JP2019166439A - 水系のorp監視・制御方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】pH値により大きく変動する水系のORPを的確に把握して監視および/又は制御する。【解決手段】水系のORPを監視および/又は制御する方法であって、該水系のORPおよびpHを測定し、ORPおよびpHの測定値から予め設定した補正式に基づいてORP測定値を標準状態でのORP値に補正し、該ORP補正値に基づいて、該水系のORPを監視および/又は制御する水系のORP監視・制御方法。ORP補正値は、ORPおよびpHの測定値から、下記式に基づいて算出することが好ましい。ORP補正値(mV)=ORP測定値(mV)−59×(7−pH測定値)【選択図】図1
Description
本発明は、水系のORP値を的確に把握して監視および/又は制御する方法および装置に関する。
本発明はまた、この水系のORP監視・制御方法および装置を利用した水処理方法および装置に関する。
本発明はまた、この水系のORP監視・制御方法および装置を利用した水処理方法および装置に関する。
なお、本発明において、「ORP」とは「酸化還元電位」であり、また、「RO給水」とは、逆浸透(RO)膜装置に導入されてRO膜処理される水をさし、通常RO膜装置の入口水が該当する。
井戸水、工業用水、水道水などを原水とする用水処理又は有機物含有排水等を原水とする排水回収システムにおいては、原水に凝集剤を添加して、原水中の懸濁物質、コロイダル成分や有機物質等を凝結かつ粗大化させ、沈殿、浮上、濾過、膜濾過等により固液分離する前処理を行った後、或いは膜濾過単独で除濁・除菌する前処理を行った後、RO膜処理することが行われている。
このような用水処理又は排水回収システムにおいては、特に有機物含有排水を原水とした場合、前処理で除去しきれなかった有機物を栄養源として、装置配管内又はRO膜面で生菌が増殖し、膜の透過水量の低下を引き起こすことがある。そのため、RO膜装置に導入されるRO給水には酸化剤を常時又は間欠添加し、膜閉塞を抑制する対策が採用されている。
通常は、前処理設備においては、次亜塩素酸ナトリウムや二酸化塩素といった遊離塩素系の酸化力の高い酸化剤で殺菌が行われているが、ポリアミド系のRO膜はこのような酸化力の高い酸化剤の耐性が低いため、RO膜の前段で重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤を注入し、遊離塩素を還元除去した後、クロラミンやクロロスフファミン酸ナトリウムといった結合塩素系酸化剤やイソチアゾロン系化合物等の菌増殖を抑制する化合物を含有するスライムコントロール剤を添加してRO膜汚染を抑制することが行われている(特許文献1,2)。
しかし、高濃度有機物含有排水を原水として用いた排水回収においては、結合塩素系酸化剤やイソチアゾロン系化合物等による抑制技術のみでは、RO膜における菌増殖を抑制し得ず、膜閉塞に到る場合があるため、RO膜の前段での還元剤の添加量を高度に制御して、膜劣化に到らない程度の遊離塩素系酸化剤を残留させることが望まれる。
従来、ORP値に基づいて酸化剤や還元剤の薬注制御を行うことは知られており、例えば、原水を2段RO膜処理するに当たり、第1のRO給水にスルファミン酸化合物を含む結合塩素系酸化剤を存在させると共に、第2のROの給水に、そのORPが200〜600mVとなるように還元剤を添加することで、第2のRO給水中の残留酸化剤量を適正化し、第2のRO膜装置における膜劣化を防止した上で微生物の殺菌・増殖抑制効果で膜汚染を防止する方法も提案されている(特許文献3)。
しかしながら、ORPはpH値によって大きく変動する一方で、RO給水は、通常pHも4.5〜8.0の範囲で変動するため、単にORPのみを測定しこの測定値に基づいて還元剤の添加量を制御しても、適正な薬注制御を行えない場合がある。
なお、酸化還元反応における酸化剤又は還元剤の添加量の制御方法として、酸化還元反応系のpHを測定し、pHの測定値に基づいてORPの目標値を設定し、この目標ORP値となるように酸化剤又は還元剤を添加制御する方法が提案されている(特許文献4)が、この方法は、対象とする酸化還元反応の種類に応じて、好適pH値が異なるから、反応系のpHを測定し、測定pH値毎に目標とするORP値を設定するというものであり、本発明のようにORP補正値を求めるものとは別異の発明である。
従来、ORPの測定値に基づいて酸化剤や還元剤を薬注制御することは行われているが、ORPはpH値によって大きく変動するため、ORPの測定値にのみ基づく薬注制御では適正な薬注制御を行えない。
本発明は、このようにpH値により大きく変動する水系のORPを的確に把握して監視および/又は制御する方法および装置と、この方法および装置を利用して酸化剤および/又は還元剤の薬注制御を的確に行う水処理方法および装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ね、ORP測定値をpH測定値に基づいて補正することにより、水系のORPを的確に把握することができることを見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 水系のORPを監視および/又は制御する方法であって、該水系のORPおよびpHを測定し、ORPおよびpHの測定値から予め設定した補正式に基づいてORP測定値を標準状態でのORP値に補正し、該ORP補正値に基づいて、該水系のORPを監視および/又は制御する水系のORP監視・制御方法。
