JP7410248B1 - 免震構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、免震装置の水平変形によって杭頭に生じる付加曲げモーメントを低減できる免震構造を提供する。【解決手段】複数の杭体2と、杭体2と水平方向に相対変位可能な上部構造体の第1上部フーチング311(上部基礎)と、第1水平方向に延び第1水平方向に隣接する第1上部フーチング311に架設される第1鉄骨大梁71と、第2水平方向に延び第2水平方向に隣接する第1上部フーチング311に架設される第2鉄骨大梁72と、複数の杭体2と第1上部フーチング311との間に設けられるすべり支承4と、を有し、すべり支承4は、第1上部フーチング311の下面に固定されたすべり板41と、杭体2の第1杭頭フーチン221(杭頭部)の上に固定されたすべり材42と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、免震構造に関する。
一般に、免震構造が普及している。特許文献1には、地中に埋設された多数の杭体の上に設けられ多数の杭体の杭頭部を連結するスラブ状の地中基礎と、地中基礎の上に配置される建物の基礎との間に免震装置を設けた免震構造が開示されている。また、地中基礎に代わって隣接する杭体の杭頭部どうしを連結するつなぎ梁を設け、杭頭部と建物の基礎との間に免震装置を設けた免震構造も知られている。
近年では、工期を短縮できるとともにコストパフォーマンスの高い免震構造のニーズが高まっており、多数の杭体の杭頭部を連結する地中基礎やつなぎ梁などを設けずに、杭頭部と建物の基礎との間に免震装置を設けた杭頭免震構造も普及しつつある。以下では、多数の杭体の杭頭部を連結する地中基礎やつなぎ梁などを「つなぎ梁など」と表記する。このような杭頭免震構造は、つなぎ梁などを設けないことにより、工期短縮およびコスト削減が可能となり、例えば、大規模物流倉庫など、比較的低層で大規模な平面積を有する建物において採用されることがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11-13068号公報
しかしながら、杭頭免震構造では、つなぎ梁などを省略することにより、地震時に杭頭部に回転変形が生じ、免震装置の性能が変動して、免震性能や耐震性能に影響が生じる虞がある。このため、時刻歴応答解析への考慮が必要となり、例えば、大臣認定や任意標定レベルの審査など、高度な判断が必要になる。
地震時に杭頭部に生じる回転変形の許容値は、例えば1/100ラジアン以下など非常に小さく、実験により確認できる範囲に限定される。このため、地震時に杭頭部に生じる回転変形量を許容値以下に納めようとすると、設計が煩雑になることがある。
地震時には、免震装置が水平変形し、この水平変形時に生じる付加曲げモーメント、いわゆるP-δが非常に大きくなるため、つなぎ梁などを省略した杭頭免震構造では、杭が付加曲げモーメントを処理する必要がある。
このため、免震装置の水平変形によって杭頭に生じる付加曲げモーメントの低減が望まれている。
本発明は、免震装置の水平変形によって杭頭に生じる付加曲げモーメントを低減できる免震構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る免震構造は、地中に埋設され第1水平方向および前記第1水平方向に交差する第2水平方向に配列された複数の杭体と、前記複数の杭体の杭頭部それぞれの上方に設けられ、前記杭体と水平方向に相対変位可能な上部構造体の上部基礎と、前記第1水平方向に延び前記第1水平方向に隣接する前記上部基礎に架設される第1鉄骨大梁と、前記第2水平方向に延び前記第2水平方向に隣接する前記上部基礎に架設される第2鉄骨大梁と、前記複数の杭体それぞれの杭頭部と前記上部基礎との間に設けられるすべり支承と、を有し、前記すべり支承は、前記上部基礎の下面に固定されたすべり板と、前記杭体の杭頭部の上に固定され、前記すべり板の下面に沿って摺動可能なすべり材と、を有し、前記上部基礎は、前記第1鉄骨大梁と前記第2鉄骨大梁との交差部に配置され、前記交差部を囲むように配置され前記第1鉄骨大梁および前記第2鉄骨大梁と接合される鉄骨火打梁と、前記交差部および前記鉄骨火打梁を埋設するコンクリートと、を有し、前記鉄骨火打梁は、H鋼であり、前記第1水平方向と前記第2水平方向とは、直交し、前記鉄骨火打梁は、前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びていて、前記上部基礎の外形を鉛直方向から見た平面視形状は、各辺が前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びる正方形であり、前記杭体の杭頭部に設けられたフーチングの外形を鉛直方向から見た平面視形状も、各辺が前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びる正方形である
