JP2008164374A - 漏洩電流測定装置及び漏洩電流測定方法 - Google Patents

漏洩電流測定装置及び漏洩電流測定方法 Download PDF

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実紀雄 森光
Yasumasa Kondo
康正 近藤
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晋一 中山
Tatsuhiko Komiya
龍彦 小宮
Kenji Oka
憲児 岡
Ryoichi Yano
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Katsuji Takeya
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Abstract

【課題】 3相4線、又は3相3線式の配電方式配電回路の対地静電容量を通じて流れる各相別及び合計の電流Igc値の把握、及び、アンバランス状態に起因する誤差を含まない漏れ電流Igr値の把握、及び漏れ電流Igr値が増大している相の判定を行うことのできる漏洩電流測定装置の提供を目的とする。
【解決手段】 漏洩電流測定装置の処理演算部16は、切換開閉器2によって切り換えられた3相電圧E,E,Eのいずれかの電圧と零相変流器9からの零相電流Ioとの位相差を測定する基本波処理部3と、電源相電圧に少量含まれる3次高調波電圧を処理する高調波処理部13と、3次高調波電圧を用いて各相合計Igcの値とIgrの値とを測定算出する演算部14と、誤差を含まない漏れ電流Igr値、漏れ電流Igrが増大している相の判定結果を表示する表示部15とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電路及び電気機器の電圧印加部分から接地部分へ流れる漏洩電流を測定する漏洩電流測定装置及び漏洩電流測定方法に関する。
電気の利用は、便利な反面、適切な管理や使用を誤れば、大変危険な側面も兼ね備えており、電気火災や感電事故等の重大な事故を引き起こす可能性も少なくない。例えば、その重大事故の原因の一つとして、電路や電気機器の絶縁不良がある。電路及び電気機器の絶縁状態を調べる方法として、被測定電路及び電気機器を停電させて、絶縁抵抗計で測定する方法が従来の標準であった。
しかし、近年のように、停電が許されない配電線や連続操業の工場等には適用が制限される等の欠点がある。つまり、現在の社会状況では、コンピュータが社会の各方面に利用され、インテリジェントビルの普及拡大及び工場のFA(ファクトリー・オートメーション)化により、24時間連続稼動するシステムが構築されており、絶縁状態を調べるためい、一時的に停電状態にすることができない状況となっている。
したがって、現在では、このような高度情報化による社会の無停電化の要請から、電路及び機器の絶縁不良管理が停電を伴う絶縁抵抗計による方法から、電気を切ることなく測定できる漏洩電流測定方法に移ってきており、漏電遮断器や漏電火災警報機等により漏洩電流を測定して絶縁状態を管理する通電中の予防策は種々提案されている。
このような活線のまま電路及び電気機器の絶縁状態を調べる方法として、零相変流器によって検出する電路及び電気機器の電圧印加部分から接地部分へ流れる電流、すなわち零相電流(以下Ioという。)を検知する方法が一般的に行われている。零相電流(漏れ電流)Ioは、電路及び電気機器の電圧印加部分と接地部分間の絶縁抵抗を通じて流れる漏れ電流(以下Igrという。)と、この電圧印加部分と接地部分間に通常存在する対地静電容量を通じて流れる漏れ電流(以下Igcという。)とのベクトル和で構成されている。
近年、電力用半導体素子を応用したインバータ等高い周波数を発生させる機器が増加している。また、400V級配電線では、線路の敷設長が増大する等が影響して、静電容量を通じて流れる漏れ電流Igcの増加が著しい。
