えている場合、環境制御装置100は、図示しないプロセッサ及びメモリを備えている。メモリには、制御用のプログラムが記憶されている。プロセッサは、メモリに記憶されているプログラムを読み出して実行する。
プロセッサが制御用のプログラムを実行することで、環境制御装置100は予め設定された処理を実行して環境制御機器200である空調装置201、送風機202、換気機器203、調湿機器204、香り発生機器205及び音発生機器206のそれぞれの動作を制御する。また、特に、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することで、後述する情報取得部101、制御内容決定部110及び制御部120の各部の機能が実現される。
なお、環境制御装置100の機能を実現する処理回路は、例えば、専用ハードウェアとして形成されていてもよい。また、処理回路は、その一部が専用ハードウェアとして形成され、かつ、さらにプロセッサ及びメモリを備えていてもよい。一部が少なくとも1つの専用ハードウェアである処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを備える場合、環境制御装置100の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。前述したように、プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、予め設定された処理を実行して環境制御装置100の機能を実現する。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、環境制御装置100の機能を実現することができる。なお、環境制御機器200のそれぞれは、単一の環境制御装置100により動作が制御される構成に限定されるものではない。環境制御機器200は、複数の装置が連携することで動作を制御されてもよい。
環境制御装置100は、情報取得部101、制御内容決定部110及び制御部120を備えている。情報取得部101は、情報源から情報を取得する。図示の構成例では、情報源としてセンサ類10、リモコン30及びスケジュール管理サーバ40がある。図4に示す構成例では、センサ類10として前述した表面温度センサ11に加えて、生体情報センサ12、環境情報センサ13及び窓開閉センサ14が含まれている。
生体情報センサ12には、例えば、以下のようなセンサが含まれ得る。
・対象空間1内の可視画像を撮影するカメラ
・準ミリ波・ミリ波レーダー応用センサ
・脳波センサ
・心拍センサ
環境情報センサ13には、例えば、以下のようなセンサが含まれ得る。
・室温センサ
・外気温センサ
・湿度センサ
・空気質(二酸化炭素濃度、粉塵濃度、VOC濃度等)センサ
窓開閉センサ14は、窓2の開閉状態を検出するセンサである。窓開閉センサ14は、例えば、マグネットスイッチを利用して窓2の開閉状態を検出する。
情報取得部101は、これらのセンサ類10の検出データを取得する。特に、生体情報センサ12及び情報取得部101は、対象空間1内の人の生体情報を取得する生体情報取得手段を構成している。生体情報取得手段は、生体情報センサ12の他に例えば、人の自己申告から生体情報を取得してもよい。この際、例えば、空調装置201のリモコン30等を操作することで、生体情報の自己申告を行うことができるようにすることが考えられる。
また、特に、窓開閉センサ14及び情報取得部101は、対象空間1に設けられた窓2の開閉状態に関する情報を取得する窓状態取得手段を構成している。窓開閉センサ14による検出結果は、窓2の開閉状態に関する情報の一例である。窓2の開閉状態に関する情報を、対象空間1内の人が入力してもよい。この場合、例えば、対象空間1内の人は、空調装置201のリモコン30等を操作して、窓2の開閉状態に関する情報、すなわち、窓2が開いているか否かを入力する。そして、情報取得部101は、リモコン30等に入力された窓2の開閉状態に関する情報を取得する。
スケジュール管理サーバ40は、対象空間1の使用スケジュールを管理するためのものである。スケジュール管理サーバ40の記憶装置には、対象空間1の使用スケジュールが記憶されている。対象空間1の使用スケジュールには、対象空間1の使用開始日時、使用終了日時、使用者等の情報が含まれている。スケジュール管理サーバ40と環境制御装置100とは、例えばインターネット、イントラネット等の通信ネットワークを介して、通信可能に接続されている。情報取得部101は、スケジュール管理サーバ40の記憶装置に記憶されている対象空間1の使用スケジュールに関する情報を取得する。
