JP7399685B2 - 排水処理方法および排水処理システム - Google Patents

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Description

本開示は、セレンを含む燃料を還元雰囲気でガス化させる設備からの排水を処理するための排水処理方法および排水処理システムに関するものである。
石炭を燃料とする発電プラントの排水中には、種々の有害成分が含まれている。そのため、放流基準を満たすよう、排水から有害成分を除去する処理が行われている。
石炭を燃料とした発電には、従来から用いられている石炭焚き発電と、石炭の発電効率を高めるために開発された石炭ガス化発電とがある。石炭焚き発電では、酸化雰囲気で石炭を燃焼させ、燃焼熱により生成した蒸気などを発電に利用する。石炭ガス化発電では、低酸素条件で石炭を蒸し焼きにして熱分解反応を起こし燃料ガスを生成させ、該燃料ガスを発電に利用する。
上記のように、石炭焚き発電と石炭ガス化発電とでは石炭の反応条件が異なる。石炭の反応条件の違いは、排水中に含まれる有害成分の組成、形態等に影響する。有害成分の組成または形態が異なる排水は、それぞれに適した方法で処理する必要がある。
石炭ガス化発電設備からの排水における主要な処理対象水質項目としてはセレン(Se)、フッ素(F)、重金属類、懸濁物質(SS)、化学的酸素要求量(COD)、シアン、ヒ素(As)、チオシアン、アンモニアおよび硝酸等がある。
石炭にはセレン含まれている。石炭ガス化発電設備からの排水にはセレンおよびシアンが含まれる。排水中で、セレンおよびシアンの一部はセレノシアン酸イオン(SeCN,Se(0))として存在している。石炭ガス化発電設備からの排水には、石炭焚き発電設備からの排水よりも多くのSe(0)が含まれている。
特許文献1では、セレンおよびシアンを含む排水の処理方法を開示している。特許文献1では、セレンおよびシアンを含む排水を酸性にした後、酸化剤によりSe(0)を酸化させて+4価の亜セレン酸イオン(SeO 2-、Se(IV))にした後、凝集沈殿によりSe(IV)を分離・除去している。
特開2018-83173号公報
特許文献1の方法では、セレンの酸化が進行しすぎると+6価のセレン酸イオン(SeO 2-、Se(VI))が生成される。Se(VI)は、Se(IV)と異なり凝集沈殿では除去し難い。そのため、Se(VI)の生成量が増えると、結果として排水の全セレン濃度を基準値以下にすることが難しくなる。
特許文献1では、生成したSe(VI)を生物処理によりSe(IV)に還元した後、凝集沈殿により除去している。しかしながら、生物処理を実施するためには大きな生物処理水槽が必要であり、設備費が高くなる。また、生物処理用の薬品の追加も必要である。
さらに、本願発明者らが鋭意検討した結果によれば、排水に含まれる全セレン濃度が同等の排水を同じ条件で酸化処理した場合であっても、排水の全セレン濃度を基準値以下にできる排水と、できない排水とが存在する。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、酸化によりセレンを除去する方法において、Se(VI)の生成を抑えつつ、Se(0)を酸化させて、全セレン濃度を低減する排水処理方法および排水処理システムを提供することを目的とする。本開示は、より安定的に、処理水中の全セレン濃度を放流基準値以下にできる排水処理方法および排水処理システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の排水処理方法および排水処理システムは以下の手段を採用する。
本開示は、セレンを含む燃料を還元雰囲気でガス化させる設備からの排水を処理する方法であって、前記排水に酸を添加して酸性水にし、前記酸性水に過酸化水素を添加して前記セレンを酸化させた後、第1凝集剤を添加して第1凝集物を形成させ、第1固液分離により前記第1凝集物と液体とを分離し、前記液体の過酸化水素濃度を分析し、前記分析の結果に応じて、前記液体の過酸化水素濃度が所定範囲に収まるよう前記過酸化水素の添加量を制御し、前記液体にキレート剤および鉄剤を添加した後、第2凝集剤を添加して第2凝集物を形成させ、第2固液分離により前記第2凝集物を除いて処理水を得る排水処理方法を提供する。
また、本開示は、セレンを含む燃料を還元雰囲気でガス化させる設備からの排水を処理する排水処理システムであって、前記排水が収容される酸化部と、前記酸化部の出口側に接続された第1反応凝集部と、前記第1反応凝集部の出口側に接続され、第1凝集物と液体とを分離する第1固液分離部と、前記酸化部に接続され、前記酸化部に酸を添加する酸添加部と、前記酸化部に接続され、前記酸化部に過酸化水素を添加する過酸化水素添加部と、前記第1反応凝集部に接続され、前記第1反応凝集部に第1凝集剤を添加する第1凝集剤添加部と、前記液体の過酸化水素濃度を分析する分析部と、前記液体の過酸化水素濃度が所定範囲に収まるよう、前記分析部の分析結果に応じて前記過酸化水素添加部における過酸化水素の添加量を制御する制御部と、前記第1固液分離部の液体出口側に接続され、前記液体を受け入れるキレート反応部と、前記キレート反応部の出口側に接続された第2反応凝集部と、前記第2反応凝集部の出口側に接続され、第2凝集物から処理水を分離する第2固液分離部と、前記キレート反応部に接続され、前記キレート反応部にキレート剤を添加するキレート剤添加部と、前記第2反応凝集部に接続され、前記第2反応凝集部に第2凝集剤を添加する第2凝集剤添加部と、を備えている排水処理システムを提供する。
