JP7405121B2 - 組立体 - Google Patents

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Description

本発明は、複数枚の窒化珪素焼結基板が堆積された複数の堆積体と、多段に積上げられ、複数の堆積体が多段に載置された載置板と、を備えた組立体に関する。
パワー半導体モジュール等に使用される回路基板は、高い絶縁性、機械的強度、熱伝導率等を有する窒化珪素焼結基板と、それにろう付け又は直接接合法(DBC)により接合された金属製の回路板及び放熱板とで構成されている。半導体モジュールの場合、回路板に半導体チップが接合される。動作中の半導体チップの放熱を効率良く行うため、窒化珪素焼結基板には高い熱伝導率が要求される。勿論、窒化珪素焼結基板には高い絶縁性(電気抵抗率)も要求される。
WO 2010/002001(特許文献1)は、窒化珪素粉末、酸化マグネシウム粉末及び希土類元素酸化物粉末からなるシート状成形体を、1650℃から300℃/hr以下の速度で1800~2000℃の温度に昇温し、2~10時間保持することにより焼結した後、100℃/hr以上の速度で1500℃まで冷却することにより、高強度かつ高熱伝導率で耐熱衝撃性に優れた窒化珪素焼結基板を製造する方法を開示している。
WO 2013/146789(特許文献2)は、窒化珪素粉末とMg及び少なくとも1種の希土類元素を含有する焼結助剤粉末を含むシート状成形体を、第一の温度域(1650~2000℃)及び第二の温度域(1400~1700℃)に保持した後、100℃/hr以上の速度で冷却することにより、粒界相の分布が均一でMg偏析が抑制され、反り及びうねりが抑制され、十分な機械的強度及び熱伝導率を有する窒化珪素焼結基板を製造する方法を開示している。
しかし、特許文献1及び2の方法でも、焼成炉に投入するシート状成形体の枚数を増加させたところ、高強度で反りが抑制された窒化珪素焼結基板を歩留り良く得ることができなくなった。従って、生産性を高めるために焼成炉に投入するシート状成形体の枚数を増加させた(例えば、焼成炉内のシート状成形体の総体積が2000 cm3以上の)場合でも、高強度で反りが抑制された窒化珪素焼結基板を歩留り良く得ることができる方法の開発が望まれている。
WO 2010/002001公報 WO 2013/146789公報
従って本発明の目的は、焼成炉内の焼成容器に入れるシート状成形体の枚数を増加させても、反りが小さく高強度を有する焼結基板を歩留まり良く得ることができる組立体を提供することである。
複数枚の窒化珪素焼結基板が堆積された堆積体であって、前記複数の窒化珪素焼結基板は、10枚以上であり、うち70%以上の窒化珪素焼結基板で反りが3.2μm/mm以下である。
本発明の方法は、焼成炉内で一度に焼結するグリーンシートの枚数を増加しても歩留り良くかつ効率良く焼結基板を得ることができる。
窒化珪素焼結基板の製造方法を示すフローチャートである。 複数枚のグリーンシートの堆積体を示す断面図である。 グリーンシート堆積体の上面に重し板を配置する様子を示す断面図である。 重し板を載せたグリーンシート堆積体を載置した多段フレームを収容する二重構造の焼成容器を示す断面図である。 内側容器及び外側容器の下板上に、載置板を介して一つのグリーンシート堆積体を載せた状態を示す断面図である。 図5に示す載置板の上に縦枠部材を介してもう一つの載置板を配置し、その上に二つ目のグリーンシート堆積体を載せた状態を示す断面図である。 小型焼成炉を示す断面図である。 大型焼成炉を示す断面図である。 図8のA-A断面図である。 小型焼成炉を用いて窒化珪素焼結基板を製造する場合の温度プロファイルを示すグラフである。 大型焼成炉を用いて窒化珪素焼結基板を製造する場合の温度プロファイルを示すグラフである。 定盤に載置された窒化珪素焼結基板の表面にレーザ光を照射して、反りを計測する様子を示す断面図である。 定盤に載置された窒化珪素焼結基板の表面に3本の走査線に沿ってレーザ光を照射する様子を示す平面図である。 窒化珪素焼結基板の反りを求める方法を示す断面図である。 実施例1の焼結工程における第二の温度保持域P2、第一の冷却域P3及び第二の冷却域P4の温度パターンを示すグラフである。
本発明の実施形態を図面を参照して以下詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更することができる。各実施形態の説明は、特に断りがなければ他の実施形態にも当てはまる。
[1] 焼成容器内の温度制御方法
