JP7380276B2 - 空調システム、および、空調機の制御方法 - Google Patents

空調システム、および、空調機の制御方法 Download PDF

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本発明は、空調システム、および、空調機の制御方法に関する。
例えば特許文献1のように、居住者の生体情報に基づいて居室を空調する空調システムが知られている。特許文献1においては、生体情報を検知する生体情報検知部を居住者が携帯し、その生体情報検知部の検知した生体情報に基づいて空調を行っている。
特開2018-185083号公報
しかしながら、特許文献1に記載の空調システムにおいては、生体情報を検知する生体情報検知部を携帯しなければならず、不特定の利用者が利用する空間の空調には不向きである。本発明は、利用者に快適な空調空間を提供する空調システム、および、空調機の制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する空調システムは、空調空間を空調する空調機と、前記空調機を制御する制御装置と、を備えた空調システムであって、前記制御装置は、前記空調空間の利用者の位置情報、利用者側温熱要素情報、環境側温熱要素情報、および、前記空調機の運転情報を取得し、前記取得した情報を境界条件として入力する予測モデルを用いて、前記空調空間の気流分布および温湿度分布、ならびに、前記利用者の生理量を予測し、前記予測した結果に基づいて前記利用者の快適性を評価し、前記評価した利用者の快適性に基づいて前記空調機を制御する。
上記課題を解決する空調機の制御方法は、空調空間を空調する空調機の制御方法であって、前記空調機を制御する制御装置が、前記空調空間の利用者の位置情報、利用者側温熱要素情報、環境側温熱要素情報、および、前記空調機の運転情報を取得するステップと、前記取得した情報を境界条件として入力する予測モデルを用いて、前記空調空間の気流分布および温湿度分布、ならびに、前記利用者の生理量を予測するステップと、前記予測した結果に基づいて前記利用者の快適性を評価するステップと、前記評価した利用者の快適性に基づいて前記空調機を制御するステップと、を実行する。
上記構成の空調システムは、前記空調空間を撮像する撮像部をさらに備え、前記制御装置は、前記空調空間を撮像した撮像画像に基づいて、前記位置情報および前記利用者側温熱要素情報を取得することが好ましい。
上記構成の空調システムにおいて、前記制御装置は、前記利用者側温熱要素情報として、前記利用者の着衣量、代謝量、ならびに、前記利用者の年齢および性別を示す属性を取得することが好ましい。
上記構成の空調システムにおいて、前記制御装置は、予め定めた設定時間後における前記利用者の生理量を予測することが好ましい。
上記構成の空調システムにおいて、前記制御装置は、前記設定時間後における前記利用者の快適性が良好となるように前記空調機を制御することが好ましい。
上記構成の空調システムは、前記空調空間の利用者の位置情報、前記利用者側温熱要素情報、前記環境側温熱要素情報、および、前記空調機の運転情報を変更した境界条件において、気流解析モデルと数値サーマルマネキンを用いたシミュレーションを行い、前記シミュレーションの結果から導出された完全モデルについての縮約モデルを、前記予測モデルとして用いることが好ましい。
上記構成によれば、利用者に快適な空調空間を提供することができる。
空調システムの一実施形態の概略構成を示す図。 情報処理装置のハードウェア構成の説明図。 制御装置の概略構成を示す機能ブロック図。 空調機の制御方法の一例を示すフローチャート。 シミュレーション装置の概略構成を示す機能ブロック図。 予測モデルの生成方法の一例を示すフローチャート。
以下、図1~図6を用いて、空調システム、および、空調機の制御方法を具体化した一実施形態を説明する。
(空調システムの全体構成の説明)
図1に示すように、本実施形態の空調システム20は、空調空間10を空調する。本実施形態の空調空間10には、利用者11が使用するテーブル12や椅子13などのほか、窓14が設置されている。
空調システム20は、空調機21、制御装置25を備えている。
