JP4840229B2 - 六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の適正濃度維持方法および装置 - Google Patents

六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の適正濃度維持方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、六価クロムを還元処理して排水する必要のある施設、たとえば、めっき工場の排水処理施設に組み込むことにより、六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の濃度を適正濃度に維持する方法および装置に関するものである。
めっき工場では業務上めっき工程で多くの薬品、たとえば、青化第一銅(CuN),苛性カリ(KOH)、無水クロム酸(CrO)、青化亜鉛(Zn(CN)),青化カドミウム(Cd(CN))[これらの薬品は毒物及び劇物取締法にて規制されている]等が使用されており、薬品を含んだめっき排水は、一般に、次の(1)乃至(8)の各処理工程を経て無害化して工場外に排出される。
(1)酸化工程:
青化物を酸化し炭酸ガスと窒素に分解する工程。
(2)還元工程:
六価クロムを三価クロムに還元する工程。
(3)凝集pH調整工程:
排水中の金属を水酸化物として凝集しやすい適切なpHとする工程。
(4)凝集工程:
無機有機凝集剤を添加し、金属水酸化物を凝集させる工程。
(5)沈降工程:
凝集した金属水酸化物を沈降させ汚泥と清澄水とに分離する工程。
(6)汚泥脱水工程:
沈降工程から得られた汚泥を脱水する工程。
(7)放流(最終)pH調整工程:
清澄水のpHを排出水基準内にする工程。
(8)放流工程:
水質を監視し下水道等へ放流する工程。
日刊工業新聞社発行「初級めっき」p.105−107
上記の還元工程で還元処理するめっき排水中の六価クロムは毒性が強く、接触すると皮膚炎を起こし、高濃度のものを長期間吸引すると鼻中隔せん孔を起こす。このため、六価クロムは「人の健康に係る被害を生じるおそれのある物質」として政令で定められ、水質汚濁防止法の規定の対象となっている。
上記還元工程では、めっき排水中の無水クロム酸(CrO)などの六価クロムをたとえば硫酸の酸性下において、重亜硫酸ナトリウム(NaHSO)等の還元剤を添加することにより、三価クロムに還元処理している(以下、木明細書中において、六価クロムを酸性下において、重亜硫酸ナトリウム等の還元剤を添加することにより、三価クロムに還元処理することを「一般的還元処理」という)。このときの反応を、次の化学式1に示す。
Figure 0004840229
この反応においては、反応の終点付近では酸化還元電位(ORP)は急激に降下するので、還元剤を添加しながらORP値を酸化還元電位計(ORP計)で計測し、ORP値の急激な降下を検知することによって反応の終点を知ることができる。
この一般的還元処理では、六価クロムを含んだ排水を一定の酸性のpH値に保ち、ORP計が示す酸化還元電位が急激に降下する値(設定値)まで還元剤を添加する。そして、ORP値が設定値以下になるように、適宜硫酸や重亜硫酸ナトリウムを添加する(但し、この設定値は、通例、実験によって設定される値で変動しないので、常時変動する測定環境に追従しない)。
従って、pH計やORP計を使用した一般的還元処理では、排水中の還元剤の量が過少になったり過剰になったりして、排水中の還元剤の濃度を適正濃度に維持できないという事態を招きやすい。
還元剤の量(濃度)が過少状態となる場合には、例えば、凝集pH調整工程、放流(最終)pH調整工程に於いて、三価クロムが六価クロムに再酸化される可能性があり、再酸化された六価クロムは凝集工程、沈降工程では除去できないため、下水道等に放流する排水中に六価クロムが検出される事態が生じる。
一方、還元剤の量(濃度)が過剰状態となる場合には、
(1)クロムその他の重金属の凝集・沈降性が損なわれ、下水道等に放流する排水中にクロムやその他の重金属が検出される、
(2)よう素消費量(排水中の還元性物質の量を規制する項目)、化学的酸素消費量(COD:排水中の酸素を消費する物質を規制する項目)という排水規制項目を遵守できない、
(3)還元剤を過剰に使用することになるため、資源の無駄使いとなり省資源化が図れず、さらに、亜硫酸ガスによる周辺環境の悪化を惹起する、
等の事態が生じる。
本発明は、上記不利益な点を除去するために鋭意研究を重ねた結果、六価クロム含有排水の還元処理後の排水中には、一定量の余剰還元剤(適正濃度の還元剤)が必要であるという前提の下に、固定した「設定値」ではなく、可変の「制御値」という概念を導入することによって、還元剤の濃度を適正濃度に維持できることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