制御内容決定部110は、情報取得部101により取得された各種の情報に基づいて、環境制御機器200の制御内容を決定する。制御部120は、制御内容決定部110で決定された制御内容に従って、環境制御機器200の動作を制御する。
制御内容決定部110は、記憶部111、人検知部112、窓開閉判定部113及び制御機器決定部114を備えている。記憶部111には、情報取得部101により取得されたセンサ類10の検出データが記憶される。
人検知部112は、記憶部111に記憶されている検出データ、特に、表面温度センサ11の検出結果を用いて、対象空間1内の人を検知する。表面温度センサ11、情報取得部101及び人検知部112は、対象空間1内の人を検知する人検知手段を構成している。なお、人検知手段は表面温度センサ11を用いたものに限られない。例えば、生体情報センサ12として対象空間1内の可視画像を撮影するカメラを備えている場合、人検知部112は、当該カメラにより撮影された画像を用いて対象空間1内の人を検知してもよい。以上のようにして構成された人検知手段は、対象空間1内にいる人が前述したエリアのうちのどのエリアにいるのか検知可能である。
窓開閉判定部113は、窓状態取得手段により取得された窓2の開閉状態に関する情報に基づいて、窓2の開閉状態を判定する。例えば、窓状態取得手段が窓開閉センサ14を有している場合、窓開閉判定部113は、窓開閉センサ14の検出結果に基づいて、窓2の開閉状態を判定する。また、窓2の開閉状態に関する情報を、対象空間1内の人がリモコン30等を操作して入力する場合、窓開閉判定部113は、リモコン30等に入力された情報に基づいて、窓2の開閉状態を判定する。さらに、窓開閉判定部113は、環境情報センサ13の検出結果を用いて、窓2の開閉状態を判定してもよい。例えば、環境情報センサ13が対象空間1内の二酸化炭素濃度を検出可能である場合、対象空間1内の二酸化炭素濃度が急激に低下したときに窓開閉判定部113は、窓2が開かれたと判定してもよい。
制御機器決定部114は、人検知部112の検知結果及び窓開閉判定部113の判定結果に基づいて、制御する環境制御機器200及びその制御内容を決定する。特に、この実施の形態に係る空調制御システムにおいては、制御機器決定部114は、窓2が閉じているという窓開閉判定部113の判定結果である場合、環境制御機器200について第1制御を行うと決定する。また、制御機器決定部114は、窓2が開いているという窓開閉判定部113の判定結果である場合、環境制御機器200について第2制御を行うと決定する。
以上のように構成された制御機器決定部114及び制御部120は、空調手段である空調装置201を制御する制御手段である。そして、この実施の形態に係る空調制御システムにおいては、制御手段は、第1制御と第2制御とを実行可能である。前述したように、制御機器決定部114は、窓2が閉じている場合に第1制御を行うと決定し、窓2が開いている場合に第2制御を行うと決定する。したがって、制御手段は、窓2の開閉状態に応じて、第1制御と第2制御とを切り替える。
第1制御において、制御部120は、対象空間1内の温度が第1温度範囲内になるように空調手段である空調装置201を制御する。第2制御において、制御部120は、対象空間1内の温度が第2温度範囲内になるように空調手段である空調装置201を制御する。第1温度範囲及び第2温度範囲は、いずれも設定温度を含む温度範囲である。設定温度は、例えば、使用者が空調装置201のリモコン30等を操作して、所望の温度を指定することで設定された温度である。そして、第2温度範囲は、第1温度範囲よりも広い。具体的に例えば、第1温度範囲は、設定温度の±2℃の範囲とする。また、第2温度範囲は、設定温度の±4℃の範囲とする。
第1制御は、窓2が閉じられた状況において、対象空間1内の温調を行い、対象空間1内の人の温熱的快適性を向上させることを目的とした通常の制御である。一方、第2制御は、窓2が開かれた状況において、対象空間1内の温調を行いつつも、窓2を介した対象空間1内の換気を促進することを目的とした制御である。
