JP4175002B2 - 酸化・還元剤の注入量制御方法 - Google Patents

酸化・還元剤の注入量制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、水中の遊離塩素、過酸化水素あるいはオゾン等の残留酸化剤の濃度を高感度で検出し、この検出結果に基づいて、排水処理の際に添加する酸化剤や還元剤の量を制御する方法に関する。
特に、水の殺菌や、水中の有機物あるいはアンモニア等の酸化分解処理に使用し、処理水中に残留する酸化剤の濃度を高精度で検出、この検出結果に基づいて酸化剤や還元剤の注入量を高精度で制御し、処理水中に残存する酸化剤の濃度を容易に所定濃度以下とすることができ、結果として水中残留酸化剤の後処理を不要とすることができる酸化・還元剤の制御方法に関する。
【0002】
【技術背景】
従来から、水の殺菌や、水中の有機物あるいはアンモニア等の酸化分解処理に際して、塩素剤、過酸化水素、オゾン等の酸化剤が利用されており、これら酸化剤は、原水中の被酸化性物質の濃度変動に対応して、その添加量を制御することが理想である。
【0003】
しかし、この原水は、上水、下水、生活排水、工場排水など種々であり、被酸化性物質の濃度も種々であり、しかも同一種の原水であっても、被酸化性物質の濃度は、季節、天候、温度等によって激しく変動し、この激しい濃度変動に対応して酸化剤の添加量を制御することは極めて困難である。
このため、一般には、被酸化性物質に対して過剰の酸化剤を添加しており、この未消費酸化剤が処理水中に残留し、処理水はそのまま、上水として供給することも、また自然体に放流することもできない。
【0004】
この残留酸化剤は、従来、還元剤や活性炭を用いる方法や、過酸化コバルト系触媒と接触させる方法等で除去されている。言い換えれば、従来は、上記の原水中の被酸化性物質を過剰の酸化剤を使用して酸化分解処理した後に、処理水中に残留する酸化剤を、これらの方法で除去する必要があった。
【0005】
一方、上記の残留酸化剤、すなわち遊離塩素、過酸化水素、オゾン等の濃度を定量する方法として、処理水をサンプリングし、呈色試薬を加えて濃度を測定する分析技術が用いられている。
しかし、酸化剤の種類によって呈色試薬や分析技術が異なることと、処理水のサンプリングが必要であることから、濃度を定量するために、かなりの時間を要すると言う問題がある。
【0006】
また、上記の酸化剤の添加量を、処理対象原水の酸化還元電位(ORP)を測定しながら、制御する方法も実用化されているが、共存物質やpH等の影響を受けるため、精度上の限界があり、酸化剤のあらゆる濃度を正確に測定することは極めて困難である。
【0007】
更に、原水中の有機物等のCOD成分を酸化剤で分解処理した後の水中や、酸化剤を添加して殺菌等を行った後の水中に残留する酸化剤は、後段に設置した逆浸透膜(RO膜)等の劣化を促進すると言う問題もある。
この問題を解決するために、残留酸化剤と当量の還元剤を添加して残留酸化剤を分解除去する技術も開発されているが、完全に当量を添加することは難しく、処理水中に酸化剤あるいは還元剤が残存してしまうと言う別の問題が生じている。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、以上のような問題を解決し、原水の処理中に残留酸化剤の濃度を、高精度、高感度で、しかも迅速に測定することができる水中残留酸化剤の検出方法を用いて原水中への酸化・還元剤の注入量を制御する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【発明の概要】
本発明の酸化・還元剤の注入量制御方法は、上記目的を達成するために、