空調機21は、図示しない熱源機や室外機を有しており、熱源機や室外機に取り込まれた媒体で空気を温調した空調空気を吹出口22から空調空間10に給気する。本実施形態の空調機21は、空調空気の吹出方向が予め定めた一定方向に設定されている。
制御装置25は、空調機21に対して各種制御指示値を出力することにより空調機21を制御する制御処理を実行する。制御処理において、制御装置25は、空調空間10に関する各種情報に基づいて利用者11の生理量を予測し、その予測した生理量に基づいて利用者11の快適性を評価する。そして制御装置25は、快適性の評価結果に基づいて空調機21を制御する。また、制御装置25が空調機21を制御するために、予測モデルを用いる。この予測モデルは、シミュレーション装置40によって生成される。
(ハードウェア構成の説明)
図2を用いて、空調機21、制御装置25、シミュレーション装置40を構成する情報処理装置H10のハードウェア構成を説明する。情報処理装置H10は、通信装置H11、入力装置H12、表示装置H13、記憶部H14、プロセッサH15を備える。なお、このハードウェア構成は一例であり、他のハードウェアにより実現することも可能である。
通信装置H11は、他の装置との間で通信経路を確立して、データの送受信を実行するインタフェースであり、例えばネットワークインタフェースカードや無線インタフェース等である。
入力装置H12は、各種情報の入力を受け付ける装置であり、例えばマウスやキーボード、カメラ(撮影装置)等である。表示装置H13は、各種情報を表示するディスプレイ等である。
記憶部H14は、各種機能を実行するためのデータや各種プログラムを格納する記憶装置である。記憶部H14の一例としては、ROM、RAM、ハードディスク等がある。
プロセッサH15は、記憶部H14に記憶されるプログラムやデータを用いて、各処理を制御する。プロセッサH15の一例としては、例えばCPUやMPU等がある。このプロセッサH15は、ROM等に記憶されるプログラムをRAMに展開して、各処理のための各種プロセスを実行する。
プロセッサH15は、自身が実行するすべての処理についてソフトウェア処理を行うものに限られない。例えば、プロセッサH15は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行う専用のハードウェア回路(例えば、特定用途向け集積回路:ASIC)を備えてもよい。すなわち、プロセッサH15は、〔1〕コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、〔2〕各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いは〔3〕それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
(制御装置の説明)
図1に示すように、制御装置25には、撮像部26と環境側温熱要素検出部27とがネットワークにより接続されている。撮像部26は、所定の間隔で空調空間10を撮像し、その撮像画像を示す画像データを制御装置25に出力する。環境側温熱要素検出部27は、空調空間10の外部空間に設置されており、空調空間10に対して熱的な影響、すなわち空調空間10の利用者11の温熱感覚に影響を与える環境側温熱要素情報として、日射量、外気温度、および、外気湿度を検出し、制御装置25に出力する。
図3に示すように、制御装置25は、位置情報取得部31、温熱要素情報取得部32、運転情報取得部33、予測部34、予測モデル記憶部35、評価部36、および、制御部37を有している。
位置情報取得部31は、空調空間10の利用者11の位置情報を取得する。
温熱要素情報取得部32は、利用者11の温熱要素を示す利用者側温熱要素情報を取得する。
運転情報取得部33は、空調機21が吹き出している空調空気の吹出温度および吹出風量を、運転情報として取得する。
予測部34は、位置情報、利用者側温熱要素情報、環境側温熱要素情報、および、運転情報の各種パラメーターを境界条件とする予測モデル350を用いて、空調空間10の気流・温湿度分布、および、利用者11の部位ごとの生理量を予測する。