本発明の方法は、原料粉末のスラリーから成形した複数枚のグリーンシートを堆積して得られたグリーンシート堆積体を入れた焼成容器を焼成炉内に入れた状態で焼結する工程と、得られた焼結体を冷却する工程とにおける焼成容器内の温度制御方法である。本発明の方法は、特に各辺の長さが100 mm以上で、厚さが0.7 mm以下と大型で薄い窒化珪素焼結基板を製造するのに好適である。
本発明の一実施態様に用いる原料粉末は、80~98.3質量%の窒化珪素(Si3N4)粉末を主成分とし、焼結助剤として0.7~10質量%(酸化物換算)のMg化合物粉末、及び1~10質量%(酸化物換算)の少なくとも1種の希土類元素の化合物粉末を含む。窒化珪素焼結基板の密度、曲げ強度及び熱伝導率の観点から、窒化珪素粉末のα化率は20~100%であるのが好ましい。
窒化珪素粉末が80質量%未満であると、得られる窒化珪素焼結基板の曲げ強度及び熱伝導率が低すぎる。一方、窒化珪素粉末が98.3質量%を超えると、焼結助剤が不足し、緻密な窒化珪素焼結基板を得られない。
Mg化合物粉末が酸化物換算で0.7質量%未満であると、低温で生成する液相が不十分である。一方、Mg化合物粉末が酸化物換算で10質量%を超えると、Mgの揮発量が多くなり、窒化珪素焼結基板に空孔が生じやすくなる。Mg化合物粉末の含有量(酸化物換算)は好ましくは0.7~7質量%であり、より好ましくは1~5質量%であり、最も好ましくは2~5質量%である。
希土類元素化合物粉末が酸化物換算で1質量%未満であると、窒化珪素粒子間の結合が弱くなり、クラックが粒界を容易に伸展することから曲げ強度が低くなる。一方、希土類元素化合物粉末が酸化物換算で10質量%を超えると、粒界相の割合が多くなり、熱伝導率が低下する。希土類元素化合物粉末の含有量(酸化物換算)は好ましくは2~10質量%であり、より好ましくは2~5質量%である。従って、Si3N4粉末の含有量は好ましくは83~97.3質量%であり、より好ましくは90~97質量%である。希土類元素としては、Y、La、Ce、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等を使用することができるが、中でも、Yは窒化珪素焼結基板の高密度化に有効であり好ましい。Mg及び希土類元素はそれぞれ酸化物粉末の形態で使用するのが好ましい。従って、好ましい焼結助剤は、MgO粉末とY2O3粉末との組合せである。
図1は、窒化珪素焼結基板を製造する方法の好ましい一例を示すフローチャートである。説明の簡略化のために、窒化珪素粉末を「Si3N4粉末」と表記し、Mg化合物粉末を「MgO粉末」と表記し、希土類元素化合物粉末を「Y2O3粉末」と表記する。勿論、本発明はこれらの原料粉末に限定されない。
(1) 原料粉末の混合工程S1
Si3N4粉末、MgO粉末及びY2O3粉末に加えて、可塑剤、有機バインダー及び有機溶剤(例えばエチルアルコール)をボールミル等で混合し、スラリーを作製する。スラリーの固形分濃度は30~70質量%が好ましい。
(2) 成形工程S2
スラリーを脱泡及び造粘した後、例えばドクターブレード法により長尺帯状のグリーンシートに成形する。グリーンシートの厚さは、形成すべき窒化珪素焼結基板の厚さ(例えば、0.7 mm以下)及び焼結収縮率を考慮して適宜設定する。長尺帯状のグリーンシートを打ち抜くか切断し、各辺の長さが100 mm以上の窒化珪素焼結基板が得られる形状及びサイズの個々のグリーンシートを得る。
(3) 堆積工程S3
窒化珪素焼結基板を効率的に製造するために、図2に示すように、複数枚のグリーンシート1を分離自在に堆積し、グリーンシート堆積体10とする。焼結後に容易に分離し得るように、グリーンシート1の間に窒化硼素(BN)粉末層2を介在させるのが好ましい。BN粉末層2の厚さは約1~20μmとするのが好ましい。BN粉末層2は、各グリーンシート1の一面にBN粉末のスラリーをスプレー又はブラシにより塗布することにより形成することができる。
図3に示すように、得られる窒化珪素焼結基板の反りを抑制するために、グリーンシート堆積体10の上面に重し板11を載置し、各グリーンシート1に荷重を作用させる。各グリーンシート1に作用する荷重は10~600 Paの範囲内とするのが好ましい。荷重が10 Pa未満の場合、焼結された窒化珪素焼結基板に反りが生じやすい。一方、荷重が600 Paを超えると、各グリーンシート1が荷重により拘束されて焼結時の円滑な収縮が阻害されるため、窒化珪素焼結基板にクラックや割れが発生しやすい。各グリーンシート1に作用する荷重は20~300 Paが好ましく、20~200 Paがより好ましく、30~150 Paが最も好ましい。