本開示に係る排水処理方法および排水処理システムによれば、また、本開示に係る排水処理方法および排水処理システムによれば、過酸化水素の添加量を分析値に応じて制御することで、Se(VI)の生成を抑えつつ、Se(0)が残存しないよう酸化させることができる。これにより、液体(処理水)の全セレン濃度を低く抑えることができる。また、Se(VI)の生成量を抑えられるため、従来法よりもコストを抑えられる。さらに、排水の成分変動があった場合でも、処理水の全セレン濃度を放流基準値以下にすることが可能となる。
第1実施形態に係る排水処理方法の一具体例を示すフロー図である。 第1実施形態に係る排水処理システムの一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る第1処理部の一例を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る第2処理部の一例を示す概略構成図である。 第2実施形態に係る第1流路および第2流路の一配置例を示す概略構成図である。 第2実施形態に係る第1流路および第2流路の他の配置例を示す概略構成図である。 制御部の機能ブロック図である。
本開示に係る排水処理方法の処理対象は、セレン(Se)を含む燃料を還元雰囲気でガス化させる設備から出た排水とする。セレンを含む燃料とは、例えば石炭である。セレンを含む燃料を還元雰囲気でガス化させる設備とは、例えば、石炭ガス化発電設備である。
石炭ガス化発電設備では、還元雰囲気下で石炭を蒸し焼きにして燃料ガスを生成する。石炭ガス化発電設備からの排気には、セレンおよびシアン(CN)が含まれている。排気が水に接触することで、排気に含まれるセレンおよびシアンは水に溶解する。
石炭ガス化発電設備からの排水において、シアンは、シアンイオン(CN)、セレノシアン酸イオン(SeCN、Se(0))、塩化シアン(CNCl)、フェリシアン化物イオン([Fe(CN)3-)、フェロシアン化物イオン([Fe(CN)4-)などの形態で多く存在する。
石炭ガス化発電設備から出る排水中には、他に、懸濁物質(SS)、砒素(As)、フッ素(F)、水銀(Hg)、クロム(Cr)、BOD(Biochemical Oxygen Demand)成分、COD(Chemical Oxygen Demand)成分、およびアンモニア(NH)などが含まれてよい。COD成分は、化学酸化処理での難分解性物質である。ここで難分解性物質とは、チオ硫酸、メタノール、酢酸、ギ酸、ベンゼン、安息香酸、フェノール、クロロフェノール、クロロアニリン、アミノ安息香酸、またはヒダントインなどである。
以下に、本開示に係る排水処理および排水処理システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
本実施形態に係る排水処理方法は、第1処理および第2処理を含む。図1は、本実施形態に係る排水処理方法の一具体例を示すフロー図である。
<第1処理>
第1処理は、(S1)~(S8)の工程を順に含む。
(S1)排水に第1鉄剤を添加する。
(S2)酸を添加し、pHを酸性に調整する。
(S3)酸性にした排水(酸性水)に過酸化水素を添加して、所定時間撹拌する。
(S4)所定時間撹拌した後の酸性水に第1アルカリ剤を添加し、pHを中性に調整する。
(S5)中性にした排水(中性水)に第1凝集剤を添加し、所定時間撹拌して第1凝集物を形成させる。第1凝集剤添加後に第1凝集助剤を添加してもよい。
(S6)第1凝集物と液体(第1処理水)とに分離する。
(S7)第1処理水の過酸化水素濃度を分析する。
(S8)上記(S7)の分析結果に応じて、第1処理水の過酸化水素濃度が所定範囲に収まるよう過酸化水素の添加量を制御する。
上記(S1)は、上記(S2)の後、または上記(S3)の後に実施してもよい。
上記(S1)~(S3)では、+4価よりも価数の低いセレンを酸化させて+4価のセレンにする。排水に含まれていたSe(0)およびSe(-II)等の+4価よりも価数の低いセレンは、酸化によってSe(IV)となる。
Se(IV)は、第1凝集剤を用いることによって除去できる。
第1鉄剤は、塩化第二鉄、ポリ鉄等である。第1鉄剤として塩化第二鉄を用いる場合、塩化第二鉄の添加量は、鉄(Fe)として50mg/L以上1000mg/L以下、好適には200mg/L以上500mg/L以下、特に好適には300mg/L以上450mg/L以下とされる。第1鉄剤は固形分の凝集を促進する凝集剤としての役割を果たすと同時に、適正な酸化還元電位の維持を補助する役割を果たす。
酸は、硫酸、塩酸、硝酸等である。酸性水のpHは、1以上7未満、好ましくは3以上6以下、より好ましくは4に調整する。過酸化水素を添加する前にpHを酸性に調整することで、過酸化水素が作用しやすい環境とする。
過酸化水素は、酸化剤としての作用を有する。過酸化水素の初期添加量は、排水中のシアン濃度、セレン濃度、硫化水素(HS)濃度およびヒ素(As5+)濃度などに応じて適宜設定される。硫化水素は酸化を抑制する作用を有する。ヒ素は、酸化を促進する作用を有する。排水中に硫化水素が存在する場合、過酸化水素の初期添加量を多めに設定するとよい。+5価のヒ素が存在する場合、過酸化水素の初期添加量を少なめに設定するとよい。過酸化水素の注入量は、39mg/L以上66mg/L以下、好ましくは50mg/L以上60mg/L以下にするとよい。
上記(S1)~(S8)を1サイクルとすると、次のサイクルの(S3)における過酸化水素の添加量は、第1処理水の過酸化水素濃度が予め定めた所定範囲に収まるよう、前のサイクルの(S7)の分析結果に応じて適宜変化させる。過酸化水素濃度の分析には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびCOD測定用のUV計等を用いることができる。
