JP7400752B2 - 鍛接鋼管及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2で提案されているような鍛接衝合部の段差を低減する鍛接鋼管の製造方法においても、十分なフレア加工性を得る技術とはまだ言えない。
このように、従来の技術に対して、優れたフレア加工性を有する鍛接鋼管の技術として更なる改善が求められていた。
なお、フレア加工性に優れるとは、フレア加工後の外径が加工前の外径の1.6倍になるまで加工し、加工時に割れが生じない場合を指す。
そして、本発明者らは、鋼板を成形鍛接機で管状に成形しつつ、エッジ部を衝合して鍛接する方法において、得られる鍛接鋼管の最適な衝合部形状と衝合時の加熱温度について鋭意研究した。
そして、鋼管素材の性質を考慮しつつ、加熱時の温度を適切化することにより、鍛接衝合部の接着力と鍛接衝合部の形状が良好になり、高いフレア加工性を実現できることを見出した。
[1]管本体部に鍛接衝合部が管軸方向に形成された鍛接鋼管であって、
前記鍛接衝合部を中心に管外周方向両側1.0mmの範囲で、0.1mm間隔で計測された隣り合う鋼管肉厚の差の最大値△X(MAX)が0.10mm以下である、鍛接鋼管。
[2]前記鍛接衝合部から管外周方向両側5.0mmの位置における鋼管肉厚の差△X(5mm)が0.30mm以下である、前記[1]に記載の鍛接鋼管。
[3]前記管本体部の管軸方向端部にフレア加工部を有する、前記[1]又は[2]に記載の鍛接鋼管。
[4]前記[1]~[3]のいずれかに記載の鍛接鋼管を製造する方法であり、
鋼板を加熱し、
前記鋼板のエッジ部両側に加熱を施し、前記鋼板を管状に成形し、前記鋼板に酸素混合空気を吹き付け、前記エッジ部同士を衝合することで鍛接する鍛接鋼管の製造方法であって、
前記加熱における前記エッジ部両側夫々に対する加熱温度T1(℃)及びT2(℃)が以下の式(1)及び式(2)を満たす、鍛接鋼管の製造方法。
T1+100×Δx≦T2≦T1+150×△x ・・・式(1)
Tδ-5×(O2-20)≦T1 ・・・式(2)
ここで、前記式(1)、式(2)において、
△x(mm)=x1(mm)-x2(mm)、
x1(mm):前記エッジ部の一方の板厚、
x2(mm):前記エッジ部の他方の板厚、
x1≧x2、
T1(℃):板厚がx1(mm)である前記エッジ部の加熱温度、
T2(℃):板厚がx2(mm)である前記エッジ部の加熱温度、
Tδ(℃):前記鋼板のδフェライト相発生温度、
O2(体積%):前記酸素混合空気中の酸素濃度、
を満たす。
また、酸素混合空気とは、所望の酸素濃度(体積%)になるまで、空気に酸素を混合させた気体のことを指す。
図1は、本発明の鍛接鋼管1の管軸方向に垂直な断面を示す模式図である。
本発明の鍛接鋼管1は、管本体部11に鍛接衝合部12が管軸方向に形成されており、鍛接衝合部12を中心に管外周方向両側1.0mmの範囲で、0.1mm間隔で計測された隣り合う鋼管肉厚の差の最大値△X(MAX)が0.10mm以下である。
本発明の鍛接鋼管1では、鍛接衝合部12から管外周方向両側5.0mmの位置における鋼管肉厚の差△X(5mm)が0.30mm以下であることが好ましい。鍛接衝合部12を中心に管外周方向両側1.0mmの範囲で、0.1mm間隔で計測された隣り合う肉厚の差の最大値△X(MAX)が0.10mm以下とならない可能性があるためである。
また、本発明の鍛接鋼管1の外径は、好ましくは40A(外径48.6mm)~100A(外径114.3mm)である。
また、本発明の鍛接鋼管は、特に限定されないが、降伏強度YS:200~500MPaであることが好ましい。
本発明では、鋼帯のエッジ板厚差(鋼帯の両側幅端部における肉厚の差)が0.10mm以上であって、最終的に得られる鍛接鋼管において、△X(5mm)≧0.10mmであっても、後述の製造方法により、△X(MAX)≦0.10mmとすることができるが、△X(5mm)が0.30mmを超えると、△X(MAX)≦0.10mmとすることが困難となる可能性がある。このため、△X(5mm)は0.30mm以下とすることが好ましい。