窓2が開かれた状況では、窓2を通じて外気が対象空間1内に流入するため、対象空間1内の温度(室温)が変動しやすい。このため、窓2が開かれた状況で通常の第1制御により対象空間1を設定温度に維持しようとすると、空調装置201にかかる負荷が大きくなり、ひいては消費電力量の増大を招来する。一方、窓2が開かれた状況で空調装置201による冷房又は暖房を停止してしまうと、室温が外気温とほぼ等しくなり、対象空間1内の人が温熱不快の状態に陥りやすい。
これに対し、第2制御では、設定温度と室温との差が、第1制御よりも大きくなることが許容される。このため、窓2が開かれた状況において、空調装置201にかかる負荷が増大することを抑制できる。また、外気の影響で室温が第2温度範囲を外れるような場合には、空調装置201により冷房又は暖房が行われる。このため、空調装置201の冷房又は暖房を完全に停止した場合と比較して、対象空間1内の人の温熱的快適性が低下することを抑制できる。したがって、以上のように構成された空調制御システムによれば、対象空間1の窓2が開かれた状況において第2制御を行うことで、窓2を介した対象空間1内の換気を促進しつつ、空調装置201にかかる負荷の増大の抑制と、対象空間1内の人の温熱的快適性の低下の抑制とを両立することが可能である。
次に、図5から図7を参照しながら、この実施の形態に係る空調制御システムの動作例について説明する。これらの図に示す例において、設定温度は24℃、第1温度範囲は設定温度±2℃すなわち22℃から26℃の範囲で、第2温度範囲は設定温度±4℃すなわち20℃から28℃の範囲である。前述したように、対象空間1内には、複数のエリアが設定されている。そして、空調手段である空調装置201は、複数のエリアのそれぞれに対応して複数設けられている。制御内容決定部110は、窓2の開閉状態に応じた第1制御と第2制御との切り替えの決定を、全てのエリアで一括して行ってもよいし、それぞれのエリアごとに行ってもよい。図5に示すのは、窓2の開閉状態に応じた第1制御と第2制御との切り替えの決定を、全てのエリアで一括して行う例である。
図6に示すのは、窓2の開閉状態に応じた第1制御と第2制御との切り替えの決定を、それぞれのエリアごとに行う例である。特に、図6に示すように、窓2が開かれた場合、開かれた窓2に最も近いエリアに対応した空調装置201の制御を第1制御から第2制御に切り替えてもよい。この場合、開かれた窓2に最も近いエリア以外のエリアの対応した空調装置201は第1制御のままとする。このようにすることで、特に外気流入の影響が大きい窓2に近いエリアでは空調装置201にかかる負荷を抑制しつつ、窓2から遠く外気流入の影響を受けにくいエリアでは、対象空間1内の人の温熱的快適性を優先できる。
また、前述したように、1つの空調装置201には複数の吹出口23が設けられていてもよい。ここで説明する構成例では、1つの空調装置201に4つの吹出口23が設けられている。そして、1つのエリアは、空調装置201の4つの吹出口23のそれぞれに対応して、4つのサブエリアに分割されている。この場合、図7に示すように、制御手段は、第2制御において、人がいるサブエリアに対応する吹出口23から送風させ、人がいないサブエリアに対応する吹出口23からは送風させないようにしてもよい。このようにすることで、窓2が開かれた状況において、空調装置201にかかる負荷をさらに抑制しつつ、対象空間1内の人の温熱的快適性の低下を抑制できる。
この実施の形態に係る空調制御システムにおいては、制御手段は、第2制御において、人がいるエリアの換気が促進されるように、空調装置201を制御してもよい。人がいるエリアの換気が促進されるような空調装置201の制御とは、具体的に例えば、空調装置201の吹出口23からの気流が、人がいるエリアを通過して窓2に到達するように吹出口23の風向及び風速を調整する制御である。また、他の具体例として、対象空間1内の多数のエリアに人がいる場合には、気流が対象空間1内を大きく循環するように吹出口23の風向及び風速を調整してもよい。このようにすることで、特に人がいるエリアの換気を促進することができ、人から排出された飛沫等を迅速に対象空間1の外に排出できる。