同じ水を分析した場合であっても、分析手段によって分析精度が異なる。COD測定用のUV計の分析では、真の過酸化水素濃度に対して誤差が生じる。そのため、COD測定用のUV計を用いる場合、得られた分析値に排水の特性に応じた定数を乗じて補正し、補正した値が上記所定範囲に収まるようにするとよい。補正には、当分野で公知の手法を採用できる。排水によって誤差のブレ方に一定の特性がある。排水の特性を勘案してUV計による分析値と公知の手法による分析値で検量線や係数を作成し補正する。HPLCは、排水の成分をカラムで分離して分析するため、精度が高い。そのため、HPLCの分析結果を補正する必要はない。
過酸化水素の添加量は、HPLCにより分析した第1処理水の過酸化水素濃度が20mg/L以上45mg/L以下、好ましくは25mg/L以上35mg/L以下となるよう制御するとよい。例えば、上記(S7)の分析結果で第1処理水の過酸化水素濃度が20mg/Lよりも低い場合、次サイクルの上記(S3)における過酸化水素の添加量を増やす。例えば、上記(S7)の分析結果で第1処理水の過酸化水素濃度が40mg/Lよりも高い場合、次サイクルの上記(S3)における過酸化水素の添加量を減らす。
第1処理水の過酸化水素濃度が20mg/Lよりも低いと、セレンの酸化が十分に進まず+4価よりも価数の低いセレン(例えばSeCN)が多く残存する。一方、第1処理水の過酸化水素濃度が45mg/Lよりも高いと、Se(VI)の生成量が増える。第1処理水の過酸化水素濃度を上記範囲に収めることで、Se(VI)の生成量を抑えつつ、+4価よりも価数の低いセレンの残存量も減らすことができる。
酸性水の酸化還元電位は、酸性水が酸化傾向の溶液となるよう制御するとよい。具体的には、酸性水の酸化還元電位は、200mV以上1500mV以下、好ましくは200mV以上1000mV以下、さらに好ましくは400mV以上500mV以下とされる。酸化還元電位の調整は過酸化水素、第1鉄剤、あるいは過酸化水素と第1鉄剤の双方を活用して調整してもいい。
第1アルカリ剤は、水酸化ナトリウム、または消石灰等である。中性とは、pH6~9である。
第1凝集剤には、無機凝集剤を用いる。第1凝集助剤には、高分子凝集剤を用いることができる。「第1凝集剤」とは、第1処理で使用される凝集剤を意味する。
無機凝集剤は、ポリ塩化アルミニウム塩(PAC)、硫酸アルミニウム、または鉄剤(塩化第二鉄)等である。無機凝集剤は、1種または2種以上添加してもよい。
高分子凝集剤は、アニオン系高分子凝集剤、またはノニオン系高分子凝集剤などである。アニオン系高分子凝集剤は、例えば、ヒシフロックH-305(三菱日立パワーシステムズ環境ソリューション株式会社製)、ヒシフロックH-410(三菱日立パワーシステムズ環境ソリューション株式会社製)またはヒシフロックHA-510(三菱日立パワーシステムズ環境ソリューション株式会社製)などである。
第1凝集物および液体は、固液分離装置を用いて分離できる。例えば、第1凝集物を沈殿槽に送って所定時間静置し、沈殿させて上澄を分離する。これにより、第1凝集物が除かれた液体(第1処理水)が得られる。
第1処理では、他の有害物質の除去工程を並行して実施できる。例えば、フッ素(F)の除去処理は一般に凝集剤を用いた凝集・分離工程を必要とする。よって、セレンを凝集・固液分離する際、フッ素の除去処理も並行して実施できる。
<第2処理>
第2処理は、(S9)~(S14)の工程を順に含む。
(S9)第1処理水にキレート剤を添加して、所定時間撹拌する。
(S10)第2鉄剤(鉄剤)を添加する。
(S11)第2凝集剤を添加する。
(S12)第2アルカリ剤を添加し、pHを中性に調整する。
(S13)所定時間撹拌して第2凝集物を形成させる。第2アルカリ剤添加後に、第2凝集助剤を添加し、さらに撹拌してもよい。
(S14)第2凝集物を分離して第2処理水(処理水)を得る。
キレート剤は、エポフロック(登録商標)L-1(ミヨシ油脂株式会社製)等である。キレート剤を添加することで、水銀などの重金属除去処理を並行して実施できる。キレート剤の添加は省略されてもよい。
第2鉄剤は、塩化第二鉄、ポリ鉄等である。第2鉄剤の添加量は、塩化第二鉄を用いる場合、鉄(Fe)として10mg/L以上1000mg/L以下、好適には20mg/L以上200mg/L以下、さらに好適には20mg/L以上50mg/L以下を添加するとよい。第2鉄剤を添加しすぎると、Fe(OH)としての沈殿物が増え、産業廃棄物となる汚泥が増えるため好ましくない。
第2アルカリ剤は、水酸化ナトリウム、または消石灰等である。中性とは、pH6~9である。
第2凝集剤には、無機凝集剤を用いる。第2凝集助剤には、高分子凝集剤を用いることができる。無機凝集剤および高分子凝集剤は、上記第1処理において例示したものから選択してよい。第2凝集剤を添加することで、pHが低下する。第2凝集物は、第1凝集物と同様、所定時間静置した後、沈殿させることで上澄と分離できる。これにより、第2凝集物が除かれた第2処理水が得られる。
第1処理水に第2凝集剤を添加して処理することで、第1処理水に残存したSe(IV)を除去できる。
本実施形態に係る排水処理方法によれば、第1処理水の過酸化水素濃度に応じて、酸化処理の際の過酸化水素添加量を調整することで、Se(VI)の生成および+4価よりも価数の低いセレンの残存の両方を抑えられる。その結果、最終処理水(図1では第2処理水)の全セレン濃度を放流基準値以下に下げることが可能となる。
(排水処理システム)
図2に、上記実施形態に係る排水処理方法を実施可能な排水処理システムのブロック図を例示する。図示しないが、排水処理システム1は、石炭ガス化発電設備の排水処理機構の一部に組み込まれている。
排水処理システム1は、石炭ガス化発電設備から出た排水Wr(例:スクラバー排水)を処理する第1処理部2、第1処理部2の後流に接続され第1処理部2から出た排水を処理する第2処理部3を備えている。
<第1処理部>
