JP7410714B2 - ガス発生器 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス発生器に関する。
従来、ハウジング内に点火器とガス発生剤とを配置し、点火器を作動させることでガス発生剤を燃焼させ、その燃焼ガスをハウジングに形成されたガス排出孔から外部へ放出するガス発生器が広く用いられている。
これに関連して、燃焼ガスの冷却及び残渣の捕集を行うために、燃焼室とガス排出孔との間に筒状のフィルタを配置したガス発生器が知られている(例えば、特許文献1)。このようなガス発生器において、ハウジングは、筒状の周壁部と、周壁部の一端を閉塞する天板部と、他端を閉塞し、点火器が固定される底板部と、を含むものが広く用いられており、フィルタは、その一端面が天板部に当接して支持され、その他端面が底板部に当接して支持される。
ところで、ガス発生器においては、燃焼ガスの発生によりハウジングの内圧が高まり、ハウジングが膨張するように変形することがある。このとき、上述のガス発生器のように、天板部と底板部とが筒状の周壁部のみによって接続された構造とした場合、その構造上、周壁部よりも天板部や底板部の方が大きく変形し易い傾向がある。
これに対して特許文献1に開示のガス発生器は、ハウジングの底板部に点火器を取り付けるための点火器カラーの一部を薄肉に形成し、底板部の変形に対応して点火器カラーを変形させることで、底板部の変形により生じる歪みを吸収するように構成されている。これにより、点火器カラーとハウジングとの間に隙間が生じることやハウジングに亀裂が生じることが抑制され、以て、燃焼ガスが該隙間や該亀裂からハウジングの外部に漏れることが抑制される。
特開2008-114718号公報 特開2009-137478号公報 国際公開第2008/083464号
しかしながら、上述のようなガス発生器では、燃焼ガスの圧力によるハウジングの変形により天板部や底板部がフィルタの端面から離れることを十分に抑制することができなかった。天板部や底板部がフィルタの端面から離れ、フィルタの端面と天板部との間やフィルタの端面と底板部との間に隙間が生じると、燃焼ガスの一部がフィルタを通らずに該隙間を通ってガス排出孔に至り、ハウジングから排出される、いわゆる「ショートパス」が発生する虞がある。
本開示の技術は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス発生器において、ショートパスを抑制することができる技術を提供することである。
上記課題を解決するために、本開示の技術は、以下の構成を採用した。即ち、本開示の
技術の一態様は、点火部と前記点火部の作動により燃焼するガス発生剤とが配置される燃焼室と、筒状の周壁部と、前記周壁部の一端側に設けられた第1壁部と、前記周壁部の他端側に設けられ、前記周壁部及び前記第1壁部と共に前記燃焼室を画定する第2壁部と、を含むハウジングであって、前記燃焼室と前記ハウジングの外部とを連通するガス排出孔が形成されたハウジングと、筒状のフィルタであって、前記ガス発生剤を取り囲み且つ前記ガス排出孔がその外側に位置するように前記燃焼室に配置されたフィルタと、を備えるガス発生器であって、前記第1壁部と前記第2壁部とのうちの少なくとも一方であるハウジング壁部は、前記フィルタの軸方向に沿って前記燃焼室の内部側に向かって突出すると共に前記周壁部に繋がる環状の段差部を有し、前記フィルタの軸方向の端面は、前記段差部の頂面によって当接して支持され、前記燃焼室には、前記フィルタの前記端面と前記段差部の頂面との当接箇所を前記フィルタの径方向内側から覆うカバー部材が、前記フィルタと前記段差部とに跨るようにして設けられ、前記カバー部材は、前記フィルタの内周面に当接する筒状の第1当接面と、前記段差部の内周面に当接する筒状の第2当接面と、を含む、ガス発生器である。
本開示のガス発生器によると、ハウジング壁部が環状の段差部を有することで、ハウジング壁部のうちの段差部に囲まれた部位(段差部よりも径方向内側の部位)が、段差部よりも変形し易く形成される。一方で、ハウジング壁部に段差部が形成されることで、段差部自体に剛性が付与され、ハウジング壁部の当該段差部における強度が増大し、ハウジング壁部は段差部において変形し難くなる。これにより、ハウジングの内圧の上昇によりハウジングが膨張するようにハウジング壁部が変形する場合には、フィルタの端面との当接部位を含む段差部よりも段差部に囲まれた部位の方が優先してフィルタの軸方向において燃焼室の外部側に変位する。これにより、ガス発生剤の燃焼によりハウジング壁部の当接部位がフィルタの端面から離れることが抑制され、フィルタの端面とハウジング壁部との当接状態が維持され易くなる。その結果、ショートパスを抑制することができる。
更に、本開示のガス発生器によると、カバー部材がフィルタの内周面に当接する第1当接面と段差部の内周面に当接する第2当接面とを有するため、ハウジングの内圧が上昇すると、カバー部材は、フィルタの内周面及び段差部の内周面へ押し付けられることとなる。これにより、フィルタの端面と段差部の頂面との当接箇所がカバー部材によってフィルタの径方向内側から覆われた状態が維持される。その結果、ガス発生剤の燃焼により段差部がフィルタの端面から離れた場合であっても、ショートパスを抑制することができる。
また、本開示のガス発生器において、前記カバー部材は、前記第2当接面から前記フィルタの径方向内側に延びて前記ハウジング壁部に当接する第3当接面を更に含んでもよい。
これによると、仮に段差部がフィルタの端面から離れ、燃焼ガスがカバー部材とハウジング壁部との間に流れ込んだとしても、燃焼ガスがハウジング壁部とフィルタの端面との間に生じた隙間に至るためには、燃焼ガスは、第3当接面及び第2当接面に沿って流れることが必要となる。そのため、燃焼ガスがハウジング壁部とフィルタの下端面との隙間へ至るための経路は、クランク状の複雑な経路となる。これにより、燃焼ガスがハウジング壁部とフィルタの下端面との隙間へ至ることが阻害され、その結果、ショートパスを一層抑制することができる。
また、本開示のガス発生器において、前記段差部の内周面は、前記フィルタの軸方向に沿って延びており、前記フィルタの内周面と前記段差部の内周面とが面一となっており、前記カバー部材は、前記第1当接面と前記第2当接面とが連なった筒状の連続当接面を含んでもよい。
これによると、フィルタの内周面と段差部の内周面とを面一とすることで、フィルタの内周面に当接する第1当接面と段差部の内周面に当接する第2当接面とを面一とすることができる。これにより、カバー部材は、筒状の連続当接面によってフィルタの内周面及び段差部の内周面に当接することができる。その結果、カバー部材の構造を単純化することができる。
また、本開示のガス発生器において、前記フィルタの内周面は、前記段差部の内周面よりも前記フィルタの径方向外側に位置し、前記カバー部材は、前記第1当接面と前記第2当接面とを接続すると共に前記段差部の頂面に当接する第4当接面を、更に含んでもよい。
これによると、仮に段差部がフィルタの端面から離れ、燃焼ガスがカバー部材とハウジング壁部との間に流れ込んだとしても、燃焼ガスがハウジング壁部とフィルタの端面との間に生じた隙間に至るためには、燃焼ガスは、第4当接面及び第2当接面に沿って流れることが必要となる。そのため、燃焼ガスがハウジング壁部とフィルタの下端面との隙間へ至るための経路が複雑なクランク状となる。これにより、燃焼ガスがハウジング壁部とフィルタの下端面との隙間へ至ることが阻害され、その結果、ショートパスを一層抑制することができる。
また、本開示のガス発生器において、前記フィルタの前記端面と前記段差部の頂面とのうち、前記端面と前記頂面との当接部位を除く部位によって、前記フィルタの径方向内側に開口した溝が形成され、前記カバー部材は、前記第1当接面と前記第2当接面とを接続すると共に前記開口から前記溝に差し込まれるように前記第1当接面及び前記第2当接面よりも拡径した差込面を、更に含んでもよい。
これによると、差込面が溝に差し込まれることで、フィルタの軸方向におけるカバー部材の位置決めがなされる。これにより、フィルタの軸方向におけるカバー部材の位置ずれが抑制され、フィルタの端面と段差部の頂面との当接箇所がカバー部材によってフィルタの径方向内側から覆われた状態がより確実に維持される。その結果、ショートパスをより一層抑制することができる。
また、本開示の技術は、以下のように特定することもできる。即ち、本開示の技術の一態様は、点火部と前記点火部の作動により燃焼するガス発生剤とが配置される燃焼室と、筒状の周壁部と、前記周壁部の一端側に設けられた第1壁部と、前記周壁部の他端側に設けられ、前記周壁部及び前記第1壁部と共に前記燃焼室を画定する第2壁部と、を含むハウジングであって、前記燃焼室と前記ハウジングの外部とを連通するガス排出孔が形成されたハウジングと、筒状のフィルタであって、前記ガス発生剤を取り囲み且つ前記ガス排出孔がその外側に位置するように前記燃焼室に配置されたフィルタと、を備えるガス発生器であって、前記第1壁部と前記第2壁部とのうちの少なくとも一方であるハウジング壁部は、前記フィルタの軸方向の端面を当接して支持し、且つ、前記ハウジング壁部における前記フィルタの前記端面との当接部位よりも前記フィルタの径方向内側の領域である第1領域に変位部を含み、前記変位部は、前記ガス発生剤が燃焼した場合に前記ハウジング壁部における前記変位部を除く部位よりも前記燃焼室の外部側へ優先的に変位するように、前記ハウジング壁部における前記変位部を除く部位よりも変形し易く形成されている、ガス発生器である。
本開示のガス発生器によると、ハウジングの内圧の上昇によりハウジングが膨張するようにハウジング壁部が変形する場合には、フィルタの端面との当接部位よりも変位部の方が優先してフィルタの軸方向において燃焼室の外部側に変位する。つまり、ハウジング壁部におけるフィルタの端面との当接部位は、変位部よりも変位し難くなる。これにより、
ガス発生剤の燃焼によりハウジング壁部の当接部位がフィルタの端面から離れることが抑制され、フィルタの端面とハウジング壁部との当接状態が維持され易くなる。その結果、ショートパスを抑制することができる。