予測モデル記憶部35には、予測モデル350が記録される。この予測モデル350は、各種の境界条件を示す値を入力値として、空調空間10の気流・温湿度分布が現在の状態からどのように推移し、収束するかを予測するモデルである。また、予測モデル350は、利用者11とその予測した気流・温湿度分布で示される周辺環境との間における熱収支を演算し、利用者11の部位ごとの生理量が現在の状態からどのように推移し、収束するかを予測するモデルである。換言すれば、予測モデル350は、境界条件で示される現在の状態が継続した場合に、空調空間10の気流・温湿度分布、および、利用者11の部位ごとの生理量が現在の状態からどのように推移し、収束するかを予測するモデルである。予測モデル350は、後述するシミュレーションの結果に基づいて生成される。
評価部36は、予測した気流・温湿度分布および利用者11の生理量に基づいて、利用者11の快適性として温冷感と快適感等の評価結果を利用者11ごとに算出する。
制御部37は、評価結果に応じて、制御指示値を空調機21に出力する。
図4に示すように、制御処理において、制御装置25は、各種情報を取得する情報取得処理を行う(ステップS101)。
この情報取得処理においては、位置情報取得部31は、撮像部26が出力した画像データを画像処理することで、位置情報として空調空間10における利用者11の位置および姿勢を取得する。
更に、温熱要素情報取得部32は、撮像部26が出力した画像データを画像処理することにより、利用者11の利用者側温熱要素情報を取得する。ここでは、温熱要素情報取得部32は、パターン認識により、利用者側温熱要素情報として、利用者11の着衣物に基づく熱抵抗を示す着衣量、利用者11の体内代謝による熱平衡を示す代謝量、ならびに、利用者11の年齢および性別を示す属性を取得する。着衣量は、単位がcloで示される値である。代謝量は、利用者11の活動内容に応じた値であり、単位がmetで示される。属性は、利用者11の年齢を示す数値と利用者11の性別を示す数値とによって導出される値であり、年齢および性別に基づいて代謝量を補正する値である。
また、温熱要素情報取得部32は、環境側温熱要素情報として、環境側温熱要素検出部27からの検出信号に基づいて、日射量、外気温度、および、外気湿度を取得する。
更に、運転情報取得部33は、運転情報として、空調機21が吹き出している空調空気の吹出温度および吹出風量を取得する。なお、運転情報取得部33は、制御装置25から空調機21への制御指示値を運転情報として取得してもよいし、空調機21に設置した各種検出部の検出値を運転情報として取得してもよい。
次に、制御装置25は、空調空間10の気流・温湿度分布および利用者11の生理量を予測する予測処理を行う(ステップS102)。
予測処理において、予測部34は、取得した位置情報、利用者側温熱要素情報、環境側温熱要素情報、および、運転情報の各種パラメーターを境界条件とする予測モデル350を用いて、空調空間10の気流・温湿度分布、および、利用者11の部位ごとの生理量、例えば皮膚温度や放熱量、発汗量などを利用者11ごとに予測する。この予測モデル350の生成方法について後述する。
次に、制御装置25は、利用者11の快適性を評価する評価処理を行う(ステップS103)。
評価処理において、評価部36は、予測した気流・温湿度分布および利用者11の生理量に基づいて、予め定めた設定時間後の利用者11の快適性を評価する。設定時間は、5分後であってもよいし、10分後であってもよいし、1時間後であってもよい。評価部36は、例えば、皮膚温度、放熱量、発汗量、ならびに、利用者11周辺の気流分布および温湿度分布の各パラメーターを示す値を所定の評価式に代入することにより、温冷感を示す値および快適感を示す値を算出する。そして、評価部36は、その算出した値に基づいて、温冷感および快適感を利用者ごとに評価する。評価部36は、温冷感の評価結果として、例えば、「寒い」、「ちょうど良い」、「暑い」のうちの1つを得る。評価部36は、快適感の評価結果として、例えば、「快適」、「不快」のいずれか一方を得る。
次に、制御装置25は、制御指示値の演算・出力処理を行う(ステップS104)。ここでは、制御部37は、評価結果に基づいて空調機21の制御指示値を算出し、空調機21に対して出力する。本実施形態において、制御装置25は、吹出温度の制御指示値と吹出風量の制御指示値とを空調機21に出力する。