図3は、第1処理部の一例を示す概略構成図である。
第1処理部2は、酸化槽(酸化部)11、第1反応凝集槽(第1反応凝集部)12、第1沈殿槽(第1固液分離部)13、第1鉄剤添加部14、酸添加部15、過酸化水素添加部16、第1アルカリ添加部18、第1凝集剤添加部19、第1凝集助剤添加部20、分析部21および制御部22を有している。
酸化槽11は、石炭ガス化発電設備から出た排水Wrを受け入れ、収容できる。酸化槽11は、酸化槽11内に収容されている水を排出する出口を有している。
酸化槽11には、第1鉄剤添加部14、酸添加部15および過酸化水素添加部16が接続されている。酸化槽11の出口側には、第1反応凝集槽12が接続されている。
第1鉄剤添加部14は、第1鉄剤が収容されるタンク14a、タンク14aと酸化槽11とを繋ぐ配管14b、および配管14bの途中に設置され第1鉄剤を酸化槽11へと送給するポンプ14cを備えている。第1鉄剤添加部14は、酸化槽11に収容された水に第1鉄剤を添加できる。
酸添加部15は、酸が収容されるタンク15a、タンク15aと酸化槽11とを繋ぐ配管15b、および配管15bの途中に設置され酸を酸化槽11へと送給するポンプ15cを備えている。酸添加部15は、酸化槽11に収容された水に酸を添加できる。
過酸化水素添加部16は、過酸化水素が収容されるタンク16a、タンク16aと酸化槽11とを繋ぐ配管16bと、および配管16bの途中に設置され過酸化水素を酸化槽11へと送給するポンプ16cを備えている。過酸化水素添加部16は、酸化槽11に収容された水に過酸化水素を添加できる。
酸化槽11には、酸化槽11内に収容されている水を撹拌可能に攪拌機Mが設置されうる。酸化槽11には、酸化槽11内に収容されている水のpHを計測するpH計測器(不図示)が設置されうる。酸化槽11には、酸化槽11内に収容されている水の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計測器17が設置されうる。
第1反応凝集槽12は、第1反応室12aと第1凝集室12bとで構成されている。第1反応室12aおよび第1凝集室12bは、それぞれ内部に水を収容可能なタンクである。第1反応室12aおよび第1凝集室12bは、第1反応室12aに収容された水が第1凝集室12bに向けて流入可能に接続されている。第1反応室12aは、酸化槽11から出た排水を受け入れる。第1凝集室12bは、第1反応室12aからの排水を受け入れる。
第1沈殿槽13は、第1凝集室12bの出口側に接続されている。第1反応凝集槽12(図3では、第1凝集室12b)に収容された水は、第1沈殿槽13に流入可能である。第1沈殿槽13は、沈殿により分離された上澄水(第1処理水)を排出する出口(不図示)を有している。
第1反応室12aには、第1アルカリ添加部18および第1凝集剤添加部19が接続されている。
第1アルカリ添加部18は、第1アルカリ剤が収容されるタンク18a、タンク18aと第1反応室12aとを繋ぐ配管18b、配管18bの途中に設置されて第1アルカリ剤を第1反応室12aへと送給するポンプ18c、で構成されている。第1アルカリ添加部18は、第1反応室12aに収容された水に第1アルカリ剤を添加できる。
第1凝集剤添加部19は、第1凝集剤が収容されるタンク19a、タンク19aと第1反応室12aとを繋ぐ配管19b、配管19bの途中に設置されて第1凝集剤を第1反応室12aへと送給するポンプ19c、で構成されている。第1凝集剤添加部19は、第1反応室12aに収容された水に第1凝集剤を添加できる。「第1凝集剤添加部」の「第1」は、第1処理部2を構成する要素であることを意味する。「第1凝集剤」は、第1凝集剤添加部から添加する凝集剤であることを意味する。
第1反応室12aには攪拌機Mが設置されている。攪拌機Mは、第1反応室12aに収容された水を撹拌できる。第1反応室12aには、第1反応室12a内に収容されている水のpHを計測するpH計測器(不図示)が設置されうる。
第1凝集室12bには、第1凝集助剤添加部20が接続されている。第1凝集助剤添加部20は、第1凝集助剤が収容されるタンク20a、タンク20aと第1凝集室12bとを繋ぐ配管20b、および配管20bの途中に設置されて第1凝集剤を第1凝集室12bへと送給するポンプ20cで構成されている。第1凝集助剤添加部20は、第1凝集室12bに収容された水に第1凝集助剤を添加できる。
第1凝集室12bには攪拌機Mが設置されている。攪拌機Mは、第1凝集室12b内に収容された水を撹拌できる。
第1沈殿槽13は、底部がくぼんだ形状となっており、静置しておくことで固液分離できる構成となっている。上澄水(第1処理水)が排出される出口を有する。第1沈殿槽13には汚泥掻き寄せタイプの撹拌機Mが設置されている。撹拌機Mは、沈降する汚泥を第1沈殿槽13の中央のくぼみ部にかき寄せることができる。
分析部21は、液体流路23を介して、第1沈殿槽13の液体出口側に接続されている。第1沈殿槽13で分離した液体(上澄水/第1処理水)は、液体流路23を介して分析部21に流入されうる。分析部21は、液体中の過酸化水素濃度を分析できる装置である。
分析部21は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)またはCOD測定用のUV計等を備えている。HPLCはUV検出器を備えていてもよい。
制御部22は、分析部21および過酸化水素添加部16(図3では16c)に電気的に接続されている。制御部22は、分析部21の分析結果に応じて過酸化水素添加部16からの過酸化水素の添加量を制御できる。より具体的には、制御部22は、第1沈殿槽13で分離した液体の過酸化水素濃度が所定範囲に収まるよう過酸化水素の添加量を調整する。分析部21がHPLCである場合、所定範囲は20mg/L以上45mg/L以下に設定される。
