JP2906521B2 - クロム含有廃水の処理方法 - Google Patents

クロム含有廃水の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はクロム含有廃水の処理方法に係り、特に、6
価クロム含有廃水に第一鉄イオンを添加して還元処理す
る方法の改良に関する。
[従来の技術] 6価クロムを含有うる廃水から6価クロムを除去する
方法としては、6価クロムを3価クロムに還元し、不溶
性化合物として沈澱除去する方法が行なわれている。そ
して、6価クロムの還元剤として第一鉄塩を使用する方
法と亜硫酸塩を使用する方法がある。このうち、第一鉄
塩を用いる方法は、汚泥発生量が比較的多いという欠点
はあるものの、第一鉄塩は安価であり、酸性〜アルカリ
性のいずれのpH範囲においても還元可能であるという利
点を有することから、工業的に有利な方法である。具体
的には特公昭62−30838号に、6価クロム含有廃水にpH
約4.5〜8.5で、酸化還元電位(以下、「ORP」と略
す。)約−50〜−150mVとなるように第一鉄塩を添加す
る方法が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来においては、第一鉄塩によるアル
カリ域での還元処理を行なわれておらず、酸性〜中性域
において還元が行なわれている。このため、従来におい
て還元処理後、還元により生成した3価クロムや過剰添
加された第一鉄イオン等を水酸化物として沈澱させるた
めに、pH調整してpH9以上で沈澱処理(中和処理)する
必要がある。従って、還元処理と中和処理との2段処理
が必要となり、装置設備が複雑化するなどの欠点があっ
た。この理由は、ORP計を用いる薬注制御では酸性〜中
性でなければ、制御ができないと考えられていたためで
ある。
即ち、ORO計による薬注制御の考え方は溶液の雰囲気
を酸化性に保つか、還元性に保つかである。例えばシア
ンの酸化分解では、酸化剤である塩素の電位を検出して
次亜塩素酸ソーダの注入制御を行なう。6価クロムの亜
硫酸塩還元法では、亜硫酸の電位(CR6+(500〜700mV)
→NaHSO3+Cr3+(200〜300mV))を検出して薬注制御を
行なう。
一方、第一鉄イオンを使用した場合は、還元前の電位
と還元後の電位との差が小さいため(CR6+対Cr3++Fe3+
+Fe2+)、ORP制御は中性ないし酸性でなければ適用困
難と考えられていた。このため、還元後、アルカリにpH
調整して沈澱処理を行なう必要がある。
因みに、水酸化第一鉄の溶解度は、化学便覧基礎編II
(昭和59年:丸善)よりKsp=8×10-6であるから、pH8
で45ppm、pH8.5で4.5ppm、pH9で0.45ppmとなる。第一鉄
イオンを還元剤として使用した場合は、第一鉄イオンを
水酸化物として沈澱させるため、沈降分離は従来pH9〜1
0で行なわれており、この値は理論pHと一致するところ
である。
なお、特公昭62−30838号には、pH4.5〜8.5で処理す
る旨の記載があるが、上述の如く、第一鉄イオンの沈殿
にはpH9以上が必要であり、pH8.5では十分な沈殿処理を
行なうことはできず、処理水中に第一鉄イオンやその他
の共存重金属イオンが残留するという不具合がある。ま
た、pH7以下では還元されたクロムイオンの沈殿処理も
困難である。因みに、特公昭62−30838号には、pH11で
処理した例が比較例とし挙げられているが、第一鉄塩の
添加量がORP−100mVでは還元に必要な量が確保できない
ため、良好な結果が得られていない。
本発明は上記従来の問題点を解決し、アルカリ域に
て、容易かつ効率的に6価クロム含有廃水を還元処理
し、高水質の処理水を得ることができるクロム含有廃水
の処理方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明のクロム含有廃水の処理方法は、6価クロムを
含有する廃水に、第一鉄イオンを添加して6価クロムを
3価クロムに還元処理する方法において、前記廃水のpH
