JP7394506B1 - 計測装置、計測方法および計測プログラム - Google Patents

計測装置、計測方法および計測プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】三相式を単相式に分電し、単相回路に負荷を配置している場合において、単相回路の電路電気関連値を正確に計測することができる計測装置を提供する。【解決手段】スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐された電線路の電路電気関連値を第1の構成により計測する第1計測部11と、スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐された電線路の電路電気関連値を第2の構成により計測する第2計測部21とにより構成される計測部2と、計測部2の中からいずれか一方の計測部を選択する選択処理部51を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、電路の電気に関連する値を計測する計測装置、計測方法および計測プログラムに関する。
各家庭や工場などに電気を送る方式には、三相交流式(以下、三相式と称する)と単相交流式(以下、単相式と称する)がある。単相式は、配線の数が少ないため電圧が低く、高電圧が必要ではない一般家庭に利用されることが多い方式である。三相式は、単相式と比べて少ない電流で同じ電力を得られるため、電気損失が少なく、多くの電気を使う工場などで利用されることが多い方式である。
また、三相式交流電源を利用している工場などにおいて、単相の電力で駆動する装置を利用する場合には、三相式を単相式に分電する必要がある。特許文献1では、相変換変圧器により、三相三線式交流電源によって出力された三相交流を単相交流に変換する技術が開示されている。また、電路の電気に関連する値(以下、電路電気関連値と称する)を計測し、電路電気関連値が正常な範囲にあるかどうかを確かめておくことは、常に安全を確保する上で重要なことである。
特開2021-162234号公報
ここで、上述のように三相式を単相式に分電した場合においても、電路電気関連値を正確に計測したい要望がある。
本開示では、三相式を単相式に分電し、単相回路に負荷を配置している場合において、この単相回路の電路電気関連値を正確に計測することができる計測装置、計測方法および計測プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の構成は、以下の通りである。
(1)スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第1の構成により計測する第1計測部と、スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第2の構成により計測する第2計測部とにより構成される計測部と、
前記計測部の中からいずれか一方を選択する選択処理部とを備える計測装置。
(2)前記選択処理部は、
第1相、第2相、第3相および中性線がスター結線された三相式交流電源が前記被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線とに結線されている第1状態の場合、前記第1計測部を選択し、
第1相、第2相および第3相がスター結線された三相式交流電源が前記被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相および第3相のいずれかの2相に結線されている第2状態の場合、前記第2計測部を選択する(1)に記載の計測装置。
(3)前記第1計測部は、前記第1の構成として、前記被測定電線路に流れている漏洩電流と、負荷が結線されている第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線との間に印加されている電圧とに基づいて、前記漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分を算出し、
前記第2計測部は、前記第2の構成として、前記被測定電線路に流れている漏洩電流と、負荷が結線されている二つの相の間に印加されている電圧とに基づいて、前記漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分を算出する(2)に記載の計測装置。
(4)スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を計測する計測部と、
第1相、第2相、第3相および中性線がスター結線された三相式交流電源が前記被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線とに結線されている第1状態と、第1相、第2相および第3相がスター結線された三相式交流電源が前記被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相および第3相のいずれかの2相に結線されている第2状態のうちいずれか一方の状態を選択する選択処理部と、を備え、
前記計測部は、
前記選択処理部で前記第1の状態が選択された場合、前記被測定電線路に流れている漏洩電流と、前記負荷が結線されている第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線との間に印加されている電圧とに基づいて、前記電路電気関連値のひとつである前記漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分を算出し、
前記選択処理部で前記第2の状態が選択された場合、前記被測定電線路に流れている漏洩電流と、前記負荷が結線されている二つの相の間に印加されている電圧とに基づいて、前記電路電気関連値のひとつである前記漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分を算出する計測装置。
(5)スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を異なる構成により計測する複数の計測部の中からいずれか一つを選択する選択処理工程と、
前記選択処理工程により選択された計測部により計測を行う計測工程とを備え、
前記計測部は、
スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第1の構成より計測する第1計測部と、
スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第2の構成により計測する第2計測部とにより構成される計測方法。
(6)コンピュータに、
スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を異なる構成により計測する複数の計測部の中からいずれか一つを選択する選択処理工程と、
前記選択処理工程により選択された計測部により計測を行う計測工程と、を実行させるための計測プログラムであって、
前記計測部は、
スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第1の構成より計測する第1計測部と、
スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第2の構成により計測する第2計測部とにより構成される計測プログラム。
本発明によれば、三相式を単相式に分電した場合においても、電路電気関連値を正確に計測することができる。
図1は、計測装置の第1構成例を示す図である。 図2は、計測装置の第2構成例を示す図である。 図3は、計測装置の第3構成例を示す図である。 図4は、選択処理部により負荷が結線されている状態(第1状態から第4状態)を自動で認識する構成について説明する図である。 図5は、第1計測部の構成を示すブロック図である。 図6は、第1計測部の変形例を示すブロック図である。 図7は、第2計測部の構成を示すブロック図である。 図8は、第2計測部の変形例を示すブロック図である。 図9は、スター結線において、各相のIorとIocをベクトル表現したときの様子を模式的に示す図である。 図10は、第3計測部の構成を示すブロック図である。 図11は、第3計測部の変形例を示すブロック図である。 図12は、第4計測部の構成を示すブロック図である。 図13は、第4計測部の変形例を示すブロック図である。 図14は、デルタ結線において、各相のIorとIocをベクトル表現したときの様子を模式的に示す図である。 図15は、計測装置の他の構成を示す図である。 図16は、計測方法の手順についての説明に供するフローチャートである。 図17は、計測方法の他の手順についての説明に供するフローチャートである。 図18は、コンピュータの第1構成例を示すブロック図である。 図19は、コンピュータの第2構成例を示すブロック図である。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。また、三相交流式結線から単相回路を分岐させて負荷を運用する方法は、日本でも自家用電気工作物の需要家では使用される形態である。また、海外では、ほとんどがこの方法で負荷を運用しており、本提案の技術は、海外でも適用可能である。
図1は、計測装置1の第1構成例を示す図である。計測装置1は、計測部2と、選択処理部51とを備える。計測部2は、第1計測部11と、第2計測部21と、第3計測部31と、第4計測部41とを備える。なお、本実施例では計測装置1は、図1に示す第1構成例で説明するが、この構成例に限定されない。計測部2は、第1計測部11と、第2計測部21と、第3計測部31と、第4計測部41のいずれか2つ以上で構成される。例えば、計測装置1aは、図2に示すように、第1計測部11と第2計測部21のみを備える計測部2aにより構成(第2構成例)されてもよい。また、計測装置1bは、図3に示すように、第3計測部31と第4計測部41のみを備える計測部2bにより構成(第3構成例)されてもよい。
第1計測部11は、スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第1の構成により計測する。第1計測部11の構成(第1の構成)の詳細は後述するが、第1計測部11は、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線との間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×cosθ (1)
により算出する。
