JP2012005960A - 逆浸透膜造水方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】逆浸透膜装置において、バイオファウリングの防止や抑制のため、塩素系殺菌剤の注入が不可欠であるため、耐塩素性の無い逆浸透膜を使用する場合は、残留塩素を除去することにより微生物が再活性化してバイオファウリングが発生し、耐塩素性の逆浸透膜を使用する場合は、高濃度のトリハロメタンが含有される濃縮水の排水処理を行う負荷が発生する。
【解決手段】取水原水に塩素系殺菌剤を注入した後、原水を供給水として逆浸透膜に加圧供給して透過水を得る逆浸透膜造水方法において、残留塩素を含む供給水に抗菌性金属イオンを含有させて残留塩素を除去し、抗菌性金属イオンを含有した供給水を逆浸透膜装置に供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、逆浸透膜を用いて供給水から透過水を得る逆浸透膜造水方法に係り、特に逆浸透膜の劣化とバイオファウリングの抑制をするに好適な逆浸透膜造水方法に関する。
海水または低濃度塩水の淡水化には、逆浸透膜モジュールを備えた逆浸透膜造水装置が用いられ、原水(海水)中の濁質成分を凝集処理後、砂ろ過器またはMF膜等を用いた膜ろ過により凝集された濁質成分を除去した後、供給水として逆浸透膜装置に加圧供給して透過水を得ている。また、海水中には微生物や藻類等が存在するが、これらが逆浸透膜面に付着して増殖するとバイオファウリングの要因となるため、凝集処理前の段階で殺菌を目的として残留性を有する塩素水または次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤を、取水海水に注入する塩素注入処理が行われている。
ところで、逆浸透膜装置を構成する逆浸透膜にポリアミド系の高分子合成膜を使用した場合、この合成膜は耐塩素性を有しないので、供給水中の残留塩素(遊離残留塩素,結合残留塩素)による逆浸透膜の性能低下を防止するため、塩素注入処理後に残留塩素を除去するための還元剤の注入が必要となる。一般に還元剤としては、還元反応がチオ硫酸ナトリウム(Na223)よりも早い重亜硫酸ナトリウム(NaHSO3)が供給水に注入される。
還元剤の注入によって、残留塩素が除去された供給水が逆浸透膜に供給され、逆浸透膜の劣化と性能低下は防止または抑制される。しかし、還元剤の注入が不充分で高濃度の残留塩素が供給水中に存在するようなことがあると、逆浸透膜の劣化を招く恐れがある。一方、還元剤を注入する前段階の塩素注入処理時、微生物また藻類等の同定と計数の連続測定が困難であるため、塩素注入率の設定及び残留塩素濃度の維持管理が不充分であると微生物や藻類等の殺菌が効果的に実施されない。特に、供給水中の残留塩素が還元剤で除去された後、供給水中には殺菌性を有する残留塩素が存在しないため、微生物等が再活性化する可能性があり、活性化した微生物が逆浸透膜面に付着再増殖してバイオファウリングを招く不都合がある。
一方で、還元剤として使用される重亜硫酸ナトリウムは、空気と接触すると徐々に酸化されて刺激臭を有する亜硫酸ガス(SO2)を発生する可能性があり、この薬品の貯蔵維持管理には安全性に配慮した対策が必要となる。例えば、〔特許文献1〕に記載のように、薬品貯蔵タンク内を送気する手段が必要となり、薬品の取扱いには留意を要する。
又、〔特許文献2〕には、トリハロメタン前駆体を含む河川水,湖沼水,井戸水等の原水中に銅イオンを添加した後、この原水を低圧逆浸透膜を通してトリハロメタン前駆体を除去することが記載されている。〔特許文献2〕の従来技術では、バクテリアの繁殖を防止するため、銅イオンを添加するものであった。
前述したポリアミド系の逆浸透膜は耐塩素性を有さないが、耐塩素性の逆浸透膜として酢酸セルロース系の逆浸透膜が存在し、残留塩素による性能低下を引起し難いため、この膜を逆浸透装置に使用すれば還元剤の注入操作を必要としない利点を有する。また、供給水中の無残留塩素状態における微生物の再活性化も抑制することが可能となる。