また、本開示のガス発生器において、前記変位部は、その少なくとも一部において、前記ハウジング壁部における前記変位部を除く部位よりも薄肉に形成されていてもよい。
これによると、変位部をハウジング壁部における変位部を除く部位よりも変形し易くすることができる。
また、本開示のガス発生器において、前記変位部は、前記ハウジング壁部における前記変位部を除く部位よりも変形し易く、且つ、環状に形成された第1部位と、前記第1部位に囲まれ、且つ、前記第1部位よりも変形し難く形成された第2部位と、を含んでもよい。
これによると、第1部位に囲まれた第2部位を第1部位よりも変形し難く形成することで、第2部位に取り付けられた部品に対する、変位部の変位による影響(変位部の変位に伴って第2部位が変形することによる当該部品の脱落、破損等)を低減することができる。
また、本開示のガス発生器において、前記点火部は、複数の点火装置を含み、前記複数の点火装置は、前記第2部位に固定され、前記複数の点火装置の各々に対応して、前記点火装置を取り囲む筒状の内筒部材が、前記フィルタの軸方向に沿って取り付けられていてもよい。
これによると、第1部位よりも変形し難い第2部位に複数の点火装置を固定することで、変位部が変位する際に第2部位が大きく変形して複数の内筒部材が互いに干渉することを抑制できる。その結果、内筒部材が点火装置から外れることや破損することを抑制できる。
また、本開示のガス発生器において、前記変位部は、前記ハウジング壁部における前記変位部を除く部位よりも変形し易く形成された環状の第1部位を含み、前記第1部位は、その周長方向に直交する断面において、前記燃焼室の外部側へ凹むように屈曲した形状を有してもよい。
これによると、第1部位が屈曲した状態から伸長するように変形することで変位部の変位がなされるため、変位部の変位量の上限を大きくすることができる。これにより、ハウジングの内圧が大きく上昇した場合であっても、ハウジングの膨張を変位部の変位により吸収することができ、フィルタの端面との当接部位の変位を抑えることができる。その結果、ハウジング壁部がフィルタの端面から離れることをより確実に抑制し、ショートパスをより確実に抑制することができる。また、第1部位を燃焼室の外部側へ凹むように屈曲した形状とすることで、変位部を形成することにより燃焼室が狭くなることを回避し、燃焼室の容積を十分に確保できる。
また、本開示のガス発生器において、前記変位部は、その全体において、前記ハウジング壁部における前記変位部を除く部位よりも薄肉に形成されており、前記ハウジング壁部における前記燃焼室を画定する面のうち、前記変位部における面である変位面は、前記変位面よりも径方向外側の周囲の面よりも前記フィルタの軸方向において前記燃焼室の外部側に位置する底面と、前記底面と前記周囲の面とを曲率を有して接続する接続曲面と、を含んでもよい。
これによると、変位面が曲率を有する接続曲面により周囲の面と接続されているため、ハウジング壁部の変形時に、変位部とハウジング壁部における変位部を除く部位との境界部分に応力が集中することを抑制できる。その結果、ハウジング壁部の変形時にハウジング壁部に亀裂が生じることを抑制できる。
また、上述までのガス発生器において、前記ハウジング壁部は、前記フィルタの軸方向に沿って前記燃焼室の内部側に向かって突出する環状の段差部を有し、前記フィルタの軸方向の端面は、前記段差部の頂面によって当接して支持され、前記ハウジング壁部のうち前記段差部によって囲まれた部位が、前記変位部として形成されていてもよい。
また、上記のガス発生器において、前記燃焼室には、前記フィルタの前記端面と前記段差部の頂面との当接部位を前記フィルタの径方向内側から覆うカバー部材が、前記フィルタと前記段差部とに跨るようにして設けられ、前記カバー部材は、前記フィルタの内周面に当接する筒状の第1当接面と、前記段差部の内周面に当接する筒状の第2当接面と、を含んでもよい。
本開示の技術によれば、ガス発生器において、ショートパスを抑制することが可能となる。
実施形態1に係るガス発生器の軸方向断面図である。 実施形態1に係るカバー部材の斜視図である。 実施形態1に係るガス発生器において、点火装置の作動によりガス発生剤が燃焼してハウジングの底板部が変形した状態を示す図である。 図3における底板部付近の拡大図である。 実施形態1の変形例1に係るガス発生器の軸方向断面図である。 実施形態1の変形例1に係るカバー部材の斜視図である。 実施形態1の変形例1に係るガス発生器において、点火装置の作動によりガス発生剤が燃焼してハウジングの底板部が変形した状態を示す図である。 実施形態1の変形例2に係るガス発生器の軸方向断面図である。 実施形態1の変形例2に係るカバー部材の斜視図である。 実施形態1の変形例3に係るガス発生器の軸方向断面図である。 実施形態1の変形例3に係るカバー部材の斜視図である。 実施形態1の変形例4に係るガス発生器の軸方向断面図である。 実施形態2に係るガス発生器の軸方向断面図である。 実施形態2に係る天板部の上面図である。 実施形態2に係る天板部における第1部位の周長方向に直交する断面を示す図である。 実施形態2に係るガス発生器において、点火装置の作動によりガス発生剤が燃焼してハウジングの天板部が変形した状態を示す図である。 実施形態2の変形例1に係るガス発生器の軸方向断面図である。 実施形態2の変形例1に係る底板部における第1部位の周長方向に直交する断面を示す図である。 実施形態2の変形例1に係るガス発生器において、第1点火装置及び第2点火装置の作動により第1ガス発生剤及び第2ガス発生剤が燃焼してハウジングの底板部が変形した状態を示す図である。 実施形態2の変形例2に係るガス発生器の軸方向断面図である。 図20における天板部付近の拡大図である。 実施形態2の変形例2に係るガス発生器において、点火装置の作動によりガス発生剤が燃焼してハウジングの天板部が変形したときの状態を示す図である。
以下に、図面を参照して本開示の実施形態に係るガス発生器について説明する。なお、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るガス発生器100の軸方向断面図である。図1では、ガス発生器100の作動前の状態が示されている。ガス発生器100は、例えばエアバッグ用に使用されるエアバッグ用ガス発生器である。
[全体構成]
図1に示すように、ガス発生器100は、点火装置4と、内筒部材5と、フィルタ6と、カバー部材7と、伝火薬110と、ガス発生剤120と、これらを収容するハウジング1と、を備えている。ガス発生器100は、点火装置を1つのみ備えた、いわゆるシングルタイプのガス発生器として構成されている。また、ガス発生器100は、点火装置4に含まれる点火器41を作動させることで、ガス発生剤120を燃焼させ、その燃焼生成物である燃焼ガスをハウジング1に形成されたガス排出孔11から放出するように構成されている。以下、ガス発生器100の各構成について説明する。なお、本明細書では、点火装置(点火部)に含まれる点火器が作動することを、便宜上、「点火装置(点火部)が作動する」と表現する場合がある。
[ハウジング]
ハウジング1は、それぞれが有底略円筒状に形成された金属製の上部シェル2及び下部シェル3が互いの開口端同士を向き合わせた状態で接合されることによって、軸方向の両端が閉塞した短尺円筒状に形成されている。ハウジング1の内部には、点火装置4、内筒部材5、フィルタ6、カバー部材7、伝火薬110、及びガス発生剤120が配置される燃焼室10が形成されている。ここで、ハウジング1の軸方向に沿う方向をガス発生器100の上下方向と定義し、上部シェル2側(即ち、図1における上側)をガス発生器100の上側とし、下部シェル3側(即ち、図1における下側)をガス発生器100の下側とする。
上部シェル2は、筒状の上側周壁部21と該上側周壁部21の上端を閉塞する天板部22とを有し、これらにより内部空間を形成する。上側周壁部21の下端部によって上部シェル2の開口部が形成されている。上側周壁部21の下端部には、径方向外側に延在した接合部23が繋がっている。下部シェル3は、筒状の下側周壁部31と該下側周壁部31の下端を閉塞する底板部32とを有し、これらにより内部空間を形成する。下側周壁部31の上端部には、径方向外側に延在した接合部33が繋がっている。底板部32の中央には、点火装置4の点火器41を底板部32に取り付けるための取付孔32aが形成されている。
上部シェル2の接合部23と下部シェル3の接合部33とが重ね合わされてレーザ溶接等によって接合されることで、軸方向の両端が閉塞した短尺円筒状のハウジング1が形成されている。これら上部シェル2の上側周壁部21と下部シェルの下側周壁部31とによって、天板部22と底板部32とを接続する筒状の周壁部12が形成されている。つまり、ハウジング1は、筒状の周壁部12と、周壁部12の一端側に設けられた天板部22と、他端側に設けられた底板部32と、を含んで構成されている。これら天板部22と底板
部32と周壁部12とによって、燃焼室10が画定されている。天板部22は、本開示に係る「第1壁部」に相当する。また、底板部32は、本開示に係る「第2壁部」に相当する。また、上部シェル2の上側周壁部21には、燃焼室10とハウジング1の外部空間とを連通するガス排出孔11が、周方向に沿って複数並んで形成されている。ガス排出孔11は、点火装置4が作動する前の状態では、シールテープ(図示なし)により閉塞されている。
ここで、下部シェルの底板部32は、底壁部321と取付部322と段差部323とを含む。底壁部321は、燃焼室10の下端を画定する部位であり、フィルタ6の軸方向と直交するように、フィルタ6の径方向に延在している。取付部322は、点火器41が取り付けられる部位であり、取付孔32aを含んで燃焼室10の内部側に隆起することで、概ね筒状に形成されている。段差部323は、後述するようにフィルタ6を当接して支持する環状の部位であり、フィルタ6の軸方向に沿って燃焼室10の内部側に突出すると共に周壁部12(下側周壁部31)に繋がっている。段差部323は、即ち、底壁部321と周壁部12との間に形成された環状の部位であり、その周長方向に直交する断面の形状がクランク状の部位である。段差部323の軸方向端面である頂面323aは、フィルタ6の軸方向と直交するようにフィルタ6の径方向に延びている。また、段差部323の内周面323bは、フィルタ6の軸方向に沿って延びている。