制御部22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線または無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
なお、分析部21は、COD測定用のUV計および補正部を備えていてもよい。補正部は、UV計の分析値に排水の特性に応じた定数を乗じて補正する。分析部21が補正部を備えている場合、制御部は、補正部で補正した値が所定範囲に収まるよう過酸化水素の添加量を制御するよう構成されている。
<第2処理部>
図4に、第2処理部3の概略構成図を例示する。
第2処理部3は、キレート反応槽(キレート反応部)31、第2反応凝集槽(第2凝集部)32、第2沈殿槽(第2固液分離部)33、キレート剤添加部34、第2鉄剤添加部35、第2アルカリ添加部36、第2凝集剤添加部37および第2凝集助剤添加部38を有している。
キレート反応槽31は、第1沈殿槽13からの第1処理水を受け入れ、収容できる。
キレート反応槽31には、キレート剤添加部34が接続されている。キレート反応槽31は、キレート反応槽31内に収容されている水を排出する排出口を有している。
キレート剤添加部34は、キレート剤が収容されるタンク34a、タンク34aとキレート反応槽31とを繋ぐ配管34b、および配管34bの途中に設置されキレート剤をキレート反応槽31へと送給するポンプ34cで構成されている。キレート剤添加部34は、キレート反応槽31に収容された水にキレート剤を添加できる。
第2反応凝集槽32は、第2反応室32aと第2凝集室32bとで構成されている。第2反応室32aおよび第2凝集室32bは、それぞれ内部に水を収容可能なタンクである。第2反応室32aおよび第2凝集室32bは、第2反応室32aに収容された水が第2凝集室32bに向けて流入可能に接続されている。第2反応室32aは、キレート反応槽31から出た排水を受け入れる。第2凝集室32bは、第2反応室32aからの排水を受け入れる。
第2反応凝集槽32および第2沈殿槽33は、第2反応凝集槽32(図4では、第2凝集室32b)に収容された水が第2沈殿槽33に流入可能に接続されている。第2沈殿槽33は、沈殿により分離された上澄水(第2処理水)を排出する排出口(不図示)を有している。
第2反応室32aには、第2鉄剤添加部35、第2アルカリ添加部36および第2凝集剤添加部37が接続されている。
第2鉄剤添加部35は、第2鉄剤が収容されるタンク35a、タンク35aと第2反応室32aとを繋ぐ配管35b、および配管35bの途中に設置され第2鉄剤を第2反応室32aへと送給するポンプ35cで構成されている。第2鉄剤添加部35は、第2反応室32aに収容された水に第2鉄剤を添加できる。
第2アルカリ添加部36は、第2アルカリ剤が収容されるタンク36a、タンク36aと第2反応室32aとを繋ぐ配管36b、配管36bの途中に設置されて第2アルカリ剤を第2反応室32aへと送給するポンプ36c、で構成されている。第2アルカリ添加部36は、第2反応室32aに収容された水に第2アルカリ剤を添加できる。
第2凝集剤添加部37は、第2凝集剤が収容されるタンク37a、タンク37aと第2反応室32aとを繋ぐ配管37b、配管37bの途中に設置されて第2凝集剤を第2反応室32aへと送給するポンプ37c、で構成されている。第2凝集剤添加部37は、第2反応室32aに収容された水に第2凝集剤を添加できる。
第2反応室32aには攪拌機Mが設置されている。攪拌機Mは、第2反応室32aに収容された水を撹拌できる。
第2凝集室32bには、第2凝集助剤添加部38が接続されている。第2凝集助剤添加部38は、第2凝集助剤が収容されるタンク38a、タンク38aと第2凝集室32bとを繋ぐ配管38b、および配管38bの途中に設置されて第2凝集剤を第2凝集室32bへと送給するポンプ38cで構成されている。第2凝集助剤添加部38は、タンク38aに収容された水に第2凝集剤を添加できる。
第2凝集室32bには攪拌機Mが設置されている。攪拌機Mは、第2凝集室32b内に収容された水を撹拌できる。
第2沈殿槽33は、底部がくぼんだ形状となっており、静置しておくことで固液分離できる構成となっている。第2沈殿槽33には汚泥掻き寄せタイプの撹拌機Mが設置されている。撹拌機Mは、沈降する汚泥を第2沈殿槽33の中央のくぼみ部にかき寄せることができる。
〔第2実施形態〕
本実施形態に係る排水処理方法は、2つの分析値を用いて第1処理水の過酸化水素濃度を推算する点が第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成については、本実施形態での説明を省略する。
本実施形態に係る排水処理方法の(S7)は、第1処理水をそのまま分析する第1分析と、第1処理水を活性炭に接触させた後に分析する第2分析と、第1分析値と第2分析値との差分から第1処理水の過酸化水素濃度を推算する工程とを含む。(S8)では、推算した過酸化水素濃度に応じて、第1処理水の過酸化水素濃度が所定範囲となるよう過酸化水素の添加量を制御する。
本実施形態に係る排水処理システムにおいて、第1沈殿槽13と分析部21とをつなぐ液体流路は、第1流路および第2流路を含む。図5,6に第1流路および第2流路の配置例を示す。図5,6では、第1沈殿槽13とキレート反応槽31とをつなぐ配管の記載は省略する。
第1流路24は、第1処理水を直接、第1沈殿槽13から分析部21まで流す流路である。第2流路25は、活性炭を含む活性炭処理部26を有する。第2流路25を流れる第1処理水は、活性炭に接触して活性炭処理水となった後、分析部21へと流れる。