したがって、漏れ電流Ioのみの検出だけでは、本来検出が目的の漏電の尺度である対地絶縁抵抗を通じて流れる漏れ電流Igrとの区別が不可能となり、漏れ電流Ioの増大を検出して動作する漏電遮断器の誤動作を招いている。
近年、大口需要家で採用が増加し、かつ、海外の配電方式の標準となっている、変圧器の低圧側3相巻線を星形に結線した電源から給電される400V級3相4線式配電方式(以下3相4線配電という。)の電線路及び機器の絶縁測定には、接地線または4本の配電線を一括して零相変流器によって漏れ電流Ioを測定し、この値を絶縁抵抗を通じて流れる漏れ電流Igrの値として絶縁を監視する方法が行われている。
3相4線式配電方式の電源である星形巻線の中心点は直接接地されているので、商用電源の基本周波数である50Hz又は60Hzでは接地点の電圧0に対し、大きさが等しく位相が120度ずつ異なる3相電圧が巻線の他端である3相端子から配電線に印加される。3相端子には電路や電気機器が接続され、それらの充電部分と接地部分との間に対地静電容量が存在する。
3相各相の対地静電容量の値が等しい(以下この状態を、バランス状態という。)ときは、それらを流れる電流である各相の漏れ電流Igcは大きさが等しく位相が120度ずつ異なるので、各相Igcの合計の値は0になる。したがってこのとき上記漏洩電流Igrの値と上記漏れ電流Ioの値とは一致するが、3相各相の対地静電容量の値が等しくないとき(以下この状態を、アンバランス状態という。)は、アンバランス状態に起因する値が上記漏れ電流Ioの値に加わって出力されるため、Ioの値を上記漏洩電流Igrの値とすると、Igrの値は大きな誤差を含むことになる。何よりも、各相の対地静電容量がバランスしているかどうかは、この時点では計測不能なため、測定そのものの信頼性が失われている。
他の方式である、変圧器の低圧側3相巻線を正三角形に結線した電源から給電される200V3相3線のうちの1線を接地する配電方式の測定方法は、アンバランス状態に起因する誤差を含む上記漏洩電流Igr値の計測は可能であるが、3相4線配電方式には適用できない。他の方法は、特開2002−125313号公報(特許文献1)及び特開平3−179271号公報(特許文献2)で開示されているが、構成が複雑でプログラムも大容量であり、3相4線配電方式の測定は不可能である。低周波の低電圧を配電線に送り込む方法は、特許文献2において記載されているように、全ての回路に適用可能であるが、設備が複雑で価格が高い。
近年、3相4線配電方式の系統規模が広範囲複雑化し、漏電遮断器の誤作動の原因となる対地静電容量を通じて流れる漏れ電流Igcの値も増大し、この減少対策が必要になっている。また3相4線配電方式では3相負荷と単相負荷が混在し、アンバランス状態の系統が増加している。このため、各相別Igc値を測定して配電系統状態を把握し、アンバランス状態に起因する誤差を含まない漏れ電流Igr値を測定、かつ漏れ電流Igrが増大している相を検出して、絶縁劣化箇所と劣化程度の把握等の要求が増大しているが、従来の方法ではこれらの測定検出は不可能である。
特開2002−125313号公報 特開平3−179271号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、3相4線、又は3相3線式の配電方式配電回路の対地静電容量を通じて流れる各相別及び合計の電流Igc値の把握、及び、アンバランス状態に起因する誤差を含まない漏れ電流Igr値の把握、及び漏れ電流Igr値が増大している相の判定、を行うことのできる漏洩電流測定装置及び漏洩電流測定方法の提供を目的とする。