具体的には、制御部37は、各利用者11の温冷感について「ちょうど良い」、快適感について「快適」との評価情報を取得した場合、現在の運転状態を維持する制御指示値を空調機21に出力する。それ以外の場合、すなわち、いずれかの利用者11において「寒い」、「暑い」、「不快」との評価情報を取得した場合、制御部37は、全ての利用者11について、上述した設定時間後における温冷感が「ちょうど良い」、快適感が「快適」となる制御指示値を演算し、空調機21に出力する。制御指示値の演算方法については後述する。
(予測モデルの生成)
図5および図6を参照して予測モデル350の生成方法について説明する。予測モデル350は、シミュレーション装置40によって生成される。
図5に示すように、シミュレーション装置40は、メッシュモデル作成部41、空調機設定部42、シミュレーション部43、解析モデル記憶部44、教師データ記憶部46、学習部47、および、縮約モデル生成部48を有している。
メッシュモデル作成部41は、空調空間情報51に基づいて空調空間10を再現した仮想空間であるシミュレーション空間を生成する。
空調機設定部42は、空調機設置情報52に基づいて、シミュレーション空間に対して空調機21の吹出口22の位置や形状、吹出方向などを設定する。
シミュレーション部43は、シミュレーション空間における利用者11の位置情報、利用者側温熱要素情報、環境側温熱要素情報、空調機21の運転情報を設定する。
解析モデル記憶部44には、気流解析モデル440が記録される。この気流解析モデル440は、シミュレーション空間の気流分布および温湿度分布を算出するモデルである。また、解析モデル記憶部44には、数値サーマルマネキン441が記録される。数値サーマルマネキン441は、設定された環境下における人体の温熱生理応答を数値的に解析するモデルである。
教師データ記憶部46は、多種多様な条件のもとで行われたシミュレーションを通じて生成された教師データを記憶する。
学習部47は、教師データを用いた機械学習により、境界条件を入力値として、利用者11の部位ごとの生理量を予測する完全モデルを生成する。
縮約モデル生成部48は、学習部47が生成した完全モデルの縮約モデルを生成する。
また、シミュレーション装置40には、空調空間10に関する空調空間情報51、空調機21の設置状況に関する空調機設置情報52、および、シミュレーションに必要な条件に関する条件情報53が入力される。空調空間情報51は、空調空間10の形状のほか、テーブル12や椅子13などといった空調空間10における障害物、空調空間10に設置された窓14の位置や大きさ、向きなどを示す情報である。空調空間情報51は、例えば、空調空間10を示すBIMを中心に構成される。空調機設置情報52は、シミュレーション空間内に配置された空調機21の吹出口22の形状や位置、吹出方向を示す情報である。
図6に示すように、予測モデル350の生成においては、まず、シミュレーション装置40は、メッシュモデル作成処理を行う(ステップS201)。
メッシュモデル作成処理において、メッシュモデル作成部41は、空調空間情報51に基づいて空調空間10を再現した仮想空間であるシミュレーション空間を生成する。次に、メッシュモデル作成部41は、生成したシミュレーション空間を複数の3次元領域(メッシュ)に分割することによりメッシュモデルを作成する。
メッシュモデルの作成後、シミュレーション装置40は、空調機設定処理を行う(ステップS202)。空調機設定処理において、空調機設定部42は、空調機設置情報52に基づいて、シミュレーション空間に対して空調機21の吹出口22の位置や形状、吹出方向などを設定する。
次に、シミュレーション装置40は、シミュレーションを行う(ステップS203)。このシミュレーションは、シミュレーション空間に利用者11を仮想的に配置して行われる。
まず、シミュレーション装置40は、各種の条件について条件設定処理を行う(ステップS203-1)。
条件設定処理においては、シミュレーション部43は、条件情報に基づいて、シミュレーション空間における利用者11の位置および姿勢(位置情報)を設定するとともに、利用者11の属性、着衣量、および、代謝量(利用者側温熱要素情報)を設定する。また、シミュレーション部43は、条件情報に基づいて、日射量、外気温度、および、外気湿度(環境側温熱要素情報)を設定するとともに、空調機21の吹出温度および吹出風量(運転情報)を設定する。また、シミュレーション部43は、条件情報に基づいて、利用者11の部位ごとの生理量についての初期条件を設定する。