[点火装置]
点火装置4は、下部シェル3の底板部32に形成された取付部322に固定されている。図1に示すように、点火装置4は、点火器41と、取付部322に対して点火器41を固定する、樹脂材料で形成された保持部42と、を備える。点火装置4は、本開示に係る「点火部」に相当する。点火器41は、点火薬が収容された金属製のカップ体411と、外部から電流の供給を受けるための一対の通電ピン412,412と、を有する。点火器41は、一対の通電ピン412,412に供給される着火電流により作動することで該点火薬を燃焼させ、その燃焼生成物をカップ体411の外部に放出させる。保持部42は、点火器41と取付部322との間に介装されることで、取付部322に対して点火器41を固定する樹脂製の部材である。保持部42は、点火器41の下部を覆うと共に取付部322と係合することで、カップ体411の少なくとも一部が保持部42から露出した状態となるように、取付部322に対して点火器41を固定する。但し、保持部42によってカップ体411の全体がオーバーモールドされていてもよい。即ち、カップ体411の全体が樹脂に覆われた状態であってもよい。また、保持部42は、取付部322の内側に、一対の通電ピン412,412に外部電源からの電力を供給するコネクタ(図示せず)を挿入可能なコネクタ挿入空間を形成している。保持部42は、一対の通電ピン412,412の下端がコネクタ挿入空間に露出するように、一対の通電ピン412,412の一部を覆い、保持している。保持部42によって、一対の通電ピン412,412同士の絶縁性が保たれている。
[内筒部材]
内筒部材5は、点火装置4を取り囲むようにして底板部32から天板部22に向かって延びる筒状の部材である。内筒部材5は、一端(上端)が閉塞され他端部が開口した筒状に形成されており、その他端(下端)に取付部322が嵌入(圧入)されることで、底板部32に取り付けられている。内筒部材5と点火装置4との間には、伝火薬110が収容される空間である伝火室51が形成されている。伝火薬110は、点火器41の作動により燃焼し、燃焼ガスを発生させる。また、内筒部材5には、その内部空間(即ち、伝火室51)と外部空間とを連通する連通孔52が複数形成されている。連通孔52は、点火装置4が作動する前の状態では、シールテープ(図示なし)により閉塞されている。
[フィルタ]
図1に示すように、フィルタ6は、筒状に形成されており、ガス発生剤120を取り囲み、且つ、その径方向においてガス排出孔11がその外側に位置するように、燃焼室10に配置されている。つまり、フィルタ6は、ガス発生剤120を取り囲むようにガス発生剤120とガス排出孔11との間に配置されている。フィルタ6は、軸方向の両端面のうち、一端面(符号61で示す上端面)が上部シェル2の天板部22に当接して支持され、他端面(符号62で示す下端面)が下部シェルの底板部32における段差部323に当接して支持されている。これにより、フィルタ6の軸方向がハウジング1の軸方向(即ち、周壁部の軸方向)と平行となっている。このフィルタ6は、燃焼室10に配置されたガス発生剤120の燃焼ガスがフィルタ6を通過する際に、燃焼ガスの熱を奪い取ることで当該燃焼ガスを冷却する。また、フィルタ6は、燃焼ガスの冷却機能に加え、燃焼ガスに含まれる燃焼残渣を捕集することで当該燃焼ガスを濾過する機能を有する。なお、図1中、符号63はフィルタ6の内周面を示し、符号64はフィルタ6の外周面を示す。図1に示すように、ガス発生器100では、フィルタ6の内周面63と段差部323の内周面323bとが面一となっている。なお、本例では、フィルタの上端面61と天板部22とが直接当接し、下端面62と段差部323の頂面323aとが直接当接しているが、これらの間にガスケットなどのシール部材が介在していてもよい。
[伝火薬]
伝火薬110としては、公知の黒色火薬の他、着火性が良く、ガス発生剤120よりも燃焼温度の高いガス発生剤を使用することができる。伝火薬110の燃焼温度は、1700~3000℃の範囲に設定することができる。このような伝火薬110としては、例えば、ニトログアニジン(34重量%)、硝酸ストロンチウム(56重量%)を含む、公知のものを用いることができる。また、伝火薬110には、例えば顆粒状、ペレット状、円柱状、ディスク状等、種々の形状を採用できる。
[ガス発生剤]
ガス発生剤120には、比較的燃焼温度の低いガス発生剤を使用することができる。ガス発生剤120の燃焼温度は、1000~1700℃の範囲に設定することができる。このようなガス発生剤120としては、例えば、硝酸グアニジン(41重量%)、塩基性硝酸銅(49重量%)及びバインダーや添加物を含む、公知のものを用いることができる。また、ガス発生剤120には、例えば顆粒状、ペレット状、円柱状、ディスク状等、種々の形状を採用できる。
[変位部]
上述のように、ハウジング1の底板部32には、フィルタ6の軸方向に沿って燃焼室10の内部側に向かって突出すると共に周壁部12に繋がる環状の段差部323が形成されている。これにより、底板部32のうちの段差部323に囲まれた部位、即ち、段差部323よりも径方向内側の部位であって、底壁部321と取付部322とを含む部位は、段差部323よりも変形し易い変位部D1として形成されている。換言すると、変位部D1は、底板部32における変位部D1を除く部位よりも変形し易く形成されている。一方で、底板部32に段差部323が形成されることで、段差部323自体に剛性が付与され、底板部32の段差部323における強度が増大し、底板部32は段差部323において変形し難く形成されている。
ここで、底板部32におけるフィルタ6の下端面(他端面)62と当接する部位を当接部位C1とする。本例においては、当接部位C1は段差部323の一部である。このとき、底板部32は、当接部位C1よりも径方向内側の領域である第1領域A1と、第1領域A1を除く領域である第2領域A2と、に区分することができる。第2領域A2は、第1領域A1の径方向外側に画定された環状の領域であり、その外周縁において周壁部12(下側周壁部31)と繋がっている。第2領域A2には、当接部位C1が含まれる。第1領
域A1は、第2領域A2の径方向内側の領域(即ち、第2領域A2によって囲まれた領域)として画定されている。上述のように、変位部D1は、当接部位C1を含む段差部323に囲まれた部位として形成されていることから、第1領域A1には、変位部D1が含まれている。つまり、変位部D1は、底板部32における当接部位C1よりもフィルタ6の径方向内側の第1領域A1において、底板部32における変位部D1を除く部位(即ち、段差部323)よりも変形し易く形成されている。
[カバー部材]
図2は、カバー部材7の斜視図である。カバー部材7は、フィルタ6と段差部323とに跨るようにして燃焼室10に設けられることで、フィルタ6の下端面62と段差部323の頂面323aとの当接箇所をフィルタ6の径方向内側から覆う部材である。
図1に示すように、カバー部材7は、フィルタ6の内周面に沿って延びる筒状部71と、筒状部71の一端縁(下端縁)からフィルタ6の径方向内側へ底壁部321に沿って延びる環状部72と、を含む。筒状部71の外周面は、フィルタ6の内周面63と段差部323の内周面323bとに当接している。ここで、筒状部71の外周面のうち、フィルタ6の内周面63に当接する筒状の面を第1当接面S1と称し、段差部323の内周面323bに当接する筒状の面を第2当接面S2と称する。つまり、筒状部71の外周面は、互いに面一な第1当接面S1と第2当接面S2とが連なった筒状の面として捉えることができる。筒状部71の外周面は、本開示に係る「連続当接面」に相当する。また、環状部72の軸方向端面(即ち、下面)は、第2当接面S2から径方向内側に延びて底壁部321に当接している。この、環状部72の軸方向端面を、第3当接面S3と称する。
カバー部材7は、少なくともフィルタ6の内周面63に当接する第1当接面S1と段差部323の内周面323bに当接する第2当接面S2とを含むことで、図1に示すように、当接箇所をフィルタ6の径方向内側から覆うように、フィルタ6と段差部323とに跨っている。
[動作]
以下、実施形態1に係るガス発生器100の動作について説明する。まず、図1を参照しながら説明する。センサ(図示せず)が衝撃を感知すると、一対の通電ピン412,412に着火電流が供給され、点火器41が作動する。すると、点火器41のカップ体411に収容された点火薬が燃焼し、その燃焼生成物である火炎や高温のガス等がカップ体411の外部に放出される。これにより、伝火室51に収容された伝火薬110が燃焼し、燃焼ガスが発生する。伝火薬110の燃焼ガスは、連通孔52を閉塞していたシールテープを破って連通孔52から伝火室51の外部へ放出される。すると、伝火薬110の燃焼ガスがガス発生剤120と接触し、ガス発生剤120が着火される。ガス発生剤120が燃焼することで、燃焼室10に高温・高圧の燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスがフィルタ6を通過することで、燃焼ガスが冷却され、燃焼残渣が捕集される。フィルタ6によって冷却及び濾過されたガス発生剤120の燃焼ガスは、間隙13を通り、ガス排出孔11を閉塞していたシールテープを破ってガス排出孔11からハウジング1の外部へと放出される。ガス発生剤120の燃焼ガスは、ハウジング1の外部へ放出された後に、エアバッグ(図示せず)内に流入する。エアバッグが膨張することで、乗員と堅い構造物の間にクッションが形成され、乗員が衝撃から保護される。
ところで、ガス発生器においては、ガス発生剤が燃焼して燃焼室に燃焼ガスが発生することにより、燃焼室を形成するハウジングの内圧が上昇すると、ハウジングが膨張するように変形する場合がある。つまり、ハウジングがその容積を増大させるように変形する場合がある。ここで、本実施形態に係るハウジング1は、天板部22と底板部32とを筒状の周壁部12のみによって接続した構造とし、周壁部12以外に天板部22と底板部32