本発明に係る漏洩電流測定装置では、上記課題を解決するために、零相電流検出手段が星型結線された3相3線式又は3相4線式配電系統の3相電源の3相相電圧を上記3線又は4線にそれぞれ印加して該3線又は4線に流れる電流和である零相電流を検出し、基本波処理手段が上記3相電源の3相相電圧のうちのいずれかの入力電圧と上記零相電流検出手段からの上記零相電流との位相差、上記入力電圧及び上記零相電流に関する値を計測し、3次高調波処理手段が上記3相電源の3相相電圧に含まれる電源商用周波数の3倍の周波数である3次高調波電圧及び上記零相電流検出手段からの上記零相電流を処理して3次高調波に基づいた電流値及び電圧値に関する値を計測し、演算手段が上記基本波処理手段によって計測された上記位相差、上記入力電圧及び上記零相電流に関する値と、上記3次高調波処理手段によって計測された3次高調波に基づいた電流値及び電圧値に関する値を用いて3相電源の対地相電圧が略等しい3相3線式又は3相4線式配電系統の電路及び電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流及び対地静電容量に起因する漏れ電流を演算する。
また、本発明に係る漏洩電流測定方法では、上記課題を解決するために、零相電流検出工程が星型結線された3相3線式又は3相4線式配電系統の3相電源の3相相電圧を上記3線又は4線にそれぞれ印加して該3線又は4線に流れる電流和である零相電流を検出し、基本波処理工程が上記3相電源の3相相電圧のうちのいずれかの入力電圧と上記零相電流検出工程からの上記零相電流との位相差、上記入力電圧及び上記零相電流に関する値を計測し、3次高調波処理工程が上記3相電源の3相相電圧に含まれる電源商用周波数の3倍の周波数である3次高調波電圧及び上記零相電流検出工程からの上記零相電流を処理して3次高調波に基づいた電流値及び電圧値に関する値を計測し、演算工程が上記基本波処理工程によって計測された上記位相差、上記入力電圧及び上記零相電流に関する値と、上記3次高調波処理工程によって計測された3次高調波に基づいた電流値及び電圧値に関する値を用いて3相電源の対地相電圧が略等しい3相3線式又は3相4線式配電系統の電路及び電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流及び対地静電容量に起因する漏れ電流を演算する。
本発明では、まず、3相各相の対地静電容量の値が等しいか否かのバランス状態の判定のため、通常の基本周波数による計測を行う。3相4線式配電方式の電源端子には接地点の電圧0に対し、大きさが等しく位相が120度ずつ異なる3相電圧が発生している。この3相各相の電圧を切換開閉器によって1相分を順次処理演算部に入力して、各相毎に零相電流Ioと間の位相角を測定し、零相電流Ioを入力された相電圧と同位相方向である有効成分と、相電圧と90度の位相方向の無効成分とに分解する。3相分入力分解すれば、有効成分無効成分各3個の値の算出ができる。
前記有効成分無効成分の値は、数式の解析によって各相対地静電容量に起因する電流Igcの値と各相対地漏洩抵抗に起因する電流Igrとの関係が分かっているので、前記分解数値成分の特徴、傾向から対地静電容量の値のバランス状態やアンバランス状態に起因する誤差を含まない漏れ電流Igr値の把握及び漏れ電流Igr値が増大している相の判定が可能である。
しかし、以上のような基本周波数での計測では、各相の漏れ電流Igcが等しければ3相分の合計は0になり、また各相漏れ電流の値が等しくなくても3相分合計すれば部分的に打ち消し合い、各相合計Igcの値そのものの計測ができない。本発明では、電源相電圧に少量含まれる3次高調波電圧を用いて各相合計Igcの値の計測を行い、各相毎のIgcの値は基本波計測によって得られた値と上記合計値とから算出する。
基本周波数では3相相電圧間の位相角は120度であるが、3次高調波相電圧では3倍の周波数であり、位相角120度は3倍の360度同位相になる。このため、星形巻線の中性点すなわち接地点に対して、各端子には同じ位相で同じ大きさの3次高調波電圧が存在し、各相に接続される配電線や負荷の対地静電容量を通じて流れる電流Igcも同じ位相になり、基本周波数のように打ち消されることなく合計される。この3次高調波電圧を用いて各相合計Igcの値とIgrの値とを測定算出する。
以上の方式を異にする2種類の計測によって得た値から、対地静電容量を通じて流れる各相別電流Igc値及びアンバランス状態に起因する誤差を計算し、この誤差を含まない漏れ電流Igr値を算出するのが主要な特徴である。