第2計測部21は、スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第2の構成により計測する。第2計測部21の構成(第2の構成)の詳細は後述するが、第2計測部21は、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている二つの相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×sinθ/cos60° (2)
により算出する。
第3計測部31は、デルタ結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関連する値である電路電気関連値を第3の構成により計測する。第3計測部31の構成(第3の構成)の詳細は後述するが、第3計測部31は、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×cosθ (3)
により算出する。
第4計測部41は、デルタ結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関連する値である電路電気関連値を第4の構成により計測する。第4計測部41の構成(第4の構成)の詳細は後述するが、第4計測部41は、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×sinθ/cos30° (4)
により算出する。
選択処理部51は、第1計測部11、第2計測部21、第3計測部31および第4計測部41のいずれか一つを選択する。
ここで、選択処理部51の動作について説明する。選択処理部51は、第1相、第2相、第3相および中性線がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷(単相で使用される負荷)が第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線とに結線されている第1状態の場合、第1計測部11を選択する。ここで、負荷は、例えば、電灯回路、単相コンセントに接続される機器などが相当する。
選択処理部51は、第1相、第2相および第3相がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相および第3相のいずれかの2相に結線されている第2状態の場合、第2計測部21を選択する。
選択処理部51は、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されている相と、接地されていないいずれか一方の相に負荷が結線されている第3状態の場合、第3計測部31を選択する。
選択処理部51は、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されていない二つの相に負荷が結線されている第4状態の場合、第4計測部41を選択する。
選択処理部51は、例えば、回転式のスイッチで構成されていてもよい。選択処理部51は、操作者の操作によりスイッチが操作されたときに、当該スイッチにより指定された計測部を選択する。選択処理部51により選択された計測部が動作する。
また、選択処理部51は、負荷が結線されている状態(第1状態から第4状態)を自動で認識し、認識結果に応じて計測部を選択する構成でもよい。2次側の被測定電線路は、4線で構成される場合を例にして説明するが、3線で構成される場合でも適用可能である。図4は、選択処理部51により負荷が結線されている状態(第1状態から第4状態)を自動で認識する構成について説明する図である。
選択処理部51は、切替部52と、電圧検出部53と、漏洩電流検出部54と、制御部55とを備える。なお、電圧検出部53は、後述する電圧検出部13,23,33,43のいずれかを利用することで実現されてもよい。漏洩電流検出部54は、後述する漏洩電流検出部12,22,32,42のいずれかを利用することで実現されてもよい。
被測定電線路のa線、b線、c線、d線の4線すべてを切替部52に接続する。切替部52は、制御部55の切り替え指示に基づいて、接続されている被測定電線路の中からいずれか2線を結線する。切替部52と電圧検出部53は、2線で接続されている。電圧検出部53は、切替部52で切り替えられた線路に印加されている電圧を検出する。
また、被測定電線路から引き出された線路(図4に示す例では、6箇所)に零相変流器61a~61fを接続する。零相変流器61a~61fは、それぞれ漏洩電流検出部54に結線されている。
ここで、制御部55の動作について説明する。制御部55は、切替部52を切り替えて、a線とb線とを選択した場合、電圧検出部53で検出したa線とb線の間に印加されている電圧と、a線とb線とから引き出した線路にクランプされている零相変流器61aから検出された漏洩電流とを対応付けて記憶する。つぎに、制御部55は、切替部52を切り替えて、a線とc線とを選択した場合、電圧検出部53で検出したa線とc線の間に印加されている電圧と、a線とc線とから引き出した線路にクランプされている零相変流器61bから検出された漏洩電流とを対応付けて記憶する。つぎに、制御部55は、切替部52を切り替えて、a線とd線とを選択した場合、電圧検出部53で検出したa線とd線の間に印加されている電圧と、a線とd線とから引き出した線路にクランプされている零相変流器61cから検出された漏洩電流とを対応付けて記憶する。つぎに、制御部55は、切替部52を切り替えて、b線とc線とを選択した場合、電圧検出部53で検出したb線とc線の間に印加されている電圧と、b線とc線とから引き出した線路にクランプされている零相変流器61dから検出された漏洩電流とを対応付けて記憶する。つぎに、制御部55は、切替部52を切り替えて、b線とd線とを選択した場合、電圧検出部53で検出したb線とd線の間に印加されている電圧と、b線とd線とから引き出した線路にクランプされている零相変流器61eから検出された漏洩電流とを対応付けて記憶する。つぎに、制御部55は、切替部52を切り替えて、c線とd線とを選択した場合、電圧検出部53で検出したc線とd線の間に印加されている電圧と、c線とd線とから引き出した線路にクランプされている零相変流器61fから検出された漏洩電流とを対応付けて記憶する。
制御部55は、記憶された電圧から、スター結線(第1状態または第2状態)であるか、デルタ結線(第3状態または第4状態)であるのかを判断する。例えば、制御部55は、R相と中性線N(またはアース(E))間の電圧と、S相と中性線N(またはアース(E))間の電圧と、T相と中性線N(またはアース(E))間の電圧とが略同じであれば、スター結線であると判断する。また、制御部55は、R相とアース(E)間の電圧と、S相とアース(E)間の電圧に差がある場合、または、T相とアース(E)間の電圧と、S相とアース(E)間の電圧に差がある場合には、デルタ結線であると判断する。
制御部55は、スター結線であると判断した場合、負荷がいずれかの相と中性線Nとに結線されている場合には、第1状態であると認識し、負荷がいずれかの相と中性線Nとに結線されていない場合には、第2状態であると認識する。ここで、計測装置1には、負荷がいずれかの相と中性線Nとに結線されているか否かを示す第1スイッチが設けられている構成でもよい。ユーザは、結線状態を確認し、第1スイッチをONまたはOFFにする。制御部55は、第1スイッチがONであれば負荷がいずれかの相と中性線Nとに結線されていると判断し、第1スイッチがOFFであれば負荷がいずれかの相と中性線Nとに結線されていない判断する。また、制御部55は、デルタ結線であると判断した場合、零相変流器によりS相を含んでクランプされている場合には、第3状態であると認識し、零相変流器によりS相を含んでクランプされていない場合には、第4状態であると認識する。ここで、計測装置1には、零相変流器によりS相を含んでクランプされているか否かを示す第2スイッチが設けられている構成でもよい。ユーザは、零相変流器によるクランプ状態を確認し、第2スイッチをONまたはOFFにする。制御部55は、第2スイッチがONであれば零相変流器によりS相を含んでクランプされていると判断し、第2スイッチがOFFであれば零相変流器によりS相を含んでクランプされていないと判断する。
漏洩電流の向きとは、漏洩電流をベクトルで表現したときの角度のことである。ここで、単相交流の場合、対地静電容量に起因する漏洩電流成分(Ioc)と、絶縁抵抗に直接関与している対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分(Ior)とは位相が90度異なっている。零相変流器で検出された漏洩電流(Io)は、IocとIorとが合成されたものであるため、この90度の範囲のどこかに現れる。
後述する図9でも説明するが、例えば、スター結線の場合、U相のIorが30度の位置に生じる場合、V相のIorは、150度の位置に生じ、W相のIorは、270度の位置に生じる。また、U相のIocは、120度の位置に生じるため、U相のIoは、30度から120度の範囲に生じる。同様に、V相のIocは、240度の位置に生じるため、U相のIoは、150度から240度の範囲に生じ、W相のIocは、360(0)度の位置に生じるため、U相のIoは、270度から360(0)度の範囲に生じる。
制御部55は、零相変流器により検出された漏洩電流Ioの向きによって、どの線とどの線をクランプしているのかが分かる。
なお、選択処理部51は、被測定電線路を構成する線路の中からいずれか2線(例えば、a線とb線)のみを電圧検出部53に接続する構成でもよい。このような構成の場合、選択処理部51は、切替部52を備えず、接続されている2線以外の線をクランプしている零相変流器により検出した漏洩電流の位相をずらす演算(例えば、120°)を行って、負荷が結線されている状態(第1状態から第4状態)を認識する。
例えば、計測装置1は、電源側がスター結線であるのか、デルタ結線であるのかを選択する第1選択部と、電圧検出部53に接続されている二つの線(相)がどの線であるのかを選択する第2選択部と、零相変流器によりクランプされている二つの相がどの相であるのかを選択する第3選択部と、を備える。選択処理部51は、第1選択部、第2選択部および第3選択部により選択されている状態に基づいて、負荷が結線されている状態を認識し、Iorを算出する。
具体的には、第1選択部によりスター結線が選択され、第2選択部によりR相とT相が電圧検出部53に接続されていることが選択され、第3選択部によりR相とT相が零相変流器によりクランプされていることが選択されている場合、負荷が結線されている状態を第2状態であると認識し、下記式よりIorを算出する。
Ior=Io×sinθ/cos60°