とを接続又は固定する部材を有しないため、周壁部12よりも天板部22や底板部32の方が大きく変形し易い傾向がある。
ハウジングの内圧が上昇することで、天板部や底板部には、天板部や底板部をフィルタの端面から離そうとする方向に圧力が作用する。仮に、内圧の上昇によるハウジングの膨張により天板部や底板部がフィルタの端面から離れ、フィルタの端面と天板部又は底板部との間に隙間が形成されると、燃焼ガスの一部がフィルタを通らずに当該隙間を通ってガス排出孔に至ることが懸念される。つまり、いわゆる「ショートパス」が発生する虞がある。
ここで、図3は、点火装置4の作動によりガス発生剤120が燃焼してハウジング1の底板部32が変形した状態を示す図である。また、図4は、図3における底板部32付近の拡大図である。実施形態1に係るガス発生器100は、ハウジング1が膨らむように底板部32が変形してもショートパスを抑制できるように構成されている。以下、詳細に説明する。
点火装置4が作動してガス発生剤120が燃焼すると、燃焼ガスの発生によりハウジング1の内圧が上昇する。ハウジング1の内圧はハウジング1に対して燃焼室10の外部側に向かって作用する。そのため、底板部32には、フィルタ6の軸方向において底板部32をフィルタ6から離そうとする方向(即ち、下方)に内圧が作用する。上述のように、底板部32には、底板部32における他の部位よりも変形し易い変位部D1が、当接部位C1を含む段差部323よりもフィルタ6の径方向内側の第1領域A1に形成されている。そのため、ハウジング1の内圧の上昇によりハウジング1が膨張するように底板部32が変形する場合には、段差部323(底壁部321と周壁部12との間に形成された、断面形状がクランク状の部位)よりも変位部D1の方が優先して優先的に下方向に変位する。つまり、段差部323よりも変位部D1の方が低い圧力で下方向へ変位する。
変位部D1が段差部323よりも優先して下方向へ変位してハウジング1の容積を増加させることで、ハウジング1の内圧の上昇による影響(段差部323を下方向へ変位させようとする作用)が段差部323に及び難くなる。つまり、ハウジング1の膨張を変位部D1の変位により吸収することで、段差部323の変位を抑えることができる。これにより、図4に示すように、当接部位C1を含む段差部323がフィルタ6の下端面62から離れることが抑制される。その結果、実施形態1に係るガス発生器100では、底板部32がフィルタ6の下端面62から離れることによるショートパスが抑制される。
また、燃焼ガスの発生によりハウジング1の内圧が上昇すると、ハウジング1の内圧は、カバー部材7に対しても燃焼室10の外部側に向かって作用する。上述のように、カバー部材7は、第1当接面S1においてフィルタ6の内周面63に当接しているため、ハウジング1の内圧の上昇によりフィルタ6の内周面63へ押し付けられる。また、カバー部材7は、第2当接面S2において段差部323の内周面323bに当接しているため、ハウジング1の内圧の上昇により段差部323の内周面323bへ押し付けられる。これにより、図3及び図4に示すように、フィルタ6の下端面62と段差部323の頂面323aとの当接箇所がカバー部材7によってフィルタ6の径方向内側から覆われた状態が維持される。その結果、実施形態1に係るガス発生器100では、仮に段差部323がフィルタ6の下端面62から離れて底板部32とフィルタ6の下端面62との間に隙間が生じた場合であっても、カバー部材7が当該隙間をフィルタ6の径方向内側から覆った状態となり、ショートパスが抑制される。
[作用・効果]
以上のように、実施形態1に係るガス発生器100では、ハウジング1の底板部32が
、フィルタ6の軸方向に沿って燃焼室10の内部側に向かって突出すると共に周壁部12に繋がる環状の段差部323を有することで、段差部323自体に剛性が付与されると共に、底板部32のうちの段差部323に囲まれた部位が、段差部323よりも変形し易い変位部D1として形成されている。そして、フィルタ6の下端面62が段差部323の頂面323aによって当接して支持されている。これにより、ハウジング1の内圧の上昇によりハウジング1が膨張するように底板部32が変形する場合には、フィルタ6の下端面62との当接部位C1を含む段差部323よりも変位部D1の方が優先してフィルタ6の軸方向において燃焼室10の外部側に変位する。その結果、実施形態1に係るガス発生器100によれば、ガス発生剤120の燃焼により底板部32の当接部位C1がフィルタ6の下端面62から離れることが抑制され、フィルタ6の下端面62と底板部32との当接状態が維持され易くなる。その結果、ショートパスを抑制することができる。
更に、実施形態1に係るガス発生器100では、フィルタ6の下端面62と段差部323の頂面323aとの当接箇所をフィルタ6の径方向内側から覆うカバー部材7が、フィルタ6と段差部323とに跨るようにして設けられている。そして、カバー部材7は、フィルタ6の内周面63に当接する筒状の第1当接面S1と、段差部323の内周面323bに当接する筒状の第2当接面S2と、を有する。これによると、ハウジング1の内圧が上昇すると、カバー部材7は、フィルタ6の内周面63及び段差部323の内周面323bへ押し付けられることとなり、フィルタ6の下端面62と段差部323の頂面323aとの当接箇所がカバー部材7によってフィルタ6の径方向内側から覆われた状態が維持される。その結果、実施形態1に係るガス発生器100によれば、ガス発生剤120の燃焼により段差部323がフィルタ6の下端面62から離れた場合であっても、ショートパスを抑制することができる。
更に、実施形態1に係るガス発生器100では、カバー部材7が、第2当接面S2からフィルタ6の径方向内側に延びて底板部32の底壁部321に当接する第3当接面S3を更に含んでいる。これによると、仮に段差部323がフィルタ6の下端面62から離れ、燃焼ガスがカバー部材7と底板部32との間に流れ込んだとしても、燃焼ガスが底板部32とフィルタ6の下端面62との間に生じた隙間に至るためには、燃焼ガスは、第3当接面S3及び第2当接面S2に沿って流れることが必要となる。そのため、燃焼ガスが底板部32とフィルタ6の下端面62との隙間へ至るための経路は、クランク状の複雑な経路となる。これにより、燃焼ガスが底板部32とフィルタ6の下端面62との隙間へ至ることが阻害され、その結果、ショートパスを一層抑制することができる。
更に、実施形態1に係るガス発生器100では、段差部323の内周面323bがフィルタ6の軸方向に沿って延びており、フィルタ6の内周面323bと段差部323の内周面323bとが面一となっている。そして、カバー部材7の外周面は、第1当接面S1と第2当接面S2とが連なった筒状の連続当接面として形成されている。フィルタ6の内周面63と段差部323の内周面323bとを面一とすることで、フィルタ6の内周面63に当接する第1当接面S1と段差部323の内周面323bに当接する第2当接面S2とを面一とすることができる。これにより、カバー部材7は、筒状の連続当接面によってフィルタ6の内周面63と段差部323の内周面323bとに当接することができる。その結果、カバー部材7の構造を単純化することができる。
なお、本例では、「第2壁部」を「ハウジング壁部」とし、第2壁部としての底板部32に段差部323を形成した場合について説明したが、「第1壁部」を「ハウジング壁部」としてもよい。即ち、第1壁部としての天板部22に上述のような環状の段差部を形成し、フィルタ6の上端面61を当該段差部の頂面によって当接して支持する構成としてもよい。また、天板部22と底板部32との両方を本開示に係る「ハウジング壁部」とし、その両方に上述のような環状の段差部を形成し、フィルタ6の両端面を段差部の頂面によ
って当接して支持してもよい。
[実施形態1の変形例]
以下、実施形態1の変形例に係るガス発生器について説明する。変形例の説明では、図1~図4で説明したガス発生器100との相違点を中心に説明し、ガス発生器100と同様の点については同一の符号を付すことにより詳細な説明は割愛する。
[実施形態1の変形例1]
図5は、実施形態1の変形例1に係るガス発生器100Aの軸方向断面図である。図5では、ガス発生器100Aの作動前の状態が示されている。図6は、実施形態1の変形例1に係るカバー部材7Aの斜視図である。図7は、点火装置4の作動によりガス発生剤120が燃焼してハウジング1の底板部32が変形したときの底板部32付近の状態を示す図である。図5に示すように、ガス発生器100Aでは、フィルタ6の内周面63が段差部323の内周面323bよりもフィルタ6の径方向外側に位置している。図5及び図6に示すように、カバー部材7Aは、第1筒状部73と第2筒状部74と環状部72と接続部75を含む。図5に示すように、第1筒状部73は、フィルタ6の内周面63に沿って延びている。第2筒状部74は、段差部323の内周面323bに沿って延びており、本例では、第1筒状部73よりも小さな外径を有している。環状部72は、第2筒状部74の下端縁からフィルタ6の径方向内側へ底壁部321に沿って延びている。接続部75は、第1筒状部73の下端縁と第2筒状部74の上端縁とを接続するように環状に形成されている。第1筒状部73の外周面は、フィルタ6の内周面63と当接する第1当接面S1として形成されている。第2筒状部74の外周面は、段差部323の内周面323bと当接する第2当接面S2として形成されている。環状部72の下面は、第2当接面S2から径方向内側に延びて底壁部321に当接する第3当接面S3として形成されている。接続部75の下面は、第1当接面S1と第2当接面S2とを接続すると共に段差部323の頂面323aに当接する第4当接面S4として形成されている。
このようなガス発生器100Aによると、ガス発生器100と同様の効果を得ることができる。具体的には、図7に示すように、点火装置4が作動したときに変位部D1が段差部323よりも優先してフィルタ6の軸方向において燃焼室10の外部側に変位することで、底板部32の当接部位C1がフィルタ6の下端面62から離れることを抑制し、ショートパスを抑制することができる。また、カバー部材7Aをフィルタ6と段差部323とに跨るようにして設けることで、フィルタ6の下端面62と段差部323の頂面323aとの当接箇所がカバー部材7Aによってフィルタ6の径方向内側から覆われた状態を維持し、段差部323がフィルタ6の下端面62から離れた場合であっても、ショートパスを抑制することができる。