本発明によれば、例えば3相4線配電方式で、対地静電容量のアンバランス状態に起因する測定誤差が存在し、アンバランス状態の判定そのものが不可能であるため、信頼性が極めて低かった漏洩電流Igrの測定値中のこれらの誤差値を明確にし、従来測定不能とされてきた各相毎及び合計の対地静電容量を測定可能にし、配電設備及び機器の絶縁状態を通電状態のまま連続的に把握が可能なことからの予防保全を通じて停電事故を防止し、保守管理費用を低減し、設備全体の信頼性を著しく向上させることができる。
以下、本発明を適用した漏洩電流測定装置及び漏洩電流測定方法の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、図1は3相4線配電方式に本発明の漏洩電流測定装置を適用した構成を示す概略系統図である。3相4線配電方式は、変圧器の低圧側3相巻線を星形に結線した電源から給電される400V級3相4線式の電線路及び電気機器に用いられる。本発明の実施の形態となる漏洩電流測定装置は、3相4線配電方式の電線路の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igr及び対地静電容量に起因する漏れ電流Igcを測定する。
図1にあって3相4線配電方式の系統構成は、配電用3相変圧器の低圧側の星型巻線1と、負荷設備5とを3相R,S,Tの接続線と接地線からなる配電線4で接続している。
配電用3相変圧器の低圧側の星型巻線1は、3つのコイルを中性点Nで接続し、かつ3相端子R,S,Tをそれぞれ3相の線路に接続している。また、中性点NをG点で接地すると共に負荷設備5にも接続している。3相端子R,S,Tには3相電圧E,E,Eが発生している。3相電圧E,E,Eは、接地電位である中性点N及び接地点Gに対して大きさが等しく、基本周波数では位相が120度ずつ異なる。
変圧器の設置店Gと中性点Nは、接地線8によって接続されている。この接地線8には、中性点Nから接地点Gに向かってR,S,T各相の漏れ電流の合計電流Ioが流れる。この漏れ電流の合計電流Ioは、後述の零相変流器9により零相電流Ioとして検出される。
配電線4のそれぞれの相には対地静電容量C,C、Cが存在する。具体的に、3相のうちの端子Rと負荷設備5を接続する配電線路4には対地静電容量Cが生じる。また、端子Sと負荷設備5を接続する配電線路4にも対地静電容量Cが、同じく端子Tと負荷設備5を説像する配電線路4にも対地静電容量Cが生じる。これらの対地静電容量C,C、Cには、常時、対地電流Igc,Igc,Igcが流れている。また、いずれかの端子と負荷設備5を接続する配電線路4には漏洩抵抗rが生じることがある。漏洩抵抗rには漏洩電流Igrが流れる。
漏洩電流測定装置は、R,S,T各相の漏れ電流の合計電流である零相電流Ioを検出する零相変流器9と、3相端子R,S,Tに発生した3相電圧E,E,Eを切り換えて後述の処理演算部16に供給する切換開閉器2を備える。また、漏洩電流測定装置は、3次高調波電流Icを測定する測定コンデンサ10を備える。また、漏洩電流測定装置は、3次高調波電流Icと電流Igrとのベクトル和電流Ioの処理演算部16への入力を制御する測定開閉器11と、3次高調波電流Icを電圧量に、かつ電源電圧E,E,Eに含まれる3次高調波電圧Eに比例した量にして処理演算部16に供給する分流器12と、上記零相電流Io、上記3次高調波電流Ic、上記ベクトル和電流Ioを処理し、対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igrの値及び対地静電容量に起因する各相毎の漏れ電流Igcの値と、漏れ電流Igrが発生している相の判定を行い、かつ表示する処理演算部16とを備える。
処理演算部16は、切換開閉器2によって切り換えられた3相電圧E,E,Eのいずれかの電圧と零相変流器9からの零相電流Ioとの位相差を測定する基本波処理部3と、電源相電圧に少量含まれる3次高調波電圧を処理する高調波処理部13と、3次高調波電圧を用いて各相合計Igcの値とIgrの値とを測定算出する演算部14と、誤差を含まない漏れ電流Igr値、漏れ電流Igrが増大している相の判定結果を表示する表示部15とを備えている。