重し板11の重量がW1gで、各グリーンシート1の重量及び面積がそれぞれW2 g及びS cm2で、堆積体10中のグリーンシート1がn枚であるとすると、最上層のグリーンシート1aにかかる荷重は98×(W1/S) Paであり、最下層のグリーンシート1bにかかる荷重は98×[W1+W2×(n-1)]/S Paである。例えば、重し板11として厚さ2 mmのBN板を使用し、グリーンシート堆積体10が10枚のグリーンシート1を有すると、最下層のグリーンシート1bにかかる荷重は最上層のグリーンシート1aにかかる荷重の約3~4倍である。この点を考慮に入れて、重し板11の重量、及びグリーンシート堆積体10中のグリーンシート1の枚数を設定する。重し板11の重量がW1は、最下層のグリーンシート1bでも10~600 Paの範囲内の荷重を受けるとともに、収縮が拘束されずに反りなく焼結されるように設定するのが好ましい。
(4) 脱脂工程S4
グリーンシート1は有機バインダー及び可塑剤を含有するので、焼結工程S5の前に、グリーンシート堆積体10を大気中で900℃以下(好ましくは400~800℃)に加熱して、脱脂する。脱脂後のグリーンシート1は脆いので、堆積体10の状態で脱脂するのが好ましい。
(5) 焼結工程S5
(A) 焼成容器
図4は、複数のグリーンシート堆積体10を同時に焼結するための焼成容器の一例を示す。焼成容器20は、各グリーンシート堆積体10を載置した載置板21を多段に積み上げた組立体30と、組立体30を収容する内側容器40と、内側容器40を収容する外側容器50とからなる。上下方向に隣接する載置板21の間隔は、縦枠部材22で保持する。焼成容器20を内側容器40及び外側容器50の二重構造とすることにより、グリーンシート1中のSi3N4の分解、及びMgOの揮発及び分解を抑制でき、また後述する詰め粉に含まれるMgOの分解も抑制できる。
内側容器40及び外側容器50はいずれもBN製であるのが好ましいが、外側容器50をCVDによりBNをコーティングした黒鉛製とすることもできる。BNをコーティングした黒鉛製の外側容器50の場合、熱伝導の良い黒鉛により昇温時及び冷却時の温度分布を均一化しやすく、窒化珪素焼結基板の反りを抑制できるだけでなく、BNコーティングにより黒鉛による還元性雰囲気(Si3N4を分解するおそれがある)の生成を防止できる。内側容器40は下板40a、側板40b及び上板40cからなり、外側容器50は下板50a、側板50b及び上板50cからなる。
載置板21に反りがあると、載置板21と接触する最下層のグリーンシート1bには、載置板21の上面と接触する部分と接触しない部分とが生じる。そうすると、焼結時にグリーンシート1bの非接触部は収縮しやすく、接触部は収縮しずらいので、グリーンシート1b中に不均一な収縮が生じ、反りの原因となる。また、最下層のグリーンシート1bの反りは上層のグリーンシート1にも波及する。このため、載置板21の上面はできるだけ平坦である必要があり、具体的には、反りは3.2μm/mm以内であるのが好ましい。載置板21の反りは、窒化珪素焼結基板の反りと同じ方法で測定できる。
図4に示すように、内側容器40内に詰め粉24を配置するのが好ましい。詰め粉24は、例えば、0.1~50質量%のMgを含む酸化物(MgO等)又は窒化物(MgSiN2等)の粉末、25~99質量%の窒化珪素(Si3N4)粉末、及び0.1~70質量%の窒化硼素(BN)粉末を含む混合粉末であるのが好ましい。詰め粉24中の窒化珪素粉末及びMgを含む酸化物又は窒化物の粉末は、1400℃以上の高温で揮発し、焼結雰囲気中のMg及びSiの分圧を調整し、グリーンシート1から窒化珪素及びマグネシアが揮発するのを抑制する。BN粉末は、詰め粉24中の窒化珪素粉末及びMgを含む酸化物又は窒化物の粉末の凝着を防止する。詰め粉24のハンドリングを容易にするとともに、グリーンシート1に接触するのを防止するために、詰め粉24を最上段の載置板21aの上に配置するのが好ましい。また、最上段の載置板21aの上に焼成容器20内の温度を測定するための熱電対60を設ける。
詰め粉の量は、グリーンシート1の総表面積(グリーンシート1が複数枚の場合、全グリーンシート1の表面積の合計)当たり0.01~0.2 g/cm2であるのが好ましい。詰め粉量が0.01 g/cm2未満の場合、焼結時のグリーンシートからのSi3N4及びMgOの分解を十分に抑制できず、密度低下の原因となる。また詰め粉量が0.2 g/cm2超の場合、詰め粉から揮発するMgが過多になり、窒化珪素焼結基板の強度低下、外観異常(例えば、変色)、MgOの偏析等の原因となる。
図示の例では詰め粉24を内側容器40内に配置しているが、詰め粉24を内側容器40と外側容器50との間に配置してもよい。その場合、飛散した詰め粉24がグリーンシート1の表面に付着したまま焼結され、窒化珪素焼結基板に凹凸が形成されるといった故障を抑制する
ことができる。