すべり支承に生じる付加曲げモーメントは、すべり材側でなくすべり板側に作用するため、本発明による免震構造では、すべり板を杭体ではなく、上部構造体の上部基礎に固定することにより、杭体に作用する付加曲げモーメントを大幅に低減することができる。
付加曲げモーメントは、すべり板側の上部基礎に作用することになるが、鉄骨火打梁が設けられることによって上部基礎が補強されるため、作用する付加曲げモーメントを処理できる。
杭頭部と上部基礎との平面視形状が対応するため、すべり支承の設置が容易となる。
上記目的を達成するため、本発明に係る免震構造は、地中に埋設され第1水平方向および前記第1水平方向に交差する第2水平方向に配列された複数の杭体と、前記複数の杭体の杭頭部それぞれの上方に設けられ、前記杭体と水平方向に相対変位可能な上部構造体の上部基礎と、前記第1水平方向に延び前記第1水平方向に隣接する前記上部基礎に架設される第1鉄骨大梁と、前記第2水平方向に延び前記第2水平方向に隣接する前記上部基礎に架設される第2鉄骨大梁と、前記複数の杭体それぞれの杭頭部と前記上部基礎との間に設けられるすべり支承と、を有し、前記すべり支承は、前記上部基礎の下面に固定されたすべり板と、前記杭体の杭頭部の上に固定され、前記すべり板の下面に沿って摺動可能なすべり材と、を有し、前記上部基礎は、前記第1鉄骨大梁と前記第2鉄骨大梁との交差部に配置され、前記交差部を囲むように配置され前記第1鉄骨大梁および前記第2鉄骨大梁と接合される鉄骨火打梁と、前記交差部および前記鉄骨火打梁を埋設するコンクリートと、を有し、前記第1水平方向と前記第2水平方向とは、直交し、前記鉄骨火打梁は、前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びていて、前記上部基礎の外形を鉛直方向から見た平面視形状は、各辺が前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びる正方形であり、前記杭体の杭頭部に設けられたフーチングの外形を鉛直方向から見た平面視形状も、各辺が前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びる正方形である
すべり支承に生じる付加曲げモーメントは、すべり材側でなくすべり板側に作用するため、本発明による免震構造では、すべり板を杭体ではなく、上部構造体の上部基礎に固定することにより、杭体に作用する付加曲げモーメントを大幅に低減することができる。
付加曲げモーメントは、すべり板側の上部基礎に作用することになるが、鉄骨火打梁が設けられることによって上部基礎が補強されるため、作用する付加曲げモーメントを処理できる。
杭頭部と上部基礎との平面視形状が対応するため、すべり支承の設置が容易となる。
また、本発明に係る免震構造では、前記鉄骨火打梁には、シアコネクタが接合されていてもよい。
このような構成とすることにより、上部基礎をより強固な構造とすることができる。
また、本発明に係る免震構造では、前記第1水平方向と前記第2水平方向とは、直交し、前記鉄骨火打梁は、前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びていて、前記上部基礎の外形を鉛直方向から見た平面視形状は、各辺が前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びる正方形であり、前記杭体の杭頭部に設けられたフーチングの外形を鉛直方向から見た平面視形状も、各辺が前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びる正方形であってもよい。
このような構成とすることにより、杭頭部と上部基礎との平面視形状が対応するため、すべり支承の設置が容易となる。
本発明によれば、免震装置の水平変形によって杭頭に生じる付加曲げモーメントを低減できる。
本発明の実施形態による免震構造の杭伏図である。 図1のA-A線断面図である。 図2のB部分拡大図である。 図2のC部分拡大図である。 図3のD-D線断面図である。 図5のE-E線断面図である。