従って本発明の目的は、めっき排水等の排水処理工程中において、六価クロム還元処理後の排水中に含まれる還元剤の濃度を適正濃度に維持することにより、生成された三価クロムが六価クロムに再酸化することを防止する、六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の適正濃度維持方法および装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、還元剤の過剰状態あるいは過小状態を回避して適正な濃度の還元剤を維持することにより、下水道法等に定める工場排水の基準値を確実に遵守できる、六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の適正濃度維持方法および装置を提供することにある。
本発明のもう一つ他の目的は、過剰な還元剤を添加することを防止して省資源対策と亜硫酸ガスによる周辺環境の悪化防止に資する、六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の適正濃度維持方法および装置を提供することにある。
本発明に係る六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の濃度を適正濃度に維持する方法は、六価クロム含有排水を一定の酸性のpH値に保ちながら還元槽の六価クロム含有排水を酸化還元反応の終点付近で酸化還元電位が急激に降下する値以下になるように酸、還元剤の添加量を制御するステップと、
六価クロム還元処理後の滞留槽における排水の還元剤濃度を定量分析して還元剤濃度が適正濃度に有るか否かを判定し、適正濃度にない場合には還元槽に添加する還元剤の補正量を決定して補正信号を出力するステップと、
補正信号が出力される場合には補正信号に基づき決定される補正量に応じた還元剤を還元槽に添加するステップを含むものである。
本発明に係る六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の濃度を適正濃度に維持する装置は、
クロム排水処理槽と、
六価クロム還元処理手段と
還元剤濃度測定手段とを備え、
前記クロム排水処理槽は、添加された還元剤により六価クロム含有排水の還元を行う還元槽と還元処理後の排水が滞留する滞留槽を具備し、
前記還元剤濃度測定手段は、還元処理後の滞留槽の還元剤の濃度を定量分析して還元剤の濃度が適正濃度にあるか否かを判定し、適正濃度にない場合には還元槽に添加する還元剤の補正値を決定して補正信号を前記六価クロム還元処理手段に出力し、
前記六価クロム還元処理手段は、前記還元槽に添加する還元剤の添加量を制御し、前記還元剤濃度測定手段が送出する補正信号が入力すると、補正信号に応じた補正量の還元剤を還元槽に添加することを特徴としている。
また、本発明に係る六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の濃度を適正濃度に維持する装置は、
クロム排水処理槽と、
六価クロム還元処理手段と
還元剤濃度測定手段とを備え、
前記クロム排水処理槽は、六価クロム含有排水のpH値、ORP値を検出するpH計とORP計を配備しクロム排水の還元を行う還元槽と、該還元槽で還元された還元処理後の排水が滞留する滞留槽を備え、
前記六価クロム還元処理手段は、予め設定されたpH設定値、ORP設定値を記憶する設定値記憶部と、還元槽中のクロム排水のpH測定値、ORP測定値を記憶する測定値入力部と、予め設定されたpH設定値、ORP設定値と、pH測定値、ORP測定値とを比較し前記還元槽に添加する酸・還元剤量を決定する比較部と、該比較部の演算結果に基づき還元剤、酸の各添加を行う駆動信号を出力する駆動信号出力部と、前記還元剤濃度測定手段が送出する補正信号が入力されると、その補正信号に応じた補正量の還元剤を前記還元槽に添加させる還元剤添加信号を出力する補正手段を具備し、
前記還元剤濃度測定手段は、滞留槽中の還元処理後の排水における還元剤濃度を定量分析し、滞留槽中の還元剤の濃度が適正な還元剤濃度にあるか否かを判定し、適正濃度にない場合には前記還元槽に添加する補正値を決定して補正信号を前記補正手段に出力する定量分析制御器を具備するようにしてもよい。
さらに、本発明に係る六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の濃度を適正濃度に維持する装置は、
クロム排水処理槽と、
六価クロム還元処理手段と
還元剤濃度測定手段とを備え、
前記クロム排水処理槽は、六価クロム含有排水のpH値、ORP値を検出するpH計とORP計を配備しクロム排水の還元を行う還元槽と、該還元槽で還元された還元処理後の排水が滞留する滞留槽を備え、
前記六価クロム還元処理手段は、クロム還元処理制御器と、還元剤添加用ポンプと、酸添加用ポンプを備え、前記クロム還元処理制御器は、予め設定されたpH設定値、ORP設定値を記憶する設定値記憶部と、還元槽中のクロム排水のpH測定値、ORP測定値を記憶する測定値入力部と、予め設定されたpH設定値、ORP設定値と、pH測定値、ORP測定値とを比較し前記還元槽に添加する酸・還元剤量を決定する比較部と、該比較部の演算結果に基づき還元剤、酸の各添加を行う前記還元剤添加用ポンプと酸添加用ポンプを制御する駆動信号を出力する駆動信号出力部と、前記還元剤濃度測定手段が送出する補正信号が入力すると、その補正信号に応じた補正量の還元剤を前記還元槽に添加させる還元剤添加信号を前記還元剤添加用ポンプに出力する補正手段を具備し、