また、第1選択部によりスター結線が選択され、第2選択部によりR相とT相が電圧検出部53に接続されていることが選択され、第3選択部によりS相とT相が零相変流器によりクランプされていることが選択されている場合、負荷が結線されている状態を第2状態であると認識するが、電圧検出部53に接続されている相と、零相変流器によりクランプされている相が異なるため、零相変流器により検出した漏洩電流の位相を120°ずらして、下記式よりIorを算出する。
Ior=Io×sin(θ-120°)/cos60°
また、第1選択部によりデルタ結線が選択され、第2選択部によりR相とT相が電圧検出部53に接続されていることが選択され、第3選択部によりS相とT相が零相変流器によりクランプされていることが選択されている場合、負荷が結線されている状態を第3状態であると認識するが、電圧検出部53に接続されている相と、零相変流器によりクランプされている相が異なるため、零相変流器により検出した漏洩電流の位相を120°ずらして、下記式よりIorを算出する。
Ior=Io×cos(θ-120°)
なお、第1選択部は、電源側が単相であるかを選択する構成をさらに備えていてもよい。
上述したように、選択処理部51は、すべての相間の電圧および対地間の電圧を測定し、位相および対地電圧から電路の認識を行い、零相変流器(ZCT)のクランプ相から、負荷が結線されている状態(第1状態から第4状態)を自動で認識し、認識結果に応じて計測部を選択する。
このようにして、計測装置1は、三相式交流電源によって出力された三相交流を単相交流に変換し、単相交流が流れる電線路に負荷が接続されている場合に、三相式交流電源の状態(上述した第1状態~第4状態)に適した計測部(上述した第1計測部11から第4計測部41)を選択し、この電線路に発生している電路電気関連値(特に、漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分(Ior))を正確に算出することができる。
<第1計測部11の構成と動作について>
ここで、第1計測部11の具体的な構成と動作について説明する。第1計測部11は、第1相、第2相、第3相および中性線がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線とに結線されている第1状態の場合に動作する。
図5は、第1計測部11の構成を示すブロック図である。具体的には、第1計測部11の構成を示すブロック図と、制御部55が第1状態であると認識し選択処理部51が第1計測部11を選択している状態における第1計測部11と被測定電線路との結線状態を示す図である。第1計測部11は、漏洩電流検出部12と、電圧検出部13と、位相角算出部14と、対地絶縁抵抗漏洩電流成分算出部(以下、漏洩電流成分算出部と称する)15とを備える。
漏洩電流検出部12は、負荷が結線されている被測定電線路に流れている漏洩電流を検出する。漏洩電流検出部12は、第1相、第2相および第3相がスター(Y、星形)結線から分岐された単相回路に流れている漏洩電流を検出する。以下では、第1相をU相と称し、第2相をV相と称し、第3相をW相と称するが、この称呼に限定されない。また、以下では、漏洩電流検出部12により計測される漏洩電流を「Io」と称するが、この称呼に限定されない。
漏洩電流検出部12には、零相変流器(ZCT)10が接続されている。零相変流器10は、電線路を一括してクランプする構成である。例えば、零相変流器10は、ハンディータイプの貫通分割形零相変流器で構成されることにより、現場において作業者が簡易に電線路に設置することができる。漏洩電流検出部12は、零相変流器10により計測された信号から被測定電線路に流れている漏洩電流(Io)を検出(算出)する。
電圧検出部13は、負荷が結線されている第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線との間に印加されている電圧を検出する。図5では、負荷は、U相と中性線Nとの間に配置されている例を示している。また、電圧検出部13は、U相と中性線Nとの間に印加されている電圧を検出する。なお、負荷は、V相と中性線Nの間に配置されてもよいし、W相と中性線Nの間に配置されてもよい。負荷がV相と中性線Nの間に配置される場合には、電圧検出部13は、V相と中性線Nとの間に印加されている電圧を検出する。負荷がW相と中性線Nの間に配置される場合には、電圧検出部13は、W相と中性線Nとの間に印加されている電圧を検出する。
位相角算出部14は、漏洩電流検出部12により検出された漏洩電流と、電圧検出部13により検出された電圧とに基づいて、位相角を算出する。具体的には、位相角算出部14は、漏洩電流検出部12により検出された漏洩電流(Io)の波形と電圧検出部13により検出された電圧(例えば、基準電圧VN-U)の波形を演算処理して、位相角(θ)を検出する。例えば、位相角算出部14は、基準電圧VN-Uの零クロスする点と漏洩電流(Io)の零クロスする点とに基づいて、基準電圧VN-Uと漏洩電流(Io)の位相角(θ)を検出する。また、位相角を算出する演算処理は、同期検波やDFT(離散フーリエ変換処理)を用いて行ってもよい。同期検波を用いた場合の構成については、後述する。
漏洩電流成分算出部15は、漏洩電流検出部12により検出された漏洩電流(Io)と、位相角算出部14により算出された位相角θから、漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分(Ior)を上述した(1)式により算出する。以下では、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分を「Ior」と称することがある。
なお、上述した漏洩電流、電圧、位相角および対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分は、電路電気関連値に含まれる。
このようにして、第1計測部11を備える計測装置1は、漏洩電流検出部12により検出された漏洩電流(Io)と、位相角算出部14により算出された位相角(位相差)とに基づいて、スター結線から分岐した単相回路に発生しているIorを正確に算出することができる。つまり、第1計測部11は、スター結線において、中性線NとU相、中性線NとV相、または、中性線NとW相の間に負荷が配置されており、単相回路として運用する場合に用いられる計測部である。
ここで、E(アース)と中性線Nとの間(N相と対地間)は、基本的に電位差が0[V]であり、E-U相間、E-V相間、または、E-W相間(各相と対地間)は、所定の電圧(例えば、100[V])である。負荷は、単相回路を結線している中性線NとU相の間、中性線NとV相の間、または、中性線NとW相の間の何れかに配置されている。第1計測部11は、負荷が配置されている相間の電圧Vを検出し、その電圧の波形(正弦波)と、零相変流器(ZCT)10から入力される漏洩電流(Io)の波形との位相差(θ)を求め、漏洩電流(Io)と位相差(θ)を(1)式に代入することにより、Iorを算出している。
また、計測装置1は、上述した漏洩電流(Io)およびIorを含めて、電流値、電力値、これらの経時履歴、時間変動等の各種の数値を電路電気関連値として計測および算出することができる。また、計測装置1は、電路電気関連値を用いて、被測定電線路の検査または監視を行うことができる。
また、第1計測部11の構成は一例であって、上述した構成に限定されない。図6に示すように、第1計測部11は、位相角検出部14および漏洩電流成分算出部15の代わりに演算部16を備える構成でもよい。
演算部16は、漏洩電流検出部12により検出された漏洩電流(の波形)と、電圧検出部13により検出された電圧(の波形)とに基づいて、同期検波による積分演算により、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Ior(Io×cosθ)を算出する。同期検波による積分演算は、0~180度などの所定の範囲で波形を積分することでIo×cosθを算出するものであり、一つの具体例を次に示す。なお、同期検波による積分演算は、下記に限定されない。
演算部16は、電圧検出部13により検出した電圧値(電圧波形)と、漏洩電流検出部12により検出した漏洩電流(電流波形)それぞれに所定の処理を行い、論理信号のパラメータ信号を出力するとともに、漏洩電流検出部12により検出した漏洩電流(電流波形)を全波整流し、全波整流した電流波形を連続型ΔΣADCにより量子化変換を行い、この量子化変換により生成したsin部及びcos部の論理信号のパラメータ、連続型ΔΣADC処理を行い求めた電流波形の平均値を測定する。詳細には、演算部16は、電圧検出部13により検出した電圧値(電圧波形)に論理処理を行い、第1の論理信号を生成し、漏洩電流検出部12により検出した漏洩電流(電流波形)に論理処理を行い、第2の論理信号を生成し、第1の論理信号及び第2の論理信号に演算処理を行い、正負又はHi/Loの信号(第1信号)を出力する。また、演算部16は、第1の論理信号の変化時にゼロクロス点を生成し、生成したゼロクロス点間の時間を記憶し、次のゼロクロス点間からの時間が、記憶した時間の半分以下である期間において、第1の論理信号を反転させて、第1の論理信号の位相変換を行い、位相変換された電圧波形及び第2の論理信号に演算処理を行い、正負又はHi/Loの信号(第2信号)を出力する。演算部16は、第1信号と第2信号に基づいて、連続型ΔΣADCにより量子化変換によるカウントを行うことで、所望の種類の電流値の平均値を得ることができる。所望の種類の電流値としては、交流電流値測定があり、入力電流I[A]、有効電流Ir=Icosθ[A]、無効電流IL-IC=Isinθ[A]を求めることができる。ここで、上述した「有効電流Ir=Icosθ」が対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorである。
このような構成によれば、位相差のベクトル計算をすることなく、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを算出できる利点がある。
<第2計測部21の構成と動作について>
つぎに、第2計測部21の具体的な構成と動作について説明する。第2計測部21は、第1相、第2相および第3相がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相および第3相のいずれかの2相に結線されている第2状態の場合に動作する。
