JP6428719B2 - 6価クロム含有廃液の処理方法および6価クロム含有廃液の処理装置 - Google Patents

6価クロム含有廃液の処理方法および6価クロム含有廃液の処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、有害な6価クロムを無害な3価クロムとする、6価クロム含有廃液の処理方法および6価クロム含有廃液の処理装置に関する。
冷延鋼板や熱延鋼板を表面処理してめっき鋼板を製造する場合、まず、原板面の錆、酸化皮膜を除去し表面を活性化するために前処理として塩酸や硫酸を用いた酸洗処理を原板に施し、めっき後には耐食性を付与するためにクロメート処理を施す。
このため、酸洗処理ラインからは多量のFe2+(以下「第一鉄」または「2価鉄」ともいう)やFe3+(以下「第二鉄」または「3価鉄」ともいう)を含有する廃液(以下「鉄廃液」ともいう)が発生し、クロメート処理ラインからはCr6+(以下「6価クロム」ともいう)を含有する廃液(以下「6価クロム含有廃液」ともいう)が発生する。
鉄廃液や6価クロム含有廃液は、環境汚染防止の法規制に則り適正に処理することが義務づけられており、従来から種々の廃液処理方法や廃液処理装置が提案されている。
6価クロム含有廃液の処理方法としては、例えば、6価クロム含有廃液に還元剤を添加して、有害な6価クロムを無害な3価クロムに還元し、次いで水酸化物として沈殿除去する方法が挙げられる。
特許第2906521号公報 特開平6−304578号公報 特開2009−82839号公報 特許第2847864号公報 特許第4106976号公報 特開昭54−146458号公報 特許第3063962号公報 特開平9−52091号公報 特開平11−14541号公報
JIS K 0102:2013
6価クロムの還元方法としては、還元剤として亜硫酸イオンを用いる亜硫酸塩還元法と、2価鉄イオンを用いる第一鉄塩還元法とがある。
亜硫酸塩還元法は、第一鉄塩還元法に比べて生成汚泥量が少なく操作性に優れているが、亜硫酸塩が高価であることから、多量の鉄廃液が発生する鉄鋼業では、第一鉄塩還元法がよく用いられる。第一鉄塩還元法の反応式は、下記式(1)に示す通りである。
Cr6++3Fe2+→Cr3++3Fe3+ ・・・・・・・(1)
第一鉄塩還元法は、安価で酸性でもアルカリ性でも処理が可能であるという利点がある一方で、発生する汚泥の量が多くなるという問題がある。この問題の主な原因は、下記(2)式に示すように、pHによっては2価鉄が溶存酸素に消費される可能性があり、6価クロムの排出防止に万全を期すために、還元剤としての鉄廃液を大過剰に混合させるためである。
2Fe2++O+H2O→2Fe3++2OH- ・・・・・・・(2)
6価クロムの還元処理で発生する汚泥を低減させることを目的に、酸化還元電位計(ORP計)または溶存酸素計(DO計)を用いて、(1)式の6価クロムの還元反応を監視し、鉄廃液の混合量を制御する技術が公知となっている。
ORP計を用いる技術は、(1)式の反応前後での電位の変化を利用して、6価クロムの還元反応を監視する技術である。しかし、弱酸性、中性およびアルカリ性のいずれの条件下においても、還元反応に伴う酸化還元電位(ORP)の明確な変化は得られず、pH1以下でORPの変化がわずかに生じるのみである。このため、この技術は、強酸性下でのみ実施されている。
また、特許文献1〜3には、中性からアルカリ性の領域でORP計を利用できる技術が開示されている。しかしながら、そもそもORP計の値は、平衡に達するまでに5分程度の感応時間を必要とするため、滞留時間の短いセミバッチ式やフロー式の還元槽による連続的な還元処理において、(1)式の反応前後での6価クロムのORPの変化を連続的に監視することはできない。さらに、3価鉄やその他の金属イオンの含有率が変動する場合にも6価クロムのORPが変動するため、6価クロムの還元反応を正確に監視しているとはいえない。
一方、DO計による6価クロムの還元反応の監視技術は、(1)式の反応が(2)式の反応に優先して起こることを利用している。第一鉄イオンは、(1)式のように6価クロムを還元するだけでなく、(2)式のように還元槽内の廃液中の溶存酸素により酸化されて第二鉄イオンに変化する。廃液中の溶存酸素濃度を測定し、溶存酸素が所定の濃度まで低下したことを確認して、(1)式の反応の終了を検知する技術である。