更に、仮に段差部323がフィルタ6の下端面62から離れ、燃焼ガスがカバー部材7Aと底板部32との間に流れ込んだとしても、燃焼ガスが底板部32とフィルタ6の下端面62との間に生じた隙間に至るためには、燃焼ガスは、第3当接面S3、第4当接面S4、及び第2当接面S2に沿って流れることが必要となる。そのため、燃焼ガスが底板部32とフィルタ6の下端面62との隙間へ至るための経路がより一層複雑となる。その結果、ショートパスをより一層抑制することができる。
[実施形態1の変形例2]
図8は、実施形態1の変形例2に係るガス発生器100Bの軸方向断面図である。図8では、ガス発生器100Bの作動前の状態が示されている。図9は、実施形態1の変形例2に係るカバー部材7Bの斜視図である。図8に示すように、ガス発生器100Bは、ガス発生器100Aと同様に、フィルタ6の内周面63が段差部323の内周面323bよりもフィルタ6の径方向外側に位置している。また、ガス発生器100Bにおける段差部
323の軸方向における突出量(即ち、底壁部321と段差部323の軸方向の高さの差)は、ガス発生器100及びガス発生器100Aにおける段差部323の突出量よりも大きくなっている。これにより、ガス発生器100Bにおけるフィルタ6の軸方向の長さをガス発生器100及びガス発生器100Aにおけるフィルタ6の軸方向の長さよりも短くすることを可能としている。また、図8及び図9に示すように、カバー部材7Bは、第1筒状部73と第2筒状部74と接続部75を含む。本例においても、第2筒状部74は、第1筒状部73よりも小さな外径を有している。カバー部材7Bは、環状部72を有しない点で、実施形態1の変形例1に係るカバー部材7Aと相違する。カバー部材7Bでは、カバー部材7Aと同様に、第1筒状部73の外周面が第1当接面S1として形成され、第2筒状部74の外周面が第2当接面S2として形成され、接続部75の下面が第4当接面S4として形成されている。
このような実施形態1の変形例2に係るガス発生器100Bにおいても、上述した、ガス発生器100と同様の効果を得ることができる。
[実施形態1の変形例3]
図10は、実施形態1の変形例3に係るガス発生器100Cの軸方向断面図である。図10では、ガス発生器100Cの作動前の状態が示されている。図11は、実施形態1の変形例3に係るカバー部材7Cの斜視図である。図8に示すように、ガス発生器100Cは、ガス発生器100Bと同様に、段差部323のフィルタ6の突出量(軸方向の高さ)が、ガス発生器100及びガス発生器100Aにおける段差部323の突出量よりも大きくなっている。これにより、ガス発生器100Cにおけるフィルタ6の軸方向の長さをガス発生器100及びガス発生器100Aにおけるフィルタ6の軸方向の長さよりも短くすることを可能としている。また、図10に示すように、ガス発生器100Cでは、段差部323の頂面323aが、フィルタ6の軸方向において底板部32側に向かうに従って(即ち、下方に向かうに従って)縮径するように傾斜している。これにより、フィルタ6の下端面62と段差部323の頂面323aとのうち、下端面62と頂面323aとの当接部位を除く部位によって、フィルタ6の径方向内側に開口した溝G1が形成されている。また、図10及び図11に示すように、カバー部材7Cは、第1筒状部73と第2筒状部74と拡径部76とを含む。図10に示すように、第1筒状部73は、フィルタ6の内周面63に沿って延びている。第2筒状部74は、段差部323の内周面323bに沿って延びている。拡径部76は、第1筒状部73及び第2筒状部74よりも大きな外径を有しており、第1筒状部73の下端縁と第2筒状部74の上端縁とを接続すると共に、フィルタ6の径方向外側に突出している。ガス発生器100Cでは、第1筒状部73の外周面が第1当接面S1として形成され、第2筒状部74の外周面が第2当接面S2として形成されている。そして、拡径部76の外周面は、第1当接面S1と第2当接面S2とを接続すると共に溝G1の開口から溝G1に差し込まれるように第1当接面S1及び第2当接面S2よりも拡径した、差込面S5として形成されている。
このような実施形態1の変形例3に係るガス発生器100Cによると、差込面S5が溝G1に差し込まれることで、フィルタ6の軸方向におけるカバー部材7Cの位置決めがなされる。これにより、フィルタ6の軸方向におけるカバー部材7Cの位置ずれが抑制される。その結果、フィルタ6の下端面62と段差部323の頂面323aとの当接箇所がカバー部材7Cによってフィルタ6の径方向内側から覆われた状態がより確実に維持され、ショートパスをより一層抑制することができる。
[実施形態1の変形例4]
図12は、実施形態1の変形例4に係るガス発生器100Dの軸方向断面図である。図12では、ガス発生器100Dの作動前の状態が示されている。図12に示すように、ガス発生器100Dは、第1点火装置4Xと、第2点火装置4Yと、内筒部材5Dと、フィ
ルタ6と、カバー部材7Dと、伝火薬110と、第1ガス発生剤120Xと、第2ガス発生剤120Yと、これらを収容するハウジング1Dと、を備えている。ガス発生器100Dは、点火装置を2つ備えた、いわゆるデュアルタイプのガス発生器として構成されている。第1点火装置4Xは、本開示に係る「点火部」に相当する。また、ガス発生器100Dは、第1点火装置4Xの作動により第1ガス発生剤120Xを燃焼させ、第2点火装置4Yの作動により第2ガス発生剤120Yを燃焼させることで、比較的多量の燃焼ガスをガス排出孔11から放出するように構成されている。ガス発生器100Dにおいては、第2点火装置4Yは、第1点火装置4Xとは独立して作動するものであり、作動する場合には第1点火装置4Xの作動時以降の所定のタイミングで作動する。
図12に示すように、実施形態1の変形例4に係るハウジング1Dは、ハウジング1Dの内部空間を第1燃焼室10Xと第2燃焼室10Yとに隔てると共にフィルタ6の下端面62を当接して支持する、隔壁部14を有する。隔壁部14は、フィルタ6の軸方向において、天板部22と底板部32との間に設けられている。つまり、隔壁部14は、周壁部12の一端側に設けられた天板部22に対して周壁部12の他端側に設けられている。隔壁部14は、本開示に係る「第2壁部」に相当する。天板部22と隔壁部14と周壁部12とによって、第1燃焼室10Xが画定されている。また、隔壁部14と底板部32と周壁部12とによって、第2燃焼室10Yが画定されている。第1燃焼室10Xには、第1点火装置4Xの作動により燃焼する第1ガス発生剤120Xが収容され、第2燃焼室10Yには、第2点火装置4Yの作動により燃焼する第2ガス発生剤120Yが収容される。第1燃焼室10Xは、本開示に係る「燃焼室」に相当し、第1ガス発生剤120Xは、本開示に係る「ガス発生剤」に相当する。
隔壁部14は、分割壁部141と段差部142とを含む。分割壁部141は、第1燃焼室10Xの下端を画定する部位であり、フィルタ6の軸方向と直交するように、フィルタ6の径方向に延在している。分割壁部141には、内筒部材5が貫通する孔である貫通孔14aが形成されている。段差部142は、フィルタ6の下端面62を当接して支持する環状の部位であり、フィルタ6の軸方向に沿って第1燃焼室10Xの内部側に突出すると共に周壁部12に繋がっている。段差部142の軸方向端面は、フィルタ6の軸方向と直交するようにフィルタ6の径方向に延びている。また、段差部142の内周面は、フィルタ6の軸方向に沿って延びている。
実施形態1の変形例4に係る内筒部材5Dは、底板部32に固定された第1点火装置4Xを取り囲むようにして底板部32から天板部22に向かって延び、隔壁部14の貫通孔14aを貫通し、端部が開口している。そのため、内筒部材5Dの内側の空間が第1燃焼室10Xに含まれ、第1点火装置4Xが第1燃焼室10Xに配置された状態となっている。また、内筒部材5Dの内側には、その内部空間を上下に仕切る、仕切部材P1が配置されている。これにより、内筒部材5の内部空間のうち、仕切部材P1よりも下側(第1点火装置4X側)の空間は、伝火室51として形成されている。伝火室51には、伝火薬110が、第1ガス発生剤120Xと混在することなく収容されている。仕切部材P1は、伝火薬110の燃焼ガスによる第1ガス発生剤120Xの着火を妨げないように、伝火薬110の燃焼ガスにより速やかに燃焼、溶融あるいは消滅する材料で形成されている。また、内筒部材5Dには、内筒部材5Dの内部空間(ひいては、第1燃焼室10X)と第2燃焼室10Yとを連通する連通孔52が複数形成されている。連通孔52は、第2点火装置4Yが作動する前の状態では、シールテープ(図示なし)により閉塞されている。
図12に示すように、ガス発生器100Dのフィルタ6は、上端面61が天板部22に当接して支持され、下端面62が隔壁部14における段差部142に当接して支持されるように第1燃焼室10Xに配置されている。ここで、隔壁部14に段差部142が形成されることで、隔壁部14のうちの段差部142に囲まれた部位、即ち、分割壁部141は
、段差部142よりも変形し易い変位部D1として形成されている。換言すると、変位部D1は、隔壁部14における変位部D1を除く部位である段差部142よりも変形し易く形成されている。
また、図12に示すように、第1燃焼室10Xには、フィルタ6の下端面62と段差部142の頂面との当接箇所をフィルタ6の径方向内側から覆うカバー部材7Dが、フィルタ6と段差部142とに跨るようにして設けられている。そして、カバー部材7Dは、フィルタ6の内周面63に当接する筒状の第1当接面S1と、段差部142の内周面に当接する筒状の第2当接面S2と、を含んでいる。