前記還元剤濃度測定手段は、滞留槽中の還元処理後の排水における還元剤濃度を定量分析し、滞留槽中の還元剤の濃度が適正な還元剤濃度にあるか否かを判定し、適正濃度にない場合には前記還元槽に添加する補正値を決定して補正信号を前記補正手段に出力する定量分析制御器を具備するようにしてもよい。
以上のような本発明によれば、次の効果を奏する。
1.六価クロムを含む排水を還元処理する工程において、処理後の排水に含まれる還元剤の含有濃度を、適正な還元剤の濃度に維持し、還元処理工程において生成される三価クロムが、後工程の酸化雰囲気中で六価クロムに再酸化することを防止できる。
2.還元処理後の排水中の還元剤が過剰状態あるいは過小状態になることを回避し、工場排水の六価クロム、よう素消費量、化学的酸素要求量の項目について、下水道法等に定める工場排水基準値を確実に遵守できる。
3.過剰な量の還元剤を添加することが無くなるので、還元剤について省資源対策と亜硫酸ガスによる周辺環境の悪化防止に資することができる。
可変の制御値の補正は、pH値とORP値との逆相関特性による補正、ORP設定値とORP現在値との向き(プラス、マイナス)と差による補正、ORP制御値とORP現在値との向きと差による補正、適正還元剤濃度と現在濃度との向きと差による補正、還元剤の現在濃度と過去濃度の向き(プラス、マイナス)と差による補正、測定時間間隔の多寡による補正、処理水量の多寡による補正といった各要因の少なくとも一つの要因を加味して行なうことができる。
また、六価クロム還元処理後の排水中に含まれる還元剤の濃度(多寡)を、一定量のよう素溶液を間欠的に添加し定量分析をする際、その終点を、透過光量の減衰を検知することによって得られた値を評価し、六価クロム還元処理工程を制御するための設定値に変更を加え、六価クロム還元処理後の排水中に含まれる還元剤の濃度(量)を適正還元剤の濃度(量)にすることもできる。
前述のとおり、六価クロム還元工程に関する一般的還元処理によれば、六価クロム還元工程処理後の排水中に含まれる還元剤の量は、過少あるいは過剰になりがちなので、還元剤を適正濃度に維持するために次の点を配慮する。
1.「pH値とORP値とは逆相関関係にある。」という概念を一般的還元処理に取り入れ、演算プログラムにこの関係を組み込み六価クロムを還元処理した後の排水中に含まれる還元剤の濃度(量)を適正な還元剤の濃度(量)に厳密に設定すること。
なお、このpH値とORP値との逆相関関係は、
E :ORP値
1.38 :経験値(不定)
F :pH値
K :一定値(たとえば、500)
とするとき、次の数式1により示される。
Figure 0004840229
2.被処理液が持つ固有の酸化還元電位とORP計により測定される酸化還元電位との間に乖離が生じないようにすること。
3.酸化還元電位を測定すべきORP計と制御されるべき処理液の状態は常に変化していることを前提とすること。
4.制御の指針となるべきORP計の値については、校正という概念がないため絶対的な正しさはない(相対的な正しさのみがある)こと。
5.酸化還元電位は、酸化物、還元物の濃度と相関関係があること。
6.制御指針となるべき設定値を固定値とせず可変値とすること。
かくして、本発明では、六価クロム還元工程後の排水中に含まれる還元剤の濃度を適正な還元剤の濃度に維持するために次の手法を採る。
1.還元剤の添加量を決定する際に、固定したORP値の「設定値」ではなく、その時々の「適正な還元剤の濃度」とし、「適正な還元剤の濃度」を決定する際に、「pH値とORP値とは相関関係にある」ことを考慮し、「制御値」を求める。
2.「制御値」は、六価クロム還元処理後の排水の還元剤の濃度を適正間隔にて測定した過去値と現在値を求めることにより、次回値を推測し補正する。
3.この可変の「制御値」が適正な還元剤の濃度を示すものとして、六価クロム還元工程で還元剤の添加量を制御する設定値に反映させる。
六価クロム還元工程後の排水中に含まれる還元剤の濃度は、「JIS K 0102 40.亜硫酸イオン(SO 2−)40.1よう素滴定法」を利用し、六価クロム還元工程後の処理水中に含まれる還元剤すなわち亜硫酸イオン(SO 2−)を定量分析することによって求める。酸化還元反応の終点では、次の化学式2の反応が行なわれる。
Figure 0004840229
この反応を基にした定量分析は、
V :既知の還元剤の量(ml)
S :未知の還元剤の濃度(N:規定)
V’:定量分析によって知る酸化剤の量(ml)
S’:既知の酸化剤の濃度(N:規定)
とするとき、
V×S=V’×S’
となり、未知の還元剤の濃度Sは、
S=V’×S’/V
として求まる。
このように、試料中の還元剤の濃度は、規定量の未知の濃度の試料を採取し、酢酸、澱粉の適量を加え、既知の濃度であるよう素で定量分析を行い、よう素澱粉反応の着色により酸化還元反応が終点になるまでに使用したよう素の量を求めることにより知ることができる。着色しているか否かは、試料中の光の透過量を試料中に設置した光電センサにより測定し検知する。