しかし、この技術は、専らpH4以上の条件でのみ利用される。その理由は、(2)式の反応がpH4未満の条件ではほとんど進行しないためである。例えば、特許文献4および5には、pH4以上、特にpH4〜6の条件下では(2)式の反応の進行が遅いので、中性からアルカリ性で、この技術を行なうことが開示されている。
なお、DO計による技術では、空気中の酸素が廃液中に溶解するので、還元槽を強く攪拌することが誤差を誘発するという潜在的な問題点がある。
鉄鋼業で排出される6価クロム含有廃液および鉄廃液(還元剤)のpHは、それぞれ、7前後および0前後であることから、通常レベルの混合比においては、混合後のpHは常に4未満(1超)の領域になる。
したがって、ORP計およびDO計のいずれを用いる方法においても、6価クロムの還元反応を監視するためにはpH調整が必要となり、薬剤コストが増え連続処理が制約される。
還元反応時の6価クロムを直接連続的に測定できる技術があれば上記のような問題は解決できるが、そのような技術は各々問題点がある。例えば、吸光光度法による6価クロム定量方法が非特許文献1に示されている。この方法は、鉄鋼業の廃液のように有色溶液や高濃度の3価鉄イオンを含む溶液には不適であり、発色用の試薬を添加する必要性などからメンテナンスも簡単ではない。
また、6価クロムイオンが光を吸収することを利用して6価クロム濃度を測定する技術、および、この技術を利用した廃液処理方法が特許文献6〜9に開示されている。しかし、これらの方法は、高濃度の6価クロムを測定することはできるが、法規制値(0.05mg/L)レベルの微量の6価クロムを測定することはできないため、適正な廃液の排出管理のためには還元反応後に希釈されることを見込む必要がある。
以上のことから、6価クロムを測定する公知技術では、6価クロムの還元反応の見極めをすることは難しい。
なお、複数の生産ラインからの廃液が含まれる6価クロム含有廃液中の6価クロム濃度は、生産量の増減などの影響もあって、変動が非常に大きい。そのため、上述したように、還元剤としての鉄廃液は大過剰に添加されている。その結果、沈殿物が大量に発生し廃棄物処理に多大な費用が必要となっている。
このように、現状では、鉄鋼業における6価クロム含有廃液の処理には、コストや容易さの点で問題がある。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、還元槽内に6価クロム含有廃液と第一鉄塩を含有する還元剤とを注入し混合して6価クロムを3価クロムに還元するに当たり、還元槽内のpH調整をすることなく還元反応の進行状況を監視して注入量を適正化できる、6価クロム含有廃液の処理方法および6価クロム含有廃液の処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行なった。その結果、(1)式の反応では2価鉄と6価クロムとがあらゆるpHで瞬時に反応するのに対して、(2)式の反応では2価鉄と溶存酸素との反応速度がpH4未満の条件下で遅くなることに着目し、還元槽内の2価鉄(第一鉄)の濃度を測定することで、6価クロムの還元反応を監視できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]を提供する。
[1]還元槽内に、6価クロムを含有する6価クロム含有廃液と、第一鉄塩を含有する還元剤とを注入し、混合して、6価クロムを3価クロムに還元する、6価クロム含有廃液の処理方法であって、上記還元槽内の第一鉄の濃度を測定し、測定した第一鉄の濃度に基づいて、上記還元槽への上記還元剤および/または上記6価クロム含有廃液の注入量を調整する、6価クロム含有廃液の処理方法。
[2]上記還元槽内の第一鉄の濃度を、吸光光度法を用いて測定する、上記[1]に記載の6価クロム含有廃液の処理方法。
[3]上記還元槽内の第一鉄の濃度を測定する際の測定波長が、650〜1150nmの範囲である、上記[2]に記載の6価クロム含有廃液の処理方法。
[4]上記還元槽内の第一鉄の濃度を測定する際の測定波長が、650〜900nmの範囲である、上記[3]に記載の6価クロム含有廃液の処理方法。
[5]上記還元槽内のpHが4未満である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の6価クロム含有廃液の処理方法。
[6]上記還元剤が、鉄鋼業で排出される鉄廃液である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の6価クロム含有廃液の処理方法。