また、制御手段は、第2制御において、空調装置201だけでなく、送風機202、換気機器203、調湿機器204、香り発生機器205、音発生機器206を動作させてもよい。第2制御において送風機202、換気機器203を動作させることで、対象空間1内の換気をさらに促進できる。第2制御において調湿機器204を動作させることで、窓2からの外気流入により変動した対象空間1内の湿度を快適なものに調節できる。第2制御において香り発生機器205を動作させることで、開いた窓2から対象空間1内に流入した外気の臭い(例えば、排気ガスの臭い等)による不快感を緩和できる。第2制御において音発生機器206を動作させることで、開いた窓2から対象空間1内に侵入した騒音(例えば、交通騒音等)による不快感を緩和できる。
前述したように、情報取得部101は、スケジュール管理サーバ40から対象空間1の使用スケジュールに関する情報を取得してもよい。この場合、情報取得部101は、対象空間1の使用スケジュールに関する情報を取得するスケジュール取得手段でもある。そして、制御機器決定部114は、空調装置201等の環境制御装置100の制御内容を、対象空間1の使用スケジュールに基づいて決定してもよい。例えば、対象空間1内が無人であっても、その後に対象空間1が使用されるスケジュールになっていれば、制御手段は、例えば、対象空間1の使用開始日時の一定時間前に空調装置201による冷房又は暖房を開始させて、対象空間1内を予冷又は予熱してもよい。このようにすることで、対象空間1の使用開始時に、対象空間1の温熱的環境を快適なものにすることができる。
また、制御手段は、窓2の開閉状態だけでなく、対象空間1の使用スケジュールにもさらに応じて、第1制御と第2制御とを切り替えてもよい。例えば、窓2が閉まっており第1制御中である場合に、対象空間1のスケジュールの使用終了日時になったら、対象空間1の使用が終了し、窓2が開けられて換気が行われることを想定して、制御手段は、第1制御から第2制御に切り替えてもよい。また、窓2が開いており第2制御中である場合に、その後に対象空間1が使用されるスケジュールになっていれば、制御手段は、例えば、対象空間1の使用開始日時の一定時間前に第2制御から第1制御に切り替えてもよい。このようにすることで、事前に対象空間1の温熱環境を調整し、対象空間1の使用開始時における温熱的快適性を向上できる。
制御手段である制御機器決定部114及び制御部120は、第2制御中において予め設定された終了条件が成立した場合に第2制御を終了して第1制御に切り替えてもよい。終了条件に関しては、例えば、空調装置201のリモコン等に予め設定された第2制御終了操作が行われた場合に終了条件が成立するようにしてもよい。また、前述したように、対象空間1の使用開始日時の一定時間前になれば、終了条件が成立するようにしてもよい。さらに、終了条件に環境情報センサ13の検出結果が含まれていてもよい。すなわち、制御手段は、環境情報センサ13の検出結果に基づいて換気が十分に行われたと判断できる場合には、第2制御を終了して第1制御に切り替えてもよい。具体的に例えば、対象空間1内の二酸化炭素濃度が一定濃度以下になったり、室温と外気温との差が一定値以下になったりした場合に、終了条件が成立するようにしてもよい。また、終了条件が成立した場合には、その旨を対象空間1内の人に報知して窓2を閉めるよう促してもよい。
逆に、第1制御中であるときに、空調装置201のリモコン等に予め設定された第2制御開始操作を行うことで、第2制御を開始できるようにしてもよい。前述した、窓2が開けられたことをリモコン30で入力する操作は、第2制御開始操作の一例である。
なお、この実施形態に係る空調制御システムの変形例として、対象空間1内にいる人の個人を識別する個人識別手段をさらに備えてもよい。個人識別手段は、例えば、環境制御装置100の制御内容決定部110に個人識別部として設けられる。例えば、対象空間1が個人毎の入退室管理がなされた部屋等である場合、管理された各個人の入退室履歴等を用いることで、対象空間1内にいる人の個人を識別できる。また、生体情報センサ12による検出結果を用いて、人の個人を識別することもできる。例えば、人の瞳をカメラ等で撮影する場合、人の虹彩を用いて人の個人を識別可能である。