図7は、第2計測部21の構成を示すブロック図である。具体的には、第2計測部21の構成を示すブロック図と、制御部55が第2状態であると認識し選択処理部51が第2計測部21を選択している状態における第2計測部21と被測定電線路との結線状態を示す図である。第2計測部21は、漏洩電流検出部22と、電圧検出部23と、位相角算出部24と、対地絶縁抵抗漏洩電流成分算出部(以下、漏洩電流成分算出部と称する)25とを備える。
漏洩電流検出部22は、負荷が結線されている被測定電線路に流れている漏洩電流を検出する。漏洩電流検出部22は、第1相、第2相および第3相がスター(Y、星形)結線から分岐された単相回路に流れている漏洩電流を検出する。以下では、第1相をU相と称し、第2相をV相と称し、第3相をW相と称するが、この称呼に限定されない。また、以下では、漏洩電流検出部22により計測される漏洩電流を「Io」と称するが、この称呼に限定されない。
漏洩電流検出部22には、零相変流器(ZCT)10が接続されている。零相変流器10は、電線路を一括してクランプする構成である。例えば、零相変流器10は、ハンディータイプの貫通分割形零相変流器で構成されることにより、現場において作業者が簡易に電線路に設置することができる。漏洩電流検出部22は、零相変流器10により計測された信号から被測定電線路に流れているIoを検出(算出)する。
電圧検出部23は、負荷が結線されている二つの相の間に印加されている電圧を検出する。図7では、負荷は、U相とW相との間に配置されている例を示している。また、電圧検出部23は、U相とW相との間に印加されている電圧を検出する。なお、負荷は、V相とU相との間に配置されてもよいし、V相とW相との間に配置されてもよい。負荷がV相とU相の間に配置される場合には、電圧検出部23は、V相とU相との間に印加されている電圧を検出する。負荷がV相とW相との間に配置される場合には、電圧検出部23は、V相とW相との間に印加されている電圧を検出する。
位相角算出部24は、漏洩電流検出部22により検出された漏洩電流と、電圧検出部23により検出された電圧とに基づいて、位相角を算出する。具体的には、位相角算出部24は、漏洩電流検出部22により検出された漏洩電流(Io)の波形と電圧検出部23により検出された電圧(例えば、基準電圧VU-W)の波形を演算処理して、位相角(θ)を検出する。例えば、位相角算出部24は、基準電圧VU-Wの零クロスする点と漏洩電流(Io)の零クロスする点とに基づいて、基準電圧VU-Wと漏洩電流(Io)の位相角(θ)を検出する。また、位相角を算出する演算処理は、同期検波やDFT(離散フーリエ変換処理)を用いて行ってもよい。同期検波を用いた場合の構成については、後述する。
漏洩電流成分算出部25は、漏洩電流検出部22により検出された漏洩電流(Io)と、位相角算出部24により算出された位相角θから、漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを上述した(2)式により算出する。
なお、上述した漏洩電流、電圧、位相角および対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分は、電路電気関連値に含まれる。
このようにして、第2計測部21を備える計測装置1は、漏洩電流検出部22により検出された漏洩電流(Io)と、位相角算出部24により算出された位相角(位相差)とに基づいて、スター結線から分岐した単相回路に発生しているIorを正確に算出することができる。つまり、第2計測部21は、スター結線において、U相とV相、V相とW相、または、U相とW相の間に負荷が配置されており、単相回路として運用する場合に用いられる計測部である。
例えば、U相とV相の間の単相回路にて負荷が回路結線されている場合、E(アース)-U相間と、E-V相間とは、同じ電圧(例えば、100[V])であり、U相-V相間は、異なる電圧(例えば、200[V]である。負荷は、U相とV相との間、V相とW相との間、または、U相とW相との間に配置されている。第2計測部21は、負荷が配置されている相間の電圧Vを検出し、その電圧の波形(正弦波)と、零相変流器(ZCT)10から入力される漏洩電流(Io)の波形との位相差(θ)を求め、漏洩電流(Io)と位相差(θ)を(2)式に代入することにより、Iorを算出している。
ここで、U相およびV相は、正常時、対地間に対して同じ電位差である。この場合、U相およびV相に浮遊容量が発生しても、双方に同じ量だけ発生し、浮遊容量がアンバランスになることはない。
ここで、アンバランスにならない理由について、以下に説明する。漏洩電流(Io)には、対地静電容量に起因する漏洩電流成分(以下、「Ioc」と称する)と、絶縁抵抗に直接関与している対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分(以下、「Ior」と称する)とが含まれている。
また、IocとIorのベクトル表現について、図9を用いて説明する。図9は、各相のIorとIocをベクトル表現したときの様子を模式的に示す図である。
基準電圧を0度として、U相に流れる抵抗成分漏洩電流(以下、「Ior(u)」と称することがある。)をベクトル表現したときに、30度の位置に生じるとした場合、V相に流れる抵抗成分漏洩電流(以下、「Ior(v)」と称することがある。)は、150度の位置に生じ、W相に流れる抵抗成分漏洩電流(以下、「Ior(w)」と称することがある。)は、270度の位置に生じる。なお、以下では、ベクトルIor(u)を単にIor(u)と称し、ベクトルIor(v)を単にIor(v)と称し、ベクトルIor(w)を単にIor(w)と称する。本実施の形態では、U相とV相の電位を基準電圧とし、この電圧を0度としている。
また、U相に流れる容量成分漏洩電流(以下、「Ioc(u)」と称する。)は、Ior(u)から90度(π/2)進んだ位置である120度の位置に生じる。V相に流れる容量成分漏洩電流(以下、「Ioc(v)」と称する。)は、Ior(v)から90度(π/2)進んだ位置である240度の位置に生じる。W相に流れる容量成分漏洩電流(以下、「Ioc(s)」と称することがある。)は、Ior(w)から90度(π/2)進んだ位置である0度(360度)の位置に生じる。
なお、以下では、ベクトルIoc(u)を単にIoc(u)と称し、ベクトルIoc(v)を単にIoc(v)と称し、ベクトルIoc(s)を単にIoc(s)と称する。
Ioc(u)とIoc(v)を合成したベクトル(Ioc(uv))は、180度の位置に生じる。つまり、U相に生じたIoc(u)とV相に生じたIoc(v)は、アンバランスにならない。
なお、Ioc(u)とIoc(v)とIoc(w)とが平衡している場合、Ioc(uv)とIoc(w)とが合成されて、互いに打ち消しあい、Iocは発生しなくなる。
また、計測装置1は、上述した漏洩電流(Io)およびIorを含めて、電流値、電力値、これらの経時履歴、時間変動等の各種の数値を電路電気関連値として計測および算出することができる。また、計測装置1は、電路電気関連値を用いて、被測定電線路の検査または監視を行うことができる。
また、第2計測部21の構成は一例であって、上述した構成に限定されない。図8に示すように、第2計測部21は、位相角検出部24および漏洩電流成分算出部25の代わりに演算部26を備える構成でもよい。
演算部26は、漏洩電流検出部22により検出された漏洩電流(の波形)と、電圧検出部23により検出された電圧(の波形)とに基づいて、同期検波による積分演算により、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Ior(Io×sinθ/cos60°)を算出する。同期検波による積分演算は、90~270度などの所定の範囲で波形を積分することでIo×sinθを算出し、さらに、cos60°で割るものであり、一つの具体例を次に示す。なお、同期検波による積分演算は、下記に限定されない。
演算部26は、電圧検出部23により検出した電圧値(電圧波形)と、漏洩電流検出部22により検出した漏洩電流(電流波形)それぞれを所定の処理を行い、論理信号のパラメータ信号を出力するとともに、漏洩電流検出部22により検出した漏洩電流(電流波形)を全波整流し、全波整流した電流波形を連続型ΔΣADCにより量子化変換を行い、この量子化変換により生成したsin部及びcos部の論理信号のパラメータ、連続型ΔΣADC処理を行い求めた電流波形の平均値を測定する。詳細には、演算部26は、電圧検出部23により検出した電圧値(電圧波形)に論理処理を行い、第1の論理信号を生成し、漏洩電流検出部22により検出した漏洩電流(電流波形)に論理処理を行い、第2の論理信号を生成し、第1の論理信号及び第2の論理信号に演算処理を行い、正負又はHi/Loの信号(第1信号)を出力する。また、演算部26は、第1の論理信号の変化時にゼロクロス点を生成し、生成したゼロクロス点間の時間を記憶し、次のゼロクロス点間からの時間が、記憶した時間の半分以下である期間において、第1の論理信号を反転させて、第1の論理信号の位相変換を行い、位相変換された電圧波形及び第2の論理信号に演算処理を行い、正負又はHi/Loの信号(第2信号)を出力する。演算部26は、第1信号と第2信号に基づいて、連続型ΔΣADCにより量子化変換によるカウントを行うことで、所望の種類の電流値の平均値を得ることができる。所望の種類の電流値としては、交流電流値測定があり、入力電流I[A]、有効電流Ir=Icosθ[A]、無効電流IL-IC=Isinθ[A]を求めることができる。演算部26は、この「無効電流IL-IC=Isinθ」をcos60°で割って、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを算出する。
このような構成によれば、位相角度を算出せずに、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを算出できる利点がある。
<第3計測部31の構成と動作について>
つぎに、第3計測部31の具体的な構成と動作について説明する。第3計測部31は、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されている相と、接地されていないいずれか一方の相に負荷が結線されている第3状態の場合に動作する。
図10は、第3計測部31の構成を示すブロック図である。具体的には、第3計測部31の構成を示すブロック図と、制御部55が第3状態であると認識し選択処理部51が第3計測部31を選択している状態における第3計測部31と被測定電線路との結線状態を示す図である。第3計測部31は、漏洩電流検出部32と、電圧検出部33と、位相角算出部34と、対地絶縁抵抗漏洩電流成分算出部(以下、漏洩電流成分算出部と称する)35とを備える。