この定量分析と、その結果の解析、評価、及び制御条件への反映を、適正な間隔にて行う。
既述のとおり、六価クロム還元処理後の排水中には、三価クロムへの再酸化を防止するため、後工程内で沈降、放散、化合にて消費される還元剤の余剰量が最低限必要である。この最低限必要な還元剤の余剰量が適正な還元剤の濃度(量)であり、その濃度(量)は、排水量(排水処理工程内に於ける滞留時間)、撹拌方法(排水が空気と接触する時間と空気との接触面積)、更には合流する排水中に含まれる酸化物質の量と質などの影響を受ける。ちなみに、実験値では、50m/1日(排水滞留時間2日の設計)にて、六価クロム還元工程後の排水処理工程内で沈降・放散・化合にて消費される還元剤の濃度は30〜50ppmである。なお、還元剤の減少は、主に還元剤とカルシウムとの塩の沈殿に起因する。
六価クロム還元工程後の排水中に含まれる還元剤の濃度と、目標とすべき適正還元剤の濃度を比較評価し、その差と向き(プラス、マイナス)、更にはpHとの相関を考慮に入れ、還元剤添加制御条件であるORP設定値を現在値と過去値を以って補正加減することにより、次回測定時までに適正還元剤の濃度になるように、六価クロム還元工程において添加する還元剤の量を加減する。この補正の加減は、次のa乃至gの要因を加味して行う(pHは単独にpH設定値で制御し、還元剤の添加はORP設定値ではなくORP制御値で行う。ORP制御値は、ORP設定値を含む次のa乃至gの要因を加味し実際に還元剤を添加するタイミングを規定する値であり、演算により決定され、常に変動する可能性を含んだ値である)。
a.pH値とORP値との逆相関
→ORP値特性の補正
b.ORP設定値とORP現在値との向きと差
→ORP現在値の零点補正
c.ORP制御値とORP現在値との向きと差
→制御された結果であるORP現在値の維持補正
d.還元剤の適正濃度と現在濃度との向きと差
→還元剤を適正濃度とするための加減補正
e.還元剤の現在濃度と過去濃度の向きと差
→次回測定時の還元剤濃度を推定した加減補正
f.測定時間間隔の多寡
→次回測定時の還元剤濃度を推定した加減補正
g.処理水量の多寡
→次回測定時の還元剤濃度を推定した加減補正
客観性を持たないORP計であっても、相対的に正しい測定値を示すことにより、六価クロム還元工程において添加する還元剤の量を決めるORP制御値の零点等の補正加減を数回行い制御値を数回自動的に変更して、適正な還元剤の濃度を得ることができる。
六価クロム還元工程に於いて、pH計とORP計を使用して六価クロムを三価クロムにするための制御は、pH値を一定の酸性のpH値に保ちながら還元剤を添加し、酸化還元反応の終点付近で酸化還元電位が急激に降下することをORP計にて測定することによって行う。この場合、酸化還元電位が降下しても、六価クロム還元工程後の排水中の還元剤濃度が適正な状態にあることを必ずしも示すものではない[単に酸化還元反応の終点付近であるという意味しか持たない(その終点の検出は、ORP計にて測定されるが、六価クロム還元工程後の排水中の還元剤が適正な濃度にあるとは限らない)]。このため、六価クロム還元工程後の排水中の還元剤の濃度が適正かどうか、すなわち、還元剤の濃度が過少でも過剰でもない濃度にあるかをORP計による測定値をもって直ちに決定することをせず、六価クロム還元工程後の排水中の還元剤の濃度を所定間隔にて定量分析することによって判定する。
本発明の実施例について説明する。
図1は、六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の適正濃度維持装置の構成を示すブロック、
図2は、適正濃度維持装置を構成する還元処理制御器の構成を示すブロック、
図3は、適正濃度維持装置による六価クロム含有排水の還元処理工程図、
図4は、適正濃度維持装置の動作を示すフローチャートである。
これらの図において、本発明に係る適正濃度維持装置1は、クロム排水処理槽中の六価クロムを還元処理する六価クロム還元処理手段2と、六価クロム還元処理後の排水に含まれる還元剤の濃度を測定する還元剤濃度測定手段3と、還元槽142と滞留槽143を備えたクロム排水処理槽140を含んで構成される。
このうち、前記六価クロム還元処理手段2は、前記クロム排水処理槽140の還元槽142に配備されたpH計146/ORP計147による測定値と、予め設定され記憶された設定値とを比較し、還元剤添加用ポンプ61、酸添加用ポンプ62に添加信号を出力し、還元剤、酸を前記還元槽142に添加するとともに、前記還元槽142に添加する還元剤の添加量を制御し、前記還元剤濃度測定手段3が送出する補正信号が入力すると、補正信号に応じた補正量の還元剤を前記還元槽142に添加する。このため、前記六価クロム還元処理手段2は、クロム還元処理制御器5と、還元剤添加用ポンプ61と、酸添加用ポンプ62を具備している。