そして、この変形例においては、制御部120は、個人識別手段により識別された個人にさらに応じて、環境制御機器200の制御を行う。この場合、制御機器決定部114は、環境制御機器200の動作内容を識別された個人の嗜好に応じたものに決定する。そして、制御部120は、制御機器決定部114により決定された、個人の嗜好に応じた環境制御機器200の動作内容に応じて、環境制御機器200を制御する。個人毎の嗜好に応じた環境制御機器200の動作内容については、例えば、環境制御装置100の記憶部111に予め登録しておくことが考えられる。個人の嗜好に応じた環境制御機器200の動作内容としては、具体的に例えば、人が暑がり(又は寒がり)で空調装置201を動作させる場合に、暑がりであれば室温を下げ、寒がりの場合は室温を下げずに送風で気流を当てる等が挙げられる。また、制御機器決定部114は、第1制御及び第2制御の一方又は両方における環境制御機器200の制御内容を識別された個人の嗜好に応じて変更してもよい。
さらに、この実施形態に係る空調制御システムの別の変形例として、対象空間1内にいる人の作業性を判定する作業性判定手段をさらに備えてもよい。作業性判定手段は、例えば、環境制御装置100の制御内容決定部110に作業性判定部として設けられる。例えば、作業性判定部は、まず、前述の生体情報取得手段により取得された生体情報に基づいて、対象空間1内の人(以下、作業者ともいう)の作業性を推定する。作業者の労働の能率は、その作業者個人の現在の体調、眠気の度合い、覚醒の度合い、疲労の度合い、リラックスの度合い、ストレスの度合い等に応じて変化する。「作業性」とは、その作業者個人としての最高能率に対する、その作業者個人の現在の能率の割合に相当する。作業性は生産性と言い換えることもできる。作業者の作業性が高いことは、当該作業者の現在の能率が当該作業者の最高能率に近いことに相当する。作業者の作業性が低いことは、当該作業者の現在の能率が当該作業者の最高能率に比べて低下していることに相当する。
作業性判定部は、表面温度センサ11の検出結果及び生体情報センサ12を用いて得られた作業者の生体情報に基づいて、当該作業者の作業性の指標となる数値(以下、「作業性の値」と称する)を計算してもよい。例えば、作業者個人の作業性が最高であるときの作業性の値を100とした場合、作業性判定部41は、生体情報センサ12を用いて得られた作業者の生体情報に基づいて1よりも小さい補正係数を算出し、当該補正係数を100に乗じることによって当該作業者の作業性の値を算出してもよい。
生体情報センサ12により、作業者の皮膚温度、心拍、眼球の動き、まぶたの動き、及び、まぶたの開度のうちの少なくとも1つを生体情報として検出するとよい。このような生体情報を用いることで、作業性を精度良く検知及び判定することが可能となる。作業性判定部は、例えば、作業者の生体情報に基づいて、当該作業者の眠気レベル、覚醒レベル、疲労レベル、リラックスレベル及びストレスレベルのうちの1又は2以上のレベルを推定し、その推定結果に基づいて当該作業者の作業性の値を算出してもよい。例えば、作業性判定部は、眠気レベルが高いほど作業性の値が低くなるように算出してもよいし、覚醒レベルが高いほど作業性の値が高くなるように算出してもよい。また、作業性判定部は、例えば、疲労レベルが高いほど作業性の値が低くなるように算出してもよいし、リラックスレベルが高いほど作業性の値が高くなるように算出してもよいし、ストレスレベルが高いほど作業性の値が低くなるように算出してもよい。
生体情報センサ12にカメラが含まれる場合、作業性判定部は、カメラにより撮影された作業者の顔の画像に対して画像認識処理をすることで、作業者の眼球の動き、まぶたの動き及びまぶたの開度のうちの少なくとも1つを検出し、その検出結果に基づいて作業性を判定してもよい。例えば、眠気レベルが高いと、時間当たりの瞬目の回数が低下する。そこで、作業性判定部は、カメラにより取得された作業者のまぶたの動きから時間当たりの瞬目の回数を算出し、当該回数に基づいて作業者の眠気レベルを推定してもよい。また、瞬目の時間間隔が一定で維持されている場合、作業性判定部は、作業者が作業に集中、熱中、没頭しており作業性が高いと判定してもよい。
眠気レベルが高いと、まぶたの開度が低下する。そこで、作業性判定部は、カメラにより取得された作業者のまぶたの開度に基づいて作業者の眠気レベルを推定してもよい。また、眠気レベルが高いと、額の皮膚温度と鼻の皮膚温度との温度差が大きくなる。作業性判定部は、表面温度センサ11を用いて取得された作業者の顔の熱画像から作業者の額の皮膚温度と鼻の皮膚温度との温度差を検出し、当該温度差に基づいて作業者の眠気レベルを推定してもよい。