しかし、逆浸透膜の耐塩素性の有無に関係なく何れの逆浸透膜を用いた場合でも、バイオファウリングを防止また抑制するため塩素系殺菌剤の注入が必要である。
このように塩素系殺菌剤による処理が行われる場合、原水となる例えば海水中にはフミン質に代表される有機物が含まれ、原水に注入した塩素系殺菌剤とフミン質が反応して発がん性を有するトリハロメタンが生成される。このトリハロメタンは、生成反応が遅く、塩素系殺菌剤注入初期は生成濃度が低いが、時間経過と共に濃度が高くなる。このため、耐塩素性を有する逆浸透膜を使用した場合は、供給水中の残留塩素は除去されることなく存在するため、トリハロメタン生成反応が進行して時間経過に伴い高濃度のトリハロメタンが生成されることになる。このトリハロメタンは逆浸透膜を透過しないが分離後、濃縮水中に含まれて排出されることになり、有害なトリハロメタン含有水の排出に伴い、必要に応じてトリハロメタンの除去操作と設備を必要とし、逆浸透膜装置が複雑化する不都合が生じる。また、濃縮水を例えば、砂ろ過器の逆流洗浄水に用いるようなことがあると、更に高濃度のトリハロメタンを含んだ逆流洗浄排水が発生し、この排水処理に負荷がかかる。
特開2008−119669号公報 特開平6−304558号公報
上述したようにバイオファウリングの防止や抑制のためには、塩素系殺菌剤の注入が不可欠であり、耐塩素性の無い逆浸透膜を使用する場合は、残留塩素除去による微生物の再活性化に伴うバイオファウリングの不具合が生じる。また、耐塩素性の逆浸透膜を使用する場合は、高濃度トリハロメタン含有濃縮水の排水処理に負荷を要する。
本発明の目的は、残留塩素による逆浸透膜の劣化とバイオファウリングの防止が可能で、トリハロメタンの生成量を抑制するに好適な逆浸透膜造水方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、取水原水に塩素系殺菌剤を注入した後、該原水を供給水として逆浸透膜に加圧供給して透過水を得る逆浸透膜造水方法において、抗菌性金属イオンを含有して残留塩素が除去された供給水を逆浸透膜装置に供給するものである。
本発明によれば、残留塩素を含む供給水に抗菌性イオンを含有させる残留塩素除去操作を行って抗菌性金属イオンを含有した供給水を逆浸透膜装置に供給することによって、残留塩素による逆浸透膜の劣化と無残留塩素状態におけるバイオファウリングの防止が可能となり、トリハロメタンの生成量を抑制するに好適な逆浸透膜造水方法が得られる。
本発明の第1実施形態の逆浸透膜造水プロセスのシステム構成図である。 図1の抗菌性金属イオン注入手段の部分詳細図である。 図1の抗菌性金属イオン注入手段の他の例の部分詳細図である。 本発明の第2実施形態の逆浸透膜造水プロセスのシステム構成図である。 本実施例の残留塩素濃度と抗菌性金属イオン濃度の関係を示す図である。 本発明の第3実施形態の逆浸透膜造水プロセスのシステム構成図である。 本実施例の抗菌性金属イオン濃度と目標値の関係を示す図である。 本発明の第4実施形態の逆浸透膜造水プロセスのシステム構成図である。
本発明者らは、供給水中の残留塩素除去に伴う微生物の再活性化及び残留塩素存在に伴う高濃度トリハロメタン生成の両者の不具合の解決に向けて検討した。この結果、供給水中の残留塩素の除去操作を重亜硫酸ナトリウムの還元剤の代わりに抗菌性金属イオンで行い、高濃度のトリハロメタン生成を抑制するようにするとよいことが判明した。すなわち、供給水中の残留塩素操作を抗菌性金属イオンで行って、残留塩素除去操作に伴う抗菌性金属イオンの殺菌の持続性と残留性により、高濃度のトリハロメタン生成を抑制するようにしたものである。
このように、取水原水に塩素系殺菌剤を注入した後、原水を供給水として逆浸透膜に加圧供給して透過水を得る逆浸透膜造水方法において、残留塩素を含む供給水に抗菌性金属イオンを含有させて残留塩素除去操作を行い、抗菌性金属イオンを含有した供給水を逆浸透膜に供給している。