第1流路24および第2流路25は、図5に示すように途中で第1処理水の流れを切り替えるよう設計され得る。図5では、バルブVを開け、バルブVを閉じると、第1処理水は、第1流路24を通って、活性炭に接触することなく、直接分析部21へと導かれ、過酸化水素濃度が分析される。バルブVを閉じ、バルブVを開けると、第1処理水は、第2流路25を通り、活性炭処理部26にて活性炭に接触して活性炭処理水となった後、分析部21へと導かれ、過酸化水素濃度が分析される。
第1流路24および第2流路25は、図6に示すようにそれぞれ別の分析部(21a,21b)へ接続されてもよい。
分析部21、21a,21bには、COD測定用のUV計を用いることができる。
制御部22は、受信部27、推算部28および出力部29を含む(図7参照)。受信部27、分析部21からの分析結果を受信する。推算部28は、受信部27で受信した第1流路24から導かれた液体の過酸化水素濃度と、第2流路25から導かれた液体(活性炭処理水)の過酸化水素濃度との差分から第1処理水の過酸化水素濃度を推算できる。出力部29は、推算部28で推算された液体の過酸化水素濃度に応じて、過酸化水素添加部16に添加量情報を出力する。
以下では、表1~4を参照して、過酸化水素の添加量の範囲の設定根拠を説明する。
(試験条件)
原水に硫酸を添加してpH4に調整した後、塩鉄(鉄剤)および過酸化水素(H)を添加して30分撹拌した。次に、水酸化ナトリウム(NaOH)を添加してpH7に調整した後、無機凝集剤(PAC)3600mg/Lを添加して30分撹拌した。次に、高分子凝集剤(アニオン系305)10mg/Lを添加して5分撹拌した。最後に、5分静置し、上澄水(第1処理水)を得た。試験No.毎に、使用される原水のロットは異なる。
Figure 0007399685000001
No.1は、No.2,3よりも多くの過酸化水素が添加されたが、第1処理水中のSe6+濃度は最も低くかった。一方、No.2とNo.3とを比較すると、過酸化水素の添加量の多いNo.2の方が第1処理水中のSe6+濃度は高くなった。No.1とNo.4とを比較しても、過酸化水素の添加量の多いNo.1の方が第1処理水中のSe6+濃度は高くなった。
上記結果から、原水に含まれる成分構成が同等である場合は過酸化水素の添加量が多いほど第1処理水中のSe6+濃度も高くなるが、原水の成分構成(例えばAsの有無)に違いがある場合は、単純に過酸化水素の添加量だけからSe6+の生成量を推測するのは難しいことが示唆された。
As(ヒ素)は、+3価または+5価の形態で排水中に溶解されている。排水の全ヒ素濃度が変動すれば、価数毎のヒ素濃度も変動する。+5価のヒ素は酸化された状態にあり、酸化剤として作用しうる。よって、+5価のヒ素が多く含まれた排水では、酸化剤として作用する成分の総量が多くなるため、SeCNの酸化が進行しすぎてSe6+の生成量が多くなると考えられる。
例えば、セレンを含む燃料を還元雰囲気でガス化させる設備からの排水には、多くの硫黄原子が硫酸として溶解されている。稀に還元性の硫化水素として排水中に溶解されていることもある。硫化水素が溶解した排水では、SeCNの酸化が進行しにくくなり、SeCNの残存量が多くなると考えられる。
Figure 0007399685000002
表2によれば、過酸化水素の添加量が多くなると、第2処理水のSe6+濃度が高くなり、SeCN濃度低くなることが確認された。No.7では、Se6+濃度およびSeCN濃度の両方が比較的低くなっていた。No.7における第2処理水の過酸化水素濃度は、35mg/Lであった。
Figure 0007399685000003
表3では、第1処理水の過酸化水素濃度に注目して実機データを整理した。No.10~14では、第2処理水のSeCN濃度が0.02mg/L以下であった。No.10~14では、過酸化水素の添加量を増加させても、第2処理水のSeCN濃度は低下しなかったことから、第1処理水の過酸化水素濃度が26mg/L~47mg/Lにあれば、排水中の+4価よりも価数の低いセレンを十分に酸化させられることが示唆された。
一方、No.10~14では、過酸化水素の添加量を増加させることで、第2処理水のSe6+濃度は増加した。第2処理水のSe6+濃度は、No.10が最も高かった。
日本におけるセレンの放流基準は、0.1mg/L以下である。当分野において、セレンを除去した処理水は、通常、他の排水との混合により2倍希釈され、その後、セレン以外の成分を処理して放流される。よって、第2処理水のSe6+濃度およびSeCN濃度の和が0.2mg/L以下であればよい。この基準に鑑みると、No.11~No.14の第2処理水は、放流基準を満たし得る。
表3によれば、第1処理水の過酸化水素濃度が45mg/L以下、好ましくは35mg/L以下であれば、第2処理水のSe6+生成を抑えつつ、SeCNの大部分を+4価まで酸化させられることが示唆された。
Figure 0007399685000004
表4によれば、過酸化水素の添加量を増やすと、第2処理水のSe6+濃度が高くなるが、最も高くても0.1mg-Se/Lに抑えられていた(No.17参照)。第2処理水のSeCN濃度は、No.15で最も高くなった。この結果から、第1処理水の過酸化水素濃度は、少なくとも20mg/L以上であるとよいことが示唆された。
<付記>
以上説明した各実施形態に記載の排水処理方法および排水処理システムは例えば以下のように把握される。
本開示に係る排水処理方法は、セレンを含む燃料を還元雰囲気でガス化させる設備からの排水を処理する方法であって、前記排水に酸を添加して酸性水にし、前記酸性水に過酸化水素を添加して前記セレンを酸化させた後、第1凝集剤を添加して第1凝集物を形成させ、固液分離により前記第1凝集物と液体とを分離し、前記液体の過酸化水素濃度を分析し、前記分析の結果に応じて、前記液体の過酸化水素濃度が所定範囲に収まるよう前記過酸化水素の添加量を制御する。