図5に示すように、外側容器50の下板50aの上面に内側容器40の下板40aを載置し、下板40aの上面に載置板21を置き、その上にグリーンシート堆積体10及び重し板11を載置する。図6に示すように、載置板21の外周部位上に縦枠部材22を設置し、次の段の載置板21を置き、その上にグリーンシート堆積体10及び重し板11を載置する。所望段(段数:m)のグリーンシート堆積体10及び重し板11を載せた組立体30を形成した後、最上段の載置板21aの上面に詰め粉24を配置する。次いで、内側容器40の側板40b及び上板40cを組み立て、さらに外側容器50の側板50b及び上板50cを組み立てて、堆積体10を収容した焼成容器20を完成する。このような焼成容器20を所望の数だけ焼成炉(図示せず)に配置する。
堆積体10のグリーンシートの枚数は、例えば10~20枚とすることができる。例えば、各堆積体10が10枚のグリーンシート1からなる場合、段数mは8~18段(グリーンシート80~180枚)とすることができ、さらに例えば段数mは10~16段(グリーンシート100~160枚)としてもよい。また例えば、堆積体10が20枚のグリーンシートからなる場合、例えば、m=10(グリーンシート200枚)程度である。
(B) 焼成炉
(1) 小型焼成炉
図7に示すように、1つの焼成容器20が配置される小型焼成炉70は、ヒータ(図示せず)と、台板71上の焼成容器20を包囲するカーボン製の筒状体72とを具備する。小型焼成炉70では、焼成容器20内の温度は小型焼成炉70内の温度(小型焼成炉70の内壁70aと筒状体72の外壁72aとの間の温度)に素早く追随できるので、焼成容器20内の温度は小型焼成炉70内の温度とほぼ等しいと考えられる。従って、本発明では焼成容器20内の温度を小型焼成炉70内の温度により表す。小型焼成炉70内の温度は、例えば、筒状体72の外壁72a近傍に配置したターゲット(図示せず)の温度を放射温度計80により測定することができる。なお、最上段の載置板21aの上に設けた熱電対60により測定したグリーンシート堆積体10の温度と、放射温度計80により測定した小型焼成炉70内の温度との比較から、両者の差は僅かであることが分かる。従って、熱電対60の耐熱温度より高い焼結温度を経る窒化珪素焼結基板の製造工程では、グリーンシート堆積体10の温度を焼成容器20内の温度により(小型焼成炉70内の温度により)表すのが好ましい。
(2) 大型焼成炉
図8及び図9に示すように、複数の焼成容器20が配置される大型焼成炉90は、外殻部91と、炉内の空間を形成する断熱層92と、ヒータ(図示せず)と、断熱層92内に載置されたカーボン製の筒状体93と、筒状体93に固定された支持板94と、複数の焼成容器20を載せて支持板94上に配置される台板95と、断熱層92を貫通する冷却パイプ96と、冷却パイプ96に設けられたバルブ96gと、冷却パイプ96に冷却用ガスを供給する冷却器97と、バルブ98gを有する雰囲気ガス供給管98と、バルブ99gを有する雰囲気ガス排出管99とを具備する。焼成容器20内の最上段の載置板21aの上に、焼成容器20内の温度を測定するための熱電対60を設ける。焼成容器20内の温度は焼成炉90内の温度に素早く追随できないので、焼成容器20内の温度は焼成炉90内の温度から比較的大きく乖離する。
焼成容器20内の温度と焼成炉90内の温度との相関は焼成炉90ごとに異なるので、温度の相関関係を焼成炉90ごとに決める必要がある。例えば、(a) 焼成炉90内の温度変化を放射温度計80により測定するとともに、焼成容器20内の温度変化を熱電対60により測定し、(b) それから求めた相関関係を利用して、焼成容器20内が所定の温度変化となるように焼成炉90内の温度変化を制御すれば良い。熱電対の耐熱温度を考慮して、所定の高温域における焼成容器20の温度変化を、所定の高温域より低い温度域(熱電対の耐熱温度域)における焼成容器20の温度変化から外挿しても良い。なお、大型焼成炉90の場合も、小型焼成炉70と同様に、グリーンシート堆積体10の温度と焼成容器20内の温度との間にも乖離があるが、両者の差は僅かである。従って、グリーンシート堆積体10の温度を焼成容器20内の温度(焼成炉90内の温度から求める。)により表す。
(C) 温度プロファイル
窒化珪素焼結基板を製造するときの本発明の一実施態様の温度プロファイルは、1680~2000℃の温度域まで昇温する工程と、1680~2000℃の温度範囲に保持する第一の温度保持域P1と、第一の保持温度P1より低く1400℃超の温度範囲の第二の温度保持域P2と、前記温度保持工程後の冷却工程(第一の冷却域P3及び第二の冷却域P4)とを有するのが好ましい。冷却工程については、小型焼成炉70と大型焼成炉90とで温度プロファイルが異なる。図10は小型焼成炉70を用いる場合の好ましい温度プロファイルPを示し、図11は大型焼成炉90を用いる場合の好ましい温度プロファイルP(第一の温度保持域P1以降を拡大したもの)を示す。図10のグラフにおいて、縦軸に示す温度は放射温度計80により測定した小型焼成炉70内の温度であるが、小型焼成炉70内の温度により焼成容器20内の温度を表すものとする。また、グリーンシート堆積体10の温度は焼成容器20内の温度に迅速に追随するので、縦軸の温度はグリーンシート堆積体10の温度とほぼ同じとみなしても良い。