なお、鋼管素材となる鋼帯のエッジ板厚差と鍛接鋼管1の鍛接衝合部12の左右の肉厚差を調査した結果、鍛接衝合部12から管外周方向両側5.0mmの位置での肉厚差と鋼帯のエッジ板厚差がおおよそ一致する。
図2(a)に示すように、鍛接衝合部12から管の外周方向に向かって両側5.0mmの位置15で鋼管の肉厚を計測する。5.0mmの位置は、まず鍛接衝合部12と管の外周の交点に管の外周の接線を引く。その後、その接線に沿って5.0mm移動し、そこから管の外周に向かって垂線を引き、その垂線と管の外周が交差した点を5.0mmの位置15とする。計測には顕微鏡を用いて計測し、位置15における外周に引いた接線に垂直な直線が管の断面を横切る長さを肉厚とする。計測後、肉厚が大きい値から小さい値の差を取り、その値を△X(5mm)とする。
鍛接衝合部12において、過大な段差が発生しているほど、鍛接衝合部12近傍の肉厚を計測した際に、隣り合う計測点の肉厚の差が大きくなる。この段差が大きいほど段差に応力が集中し、フレア加工を行う際に割れが発生し、所望の形状のフレア加工部が得られない。
より詳細に、段差とフレア加工性の関係を調査した結果、所望のフレア加工性を得るためには、鍛接衝合部12を中心に管外周方向両側1.0mmの範囲で、0.1mm間隔で計測された隣り合う板厚の差の最大値△X(MAX)が0.10mm以下であることが必要であると知見した。そのため、本発明の鍛接鋼管では、△X(MAX)は0.10mm以下とする。
好ましくは、△X(MAX)は0.09mm以下であり、より好ましくは、0.08mm以下である。
図2(b)に示すように、鍛接衝合部12と鋼管外周が交差する点において、鋼管外周の接線を引く。その接線に沿って両側1.0mmの位置から鋼管外周に向かって垂線を引き、その垂線と鋼管外周との交点を鍛接衝合部から左右に1.0mmの位置16とする。その後、図2(c)に示すように、前述のように引いた鍛接衝合部12と鋼管外周が交差する点において、鋼管外周の接線に沿って0.1mm間隔で垂線を鋼管外周に向かって引き、その垂線と鋼管外周が交差した点で肉厚を計測する。肉厚は各点で外周に引いた接線に垂直な直線が管の断面を横切る長さとする。肉厚の計測点数は鍛接衝合部12を含め、計21点となる。計測には鍛接衝合部12の近傍からサンプルを切り出し,顕微鏡を用いて画像を撮影し、計測する。このとき,サンプルを切り出した際の弾性変形の影響は無視できるほど小さい。計測後、左右隣り合う計測点での肉厚差を求め、その最大値を△X(MAX)とする。
本発明の鍛接鋼管1は、管本体部11の管軸方向端部にフレア加工部17を有してよい。本発明の鍛接鋼管1は、△X(MAX)が0.1mm以下であるため、フレア加工性に優れる。
フレア加工部17の外径18の大きさは特に限定されない。
本発明の鍛接鋼管1は、特に限定されないが、質量%で、C:0.01~0.12%、Si:0.1~0.5%、Mn:0.2~1.0%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Al:0.01~0.5%、Nb:0.01~0.3%、Cr:0.1~1.0%、Mo:0.01~0.5%、Ti:0.01~0.3%、N:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成であることが好ましい。以下に、各成分の限定理由を述べる。
Cは、0.01%以上で、所望の強度以上(管軸方向の降伏強度YS:200MPa以上の意、以下同じ)となる。一方、0.12%超えで延性が低下し,所望のフレア加工性を得られない。このため、C含有量は、0.01~0.12%であることが好ましい。より好ましくは、0.02%以上である。