次に、シミュレーション装置40は、メッシュモデル修正処理を行う(ステップS203-2)。メッシュモデル修正処理において、メッシュモデル作成部41は、ステップS201で作成したメッシュモデルを、条件設定処理で設定された利用者11の位置情報に基づいて修正する。具体的には、メッシュモデル作成部41は、シミュレーション空間の利用者11を障害物として取り扱い、ステップS201で作成したメッシュモデルに、利用者11が占有する領域を設定することにより、メッシュモデルを修正する。
次に、シミュレーション装置40は、解析処理を行う(ステップS203-3)。解析処理において、シミュレーション部43は、ステップS203-1の条件設定処理で設定された各種条件に基づいて、気流解析と生理量解析とを行う。
気流解析において、シミュレーション部43は、気流解析モデル440と修正されたメッシュモデルとを用い、生理量解析に基づく利用者11からの放熱量などを考慮したうえで、シミュレーション空間の気流分布および温湿度分布を算出する。次に、シミュレーション部43は、設定された各種条件のもとでシミュレーション空間の気流分布および温湿度分布がどのように推移し、収束するかを示す気流解析情報を取得する。そして、シミュレーション部43は、設定した各種条件と取得した気流解析情報とを関連付けたデータを気流教師データとして教師データ記憶部46に記憶する。
生理量解析において、シミュレーション部43は、数値サーマルマネキン441を用い、気流解析によって得られる気流分布および温湿度分布を周辺環境として、利用者11の部位ごとの生理量を算出する。次に、シミュレーション部43は、設定された各種条件のもとで利用者11の部位ごとの生理量が初期条件からどのように推移し、収束するかを示す生理量解析情報を取得する。そして、シミュレーション部43は、設定した各種条件と取得した生理量解析情報とを関連付けたデータを生理量教師データとして教師データ記憶部46に記憶する。
ステップS203において、シミュレーション部43は、各種条件を変更しながらシミュレーションを繰り返し行い、変更した各種条件下での気流教師データおよび生理量教師データを生成し、教師データ記憶部46に記憶する。
次に、シミュレーション装置40は、学習処理を行う(ステップS204)。学習処理において、学習部47は、教師データ記憶部46に記憶した気流教師データおよび生理量教師データを用いた機械学習により、境界条件を入力値として、空調空間10における気流分布および温湿度分布、ならびに、利用者11の部位ごとの生理量を予測する予測完全モデルを生成する。本実施形態の学習部47は、ディープラーニング等の深層ニューラルネットワーク(DNN)を用いた機械学習を行う。なお、機械学習方法は、ディープラーニングに限定されるものではなく、各種条件から空調空間10における気流分布および温湿度分布、ならびに、利用者11の部位ごとの生理量を予測できるモデルを生成できるものであればよい。
次に、シミュレーション装置40は、縮約モデル生成処理を行う(ステップS205)。縮約モデル生成処理において、縮約モデル生成部48は、統計的な有意性を用いて予測完全モデルの縮約モデルを生成する。そして、このようにして生成された縮約モデルを予測モデル350として制御装置25に搭載する。
(制御指示値の演算方法)
制御部37による制御指示値の演算方法の一例について説明する。
ここでは、制御部37は、ステップS101の情報取得処理において取得した境界条件のうち、運転情報以外の各種パラメーターを固定値として、評価部36の評価結果に基づく制御指示値の候補値を予測モデル350に代入する。例えば、制御部37は、温冷感が「暑い」と評価された利用者11の存在を検知した場合、現在の吹出温度よりも低い温度を吹出温度の候補値として代入する。また、制御部37は、温冷感が「寒い」と評価された利用者11の存在を検知した場合、現在の吹出温度よりも高い温度を吹出温度の候補値として代入する。また、制御部37は、温冷感が「暑い」、快適感が「不快」と評価された利用者11の存在を検知した場合、現在の吹出温度よりも低い温度を吹出温度の候補値として、現在の吹出風量よりも大きい風量を吹出風量の候補値として代入する。また、制御部37は、温冷感が「寒い」、快適感が「不快」と評価された利用者11の存在を検知した場合、現在の吹出温度よりも高い温度を吹出温度の候補値として、現在の吹出風量よりも小さい風量を吹出風量の候補値として代入する。