このようなガス発生器100Dが作動する場合、まず、第1点火装置4Xが作動し、第1燃焼室10Xの伝火室51に収容された伝火薬110が燃焼し、その燃焼ガスが発生する。伝火薬110の燃焼ガスによって仕切部材P1が燃焼し、除去されることで、該燃焼ガスが第1ガス発生剤120Xと接触し、第1ガス発生剤120Xが着火される。第1ガス発生剤120Xが燃焼することで、第1燃焼室10Xに燃焼ガスが生成される。第1ガス発生剤120Xの燃焼ガスは、フィルタ6を通過し、ガス排出孔11からハウジング1の外部へと放出される。次に、第2点火装置4Yが作動し、第2燃焼室10Yに収容された第2ガス発生剤120Yが燃焼し、その燃焼ガスが発生する。第2ガス発生剤120Yの燃焼ガスは、連通孔52を閉塞していたシールテープを破って連通孔52から第1燃焼室10Xへ流れ込み、フィルタ6を通過し、ガス排出孔11を閉塞していたシールテープを破ってガス排出孔11からハウジング1Dの外部へと放出される。
実施形態1の変形例4に係るガス発生器100Dによると、第1ガス発生剤120Xの燃焼によるハウジング1Dの内圧の上昇によりハウジング1Dが膨張するように隔壁部14が変形する場合には、フィルタ6の下端面62との当接部位C1を含む段差部142よりも変位部D1の方が優先してフィルタ6の軸方向において第1燃焼室10Xの外部側(即ち、下方)に変位する。その結果、ガス発生器100Dによれば、第1ガス発生剤120Xの燃焼により分割壁部141(即ち、変位部D1)の段差部142がフィルタ6の下端面62から離れることが抑制され、ショートパスを抑制することができる。
更に、ガス発生器100Dによると、ハウジング1の内圧が上昇すると、カバー部材7Dがフィルタ6の内周面63及び段差部142の内周面へ押し付けられることとなり、フィルタ6の下端面62と段差部142の頂面との当接箇所がカバー部材7Dによってフィルタ6の径方向内側から覆われた状態が維持される。その結果、ガス発生器100Dによれば、第1ガス発生剤120Xの燃焼により段差部142がフィルタ6の下端面62から離れた場合であっても、ショートパスを抑制することができる。
<実施形態2>
図13は、実施形態2に係るガス発生器200の軸方向断面図である。図1では、ガス発生器200の作動前の状態が示されている。ガス発生器200は、例えばエアバッグ用に使用されるエアバッグ用ガス発生器である。以下、実施形態2に係るガス発生器200について、ガス発生器100との相違点を中心に説明し、ガス発生器100と同様の点については同一の符号を付すことにより詳細な説明は割愛する。
図13に示すように、ガス発生器200は、底板部32に段差部及び変位部が形成されず、天板部22に符号D2で示す変位部が形成されている点で、ガス発生器100と主に相違する。本例では、第1壁部としての天板部22を「ハウジング壁部」としている。
天板部22は、フィルタ6の上端面61との当接部位C1よりも内側の領域である第1領域A1と、第1領域A1を除く領域である第2領域A2と、に区分することができる。
第2領域A2は、第1領域A1の径方向外側に画定された環状の領域であり、その外周縁において周壁部12(上側周壁部21)と繋がっている。第2領域A2には、当接部位C1が含まれる。第1領域A1は、第2領域A2の径方向内側の領域(即ち、第2領域A2によって囲まれた領域)として画定されている。図13に示すように、第1領域A1には、変位部D2が形成されている。
図14は、天板部22の上面図である。図14に示すように、変位部D2は、環状に形成された第1部位D21と、第1部位D21によって囲まれた第2部位D22と、を含んでいる。なお、第2部位D22は、その周長方向の全周に亘って連続する環状に形成されていなくともよく、周長方向において断続的な環状に形成されていてもよい。
図15は、天板部22における第1部位D21の周長方向に直交する断面を示す図である。図15に示すように、第1部位D21は、その周長方向に直交する断面において、天板部22の一部が燃焼室10の外部側へ凹むように屈曲した形状を有している。より詳細には、第1部位D21は、第1屈曲部D211と第2屈曲部D212とを含んで形成されている。第1屈曲部D211は、第1部位D21の外周側に設けられ、第1部位D21の径方向内側に向かうに従って上方向へ延びている。また、第2屈曲部D212は、第1部位D21の内周側に設けられ、第1屈曲部D211の先端から第1部位D21の径方向内側に向かうに従って下方向へ延びている。つまり、第2屈曲部D212は、第1屈曲部D211と向き合うように第1屈曲部D211の先端から折れ曲がっている。また、第1部位D21に囲まれた第2部位D22は、フィルタ6の軸方向と直交するように、フィルタ6の径方向に延在している。
ここで、第1部位D21の厚み寸法をt1とし、天板部22における第1部位D21を除く部位の厚み寸法をt2とする。このとき、ガス発生器200では、t2よりもt1の方が小さくなっている。つまり、変位部D2は、その一部である第1部位D21において、天板部22における変位部D2を除く部位よりも薄肉に形成されている。そのため、第1部位D21は、天板部22における第1部位D21を除く部位よりも変形し易く形成されている。これにより、変位部D2は、天板部22における当接部位C1よりもフィルタ6の径方向内側の第1領域A1において、天板部22における変位部D2を除く部位よりも変形し易く形成されている。また、ガス発生器200では、第1部位D21が第2部位D22よりも薄肉に形成されているため、第2部位D22はD21よりも変形し難く形成されている。
ここで、図16は、点火装置4の作動によりガス発生剤120が燃焼してハウジング1の天板部22が変形した状態を説明するための図である。実施形態2に係るガス発生器200は、実施形態1に係るガス発生器100と同様に、ハウジング1が膨らむように底板部32が変形してもショートパスを抑制できるように構成されている。以下、詳細に説明する。
点火装置4が作動してガス発生剤120が燃焼すると、燃焼ガスの発生によりハウジング1の内圧が上昇する。ハウジング1の内圧はハウジング1に対して燃焼室10の外部側に向かって作用する。そのため、天板部22には、フィルタ6の軸方向において天板部22をフィルタ6から離そうとする方向(即ち、上方)に内圧が作用する。上述のように、天板部22には、天板部22における他の部位よりも変形し易い変位部D2が、当接部位C1を含む第2領域A2よりもフィルタ6の径方向内側の第1領域A1に形成されている。そのため、ハウジング1の内圧の上昇によりハウジング1が膨張するように天板部22が変形する場合には、天板部22における変位部D2を除く部位よりも変位部D2の方が優先して優先的に上方向に変位する。つまり、第2領域A2よりも変位部D2の方が低い圧力で上方向へ変位する。このとき、図16に示すように、第1部位D21は、第1屈曲
部D211と第2屈曲部D212とが向き合うように屈曲した状態(屈曲状態)から、第1屈曲部D211と第2屈曲部D212とが開くように伸びた状態(伸長状態)となるように変形する。これにより、変位部D2の上方向への変位が許容される。
変位部D2が第2領域A2よりも優先して上方向へ変位し、ハウジング1の容積を増加させることで、ハウジング1の内圧の上昇による影響(第2領域A2を上方向へ変位させようとする作用)が第2領域A2に及び難くなる。従って、天板部22におけるフィルタ6の上端面61との当接部位C1を含む第2領域A2は、変位部D2よりも変位し難くなる。これにより、図16に示すように、当接部位C1を含む第2領域A2がフィルタ6の上端面61から離れることが抑制され、フィルタ6の上端面61と天板部22との当接状態が維持され易くなる。その結果、実施形態2に係るガス発生器200では、天板部22がフィルタ6の上端面61から離れることによるショートパスが抑制される。
[作用・効果]
以上のように、実施形態2に係るガス発生器200では、天板部22が、フィルタ6の上端面61を当接して支持し、且つ、天板部22におけるフィルタ6の上端面61との当接部位C1よりもフィルタ6の径方向内側の領域である第1領域A1に変位部D2を含んでいる。そして、変位部D2は、ガス発生剤120が燃焼した場合に天板部22における変位部D2を除く部位よりも燃焼室10の外部側へ優先的に変位するように、天板部22における変位部D2を除く部位よりも変形し易く形成されている。
これにより、ハウジング1の内圧の上昇によりハウジング1が膨張するように天板部22が変形する場合には、フィルタ6の上端面61との当接部位C1を含む第2領域A2よりも変位部D2の方が優先してフィルタ6の軸方向において燃焼室10の外部側に変位する。その結果、実施形態2に係るガス発生器200によれば、ガス発生剤120の燃焼により天板部22がフィルタ6の上端面61から離れることが抑制され、ショートパスを抑制することができる。
また、ガス発生器200では、変位部D2が、その少なくとも一部(本例では、第1部位D21)において、天板部22における変位部D2を除く部位よりも薄肉に形成されている。これにより、変位部D2を天板部22における変位部D2を除く部位よりも変形し易くすることができる。
また、ガス発生器200では、変位部D2が、天板部22における変位部D2を除く部位よりも変形し易く形成された環状の第1部位D21を含み、第1部位D21は、その周長方向に直交する断面において、燃焼室10の外部側へ凹むように屈曲した形状を有している。そのため、第1部位D21が屈曲した状態から伸長するように変形することで変位部D2の変位がなされる。これによると、変位部D2の変位量の上限を大きくすることができる。つまり、変位部D2を変位させることで実現可能なハウジングの容積を大きく確保することができる。これにより、ハウジング1の内圧が大きく上昇した場合であっても、ハウジング1の膨張を変位部D2の変位により吸収することができ、天板部22における変位部D2を除く部位の変位を抑えることができる。その結果、天板部22がフィルタ6の上端面61から離れることをより確実に抑制し、ショートパスをより確実に抑制することができる。また、第1部位D21を燃焼室10の外部側へ凹むように屈曲した形状とすることで、変位部D2を形成することにより燃焼室10が狭くなることを回避し、燃焼室10の容積を十分に確保できる。
[実施形態2の変形例]
以下、実施形態2の変形例に係るガス発生器について説明する。変形例の説明では、図13~図16で説明したガス発生器100との相違点を中心に説明し、ガス発生器100