を9〜10に調整して、酸化還元電位が−200〜−300mVに
なるように第一鉄イオンを添加した後、20分以上反応さ
せることを特徴とする。
即ち、本発明者らは、前述の第一鉄イオンの沈澱に必
要なpH9〜10での薬注制御が可能であれば、還元処理と
沈澱(中和)処理とを同時に行なって、処理設備の簡略
化が図れることから、このようなアルカリ域でのORP計
による第一鉄イオンの薬注制御について鋭意検討を重ね
た結果、酸性よりもアルカリ性の方が、はるかに鋭敏な
ORP変曲点が得られ、ORP計による第一鉄イオンの薬注制
御が可能であることを見出し、本発明を完成させた。
以下に図面を参照して本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明のフロム含有廃水の処理方法の一実施
方法を示す系統図である。
本発明の方法においては、原水を、まず攪拌機11、pH
計12、ORP計13を備える還元中和槽1に導入し、第一
鉄、必要に応じてpH調整剤、凝集剤(ポリマー)等を添
加して、pH9〜10、ORP−200〜−350mVとなるように調整
して反応させる。
即ち、当量点付近で、ORPが鋭敏に変化し、このORPが
−200〜−350mVとなるように第一鉄塩を添加する。な
お、このORPの変化は第一鉄塩添加後20〜30分で平衡に
達するため、反応には少なくとも20分が必要である。
還元中和槽1においては、pH9〜10のアルカリ域で還
元を行なうため、3価クロム、第一鉄イオン、第二鉄イ
オン、その他の共存重金属イオンは水酸化物として沈澱
するため、別途中和操作を行なうことなく、即ち、中和
槽を経ることなく、還元処理水は次いで沈澱槽2に導入
し、各種金属イオンの沈澱物を除去し、処理水を得る。
なお、本発明の方法は連続処理、バッチ処理のいずれ
でも実施することができ、pH計及びORP計の検出値に基
いて、第一鉄塩、pH調整剤及び凝集剤の添加量を制御す
る制御装置を用いて、自動的に実施することができる。
本発明方法で用いる第一鉄塩の種類には、特に限定は
なく、例えば、硫酸第一鉄が最も一般的であるが、他
に、塩化第一鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、硝酸第一
鉄、水酸化第一鉄等を使用できる。またこれらの純粋溶
液に限らず、これらの第一鉄塩を含有する一般廃液、例
えば製鉄工業等の酸洗廃液、鋼業の鉄鉱石廃水等も使用
できる。
pH調整剤としては、カセイソーダ、消石灰、ソーダ灰
等のアルカリを用いることができる。
[作用] 本発明者らは、第一鉄塩のORP特性を詳細に検討した
結果、従来の認識とは異なり、酸性よりアルカリ性の方
がはるかに鋭敏なORP変曲点が得られ薬注制御が可能で
あることを見出した。即ち、従来、アルカリ性ではORP
制御が難しいと考えられていたのは、第一鉄イオンによ
る還元時のORP値の意味がよく理解されておらず、ま
た、通常ORP値は5分位の感応時間で平衡に達するが、
アルカリ性の場合は応答時間が20〜30分間かかるため、
変曲点のあることが見落されていたためと考えられる。
本発明での検出ORPは、溶存酸素の電位を示す。即
ち、中性〜アルカリ性では、第一鉄イオンと溶存酸素は
容易に反応するため、溶存酸素の電位を示すORPを測定
することで、第一鉄イオンの注入制御を行なうものであ
る。
Cr6++3Fe2+→Cr3++3Fe3+ … 2Fe2+O+H2O→2Fe3++20H- … 第一鉄イオンによる還元にあたり、還元反応初期は上
記の反応が優先するが、6価クロムの還元後、上記
の反応により溶存酸素が消費され、無酸素状態になるこ
とによりORPは急激に低下する。第一鉄イオンと酸化が
反応しにくい酸性ではORPは緩慢な変化を示す。
[実施例] 以下に実験例、実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
実施例1 硫酸第一鉄を100ppm(Fe2+換算)含む溶液をカセイソ
ーダでpH10とし、ORPの応答時間を測定した。その結
果、薬20〜30分で約−350mVの一定となり、水酸化第一