[2] [1]において、ORPおよびpHの測定値から、下記式に基づいて、ORP補正値を算出することを特徴とする水系のORP監視・制御方法。
ORP補正値(mV)=ORP測定値(mV)−59×(7−pH測定値)
ORP補正値(mV)=ORP測定値(mV)−59×(7−pH測定値)
[3] [1]又は[2]に記載の水系のORP監視・制御方法によって求めたORP補正値に基づいて、酸化剤および/又は還元剤を水系に添加することを特徴とする水処理方法。
[4] [3]において、前記ORP補正値が400〜600mVとなるように、前記水系に酸化剤および/又は還元剤を添加することを特徴とする水処理方法。
[5] [3]又は[4]において、逆浸透膜装置の被処理水に前記酸化剤および/又は還元剤を添加することを特徴とする水処理方法。
[6] 遊離塩素系酸化剤と結合塩素系酸化剤又はスライムコントロール剤を添加した水を逆浸透膜処理する方法において、該遊離塩素系酸化剤を逆浸透膜給水のORP値に基づいて薬注制御する方法であって、[1]又は[2]に記載の水系のORP監視・制御方法により求めた給水のORP補正値に基づいて、該遊離塩素系酸化剤を薬注制御する逆浸透膜処理方法。
[7] 水系のORPを監視および/又は制御する装置であって、該水系のORPを測定するORP測定手段とpHを測定するpH測定手段と、該ORP測定手段で測定されたORP測定値と該pH測定手段で測定されたpH測定値とから予め設定した補正式に基づいて、ORP測定値を標準状態でのORP値に補正する演算手段とを備える水系のORPの監視・制御装置。
[8] [7]において、前記演算手段は、ORPおよびpH測定値から下記式に基づいてORP補正値を算出する手段であることを特徴とする水系のORPの監視・制御装置。
ORP補正値(mV)=ORP測定値(mV)−59×(7−pH測定値)
ORP補正値(mV)=ORP測定値(mV)−59×(7−pH測定値)
[9] [7]又は[8]に記載の水系のORPの監視・制御装置と、該水系のORPの監視・制御装置の演算手段で算出されたORP補正値に基づいて酸化剤および/又は還元剤を水系に添加する薬注手段とを備えることを特徴とする水処理装置。
[10] [9]において、前記薬注手段は、前記ORP補正値が400〜600mVとなるように前記水系に酸化剤および/又は還元剤を添加することを特徴とする水処理装置。
[11] [9]又は[10]において、逆浸透膜装置の被処理水に前記酸化剤および/又は還元剤を添加することを特徴とする水処理装置。
[12] 遊離塩素系酸化剤と結合塩素系酸化剤又はスライムコントロール剤とが添加された水を逆浸透膜処理する逆浸透膜装置と、該逆浸透膜装置の給水のORP値に基づいて、該給水への該遊離塩素系酸化剤の添加量を制御する薬注制御手段と、[7]又は[8]に記載の水系のORPの監視・制御装置とを備え、該薬注制御手段は、該水系のORPの監視・制御装置で求められたORP補正値に基づいて遊離塩素系酸化剤の薬注制御を行うことを特徴とする水処理装置。
本発明によれば、pH値により大きく変動する水系のORPを的確に把握して監視および/又は制御することができる。
本発明によればまた、このORP監視・制御方法および装置を利用して、RO給水への酸化剤および/又は還元剤の薬注制御を的確に行うことができる。
本発明によればまた、このORP監視・制御方法および装置を利用して、RO給水への酸化剤および/又は還元剤の薬注制御を的確に行うことができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明においては、水系のORPおよびpHを測定し、ORPおよびpHの測定値から予め設定した補正式に基づいて、ORPの測定値を標準状態でのORP値に補正し、このORP補正値に基づいて水系のORPを監視および/又は制御する。
即ち、前述の通り、水系のORPは、pHによって大きく変動するため、本発明では、ORP測定値をpH測定値を基に補正する。
このORP測定値の補正方法には特に制限はないが、後掲の実験例1に示されるように、水系のORP測定値は、pHが1増加すると−59mV変動するため、ORP測定値は、pH測定値を基に、以下の式で補正して、pH7の標準状態におけるORP値として算出することが好ましい。
ORP補正値(mV)=ORP測定値(mV)−59×(7−pH測定値)
このORP測定値の補正方法には特に制限はないが、後掲の実験例1に示されるように、水系のORP測定値は、pHが1増加すると−59mV変動するため、ORP測定値は、pH測定値を基に、以下の式で補正して、pH7の標準状態におけるORP値として算出することが好ましい。
ORP補正値(mV)=ORP測定値(mV)−59×(7−pH測定値)