制御部37は、複数の候補値を予測モデル350に代入して気流分布および温湿度分布、ならびに、利用者11の生理量を予測し、予め定めた設定時間後に全ての利用者11の快適性が最も良好となる候補値を制御指示値として算出する。
本実施形態の作用および効果について説明する。
(1)空調システム20において、制御装置25は、各種の情報取得部31,32,33で取得した情報に基づく境界条件を予測モデル350に入力して、空調空間10における気流分布および温湿度分布、ならびに、利用者11の生理量を予測する。制御装置25は、その予測結果に基づいて利用者11の快適性を評価し、全ての利用者11の快適性が良好となるように空調機21を制御する。これにより、利用者11に対して快適な空調空間を提供することができる。
(2)制御装置25は、撮像部26が撮像した撮像画像に基づいて、利用者11の位置情報および利用者側温熱要素情報を取得する。これにより、空調空間10内を利用者11が移動したとしても、その利用者11の位置情報および利用者側温熱要素情報を取得することができる。
(3)利用者11は、その年齢および性別によって基礎代謝量が異なる。この点、制御装置25は、利用者側温熱要素情報として、利用者11の着衣量および代謝量に加えて、利用者11の年齢および性別を示す属性を取得する。これにより、年齢や性別による基礎代謝量の違いを考慮したうえで利用者11の生理量を予測することができる。その結果、利用者11の生理量の予測を精度よく行うことができる。
(4)制御装置25は、予測モデル350による予測結果に基づいて、予め定めた設定時間後における利用者11の快適性を評価する。これにより、空調機21の現在の運転状態による利用者11の生理量への影響を考慮したうえで空調機21を制御することができる。
(5)予測モデル350は、シミュレーション装置40による機械学習によって得られた完全モデルの縮約モデルである。これにより、生理量予測処理における制御装置25の演算負荷を軽減しながら、迅速に制御指示値を算出することができる。
(6)制御装置25は、予め定めた設定時間後に全ての利用者11の快適性が最も良好となる候補値を制御指示値として演算する。これにより、快適性が良好な利用者11についてはその快適性を保持したまま制御指示値の変更を行うことができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・予測モデル350は、予測完全モデルの縮約モデルに限らず、シミュレーション装置40が生成した予測完全モデルであってもよい。
・制御装置25は、予め定めた設定時間後における利用者11の快適性が良好となるように空調機21を制御する。これに限らず、制御装置25は、全ての利用者11の快適性が最も早く良好となるように空調機21を制御してもよい。
・制御装置25は、予測モデル350を用いて、予め定めた設定時間後における予測結果に基づいて利用者11の快適性を評価する。これに限らず、制御装置25は、予測モデル350によって得られる生理量のうちで最も直近の予測結果に基づいて利用者11の快適性を評価してもよい。
・制御装置25は、利用者側温熱要素情報として、利用者11の着衣量、代謝量、ならびに、利用者11の年齢および性別を示す属性を取得する。これに限らず、制御装置25は、利用者11の着衣量および代謝量を利用者側温熱要素情報として取得してもよい。
・制御装置25は、撮像部26の撮像画像に基づいて、利用者11の位置情報および利用者側温熱要素情報を取得した。これに限らず、制御装置25は、例えば、空調空間を走査するレーザー光の散乱状態や反射光を観測することにより対象物の位置や性質を特定可能な光センサーの検出信号に基づいて、利用者11の位置情報および利用者側温熱要素情報を取得してもよい。