Siは、0.1%以上で、衝合部接合力が増加し,所望のフレア加工性を得やすい。一方、0.5%超えで加熱時に発生する酸化物が増加して衝合部の接合力が低下する。このため、Si含有量は、0.1~0.5%であることが好ましい。
Mnは、0.2%以上で、所望の強度を得ることができる。一方、1.0%超えで衝合部接合力が低下し,所望のフレア加工性を得られない。このため、Mn含有量は、0.2~1.0%であることが好ましい。
Pが、0.02%超えであると、衝合部の接合力が低下し所望のフレア加工性を得られない。このため、P含有量は0.02%以下であることが好ましい。
Sが0.01%超えであると、衝合部の接合力が低下し所望のフレア加工性を得られない。このため、S含有量は、0.01%以下であることが好ましい。
Alは、0.01%以上で、衝合部接合力が向上し、所望のフレア加工性を得やすくなる。一方、0.5%超えであると、衝合部に存在する酸化物が増加し、衝合時に夾雑部として衝合部に残留し、衝合部の接合力が低下し所望のフレア加工性を得られない。このため、Al含有量は、0.01~0.5%であることが好ましい。
Nbは、0.01%以上で、衝合部接合力が向上し,所望のフレア加工性を得やすくなる。一方、0.3%超えであると、衝合部に存在する酸化物が増加し、衝合時に夾雑部として衝合部に残留し、衝合部の接合力が低下し所望のフレア加工性を得られない。このため、Nb含有量は、0.01~0.3%であることが好ましい。
Crは、0.1%以上で、衝合部接合力が向上し、所望のフレア加工性を得やすくなる。一方、1.0%超えであると、衝合部に存在する酸化物が増加し,衝合時に夾雑部として衝合部に残留し,衝合部の接合力が低下し所望のフレア加工性を得られない。このため、Cr含有量は、0.1~1.0%であることが好ましい。
Moは、0.01%以上で、衝合部接合力が向上し、所望のフレア加工性を得やすくなる。一方、0.5%超えであると、衝合部に存在する酸化物が増加し、衝合時に夾雑部として衝合部に残留し、衝合部の接合力が低下し所望のフレア加工性を得られない。このため、Mo含有量は、0.01~0.5%であることが好ましい。より好ましくは、Mo含有量は0.05%以上である。
Tiは、0.01%以上で、衝合部接合力が向上し、所望のフレア加工性を得やすくなる。一方、0.3%超えであると、衝合部に存在する酸化物が増加し、衝合時に夾雑部として衝合部に残留し,衝合部の接合力が低下し所望のフレア加工性を得られない。このため、Ti含有量は、0.01~0.3%であることが好ましい。より好ましくは、Ti含有量は0.1%以上である。
Nは、鋼中に固溶Nとして存在すると時効によりフレア加工性を低下させる。特に0.01%超えであると、所望のフレア加工性を得られない。このため、N含有量は、0.01%以下であることが好ましい。
上記の本発明の鍛接鋼管1を得るための製造方法としては、鋼板を加熱し、鋼板のエッジ部両側に加熱を施し、管状に成形し、この鋼板に酸素混合空気を吹き付け、エッジ部同士を衝合することで鍛接する。このとき、加熱におけるエッジ部両側夫々に対する加熱温度T1(℃)及びT2(℃)が以下の式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする。以下、エッジ部の加熱は、高周波加熱による方法について説明するが、加熱の方法は、高周波加熱に限定されない。なお、ここで、高周波加熱における高周波とは、加熱時の周波数が1000~10000Hzであることを指す。
T1+100×Δx≦T2≦T1+150×△x ・・・式(1)
Tδ-5×(O2-20)≦T1 ・・・式(2)
ここで、前記式(1)、式(2)において、
△x(mm)=x1(mm)-x2(mm)、
x1(mm):エッジ部の一方の板厚、
x2(mm):エッジ部の他方の板厚、
x1≧x2、