以下、本発明の実施形態による免震構造について、図1-図6に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態による免震構造1は、地中に埋設された複数の杭体2と、複数の杭体2の上に設けられる上部構造体3とを有する構造物11に採用されている。図2に示すように、免震構造1は、複数の杭体2と、上部構造体3と、杭体2と上部構造体3との間に設けられるすべり支承4および積層ゴム支承5と、を有する。杭体2と上部構造体3とは、水平方向に相対変位可能である。構造物11は、例えば、大規模物流倉庫などの比較的低層で平面積の大きい建物である。
杭体2は、第1水平方向および第1水平方向に直交する第2水平方向に間隔をあけて配列されている。図面では、第1水平方向を矢印Xで示し、第2水平方向を矢印Yで示す。複数の杭体2が設けられる領域うち、平面視における内側の第1領域21に設けられる複数の杭体を第1杭体22と表記し、外側の第2領域23に設けられる複数の杭体を第2杭体24と表記する。本実施形態では、第2領域23は、第1領域21の外周を囲むように配置される。第1領域21は、平面視における構造物11の外周部の領域に相当する。第2領域23は、平面視における構造物11の内側の領域に相当する。
図2および図3に示すように、第1杭体22の杭頭部には、第1杭頭フーチング221が設けられる。図1に示すように、第1杭頭フーチング221の平面視形状は、正方形であり、正方形の各辺が第1水平方向および第2水平方向に対して45°斜めにのびる向きに配置される。
図2および図4に示すように、第2杭体24の杭頭部には、第2杭頭フーチング241が設けられる。図1に示すように、第2杭頭フーチング241の平面視形状は、正方形または長方形であり、正方形の各辺が第1水平方向および第2水平方向に延びる向きに配置される。本実施形態では、第2領域23の一部に平面視形状が略円形の円形部分231がある。この円形部分231に設けられる第2杭頭フーチング241は、円の周方向に沿った向きに配置される。
図1、図2および図4に示すように、水平方向に隣接する第2杭頭フーチング241どうしは、つなぎ梁6で連結されている。本実施形態では、第2杭頭フーチング241は、第1水平方向に隣接する第2杭頭フーチング241および第2水平方向に隣接する第2杭頭フーチング241の少なくとも一方とつなぎ梁6で連結されている。
水平方向に隣接する第1杭頭フーチング221どうしは、連結されない。
第1杭体22と第1杭頭フーチング221とは、剛接合される。第1杭体22と第1杭頭フーチング221とは剛接合されるが、第1杭頭フーチング221に固定度が無いため、ピン接合として挙動し、構造計算上もピン接合として扱う。
第2杭体24と第2杭頭フーチング241とは、剛接合および半剛接合のいずれも採用できる。
杭体2の構造計算は、杭頭部の接合がピン接合、半剛接合の異なる固定度の杭体2を同時に計算し、地震力の負担せん断力の割合を適切に評価できる計算プログラムにて設計用応力を算定する。
上部構造体3の基礎32は、独立基礎である。基礎32は、第1杭頭フーチング221および第2杭頭フーチング241それぞれの上に配置されるコンクリート製の上部フーチング31を複数有している。
図2-図4に示すように、上部構造体3には、第1水平方向に延び第1水平方向に隣接する上部フーチング31に架設される第1鉄骨大梁71と、第2水平方向に延び第2水平方向に隣接する上部フーチング31に架設される第2鉄骨大梁72と、が設けられている。
上部フーチング31は、第1鉄骨大梁71と第2鉄骨大梁72との交差部に配置される。第1鉄骨大梁71と第2鉄骨大梁72との交差部は、上部フーチング31のコンクリート313に埋設されている。第1鉄骨大梁71および第2鉄骨大梁72には、コンクリート313と定着するための頭付きスタッドなどのシアコネクタが設けられていてもよい。
第1水平方向に隣接する上部フーチング31どうしは、第1鉄骨大梁71によって接合されている。第2水平方向に隣接する上部フーチング31どうしは、第2鉄骨大梁72によって接合されている。
上部フーチング31の上には、柱9および床(不図示)が設けられる。
複数の上部フーチング31のうち、第1杭頭フーチング221の上に配置される上部フーチング31を第1上部フーチング311と表記し、第2杭頭フーチング241の上に配置される上部フーチング31を第2上部フーチング312と表記する。
第1上部フーチング311の平面視形状は、正方形であり、正方形の各辺が第1水平方向および第2水平方向に対して45°斜めに延びる向きに配置される。