本発明による水系のORPの監視・制御は、特にORP測定値に基づいてRO給水に酸化剤および/又は還元剤を添加するRO膜処理の前処理において、酸化剤および/又は還元剤の薬注制御を的確に行って、酸化剤の過剰添加又は過剰の酸化剤を還元除去するための還元剤の添加量不足によるRO膜の劣化、或いは、酸化剤の添加量不足又は酸化剤を還元するための還元剤の過剰添加による系内のスライム発生・増殖に起因する膜閉塞を防止して、長期に亘り安定運転を維持することが可能となる。
このようなRO膜の前処理としての酸化剤および/又は還元剤の薬注制御においては、本発明により求められたORP補正値が所定の範囲、例えばpH7のORP補正値として400〜600mV、特に500〜600mVとなるように、薬注制御することが好ましい。
このORP補正値が400mV未満では酸化剤量が不足し、系内のスライム発生、増殖を十分に防止し得ず、膜汚染による膜閉塞に到る可能性がある。一方、ORP補正値が600mVを超えると酸化剤量が多過ぎ、金属材料の腐食や、膜の酸化劣化を引き起こし、脱塩率の低下等、膜性能の低下に到る可能性がある。
このORP補正値が400mV未満では酸化剤量が不足し、系内のスライム発生、増殖を十分に防止し得ず、膜汚染による膜閉塞に到る可能性がある。一方、ORP補正値が600mVを超えると酸化剤量が多過ぎ、金属材料の腐食や、膜の酸化劣化を引き起こし、脱塩率の低下等、膜性能の低下に到る可能性がある。
以下に本発明をRO膜処理に適用する場合における好適条件および好適態様について説明する。
通常、RO膜処理は、原水に遊離塩素系酸化剤を添加した後、濾過器等の前処理装置で除濁・除菌処理し、次いで必要に応じて還元剤を添加して残留する遊離塩素系酸化剤の一部又は全部を還元除去すると共に結合塩素系酸化剤又はスライムコントロール剤を添加した水をRO給水としてRO膜装置に供給して行われる。
このようなRO膜処理において、本発明によるORPの監視・制御を適用するには、RO給水のpHとORPを測定するpH測定手段とORP測定手段とを設け、これらの測定手段から出力されるpHとORPの測定値を演算手段に入力してORP補正値を算出し、このORP補正値が所定の範囲内(前述の通り、この所定範囲はpH7のORP補正値として好ましくは400〜600mV、特に好ましくは500〜600mVである。)となるように酸化剤および/又は還元剤の薬注手段に制御信号を出力することで薬注制御が行われる。
なお、常時この条件でRO膜処理した場合には、RO膜が酸化劣化する可能性がある。したがって、このような酸化雰囲気(pH7のORP補正値として400〜600mV、好ましくは500〜600mV)でのRO膜処理は、1日当たりの処理時間が10分〜360分間となるよう間欠的に処理することが好ましい。
なお、常時この条件でRO膜処理した場合には、RO膜が酸化劣化する可能性がある。したがって、このような酸化雰囲気(pH7のORP補正値として400〜600mV、好ましくは500〜600mV)でのRO膜処理は、1日当たりの処理時間が10分〜360分間となるよう間欠的に処理することが好ましい。
なお、還元剤の添加により残留遊離塩素系酸化剤を分解する場合、還元剤の添加箇所は遊離塩素系酸化剤薬注箇所の下流側であって、結合塩素系酸化剤又はスライムコントロール剤の薬注箇所の上流側であれば良く、特に制限はない。ただし、RO膜装置より前段に配置された装置は、遊離塩素系酸化剤を含む状態で通水することでスライムを抑制することが好ましい。このため、RO膜装置の近くで還元剤を添加することが好ましく、RO膜装置の前段に保安フィルターを設ける場合には、保安フィルターとRO膜装置との間に還元剤と結合塩素系酸化剤又はスライムコントロール剤とをこの順番で添加することが好ましい。
<原水>
RO膜処理に供する被処理水(原水)には特に制限はなく、用水(水道水、工業用水など)、排水(有機物含有排水等)などが挙げられる。本発明は特に、微生物が発生し易い易生分解性の低分子量の有機物を含有した排水のRO膜処理に好適であり、スライムが発生、増殖し易い排水のRO膜処理において、酸化剤および/又は還元剤の薬注制御を適正に行って、RO膜の酸化劣化を防止した上で膜汚染を確実に防止することができる。
RO膜処理に供する被処理水(原水)には特に制限はなく、用水(水道水、工業用水など)、排水(有機物含有排水等)などが挙げられる。本発明は特に、微生物が発生し易い易生分解性の低分子量の有機物を含有した排水のRO膜処理に好適であり、スライムが発生、増殖し易い排水のRO膜処理において、酸化剤および/又は還元剤の薬注制御を適正に行って、RO膜の酸化劣化を防止した上で膜汚染を確実に防止することができる。
<遊離塩素系酸化剤>