と同様の点については同一の符号を付すことにより詳細な説明は割愛する。
[実施形態2の変形例1]
図17は、実施形態2の変形例1に係るガス発生器200Aの軸方向断面図である。図17では、ガス発生器200Aの作動前の状態が示されている。
図17に示すように、ガス発生器200Aは、第1点火装置4Xと、第2点火装置4Yと、第1内筒部材5Xと、第2内筒部材5Yと、フィルタ6と、伝火薬110と、第1ガス発生剤120Xと、第2ガス発生剤120Yと、これらを収容するハウジング1と、を備えている。ガス発生器200Aは、点火装置を2つ備えた、いわゆるデュアルタイプのガス発生器として構成されている。第1点火装置4X及び第2点火装置4Yは、本開示に係る「点火部」に相当する。ガス発生器200Aは、第1点火装置4Xの作動により第1ガス発生剤120Xを燃焼させ、第2点火装置4Yの作動により第2ガス発生剤120Yを燃焼させることで、比較的多量の燃焼ガスをガス排出孔11から放出するように構成されている。ガス発生器200Aでは、天板部22と底板部32と周壁部12とによって、第1ガス発生剤120Xが収容される第1燃焼室10Xが画定されている。第1燃焼室10Xは、本開示に係る「燃焼室」に相当する。
また、ガス発生器200Aでは、変位部D2が、底板部32に形成されている。本例では、第2壁部としての底板部32を「ハウジング壁部」としている。底板部32は、フィルタ6の下端面62との当接部位C1よりも内側の領域である第1領域A1と、第1領域A1を除く領域である第2領域A2と、に区分することができ、第1領域A1には、変位部D2が形成されている。変位部D2は、環状に形成された第1部位D21と、第1部位D21によって囲まれた第2部位D22と、を含んでいる。
図18は、底板部32における第1部位D21の周長方向に直交する断面を示す図である。第1部位D21は、その周長方向に直交する断面において、底板部32の一部が燃焼室10の外部側へ凹むように屈曲した形状を有している。また、第1部位D21に囲まれた第2部位D22は、フィルタ6の軸方向と直交するように、フィルタ6の径方向に延在している。このとき、ガス発生器200Aでは、第1部位D21の厚み寸法t3の方が底板部32における第1部位D21を除く部位の厚み寸法t4よりも小さくなっている。つまり、変位部D2は、その一部である第1部位D21において、底板部32における変位部D2を除く部位よりも薄肉に形成されている。そのため、第1部位D21は、底板部32における第1部位D21を除く部位よりも変形し易く形成されている。また、ガス発生器200Aでは、第1部位D21が第2部位D22よりも薄肉に形成されているため、第2部位D22はD21よりも変形し難く形成されている。
ここで、図17に示すように、ガス発生器200Aでは、第1点火装置4Xと第2点火装置4Yとが底板部32の第2部位D22に固定されている。更に、ガス発生器200Aでは、第1点火装置4Xと第2点火装置4Yの各々に対応して第1内筒部材5Xと第2内筒部材5Yとが設けられている。より具体的には、第1点火装置4Xを取り囲む筒状の第1内筒部材5Xと第2点火装置4Yを取り囲む筒状の第2内筒部材5Yとが、フィルタ6の軸方向に沿って取り付けられている。第1内筒部材5Xと第1点火装置4Xとの間には、第1点火装置4Xの作動により燃焼する伝火薬110が収容される伝火室51が形成されている。同様に、第2内筒部材5Yと第2点火装置4Yとの間には、第2点火装置4Yの作動により燃焼する第2ガス発生剤120Yが収容される第2燃焼室10Yが形成されている。第1内筒部材5Xには、伝火室51とその外部空間とを連通する連通孔52が複数形成されている。同様に、第2内筒部材5Yには、第2燃焼室10Yとその外部空間とを連通する連通孔52が複数形成されている。それぞれの連通孔52は、対応する点火装置が作動する前の状態では、シールテープ(図示なし)により閉塞されている。
このようなガス発生器200Aが作動する場合、まず、第1点火装置4Xが作動し、伝火室51に収容された伝火薬110が燃焼し、その燃焼ガスが発生する。伝火薬110の燃焼ガスが第1内筒部材5Xの連通孔52を閉塞していたシールテープを破って連通孔52から伝火室51の外部へ放出されることで、第1ガス発生剤120Xが燃焼し、第1燃焼室10Xに燃焼ガスが生成される。第1ガス発生剤120Xの燃焼ガスは、フィルタ6を通過し、ガス排出孔11を閉塞していたシールテープを破ってガス排出孔11からハウジング1の外部へと放出される。次に、第2点火装置4Yが作動し、第2燃焼室10Yに収容された第2ガス発生剤120Yが燃焼し、その燃焼ガスが発生する。第2ガス発生剤120Yの燃焼ガスは、連通孔52を閉塞していたシールテープを破って連通孔52から第2燃焼室10Yの外部へ放出され、フィルタ6を通過し、ガス排出孔11からハウジング1の外部へと放出される。
図19は、第1点火装置4X及び第2点火装置4Yの作動により第1ガス発生剤120X及び第2ガス発生剤120Yが燃焼してハウジング1の底板部32が変形したときの状態を示す図である。図19に示すように、ハウジング1の内圧の上昇によりハウジング1が膨張するように底板部32が変形する場合には、フィルタ6の下端面62との当接部位C1を含む第2領域A2よりも変位部D2の方が優先してフィルタ6の軸方向において燃焼室10の外部側(即ち、下方)に変位する。その結果、ガス発生器200Aによると、底板部32がフィルタ6の下端面62から離れることが抑制され、ショートパスを抑制することができる。
更に、ガス発生器200Aでは、第1点火装置4Xと第2点火装置4Yとが底板部32の第2部位D22に固定されており、第1点火装置4Xと第2点火装置4Yの各々に対応する第1内筒部材5Xと第2内筒部材5Yとがフィルタ6の軸方向に沿って取り付けられている。これによると、第1部位D21よりも変形し難い第2部位D22に第1点火装置4Xと第2点火装置4Yとを固定することで、変位部D2が変位する際に第2部位D22が大きく変形して第1内筒部材5Xと第2内筒部材5Yとが互いに干渉することを抑制できる。その結果、第1内筒部材5Xや第2内筒部材5Yが第1点火装置4Xや第2点火装置4Yから外れることや破損することを抑制できる。以上のように、底板部32における他の部位よりも変形し易い第1部位D21を環状に形成することで、その内側に第1部位D21よりも変形し難い第2部位D22を形成することができる。これにより、第2部位D22に取り付けられた部品に対する、変位部D2の変位による影響(変位部D2の変位に伴って第2部位D22が変形することによる当該部品の脱落、破損等)を低減することができる。
なお、底板部32に固定される点火装置の数量は2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
[実施形態2の変形例2]
図20は、実施形態2の変形例2に係るガス発生器200Bの軸方向断面図である。ガス発生器200Bの作動前の状態が示されている。図21は、図20における天板部22付近の拡大図である。図20に示すように、ガス発生器200Bでは、符号D3で示す変位部が、天板部22に形成されている。本例では、第1壁部としての天板部22を「ハウジング壁部」としている。天板部22は、フィルタ6の上端面61との当接部位C1よりも内側の領域である第1領域A1と、第1領域A1を除く領域である第2領域A2と、に区分することができ、第1領域A1には、変位部D3が形成されている。
ここで、図21に示すように、変位部D3の厚み寸法をt5とし、天板部22における変位部D3を除く部位の厚み寸法をt6とする。このとき、ガス発生器200Bでは、t
6よりもt5の方が小さくなっている。つまり、変位部D3の全体が天板部22における変位部D3を除く部位よりも薄肉に形成されている。これにより、変位部D3は、天板部22における当接部位C1よりもフィルタ6の径方向内側の第1領域A1において、天板部22における変位部D3を除く部位よりも変形し易く形成されている。
また、天板部22における燃焼室を画定する面(即ち、天板部22の下面)のうち、変位部D3における面を変位面S100とし、変位面S100よりもフィルタ6の径方向外側の面を周囲面S200とする。このとき、変位面S100は、周囲面S200よりもフィルタ6の軸方向において燃焼室10の外部側(即ち、上側)に位置する底面S10と、底面S10と周囲面S200とを曲率を有して接続する接続曲面S20と、を含んでいる。
図22は、点火装置4の作動によりガス発生剤120が燃焼してハウジング1の天板部22が変形したときの状態を示す図である。図22に示すように、ハウジング1の内圧の上昇によりハウジング1が膨張するように天板部22が変形する場合には、フィルタ6の上端面61との当接部位C1を含む第2領域A2よりも変位部D3の方が優先してフィルタ6の軸方向において燃焼室10の外部側(即ち、上方)に変位する。その結果、ガス発生器200Bによると、天板部22がフィルタ6の上端面61から離れることが抑制され、ショートパスを抑制することができる。
更に、変位面S100が曲率を有する接続曲面S20により周囲面S200と接続されているため、天板部22の変形時に、変位部D3と天板部22における変位部D3を除く部位との境界部分に応力が集中することを抑制できる。その結果、天板部22の変形時に天板部22に亀裂が生じることを抑制できる。
<その他>
以上、本開示の好適な実施形態について説明したが、本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。
100,200 ガス発生器
1 ハウジング
11 ガス排出孔
12 周壁部
14 隔壁部(第2壁部の一例)
142 段差部
2 上部シェル
22 天板部(第1壁部の一例)
3 下部シェル
32 底板部(第2壁部の一例)
323 段差部
323a 頂面
323b 内周面
4 点火装置(点火部の一例)
5 内筒部材
6 フィルタ
61 上端面(フィルタの一端面)
62 下端面(フィルタの他端面)
63 内周面
7 カバー部材
10 燃焼室
120 ガス発生剤
A1 第1領域
