JP2024020761A - 鍛接鋼管の製造方法および鍛接鋼管 - Google Patents

鍛接鋼管の製造方法および鍛接鋼管 Download PDF

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Abstract

【課題】座屈を抑制した鍛接鋼管の製造方法および鍛接鋼管を提供する。【解決手段】鋼板を加熱し、前記鋼板を管状に成形し、向かい合わせた前記鋼板の幅方向端部同士を衝合することで鍛接し、前記衝合を行うに際し、以下の式(1)を満たす、鍛接鋼管の製造方法。110>(△T×U)/C・・・(1)ここで、△T(℃)=|Te(℃)-Tb(℃)|、Tb(℃):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅方向中央部の温度、Te(℃):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅方向端部の温度、C(%):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅L(mm)に対する板厚t(mm)の比率;100×t/L、U(%):衝合時のアップセット率;100×(L-X)/L、X(mm):予め設定される、衝合後の鍛接鋼管における外表面から肉厚方向t/2位置の管周長、である。【選択図】図2

Description

本発明は、配管に適する外面性状に優れた鍛接鋼管の製造方法および鍛接鋼管に関する。
安価で加工性に優れる鍛接鋼管は、水道用配管などの配管設備に用いられてきた。こうした配管同士を接続する方法として、例えば、グルービング継手が用いられる。このグルービング継手では管端部外表面を凹状に加工し、その部分にガスケットとハウジングを装着して管同士をつなぎ合わせる。この時、図1に示すように管外表面の管周方向に段差が存在していると、ここから流体が漏れ出す可能性がある。こうした段差は、接合時(衝合時)にアップセットによる力が過大となり、鋼帯が座屈することによって生じたものである。
こうした座屈に対して、例えば、特許文献1では、鍛接後、鍛接部に冷却水を噴射して冷却することにより、鍛接部に生じる座屈を防止する技術が開示されている。また、特許文献2では、鍛接を行うロールのロールギャップを変えることによりアップセット量を変化させ、偏平異常を防止する技術が紹介されている。
特許第3682682号公報 特開平2-182318号公報
しかしながら、特許文献1、2で提案されている技術では、座屈を改善する鍛接鋼管の技術としてはまだ十分とは言えず、他の技術の確立が希求されていた。
本発明は上記の課題を解決すべく、座屈を抑制した鍛接鋼管の製造方法および鍛接鋼管を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために、接合時(衝合時)に生じる鋼帯等の鋼板(以下、鋼帯とのみ記すことがある。)の座屈を防止する方法に関して検討を行った。
その結果、座屈には、接合(衝合)直前の鋼帯幅から計算することが可能なアップセット率(衝合時のアップセット率U(%))、鋼帯中央部(鋼帯(鋼板)の幅方向中央部)の温度(Tb)と鋼帯端部(鋼帯(鋼板)の幅方向端部)の温度(Te)との差(△T)および鋼帯幅(L)と板厚(t)の比(t/L)が影響することを知見した。
アップセット率が高くなるほど、接合力が強固になる反面、接合部(衝合部)に過大な応力が生じることで鋼帯端部が座屈しやすくなる。
一方で、鋼帯中央部と鋼帯端部の温度差が大きくなるほど、鋼帯端部(エッジ部)に応力が集中し、接合力が強固になる反面、鋼帯端部が座屈しやすくなる。
また、座屈を生じさせないアップセット率、鋼帯中央部と鋼帯端部の温度差の好適な範囲は、鋼帯幅と板厚の比によっても変化する。
こうして、アップセット率、鋼帯中央部の温度と鋼帯端部の温度との差、および鋼帯幅と板厚の比の関係式を検討し、この式から求められる値を好適な範囲内とすることで、得られる鍛接鋼管の座屈を抑制できることを見出した。
本発明はかかる知見に基づいて、さらに検討を加えて完成されたものであり、本発明は、上記の課題を解決するために以下の手段を採用する。
[1]鋼板を加熱し、
前記鋼板を管状に成形し、
向かい合わせた前記鋼板の幅方向端部同士を衝合することで鍛接し、
前記衝合を行うに際し、以下の式(1)を満たす、鍛接鋼管の製造方法。
110>(△T×U)/C ・・・(1)
ここで、式(1)において、