鉄のORP応答に要する時間は20〜30分かかることが判明
した。
同様にpH1.5とした場合についてORPの応答時間を測定
したところ、約5分で550mVの一定となった。
この結果から、アルカリ側では第一鉄イオンの応答時
間が遅いことが確認された。
実施例2 pH:1.5、Cr6+:360ppm、Fe3+:150ppmのメッキ廃水を用
いて、各種pHに調整して第一鉄塩を各濃度添加し、添加
後20分経過後のORP値を測定してORP曲線を求め、pHとOR
P曲線との関係を調べた。結果を第2図に示す。
第2図より明らかなように、pH5からORP曲線の変曲点
が明確となる。このことは、第一鉄イオンと酸素との反
応が起き易くなる経験値pH4〜5に一致している。pHは
高い程ORP曲線の変曲点が鋭敏であることが明らかであ
る。
実施例3 pH:1.5、Cr6+:360ppm、Fe3+:150ppmのメッキ廃水を原
水とし、各々、pH10及びpH1.5で第一鉄塩を各濃度添加
して還元処理を行ない、それぞれORPとCr6+の関係を調
べた。なお、ORP、Cr6+は全て第一鉄塩添加後20分後の
値である。結果を第3図(pH:10)及び第4図(pH:1.
5)に示す。
第3図及び第4図より次のことが明らかである。
即ち、pH1.5の場合(第4図)でも、OPRの小さい変曲
点が得られ、変曲点以降は6価クロムは還元されてい
た。
一方、pH10の場合(第3図)では、ORPの変化は鋭敏
であり、6価クロムの還元終了と共に、DRPは−400mVと
ほぼ一定になっている。
実施例1,2、比較例1 pH:2.3、Cr6+:50ppm、Zn2+:10ppm、Ni2+:10ppmを含む
合成排水を第1表に示すpHにて、第1表に示すORP設定
値となるように第一鉄塩を添加して還元処理を行ない、
処理液をそのままNo.5Aの濾紙で濾過して濾液の分析を
行なった。なお、反応時間は30分間とし、10l/hrで連続
還元を行なった。結果を第1表に示す。
第1表より、本発明によれば、6価クロムと共に、第
一鉄イオンや他の共存重金属を高度に処理することがで
きることが明らかである。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明のクロム含有排水の処理方
法によれば、第一鉄塩の薬注制御をpH9〜10のアルカリ
側で行なうために、還元操作と中和操作とを同一槽内で
行なうことができる。このため、還元槽と中和槽とを別
個に設置する必要がなくなり、処理装置の簡略化、設置
面積の減少、設置計器類の減少が図れる。そして、この
ようなアルカリ側において、第一鉄塩添加量をORPが−2
00〜−300mVとなるような量とすることにより、効率的
な還元処理を行なうことが可能とされる。
従って、本発明のクロム含有廃水の処理方法によれ
ば、アルカリ側におけるORP計による第一鉄塩の薬注制
御により、6価クロム含有廃水の処理を容易かつ効率的
に行なうことが可能とされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のクロム含有廃水の処理方法の一実施方
法を示す系統図、第2図は実験例2の結果を示すグラ
フ、第3図及び第4図は実験例3の結果を示すグラフで
ある。 1…還元中和槽、2…沈澱槽。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 1/70 C02F 1/62

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】6価クロムを含有する廃水に、第一鉄イオ
    ンを添加して6価クロムを3価クロムに還元処理する方
    法において、 前記廃水のpHを9〜10に調整して、酸化還元電位が−20
    0〜−350mVになるように第一鉄イオンを添加した後、20
    分以上反応させることを特徴とする6価クロム含有廃水
    の処理方法。
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