原水に添加する遊離塩素系酸化剤としては特に制限はなく、例えば、塩素ガス、二酸化塩素、次亜塩素酸又はその塩、亜塩素酸又はその塩、塩素酸又はその塩、過塩素酸又はその塩、塩素化イソシアヌル酸又はその塩などを挙げることができる。これらのうち、塩形のものの具体例としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムなどの次亜塩素酸アルカリ金属塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウムなどの次亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムなどの亜塩素酸アルカリ金属塩、亜塩素酸バリウムなどの亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ニッケルなどの他の亜塩素酸金属塩、塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウムなどの塩素酸アルカリ金属塩、塩素酸カルシウム、塩素酸バリウムなどの塩素酸アルカリ土類金属塩などを挙げることができる。これらの塩素系酸化剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの中で、次亜塩素酸塩は取り扱いが容易なので、好適に用いることができる。
原水に添加する遊離塩素系酸化剤としては特に制限はなく、例えば、塩素ガス、二酸化塩素、次亜塩素酸又はその塩、亜塩素酸又はその塩、塩素酸又はその塩、過塩素酸又はその塩、塩素化イソシアヌル酸又はその塩などを挙げることができる。これらのうち、塩形のものの具体例としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムなどの次亜塩素酸アルカリ金属塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウムなどの次亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムなどの亜塩素酸アルカリ金属塩、亜塩素酸バリウムなどの亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ニッケルなどの他の亜塩素酸金属塩、塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウムなどの塩素酸アルカリ金属塩、塩素酸カルシウム、塩素酸バリウムなどの塩素酸アルカリ土類金属塩などを挙げることができる。これらの塩素系酸化剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの中で、次亜塩素酸塩は取り扱いが容易なので、好適に用いることができる。
これらの遊離塩素系酸化剤は、0.3〜2.0mg/LasCl2程度の濃度で原水に対して常時定量添加してもよいが、好ましくは後述の結合塩素系酸化剤又はスライムコントロール剤を定量添加し、遊離塩素系酸化剤をRO給水のORP補正値に基づいて薬注制御することが、RO膜の酸化劣化と膜汚染の防止の観点から好ましい。遊離塩素系酸化剤を定量添加する場合は、後述の還元剤がRO給水のORP補正値に基づいて薬注制御される。
<前処理装置>
RO膜装置の前処理装置としては、一般的な重力濾過器、圧力濾過器等の濾過器や除濁膜装置が用いられる。
除濁膜装置としてはクロスフロー方式のものであっても全量濾過方式のものであってもよい。
RO膜装置の前処理装置としては、一般的な重力濾過器、圧力濾過器等の濾過器や除濁膜装置が用いられる。
除濁膜装置としてはクロスフロー方式のものであっても全量濾過方式のものであってもよい。
<還元剤>
還元剤としては特に制限はなく、重亜硫酸、チオ硫酸、亜硫酸、チオグリコール酸およびアスコルビン酸などのナトリウム塩や他の金属塩等の1種又は2種以上を用いることができる。また、水素ガスを吹き込んでも良い。還元剤を添加する場合、還元剤は、ORP補正値に基づいて薬注制御することが好ましい。
還元剤としては特に制限はなく、重亜硫酸、チオ硫酸、亜硫酸、チオグリコール酸およびアスコルビン酸などのナトリウム塩や他の金属塩等の1種又は2種以上を用いることができる。また、水素ガスを吹き込んでも良い。還元剤を添加する場合、還元剤は、ORP補正値に基づいて薬注制御することが好ましい。
<結合塩素系酸化剤又はスライムコントロール剤>
結合塩素系酸化剤としては、塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とからなるものが好ましい。
塩素系酸化剤としては、前述の遊離塩素系酸化剤の1種又は2種以上を用いることができ、取り扱い性の面で次亜塩素酸塩を好適に用いることができる。
一方、スルファミン酸化合物としては、下記一般式[1]で表される化合物又はその塩が挙げられる。
結合塩素系酸化剤としては、塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物とからなるものが好ましい。
塩素系酸化剤としては、前述の遊離塩素系酸化剤の1種又は2種以上を用いることができ、取り扱い性の面で次亜塩素酸塩を好適に用いることができる。
一方、スルファミン酸化合物としては、下記一般式[1]で表される化合物又はその塩が挙げられる。