第2上部フーチング312の平面視形状は、正方形または長方形であり、正方形の各辺が第1水平方向および第2水平方向に延びる向きに配置される。第2領域23の一部の平面視形状が略円形の部分231に設けられる第2上部フーチング312は、円の接線方向に沿った向きに配置される。
図3に示すように、すべり支承4は、第1杭頭フーチング221と第1上部フーチング311との間に設けられる。すべり支承4は、すべり板41と、すべり板41に沿って摺動可能なすべり材42と、を有する。すべり板41は、第1上部フーチング311の下面に固定される。すべり材42は、第1杭頭フーチング221の上に固定される。すべり材42は、すべり板41の下面に沿って摺動する。すべり支承4は、弾性すべり支承および剛すべり支承などのいずれかが選択されてもよいし、これらのうちの複数が併用されていてもよい。
図4に示すように、積層ゴム支承5は、第2杭頭フーチング241と第2上部フーチング312との間に設けられている。積層ゴム支承5は、例えば、高減衰ゴム系積層ゴム支承、天然ゴム系積層ゴム支承、鉛プラグ入り積層ゴム支承、錫プラグ入り積層ゴム支承などのいずれかが選択されてもよいし、これらのうちの複数が併用されていてもよい。
図5に示すように、第1上部フーチング311には、第1鉄骨大梁71と第2鉄骨大梁72との交差部73を囲むように配置され第1鉄骨大梁71および第2鉄骨大梁72と接合される鉄骨火打梁8が設けられている。鉄骨火打梁8は、第1上部フーチング311のコンクリート313に埋設されている。
鉄骨火打梁8は、第1水平方向および第2水平方向に対して45°斜めとなる方向に延びている。1つの第1上部フーチング311には、第1鉄骨大梁71と第2鉄骨大梁72との交差部73を囲むように4つの鉄骨火打梁8が設けられている。図5および図6に示すように、鉄骨火打梁8には、第1上部フーチング311のコンクリート313と定着するための頭付きスタッドなどのシアコネクタ81が設けられていてもよい。
第1上部フーチング311には、第1鉄骨大梁71、第2鉄骨大梁72および鉄骨火打梁8とコンクリート313との一体化を目的としたせん断伝達のためにシアコネクタ81に加えて補強鉄筋が設けられていてもよい。
例えば、上部フーチング31の上に設けられる柱9がRC造の柱の場合に、図3に示すように、第1上部フーチング311の内部にU字形補強筋82を設けてもよい。
鉄骨火打梁8と第1鉄骨大梁71および第2鉄骨大梁72との接合方法は、応力伝達が可能な接合方法であればよい。例えば、溶接接合、HTB接合、ピン接合、剛接合などであり、これらが組み合わされていてもよい。
次に、本実施形態による免震構造の作用・効果について説明する。
すべり支承4に生じる付加曲げモーメントは、すべり材42側でなくすべり板41側に作用するため、本実施形態よる免震構造1では、すべり板41を第1杭体22ではなく、上部構造体3の第1上部フーチング311に固定することにより、第1杭体22に作用する付加曲げモーメントを大幅に低減することができる。
一般に、杭頭免震では、杭頭部に梁がなく杭頭部分の固定度が期待できない為、免震装置が地震時に水平変形した際の付加曲げモーメントが杭体側に作用した場合、杭体自身で負担する必要がある。免震装置の付加曲げモーメント、いわゆるP-δの曲げは、非常に大きいため、杭耐力や剛性が不足して杭頭免震構造を採用できない事も多い。上述しているように、本実施形態の免震構造では、第1杭体22に作用する付加曲げモーメントを低減することができるため、杭頭免震構造の採用が容易となる。
本実施形態の免震構造では、付加曲げモーメントは、すべり板41側の上部構造体3の第1上部フーチング311に作用することになる。これに対し、本実施形態の免震構造では、鉄骨火打梁8が設けられることによって第1上部フーチング311が補強されるため、作用する付加曲げモーメントを処理できるとともに、地震時のすべり支承4の水平変形の際にも上部構造体3の重量を確実に負担できる。
また、すべり板41が第1上部フーチング311に固定されることにより、第1上部フーチング311が平面的に大型化する。このため、地震時に平面視において第1上部フーチング311の上部の柱9よりも外側まで移動することがあり、上部構造体3の重量を第1上部フーチング311の柱9よりも外側となる張出し部分で負担する必要が生じる。これに対し、本実施形態の免震構造では、鉄骨火打梁8が設けられることによって第1上部フーチング311が補強されるため、地震時に平面視において第1上部フーチング311の上部の柱9よりも外側まで移動する場合でも、上部構造体3の重量を負担できる。