排水を酸化剤の添加により酸化処理し、得られた処理水中の、塩素剤、過酸化水素、オゾンの少なくとも1つからなる残留酸化剤の種類及び濃度を、結晶体が粒径10μm以上を有し、かつ少なくとも1つの結晶体面が100μm2以上電極表面に露出している導電性ダイヤモンド多結晶体電極を用い、該水中残留酸化剤の電気分解で生じる還元反応に由来する電流値又は電気量に基づいて、測定し、
該測定値に基づいて、酸化剤、還元剤の何れか一方または双方の注入量を制御することを特徴とする。
この排水処理は、金属触媒を用い、酸化剤又は酸化剤と還元剤を注入した排水を該触媒と接触させる処理方法か、酸化剤と紫外線照射を用いる処理方法、あるいは金属触媒と酸化剤と紫外線照射とを用いる処理方法であってもよい。
【0010】
本発明で使用する導電性多結晶体ダイヤモンド電極は、Ni,Ta,Ti,Mo,W,Zr等の導電性金属材料や、シリコンウエハ等の半導体材料を基板とし、これら基板の表面に導電性ダイヤモンドの結晶粒を析出・合成させたもの、あるいは基板を用いない条件で板状に結晶粒を析出・合成したものを挙げることができる。
なお、導電性多結晶体ダイヤモンド電極は、ダイヤモンド結晶粒の調製の際にボロン又は窒素の所定量をドープして導電性を付与したものであり、ボロンをドープしたものが一般的である。
これらのドープ量は、少なすぎればドープする技術的意義が発現せず、多すぎてもドープ効果は飽和するため、ダイヤモンド素材の炭素量に対し50〜10,000ppmの範囲内のものが適している。
【0011】
本発明では、上記の導電性ダイヤモンド結晶粒を析出・合成した電極は、表面研磨を行わずに用いる。
このとき、この電極の結晶体の粒径は10μm以上で、この粒径を有する少なくとも1つの結晶体の表面露出面積が100μm以上であることが好ましい。このような粒径と表面露出面積を有する導電性ダイヤモンド結晶粒を備えた電極であれば、水中残留酸化剤の量を高感度、高精度で検出することができる(後述の参考例参照)。
【0012】
なお、本発明において、上記の粒径、表面露出面積を有する結晶粒を備えた導電性多結晶体ダイヤモンド電極は、一般には板状のものを使用するが、網目構造物を板状にしたもの等をも使用することができる。
【0013】
上記の粒径、表面露出面積を有する結晶粒を備えた導電性多結晶体ダイヤモンド電極を用いれば、水の電気分解で発生する水素と酸素の電流ピークが−1Vと+2Vとにそれぞれ存在する以外は電流の変化がなく、また遊離塩素剤、オゾン、過酸化水素等の残留酸化剤の還元電位はいずれも−1Vから+2Vの範囲内に存在するため、−1Vから+2Vまでの広い電位に渡って、微量の残留酸化剤の還元反応に関与する電流変化を高感度で検出することができる。
【0014】
本発明では、この電流値又は電気量(電流値を時間で積分して得られる値)から、電位走査法あるいは定電位電解法に従って、水中に残留している酸化剤の量(濃度)を求めることができる。
具体的には、残留酸化剤が含まれる水(すなわち、検出対象水)を、本発明で採用する検出方法により、導電性多結晶体ダイヤモンド電極を用いて電位走査法あるいは定電位電解法を実施し、−1V〜+2Vの範囲内の電流値を測定し、この電流値又は電気量に基づいて検出対象水中の残留酸化剤濃度を求める。
【0015】
なお、残留酸化剤の還元電位は、酸化剤の種類によって異なるため、還元電流を観測することによって、検出対象水中に残留している酸化剤の種類を判別することができる。
言い換えれば、本発明で採用する検出方法では、1つの導電性多結晶体ダイヤモンド電極を用いた測定手段によるだけで、複数種の残留酸化剤の濃度を高感度で、かつ迅速に検出することができる。
【0016】
また、導電性多結晶体ダイヤモンド電極は、化学的安定性に優れ、通常の酸やアルカリによって浸食が極めて小さいため、酸性条件からアルカリ性条件まで広いpH範囲において、微量の残留酸化剤の還元反応に関与する電流変化を高感度で検出することができるのみならず、長期間に渡って安定して、上記のような複数種の残留酸化剤に対する高感度での電流変化の検出効果を持続することができる。
【0017】