[7]上記還元剤が含有する第一鉄塩が、硫酸第一鉄および/または塩化第一鉄である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の6価クロム含有廃液の処理方法。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の6価クロム含有廃液の処理方法に用いる、6価クロム含有廃液の処理装置であって、上記還元槽内の第一鉄の濃度を測定する測定装置を備える、6価クロム含有廃液の処理装置。
本発明によれば、還元槽内に6価クロム含有廃液と第一鉄塩を含有する還元剤とを注入し混合して6価クロムを3価クロムに還元するに当たり、還元槽内のpH調整をすることなく還元反応の進行状況を監視して注入量を適正化できる、6価クロム含有廃液の処理方法および6価クロム含有廃液の処理装置を提供できる。
6価クロム含有廃液の処理装置の一例を示す概略図である。 2価鉄濃度が異なる水溶液について、吸光光度計を用いて測定された、入射光の波長と光透過率との関係を示すグラフである。 分析光波長900nmにおける吸光度と2価鉄濃度との関係を示すグラフである。 図2と同様に、2価鉄濃度が異なる水溶液について、吸光光度計を用いて測定された、入射光の波長と光透過率との関係を示すグラフである。 分析光波長1100nmにおける吸光度と2価鉄濃度との関係を示すグラフである。
以下、図1〜図5に基づいて、本発明の好適態様を説明する。ただし、本発明は、以下の態様には限定されない。
図1は、6価クロム含有廃液の処理装置の一例を示す概略図である。
図1に示す6価クロム含有廃液の処理装置(以下、単に「処理装置」ともいう)は、並列して設置された鉄廃液槽1と6価クロム含有廃液槽2とを有し、さらに、鉄廃液槽1および6価クロム含有廃液槽2からの廃液を混合して6価クロムの還元処理を行なう還元槽3と、還元処理された廃液を中和する中和槽4と、中和処理後の沈殿物を含む廃液スラリーを固液分離処理する沈殿槽5とを有する。
鉄廃液槽1と還元槽3との間には、ポンプ6および流量計7が設置され、また、6価クロム含有廃液槽2と還元槽3との間にはポンプ8および流量計9が設置されており、それぞれの廃液の還元槽3への注入量が制御自在となっている。
還元槽3は、還元槽3内の第一鉄の濃度を測定する測定装置としての2価鉄計10を備えており、還元槽3内の混合廃液中の2価鉄の濃度を連続的または逐次測定できる。また、中和槽4は、中和槽4への中和剤の投入量を決定するためのpH計11を備えている。
このような構成において、まず、第一鉄塩を含有する還元剤としての鉄廃液、および、6価クロム(6価クロム化合物)を含有する6価クロム含有廃液が、例えば製造ライン(図示せず)から排出される。排出された鉄廃液および6価クロム含有廃液は、それぞれ、鉄廃液槽1および6価クロム含有廃液槽2に貯留され、それぞれのポンプ(ポンプ6またはポンプ8)によって、還元槽3に移送されて、混合廃液となる。
なお、鉄廃液(還元剤)が含有する第一鉄塩としては、特に限定されないが、例えば、硫酸第一鉄(FeSO4)および/または塩化第一鉄(FeCl2)が挙げられる。
このとき、上述したように、鉄鋼業で排出される6価クロム含有廃液および鉄廃液のpHは、それぞれ、7前後および0前後であることから、還元槽3内の混合廃液のpHは、通常、4未満となる。
pH4未満では、(1)式の反応が(2)式の反応に優先して生じるため、還元槽3内では、6価クロムが還元されて3価クロムになり、その分に相当する2価鉄の濃度は減少する。(1)式の反応は瞬時に起こるので、(2)式の反応が起こりにくい条件(pH4未満)下で、混合廃液中の2価鉄が余剰になっている状態は、6価クロムがすべて3価クロムに還元されている状態であると判断できる。
本発明者らは、還元槽3内の混合廃液中の2価鉄の濃度を、2価鉄計10で連続的または間欠的に測定することにより、還元槽3内で生じる6価クロムの還元反応を監視できることを見出した。これを利用すれば、2価鉄計10の信号値に応じて、鉄廃液(還元剤)および/または6価クロム含有廃液の注入量を調整することにより、還元槽3内で生じる6価クロムの還元反応を最適な状態に保つことができる。
例えば、2価鉄計10で2価鉄の信号が検出されないときは、還元槽3内の混合廃液中の2価鉄が(1)式の反応ですべて消費されてしまったと判断できるので、鉄廃液槽1に接続しているポンプ6を強めて鉄廃液の流量を増やすか、または、クロム廃液槽2に接続しているポンプ8を弱めて6価クロム含有廃液の流量を減少させる。