A2 第2領域
D1,D2,D3 変位部
D21 第1部位
D21 第2部位
S1 第1当接面
S2 第2当接面
S3 第3当接面
S4 第4当接面
S5 差込面
S100 変位面
S10 底面
S20 接続曲面
G1 溝

Claims (16)

  1. 点火部と前記点火部の作動により燃焼するガス発生剤とが配置される燃焼室と、
    筒状の周壁部と、前記周壁部の一端側に設けられた第1壁部と、前記周壁部の他端側に設けられ、前記周壁部及び前記第1壁部と共に前記燃焼室を画定する第2壁部と、を含むハウジングであって、前記燃焼室と前記ハウジングの外部とを連通するガス排出孔が形成されたハウジングと、
    筒状のフィルタであって、前記ガス発生剤を取り囲み且つ前記ガス排出孔がその外側に位置するように前記燃焼室に配置されたフィルタと、
    を備えるガス発生器であって、
    前記第1壁部と前記第2壁部とのうちの少なくとも一方であるハウジング壁部は、前記フィルタの軸方向に沿って前記燃焼室の内部側に向かって突出すると共に前記周壁部に繋がる環状の段差部を有し、
    前記フィルタの軸方向の端面は、前記段差部の頂面によって当接して支持され、
    前記燃焼室には、前記フィルタの前記端面と前記段差部の頂面との当接箇所を前記フィルタの径方向内側から覆うカバー部材が、前記フィルタと前記段差部とに跨るようにして設けられ、
    前記カバー部材は、前記フィルタの内周面に当接する筒状の第1当接面と、前記段差部の内周面に当接する筒状の第2当接面と、を含み、
    前記フィルタの内周面は、前記段差部の内周面よりも前記フィルタの径方向外側に位置し、
    前記カバー部材は、前記第1当接面と前記第2当接面とを接続すると共に前記段差部の頂面に当接する第4当接面を、更に含む、
    ガス発生器。
  2. 点火部と前記点火部の作動により燃焼するガス発生剤とが配置される燃焼室と、
    筒状の周壁部と、前記周壁部の一端側に設けられた第1壁部と、前記周壁部の他端側に設けられ、前記周壁部及び前記第1壁部と共に前記燃焼室を画定する第2壁部と、を含むハウジングであって、前記燃焼室と前記ハウジングの外部とを連通するガス排出孔が形成されたハウジングと、
    筒状のフィルタであって、前記ガス発生剤を取り囲み且つ前記ガス排出孔がその外側に位置するように前記燃焼室に配置されたフィルタと、
    を備えるガス発生器であって、
    前記第1壁部と前記第2壁部とのうちの少なくとも一方であるハウジング壁部は、前記フィルタの軸方向に沿って前記燃焼室の内部側に向かって突出すると共に前記周壁部に繋がる環状の段差部を有し、
    前記フィルタの軸方向の端面は、前記段差部の頂面によって当接して支持され、
    前記燃焼室には、前記フィルタの前記端面と前記段差部の頂面との当接箇所を前記フィルタの径方向内側から覆うカバー部材が、前記フィルタと前記段差部とに跨るようにして設けられ、
    前記カバー部材は、前記フィルタの内周面に当接する筒状の第1当接面と、前記段差部の内周面に当接する筒状の第2当接面と、を含み、
    前記フィルタの前記端面と前記段差部の頂面とのうち、前記端面と前記頂面との当接部位を除く部位によって、前記フィルタの径方向内側に開口した溝が形成され、
    前記カバー部材は、前記第1当接面と前記第2当接面とを接続すると共に前記開口から前記溝に差し込まれるように前記第1当接面及び前記第2当接面よりも拡径した差込面を、更に含む、
    ガス発生器。
  3. 点火部と前記点火部の作動により燃焼するガス発生剤とが配置される燃焼室と、
    筒状の周壁部と、前記周壁部の一端側に設けられた第1壁部と、前記周壁部の他端側に設けられ、前記周壁部及び前記第1壁部と共に前記燃焼室を画定する第2壁部と、を含むハウジングであって、前記燃焼室と前記ハウジングの外部とを連通するガス排出孔が形成されたハウジングと、
    筒状のフィルタであって、前記ガス発生剤を取り囲み且つ前記ガス排出孔がその外側に位置するように前記燃焼室に配置されたフィルタと、
    を備えるガス発生器であって、
    前記第1壁部と前記第2壁部とのうちの少なくとも一方であるハウジング壁部は、前記フィルタの軸方向に沿って前記燃焼室の内部側に向かって突出すると共に前記周壁部に繋がる環状の段差部を有し、
    前記フィルタの軸方向の端面は、前記段差部の頂面によって当接して支持され、
    前記燃焼室には、前記フィルタの前記端面と前記段差部の頂面との当接箇所を前記フィルタの径方向内側から覆うカバー部材が、前記フィルタと前記段差部とに跨るようにして設けられ、
    前記カバー部材は、前記フィルタの内周面に当接する筒状の第1当接面と、前記段差部の内周面に当接する筒状の第2当接面と、を含み、
    前記第1壁部は、前記周壁部の一端に設けられた天板部であり、
    前記第2壁部は、前記周壁部の他端側に設けられた底板部であり、
    前記段差部は、前記底板部に形成されており、
    前記底板部は、前記燃焼室の内側に隆起すると共に前記点火部が取り付けられる取付部を含んでおり、
    前記段差部よりも径方向内側の部位であって、前記底板部と前記取付部とを含む部位は、前記段差部よりも変形し易い、
    ガス発生器。
  4. 前記カバー部材は、前記第2当接面から前記フィルタの径方向内側に延びて前記ハウジング壁部に当接する第3当接面を更に含む、
    請求項1から3の何れか一項に記載のガス発生器。
  5. 前記段差部の内周面は、前記フィルタの軸方向に沿って延びており、
    前記フィルタの内周面と前記段差部の内周面とが面一となっており、
    前記カバー部材は、前記第1当接面と前記第2当接面とが連なった筒状の連続当接面を
    含む、
    請求項2又は3に記載のガス発生器。
  6. 前記第2当接面は、前記段差部の内周面に沿って延びており、前記第1当接面よりも小さな外径を有している、
    請求項1に記載のガス発生器。
  7. 前記段差部の頂面は、前記フィルタの軸方向において前記底板部側に向かうに従って縮径するように傾斜している、
    請求項に記載のガス発生器。
  8. 前記フィルタの前記端面と前記段差部の頂面とのうち、前記端面と前記頂面との当接部位を除く部位によって、前記フィルタの径方向内側に開口した溝が形成されている、
    請求項1又は3に記載のガス発生器。
  9. 点火部と前記点火部の作動により燃焼するガス発生剤とが配置される燃焼室と、
    筒状の周壁部と、前記周壁部の一端側に設けられた第1壁部と、前記周壁部の他端側に設けられ、前記周壁部及び前記第1壁部と共に前記燃焼室を画定する第2壁部と、を含むハウジングであって、前記燃焼室と前記ハウジングの外部とを連通するガス排出孔が形成されたハウジングと、
    筒状のフィルタであって、前記ガス発生剤を取り囲み且つ前記ガス排出孔がその外側に位置するように前記燃焼室に配置されたフィルタと、
    を備えるガス発生器であって、
    前記第1壁部と前記第2壁部とのうちの少なくとも一方であるハウジング壁部は、前記フィルタの軸方向の端面を当接して支持し、且つ、前記ハウジング壁部における前記フィルタの前記端面との当接部位よりも前記フィルタの径方向内側の領域である第1領域に変位部を含み、
    前記変位部は、前記ガス発生剤が燃焼した場合に前記ハウジング壁部における前記変位部を除く部位よりも前記燃焼室の外部側へ優先的に変位するように、前記ハウジング壁部における前記変位部を除く部位よりも変形し易く形成されている、
    ガス発生器。
  10. 前記変位部は、その少なくとも一部において、前記ハウジング壁部における前記変位部を除く部位よりも薄肉に形成されている、
    請求項9に記載のガス発生器。
  11. 前記変位部は、前記ハウジング壁部における前記変位部を除く部位よりも変形し易く、且つ、環状に形成された第1部位と、前記第1部位に囲まれ、且つ、前記第1部位よりも変形し難く形成された第2部位と、を含む、
    請求項9又は10に記載のガス発生器。
  12. 前記点火部は、複数の点火装置を含み、
    前記複数の点火装置は、前記第2部位に固定され、
    前記複数の点火装置の各々に対応して、前記点火装置を取り囲む筒状の内筒部材が、前記フィルタの軸方向に沿って取り付けられている、
    請求項11に記載のガス発生器。
  13. 前記変位部は、前記ハウジング壁部における前記変位部を除く部位よりも変形し易く形成された環状の第1部位を含み、
    前記第1部位は、その周長方向に直交する断面において、前記燃焼室の外部側へ凹むよ
    うに屈曲した形状を有する、
    請求項9から12の何れか一項に記載のガス発生器。
  14. 前記変位部は、その全体において、前記ハウジング壁部における前記変位部を除く部位よりも薄肉に形成されており、
    前記ハウジング壁部における前記燃焼室を画定する面のうち、前記変位部における面である変位面は、前記変位面よりも径方向外側の周囲の面よりも前記フィルタの軸方向において前記燃焼室の外部側に位置する底面と、前記底面と前記周囲の面とを曲率を有して接続する接続曲面と、を含む、
    請求項10に記載のガス発生器。
  15. 前記ハウジング壁部は、前記フィルタの軸方向に沿って前記燃焼室の内部側に向かって突出する環状の段差部を有し、
    前記フィルタの軸方向の端面は、前記段差部の頂面によって当接して支持され、
    前記ハウジング壁部のうち前記段差部によって囲まれた部位が、前記変位部として形成されている、
    請求項9に記載のガス発生器。
  16. 前記燃焼室には、前記フィルタの前記端面と前記段差部の頂面との当接部位を前記フィルタの径方向内側から覆うカバー部材が、前記フィルタと前記段差部とに跨るようにして設けられ、
    前記カバー部材は、前記フィルタの内周面に当接する筒状の第1当接面と、前記段差部の内周面に当接する筒状の第2当接面と、を含む、
    請求項15に記載のガス発生器。
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