このようなスルファミン酸化合物としては、例えば、R1とR2がともに水素であるスルファミン酸のほかに、N−メチルスルファミン酸、N,N−ジメチルスルファミン酸、N−フェニルスルファミン酸などを挙げることができる。本発明に用いるスルファミン酸化合物のうち、前記化合物の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩、マンガン塩、銅塩、亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩などの他の金属塩、アンモニウム塩およびグアニジン塩などを挙げることができ、具体的には、スルファミン酸ナトリウム、スルファミン酸カリウム、スルファミン酸カルシウム、スルファミン酸ストロンチウム、スルファミン酸バリウム、スルファミン酸鉄、スルファミン酸亜鉛などを挙げることができる。スルファミン酸およびこれらのスルファミン酸塩は、1種を単独で用いることもでき、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
次亜塩素酸塩等の塩素系酸化剤とスルファミン酸塩等のスルファミン酸化合物を混合すると、これらが結合して、クロロスルファミン酸塩を形成して安定化し、水中で安定した遊離塩素濃度を保つことが可能となる。
塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物との使用割合には特に制限はないが、塩素系酸化剤の有効塩素1モルあたりスルファミン酸化合物を0.5〜5.0モルとすることが好ましく、0.5〜2.0モルとすることがより好ましい。
結合塩素系酸化剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリを添加して、pH12以上に調整することが安定性の面で好ましく、pH13以上に調整することがより好ましい。
結合塩素系酸化剤は、例えば次のような配合とすることが好ましい。
(A) 有効塩素濃度1〜8重量%、好ましくは3〜6重量%の塩素系酸化剤と、1.5〜9重量%、好ましくは4.5〜8重量%のスルファミン酸化合物を含む、pH≧12水溶液
(B) 上記(A)に、更に0.05〜3.0重量%のアゾール類、1.5〜3.0重量%のアニオン性ポリマー、0.5〜4.0重量%のホスホン酸類の1種又は2種以上を含むpH≧12の水溶液
なお、上記(A),(B)において、pHはアルカリ剤の添加により調整される。
(A) 有効塩素濃度1〜8重量%、好ましくは3〜6重量%の塩素系酸化剤と、1.5〜9重量%、好ましくは4.5〜8重量%のスルファミン酸化合物を含む、pH≧12水溶液
(B) 上記(A)に、更に0.05〜3.0重量%のアゾール類、1.5〜3.0重量%のアニオン性ポリマー、0.5〜4.0重量%のホスホン酸類の1種又は2種以上を含むpH≧12の水溶液
なお、上記(A),(B)において、pHはアルカリ剤の添加により調整される。
これらの結合塩素系酸化剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
結合塩素系酸化剤は、0.3〜1.0mg/LasCl2程度の濃度となるように常時定量添加することが好ましい。
なお、本発明においては、上記の結合塩素系酸化剤の代りに、微生物の活動を抑制する薬剤として、例えば、MBT(メチレンビスチオシアネート)、DBNPA(2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド)、DBNE(2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール)、BBAB(ビス−1,4−ブロモアセトキシ−2−ブテン)、MIT(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、ジチオール(4,5−ジクロロ−1,2−ジチオラン−3−オン)、CFIPN(5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル)、HBDS(ヘキサブロモジメチルスルホン)、TCS(3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド)、BNP(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)、BIT(ベンゾイソチアゾリン−3−オン)、GA(グルタールアルデヒド)などのスライムコントロール剤の1種又は2種以上を添加してもよく、上記の結合塩素系酸化剤とスライムコントロール剤とを併用添加してもよい。
<pH測定手段・ORP測定手段>
pH測定手段、ORP測定手段としては特に制限はなく、一般的なpH計、ORP計を用いることができる。
pH計およびORP計はRO給水のpHおよびORPを測定するために、RO膜装置の直前(給水入口部)に設けることが好ましい。
pH測定手段、ORP測定手段としては特に制限はなく、一般的なpH計、ORP計を用いることができる。
pH計およびORP計はRO給水のpHおよびORPを測定するために、RO膜装置の直前(給水入口部)に設けることが好ましい。
<RO膜装置>