こうして、還元槽3内でのpH調整やそのコストを必要とすることなく、リアルタイムで6価クロムの還元状態を把握することが可能となり、最小限の汚泥発生量で確実に6価クロムを3価クロムに還元できる。
なお、2価鉄の信号がわずかに検出される還元処理条件の方が6価クロムの環境排出に対しては安全余裕度が高く現実的な運転方法である。よって、常に2価鉄の信号がわずかに検出される状態に、鉄廃液および6価クロム含有廃液の還元槽3への注入量を調整することが好ましい。
ところで、これまで述べてきたように、還元槽3内のpHは4未満であることが好ましい。この理由は、(1)式の反応を(2)式の反応に優先して起こすことができ、6価クロムの還元処理を効率的に行なえるからである。
しかし、仮に、還元槽3内の混合廃液のpHが4以上になったとしても、(1)式の反応と(2)式の反応とが同時に進行するので、2価鉄計10で2価鉄が検出されたときは、(1)の反応が完了していると判断できる。
したがって、還元槽3内の混合廃液のpHを常に4未満になるように調整する必要はなく、還元槽3内の混合廃液と空気との接触も無視してよい。
還元槽3では、鉄廃液と6価クロム含有廃液とが機械式攪拌などで十分攪拌される条件が確保されれば、還元槽3内で滞留させる時間はほとんど不要である。よって、還元槽3は、連続処理に適したフロー式またはセミバッチ式の構造が好ましい。
2価鉄計10は、吸光光度計が好ましく、フローセル式の吸光光度計がより好ましい。
図2は、2価鉄濃度が異なる水溶液について、吸光光度計を用いて測定された、入射光の波長と光透過率との関係を示すグラフである。吸光光度計としては、日本分光社製の紫外可視分光光度計V−750を使用し、測定条件としては、光源がタングステンランプ、セル長は50mmとした。
図2に示すグラフによれば、波長(横軸)が650〜900nmの近赤外領域に2価鉄の光吸収帯があり、2価鉄(Fe(II))の濃度が高くなるとともに光透過率(縦軸)が下がることが分かる。この波長帯は3価鉄や3価クロムなどほかのイオンの妨害もないので、妨害イオンを除去するのに必要となる試薬添加やpH調整などの前処理も不要であり、2価鉄の濃度を簡便に測定できる。よって、分析光波長(測定波長)としては650〜900nmを用いることができる。なかでも850〜900nmの波長を用いると吸光度が大きくなるため、より好適である。
図3は、分析光波長900nmにおける吸光度と2価鉄濃度との関係を示すグラフである。図3のグラフに示すように、2価鉄濃度(横軸)と吸光度(縦軸)とは、極めて良い直線関係を示す。よって図3のグラフを検量線として、吸光光度法によって、還元槽3内の混合廃液中の2価鉄濃度を定量できる。
また、図4は、図2と同様に、2価鉄濃度が異なる水溶液について、吸光光度計を用いて測定された、入射光の波長と光透過率との関係を示すグラフである。吸光光度計(近赤外分光光度計)としては、浜松ホトニクス社製の分光器C11118GAを使用し、測定条件としては、光源がハロゲンランプ、セル長は50mmとした。
図4に示すグラフは、波長(横軸)が900nm以上の領域、具体的には波長が900〜1150nmの近赤外領域にも2価鉄の光吸収帯があり、2価鉄(Fe(II))の濃度が高くなるとともに光透過率(縦軸)が下がることを示している。この波長帯は水の光吸収があるものの、共存するイオンの妨害も少なく、装置を構成する光源や光検出器が安価に入手し易いので、2価鉄の濃度を簡便に測定できる。よって、分析光波長(測定波長)としては、上述した650〜900nmに加えて、900〜1150nmの波長を用いることもできる。
図5は、分析光波長1100nmにおける吸光度と2価鉄濃度との関係を示すグラフである。図5のグラフに示すように、2価鉄濃度(横軸)と吸光度(縦軸)とは、極めて良い直線関係を示す。よって図5のグラフを検量線として、吸光光度法によって、還元槽3内の混合廃液中の2価鉄濃度を定量できる。
還元槽3で還元処理された混合廃液は、次に、中和槽4に移送されて、中和剤が投入されて中和される。なお、中和槽4への中和剤の投入量は、pH計11で測定されるpHに基づいて決定される。また、中和剤としては、例えば消石灰などのアルカリ性の中和剤が好適である。これにより、3価のクロムイオンならびに2価および3価の鉄イオンは、それぞれ水酸化物となり沈殿する。この沈殿を含む廃液(廃液スラリー)はその後、沈殿槽5にて固液分離処理される。