さらに、作業性判定部は、表面温度センサ11の検出結果から体感温度を算出し、集中度を推定してもよい。作業性判定部は、カメラにより撮影された画像を用いて作業者の顔面の色度解析により血流量を推定し、この推定した血流量から集中度を推定してもよい。また、生体情報センサ12に脳波センサが含まれる場合、作業性判定部は、作業者の脳波から当該作業者の眠気レベル、覚醒レベル、リラックスレベル等を推定して集中度を推定してもよい。
生体情報センサ12に準ミリ波・ミリ波レーダー応用センサが含まれる場合、当該生体情報センサ12により、例えば、作業者の体動、呼吸数、心拍、血流のうちの少なくとも1つを生体情報として取得可能である。また、生体情報センサ12に心拍センサが含まれる場合も、作業者の心拍を生体情報として取得できる。作業性判定部は、そのようにして検出された心拍変動に基づいて、高周波変動成分であるHF成分と、低周波変動成分であるLF成分とを抽出し、HF成分の数値と、LF/HFの数値との少なくとも一方を用いて作業者の緊張又はリラックスの状態を推定してもよい。例えば、自律神経におけるリラックス指標であるHF成分が多いほど、作業者のリラックスレベルが高いと推定してもよい。また、LF/HFの値が小さいほど作業者のリラックスレベルが高いと推定してもよい。また、LF/HFの値が大きいほど作業者のストレスレベルが高いと推定してもよい。
作業性判定部は、作業者が操作するパーソナルコンピュータのキーボードの操作状況に基づいて、作業者の作業性を推定してもよい。例えば、単位時間当たりにおけるキーボードの削除キー(バックスペースキー、及び、デリートキー)の打鍵回数から、入力ミスの頻度を推定してもよい。また、キーボードのタイプ速度から作業者の作業性を推定してもよい。
作業性判定部は、作業者の作業性の推定値が低下しているか否かを判定する。そして、制御内容決定部110は、作業性判定部の判定結果に基づいて、環境制御機器200の制御内容を決定する。例えば、第2制御中において、作業性の推定値が低下していると判定された作業者がいる場合、制御内容決定部110は、当該作業者がいるエリアに対応する空調装置201を第2制御から第1制御に切り替えることを決定する。このように、制御手段は、作業性判定部の判定結果に応じて、第1制御と第2制御とを切り替えてもよい。これにより、第2制御により温熱的快適性が低下し、対象空間1内の作業者の作業性が低下した場合に、第1制御に切り替えて当該作業者の周囲の温熱的環境を整えることで、当該作業者の作業性の向上を支援できる。
次に、以上のように構成された空調制御システムの動作例について、図8のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS11において、情報取得部101は、センサ類10の検出データに係る情報を取得する。続くステップS12で、窓開閉判定部113は、対象空間1の窓2が開けられて換気が開始されたか否かを判定する。対象空間1の窓2が開けられていない場合、環境制御装置100は次にステップS13の処理を行う。一方、対象空間1の窓2が開けられた場合、環境制御装置100は次にステップS14の処理を行う。ステップS13においては、制御内容決定部110は、第1制御を行うと決定する。ステップS14においては、制御内容決定部110は、第2制御を行うと決定する。
ステップS14の後、環境制御装置100は次にステップS15からS19の処理を行う。ステップS15からS19の処理は、順不同で行なわれてもよいし、これらのうちの複数の処理が並行して行なわれてもよい。ステップS15においては、制御部120は、空調装置201による温調すなわち冷房又は暖房を停止させ送風運転に切り替える。ステップS16においては、人検知部112は、対象空間1内の人すなわち在室者の位置を検出する。ステップS17においては、情報取得部101は、空調装置201の風向を取得する。ステップS18においては、情報取得部101は、空調装置201の風量を取得する。ステップS19においては、情報取得部101は、対象空間1内の人すなわち在室者の生体情報を取得する。