(a) 昇温域
昇温域全体の平均昇温速度は特に限定されないが、図10に示すように、昇温の途中に徐熱域P0を設けるのが好ましい。徐熱域P0は、グリーンシート1に含まれる焼結助剤が窒化珪素粒子の表面の酸化層と反応して液相を生成する温度域である。徐熱域P0では、生成した液相の流動をうながして窒化珪素粒子が再配列すると同時に、α型からβ型に相変態して緻密化する。その結果、第一の温度保持域P1及び第二の温度保持域P2を経て、空孔径及び気孔率が小さく、曲げ強度及び熱伝導率の高い窒化珪素焼結基板が得られる。徐熱域P0の温度T0を、第一の温度保持域P1の温度T1より低い1400~1600℃の範囲内とし、徐熱域P0における加熱速度を300℃/hr以下とし、加熱時間t0を0.5~30時間とするのが好ましい。加熱速度は0℃/hrを含んでも良く、すなわち徐熱域P0が一定温度に保持する温度保持域でも良い。徐熱域P0における加熱速度は1~150℃/hrがより好ましく、1~100℃/hrが最も好ましい。加熱時間t0は1~25時間がより好ましく、5~20時間が最も好ましい。
(b) 温度保持域
焼結工程は、1680~2000℃の温度範囲の第一の温度保持域P1と、第一の保持温度より低く1400℃超の温度範囲の第二の温度保持域P2とを有するのが好ましい。第一の温度保持域P1は、徐熱域P0で生成した窒化珪素粒子が液相中で再配列しながら成長する領域で、さらに緻密化させる温度域である。β型窒化珪素粒子の大きさ及びアスペクト比(長軸と短軸の比)、焼結助剤の揮発による空孔の形成等を考慮して、第一の温度保持域P1の温度T1を1680~2000℃の範囲内とし、保持時間t1を約1~30時間とするのが好ましい。第一の温度保持域P1の温度T1が1680℃未満であると、窒化珪素焼結体を緻密化しにくい。一方、温度T1が2000℃を超えると、焼結助剤の揮発及び窒化珪素の分解が激しくなり、やはり緻密な窒化珪素焼結体が得られにくくなる。なお、1680~2000℃の温度範囲内であれば、第一の温度保持域P1内で加熱温度T1が変化(例えば徐々に昇温)しても良い。
第一の温度保持域P1の温度T1は1750~1950℃の範囲内がより好ましく、1800~1900℃の範囲内が最も好ましい。保持時間t1は2~20時間がより好ましく、3~10時間が最も好ましい。
第二の温度保持域P2は、焼結体を第一の温度保持域P1の温度T1よりやや低い温度T2に保持することにより、第一の温度保持域P1を経た液相をそのまま又は固液共存の状態で維持する温度域であると考えられる。第二の温度保持域P2の温度T2は1400℃超で第一の温度保持域P1の温度T1より低い温度であるのが好ましく、具体的には1400℃超1800℃未満であるのが好ましい。また、第二の温度保持域P2の保持時間t2は0.5~45時間が好ましい。第一の温度保持域P1の後に第二の温度保持域P2を設けることにより、窒化珪素焼結基板の反りを3.2μm/mm以内にすることができる。
第二の温度保持域P2の温度T2が1400℃以下であると、粒界相が結晶化しやすく、得られる窒化珪素焼結基板の曲げ強度が低下するおそれがある。温度T2は1500~1700℃がより好ましい。第二の温度保持域P2の保持時間t2は0.5~10時間がより好ましく、1~5時間が最も好ましい。第二の温度保持域P2の保持時間t2が0.5時間未満であると、粒界相の均一化が不十分である。
(c) 冷却域
冷却域は、第二の温度保持域P2で維持された液相を固化し、得られる粒界相の位置を固定する温度域である。冷却工程の温度プロファイルは、小型焼成炉と大型焼成炉とで異なる。
(1) 小型焼成炉の場合
小型焼成炉70を用いて窒化珪素焼結基板を製造する場合、冷却工程の温度プロファイルは、焼成容器20内の温度が1650℃から粒界相の凝固温度未満の温度T3までの第一の冷却域P3と、温度T3から900℃までの第二の冷却域P4とを有する。なお、粒界相の凝固温度は粒界相の凝固が終わる温度であり、そこまでが粒界相の固化温度域であり、それ以降が硬化温度域である。例えば、3.2質量%のMgO及び1.5質量%のY2O3を含有し、残部がSi3N4及び不可避的不純物からなる組成を有する窒化珪素では粒界相の凝固温度は約1400℃であるので、温度T3を1200℃とする。例えば、温度T3と粒界相の凝固温度との差は100~300℃であるのが好ましく、100~250℃であるのがより好ましい。第一の冷却域P3が1650~1200℃で、第二の冷却域P4が1200~900℃の場合を例にとって、以下詳細に説明する。