△T(℃)=|Te(℃)-Tb(℃)|、
Tb(℃):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅方向中央部の温度、
Te(℃):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅方向端部の温度、
C(%):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅L(mm)に対する板厚t(mm)の比率;100×t/L、
U(%):衝合時のアップセット率;100×(L-X)/L、
X(mm):予め設定される、衝合後の鍛接鋼管における外表面から肉厚方向t/2位置の管周長、である。
[2]管本体部に鍛接衝合部が管軸方向に形成された鍛接鋼管であって、
前記鍛接衝合部を0°の位置として管外周方向両側に15°の範囲で、1°間隔で計測された隣り合う鋼管外径の差が1.0mm以下である、鍛接鋼管。
本発明によれば、鍛接鋼管の衝合部の座屈を抑制することができる。
図1は、鍛接鋼管の衝合部(鍛接衝合部)が座屈した状態を説明するための図である。 図2は、本発明の鍛接鋼管のC方向断面(鍛接鋼管の軸方向に垂直な断面)を示す模式図である。 図3は、本発明の鍛接鋼管の製造設備の模式図である。 図4は、鍛接ロールの断面図である。
以下、本発明の鍛接鋼管の製造方法および鍛接鋼管について説明する。
本発明の鍛接鋼管の製造方法は、鋼板を加熱し、前記鋼板を管状に成形し、向かい合わせた前記鋼板の幅方向端部同士を衝合することで鍛接し、前記衝合を行うに際し、以下の式(1)を満たす、鍛接鋼管の製造方法である。
110>(△T×U)/C ・・・(1)
ここで、式(1)において、
△T(℃)=|Te(℃)-Tb(℃)|、
Tb(℃):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅方向中央部の温度、
Te(℃):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅方向端部の温度、
C(%):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅L(mm)に対する板厚t(mm)の比率;100×t/L、
U(%):衝合時のアップセット率;100×(L-X)/L、
X(mm):予め設定される、衝合後の鍛接鋼管における外表面から肉厚方向t/2位置の管周長、である。
図1は、軸方向に垂直な断面でみた鍛接鋼管の鍛接衝合部が座屈した状態を説明するための図である。図2は、本発明の鍛接鋼管のC方向(幅方向)断面(圧延方向(L方向)に垂直な断面)を示す模式図である。
図1に示すように、従来の鍛接鋼管100の製造方法では、エッジ部同士(幅方向端部)の衝合により形成された鍛接衝合部200に座屈部300が形成される。
この点、本発明の鍛接鋼管の製造方法により得られる鍛接鋼管1では、図2に示すように、鍛接衝合部2に座屈が発生することを抑制できる。
以下、この本発明の鍛接鋼管の製造方法における上記式(1)の詳細を説明する前に、図3を参照しながら、鋼帯(鋼板)から鍛接鋼管を製造する工程を鍛接鋼管の製造ライン設備に基づいて説明する。
なお、本発明の鍛接鋼管は、鋼板を使用し、鋼板の幅方向端部(以下、単にエッジ部とも記す。)を衝合し、鍛接することで製造されるものである。素材である鋼板は、鋼帯であることが好ましいが、薄板、厚板などの切り板でも適用できる。以下においては、鋼板が鋼帯である場合を例に説明する。なお、用いる鋼板については、幅方向長さ≦圧延方向長さであってよく、幅方向長さ>圧延方向長さであってもよい。
図3は、本発明の鍛接鋼管1の製造設備の模式図である。
まず、図3に示すように、コイル4から払い出された鋼帯5をルーパー6に通し、エッジ成形機7で鋼帯5の幅方向端部(エッジ部)を成形する。本発明では特に限定はしないが、エッジ部の成形にはロールで鋼帯端部を圧延して端部を成形する方法、切削により端部を削る方法が考えられる。
その後、加熱炉8で鋼帯5の全幅を加熱し、鋼帯幅計測計9により鋼帯幅を計測し、鋼帯板厚計測計10により鋼帯板厚を計測する。その後、鍛接ロールを備える成形鍛接ロール群11で管状に連続成形しつつ、幅方向端部(エッジ部)を衝合する。鍛接する直前においては、例えば、幅方向端部(エッジ部)に酸素混合空気をノズル12から吹き付けて、さらに加熱した後にエッジ部を鍛接して結合することも可能である。図3で示している以外にも、誘導加熱による方法、火炎を放射する方法、レーザーを照射する方法が考えられる。さらに、縮径圧延ロール13で所望の外径まで絞り圧延し、鍛接鋼管1を製造する。