更に、本発明で採用する検出方法によれば、従来の水中残留酸化剤の分析技術のように処理水をサンプリングする必要はないし、また従来の酸化還元電位の測定技術に比べて水中共存物質やpH等の影響が極めて少ない。
【0018】
以上の本発明で採用する検出方法により、排水処理における酸化・還元剤の注入量を制御する本発明の方法においては、上記のような方法で水中残留酸化剤の濃度を検出しながら、排水処理に必要な酸化剤、還元剤の何れか一方または双方の注入量を制御するものである。例えば、残留酸化剤の濃度(量)が高い(多い)場合は、排水処理の際に注入する酸化剤の量を減少させたり、あるいは過剰に注入した酸化剤の過剰分を分解するための還元剤の注入量を調節する等の制御を行う。
水中残留酸化剤の濃度の検出箇所は、排水処理装置出口部が望ましく、排水処理直後の水中の残留酸化剤を検出し、この検出結果に基づいて、排水処理装置に注入する酸化剤や還元剤の量を制御する。
【0019】
この制御方法で検出する水中残留酸化剤は、塩素剤、過酸化水素、オゾンの少なくとも1つであることが好ましい。これらの残留分であれば、上記した本発明で採用する検出方法で、高感度で、かつ迅速に検出することができる。
【0020】
また、本発明の制御方法を実施しつつ行う排水処理は、金属触媒層を用いる処理方法であることが好ましい。
この金属触媒は、無機質材料からなる多孔質担体に、ニッケルやコバルト等の金属酸化物、好ましくは過酸化物を担持させたものであり、主として排水中の被酸化性物質を酸化分解処理するための触媒である。
【0021】
上記の多孔質担体としては、アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、クロミア、シリカアルミナ、シリカマグネシア等の金属酸化物;天然ゼオライト、合成ゼオライト、金属イオン交換型ゼオライト等のゼオライト類;アパタイト、カオリン等の粘土類や珪藻土類等の珪酸塩類;等を、各々単独であるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0022】
これらの多孔質担体に、ニッケル、コバルト、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、白金、ランタン、セリウム、銅、銀、鉄、モリブデン等の酸化物あるいは過酸化物(以下、活性金属成分と記すこともある)を、各々単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて担持する。
本発明においては、コストや処理程度(排水中の被酸化性物質の酸化程度)等の面から、ニッケルやコバルトの酸化物や過酸化物の少なくとも1種を担持したものが好ましい。
これらの活性金属成分の担持量は、上記排水中の被酸化性物質の酸化程度に応じて適宜選定されるが、本発明では、触媒全量に対して0.01〜20重量%程度であり、ニッケルやコバルトの酸化物や過酸化物の場合は0.02〜30重量%程度、好ましくは0.1〜10重量%程度である。
【0023】
この金属触媒層に上記の被酸化性物質含有排水を、上記のようにして注入量が制御される酸化剤の存在下で接触させ、被酸化性物質を酸化除去する。
なお、このときの酸化剤の量は、水中の被酸化性物質の酸化分解に必要な化学量論量の1〜5倍量であることが好ましく、また金属触媒層と上記排水との接触時間は、水中の被酸化性物質の量や性質等に応じて適宜選択することができ、通常は10〜60分程度が好ましい。
【0024】
更に、本発明の制御方法を実施しつつ行う排水処理は、酸化剤と紫外線照射を用いる処理方法であってもよい。
例えば、PCB、DDT、ニトロフェン、トキサフェン、ビスフェノールA、フタル酸エステル、スチレンダイマー、スチレントリマー、ノニルフェノール、ダイオキシン類、アトラジン、アラクロール、マラチオン、ケルセン、エストロゲン類等の環境ホルモンと称される被酸化性物質を含む排水は、当該排水を酸化剤の存在下で紫外線照射して処理する(特開2000−42575参照)が、この酸化剤の注入量、あるいは余分な酸化剤を除去するための還元剤の注入量を、上記した本発明の制御方法で制御する。