前記クロム還元処理制御器5は、予め設定されたpH設定値、ORP設定値を記憶する設定値記憶部51と、還元槽142中のクロム排水(原液及び還元処理後の排水)のpH測定値、ORP測定値を記憶する測定値入力部52と、予め設定されたpH設定値、ORP設定値と、pH測定値、ORP測定値とを比較し前記還元槽142に添加する酸・還元剤量を決定する比較部53と、該比較部53の演算結果に基づき還元剤、酸の各添加を行う前記還元剤添加用ポンプ61と酸添加用ポンプ62を制御する駆動信号を出力する駆動信号出力部55と、前記還元剤濃度測定手段3が送出する補正信号が入力すると、その補正信号に応じた補正量の還元剤を前記還元槽142に添加させる還元剤添加信号を前記還元剤添加用ポンプ61に出力する補正手段54と、処理プログラムが格納されているROM56と、ROM56に格納された処理プログラムに従ってデータ処理を実行する信号制御部57を備えている。また、この制御信号出力部57では、警報器70への警報信号の出力制御も行う。
前記還元剤濃度測定手段3は、前記クロム排水処理槽140を構成する滞留槽143内の還元処理後の排水に含まれる還元剤の濃度を定量分析し、前記滞留槽143中の還元剤の濃度が適正な還元剤濃度にあるか否かを判定し、適正濃度にない場合には前記還元槽142に添加する補正値を決定して補正信号を前記六価クロム還元処理手段2(前記補正手段54)に出力する定量分析制御器6を具備する。該定量分析制御器6では、検出した還元剤の濃度Pと予め設定した還元剤の濃度Pとの差(P−P)を求め、その差に基づき前記還元処理制御器5により前記還元槽142に添加する還元剤の補正値(添加量)Hを決定する。この定量分析制御器6により制御され、検水セル10に決められた量の薬品・試料等を添加する薬品・試料等添加手段7と、同様に前記定量分析制御器6により制御される検水手段8を備えている。
前記薬品・試料等添加手段7は、清水瓶31から一定量の清水を検水セル10に添加する清水添加用ポンプ36、洗浄剤瓶32から一定量の洗浄剤を検水セル10に添加する洗浄剤添加用ポンプ37、澱粉・酢酸試薬瓶33から澱粉・酢酸の規定量を検水セル10に添加する澱粉・酢酸添加用ポンプ38、よう素試薬瓶34から1回添加につき5ppm相当分のよう素を検水セル10に添加するよう素添加用ポンプ39、試料槽35中の排水の一定量を検水セル10に添加する排水試料添加用ポンプ40A、滞留槽143から還元処理後の排水151を試料槽35に採取する排水採取用ポンプ40Bを具備している。符号20は完全排出ポンプ,21はアスピレータ,22は排出ガイド,41はエアーポンプである。
前記検水手段8は、検水セル10と、上位液面計12Aと中位液面計12Bと下位液面計12Cから構成された液面計12と、投光部15A及び受光部15Bを有する透過光量測定センサ15を具備している。
前記クロム排水処理槽140は、クロム排水(原液)を貯留する貯留槽141、添加された還元剤により六価クロム排水の還元を行なう前記還元槽142、還元処理後の排水が滞留する前記滞留槽143、送水待機槽144を備えている。前記還元槽142には六価クロムを含んだ排水の水素イオン濃度(pH値)を測定する水素イオン濃度計(pH計)146と酸化還元電位(ORP値)を測定する酸化還元電位差計(ORP計)147が配備され、前記還元槽142中の排水のpH値(pH計によって測定された水素イオン濃度の値)とORP値(ORP計によって測定された酸化還元電位の値)が測定され、測定値は前記還元処理制御器5の測定値入力部52に記憶される。
六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の濃度を適正濃度に維持する方法は、六価クロム含有排水を一定の酸性のpH値に保ちながら還元槽の六価クロム含有排水を酸化還元反応の終点付近で酸化還元電位が急激に降下する値以下になるように酸、還元剤の添加量を制御するステップと、六価クロム還元処理後の滞留槽における排水の還元剤濃度を定量分析して還元剤濃度が適正濃度に有るか否かを判定し、適正濃度にない場合には還元槽に添加する還元剤の補正量を決定して補正信号を出力するステップと、補正信号が出力される場合には補正信号に基づき決定される補正量に応じた還元剤を還元槽に添加するステップを含むものである。
次に、六価クロムを含んだ排水の処理手順について説明する。
I.分析終了待機工程(S1〜S3):
クロム還元処理制御器5が運転を停止すると、測定中であれば測定を最後まで実施し、測定待機中であれば、検水セル10や液面計12を構成する上位液面計12A,中位液面計12B,下位液面計12C、および透過光量測定センサ15の投光部15A及び受光部15Bの洗浄を目的として分析終了待機工程に入る。
分析終了待機工程では次の処理を行う。
(1)検水セル10内に残留している被測定水11を完全排出ポンプ20とアスピレータ(aspirator)21を使用して、排出ガイド22に導き排出する。
(2)清水添加用ポンプ36を駆動し清水瓶31から一定量の清水を、また、洗浄剤添加用ポンプ37を駆動し洗浄剤瓶32から一定量の洗浄剤をそれぞれ検水セル10に添加する。
(3)エアーポンプ41を一定時間駆動してエアー吐出口42から一定時間エアーを吐出して被測定水を攪拌し、検水セル10、上位液面計12A、中位液面計12B、下限液面計12C、投光部15A及び受光部15Bを洗浄する。
(4)クロム還元処理制御器5が次回運転されるまで待機する。