第一の冷却域P3は、粒界相が融解状態から過冷却状態に変わる温度域と考えられ、この温度域における冷却速度が低いと、焼結助剤として添加されたMgが分離し、Mg凝集相が生成する。また、第二の冷却域P4は、粒界相が過冷却状態からガラス状態(固体)に変化する温度域だと考えられ、冷却速度が高いと窒化珪素焼結基板の反りが増加する。従って、第一の冷却域P3における焼成容器20内の第一の平均冷却速度v1は、第二の冷却域P4における焼成容器20内の第二の平均冷却速度v2より大きい必要がある。
第一の平均冷却速度v1(℃/hr)はv1=(1650℃-1200℃)/t3[ただし、t3は第一の冷却域P3の時間(hr)である。]で表され、第二の平均冷却速度v2(℃/hr)はv2=(1200℃-900℃)/t4[ただし、t4は第二の冷却域P4の時間(hr)である。]で表される。なお、第一の冷却域P3より高い冷却温度域(第二の温度保持域P2から第一の冷却域P3の直前まで)における冷却速度は第一の平均冷却速度v1と異なっていても良いが、同じである方が好ましい。第一の冷却域P3における第一の平均冷却速度v1を300~600℃/hrとし、第二の冷却域P4における第二の平均冷却速度v2を160~220℃/hrとすることができる。
第一の平均冷却速度v1と第二の平均冷却速度v2との比(v1/v2)は1.3以上であるのが好ましく、1.5以上であるのがより好ましい。上記第一及び第二の平均冷却速度v1及びv2を得るためには、第一の冷却域P3では焼成炉内に冷却用ガスとして雰囲気ガス(例えば、窒素ガス、或いはアルゴンガスを混合した窒素ガス)を供給することにより強制的な冷却を行い、第二の冷却域では炉冷(焼成炉を閉じた状態でヒータを停止した自然冷却)を行うのが好ましい。強制冷却は、(a) 小型焼成炉70内の雰囲気ガスを冷却器で冷却して循環させるか、(b) 小型焼成炉70内への雰囲気ガスの流量を増大させることにより行うのが好ましい。このような条件の第一及び第二の冷却域P3、P4を経ることにより、グリーンシート及び焼成容器の数が多い場合でも、高い曲げ強度を有し、反りが抑制された窒化珪素焼結基板を歩留り良く製造することができる。
(2) 大型焼成炉の場合
大型焼成炉90を用いて窒化珪素焼結基板を製造する場合、図11に示すように、大型焼成炉90内の雰囲気温度に対するグリーンシート堆積体10の温度の追随性は低下する。従って、(a) 大型焼成炉90内の雰囲気温度が焼結工程の第二の温度保持域P2の温度T2未満で1000℃以上の範囲内に、強制的な冷却を開始する温度(強制冷却開始温度)T4を設け、(b) (強制冷却開始温度T4+100℃)の温度から強制冷却開始温度T4までの範囲P5における第三の平均冷却速度v3を、強制冷却開始温度T4から(強制冷却開始温度T4-100℃)の温度までの範囲P6における第四の平均冷却速度v4より小さくする。
強制冷却は、(a) 大型焼成炉90内の雰囲気ガスを冷却器で冷却して循環させるか、(b) 大型焼成炉90内への雰囲気ガスの流量を増大させることにより行うのが好ましい。(a) の場合、冷却器97を具備する冷却パイプ96のバルブ96gを開放し、大型焼成炉90内の雰囲気ガスを冷却器97で冷却して循環させる。(b) の場合、雰囲気ガス供給管98のバルブ98gの開度を大きくするとともに、雰囲気ガス排出管99のバルブ99gの開度も大きくし、大型焼成炉90内を流通する雰囲気ガスの流量を増大させる。強制冷却を行うことにより、各焼成容器20内のグリーンシート堆積体10の冷却温度は、図11に示すように、平均冷却速度が小さい冷却域P3と、平均冷却速度が大きい冷却域P4とからなり、図10に示す小型焼成炉70を用いる場合の冷却温度プロファイルに近似する。
[2] 窒化珪素焼結基板
上記方法により、各辺の長さが100mm以上で、厚さが0.7mm以下と大型で薄い窒化珪素焼結基板が得られる。窒化珪素焼結基板は、反りが3.2μm/mm以内で、3点曲げ強度が700MPa以上である。反りが3.2μm/mm以内であるので、窒化珪素焼結基板にろう材等を介して金属製回路板又は放熱板(まとめて「金属板」と言うこともある。)を接合し、回路基板を形成した場合、窒化珪素焼結基板と金属板との接合界面にボイド(窒化珪素焼結基板が金属板と接着していない部分)の発生が抑制され、回路基板の熱伝導性が向上する。反りは好ましくは2.5μm/mm以内であり、より好ましくは1.5μm/mm以内である。反りの実用的下限は0.1μm/mm程度である。