本実施形態よる免震構造1では、鉄骨火打梁8には、シアコネクタ81が接合されている。このような構成とすることにより、第1上部フーチング311をより強固な構造とすることができる。
本実施形態よる免震構造1では、鉄骨火打梁8は、第1水平方向および第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びている。上部構造体3の第1上部フーチング311の外形を鉛直方向から見た平面視形状は、各辺が第1水平方向および第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びる正方形である。第1杭体22の杭頭部の第1杭頭フーチング221を鉛直方向から見た平面視形状も、各辺が第1水平方向および第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びる正方形である。このような構成とすることにより、第1杭体22の第1杭頭フーチング221と上部構造体3の第1上部フーチング311との平面視形状が対応するため、すべり支承4の設置が容易となる。
本実施形態よる免震構造1では、地震時に杭頭部の回転変形により免震装置が水平変形し、この免震装置の水平変形によって杭頭部に生じる付加曲げモーメントは、免震装置が積層ゴム支承の場合よりもすべり支承の場合の方が小さくできる。本実施形態による免震構造1では、すべり支承4が設けられる第1杭体22は、隣接する第1杭体22と杭頭部どうしを連結せず、杭頭部に積層ゴム支承5が設けられる第2杭体24は隣接する第2杭体24と杭頭部どうしをつなぎ梁6で連結している。これにより、本実施形態による免震構造1では、すべり支承4が設置される第1杭体22の杭頭部に生じる比較的小さい付加曲げは、第1杭体22によって処理され、積層ゴム支承5が設置される第2杭体24の杭頭部に生じる比較的大きい付加曲げモーメントは、第2杭体24およびつなぎ梁6によって処理される構造とすることができる。このようにすることにより、すべての杭体の杭頭部同士をつなぎ梁6で連結する場合と比べて、積層ゴム支承5が設置される第2杭体24の杭頭部どうしだけをつなぎ梁6で連結すればよいため、工期短縮およびコスト削減を図ることができる。また、すべての杭体の杭頭部同士をつなぎ梁6で連結する場合と比べて、建物重量を軽減でき、杭体の本数や杭径等を削減できる。
すべり支承4が設けられる第1杭体22は、杭頭部を連結せず、積層ゴム支承5が設けられる第2杭体24は、杭頭部どうしをつなぎ梁6で連結する設計とすればよいため、架構計画などを容易に設計できる。
以上、本発明による免震構造の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、第1水平方向と第2水平方向とは直交しているが、直交していなくてもよい。
上記の実施形態では、第1上部フーチング311は、第1鉄骨大梁71と第2鉄骨大梁72との交差部73に配置され、交差部73を囲むように配置され第1鉄骨大梁71および第2鉄骨大梁72と接合される鉄骨火打梁8が設けられ、交差部73および鉄骨火打梁8がコンクリート313に埋設されている。これに対し、第1上部フーチング311には、鉄骨火打梁8が設けられていなくてもよい。
鉄骨火打梁8には、シアコネクタ81が接合されているが接合されていなくてもよい。鉄骨火打梁8にシアコネクタ81が接合される場合は、シアコネクタ81の種類は適宜設定されてよい。
上記の実施形態よる免震構造1では、鉄骨火打梁8は、第1水平方向および第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びている。第1杭体22の杭頭部の第1杭頭フーチング221および上部構造体3の第1上部フーチング311の平面視形状は、第1水平方向および第2水平方向に対して45°斜めとなる正方形である。鉄骨火打梁8が延びる方向および第1杭頭フーチング221および第1上部フーチング311の平面視形状は、適宜設定されてよい。
第2杭頭フーチング241および第2上部フーチング312の平面視形状についても適宜設定されてよい。
上記の実施形態による免震構造1では、すべり支承4および積層ゴム支承5が設けられているが、すべり支承4のみが設けられていてもよい。この場合は、すべての杭体2が第1杭体22に相当し、杭頭部には第1上部フーチング311が設けられ、その上方には上部構造体3の第1上部フーチング311が配置される。
上記の実施形態による免震構造1では、水平方向に隣接する第2杭頭フーチング241は、つなぎ梁6で連結されているが、連結されていなくてもよい。水平方向に隣接する第2杭頭フーチング241は、つなぎ梁6に代わってマットスラブなどの連結材で連結されていてもよい。