このようにすると、耐塩素性の無い逆浸透膜を用いた場合、残留塩素の除去操作を行って、この供給水中に殺菌性を有する残留塩素がなくとも、残留塩素除去操作のために供給水中含有させた抗菌性金属イオンの作用により少なくとも微生物が殺菌され、再活性化が抑制されることになる。これにより、逆浸透膜でのバイオファウリングの発生を抑制できる。
一方、耐塩素性を有する逆浸透膜の場合は、供給水中の残留塩素を除去する必要性は無いが、供給水中の残留塩素は含有されている抗菌性金属イオンにより除去され、トリハロメタン生成反応を停止させることになり、トリハロメタン生成量の増加を抑制することができる。
この結果、逆浸透膜の劣化とバイオファウリング及びトリハロメタンの生成量を抑制するに好適な逆浸透膜造水方法及び装置を提供することができる。
次に、抗菌性金属イオンを含有して残留塩素が除去された供給水を逆浸透膜に供給している。このようにすると、抗菌性金属イオンを供給水に含有させて残留塩素を除去し、残留塩素が除去された供給水とすることによって逆浸透膜が耐塩素性を有さなくとも、膜が残留塩素の影響を受けて性能低下することがない。また、抗菌性金属イオンが供給水中に含有するため、残留塩素が無くとも微生物が抗菌性金属イオンで殺菌され、微生物の再活性化が防止または抑制されることになる。
塩素系殺菌剤注入後の供給水中の残留塩素濃度を測定して、測定された残留塩素濃度に応じて供給水に含有させる抗菌性金属イオン濃度を制御している。
取水海水中には、不溶解性成分として濁質分、藻類及び一般細菌,大腸菌群等の微生物が含まれ、一方、溶解性成分としてフミン質等の有機物及び鉄,マンガン等の無機物が含まる。これら成分を含有する取水海水の殺菌を目的とした塩素系殺菌剤の注入処理は、塩素注入処理後の残留塩素濃度が所定値になるように塩素注入率が設定されて制御される。しかし、原水中の塩素消費成分による塩素要求量に応じた適切な塩素注入率に設定しないと、供給水中の残留塩素濃度が変動した場合、この供給水中の残留塩素除去操作のための抗菌性金属イオン濃度を適正値に維持できなく、残留塩素を含む供給水が逆浸透膜装置に供給され、耐塩素性の無い逆浸透膜にあっては膜の劣化と性能低下を誘発する。また、残留塩素の除去が不充分であるとトリハロメタンの生成反応が進行して、生成トリハロメタン濃度が高くなる。
供給水中の残留塩素濃度に基づいて供給水中に含有させる抗菌性金属イオン濃度を制御するようにすると、供給水中には残留塩素除去操作に必要な充分な抗菌性金属イオン濃度が確保されることになる。これにより、残留塩素による影響を受けなく上述した逆浸透膜の劣化と性能低下が防止される。また、供給水中の残留塩素除去操作によってトリハロメタン生成反応は進行せず、トリハロメタンの生成量を低減することができる。
供給水に抗菌性金属イオンを含有させた後の抗菌性金属イオン濃度を測定して、この測定された抗菌性金属イオン濃度と抗菌性金属イオン濃度の設定目標値との偏差に応じて供給水に含有させる抗菌性金属イオン濃度を制御している。
供給水中の残留塩素を抗菌性金属イオンで除去して、供給水中に抗菌性金属イオンを含有させる場合、供給水中の残留塩素濃度に応じて抗菌性金属イオン濃度を制御することは残留塩素の除去には有効であるが、残留塩素濃度の変動に伴い供給水に含有させる抗菌性金属イオン濃度も変動する。このため、供給水中に含有させた抗菌性金属イオン濃度が低くなる場合は、殺菌作用が低下して、微生物等の再活性化に伴いバイオファウリングの要因となる恐れがあり、安定した殺菌効果の確保が不充分となる。
上述した残留塩素除去操作を抗菌性金属イオンによって行う新たな不都合に対して、抗菌性金属イオンを含有させた後の抗菌性金属イオン濃度を測定して、この金属イオン濃度測定値と設定目標値との偏差に応じて供給水に含有させる抗菌性金属イオン濃度を制御するようにしているので、供給水中に含有させた後の抗菌性金属イオン濃度に変動が無く、かつ、供給水中には微生物等を殺菌するに充分な抗菌性イオン濃度が確保されることになり、微生物等の再活性化を抑制することができ、逆浸透膜のバイオファウリングの防止が可能となる。