(5)クロム還元処理制御器5の停止時も定量分析を継続したい場合は、一定時間経過後次工程に移る。
II.清水分析工程(S4〜S8):
クロム還元処理制御器5が運転を開始すると定量分析制御器7は分析を開始する。先ず、検水セル10を清水で洗浄し規定量の清水を分析する。さらに、完全排出ポンプ20、清水添加用ポンプ36、洗浄剤添加用ポンプ37、澱粉・酢酸添加用ポンプ38、よう素添加用ポンプ39、排水採取用ポンプ40Bの駆動状態、試薬が変質していないこと、並びに液面計12が正常であることを確認する。
清水分析工程では具体的には次の処理を行なう。
(1)検水セル10内に残留している被測定水(清水+洗浄剤)11を完全排出ポンプ20とアスピレータ21を使用して排出ガイド22に導き排出する。
(2)清水添加用ポンプ36を駆動し、清水瓶31から一定量の清水を検水セル10に添加する。
(3)エアーポンプ41を一定時間駆動しエアー吐出口42から一定時間エアーを吐出して被測定水を攪拌し、検水セル10、上位液面計12A、中位液面計12B、下位液面計12C、投光部15A及び受光部15Bを洗浄する。
(4)検水セル10内に残留している被測定水(清水+洗浄剤)11をポンプ20とアスピレータ21を使用して、排出ガイド22に排出する。
(5)清水添加用ポンプ36を駆動し、清水瓶31から規定量の清水を検水セル10内に添加する。
(6)澱粉・酢酸添加用ポンプ38を駆動し澱粉・酢酸試薬瓶33から澱粉・酢酸の規定量を検水セル10内に添加する。
(7)一定時間エアーポンプ41を駆動して試料(被測定水)を撹拌し、静置後、透過光量測定センサ15で光量を測定し、発色状態と終点との関連を考慮し、1秒間に100回測定し、その測定値の算術平均の95%付近の値を基準値とする。
(8)よう素添加用ポンプ39を駆動し、よう素試薬瓶34から1回添加につき5ppm相当分のよう素を添加する。
(9)エアーポンプ41を一定時間駆動して試料を撹拌し、静置後、透過光量測定センサ15で試料の光量を1秒間に100回測定し、その測定値の算術平均を測定値とし、この測定値と先に求めた基準値とを比較する。
(10)よう素澱粉反応にて試料が青色に着色し、2度連続して透過光量の測定値が基準値以下になった時に添加を停止する。
III.清水分析結果判別工程(S9〜S12):
(1)清水瓶31中の清水には還元剤は溶解していないため、通常、よう素は1回添加することで検水セル10中の清水は青色に着色するので、ここでは、よう素を2回添加して連続着色で「正常」と判断し、定量分析の0点指示も「正常」と判断する。更に、この状態で各薬品の性状(蒸発揮発等による試薬濃度変化の有無、澱粉・酢酸の腐敗などによる変質の有無等)、各ポンプの状態(動作しているかどうか・動作していても吐出量は規定量かどうか)、各液面計12A,12B,12Cの検知状態(液面を正しく検出しているかどうか)が適正と判断し、薬品添加手段8は正常状態にあるとして還元処理後の排水の測定時まで待機する。
(2)よう素が3回以上添加される場合には、各薬品性状、各ポンプ状態、各センサ状態のいずれかが異常であるとして異常警報を発し運転を停止する。
IV.排水分析工程(S13〜S16):
清水分析結果判別工程で正常な場合、一定時間待機後、排水処理施設が運転されていれば、還元処理後の排水をよう素澱粉反応を利用して定量分析を行う。
(1)検水セル10内に残留している試料(排水又は清水)を完全排出ポンプ20とアスピレータ21を使用して、排出ガイド22に導き排出する。
(2)排水採取用ポンプ40Bを駆動して滞留槽143から還元処理後の排水151を試料槽35に採取し、さらに試料槽35中の排水の一定量を排水試料添加用ポンプ40Aを駆動して検水セル10内に添加する。
(3)エアーポンプ41を一定時間駆動し、エアー吐出口42から一定時間エアーを吐出し、検水セル10、上位液面計12A、中位液面計12B、下限液面計12C、投光部15A及び受光部15Bを撹拌洗浄する。
(4)検水セル10内に残留している試料(排水)を完全排出ポンプ20とアスピレータ21を使用して、排出ガイド22に導き排出する。
(5)排水試料添加用ポンプ40Aを駆動し、試料槽35から還元処理後の排水151の一定量を検水セル10内に添加する。
(6)澱粉・酢酸添加用ポンプ38を駆動し、澱粉・酢酸試薬瓶33から澱粉・酢酸の規定量を検水セル10内に添加する。
(7)一定時間エアーポンプ41を駆動させて試料を撹拌し、静置後、透過光量測定センサ15で試料の光量を1秒間に100回測定し、その測定値の算術平均の95%の値を求め基準値Q1とする。
(8)よう素添加用ポンプ39を駆動し、よう素試薬瓶34から1回5ppm相当分のよう素を検水セル10内に添加する。
(9)一定時間エアーポンプ41を駆動して試料(被測定水)11を撹拌し、静置後、透過光量測定センサ15で試料11の光量を1秒間に100回測定し、この測定値の算術平均を測定値R1として求め、この測定値R1と先に求めた基準値Q1とを比較する。尚、受光量はよう素を添加するにつれpHの下降と共に透明度が増し大きな値になるので、その都度、測定値R1を基準値Q1に入れ替える。