T1(℃):板厚がx1(mm)であるエッジ部の加熱温度、
T2(℃):板厚がx2(mm)であるエッジ部の加熱温度、
Tδ(℃):鋼板のδフェライト相発生温度、
O2(体積%):酸素混合空気中の酸素濃度、
を満たす。
その後、鋼帯22を加熱炉25で加熱し、高周波加熱器28で鋼帯22の両側のエッジ部のみを加熱(高周波加熱)する。本発明では、高周波加熱における高周波とは、加熱時の周波数が1000~10000Hzであることを指す。
このとき、後述するが、本発明では、高周波加熱器28による高周波加熱を高周波加熱器制御装置26及び演算装置27で制御することにより、エッジ部両側の板厚に基づいて、エッジ部両側夫々に対する高周波加熱温度を調整する。
また、得られた鍛接鋼管1は、管本体部11の管軸方向端部を拡管してつばだしすることで、フレア加工部を形成させられる。フレア加工の条件としては、特に限定されない。
T1+100×△x≦T2≦T1+150×△x ・・・式(1)
Tδ-5×(O2-20)≦T1 ・・・式(2)
式(1)、式(2)において、△x(mm)=x1(mm)-x2(mm)、
x1(mm):エッジ部の一方の板厚、
x2(mm):エッジ部の他方の板厚、
x1≧x2、
T1(℃):板厚がx1(mm)であるエッジ部の高周波加熱温度、
T2(℃):板厚がx2(mm)であるエッジ部の高周波加熱温度、
Tδ(℃):鋼板のδフェライト相発生温度、
O2(体積%):酸素混合空気中の酸素濃度、を満たす。
なお、x1=x2の場合には、T1=T2とすればよい。
加熱温度T1、T2については加熱装置での加熱直後の温度を計測することで得られる。
計測方法は特に限定されないが、放射温度計などにより温度を計測することができる。
δフェライト相は、γオーステナイト相に比べて、Feの拡散係数が高く、エッジ部両側の衝合時に表面に存在する溶融酸化物の鋼中への拡散や自己拡散が促進される。
これにより、鍛接衝合部12では、酸化物残存量が低下し接着力を増大させることができる。そのため、衝合時の鋼帯端部温度は、Tδより高くする必要があるが、高周波加熱のみでδフェライト相まで加熱すると必要なエネルギーが膨大になり、製造コストが増加する。また、高周波加熱のみでTδまで加熱したのち、酸素混合空気を吹き付けると鍛接衝合部が軟化し、溶融することで、衝合時に座屈が発生して良好な衝合部形状が得られない。そのため、酸素混合空気の吹き付けにより昇温させられる分について、高周波加熱での昇温量を低減させる。このとき、酸素混合空気の酸素濃度O2(体積%)と酸素混合空気の吹き付けによる昇温量△T(℃)との関係性は、△T=5×(O2-20)である。以上より、高周波加熱での加熱温度T1(℃)を「Tδ-5×(O2-20)」以上とする。
酸素混合空気とは、所望の酸素濃度(体積%)になるまで、空気に酸素を混合させた気体のことを指す。酸素混合空気中の酸素濃度が、20体積%未満の場合、酸化による発熱よりも吹き付けた空気による抜熱量が大きくなり、鋼帯の温度が高周波加熱後の温度よりも低下する。そのため、酸素混合空気中の酸素濃度は20体積%以上とすることが好ましい。また、好ましくは、22体積%以上である。また、酸素濃度が高すぎる場合、接合部の温度が融点を超え、接合部が溶融してしまう場合があるため、好ましくは、45体積%以下であり、より好ましくは40体積%以下である。
酸素混合空気中の酸素濃度O2(体積%)は、ノズル内に装着された酸素濃度計を使用することにより測定することができる。
その後、鋼帯を加熱炉で加熱し、高周波加熱器で鋼帯のエッジ部のみを加熱(高周波加熱)した。
さらに縮径圧延ロールで所望の外径まで絞り圧延し、鍛接鋼管を製造した。このとき、高周波加熱器での両側のエッジ部の高周波加熱温度T1(℃)及びT2(℃)は、以下の式(1)及び式(2)を満たすようにした。用いた鋼帯の成分組成は表1に示す。
T1+100×Δx≦T2≦T1+150×Δx ・・・式(1)