まず、図1に構成を示した概略系統図における漏洩電流測定装置の基本波処理部3で行われる基本波に対する動作について、図2、図3、図4、表1及び表2を参照して説明する。
図1において、切換開閉器2は、3相端子R,S,Tに発生した3相電圧E,E,Eを切換て基本波処理部3に入力する。
図2は、3相電圧E,E,Eのベクトルをベクトル記号法で図示したものである。電圧Eを切換開閉器2で切り換えて基本波処理部3に入力させるときは、入力電圧を基準として零相漏洩電流Ioを、対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流Igr、対地静電容量に起因する漏れ電流Igc成分に分解するので、入力電圧Eを横軸である実数軸上の基準ベクトルEで表す。そのときの各相の電圧の式は次のようになる。
=E ・・・(1)
=−0.5E−j0.5√3E ・・・(2)
=−0.5E+j0.5√3E ・・・(3)
相電圧E,E,Eを表す上記各式(1)、(2)及び(3)は、図2に示すように実数軸上の有効成分と、虚数軸上の無効成分とに分解される。ここで虚数軸上の値には記号jを付している。
配電線4及び負荷設備5には、前述したように、それぞれの相に対地静電容量C,C、Cが存在し、これら対地静電容量には常時対地電流Igc,Igc,Igcが流れている。基本周波数をfHz、角周波数をω=2πf rad/sとし、Eを基本波処理部3に入力させるときの基準ベクトルをEとし、入力電圧を基準ベクトルとして各電流を計算する。
このとき各相電圧E,E,Eは、上記式(1)、(2)及び(3)で表されるので、対地電流Igc,Igc,Igcは、以下の式(4)、(5)及び(6)となる。
Igc=jωC=jωCE ・・・(4)
Igc=jωC=0.5√3ωCE−j0.5ωCE ・・・(5)
Igc=jωC=−0.5√3ωCE−j0.5ωCE ・・・(6)
まず、上記3相端子R,S,Tと負荷設備5を接続している配電線4のうち、端子Rと負荷設備5を接続する配電線路4について測定する。電気抵抗rの対地漏洩抵抗7を介して接地したときの漏れ電流Igrは、1/rをgとすれば、次の(7)式となる。
Igr=gE=gE ・・・(7)
接地点Gから変圧器低圧巻線1の中性点Nへは、前述したように接地線8を介してR、S、T各相の漏れ電流の合計電流である零相電流Ioが流れ、漏れ電流の合計電流(零相電流)Ioは零相変流器9によって検出され、基本波処理部3に出力される。
基本波処理部3は、上記漏れ電流の合計電流Ioを各相電圧毎に対比して分解する。上記漏れ電流の合計電流Ioを式で表すと次の(8)式となる。
Io=Igc+Igc+Igc+Igr
=jωCE+0.5√3ωCE−j0.5ωCE+−0.5√3ωCE−j0.5ωCE+gE
=(0.5√3ω(C−C)+g)E+jω(C−0.5C−0.5C)E
・・・(8)
電圧Eと同相である上記電流Ioの有効成分をIorとすると、このIorは次の式(9)で表せる。
Ior=(0.5√3ω(C−C)+g)E ・・・(9)
また、電圧Eより90度進んだ上記電流Ioの無効成分をIocとすると、このIocは次の(10)式で表せる。
Ioc=ω(C−0.5C−0.5C)E ・・・(10)
以上の計算結果から、電圧E、漏れ電流の合計電流Io、上記合計電流の有効成分Ior、上記合計電流の無効電流Iocの関係は図3のようなベクトル図で表される。上記合計電流の有効成分Iorと上記合計電流の無効電流Iocのベクトル和が漏れ電流の合計電流Ioとなっている。もちろん、電圧Eは上記合計電流の有効成分Iorと同じ基準軸上に示される。
実際の測定に際しては図4の漏れ電流測定値ベクトル図に示すように、基本波処理部3へ電圧Eと、零相電流(漏れ電流の合計電流)Ioを入力し、それらの波形から、EとIoとの間の位相角θを算出し、演算部14で電流Ioを電圧Eと同相の成分Igrと、電圧Eより90度進んだ成分Igcとに分解して出力する。