(10)よう素澱粉反応にて試料が青色に着色し、2度連続して測定値R1が基準値Q1以下になった時によう素の添加を停止する。
V.排水分析結果判別工程(S17〜S19):
よう素の添加回数にしたがって還元処理後の排水151中に含まれる還元剤の濃度を5ppm単位で測定し、その濃度C1および前回測定時の濃度C2、更には前々回測定時の濃度C3とを比較し、一定時間経過後の次回測定時に適正な還元剤の濃度、例えば、25ppm〜30ppmになるように、ORP設定値とORP現在値に補正値を加減算してORP値のmVを変換し制御値とする。
(1)今回分析した過剰還元剤の濃度を、設定値(あるべき適正還元剤の濃度、例えば25ppm)と比較する。又、その時点で、今回測定値R3と前回測定値R2との比較、及び前回測定値R2と前々回測定値R1との比較をすることによって、還元処理された排水の傾向を判断する。
(2)今回測定値R3を、前回測定価R2及び前々回測定値R1と比較し、次回測定値R4を予想する。
(3)この予想に基づき、次回測定時までに還元処理後の排水にける還元剤の濃度が適正範囲内になるように、還元処理制御器5が記憶する設定値に、還元剤を添加する為のORP計制御値を構成する補正値(以下補正値という)を加減算する。
(4)補正値(加算値と減算値の合計)が一定値以上に過大・過少になる場合は、pH計又はORP計の特性の急激な変化(電極の破損・ゴミ等の付着)や排水異常が考えられるので、異常警報を発報する。
(5)液面異常(薬品不足、試料液面異常)の場合も警報を発する。
VI.待機工程(S20〜S22):
(1)記録計66に、今回測定値と補正値との加算値の合計、減算値の合計、加減算値の合計を数秒間ずつ記録する。
(2)補正をした値に対応して次回測定時まで待機する。測定値が適正範囲内であれば、次回測定時までの待機時間を徐々に長くする。測定値が過剰あるいは過少の場合、次回測定時までの時間を数分とし、加減算された補正値により制御された結果を確認し、すみやかに適正範囲内になるように、分析と補正を繰り返す。
VII.表示記録工程(S23):
六価クロム還元工程後の排水151中に含まれる還元剤の量を測定する装置における還元の進行状況や結果等を表示する。
(1)分析制御手段の処理工程において、正常な場合は工程内容の表示、異常な場合は異常内容又は異常部分を表示する。
(2)分析結果の内容、その評価及び判断内容、次回測定時間までの残時間を表示する。
(3)その他装置を維持する上で必要な内容を必要に応じて表示する。
VIII.補正工程(S24〜S26):
求められた還元剤の量を、次回測定時には適正還元剤の量となるように、還元処理制御器5の設定値にその他の補正と共に反映させ、結果として固定した設定値を変更し、可変の制御値として、還元剤の添加量を制御する。
かくして、この装置を使用することによって、次のことが可能になる。
1.六価クロム還元工程処理後の排水中に含まれる還元剤の濃度を適正濃度の還元剤に自動的に維持できる。
2.適正濃度を記録することにより、関連法令を遵守出来ていることが客観的に認識できる。
3.ORP計の零点管理は、当該分析装置の表示器に示す補正値を還元制御用のORP計に加減算すれば良く、高度な経験は不要となる。
4.補正値が一定値を越えた場合には警報によって、pH計、ORP計の指示異常や排水処理水自体の異常を知ることができ、排出水と排水処理設備に対して信頼性を増すことができる。
5.[還元剤使用量−(適正過剰還元剤の濃度×排水量)×比率=排水中の六価クロムの量に対応する還元剤の量]を知ることにより、六価クロムの処理量を客観的に知ることができ、PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善に関する法律)に係る客観的な資料の作成が可能になる。
6.還元剤の適正濃度を維持し、排水処理に使用する還元剤の量を大幅に節約することが可能となる。
7.信頼性が高い排水処理装置が得られ、適正濃度維持装置の常時監視は不要であり、人件費の削減が図れる。
六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の適正濃度維持装置の構成を示すブロックである。 適正濃度維持装置を構成する還元処理制御器の構成を示すブロックである。 適正濃度維持装置による六価クロム含有排水の還元処理工程図である。 適正濃度維持装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 適正濃度維持装置
2 六価クロム還元処理手段
3 還元剤濃度測定手段
5 還元処理制御器
51 設定値記憶部
52 測定値入力部
53 比較部
54 補正手段
55 駆動信号出力部
56 ROM
6 定量分析制御器
7 薬品・試料等添加手段
8 検水手段
10 検水セル
11 被測定水
12A 上位液面計
12B 中位液面計
12C 下位液面計
15 透過光量測定センサ
15A 投光部
15B 受光部
20 完全排出ポンプ
21 アスピレータ
22 排出ガイド
31 清水瓶
32 洗浄剤瓶
33 澱粉・酢酸試薬瓶
34 よう素試薬瓶
36 清水添加用ポンプ
37 洗剤添加用ポンプ
38 澱粉・酢酸添加用ポンプ