残留塩素を含む供給水に抗菌性金属イオンを含有させる残留塩素操作を行うと共に供給水に抗菌性金属イオンを含有させた場合、この抗菌性金属イオンを銅または銀イオンとしている。国内水質基準またWHOの基準では銅イオンは1.0mg/L以下、一方、銀イオンについて表記がないが、EPA基準では0.05mg/L以下とされており、これら抗菌性金属イオンは極微量で抗菌作用を有し、例えば銀イオンにおいては0.1mg/L以下程度の微量で抗菌作用を有する。また、銅イオンにおいては0.5mg/L以下程度で残留塩素を除去することができる。したがって、抗菌性と残留塩素除去性を兼ね備えた銅イオンまたは銀イオンを抗菌性金属イオンとして使用し、残留塩素を含む供給水に含有させることによって逆浸透膜への供給水に残留塩素が無い状態で抗菌機能を持たせることが可能となる。
また、取水原水を供給水として逆浸透膜に加圧供給して透過水を得る逆浸透膜造水方法において、供給水の濁度を測定して、測定された濁度に対応して供給水に含有させる抗菌性金属イオン濃度を制御する。逆浸透膜のバイオファイリングの防止または抑制するために抗菌性金属イオンを供給水に含有させる場合、常時一定濃度の抗菌性金属イオンを含有させると、バイオファウリング要因物質の増加に対応することができず、抗菌性金属イオンが有効に機能しない。結果的にバイオファウリングの発生を招き、抗菌性金属イオンの含有操作が無駄になる。この不具合は、簡易に連続測定できる濁度をバイオファウリング要因の一指標として供給水に含有させる抗菌性金属イオン濃度を制御するようにしたものである。
このようにすると、供給水に含有させる抗菌性金属イオン濃度は、供給水水質に対応して制御され、常時一定濃度の抗菌性金属イオンが含有させられることがないから、バイオファウリング要因物質が増加しても、供給水中の抗菌性金属イオン濃度はそれに対応した濃度に維持されバイオファイリングの防止または抑制を図ることが可能となる。
以下、より具体的に本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態を図1〜図3により説明する。図1は本実施形態の逆浸透膜造水プロセスのシステム構成図である。
逆浸透膜処理の対象となる海水Wは、取水ポンプ1によって取水されて原水タンク2に貯留され、原水タンク2から海水ポンプ3によって砂ろ過器4及びMF膜装置5に供給される。原水タンク2と砂ろ過器4の間には流量計6が設置され、砂ろ過器4及びMF膜装置5への海水供給流量Qを測定している。流量計6で測定された海水供給流量Qは、演算器7及び演算器9にフィードバックされる。
演算器7では、別途入力される塩素系殺菌剤注入率CLが乗じられて塩素系殺菌剤注入量CQが求められ、塩素系殺菌剤注入ポンプ8によって塩素系殺菌剤Cが海水に注入される。なお、塩素系殺菌剤Cは海水ポンプ3の吸込側で注入してもよく、後述する凝集剤注入前であればよい。塩素系殺菌剤Cとしては、塩素ガスを水に注入して調製した塩素水または次亜塩素酸ナトリウム等が用いられ、殺菌剤の注入に伴い海水中の微生物等は殺菌または不活化される。
演算器9には、予め設定された凝集剤注入率Pが入力され、フィードバックされた海水供給流量Qと凝集剤注入率Pが乗じられて凝集剤注入量PQが求められ、この凝集剤注入量PQに応じた凝集剤Gが凝集剤注入ポンプ10によって海水に注入される。
凝集剤Gとしては、ポリ塩化アルミニウムまたはポリシリカ鉄((SiO2)n・Fe23)等が用いられ、海水に注入された凝集剤Gは、図示しない混合器にて撹拌混合され、海水中の濁質分をマイクロフロック化する。このフロックは砂ろ過器4にてろ過される。砂ろ過器4でろ過されなかった成分は下流側のMF膜5にてろ過され、その後、処理水タンク11に導入される。
なお、第1実施形態では、凝集剤G注入後、砂ろ過器4及びMF膜5を用いて濁質分を除去しているが、MF膜,NF膜等を用いてもよく、凝集処理後の濁質分の除去手段が特に限定されるものではない。