この酸化剤の注入と紫外線照射は、1つの反応槽内で同時に行ってもよいし、酸化剤溶解槽と紫外線照射装置を別個に設け、酸化剤溶解槽で酸化剤を溶解した排水を、紫外線照射装置に導入して紫外線照射してもよい。
【0025】
このときの酸化剤の溶解方法は、どのような方法であってもよく、例えば、酸化剤がオゾンの場合は、耐酸化性の気体透過膜を備えた溶解膜モジュールを用いたり、オゾンを吹き込む等して溶解させることもできる。
溶解させる酸化剤の量は、水中の被酸化性物質の酸化分解に必要な化学量論量の1〜20倍量が好ましく、2〜7倍量がより好ましい。1倍未満では被酸化性物質の分解が十分に進行せず、20倍より多くても効果が飽和し不経済となる。
【0026】
紫外線照射は、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、水素放電管等を備えた装置により行うことができる。中でも、紫外線の有するエネルギーは波長に反比例するので、300nm以下の波長を発生する装置が好ましく、180nm付近の波長の紫外線を主として発生する装置がより好ましい。低圧水銀灯は、184. 9nmと253. 7nmに水銀の原子線を有するので、好適に使用することができる。
紫外線の照射量は、排水中の被酸化性物質の量に応じて適宜選択することができるが、被酸化性物質濃度0. 005〜0. 05mg/リットル(以下、リットルを「L」、ミリリットルを「mL」と記す)を含む排水を対象とする場合においては、当該排水1L当たり1〜20w・hであることが好ましい。
【0027】
環境ホルモン等の被酸化性物質含有排水に、酸化剤共存下で紫外線照射を行うと、被酸化性物質がPCB、DDT等のように塩素を有する場合は、塩素−炭素結合がラジカル的に切断される。
酸化剤、例えばオゾンに紫外線照射すると、化1に示すように、オゾンは酸素と発生期の酸素に分解し、さらに発生期の酸素は水と反応して酸化力の強いヒドロキシルラジカルを生成すると考えられる。
【0028】
【化1】
→O+・O
・O+HO→2・OH
【0029】
このヒドロキシラジカルが、難分解性有機化合物を分解し、あるいは脱塩素する。そして、この脱塩素後の有機体炭素成分が、オゾンで酸化分解される。
このようにして、被酸化性物質が低分子化し、一部は二酸化炭素と水にまで酸化され、排水中の被酸化性物質は、酸化剤共存下での紫外線照射により、通常、90%以上が分解される。
【0030】
この後、上記の金属触媒層に導入し、酸化剤の存在下で、残りの被酸化性物質の酸化分解を行う。
この接触酸化の際に要する酸化剤は、上記の酸化剤共存下で行う紫外線照射による処理工程での残留酸化剤であってもよいし、この接触酸化工程で、別途、上記のようにして注入量が制御される酸化剤、あるいは酸化剤と還元剤であってもよい。
このときの酸化剤の量は、上記の場合と同様に、水中の被酸化性物質の酸化分解に必要な化学量論量の1〜5倍量であることが好ましく、また金属触媒層と上記排水との接触時間は、水中の被酸化性物質の量や性質等に応じて適宜選択することができ、通常は10〜60分程度が好ましい。
【0031】
【実施例】
参考例1
ボロンドープ法を用いて、結晶粒径を10μm以上に成長させ、このダイヤモンド多結晶体を構成する少なくとも1つの粒子の結晶面が100μm以上露出している導電性多結晶体ダイヤモンド電極を作用極とし、白金電極を対極、銀/塩化銀電極を参照電極として、測定槽を構成した。
【0032】
上記の測定槽において、ポテンショスタットを用い、定電位電解法により、0.5モル/リットル(以下、リットルを「L」、ミリリットルを「mL」と記す)に調整した硫酸水溶液中で電位電流曲線を測定し、この結果を図1に示した。