漏洩電流検出部32は、負荷が結線されている被測定電線路に流れている漏洩電流を検出する。漏洩電流検出部32は、第1相、第2相および第3相がデルタ(Δ)結線から分岐された単相回路に流れている漏洩電流を検出する。以下では、第1相をR相と称し、第2相をS相と称し、第3相をT相と称するが、この称呼に限定されない。また、以下では、漏洩電流検出部32により計測される漏洩電流を「Io」と称するが、この称呼に限定されない。また、本実施例では、S相が接地されているものとして説明するが、R相またはT相が接地されていてもよい。
漏洩電流検出部32には、零相変流器(ZCT)10が接続されている。零相変流器10は、電線路を一括してクランプする構成である。例えば、零相変流器10は、ハンディータイプの貫通分割形零相変流器で構成されることにより、現場において作業者が簡易に電線路に設置することができる。漏洩電流検出部32は、零相変流器10により計測された信号から被測定電線路に流れているIoを検出(算出)する。
電圧検出部33は、負荷が結線されている相の間に印加されている電圧を検出する。図10では、負荷は、R相とS相との間に配置されている例を示している。また、電圧検出部33は、R相とS相との間に印加されている電圧を検出する。なお、負荷は、T相とS相との間に配置されてもよい。負荷がT相とS相の間に配置される場合には、電圧検出部33は、T相とS相との間に印加されている電圧を検出する。
位相角算出部34は、漏洩電流検出部32により検出された漏洩電流と、電圧検出部33により検出された電圧とに基づいて、位相角を算出する。具体的には、位相角算出部34は、漏洩電流検出部32により検出された漏洩電流(Io)の波形と電圧検出部33により検出された電圧(例えば、基準電圧VR-S)の波形を演算処理して、位相角(θ)を検出する。例えば、位相角算出部34は、基準電圧VR-Sの零クロスする点と漏洩電流(Io)の零クロスする点とに基づいて、基準電圧VR-Sと漏洩電流(Io)の位相角(θ)を検出する。また、位相角を算出する演算処理は、同期検波やDFT(離散フーリエ変換処理)を用いて行ってもよい。同期検波を用いた場合の構成については、後述する。
漏洩電流成分算出部35は、漏洩電流検出部32により検出された漏洩電流(Io)と、位相角算出部34により算出された位相角θから、漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを上述した(3)式により算出する。
なお、上述した漏洩電流、電圧、位相角および対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分は、電路電気関連値に含まれる。
このようにして、第3計測部31を備える計測装置1は、漏洩電流検出部32により検出された漏洩電流(Io)と、位相角算出部34により算出された位相角(位相差)とに基づいて、デルタ結線から分岐した単相回路に発生しているIorを正確に算出することができる。つまり、第3計測部31は、デルタ結線において、R相とS相(接地相)、または、T相とS相(接地相)の間に負荷が配置されており、単相回路として運用する場合に用いられる計測部である。
ここで、E(アース)とS相(接地相)との間(S相と対地間)は、基本的に電位差が0[V]であり、E-R相間、および、E-T相間(各相と対地間)は、所定の電圧(例えば、200[V])である。負荷は、単相回路を結線しているS相とR相の間、または、S相とT相の間の何れかに配置されている。第2計測部21は、負荷が配置されている相間の電圧Vを検出し、その電圧の波形(正弦波)と、零相変流器(ZCT)10から入力される漏洩電流(Io)の波形との位相差(θ)を求め、漏洩電流(Io)と位相差(θ)を(3)式に代入することにより、Iorを算出している。
また、計測装置1は、上述した漏洩電流(Io)およびIorを含めて、電流値、電力値、これらの経時履歴、時間変動等の各種の数値を電路電気関連値として計測および算出することができる。また、計測装置1は、電路電気関連値を用いて、被測定電線路の検査または監視を行うことができる。
また、第3計測部31の構成は一例であって、上述した構成に限定されない。図11に示すように、第3計測部31は、位相角検出部34および漏洩電流成分算出部35の代わりに演算部36を備える構成でもよい。
演算部36は、漏洩電流検出部32により検出された漏洩電流(の波形)と、電圧検出部33により検出された電圧(の波形)とに基づいて、同期検波による積分演算により、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Ior(Io×cosθ)を算出する。同期検波による積分演算は、0~180度などの所定の範囲で波形を積分することでIo×cosθを算出するものであり、一つの具体例を次に示す。なお、同期検波による積分演算は、下記に限定されない。
演算部36は、電圧検出部33により検出した電圧値(電圧波形)と、漏洩電流検出部32により検出した漏洩電流(電流波形)それぞれを所定の処理を行い、論理信号のパラメータ信号を出力するとともに、漏洩電流検出部32により検出した漏洩電流(電流波形)を全波整流し、全波整流した電流波形を連続型ΔΣADCにより量子化変換を行い、この量子化変換により生成したsin部及びcos部の論理信号のパラメータ、連続型ΔΣADC処理を行い求めた電流波形の平均値を測定する。詳細には、演算部36は、電圧検出部33により検出した電圧値(電圧波形)に論理処理を行い、第1の論理信号を生成し、漏洩電流検出部32により検出した漏洩電流(電流波形)に論理処理を行い、第2の論理信号を生成し、第1の論理信号及び第2の論理信号に演算処理を行い、正負又はHi/Loの信号(第1信号)を出力する。また、演算部36は、第1の論理信号の変化時にゼロクロス点を生成し、生成したゼロクロス点間の時間を記憶し、次のゼロクロス点間からの時間が、記憶した時間の半分以下である期間において、第1の論理信号を反転させて、第1の論理信号の位相変換を行い、位相変換された電圧波形及び第2の論理信号に演算処理を行い、正負又はHi/Loの信号(第2信号)を出力する。演算部36は、第1信号と第2信号に基づいて、連続型ΔΣADCにより量子化変換によるカウントを行うことで、所望の種類の電流値の平均値を得ることができる。所望の種類の電流値としては、交流電流値測定があり、入力電流I[A]、有効電流Ir=Icosθ[A]、無効電流IL-IC=Isinθ[A]を求めることができる。ここで、上述した「有効電流Ir=Icosθ」が対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorである。
このような構成によれば、位相角度を算出せずに、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを算出できる利点がある。
<第4計測部41の構成と動作について>
第4計測部41の具体的な構成と動作について説明する。第4計測部41は、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が前記被測定電線路に接続されており、接地されていない二つの相に負荷が結線されている第4状態の場合に動作する。
図12は、第4計測部41の構成を示すブロック図である。具体的には、第4計測部41の構成を示すブロック図と、制御部55が第4状態であると認識し選択処理部51が第4計測部41を選択している状態における第4計測部41と被測定電線路との結線状態を示す図である。第4計測部41は、漏洩電流検出部42と、電圧検出部43と、位相角算出部44と、対地絶縁抵抗漏洩電流成分算出部(以下、漏洩電流成分算出部と称する)45とを備える。
漏洩電流検出部42は、負荷が結線されている被測定電線路に流れている漏洩電流を検出する。漏洩電流検出部42は、第1相、第2相および第3相がデルタ(Δ)結線から分岐された単相回路に流れている漏洩電流を検出する。以下では、第1相をR相と称し、第2相をS相と称し、第3相をT相と称するが、この称呼に限定されない。また、以下では、漏洩電流検出部42により計測される漏洩電流を「Io」と称するが、この称呼に限定されない。また、本実施例では、S相が接地されているものとして説明するが、R相またはT相が接地されていてもよい。
漏洩電流検出部42には、零相変流器(ZCT)10が接続されている。零相変流器10は、電線路を一括してクランプする構成である。例えば、零相変流器10は、ハンディータイプの貫通分割形零相変流器で構成されることにより、現場において作業者が簡易に電線路に設置することができる。漏洩電流検出部42は、零相変流器10により計測された信号から被測定電線路に流れているIoを検出(算出)する。
電圧検出部43は、負荷が結線されている相の間に印加されている電圧を検出する。図12では、負荷は、R相とT相との間に配置されている例を示している。また、電圧検出部43は、R相とT相との間に印加されている電圧を検出する。
位相角算出部44は、漏洩電流検出部42により検出された漏洩電流と、電圧検出部43により検出された電圧とに基づいて、位相角を算出する。具体的には、位相角算出部44は、漏洩電流検出部42により検出された漏洩電流(Io)の波形と電圧検出部43により検出された電圧(例えば、基準電圧VR-T)の波形を演算処理して、位相角(θ)を検出する。例えば、位相角算出部44は、基準電圧VR-Tの零クロスする点と漏洩電流(Io)の零クロスする点とに基づいて、基準電圧VR-Tと漏洩電流(Io)の位相角(θ)を検出する。また、位相角を算出する演算処理は、同期検波やDFT(離散フーリエ変換処理)を用いて行ってもよい。同期検波を用いた場合の構成については、後述する。
漏洩電流成分算出部45は、漏洩電流検出部42により検出された漏洩電流(Io)と、位相角算出部44により算出された位相角θから、漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを上述した(4)式により算出する。
なお、上述した漏洩電流、電圧、位相角および対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分は、電路電気関連値に含まれる。
このようにして、第4計測部41を備える計測装置1は、漏洩電流検出部42により検出された漏洩電流(Io)と、位相角算出部44により算出された位相角(位相差)とに基づいて、デルタ結線から分岐した単相回路に発生しているIorを正確に算出することができる。つまり、第4計測部41は、デルタ結線において、非接地相間(R相とT相との間)に負荷が配置されており、単相回路として運用する場合に用いられる計測部である。