1 免震構造
2 杭体
3 上部構造体
4 すべり支承
5 積層ゴム支承
6 つなぎ梁(連結材)
8 鉄骨火打梁
9 柱
11 構造物
21 第1領域
22 第1杭体
23 第2領域
24 第2杭体
31 上部フーチング
32 基礎
41 すべり板
42 すべり材
71 第1鉄骨大梁
72 第2鉄骨大梁
73 交差部
81 シアコネクタ
82 U字形補強筋
221 第1杭頭フーチング(杭頭部、フーチング)
231 円形部分
241 第2杭頭フーチング(杭頭部)
311 第1上部フーチング(上部基礎)
312 第2上部フーチング
313 コンクリート

Claims (3)

  1. 地中に埋設され第1水平方向および前記第1水平方向に交差する第2水平方向に配列された複数の杭体と、
    前記複数の杭体の杭頭部それぞれの上方に設けられ、前記杭体と水平方向に相対変位可能な上部構造体の上部基礎と、
    前記第1水平方向に延び前記第1水平方向に隣接する前記上部基礎に架設される第1鉄骨大梁と、
    前記第2水平方向に延び前記第2水平方向に隣接する前記上部基礎に架設される第2鉄骨大梁と、
    前記複数の杭体それぞれの杭頭部と前記上部基礎との間に設けられるすべり支承と、を有し、
    前記すべり支承は、
    前記上部基礎の下面に固定されたすべり板と、
    前記杭体の杭頭部の上に固定され、前記すべり板の下面に沿って摺動可能なすべり材と、を有し、
    前記上部基礎は、前記第1鉄骨大梁と前記第2鉄骨大梁との交差部に配置され、
    前記交差部を囲むように配置され前記第1鉄骨大梁および前記第2鉄骨大梁と接合される鉄骨火打梁と、
    前記交差部および前記鉄骨火打梁を埋設するコンクリートと、を有し、
    前記鉄骨火打梁は、H鋼であり、
    前記第1水平方向と前記第2水平方向とは、直交し、
    前記鉄骨火打梁は、前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びていて、
    前記上部基礎の外形を鉛直方向から見た平面視形状は、各辺が前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びる正方形であり、
    前記杭体の杭頭部に設けられたフーチングの外形を鉛直方向から見た平面視形状も、各辺が前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びる正方形である免震構造。
  2. 前記鉄骨火打梁には、シアコネクタが接合される請求項1に記載の免震構造。
  3. 地中に埋設され第1水平方向および前記第1水平方向に交差する第2水平方向に配列された複数の杭体と、
    前記複数の杭体の杭頭部それぞれの上方に設けられ、前記杭体と水平方向に相対変位可能な上部構造体の上部基礎と、
    前記第1水平方向に延び前記第1水平方向に隣接する前記上部基礎に架設される第1鉄骨大梁と、
    前記第2水平方向に延び前記第2水平方向に隣接する前記上部基礎に架設される第2鉄骨大梁と、
    前記複数の杭体それぞれの杭頭部と前記上部基礎との間に設けられるすべり支承と、を有し、
    前記すべり支承は、
    前記上部基礎の下面に固定されたすべり板と、
    前記杭体の杭頭部の上に固定され、前記すべり板の下面に沿って摺動可能なすべり材と、を有し、
    前記上部基礎は、前記第1鉄骨大梁と前記第2鉄骨大梁との交差部に配置され、
    前記交差部を囲むように配置され前記第1鉄骨大梁および前記第2鉄骨大梁と接合される鉄骨火打梁と、
    前記交差部および前記鉄骨火打梁を埋設するコンクリートと、を有し、
    前記第1水平方向と前記第2水平方向とは、直交し、
    前記鉄骨火打梁は、前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びていて、
    前記上部基礎の外形を鉛直方向から見た平面視形状は、各辺が前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びる正方形であり、
    前記杭体の杭頭部に設けられたフーチングの外形を鉛直方向から見た平面視形状も、各辺が前記第1水平方向および前記第2水平方向に対して45°傾斜した方向に延びる正方形である免震構造。
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