【0033】
図1中、横軸は銀/塩化銀の参照電極に対する電位で、縦軸は検出される電流の変化を示している。
図1から明らかなように、水の分解に由来する−1V付近の水素発生と、+2V付近の酸素発生以外には、電流変化が生じておらず、−1Vから+2Vまでの広い範囲に渡って微量な残留酸化剤の酸化・還元反応に起因する電流ピークを検出できることが確認された。
【0034】
参考例2
参考例1で使用した導電性多結晶体ダイヤモンド電極の接液面を研磨処理して作用電極とした以外は、参考例1と同様にして、電位電流曲線を測定し、この結果を図2に示した。
なお、上記の研磨処理した導電性多結晶体ダイヤモンド電極は、全ての結晶粒の大きさが5μmより小さく、また接液面において100μm以上露出している結晶面は観察されなかった。
【0035】
図2から明らかなように、研磨処理した導電性多結晶体ダイヤモンド電極を用いる場合、−1Vから+2Vに渡って、参考例1の研磨処理していない導電性多結晶体ダイヤモンド電極を用いる場合の図1と比較して、1桁以上も余分の多くの電流が検出されてしまうばかりか、+1.6Vから+1.9V付近において電流ピークを生じており、参考例1で使用した導電性多結晶体ダイヤモンド電極を用いる場合よりも、遙に酸化・還元反応を検出する能力に劣ることが確認された。
【0036】
参考 参考例1と同じ反応槽を構成し、ここに投入した酸化剤として0.6mg/LのNaClOを含む水中で、ポテンショスタットを用い、電位走査法により、電位電流曲線を測定した。
この結果、−1Vで1μAの還元電流が測定された。
【0037】
また、0.2mg/L、2mg/L、20mg/LのNaClOを含む水中で、上記と同様にして電位電流曲線を測定した。
そして、−1Vで観測される還元電流の大きさを、NaClO濃度の対数に対してプロットした結果を図3に示す。
図3から明らかなように、NaClO濃度と還元電流の大きさの間には良好な直線関係があり、この関係から水中に含まれるNaClO濃度を求めることができることが確認される。
【0038】
比較例1
参考で使用した導電性多結晶体ダイヤモンド電極の接液面を研磨処理して作用電極とした以外は、参考と同様にして、電位電流曲線を測定した。
なお、上記の研磨処理した導電性多結晶体ダイヤモンド電極は、全ての結晶粒の大きさが5μmより小さく、また接液面において100μm2以上露出している結晶面は観察されなかった。
【0039】
この結果は、NaClOの還元反応に対応する電流は、水素発生の電流変化と重なり、参考に比べると検出の精度が悪く、5mg/L以下のNaClOが含まれる場合、正確な濃度を決定することができなかった。
【0040】
実施例 図4に示す装置を次のようにして構成した。
直径30mm×高さ300mmのガラス製触媒充填塔1に、平均粒径1mmの球状Y型ゼオライトに過酸化コバルトを1wt%担持させた触媒を100mL充填した。
この触媒充填塔1の下部に設けた導入ライン11をポンプ21を介して原水タンク3に連結し、このライン11のポンプ21より後流側(触媒充填塔1側)にポンプ22を介して酸化剤タンク4を連結し、酸化剤タンク4からの酸化剤が原水タンク3からの原水に添加されるようにした。
また、触媒充填塔1の上部に設けた導出ライン12にバイパスライン13を設け、このライン13に導電性多結晶体ダイヤモンド電極を用いた水中残留酸化剤濃度検出センサ5を連結した。
そして、検出センサ5の検出結果をポンプ22にフィードバックして、ポンプ22による酸化剤タンク4からの酸化剤の送液量を制御するようにした。
【0041】
原水タンク3にフェノール含有水を投入し、酸化剤タンク4に酸化剤としてNaClOを投入した。
また検出センサ5には、参考例1で用いたものと同じ導電性多結晶体ダイヤモンド電極を用いた。