ここで、酸素混合空気とは、所望の酸素濃度(体積%)になるまで、空気に酸素を混合させた気体のことを指す。酸素混合空気中の酸素濃度が、21体積%未満の場合、酸化による発熱よりも吹き付けた空気による抜熱量が大きくなり、鋼帯の温度が加熱後の温度よりも低下する。そのため、酸素混合空気中の酸素濃度は21体積%以上とすることが好ましい。
また、好ましくは、22体積%以上である。また、酸素濃度が高すぎる場合、鍛接衝合部の温度が融点を超え、溶融してしまう場合があるため、好ましくは、45体積%以下であり、より好ましくは40体積%以下である。
酸素混合空気中の酸素濃度O(体積%)は、ノズル内に装着された酸素濃度計を使用することにより測定することができる。
得られた鍛接鋼管1には鍛接衝合部2が形成されている(図2再参照)。
なお、この設備ラインでは、鋼帯の幅方向端部(エッジ部)を鍛接して結合した後に、絞り圧延を施して鍛接鋼管を仕上げているが、絞り圧延を施さないで鍛接鋼管を仕上げてもよい。
110>(△T×U)/C ・・・式(1)
次に、本発明の鍛接鋼管の製造方法の衝合時において規定する式(1)について説明する。
図3に示す設備を用いて鍛接鋼管を製造する場合、成形鍛接機11(特には、成形鍛接機11が備える鍛接ロール)における衝合において、式(1)を満たすようにする。
ここで、式(1)において、
△T(℃)=|Te(℃)-Tb(℃)|、
Tb(℃):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅方向中央部の温度、
Te(℃):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅方向端部の温度、
C(%):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅L(mm)に対する板厚t(mm)の比率;100×t/L、
U(%):衝合時のアップセット率;100×(L-X)/L、
X(mm):予め設定される、衝合後の鍛接鋼管における外表面から肉厚方向t/2位置の管周長、
である。
座屈は、鋼板の幅方向中央部(鋼帯中央部)と鋼板の幅方向端部(鋼帯端部)との温度差△Tおよびアップセット率Uが大きいほど生じやすいが、その影響度は板厚tおよび鋼板の幅Lによって変化する。
板厚tに対し、温度差△Tとアップセット率Uが過大であるほど、この関係式は増大し、座屈が発生しやすくなる。この関係式と製品接合部の座屈の関係を調査した結果、(△T×U)/Cが110未満であると座屈を抑制できることを知見した。そのため、本発明の鍛接鋼管の製造方法では、式(1)として、110>(△T×U)/Cを満たすようにする。式(1)は、好ましくは100>(△T×U)/Cである。
また、式(1)における(ΔT×U)/Cの下限は特に限定されないが、Cが過大であると、および/または(ΔT×U)が過小であると、成形性が悪化したり、アップセット力が過小となり接合力が低下したりする場合がある。このため、(ΔT×U)/Cは、50以上であることが好ましく、55以上であることがより好ましい。
加熱後かつ衝合前の板幅Lと板厚t
加熱後かつ衝合前の板幅Lと板厚tの計測について、図3に示す設備を用いて鍛接鋼管を製造する場合、加熱炉8出側、すなわち鍛接直前において、より具体的には鋼板の管状への成形前において、鋼帯幅計測計9、鋼帯板厚計測計10により計測する。計測方法としては、例えば、板全幅と板エッジ部に計測計から可視光(波長380~780nm)を投光し、その反射光量から板幅Lと板厚tを計測する方法が挙げられるが、特に限定されない。板幅Lと板厚tは鋼板(鋼帯)の先端を開始点として例えば1m毎等一定間隔に測定を行う。また、板厚tは鋼板の幅方向端部位置の板厚を測定したものの値である。
アップセット率U
アップセット率(衝合時のアップセット率)U(%)は、衝合前の板幅L(mm)に対する衝合後の管周長X(mm)の減少率のことを指す。すなわち、U=100×(L-X)/L(%)である。
ここで、管周長X(mm)は、予め設定される、衝合後の鍛接鋼管における肉厚中心部における管周長(鍛接鋼管の外表面から肉厚方向t/2位置における管周長)である。