より詳細には、中和槽4から排出された廃液は、曝気処理されて、廃液中に残留する2価鉄は、3価鉄に酸化されて水酸化鉄として沈殿する。その後、廃液に高分子凝集剤が添加されて、沈殿槽5で汚泥と排水とに固液分離される。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
図1に基づいて説明した処理装置を用いて、6価クロムを約100ppm含有する6価クロム含有廃液と、硫酸第一鉄(FeSO)を2価鉄として約20000ppm含有する鉄廃液とを、還元槽3内に連続的に注入し、混合廃液とした。還元槽3の混合廃液の吸光度を、2価鉄計10を用いて測定した。還元槽3での反応時間は約2分とした。
2価鉄計10としては、パス長50mmのフローセル、光源としての波長880nmのレーザーダイオード、および、検出器としての近赤外フォトダイオードから構成される吸光光度計を用いた。
2価鉄計10を用いて吸光度を測定しながら、還元槽3に注入する鉄廃液の量を調整し、吸光度が0.002を示す流量に設定して6価クロムの還元処理を行なった。
沈殿槽5で廃液を採取して分析したところ、6価クロム濃度は0.02ppm以下であり、かつ、発生した汚泥質量は6価クロム含有廃液1mあたり約1.2kgであった。
<比較例1>
図1に基づいて説明した処理装置を用いて、実施例1と同様に、6価クロムを約100ppm含有する6価クロム含有廃液と、硫酸第一鉄(FeSO)を2価鉄として約20000ppm含有する鉄廃液とを、還元槽3内に連続的に注入し、混合廃液とした。
ただし、比較例1では、2価鉄計10を用いずに、還元槽3にORP計を設置し、ORP計の応答時間を考慮して還元槽3での反応時間は約20分とした。ORP計の指示値が200〜450mVの範囲となるように還元槽3に注入する鉄廃液の量を調整して還元処理を行なった。なお、上記のORP計の値は、還元槽3内の6価クロム濃度と発生汚泥量とが適正となるように、過去の実験結果から定めた管理範囲である。
沈殿槽5にて廃液を採取して分析したところ、6価クロム濃度は0.02ppm以下であったが、発生した汚泥質量は6価クロム含有廃液1mあたり約3.2kgと実施例1に比べて増加した。
1:鉄廃液槽
2:6価クロム含有廃液槽
3:還元槽
4:中和槽
5:沈殿槽
6:ポンプ
7:流量計
8:ポンプ
9:流量計
10:2価鉄計(測定装置)
11:pH計

Claims (8)

  1. 還元槽内に、6価クロムを含有する6価クロム含有廃液と、第一鉄塩を含有する還元剤とを注入し、混合して、6価クロムを3価クロムに還元する、6価クロム含有廃液の処理方法であって、
    前記還元槽内のpHを測定することなく、前記還元槽内の第一鉄の濃度を測定し、測定した第一鉄の濃度に基づいて、前記還元槽への前記還元剤および/または前記6価クロム含有廃液の注入量を調整する、6価クロム含有廃液の処理方法。
  2. 前記還元槽内の第一鉄の濃度を、吸光光度法を用いて測定する、請求項1に記載の6価クロム含有廃液の処理方法。
  3. 前記還元槽内の第一鉄の濃度を測定する際の測定波長が、650〜1150nmの範囲である、請求項2に記載の6価クロム含有廃液の処理方法。
  4. 前記還元槽内の第一鉄の濃度を測定する際の測定波長が、650〜900nmの範囲である、請求項3に記載の6価クロム含有廃液の処理方法。
  5. 前記還元槽内のpHが4未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の6価クロム含有廃液の処理方法。
  6. 前記還元剤が、鉄鋼業で排出される鉄廃液である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の6価クロム含有廃液の処理方法。
  7. 前記還元剤が含有する第一鉄塩が、硫酸第一鉄および/または塩化第一鉄である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の6価クロム含有廃液の処理方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の6価クロム含有廃液の処理方法に用いる、6価クロム含有廃液の処理装置であって、
    前記還元槽内の第一鉄の濃度を測定する測定装置を備える、6価クロム含有廃液の処理装置。
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