例えば、R相とT相の間の単相回路にて負荷が回路結線されている場合、E(アース)-R相間と、E-T相間とは、同じ電圧(例えば、200[V])である。負荷は、R相とT相との間に配置されている。第4計測部41は、負荷が配置されている相間の電圧Vを検出し、その電圧の波形(正弦波)と、零相変流器(ZCT)10から入力される漏洩電流(Io)の波形との位相差(θ)を求め、漏洩電流(Io)と位相差(θ)を(4)式に代入することにより、Iorを算出している。
ここで、R相およびT相は、対地間に対して同じ電位差である。この場合、R相およびT相に浮遊容量が発生しても、双方に同じ量だけ発生し、浮遊容量がアンバランスになることはない。
ここで、アンバランスにならない理由について、以下に説明する。電圧検出部43でR相-T相間の電圧を検出し、検出した電圧から基準点を求めると、図14に示すように、R相の軸は、基準点から60度の位置になり、T相の軸は、基準点から120度の位置になる。また、R相のIor(以下、Ior(r)と称する)は、基準点との位相差が60度であるので、Ior(r)は、R相の軸上に生じる。T相のIor(以下、Ior(t)と称する)は、基準点との位相差が120度であるので、Ior(t)は、T相の軸上に生じる。
また、R相のIoc(以下、Ioc(r)と称する)は、R相の軸から90度の位置に生じるので、150度の位置に生ずる。T相のIoc(以下、Ioc(t)と称する)は、T相の軸から90度の位置に生じるので、210度の位置に生ずる。Ioc(r)とIoc(t)が平衡状態の場合には、Ioc(r)とIoc(t)の合成(ベクトル合成)されたIoc(rt)は、基準軸の180度方向(図14中の「-X」方向)に生じる。つまり、R相に生じたIoc(r)とT相に生じたIoc(t)は、アンバランスにならない。
また、計測装置1は、上述した漏洩電流(Io)およびIorを含めて、電流値、電力値、これらの経時履歴、時間変動等の各種の数値を電路電気関連値として計測および算出することができる。また、計測装置1は、電路電気関連値を用いて、被測定電線路の検査または監視を行うことができる。
また、第4計測部41の構成は一例であって、上述した構成に限定されない。図13に示すように、第4計測部41は、位相角検出部44および漏洩電流成分算出部45の代わりに演算部46を備える構成でもよい。
演算部46は、漏洩電流検出部42により検出された漏洩電流(の波形)と、電圧検出部43により検出された電圧(の波形)とに基づいて、同期検波による積分演算により、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Ior(Io×sinθ/cos30°)を算出する。同期検波による積分演算は、90~270度などの所定の範囲で波形を積分することでIo×sinθを算出し、さらに、cos30°で割るものであり、一つの具体例を次に示す。なお、同期検波による積分演算は、下記に限定されない。
演算部46は、電圧検出部43により検出した電圧値(電圧波形)と、漏洩電流検出部42により検出した漏洩電流(電流波形)それぞれを所定の処理を行い、論理信号のパラメータ信号を出力するとともに、漏洩電流検出部42により検出した漏洩電流(電流波形)を全波整流し、全波整流した電流波形を連続型ΔΣADCにより量子化変換を行い、この量子化変換により生成したsin部及びcos部の論理信号のパラメータ、連続型ΔΣADC処理を行い求めた電流波形の平均値を測定する。詳細には、演算部46は、電圧検出部43により検出した電圧値(電圧波形)に論理処理を行い、第1の論理信号を生成し、漏洩電流検出部42により検出した漏洩電流(電流波形)に論理処理を行い、第2の論理信号を生成し、第1の論理信号及び第2の論理信号に演算処理を行い、正負又はHi/Loの信号(第1信号)を出力する。また、演算部46は、第1の論理信号の変化時にゼロクロス点を生成し、生成したゼロクロス点間の時間を記憶し、次のゼロクロス点間からの時間が、記憶した時間の半分以下である期間において、第1の論理信号を反転させて、第1の論理信号の位相変換を行い、位相変換された電圧波形及び第2の論理信号に演算処理を行い、正負又はHi/Loの信号(第2信号)を出力する。演算部46は、第1信号と第2信号に基づいて、連続型ΔΣADCにより量子化変換によるカウントを行うことで、所望の種類の電流値の平均値を得ることができる。所望の種類の電流値としては、交流電流値測定があり、入力電流I[A]、有効電流Ir=Icosθ[A]、無効電流IL-IC=Isinθ[A]を求めることができる。演算部46は、この「無効電流IL-IC=Isinθ」をcos30°で割って、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを算出する。
このような構成によれば、位相角度を算出せずに、対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを算出できる利点がある。
また、本実施例では、第1計測部11、第2計測部21、第3計測部31、第4計測部41はそれぞれ独立して構成されるものとして説明したがこれに限定されない。例えば、漏洩電流検出部12,22,32,42は一つで構成され、電圧検出部13,23,33,43は一つで構成され、位相角算出部14,24,34,44は一つで構成され、漏洩電流成分算出部15,25,35,45は一つで構成されてもよい。
図15は、計測装置1cの他の構成を示す図である。計測装置1cは、計測部101と、選択処理部102とから構成される。
計測部101は、スター結線またはデルタ結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を計測する。
選択処理部102は、第1相、第2相、第3相および中性線がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線とに結線されている第1状態と、第1相、第2相および第3相がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相および第3相のいずれかの2相に結線されている第2状態と、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されている相と、接地されていないいずれか一方の相に負荷が結線されている第3状態と、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されていない二つの相に負荷が結線されている第4状態のうちいずれか二つ以上の状態の中から一つの状態を選択する。
計測部101は、選択処理部102で第1の状態または第3の状態が選択された場合、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線との間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×cosθ
により算出し、
選択処理部102で第2の状態が選択された場合、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている二つの相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×sinθ/cos60°
により算出し、
選択処理部102で第4の状態が選択された場合、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×sinθ/cos30°
により算出する。
<計測方法について>
ここで、計測装置1による計測方法について説明する。図16は、計測方法の手順についての説明に供するフローチャートである。
ステップST1において、選択処理部51は、スター結線またはデルタ結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を異なる構成により計測する複数の計測部の中からいずれか一つを選択する(選択処理工程)。
ステップST2において、計測部2は、選択処理工程により選択された第1計測部11から第4計測部41のいずれかにより計測を行う(計測工程)。
ここで、第1計測部11は、スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第1の構成より計測する。
第2計測部21は、スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第2の構成により計測する。
第3計測部31は、デルタ結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関連する値である電路電気関連値を第3の構成により計測する。
第4計測部41は、デルタ結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関連する値である電路電気関連値を第4の構成により計測する。
計測部2は、第1計測部11から第4計測部41のいずれか2つ以上で構成される。このようにして、計測方法は、三相式交流電源によって出力された三相交流を単相交流に変換し、単相交流が流れる電線路に負荷が接続されている場合に、三相式交流電源の状態(上述した第1状態~第4状態)に適した計測部(上述した第1計測部11から第4計測部41)に切り替え、この電線路に発生しているIorを正確に算出することができる。
また、選択処理工程は、第1相、第2相、第3相および中性線がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線とに結線されている第1状態の場合、第1計測部11を選択する。
また、選択処理工程は、第1相、第2相および第3相がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相および第3相のいずれかの2相に結線されている第2状態の場合、第2計測部21を選択する。
また、選択処理工程は、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されている相と、接地されていないいずれか一方の相に負荷が結線されている第3状態の場合、第3計測部31を選択する。
また、選択処理工程は、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されていない二つの相に負荷が結線されている第4状態の場合、第4計測部41を選択する。
また、第1計測部11は、第1の構成として、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線との間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×cosθ