RO膜装置は、RO膜(NF膜を包含する。)を備えたRO膜エレメントをベッセルに装填したRO膜モジュールによって構成される。本発明で使用されるRO膜は、膜を介する溶液間の浸透圧差以上の圧力を高濃度側にかけて、溶質を阻止し、溶媒を透過する液体分離膜である。RO膜の膜構造としては、複合膜、相分離膜などの高分子膜などを挙げることができる。本発明に適用されるRO膜の素材としては、例えば、芳香族系ポリアミド、脂肪族系ポリアミド、これらの複合材などのポリアミド系素材などを挙げることができる。RO膜モジュールの形式については特に制限はなく、例えば、管状膜モジュール、平面膜モジュール、スパイラル膜モジュール、中空糸膜モジュールなどを適用することができる。
RO膜装置は、RO膜(NF膜を包含する。)を備えたRO膜エレメントをベッセルに装填したRO膜モジュールによって構成される。本発明で使用されるRO膜は、膜を介する溶液間の浸透圧差以上の圧力を高濃度側にかけて、溶質を阻止し、溶媒を透過する液体分離膜である。RO膜の膜構造としては、複合膜、相分離膜などの高分子膜などを挙げることができる。本発明に適用されるRO膜の素材としては、例えば、芳香族系ポリアミド、脂肪族系ポリアミド、これらの複合材などのポリアミド系素材などを挙げることができる。RO膜モジュールの形式については特に制限はなく、例えば、管状膜モジュール、平面膜モジュール、スパイラル膜モジュール、中空糸膜モジュールなどを適用することができる。
本発明におけるRO膜装置の好適運転条件は以下の通りである。
(1) RO濃縮水量:3.6m3/h以上、例えば3.6〜7.0m3/h
(2) RO膜仕様:
標準圧力=0.735MPaの超低圧膜
RO膜面積=35〜41m2
初期純水フラックス=1.0m/d(25℃、0.735MPa)以上
初期脱塩率=98%以上。
(3) 回収率:通常50〜80%(濃縮水のランゲリア指数が0以下、濃縮水のシリカ濃度が溶解度以下となるように設定する。)
(1) RO濃縮水量:3.6m3/h以上、例えば3.6〜7.0m3/h
(2) RO膜仕様:
標準圧力=0.735MPaの超低圧膜
RO膜面積=35〜41m2
初期純水フラックス=1.0m/d(25℃、0.735MPa)以上
初期脱塩率=98%以上。
(3) 回収率:通常50〜80%(濃縮水のランゲリア指数が0以下、濃縮水のシリカ濃度が溶解度以下となるように設定する。)
<後段装置>
上記のRO膜装置の後段には必要に応じて電気脱イオン装置やイオン交換装置を設けて処理水の水質を更に高めることができる。
上記のRO膜装置の後段には必要に応じて電気脱イオン装置やイオン交換装置を設けて処理水の水質を更に高めることができる。
以下に実験例、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<実験例1>
純水に硫酸又は水酸化ナトリウムを添加することで、pHの異なる試験水を調製し、各々ORPを測定してpHとORPの関係を調べた。水温は25℃とした。結果を図1に示す。
図1より、pHが1変動するとORPは−59mV変動することが分かる。
純水に硫酸又は水酸化ナトリウムを添加することで、pHの異なる試験水を調製し、各々ORPを測定してpHとORPの関係を調べた。水温は25℃とした。結果を図1に示す。
図1より、pHが1変動するとORPは−59mV変動することが分かる。
[バイオファウリング抑制試験]
<実施例1>
純水(RO処理水水質レベル)にBOD源としてエタノールを3mg/LasC、N源として塩化アンモニウムを0.2mg/L、P源としてリン酸二水素ナトリウムを20μg/L程度添加した水を給水として、保安フィルター通水試験を実施した。
保安フィルターは口径10μmの糸巻きフィルターを用い、2L/minの流量で通水した。
この給水には、結合塩素系酸化剤としてクロロスルファミン酸ナトリウムを常時0.6mg/LasCl2添加すると共に、遊離塩素系酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムをORP補正値が1日1回連続して360分間、600mVとなるように添加した。
ORP補正値は、保安フィルター入口で測定した給水のORP値とpH値から、図1に示す関係に基づき、下記式によりpH7の標準状態でのORP値を算出することで求めた。
ORP補正値(mV)=給水のORP測定値(mV)−59×(7−給水のpH測定値)
なお、保安フィルターの給水のpHは、pH調整して6.0〜7.0の中性領域の範囲で変動した。
通水開始初期、通水100h後、通水120h後のそれぞれの保安フィルターの差圧を調べ、結果を表1に示した。
<実施例1>
純水(RO処理水水質レベル)にBOD源としてエタノールを3mg/LasC、N源として塩化アンモニウムを0.2mg/L、P源としてリン酸二水素ナトリウムを20μg/L程度添加した水を給水として、保安フィルター通水試験を実施した。
保安フィルターは口径10μmの糸巻きフィルターを用い、2L/minの流量で通水した。
この給水には、結合塩素系酸化剤としてクロロスルファミン酸ナトリウムを常時0.6mg/LasCl2添加すると共に、遊離塩素系酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムをORP補正値が1日1回連続して360分間、600mVとなるように添加した。