高圧ポンプ12は、処理水タンク11の処理水を加圧して逆浸透膜装置13に供給水PWとして送出する。処理水タンク11と高圧ポンプ12の間には保安フィルター14が設けられており、高圧ポンプ12の吸込側に配設された保安フィルター14で、高圧ポンプ12及び逆浸透膜装置13内の逆浸透膜15へ異物の侵入を阻止している。
逆浸透膜装置13に供給される供給水PWは、高圧ポンプ12にて5〜8MPa程度まで加圧されて逆浸透膜15に供給され、この逆浸透膜15を介して透過水FWが淡水として取り出される。透過水FWは透過水タンク16に貯留され、殺菌処理及びミネラル分添加が施された後、送水ポンプ17によって需要端に供給される。
一方、逆浸透膜15を透過しない非透過水は濃縮水CWとして排出され、圧力回収タービン40にてエネルギーが回収された後、濃縮水CWは再度回収されるか、系外に排出される。
残留塩素を含む供給水PW中に抗菌性金属イオンを含有させる抗菌性金属イオン注入手段18は、高圧ポンプ12の吸込側に配設されている。本実施例では、海水中の濁質分を除去した後の処理水タンク11の入口側に配設した例を示しているが、処理水タンク11の出口側であってもよく、残留塩素を含む供給水PW中に抗菌性金属イオンを含有させる箇所が特に限定されるものではない。
抗菌性金属イオン注入手段18は、図2に示すように、供給水PWが通過する供給管19内に設置された銅又は銅合金で形成される電極20と、対極21及び外部直流電源部22で構成される。電極20からの溶出金属イオン濃度を制御する制御器23は、入力値に基づいて電極20への通電時間又は通電量を制御して、溶出金属イオン濃度を制御する。
電極20,対極21には外部直流電源部22から通電され、アノードとなる電極20から銅イオンが溶出して、この銅イオンが残留塩素を含む供給水PWに含有する。また、アノードとなる電極20を銀または銀合金とした場合、アノード極となる銀電極から銀イオンが溶出し、この銀イオンが抗菌性金属イオンとして残留塩素を含む供給水PW中に含有する。
なお、本実施例では、図2に示すように、抗菌性金属イオン注入手段18の電極20,対極21を供給管19内に配設した例を示したが、図3に示すように、抗菌性金属イオン水RIとして供給管19内に注入してもよい。この場合、抗菌性金属イオン注入手段18は、電極20,対極21が収納されたケーシング24とこのケーシング24内に供給原水SRを連続供給するポンプ25で構成される。電極20,対極21には外部直流電源部22からの通電により抗菌性金属イオン(銅または銀イオン)が溶出し、この金属イオン含有する抗菌性金属イオン水RIを得る。そして、この抗菌性金属イオン水RIは供給原水SRの供給と供給水PWへの注入を兼ねるポンプ25にて供給水PWに注入されることになる。
このように逆浸透膜造水プロセスが構成されている場合、塩素系殺菌剤Cが注入された残留塩素を含む供給水PWには、抗菌性金属イオン注入手段18から抗菌性金属イオンが注入され、その後、逆浸透膜装置13に高圧ポンプ12によって加圧供給される。残留塩素を含む供給水PWに抗菌性金属イオンを含有させると、抗菌性金属イオンである例えば銅イオンや銀イオンは、供給水PW中の残留塩素を除去し、触媒として作用して水中の酸素分子から過酸化水素やヒドロキシルが生成する。これら生成物が種々の微生物や藻類に対して殺菌作用,不活化作用の機能を有する。例えば、供給水PW中の残留塩素が1mg/Lの場合、供給水中の銅イオン濃度を500μg/L程度に維持すれば残留塩素は除去され、微生物も殺菌される。