により算出する。
なお、上述した漏洩電流、電圧、位相角および対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分は、電路電気関連値に含まれる。
また、第2計測部21は、第2の構成として、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている二つの相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×sinθ/cos60°
により算出する。
なお、上述した漏洩電流、電圧、位相角および対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分は、電路電気関連値に含まれる。
また、第3計測部31は、第3の構成として、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×cosθ
により算出する。
なお、上述した漏洩電流、電圧、位相角および対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分は、電路電気関連値に含まれる。
また、第4計測部41は、第4の構成として、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×sinθ/cos30°
により算出する。
なお、上述した漏洩電流、電圧、位相角および対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分は、電路電気関連値に含まれる。
つぎに、計測装置1による他の計測方法について説明する。図17は、他の計測方法の手順についての説明に供するフローチャートである。
ステップST101において、計測部101は、スター結線またはデルタ結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を計測する(計測工程)。
ステップST102において、選択処理部102は、第1相、第2相、第3相および中性線がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線とに結線されている第1状態と、第1相、第2相および第3相がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相および第3相のいずれかの2相に結線されている第2状態と、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されている相と、接地されていないいずれか一方の相に負荷が結線されている第3状態と、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されていない二つの相に負荷が結線されている第4状態のうちいずれか二つ以上の状態の中から一つの状態を選択する(選択処理工程)。
計測部101は、
選択処理工程で第1の状態または第3の状態が選択された場合、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線との間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×cosθ
により算出し、
選択処理工程で第2の状態が選択された場合、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている二つの相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×sinθ/cos60°
により算出し、
選択処理工程で第4の状態が選択された場合、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×sinθ/cos30°
により算出する。
(計測プログラムについて)
三相式交流電源によって出力された三相交流を単相交流に変換し、単相交流が流れる電線路に負荷が接続されている場合に、三相式交流電源の状態に適した計測部に切り替え、この電線路に発生しているIorを正確に算出する計測プログラムは、主に以下の工程で構成されており、コンピュータ500(ハードウェア)によって実行される。
工程1:スター結線またはデルタ結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を異なる構成により計測する複数の計測部の中からいずれか一つを選択する(選択処理工程)。
工程2:選択処理工程により選択された第1計測部11から第4計測部41のいずれかにより計測を行う(計測工程)。
ここで、第1計測部11は、スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第1の構成より計測する(第1計測工程)。
第2計測部21は、スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第2の構成により計測する(第2計測工程)。
第3計測部31は、デルタ結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関連する値である電路電気関連値を第3の構成により計測する(第3計測工程)。
第4計測部41は、デルタ結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関連する値である電路電気関連値を第4の構成により計測する(第4計測工程)。
計測部2は、第1計測部11から第4計測部41のいずれか2つ以上で構成される。
ここで、コンピュータ500の構成と動作について図18を用いて説明する。コンピュータ500は、図18に示すように、プロセッサ501と、メモリ502と、ストレージ503と、入出力I/F504と、通信I/F505とがバスA上に接続されて構成されており、これらの各構成要素の協働により、本開示に記載される機能、および/または、方法を実現する。
入出力I/F504には、例えば、各種の情報を表示するディスプレイ、および、ユーザの操作を受け付けるタッチパネルなどが接続される。タッチパネルは、ディスプレイの前面に配置される。よって、ユーザは、ディスプレイに表示されるアイコンを指でタッチ操作などをすることにより、直感的な操作を行うことができる。なお、タッチパネルは、ディスプレイの前面に配置されていなくてもよい。また、タッチパネルに代えて、または、タッチパネルと共に、キーボードおよびマウスなどのポインティングデバイスが入出力I/F504に接続される構成でもよい。また、入出力I/F504には、外部に音声を出力するスピーカや、外部の音声が入力されるマイクが接続されてもよい。
ディスプレイは、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどにより構成され、プロセッサ501による制御の下、種々の情報を表示する。
メモリ502は、RAM(Random Access Memory)で構成される。RAMは、揮発メモリまたは不揮発性メモリで構成されている。
ストレージ503は、ROM(Read Only Memory)で構成される。ROMは、不揮発性メモリで構成されており、例えば、HDD(Hard Disc Drive)またはSSD(Solid State Drive)により実現される。ストレージ503には、上述した工程1から工程2で実現される計測プログラムなどの各種のプログラムが格納されている。
例えば、プロセッサ501は、コンピュータ500全体の動作を制御する。プロセッサ501は、ストレージ503からオペレーティングシステムや多様な機能を実現する様々なプログラムをメモリ502にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する演算装置である。
具体的には、プロセッサ501は、ユーザの操作を受け付けた場合、ストレージ503に格納されているプログラム(例えば、本実施例の計測プログラム)を読み出し、読み出したプログラムをメモリ502に展開し、プログラムを実行する。また、プロセッサ501が計測プログラムを実行することにより、第1計測部11、漏洩電流検出部12,22,32,42、電圧検出部13,23,33,43、位相角算出部14,24,34,44、対地絶縁抵抗漏洩電流成分算出部(漏洩電流成分算出部)15,25,35,45、第2計測部21、第3計測部31、第4計測部41、および選択処理部51の各機能が実現される。
ここで、プロセッサ501の構成について説明する。プロセッサ501は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、これら以外の各種演算装置、またはこれらの組み合わせにより実現される。
また、本開示に記載される機能、および/または、方法を実現するために、プロセッサ501、メモリ502およびストレージ503などの機能の一部または全部は、図19に示すように、専用のハードウェアである処理回路601で構成されてもよい。処理回路601は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。
また、プロセッサ501は、単一の構成要素として説明したが、これに限られず、複数の物理的に別体のプロセッサの集合により構成されてもよい。本明細書において、プロセッサ501によって実行されるとして説明されるプログラムまたは当該プログラムに含まれる命令は、単一のプロセッサ501で実行されてもよいし、複数のプロセッサにより分散して実行されてもよい。また、プロセッサ501によって実行されるプログラムまたは当該プログラムに含まれる命令は、複数の仮想プロセッサにより実行されてもよい。
通信I/F505は、所定の通信規格に準拠したインターフェイスであり、有線または無線により外部装置と通信を行う。
このようにして、計測プログラムは、コンピュータ500で実行されることにより、三相式交流電源によって出力された三相交流を単相交流に変換し、単相交流が流れる電線路に負荷が接続されている場合に、三相式交流電源の状態(上述した第1状態~第4状態)に適した工程(上述した第1計測工程から第4計測工程)を選択し、この電線路に発生しているIorを正確に算出することができる。
また、選択処理工程は、第1相、第2相、第3相および中性線がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線とに結線されている第1状態の場合、第1計測部11を選択する。