窒化珪素焼結基板100の反りは、三次元レーザ計測器(株式会社キーエンス製LT-8100)を用いて、下記の通り測定する。図12及び図13に示すように、定盤101に載置された窒化珪素焼結基板100の表面に対して、三次元レーザ計測器110により3本の走査線X1、X2、X3に沿ってレーザ光111を走査する。走査線X1及びX3は窒化珪素焼結基板100の各側端から10mmだけ内側にあり、走査線X2は窒化珪素焼結基板100の中心線である。図14に示すように、窒化珪素焼結基板100の表面上の走査線X1の両端A1及びB1を結ぶ直線C1を水平にし、直線C1から最も上方に離隔した点E1の高さG1と、最も下方に離隔した点F1の高さH1とを求める。点E1と点F1との垂直方向距離(G1+H1)を走査線X1の長さL1で割り、(G1+H1)/L1の値を求める。これを他の走査線X2及びX3についても行い、(G2+H2)/L2及び(G3+H3)/L3の値求める。(G1+H1)/L1、(G2+H2)/L2及び(G3+H3)/L3の平均値を反りとする。なお、図12及び図14では窒化珪素焼結基板100の反りを誇張してある。
窒化珪素焼結基板を切断することにより個々の基板を作製するので、窒化珪素焼結基板は大きければ大きい程効率が良いが、その分反りの問題も大きくなる。製造効率と反りとのバランスの観点から、窒化珪素焼結基板のサイズを縦横それぞれ100 mm以上とする。好ましいサイズは120 mm×120 mmであり、より好ましいサイズは140 mm×140 mmである。半導体等の回路素子用の伝熱基板として用いる窒化珪素焼結基板は薄い程良いが、薄くなるほど製造は困難になる。伝熱基板としての性能と製造の困難性を考慮に入れて、窒化珪素焼結基板の厚さを0.7 mm以下とする。窒化珪素焼結基板の厚さは好ましくは0.5 mm以下であり、より好ましくは0.4 mm以下である。窒化珪素焼結基板の厚さの下限は実用的には0.1mmである。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
MgO粉末が3.0質量%、Y2O3粉末が2.0質量%、残部がSi3N4粉末及び不可避的不純物である原料粉末のスラリー(固形分濃度:60質量%)からドクターブレード法により帯状のグリーンシートを形成し、打ち抜きにより乾燥時のサイズが250 mm×200 mm×0.42 mmのグリーンシート1を形成した。図2に示すように、10枚のグリーンシート1をBN粉末を介して重ねて、グリーンシート堆積体10を得た。各グリーンシート堆積体10の上に重し板11を配置して、図4に示すように、焼成容器20に入れた。重し板11による最上層のグリーンシート1aへの荷重は40 Paであった。焼成容器20内では、グリーンシート堆積体10を載せた複数の載置板21を6段に重ねて組立体30とし、最上段の載置板21aの上面に、15質量%のマグネシア粉末、55質量%の窒化珪素粉末、及び30質量%の窒化硼素粉末からなる詰め粉24を配置した。各載置板21の反りは0.5μm/mm以内であった。1つの焼成容器20当たりのグリーンシート1の総枚数は60枚であり、総体積は1260 cm3であった。
1つの焼成容器20を小型焼成炉70に入れ、25℃/hrの昇温速度で10時間の徐熱域P0、1860℃の温度T1で5時間の第一の温度保持域P1、1650℃の温度T2で1時間の第二の温度保持域P2、1650℃から1200℃までの第一の冷却域P3、及び1200℃から900℃までの第二の冷却域P4を有する温度プロファイルにより、グリーンシート1を焼結し、厚さ0.32 mmの窒化珪素焼結基板を製造した。第一の冷却域P3及び第二の冷却域P4の平均冷却速度v1及びv2を表1に示す。第二の温度保持域P2、第一の冷却域P3及び第二の冷却域P4の間の温度パターンを図15に示す。また焼成容器当たりのグリーンシート1の枚数及び総体積、小型焼成炉70当たりのグリーンシート1の総体積、及びグリーンシート1の総表面積当たりの詰め粉量を表2に示す。
実施例2~5、比較例1及び2
第一及び第二の冷却域P3、P4における第一及び第二の平均冷却速度v1,v2、第一の平均冷却速度v1と第二の平均冷却速度v2との比(v1/v2)、並びに焼成容器20当たりのグリーンシート1の枚数を表1及び表2に示すように変更した以外実施例1と同様にして、窒化珪素焼結基板を製造した。焼成容器20当たりのグリーンシート1の枚数及び総体積、小型焼成炉70当たりのグリーンシート1の総体積、及びグリーンシート1の総表面積当たりの詰め粉量を表2に示す。
注:(1) 第一の冷却域P3において1650℃から1200℃まで一定の速度で冷却。
(2) 第二の冷却域P4において1200℃から900℃まで一定の速度で冷却。