本開示に係る排水処理システム(1)は、セレンを含む燃料を還元雰囲気でガス化させる設備からの排水を処理する排水処理システムであって、前記排水が収容される酸化部(11)と、前記酸化部の出口側に接続された第1反応凝集部(12)と、前記第1反応凝集部の出口側に接続され、第1凝集物と液体とを分離する第1固液分離部(13)と、前記酸化部に接続され、前記酸化部に酸を添加する酸添加部(14)と、前記酸化部に接続され、前記酸化部に過酸化水素を添加する過酸化水素添加部(16)と、前記第1反応凝集部に接続され、前記第1反応凝集部に第1凝集剤を添加する第1凝集剤添加部(19)と、前記液体の過酸化水素濃度を分析する分析部(21)と、前記液体の過酸化水素濃度が所定範囲に収まるよう、前記分析部の分析結果に応じて前記過酸化水素添加部における過酸化水素の添加量を制御する制御部(22)と、を備えている。第1固液分離部は、例えば、沈殿槽などでありうる。
セレンを含む燃料を還元雰囲気でガス化させる設備からの排水は、+4価よりも価数の低いセレン(例えば、Se(0))を多く含む。過酸化水素の添加前に排水を酸性することで、セレノシアン酸イオンをセレン(Se)とシアン(CN)とに分離できる。分離されたセレンは、過酸化水素によって酸化することで4価のセレン(Se(IV))になる。Se(IV)は凝集剤を用いた処理により容易に除去できる。
排水に添加された過酸化水素のうち、Se(0)の酸化反応に寄与しなかったものは、第1凝集物を分離して得られた液体中に残存する。過酸化水素の残存量が多すぎると、Se(VI)の生成量も多くなる。過酸化水素の残存量が少なすぎると、Se(0)の残存量が多くなる。液体の過酸化水素濃度には適切な範囲内に収めることで、Se(VI)の生成量を抑えるとともに、Se(0)の残存量も抑えることができる。
第1凝集物を分離して得られた液体の過酸化水素濃度を分析し、該分析結果に応じて過酸化水素の添加量を制御することで、液体の過酸化水素濃度を上記範囲に収めることができる。
本開示の一態様において、前記所定範囲を20mg/L以上45mg/L以下とするとよい。
液体(第1処理水)の過酸化水素濃度が20mg/L以上45mg/L以下、好ましくは25mg/L以上35mg/L以下になるように過酸化水素の添加量を調整することで、より確実に、Se(VI)の生成量を抑えるとともに、Se(0)の残存量を低減できる。
本開示の一態様において、前記分析部は、高速液体クロマトグラフィーであるとよい。
高速液体クロマトグラフィーは、他の成分と分離した過酸化水素を測定できるため、他の成分の影響の低い分析値を得ることができる。
本開示の一態様では、COD測定用のUV計を用いて前記液体の過酸化水素濃度を分析し、前記排水の特性に応じた定数を乗じて補正した値を前記分析の結果として用いてもよい。
本開示の一態様において、前記分析部は、前記液体の過酸化水素濃度を分析するCOD測定用のUV計と、前記UV計の分析値に前記排水の特性に応じた定数を乗じて補正する補正部と、を備え、前記制御部は、前記補正部で補正した値が前記所定範囲に収まるよう前記過酸化水素の添加量を制御するよう構成されていてもよい。
過酸化水素はCOD成分と同様に紫外線(UV、波長253.7nm)で光を吸収する特性がある。石炭ガス化発電設備からの排水に含まれるCOD成分には紫外線をほとんど吸収しないものが多い。よって、紫外線による吸光度から過酸化水素濃度を推算できる。
本開示の一態様において、前記液体を活性炭に接触させて活性炭処理水とした後、COD測定用のUV計を用いて前記活性炭処理水の前記過酸化水素の濃度を分析し、前記液体の分析濃度と、前記活性炭処理水の分析濃度との差から前記液体の過酸化水素濃度を推算してもよい。
本開示の一態様において、前記第1固液分離部の液体出口側と前記分析部とを接続する液体流路(23)を備え、前記液体流路は、第1流路(24)および第2流路(25)を含み、前記第1流路は、前記液体を直接、前記分析部へ流す流路であり、前記第2流路は、前記液体に活性炭を接触させる活性炭処理部(26)を有し、前記分析部は、前記第1流路から導かれた液体の過酸化水素濃度および前記第2流路から導かれた液体の過酸化水素濃度をそれぞれ分析できるCOD測定用のUV計であり、前記制御部は、前記第1流路から導かれた液体の過酸化水素濃度の分析結果と、前記第2流路から導かれた液体の過酸化水素濃度の分析結果と、の差分から前記液体の過酸化水素濃度を推算する推算部(28)を有し、前記制御部は、推算した前記液体の過酸化水素濃度に応じて前記過酸化水素の添加量を制御してもよい。
過酸化水素は、活性炭の触媒作用により水と酸素に分解される。一方、石炭ガス化発電設備からの排水に含まれるCOD成分には活性炭に吸着しないものが多い。よって、活性炭と接触した液体と、接触しない処理水との吸光度の差分は、殆どが過酸化水素起因となる。この差分から第1処理水の過酸化水素濃度を推算することにより、COD成分の影響を極力除いた過酸化水素濃度が得られる。
本開示の一態様において、前記液体にキレート剤および鉄剤を添加した後、第2凝集剤を添加して第2凝集物を形成させ、固液分離により前記第2凝集物を除いて処理水を得るとよい。
本開示の一態様において、前記第1固液分離部の液体出口側に接続され、前記液体を受け入れるキレート反応部(31)と、前記キレート反応部の出口側に接続された第2反応凝集部(32)と、前記第2反応凝集部の出口側に接続され、第2凝集物から処理水を分離する第2固液分離部(33)と、前記キレート反応部に接続され、前記キレート反応部にキレート剤を添加するキレート添加部(34)と、前記第2反応凝集部に接続され、前記第2反応凝集部に第2凝集剤を添加する第2凝集剤添加部(37)と、を備えてもよい。