Tδ-5×(O2-20)≦T1 ・・・式(2)
ここで、式(1)、式(2)において、
△x(mm)=x1(mm)-x2(mm)、
x1(mm):エッジ部の一方の板厚、
x2(mm):エッジ部の他方の板厚、
x1≧x2、
T1(℃):板厚がx1(mm)であるエッジ部の高周波加熱温度、
T2(℃):板厚がx2(mm)であるエッジ部の高周波加熱温度、
Tδ(℃):鋼板のδフェライト相発生温度、
O2(体積%):酸素混合空気中の酸素濃度、を満たす。
降伏強度YSは、引張試験(JISZ2241(2020年) 試験片12号)により測定した。
その結果、フレア加工時に割れが発生し、フレア加工性が不良(×)であった。
11 管本体部
12 鍛接衝合部
13 フレア加工前外径
14 鋼管肉厚計測位置
15 鍛接衝合部から左右に5.0mm位置
16 鍛接衝合部から左右に1.0mmの位置
17 フレア加工部
18 フレア加工後外径
21 コイル
22 鋼帯
23 ルーパー
24 エッジ板厚計測装置
25 加熱炉
26 高周波加熱器制御装置
27 演算装置
28 高周波加熱器
29 鋼帯温度計測装置
30 成形鍛接機
31 ノズル
32 絞り圧延機
Claims (6)
- 管本体部に鍛接衝合部が管軸方向に形成された鍛接鋼管であって、
質量%で、C:0.01~0.12%、Si:0.1~0.5%、Mn:0.2~1.0%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Al:0.01~0.5%、Nb:0.01~0.3%、Cr:0.1~1.0%、Mo:0.01~0.5%、Ti:0.01~0.3%、N:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
前記鍛接衝合部を中心に管外周方向両側1.0mmの範囲で、0.1mm間隔で計測された隣り合う鋼管肉厚の差の最大値△X(MAX)が0.10mm以下である、鍛接鋼管。 - 前記鍛接衝合部から管外周方向両側5.0mmの位置における鋼管肉厚の差△X(5mm)が0.30mm以下である、請求項1に記載の鍛接鋼管。
- 前記管本体部の管軸方向端部にフレア加工部を有する、請求項1又は2に記載の鍛接鋼管。
- 鋼板を加熱し、
前記鋼板のエッジ部両側に加熱を施し、前記鋼板を管状に成形し、前記鋼板に酸素混合空気を吹き付け、前記エッジ部同士を衝合することで鍛接する鍛接鋼管の製造方法であって、
前記加熱における前記エッジ部両側夫々に対する加熱温度T1(℃)及びT2(℃)が以下の式(1)及び式(2)を満たす、
管本体部に鍛接衝合部が管軸方向に形成され、前記鍛接衝合部を中心に管外周方向両側1.0mmの範囲で、0.1mm間隔で計測された隣り合う鋼管肉厚の差の最大値△X (MAX) が0.10mm以下である鍛接鋼管の製造方法。
T1+100×△x≦T2≦T1+150×△x ・・・式(1)
Tδ-5×(O2-20)≦T1 ・・・式(2)
ここで、前記式(1)、式(2)において、
△x(mm)=x1(mm)-x2(mm)、
x1(mm):前記エッジ部の一方の板厚、
x2(mm):前記エッジ部の他方の板厚、
x1≧x2、
T1(℃):板厚がx1(mm)である前記エッジ部の加熱温度、
T2(℃):板厚がx2(mm)である前記エッジ部の加熱温度、
Tδ(℃):前記鋼板のδフェライト相発生温度、
O2(体積%):前記酸素混合空気中の酸素濃度、
を満たす。 - 前記鍛接衝合部から管外周方向両側5.0mmの位置における鋼管肉厚の差△X (5mm) が0.30mm以下である、請求項4に記載の鍛接鋼管の製造方法。
- 前記鍛接鋼管が前記管本体部の管軸方向端部にフレア加工部を有する、請求項4又は5に記載の鍛接鋼管の製造方法。
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