注:(1) 焼成容器20当たり。
(2) 小型焼成炉70当たり。
(3) グリーンシート1の総表面積当たり。
得られた実施例及び比較例の窒化珪素焼結基板について、反り及び曲げ強度を以下の方法により測定し、反りの合格率、曲げ強度の合格率、並びに反り及び曲げ強度共に合格した率を表3に示す。
(1) 反り
窒化珪素焼結基板の全数について、図12及び図13に示す三次元レーザ計測器(株式会社キーエンス製LT-8100)を用いて、上記[2] の項で説明した方法により反りの評価を行った。反りが3.2μm/mm以下の窒化珪素焼結基板を合格とした。
(2) 曲げ強度
各窒化珪素焼結基板の任意の箇所から10枚の試験片(4 mm幅)を切り取り、三点曲げ試験法(支持ロール間距離:7 mm、クロスヘッド速度:0.5 mm/分)により曲げ強度の測定を行った。各窒化珪素焼結基板の10枚の試験片の曲げ強度の平均値が700 MPa以上の場合、その窒化珪素焼結基板を合格とした。
表1~表3から明らかなように、300~900℃/hrの平均冷却速度v1の第一の冷却域P3及び300℃/hr未満の平均冷却速度v2の第二の冷却域P4を経て得られた実施例1~5の窒化珪素焼結基板は、反りが小さく高い曲げ強度を有していた。これに対して、第二の冷却域P4の平均冷却速度v2が300℃/hr以上であった比較例1の窒化珪素焼結基板は、反りの合格率が著しく低かった。また、第一の冷却域P3の平均冷却速度v1が300℃/hr未満であった比較例2の窒化珪素焼結基板は、曲げ強度の合格率が著しく低かった。
1・・・グリーンシート
1a・・・最上層のグリーンシート
1b・・・最下層のグリーンシート
2・・・窒化硼素(BN)粉末層
10・・・グリーンシート堆積体
11・・・重し板
20・・・焼成容器
21・・・載置板
21a・・・最上段の載置板
22・・・縦枠部材
24・・・詰め粉
30・・・組立体
40・・・内側容器
40a・・・下板
40b・・・側板
40c・・・上板
50・・・外側容器
50a・・・下板
50b・・・側板
50c・・・上板
60・・・熱電対
70・・・小型焼成炉
70a・・・小型焼成炉の内壁
71・・・小型焼成炉の台板
72a・・・カーボン製筒状体の外壁
80・・・放射温度計
90・・・大型焼成炉
91・・・大型焼成炉の外殻部
92・・・大型焼成炉の断熱層
93・・・大型焼成炉のカーボン製筒状体
94・・・大型焼成炉の支持板
95・・・大型焼成炉の台板
96・・・大型焼成炉の冷却パイプ
97・・・大型焼成炉の冷却器
98・・・雰囲気ガス供給管
98g・・・雰囲気ガス供給管のバルブ
99・・・雰囲気ガス排出管
99g・・・雰囲気ガス排出管のバルブ
100・・・窒化珪素焼結基板
101・・・定盤
110・・・三次元レーザ計測器
111・・・レーザ光
P1・・・第一の温度保持域
P2・・・第二の温度保持域
P3・・・第一の冷却域
P4・・・第二の冷却域
P5・・・(強制冷却開始温度T4+100℃)の温度から強制冷却開始温度T4までの範囲
P6・・・強制冷却開始温度T4から(強制冷却開始温度T4-100℃)の温度までの範囲
T1・・・第一の温度保持域P1の温度
T2・・・第二の温度保持域P2の温度
T3・・・粒界相の凝固温度未満の温度
T4・・・強制冷却開始温度
v1・・・第一の冷却域P3における焼成容器内の第一の平均冷却速度
v2・・・第二の冷却域P4における焼成容器内の第二の平均冷却速度
v3・・・(強制冷却開始温度T4+100℃)の温度から強制冷却開始温度T4までの範囲における第三の平均冷却速度
v4・・・強制冷却開始温度T4から(強制冷却開始温度T4-100℃)の温度までの範囲における第四の平均冷却速度
X1、X2、X3・・・走査線

Claims (3)

  1. 数の窒化珪素焼結基板が分離可能に堆積された複数の堆積体と、
    多段に積上げられ、前記複数の堆積体が多段に載置された載置板と、を備え、
    前記複数の堆積体を構成する前記複数の窒化珪素焼結基板は、総枚数が80枚以上であり、前記複数の窒化珪素焼結基板の全数のうち70%以上の窒化珪素焼結基板で反りが3.2μm/mm以下であり、前記複数の窒化珪素焼結基板の全数のうち70%以上の窒化珪素焼結基板で3点曲げ強度が700MPa以上である、
    組立体。
  2. 前記複数の窒化珪素焼結基板は、その間に窒化硼素粉末層が介在している、
    請求項1に記載の組立体。
  3. 前記複数の窒化珪素焼結基板は、各々の窒化珪素焼結基板の各辺の長さが100mm以上で、厚さが0.7mm以下である、
    請求項1又は2に記載の組立体。
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