耐塩素性の無い逆浸透膜を使用する場合は、残留塩素が除去された供給水PWでは、微生物の再活性化によりバイオファウリングを誘発する可能性があるが、供給水PW中に含有する抗菌性金属イオンの作用により微生物の再活性化が防止されることになる。この結果、逆浸透膜のバイオファウリングを防止することができる。一方、供給水PW中の残留塩素の除去操作を抗菌性金属イオンによって行うことにより、フミン質と残留塩素との反応に伴うトリハロメタン生成反応が止まり、トリハロメタンの生成量を抑制することができる。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態を図4,図5により説明する。図4は本実施形態の逆浸透膜造水プロセスのシステム構成図である。
流量計6の上流側には、塩素系殺菌剤注入後の供給水PW中の残留塩素濃度RCLを測定する残留塩素濃度計26が設置されており、残留塩素濃度計26には、採水ポンプ27でサンプルされた供給水PWが送水される。残留塩素濃度計26の測定値は演算器28に入力される。演算器28には、図5に示すように、残留塩素濃度RCLとこの残留塩素濃度を除去するに必要な抗菌性金属イオン濃度Kの関係が予め入力され、残留塩素濃度計26で測定された残留塩素濃度に基づいて供給水PWに含有させる抗菌性金属イオン濃度Kが求められる。ここで、供給水PW中の抗菌性金属イオンを確保するため、供給水PW中の残留塩素濃度が不検出であっても、設定された濃度K0の抗菌性金属イオン濃度が求められるようになっている。
供給水PWの流量Qに対応した必要抗菌性金属イオン濃度Knを求める演算器29には、流量計6から供給水PWの流量Qが入力され、演算器28で求められた抗菌性金属イオン濃度Kが入力される。演算器29では、抗菌性金属イオン濃度Kと流量Qの関係から必要抗菌性金属イオン濃度Knが求められる。この必要抗菌性金属イオン濃度Knは、抗菌性金属イオン注入手段18の制御器23に入力される。制御器23は、電極20,対極21への通電量又は通電時間を制御して供給水PWに含有させる溶出金属イオン濃度を制御する。
このように構成されている場合、供給水PW中に含有させる抗菌性金属イオン濃度は、供給水PW中の残留塩素濃度に基づいて制御されるので、供給水中には充分な抗菌性金属イオン濃度が確保されて残留塩素除去操作が行われ、残留塩素による逆浸透膜の劣化と性能低下が防止され、残留塩素の除去操作によってトリハロメタン生成反応の進行が止まり、トリハロメタンの生成量を低減することが可能となる。
〔第3実施形態〕
本発明の第2実施形態を図6,図7により説明する。図6は本実施形態の逆浸透膜造水プロセスのシステム構成図である。
保安フィルター14と高圧ポンプ12との間には、採水ポンプ31を介して金属イオン濃度計30が設置されている。金属イオン濃度計30には、供給水PWに銅イオンを含有させた場合は銅イオン濃度計が、銀イオンを含有させた場合は銀イオン濃度計が用いられる。金属イオン濃度計30には採水ポンプ31によってサンプルされた供給水PWが送水される。
抗菌性金属イオン濃度RKを測定する場合、供給水PWを逆浸透膜装置13に供給する高圧ポンプ12の吐出側は5〜8MPa程度に加圧された高圧状態であるため、採水ポンプ31は高圧ポンプ12の吸込側の供給水PWを採水する形態を採ることが好ましい。
演算器32には、金属イオン濃度計30で測定された含有後抗菌性金属イオン濃度RKが入力され、演算器32では、図7に示すように、入力された抗菌性金属イオン濃度RKと設定された抗菌性金属イオン濃度の目標値Vとの偏差Δ±が求められる。
演算器33には流量計6からの供給水PWの流量Qが入力され、演算器33では、供給水PWの流量Qに対応した必要抗菌性金属イオン濃度Kmを求められる。更に、抗菌性金属イオンを供給水PWに含有させた後の目標値Vが入力されて、必要抗菌性金属イオン濃度Kmが流量Qと目標値Vの関係から求められる。
演算器34では、演算器32で求められた偏差±と演算器33で求められた必要抗菌性金属イオン濃度Kmが入力されて注入抗菌性金属イオン濃度Kgが求められる。この注入抗菌性金属イオン濃度Kgは、抗菌性金属イオン注入手段18の制御器23に入力され、制御器23は入力値に基づいて外部直流電源部22を介して通電時間又は通電量を制御し、供給水PWに含有させる抗菌性金属イオン濃度Knを制御する。