ステップS13あるいはS15からS19の後、環境制御装置100は次にステップS20の処理を行う。ステップS20においては、制御内容決定部110は、環境制御機器200の動作内容を決定する。この決定は、ステップS13又はS14の決定、ステップS16からS19で検出され、あるいは、取得された情報等に基づいて行なわれる。続くステップS21において、制御部120は、空調装置201を含む環境制御機器200に対し、ステップS20で決定された動作内容で動作するよう制御信号を出力する。空調装置201を含む環境制御機器200は、制御部120からの制御信号に従って動作する。ステップS21の後、環境制御装置100は次にステップS22の処理を行う。
ステップS22においては、環境制御装置100は、予め設定された一定時間が経過したか否かを判定する。あるいは、環境制御装置100は、センサ類10の検出結果を確認し、対象空間1の状況に変化が生じたか否かを判定してもよい。一定時間が経過した、又は、対象空間1の状況に変化が生じた場合、環境制御装置100はステップS11に戻って処理を継続する。一方、一定時間が経過しない、及び、対象空間1の状況に変化が生じない場合、環境制御装置100は次にステップS23の処理を行う。
ステップS23においては、環境制御装置100は、空調装置201について現在の制御を継続するか否かを判定する。空調装置201について現在の制御を継続する場合、環境制御装置100はステップS22に戻って処理を継続する。一方、空調装置201について現在の制御を継続しない場合、一連の処理は終了となる。
1 対象空間
2 窓
10 センサ類
11 表面温度センサ
12 生体情報センサ
13 環境情報センサ
14 窓開閉センサ
20 筐体
21 下面パネル
22 吸込口
23 吹出口
24 上下ルーバー
25 左右ルーバー
30 リモコン
40 スケジュール管理サーバ
100 環境制御装置
101 情報取得部
110 制御内容決定部
111 記憶部
112 人検知部
113 窓開閉判定部
114 制御機器決定部
120 制御部
200 環境制御機器
201 空調装置
202 送風機
203 換気機器
204 調湿機器
205 香り発生機器
206 音発生機器

Claims (4)

  1. 窓が設けられた対象空間内の空気調和を行う空調手段と、
    前記窓の開閉状態に関する情報を取得する窓状態取得手段と、
    前記空調手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記対象空間内の温度が設定温度を含む第1温度範囲内になるように前記空調手段を制御する第1制御と、
    前記対象空間内の温度が前記設定温度を含む第2温度範囲内になるように前記空調手段を制御する第2制御とを実行可能であり、
    前記第2温度範囲は、前記第1温度範囲よりも広く、
    前記制御手段は、前記窓の開閉状態に応じて、前記第1制御と前記第2制御とを切り替える空調制御システム。
  2. 前記対象空間内には、複数のエリアが設定され、
    前記空調手段は、複数の前記エリアのそれぞれに対応して複数設けられ、
    前記制御手段は、前記窓が開かれた場合に、開かれた前記窓に最も近い前記エリアに対応した前記空調手段の制御を前記第1制御から前記第2制御に切り替える請求項1に記載の空調制御システム。
  3. 前記対象空間内にいる人を検知する人検知手段をさらに備え、
    前記対象空間内には、複数のエリアが設定され、
    前記人検知手段は、前記対象空間内にいる人が複数の前記エリアのうちのどの前記エリアにいるのか検知可能であり、
    前記制御手段は、前記第2制御において、人がいる前記エリアの換気が促進されるように、前記空調手段を制御する請求項1に記載の空調制御システム。
  4. 前記対象空間の使用スケジュールに関する情報を取得するスケジュール取得手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記対象空間の使用スケジュールにもさらに応じて、前記第1制御と前記第2制御とを切り替える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空調制御システム。
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