図3に示す設備を用いて鍛接鋼管を製造する場合、前述したように、加熱炉8出側において板幅Lと鋼帯の板厚tを計測する。また、図4に示すように、成形鍛接ロール群11が備える鍛接ロール(2ロール方式)において、管状に成形された鋼帯の幅方向端部(エッジ部)を衝合する際、衝合(接合)を行うロール16、17のロール底半径R(符号18参照)、ロール間ギャップRg(符号19参照)に基づいて規定される式(2)を用いて、アップセット率U(%)を算出することができる。アップセット率は測定した板厚、板幅に基づいて、ロールギャップまたはロール底半径によって変更を行う。
U=100×(L-(2π(R-t/2)+2Rg))/L・・・(2)
U:衝合時のアップセット率(%)
L:加熱後かつ衝合前の鋼板(鋼帯)の幅(mm)
t:加熱後かつ衝合前の鋼板(鋼帯)の板厚(mm)
R:ロール底半径(mm)
Rg:ロール間ギャップ(mm)
鋼板の幅方向中央部(鋼帯中央部)の温度Tb(℃)と鋼板の幅方向端部(鋼帯端部)の温度Te(℃)
加熱後かつ衝合前(鍛接直前)において、より具体的には鋼板の管状への成形後において、鋼板(鋼帯)の表面で計測する。計測方法としては例えば、鋼板の表面の放射率を0.3としたときの物体表面の赤外線の強度から測定する方法が挙げられるが、特に限定されない。計測の頻度としては例えば1m毎等の一定間隔で計測し、板幅、板厚の計測位置と同一の位置を計測する。
また、鋼帯端部温度Teは鋼帯端部左右の温度を計測し、高い方の温度を使用する。
上述した方法により得られる本発明の鍛接鋼管1は、管本体部に鍛接衝合部2が管軸方向に形成された鍛接鋼管であって、鍛接衝合部2を0°の位置として管外周方向両側に周方向15°の範囲で、1°間隔で計測された隣り合う鋼管外径の差が1.0mm以下である。
本発明の鍛接鋼管1の肉厚は、特に限定されないが、軽量化と強度をバランスよく確保するためにも、好ましくは、1.00mm以上4.00mm以下であり、より好ましくは1.50mm以上3.00mm以下である。
また、本発明の鍛接鋼管1の外径は、好ましくは外径48.6mm~外径114.3mmである。
また、本発明の鍛接鋼管は、特に限定されないが、引張強度TSが290~500MPaであることが好ましい。引張強度TSは、引張試験(JISZ2241(2020年)試験片12号)により測定できる。
鋼管肉厚
鋼管肉厚は図2に示すように鋼管のC方向断面(L方向(管軸方向)に垂直な断面)において、鍛接衝合部2の位置を0時とした際に円周方向に3時、6時、9時位置の3点を片球マイクロメータ等で計測する。すなわち、鍛接鋼管1の断面における外周を円とした場合、鍛接衝合部2を起点として鍛接鋼管の外周の円周長を計測し、その長さの1/4、1/2、3/4の位置について、鍛接衝合部2の位置を0°とした際の90°、180°、270°の位置15を計測位置とする。そして、それぞれの位置15の肉厚を片球マイクロメータ等で計測する。これら3点の肉厚の平均値を鋼管肉厚とする。
鋼管外径
鋼管外径は、鍛接衝合部2を0°位置として、管外周方向両側に15°の範囲で1°間隔で計測する。
このとき、図2に示すように鍛接衝合部2において外径を、接触点が針状であるポイントマイクロメータで計測しその値を0°の位置の鋼管外径とする(符号14参照)。
また、各鋼管の円周長を計測し、衝合部を0°の位置として、円周長を360分割(等分)する。そして、その分割点(1分割当たり1°)毎に、衝合部を中心に管外周方向両側に15°の範囲で、ポイントマイクロメータを使用して鋼管外径を計測し、1°間隔で計測された隣り合う鋼管外径の差を評価することができる。
本発明の鍛接鋼管1は、特に限定されないが、質量%で、C:0.01~0.12%、Si:0.1~0.5%、Mn:0.2~1.0%、P:0.02%以下、S:0.01%以下、Al:0.01~0.5%、N:0.1%以下、Mo:0.1~0.5%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有することが好ましい。
図3に示す製造設備により、表1に示す成分組成を有する鍛接鋼管を製造した。すなわちコイルから払い出された鋼帯をルーパーに通し、エッジ部を成形し、その後加熱炉で鋼帯全幅を加熱し、成形鍛接機で管状に連続成形しつつ、エッジ部を衝合、鍛接する直前において、酸素混合空気(酸素濃度:21~40体積%)をノズルから吹付けて昇温して鍛接して結合し、さらに縮径圧延ロールで所望の外径まで絞り圧延し、鍛接鋼管を製造した。このとき、鋼帯中央部の温度Tb(℃)と鋼帯端部温度Te(℃)との温度差△T(℃)と衝合時のアップセット率U(%)、加熱後の鋼帯幅Lと板厚tの比Cの値については、以下の式(1)の範囲とした。