このように構成されている場合、供給水に含有させた後の抗菌性金属イオン濃度と設定目標値との偏差に応じて供給水に含有させる抗菌性金属イオン濃度が制御されるので、供給水中に含有させた後の抗菌性金属イオン濃度に変動が無くなる。このため、供給水中には微生物等を殺菌するに充分な抗菌性金属イオン濃度を確保することができ、抗菌性金属イオンの濃度低下を招くことがないので、微生物等の再活性化を抑制することができ、逆浸透膜のバイオファウリングの防止が可能となる。
〔第4実施形態〕
本発明の第4実施形態を図8により説明する。図8は本実施形態の逆浸透膜造水プロセスのシステム構成図である。
流量計6の上流側には濁度計35が設置され、濁度計35で、逆浸透膜装置13への供給水PW中の濁度を測定する。濁度は波長500〜700nmの可視光、好ましく波長660nmの吸光光度から濁度成分の濁度を測定する。
演算器36では、濁度計35で測定された濁度Tuが入力され、入力された濁度Tuに基づいて供給水PWに含有させる抗菌性金属イオン濃度Ktを求める。
このように構成されている場合、演算器36で求められた抗菌性金属イオン濃度は演算器29を介して制御器23に入力され、抗菌性金属イオン注入手段18から供給水PWに必要抗菌性金属イオンが含有される。
供給水に含有させる抗菌性金属イオン濃度は、供給水水質の濁度に対応して制御され、常時一定濃度の抗菌性金属イオンが含有されることがないから、バイオファウリング要因物質が増加しても、供給水中の抗菌性金属イオン濃度はそれに対応した濃度に維持されることになる。この結果、バイオファイリングの防止または抑制を図ることが可能となる。
1 取水ポンプ
4 砂ろ過器
6 流量計
8 塩素系殺菌剤注入ポンプ
10 凝集剤注入ポンプ
12 高圧ポンプ
13 逆浸透膜装置
15 逆浸透膜
18 抗菌性金属イオン注入手段
20 電極
21 対極
23 制御器
26 残留塩素濃度計
28 演算器
31 採水ポンプ
35 濁度計

Claims (6)

  1. 取水原水に塩素系殺菌剤を注入した後、該原水を供給水として逆浸透膜に加圧供給して透過水を得る逆浸透膜造水方法において、残留塩素を含む供給水に抗菌性金属イオンを含有させて残留塩素を除去した後、前記抗菌性金属イオンを含有した供給水を逆浸透膜装置に供給することを特徴とする逆浸透膜造水方法。
  2. 取水原水に塩素系殺菌剤を注入した後、該原水を供給水として逆浸透膜に加圧供給して透過水を得る逆浸透膜造水方法において、抗菌性金属イオンを含有して残留塩素が除去された供給水を逆浸透膜装置に供給することを特徴とする逆浸透膜造水方法。
  3. 前記塩素系殺菌剤注入後の供給水中の残留塩素濃度を測定して、該測定された残留塩素濃度に応じて供給水中に含有させる抗菌性金属イオン濃度を制御することを特徴とする請求項1に記載の逆浸膜透造水方法。
  4. 前記供給水に抗菌性金属イオンを含有させた後の抗菌性金属イオン濃度を測定して、該測定された抗菌性金属イオン濃度と抗菌性金属イオン濃度の設定目標値との偏差に応じて前記供給水に含有させる抗菌性金属イオン濃度を制御することを特徴とする請求項1に記載の逆浸透膜造水方法。
  5. 前記抗菌性金属イオンが銅イオンまたは銀イオンであって、前記金属イオンを含有した供給水を逆浸透膜装置に供給することを特徴とする請求項1に記載の逆浸透膜造水方法。
  6. 取水原水中の濁質分を除去した後、該原水を供給水として逆浸透膜に加圧供給して透過水を得る逆浸透膜造水方法において、前記供給水の濁度を測定して、該濁度に対応して供給水に含有させる抗菌性金属イオン濃度を制御することを特徴とする逆浸透膜造水方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2016092620A1 (ja) * 2014-12-08 2017-08-03 三菱重工業株式会社 水処理装置

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