ORP補正値は、保安フィルター入口で測定した給水のORP値とpH値から、図1に示す関係に基づき、下記式によりpH7の標準状態でのORP値を算出することで求めた。
ORP補正値(mV)=給水のORP測定値(mV)−59×(7−給水のpH測定値)
なお、保安フィルターの給水のpHは、pH調整して6.0〜7.0の中性領域の範囲で変動した。
通水開始初期、通水100h後、通水120h後のそれぞれの保安フィルターの差圧を調べ、結果を表1に示した。
<比較例1>
実施例1において、ORPの測定値をpHの測定値で補正せず、測定されたORP値をそのまま用い、このORP測定値が600mVとなるように遊離塩素系酸化剤を添加したこと以外は同様に通水試験を行った結果を表1に示す。
実施例1において、ORPの測定値をpHの測定値で補正せず、測定されたORP値をそのまま用い、このORP測定値が600mVとなるように遊離塩素系酸化剤を添加したこと以外は同様に通水試験を行った結果を表1に示す。
<参考例1>
実施例1において、結合塩素系酸化剤および遊離塩素系酸化剤を無添加したこと以外は、同様に通水試験を行った結果を表1に示す。このときの保安フィルター給水の補正ORP値は250mV程度であった。
実施例1において、結合塩素系酸化剤および遊離塩素系酸化剤を無添加したこと以外は、同様に通水試験を行った結果を表1に示す。このときの保安フィルター給水の補正ORP値は250mV程度であった。
<参考例2>
実施例1において、結合塩素系酸化剤0.6mg/LasCl2のみを常時添加とし、遊離塩素系酸化剤を添加しなかったこと以外は同様に通水試験を行った。結果を表1に示す。このときの保安フィルター給水の補正ORP値は300mV程度であった。
実施例1において、結合塩素系酸化剤0.6mg/LasCl2のみを常時添加とし、遊離塩素系酸化剤を添加しなかったこと以外は同様に通水試験を行った。結果を表1に示す。このときの保安フィルター給水の補正ORP値は300mV程度であった。
<参考例3>
実施例1において、遊離塩素系酸化剤のみを0.8mg/LasCl2で常時添加し、結合塩素系酸化剤を添加しなかったこと以外は同様に通水試験を行った。結果を表1に示す。このときの保安フィルター給水の補正ORP値は650mV程度であった。
実施例1において、遊離塩素系酸化剤のみを0.8mg/LasCl2で常時添加し、結合塩素系酸化剤を添加しなかったこと以外は同様に通水試験を行った。結果を表1に示す。このときの保安フィルター給水の補正ORP値は650mV程度であった。
表1より明らかなように、pH測定値に基づいて補正したORP値に基づいて遊離塩素系酸化剤の薬注制御を行った実施例1では、スライムの発生によるフィルターの汚染、汚染による差圧の上昇を防止することができる。
これに対して、ORP測定値をpH値で補正せずに薬注制御を行った比較例1では、遊離塩素系酸化剤の過不足が生じ、差圧が上昇した。
酸化剤無添加の参考例1では、早期に差圧が上昇する。酸化力の低い結合塩素系酸化剤のみ添加の参考例2でも、差圧が上昇する。
これら比較例1および参考例1,2では、給水系内のスライムの発生を防止し得ず、フィルターの汚染で差圧が上昇したと考えられる。
参考例3では差圧上昇の問題はないが、遊離塩素系酸化剤の過剰添加によるフィルターまたは実機を想定した際のRO膜劣化の懸念がある。
これに対して、ORP測定値をpH値で補正せずに薬注制御を行った比較例1では、遊離塩素系酸化剤の過不足が生じ、差圧が上昇した。
酸化剤無添加の参考例1では、早期に差圧が上昇する。酸化力の低い結合塩素系酸化剤のみ添加の参考例2でも、差圧が上昇する。
これら比較例1および参考例1,2では、給水系内のスライムの発生を防止し得ず、フィルターの汚染で差圧が上昇したと考えられる。
参考例3では差圧上昇の問題はないが、遊離塩素系酸化剤の過剰添加によるフィルターまたは実機を想定した際のRO膜劣化の懸念がある。
[RO膜劣化試験]
<実施例2>
残留塩素除去された水道水にクロロスルファミン酸塩系結合塩素系酸化剤を0.6mg/LasCl2添加した後、実施例1と同様に補正したORP値が1日1回連続して360分間、600mVとなるように、遊離塩素系酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを添加した水をRO給水として用いて、RO平膜試験を実施した。RO膜としては一般的な超低圧膜を使用し、回収率75%、運転フラックス0.66m/dで通水し、通水開始時と通水120h後の脱塩率(=[1−処理水水質/{(給水水質+濃縮水水質)/2}]×100 ここで水質は導電率をさす。)を調べ、結果を表2に示した。
なお、試験中、RO給水のpHは、6.0〜7.0の中性領域で変動した。
<実施例2>
残留塩素除去された水道水にクロロスルファミン酸塩系結合塩素系酸化剤を0.6mg/LasCl2添加した後、実施例1と同様に補正したORP値が1日1回連続して360分間、600mVとなるように、遊離塩素系酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを添加した水をRO給水として用いて、RO平膜試験を実施した。RO膜としては一般的な超低圧膜を使用し、回収率75%、運転フラックス0.66m/dで通水し、通水開始時と通水120h後の脱塩率(=[1−処理水水質/{(給水水質+濃縮水水質)/2}]×100 ここで水質は導電率をさす。)を調べ、結果を表2に示した。