110>(△T×U)/C ・・・(1)
ここで、式(1)において、
△T(℃)=|Te(℃)-Tb(℃)|、
Tb(℃):加熱後かつ衝合前の鋼板(鋼帯)の幅方向中央部の温度、
Te(℃):加熱後かつ衝合前の鋼板(鋼帯)の幅方向端部の温度、
C(%):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅L(mm)に対する板厚t(mm)の比率;100×t/L、
U(%):衝合時のアップセット率;100×(L-X)/L、
X(mm):予め設定される、衝合後の鍛接鋼管における外表面から肉厚方向t/2位置の管周長、である。
鋼帯幅と板厚は板全幅と板エッジ部に計測機から光を照射し、その反射光量から計測した。鋼帯中央部温度Tb、鋼帯端部温度Teに関しては鋼板表面の赤外線の強度から測定し、鋼帯端部温度Teは鋼帯端部左右の温度を計測し、高い方の温度を使用した。これらの計測は鋼帯先頭から一定間隔に計測し、その値を用いて式(1)を計算した。
座屈評価は鍛接衝合部を0°の位置として管外周方向両側に15°の範囲で、1°間隔で計測された隣り合う鋼管外径の差が1.0mm以下である場合を座屈無しとして、評価した。一方、鍛接衝合部を0°の位置として管外周方向両側に15°の範囲で、1°間隔で計測された隣り合う鋼管外径の差が1.0mm超を座屈有りとして評価した。
より具体的には、各鋼管において測定した鋼管外径の差のうち、当該差の最大値である最大外径差が1.0mm以下である場合を座屈無しと評価し、最大外径差が1.0mm超である場合を座屈有りと評価した。
表1に鋼管の成分組成を示し、表2に鋼管の製造条件、得られた鋼管の寸法、評価結果を示す。表2中の式(1)右辺の値は、発明例に関してはその品種を造管した際の最大値、比較例に関してはその品種を造管した際の最小値である。各品種で式(1)右辺の値が最大値、最小値部分を含む鋼管を1m長さで採取し、その鋼管の端部を前述した方法で測定し、鋼管の座屈を評価した。
Figure 2024020761000002
Figure 2024020761000003
No.1~8は、式(1)の範囲を満足し、製造された鍛接衝合部近傍に座屈は生じておらず、グルービング継手を施しても隙間は生じなかった。
一方で、No.9~12は、式(1)の範囲外であり、製造された鍛接衝合部に座屈が生じていたため、グルービング継手を施した際、継手と管の間に隙間が生じていた。
1、100 鍛接鋼管
2、200 鍛接衝合部
300 座屈部
4 コイル
5 鋼帯
6 ルーパー
7 エッジ成形機
8 加熱炉
9 鋼帯幅計測計
10 鋼帯板厚計測計
11 成形鍛接ロール群(鍛接ロール)
12 ノズル
13 縮径圧延ロール
14 鋼管外径
15 鋼管肉厚計測位置
16 ロール
17 ロール
18 ロール底半径
19 ロール間ギャップ

Claims (2)

  1. 鋼板を加熱し、
    前記鋼板を管状に成形し、
    向かい合わせた前記鋼板の幅方向端部同士を衝合することで鍛接し、
    前記衝合を行うに際し、以下の式(1)を満たす、鍛接鋼管の製造方法。
    110>(△T×U)/C ・・・(1)
    ここで、式(1)において、
    △T(℃)=|Te(℃)-Tb(℃)|、
    Tb(℃):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅方向中央部の温度、
    Te(℃):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅方向端部の温度、
    C(%):加熱後かつ衝合前の鋼板の幅L(mm)に対する板厚t(mm)の比率;100×t/L、
    U(%):衝合時のアップセット率;100×(L-X)/L、
    X(mm):予め設定される、衝合後の鍛接鋼管における外表面から肉厚方向t/2位置の管周長、である。
  2. 管本体部に鍛接衝合部が管軸方向に形成された鍛接鋼管であって、
    前記鍛接衝合部を0°の位置として管外周方向両側に15°の範囲で、1°間隔で計測された隣り合う鋼管外径の差が1.0mm以下である、鍛接鋼管。
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