図3、図4で示したように、配電線路(電路)4と接地部分間の絶縁抵抗r(漏洩抵抗7)を通じて流れる漏れ電流Igrの値が零相電流Ioの有効成分の計算値Iorの値を表している。また、配電線路(電路)4と接地部分間に通常存在する対地静電容量C,C、Cを通じて流れる漏れ電流Igcの値が零相電流Ioの無効成分の計算値Iocの値を示している。
次に、切換開閉器2で、R相からS相、T相へ切り換え、電圧E,Eを順次基本波処理部3へ入力し、以上と同様な計算を行うと、それぞれの相の有効成分Ior、無効成分Iocの計算値が表1のように得られる。また、R相に代わってS相、T相が絶縁不良を起こした場合も同様の計算でそれぞれの相の有効成分Ior、無効成分Iocの計算値が表1のように得られる。
Figure 2008164374
表1に示す計算結果から、切換開閉器2で入力相の相電圧E,E,Eを切換て測定した、各相の実際の測定値Igr、Igcが特徴をもった値を示した場合、表2に示される範囲で回路のバランス状態、Igrの値、絶縁不良相を知ることができる。
Figure 2008164374
なお、現在行われている3相4線配電方式のIgr値の検出は前述のIoの式(9)の有効成分Iorの値をIgrの値として出力させている。バランス状態ではC=C、C−C=0であるので、Ior=gE=IgrとなりIgrは正確な値であるが、アンバランス状態では0.5√3(ω(C−C)Eの値がIgrの測定値に含まれ、この値が誤差になる。本発明は、この誤差の値を算出して、正確な漏れ電流Igrの値を明らかにしている。
次に、図1における基本波処理部3の詳細について図5を参照して説明する。図5は基本処理部3の具体的構成を示す図である。基本処理部3は、電圧(E)検出器21と、増幅器22と、ローパスフィルタ(LPF)23と、実効値変換器28と、Io検出器24と、増幅器25と、ローパスフィルタ(LPF)26と、実効値変換機29と、位相差計測器27とを備える。
電圧(E)検出器21は、切換開閉器2によって切り換えられた各相電圧E,E,Eを取り込む。増幅器22は電圧検出器21の検出感度に応じて各相電圧E,E,Eを適切な量になるまで増幅する。LPF23は、各相電圧E,E,Eの基本周波数を超える周波数成分を減衰させ基本周波数波形を取り出す。
Io検出部24は、接地線8を流れる漏れ電流(零相電流)Ioを零相変流器9を通じて取り込む。増幅器25は、Io検出部24で検出された漏れ電流Ioを適量まで増幅する。LPF26は、増幅器25で増幅された漏れ電流Ioの基本周波数を超える周波数成分を減衰させ基本周波数波形を取り出す。
位相差計測器27は、電圧Eと零相電流Ioとの位相差を計測する。図6は電圧Eと零相電流Ioの位相差を示す図である。フィルタ23から出力された相電圧Eの波形とフィルタ26から出力された零相電流Ioの波形を、例えばオペアンプゼロクロッシング回路に入力すると、それらの出力波形は図6のように電圧Eに対してはEz、電流Ioに対してはIzになる。両出力波形の波高値を一致させてEzとIzの差を求める。その差の絶対値波形は図6のEz〜Iz波形になる。図6に示すようにEz〜Iz波形及びIz波計の突出部分の面積をそれぞれS、SとすればSは電圧Eと電流Ioとの位相差角に、Sは位相差180度に比例する。このS,Sに比例した電圧を演算部14に出力する。
実効値変換部28は、電圧Eの基本周波数波形を両波整流して、実効値に比例したアナログ値に変換して、演算部14へ入力する。実効値変換部29は、零相電流Ioの基本周波数波形を両波整流して、実効値に比例したアナログ値に変換して演算部14へ入力する。
演算部14は、位相差計測器27が計測した上記S,Sに比例した電圧を用いて、電圧Eと零相電流Ioとの位相角θを、次の式(11)から算出する。
θ=180S÷S ・・・(11)
また、演算部14は、実効値変換部28から供給された電圧Eのアナログ値と、実効値変換部29から供給された零相電流Ioのアナログ値と、位相差計測部27で計測された位相差θとを用いた次の式(12)、(13)の演算により、Igr、Igcを求める。
Igr=Io×cosθ ・・・(12)
Igc=Io×sinθ ・・・(13)
前述のように、Igrの値は上記表1の計算値Ior式の値に、Igcの値は上記表1の計算式Ioc式の値に相当している。