また、選択処理工程は、第1相、第2相および第3相がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相および第3相のいずれかの2相に結線されている第2状態の場合、第2計測部21を選択する。
また、選択処理工程は、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されている相と、接地されていないいずれか一方の相に負荷が結線されている第3状態の場合、第3計測部31を選択する。
また、選択処理工程は、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されていない二つの相に負荷が結線されている第4状態の場合、第4計測部41を選択する。
また、第1計測部11は、第1の構成として、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線との間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×cosθ
により算出する。
なお、上述した漏洩電流、電圧、位相角および対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分は、電路電気関連値に含まれる。
また、第2計測部21は、第2の構成として、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている二つの相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×sinθ/cos60°
により算出する。
なお、上述した漏洩電流、電圧、位相角および対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分は、電路電気関連値に含まれる。
また、第3計測部31は、第3の構成として、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×cosθ
により算出する。
なお、上述した漏洩電流、電圧、位相角および対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分は、電路電気関連値に含まれる。
また、第4計測部41は、第4の構成として、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×sinθ/cos30°
により算出する。
なお、上述した漏洩電流、電圧、位相角および対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分は、電路電気関連値に含まれる。
また、計測プログラムは、上述に限定されず、主に以下の工程で構成され、コンピュータ500(ハードウェア)によって実行されてもよい。
工程101:スター結線またはデルタ結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を計測する(計測工程)。
工程102:第1相、第2相、第3相および中性線がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線とに結線されている第1状態と、第1相、第2相および第3相がスター結線された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相および第3相のいずれかの2相に結線されている第2状態と、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されている相と、接地されていないいずれか一方の相に負荷が結線されている第3状態と、第1相、第2相および第3相がデルタ結線され、いずれか1相が接地された三相式交流電源が被測定電線路に接続されており、接地されていない二つの相に負荷が結線されている第4状態のうちいずれか二つ以上の状態の中から一つの状態を選択する(選択処理工程)。
計測工程は、
選択処理工程で第1の状態または第3の状態が選択された場合、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線との間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×cosθ
により算出し、
選択処理工程で第2の状態が選択された場合、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている二つの相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×sinθ/cos60°
により算出し、
選択処理工程で第4の状態が選択された場合、被測定電線路に流れている漏洩電流Ioと、負荷が結線されている相の間に印加されている電圧とから算出される位相角θとに基づいて、電路電気関連値のひとつである漏洩電流Ioに含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分Iorを
Ior=Io×sinθ/cos30°
により算出する。
1 計測装置
2 計測部
10 零相変流器(ZCT)
11 第1計測部
12,22,32,42 漏洩電流検出部
13,23,33,43 電圧検出部
14,24,34,44 位相角算出部
15,25,35,45 対地絶縁抵抗漏洩電流成分算出部(漏洩電流成分算出部)
16,26,36,46 演算部
21 第2計測部
31 第3計測部
41 第4計測部
51 選択処理部

Claims (6)

  1. スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第1の構成により計測する第1計測部と、スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第2の構成により計測する第2計測部とにより構成される計測部と、
    前記計測部の中からいずれか一方を選択する選択処理部とを備える計測装置。
  2. 前記選択処理部は、
    第1相、第2相、第3相および中性線がスター結線された三相式交流電源が前記被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線とに結線されている第1状態の場合、前記第1計測部を選択し、
    第1相、第2相および第3相がスター結線された三相式交流電源が前記被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相および第3相のいずれかの2相に結線されている第2状態の場合、前記第2計測部を選択する請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記第1計測部は、前記第1の構成として、前記被測定電線路に流れている漏洩電流と、負荷が結線されている第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線との間に印加されている電圧とに基づいて、前記漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分を算出し、
    前記第2計測部は、前記第2の構成として、前記被測定電線路に流れている漏洩電流と、負荷が結線されている二つの相の間に印加されている電圧とに基づいて、前記漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分を算出する請求項2に記載の計測装置。
  4. スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を計測する計測部と、
    第1相、第2相、第3相および中性線がスター結線された三相式交流電源が前記被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線とに結線されている第1状態と、第1相、第2相および第3相がスター結線された三相式交流電源が前記被測定電線路に接続されており、負荷が第1相、第2相および第3相のいずれかの2相に結線されている第2状態のうちいずれか一方の状態を選択する選択処理部と、を備え、
    前記計測部は、
    前記選択処理部で前記第1の状態が選択された場合、前記被測定電線路に流れている漏洩電流と、前記負荷が結線されている第1相、第2相または第3相のいずれかの相と、中性線との間に印加されている電圧とに基づいて、前記電路電気関連値のひとつである前記漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分を算出し、
    前記選択処理部で前記第2の状態が選択された場合、前記被測定電線路に流れている漏洩電流と、前記負荷が結線されている二つの相の間に印加されている電圧とに基づいて、前記電路電気関連値のひとつである前記漏洩電流に含まれている対地絶縁抵抗に起因する漏洩電流成分を算出する計測装置。
  5. スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を異なる構成により計測する複数の計測部の中からいずれか一つを選択する選択処理工程と、
    前記選択処理工程により選択された計測部により計測を行う計測工程とを備え、
    前記計測部は、
    スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第1の構成より計測する第1計測部と、
    スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第2の構成により計測する第2計測部とにより構成される計測方法。
  6. コンピュータに、
    スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を異なる構成により計測する複数の計測部の中からいずれか一つを選択する選択処理工程と、
    前記選択処理工程により選択された計測部により計測を行う計測工程と、を実行させるための計測プログラムであって、
    前記計測部は、
    スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第1の構成より計測する第1計測部と、
    スター結線の三相式交流電源が接続された被測定電線路から分岐され、三相交流から単相交流に分岐され分電されている電線路の電気に関する値である電路電気関連値を第2の構成により計測する第2計測部とにより構成される計測プログラム。

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