ポンプ21を作動させ、原水タンク3のフェノール含有水を、300mL/hの通液速度(SV=3/h)で、触媒充填塔1に通液して処理し、該塔1の上部から導出する処理水の一部を検出センサ5に導き、本発明で採用する検出方法で処理水中の残留塩素濃度を検出した。
そして、この検出結果をポンプ22にフィードバックし、酸化剤タンク4から触媒充填塔1への次亜塩素酸ナトリウムの通液量を、処理水中の残留塩素濃度が0.05mg/L以下になるように制御した。
【0042】
上記のようにして、5時間の通液処理を行った後、処理水を分析したところ、表1に示す結果を得た。
表1から明らかなように、CODの高効率除去を行うことができると共に、従来のCOD除去で必要であった触媒充填塔1後段での残留塩素の除去処理が不要となることが確認される。
【0043】
【表1】
Figure 0004175002
【0044】
比較例2
検出センサ5を設置せず、NaClOの通液量を300mg/Lとする以外は、実施例と同様にして5時間の通液処理を行った後、処理水を分析したところ、表2に示す結果を得た。
表2から明らかなように、CODの除去効率は高いものの、処理水中に残留塩素が高濃度で含まれ、触媒充填塔1後段での残留塩素の除去処理が必要であることが確認される。
【0045】
【表2】
Figure 0004175002
【0046】
比較例3
原水に添加する次亜塩素酸ナトリウムの量を250mg/Lとした以外は、比較例2と同様にして5時間の通液処理を行った後、処理水を分析したところ、表3に示す結果を得た。
表3から明らかなように、残留塩素の濃度は0.05mg/Lまで低下して後処理は不要となったが、CODの除去効率は大きく低下したことが確認される。
【0047】
【表3】
Figure 0004175002
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明で採用する検出方法によれば、水中の残留酸化剤の濃度を高感度・高精度で検出することができる。
従って、この検出方法を用いて、排水処理の際に添加する酸化剤や還元剤の量を高精度で制御すれば、処理水中に残存する酸化剤の濃度を容易に所定濃度以下にすることができることはもとより、排水処理の後処理として従来必要であった水中残留酸化物剤の除去処理を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1で得られた電位電流曲線を示すグラフである。
【図2】 参考例2で得られた電位電流曲線を示すグラフである。
【図3】 参考で得られた酸化剤(NaClO)濃度と還元電流との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明の実施例で使用した処理装置のフローを説明するための図である。

Claims (3)

  1. 排水処理における酸化・還元剤の注入量を制御する方法において、
    排水を酸化剤の添加により酸化処理し、得られた処理水中の、塩素剤、過酸化水素、オゾンの少なくとも1つからなる残留酸化剤の種類及び濃度を、結晶体が粒径10μm以上を有し、かつ少なくとも1つの結晶体面が100μm2以上電極表面に露出している導電性ダイヤモンド多結晶体電極を用い、該水中残留酸化剤の電気分解で生じる還元反応に由来する電流値又は電気量に基づいて、測定し、
    該測定値に基づいて、酸化剤、還元剤の何れか一方または双方の注入量を制御することを特徴とする酸化・還元剤の注入量制御方法。
  2. 排水処理が、金属触媒を用い、酸化剤又は酸化剤と還元剤を注入した排水を該触媒と接触させる処理方法であることを特徴とする請求項1に記載の酸化・還元剤の注入量制御方法。
  3. 排水処理が、酸化剤と紫外線照射を用いる処理方法であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化・還元剤の注入量制御方法。
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