なお、試験中、RO給水のpHは、6.0〜7.0の中性領域で変動した。
<比較例2>
実施例2において、ORPの測定値をpHの測定値で補正せず、測定されたORP値をそのまま用い、このORP値が600mVとなるように遊離塩素系酸化剤を添加したこと以外は、同様に通水試験を行った。結果を表2に示す。
実施例2において、ORPの測定値をpHの測定値で補正せず、測定されたORP値をそのまま用い、このORP値が600mVとなるように遊離塩素系酸化剤を添加したこと以外は、同様に通水試験を行った。結果を表2に示す。
<参考例4>
実施例2において、結合塩素系酸化剤は添加せずに、補正ORP値が700mVとなるように、遊離塩素系酸化剤のみを添加したこと以外は、同様に通水試験を行った結果を表2に示す。
実施例2において、結合塩素系酸化剤は添加せずに、補正ORP値が700mVとなるように、遊離塩素系酸化剤のみを添加したこと以外は、同様に通水試験を行った結果を表2に示す。
表2より明らかなように、pH測定値に基づいて補正したORP値に基づいて遊離塩素系酸化剤の薬注制御を行った。実施例2では、RO膜劣化の問題がないため、脱塩率の低下は殆どない。
これに対して、ORP測定値をpH値で補正せずに薬注制御を行った比較例2では、遊離塩素系酸化剤の過不足が生じたが、脱塩率の低下はほとんどみられない。
参考例4では、遊離塩素系酸化剤の過剰添加によるRO膜劣化で脱塩率が低下した。
これに対して、ORP測定値をpH値で補正せずに薬注制御を行った比較例2では、遊離塩素系酸化剤の過不足が生じたが、脱塩率の低下はほとんどみられない。
参考例4では、遊離塩素系酸化剤の過剰添加によるRO膜劣化で脱塩率が低下した。
Claims (12)
- 水系のORPを監視および/又は制御する方法であって、該水系のORPおよびpHを測定し、ORPおよびpHの測定値から予め設定した補正式に基づいてORP測定値を標準状態でのORP値に補正し、該ORP補正値に基づいて、該水系のORPを監視および/又は制御する水系のORP監視・制御方法。
- 請求項1において、ORPおよびpHの測定値から、下記式に基づいて、ORP補正値を算出することを特徴とする水系のORP監視・制御方法。
ORP補正値(mV)=ORP測定値(mV)−59×(7−pH測定値) - 請求項1又は2に記載の水系のORP監視・制御方法によって求めたORP補正値に基づいて、酸化剤および/又は還元剤を水系に添加することを特徴とする水処理方法。
- 請求項3において、前記ORP補正値が400〜600mVとなるように、前記水系に酸化剤および/又は還元剤を添加することを特徴とする水処理方法。
- 請求項3又は4において、逆浸透膜装置の被処理水に前記酸化剤および/又は還元剤を添加することを特徴とする水処理方法。
- 遊離塩素系酸化剤と結合塩素系酸化剤又はスライムコントロール剤を添加した水を逆浸透膜処理する方法において、該遊離塩素系酸化剤を逆浸透膜給水のORP値に基づいて薬注制御する方法であって、
請求項1又は2に記載の水系のORP監視・制御方法により求めた給水のORP補正値に基づいて、該遊離塩素系酸化剤を薬注制御する逆浸透膜処理方法。 - 水系のORPを監視および/又は制御する装置であって、該水系のORPを測定するORP測定手段とpHを測定するpH測定手段と、該ORP測定手段で測定されたORP測定値と該pH測定手段で測定されたpH測定値とから予め設定した補正式に基づいて、ORP測定値を標準状態でのORP値に補正する演算手段とを備える水系のORPの監視・制御装置。
- 請求項7において、前記演算手段は、ORPおよびpH測定値から下記式に基づいてORP補正値を算出する手段であることを特徴とする水系のORPの監視・制御装置。
ORP補正値(mV)=ORP測定値(mV)−59×(7−pH測定値) - 請求項7又は8に記載の水系のORPの監視・制御装置と、該水系のORPの監視・制御装置の演算手段で算出されたORP補正値に基づいて酸化剤および/又は還元剤を水系に添加する薬注手段とを備えることを特徴とする水処理装置。
- 請求項9において、前記薬注手段は、前記ORP補正値が400〜600mVとなるように前記水系に酸化剤および/又は還元剤を添加することを特徴とする水処理装置。
- 請求項9又は10において、逆浸透膜装置の被処理水に前記酸化剤および/又は還元剤を添加することを特徴とする水処理装置。
- 遊離塩素系酸化剤と結合塩素系酸化剤又はスライムコントロール剤とが添加された水を逆浸透膜処理する逆浸透膜装置と、該逆浸透膜装置の給水のORP値に基づいて、該給水への該遊離塩素系酸化剤の添加量を制御する薬注制御手段と、請求項7又は8に記載の水系のORPの監視・制御装置とを備え、該薬注制御手段は、該水系のORPの監視・制御装置で求められたORP補正値に基づいて遊離塩素系酸化剤の薬注制御を行うことを特徴とする水処理装置。
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