液体(第1処理水)をさらに処理することで、より確実に、最終処理水の全セレン濃度を放流基準値以下にできる。
1 排水処理システム
2 第1処理部
3 第2処理部
11 酸化槽(酸化部)
12 第1反応凝集槽(第1反応凝集部)
12a 第1反応室
12b 第1凝集室
13 第1沈殿槽(第1固液分離部)
14 第1鉄剤添加部
14a,15a,16a,18a,19a,20a,34a,35a,36a,37a,38a タンク
14b,15b,16b,18b,19b,20b,34b,35b,36b,37b,38b 配管
14c,15c,16c,18c,19c,20c,34c,35c,36c,37c,38c ポンプ
15 酸添加部
16 過酸化水素添加部
17 酸化還元電位計測器
18 第1アルカリ添加部
19 第1凝集剤添加部
20 第1凝集助剤添加部
21 分析部
22 制御部
23 液体流路
24 第1流路
25 第2流路
26 活性炭処理部
27 受信部
28 推算部
29 出力部
31 キレート反応槽(キレート反応部)
32 第2反応凝集槽(第2反応凝集部)
32a 第2反応室
32b 第2凝集室
33 第2沈殿槽(第2固液分離部)
34 キレート剤添加部
35 第2鉄剤添加部
36 第2アルカリ添加部
37 第2凝集剤添加部
38 第2凝集助剤添加部

Claims (10)

  1. セレンを含む燃料を還元雰囲気でガス化させる設備からの排水を処理する方法であって、
    前記排水に酸を添加して酸性水にし、
    前記酸性水に過酸化水素を添加して前記セレンを酸化させた後、第1凝集剤を添加して第1凝集物を形成させ、
    第1固液分離により前記第1凝集物と液体とを分離し、
    前記液体の過酸化水素濃度を分析し、
    前記分析の結果に応じて、前記液体の過酸化水素濃度が所定範囲に収まるよう前記過酸化水素の添加量を制御し、
    前記液体にキレート剤および鉄剤を添加した後、第2凝集剤を添加して第2凝集物を形成させ、第2固液分離により前記第2凝集物を除いて処理水を得る排水処理方法
  2. 前記所定範囲を20mg/L以上45mg/L以下とする請求項1に記載の排水処理方法。
  3. 前記分析に、高速液体クロマトグラフィーを用いる請求項2に記載の排水処理方法。
  4. COD測定用のUV計を用いて前記液体の過酸化水素濃度を分析し、前記排水の特性に応じた定数を乗じて補正した値を前記分析の結果として用いる請求項2に記載の排水処理方法。
  5. 前記液体を活性炭に接触させて活性炭処理水とした後、COD測定用のUV計を用いて前記活性炭処理水の前記過酸化水素の濃度を分析し、
    前記液体の分析濃度と、前記活性炭処理水の分析濃度との差から前記液体の過酸化水素濃度を推算する請求項1から4のいずれかに記載の排水処理方法。
  6. セレンを含む燃料を還元雰囲気でガス化させる設備からの排水を処理する排水処理システムであって、
    前記排水が収容される酸化部と、
    前記酸化部の出口側に接続された第1反応凝集部と、
    前記第1反応凝集部の出口側に接続され、第1凝集物と液体とを分離する第1固液分離部と、
    前記酸化部に接続され、前記酸化部に酸を添加する酸添加部と、
    前記酸化部に接続され、前記酸化部に過酸化水素を添加する過酸化水素添加部と、
    前記第1反応凝集部に接続され、前記第1反応凝集部に第1凝集剤を添加する第1凝集剤添加部と、
    前記液体の過酸化水素濃度を分析する分析部と、
    前記液体の過酸化水素濃度が所定範囲に収まるよう、前記分析部の分析結果に応じて前記過酸化水素添加部における過酸化水素の添加量を制御する制御部と、
    前記第1固液分離部の液体出口側に接続され、前記液体を受け入れるキレート反応部と、
    前記キレート反応部の出口側に接続された第2反応凝集部と、
    前記第2反応凝集部の出口側に接続され、第2凝集物から処理水を分離する第2固液分離部と、
    前記キレート反応部に接続され、前記キレート反応部にキレート剤を添加するキレート剤添加部と、
    前記第2反応凝集部に接続され、前記第2反応凝集部に第2凝集剤を添加する第2凝集剤添加部と、
    を備えている排水処理システム。
  7. 前記所定範囲は、20mg/L以上45mg/L以下である請求項に記載の排水処理システム。
  8. 前記分析部は、高速液体クロマトグラフィーである請求項に記載の排水処理システム。
  9. 前記分析部は、前記液体の過酸化水素濃度を分析するCOD測定用のUV計と、前記UV計の分析値に前記排水の特性に応じた定数を乗じて補正する補正部と、を備え、
    前記制御部は、前記補正部で補正した値が前記所定範囲に収まるよう前記過酸化水素の添加量を制御するよう構成されている請求項に記載の排水処理システム。
  10. 前記第1固液分離部の液体出口側と前記分析部とを接続する液体流路を備え、
    前記液体流路は、第1流路および第2流路を含み、
    前記第1流路は、前記液体を直接、前記分析部へ流す流路であり、
    前記第2流路は、前記液体に活性炭を接触させる活性炭処理部を有し、
    前記分析部は、前記第1流路から導かれた液体の過酸化水素濃度および前記第2流路から導かれた液体の過酸化水素濃度をそれぞれ分析できるCOD測定用のUV計であり、
    前記制御部は、前記第1流路から導かれた液体の過酸化水素濃度の分析結果と、前記第2流路から導かれた液体の過酸化水素濃度の分析結果と、の差分から前記液体の過酸化水素濃度を推算する推算部を有し、
    前記制御部は、推算した前記液体の過酸化水素濃度に応じて前記過酸化水素の添加量を制御する請求項に記載の排水処理システム。
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