・制御部37による制御指示値の演算は、複数の候補値を予測モデル350に代入して演算する方法に限られない。例えば、制御指示値の演算は、利用者11ごとに、周辺の気流および温湿度、ならびに、生理量について目標値を設定して演算してもよい。こうした構成においては、例えば、その目標値、ならびに、位置情報、利用者側温熱要素情報、および、環境側温熱要素情報に基づく境界条件を入力値として、吹出温度および吹出風量を演算する制御指示値演算モデルが制御装置25に搭載される。制御指示値演算モデルは、予測モデル350に基づいて生成することが可能である。
・空調機21は、吹出方向が一定でなくともよい。こうした構成においては、制御装置25に対して、空調機21の吹出方向を境界条件に含んだ予測モデル350が搭載される。この予測モデル350は、空調機21の吹出方向を条件に加えたシミュレーションの結果に基づく機械学習を通じて生成される。
H10…情報処理装置、H11…通信装置、H12…入力装置、H13…表示装置、H14…記憶部、H15…プロセッサ、10…空調空間、11…利用者、12…テーブル、13…椅子、14…窓、20…空調システム、21…空調機、22…吹出口、25…制御装置、26…撮像部、27…環境側温熱要素検出部、31…位置情報取得部、32…温熱要素情報取得部、33…運転情報取得部、34…予測部、35…予測モデル記憶部、350…予測モデル、36…評価部、37…制御部、40…シミュレーション装置、41…メッシュモデル作成部、42…空調機設定部、43…シミュレーション部、44…解析モデル記憶部、440…気流解析モデル、441…数値サーマルマネキン、46…教師データ記憶部、47…学習部、48…縮約モデル生成部、51…空調空間情報、52…空調機設置情報、53…条件情報。

Claims (7)

  1. 空調空間を空調する空調機と、
    前記空調機を制御する制御装置と、を備えた空調システムであって、
    前記制御装置は、
    前記空調空間の利用者の位置情報、利用者側温熱要素情報、環境側温熱要素情報、および、前記空調機の運転情報を取得し、
    前記取得した情報を境界条件として入力する予測モデルを用いて、前記空調空間の気流分布および温湿度分布、ならびに、前記利用者の生理量を予測し、
    前記予測した結果に基づいて前記利用者の快適性を評価し、
    前記評価した利用者の快適性に基づいて前記空調機を制御する
    空調システム。
  2. 前記空調空間を撮像する撮像部をさらに備え、
    前記制御装置は、前記空調空間を撮像した撮像画像に基づいて、前記位置情報および前記利用者側温熱要素情報を取得する
    請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記制御装置は、前記利用者側温熱要素情報として、前記利用者の着衣量、代謝量、ならびに、前記利用者の年齢および性別を示す属性を取得する
    請求項2に記載の空調システム。
  4. 前記制御装置は、予め定めた設定時間後における前記空調空間の気流分布および温湿度分布、ならびに、前記利用者の生理量を予測する
    請求項1~3のいずれか一項に記載の空調システム。
  5. 前記制御装置は、前記設定時間後における前記利用者の快適性が良好となるように前記空調機を制御する
    請求項4に記載の空調システム。
  6. 前記空調空間の利用者の位置情報、前記利用者側温熱要素情報、前記環境側温熱要素情報、および、前記空調機の運転情報を変更した境界条件において、気流解析モデルと数値サーマルマネキンを用いたシミュレーションを行い、前記シミュレーションの結果から導出された完全モデルについての縮約モデルを、前記予測モデルとして用いた
    請求項1~5のいずれか一項に記載の空調システム。
  7. 空調空間を空調する空調機の制御方法であって、
    前記空調機を制御する制御装置が、
    前記空調空間の利用者の位置情報、利用者側温熱要素情報、環境側温熱要素情報、および、前記空調機の運転情報を取得するステップと、
    前記取得した情報を境界条件として入力する予測モデルを用いて、前記空調空間の気流分布および温湿度分布、ならびに、前記利用者の生理量を予測するステップと、
    前記予測した結果に基づいて前記利用者の快適性を評価するステップと、
    前記評価した利用者の快適性に基づいて前記空調機を制御するステップと、を実行する
    空調機の制御方法。
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