39 よう素添加用ポンプ
40A 排水試料添加用ポンプ
40B 排水試料採取用ポンプ
41 エアーポンプ
140 クロム排水処理槽
141 貯留槽
142 還元槽
143 滞留槽
144 送水待機槽
146 pH計
147 ORP計
151 六価クロム還元処理後の排水

Claims (4)

  1. 六価クロム含有排水を一定の酸性のpH値に保ちながら還元槽の六価クロム含有排水を酸化還元反応の終点付近で酸化還元電位が急激に降下する値以下になるように酸、還元剤の添加量を制御するステップと、
    六価クロム還元処理後の滞留槽における排水の還元剤濃度を定量分析して還元剤濃度が適正濃度に有るか否かを判定し、適正濃度にない場合には還元槽に添加する還元剤の補正量を決定して補正信号を出力するステップと、
    補正信号が出力される場合には補正信号に基づき決定される補正量に応じた還元剤を還元槽に添加するステップを含む六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の濃度を適正濃度に維持する方法。
  2. クロム排水処理槽と、
    六価クロム還元処理手段と
    還元剤濃度測定手段とを備え、
    前記クロム排水処理槽は、添加された還元剤により六価クロム含有排水の還元を行う還元槽と還元処理後の排水が滞留する滞留槽を具備し、
    前記還元剤濃度測定手段は、還元処理後の滞留槽の還元剤の濃度を定量分析して還元剤の濃度が適正濃度にあるか否かを判定し、適正濃度にない場合には還元槽に添加する還元剤の補正値を決定して補正信号を前記六価クロム還元処理手段に出力し、
    前記六価クロム還元処理手段は、前記還元槽に添加する還元剤の添加量を制御し、前記還元剤濃度測定手段が送出する補正信号が入力すると、補正信号に応じた補正量の還元剤を還元槽に添加することを特徴とする六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の濃度を適正濃度に維持する装置。
  3. クロム排水処理槽と、
    六価クロム還元処理手段と
    還元剤濃度測定手段とを備え、
    前記クロム排水処理槽は、六価クロム含有排水のpH値、ORP値を検出するpH計とORP計を配備しクロム排水の還元を行う還元槽と、該還元槽で還元された還元処理後の排水が滞留する滞留槽を備え、
    前記六価クロム還元処理手段は、予め設定されたpH設定値、ORP設定値を記憶する設定値記憶部と、還元槽中のクロム排水のpH測定値、ORP測定値を記憶する測定値入力部と、予め設定されたpH設定値、ORP設定値と、pH測定値、ORP測定値とを比較し前記還元槽に添加する酸・還元剤量を決定する比較部と、該比較部の演算結果に基づき還元剤、酸の各添加を行う駆動信号を出力する駆動信号出力部と、前記還元剤濃度測定手段が送出する補正信号が入力されると、その補正信号に応じた補正量の還元剤を前記還元槽に添加させる還元剤添加信号を出力する補正手段を具備し、
    前記還元剤濃度測定手段は、滞留槽中の還元処理後の排水における還元剤濃度を定量分析し、滞留槽中の還元剤の濃度が適正な還元剤濃度にあるか否かを判定し、適正濃度にない場合には前記還元槽に添加する補正値を決定して補正信号を前記補正手段に出力する定量分析制御器を具備する六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の濃度を適正濃度に維持する装置。
  4. クロム排水処理槽と、
    六価クロム還元処理手段と
    還元剤濃度測定手段とを備え、
    前記クロム排水処理槽は、六価クロム含有排水のpH値、ORP値を検出するpH計とORP計を配備しクロム排水の還元を行う還元槽と、該還元槽で還元された還元処理後の排水が滞留する滞留槽を備え、
    前記六価クロム還元処理手段は、クロム還元処理制御器と、還元剤添加用ポンプと、酸添加用ポンプを備え、前記クロム還元処理制御器は、予め設定されたpH設定値、ORP設定値を記憶する設定値記憶部と、還元槽中のクロム排水のpH測定値、ORP測定値を記憶する測定値入力部と、予め設定されたpH設定値、ORP設定値と、pH測定値、ORP測定値とを比較し前記還元槽に添加する酸・還元剤量を決定する比較部と、該比較部の演算結果に基づき還元剤、酸の各添加を行う前記還元剤添加用ポンプと酸添加用ポンプを制御する駆動信号を出力する駆動信号出力部と、前記還元剤濃度測定手段が送出する補正信号が入力すると、その補正信号に応じた補正量の還元剤を前記還元槽に添加させる還元剤添加信号を前記還元剤添加用ポンプに出力する補正手段を具備し、
    前記還元剤濃度測定手段は、滞留槽中の還元処理後の排水における還元剤濃度を定量分析し、滞留槽中の還元剤の濃度が適正な還元剤濃度にあるか否かを判定し、適正濃度にない場合には前記還元槽に添加する補正値を決定して補正信号を前記補正手段に出力する定量分析制御器を具備する六価クロム含有排水の還元処理後の排水に含まれる還元剤の濃度を適正濃度に維持する装置。
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