ところで、各相の対地静電容量が異なるアンバランス状態では、基本波処理部3で行われる基本波による計測だけでは、Igc、Igrの計測値にはアンバランスに起因する誤差値を含み、各相別Igcの計測も不可能である。これらの欠点を解消するために、本発明では、電源電圧に少量含まれている、3次高調波電圧を計測に利用する。以下では、高調波処理部13における3次高調波に対する処理について説明する。
図1において、測定コンデンサ10は同じ静電容量Cのコンデンサ3個を星形に結線したもので、その中性点Mは測定開閉器11、分流器12を介して接地される。他の3個の端子は3相端子R、S、T相に接続される。
測定コンデンサ10の3個のコンデンサCに基本周波数の3相電圧を印加すれば、それらの電流の合計は0になり、コンデンサの中性点Mから接地点への電流は0である。
測定コンデンサ10の3相端子R,S,Tに加わる電圧は基本周波数に対しては120度の位相差があったが、3次高調波ではこの位相差が120度の3倍の360度で同位相になり、かつ同じ大きさの電圧がR,S,T端子に加わる。このため、測定コンデンサ10の3個のコンデンサCには同じ方向同じ大きさの3次高調波電流が流れ、中性点Mから測定開閉器11、分流器12を経由して接地されるに間は3個のコンデンサ電流が合流した、3次高調波電流Icが流れる。
分流器12は、3次高調波電流Icを電圧量に、かつ電源電圧E,E,Eに含まれる3次高調波電圧Eに比例した量にして高調波処理部13に入力させる。分流器12の抵抗値は測定コンデンサ10のリアクタンス値より十分小さいので電流Icの位相は電圧Eの位相より殆ど90度進んだものになっている。
測定開閉器11を開路すれば、電源電圧E,E,Eに含まれる3次高調波電圧Eに起因する対地静電容量6へ流入する合計電流Igcと対地漏洩抵抗7へ流入する電流Igrとのベクトル和電流Ioが零相変流器9を介して高調波処理部13に入力される。
測定開閉器11を閉路すれば測定コンデンサ10、分流器12を通じて流れる電流Icが電流Ioにベクトル加算された電流I33が流れる。以上の3次高調波に関連する電流のベクトル図は図7に示すようになる。
図7において、合計電流Igcと電流Igrとのベクトル和電流がIoとなる。このベクトル和電流Ioは、測定開閉器11を開路すると、零相変流器9を介して高調波処理部13に入力する。また、図7にあって、電流Icが電流Ioにベクトル加算されると電流I33となる。このベクトル加算された電流I33は、測定開閉器11を閉路すれば流れる。
次に、図1における高調波処理部13の詳細について図5を参照して説明する。高調波処理部13は、ベクトル和電流を検出するIo検出器31と、増幅器32と、バンドパスフィルタ(BPF)33と、実効値変換部34と、3次高調波電流Ic3を検出するIc検出器35と、増幅器36と、バンドパスフィルタ(BPF)37と、実効値変換器38とを備える。
Io検出器31は、接地線8を流れる基本波及び3次高調波を含む漏れ電流Ioを零相変流器9を通じて取り込む。増幅器32は、上記Io検出器31が取り込んだ漏れ電流Ioを適量まで増幅する。BPF33は、増幅器32が増幅した漏れ電流Ioの基本周波数及び3次高調波を超える周波数を減衰させる。実効値変換器34は、BPF33でフィルタリングされた漏れ電流Ioの3次高調波電流Io及び電流I33の電流波形を両波整流して、実効値に比例したアナログ値に変換して、演算部14に入力する。
Ic検出器35は、測定コンデンサ10から分流器12を経由して接地点へ流れる3次高調波を含む電流Icを分流器12によって取り込む。増幅器36は、上記Ic検出器35が取り込んだ3次高調波を含む電流Icを適量まで増幅する。BPF37は、増幅器36が増幅した3次高調波を含む電流Icの3次高調波を超える周波数を減衰させる。実効値変換器38は、BPF37でフィルタリングされた3次高調波を含む電流Icの電流波形を両波整流して、実効値に比例したアナログ値に変換して、演算部14に入力する。また、このアナログ値は3次高調波電圧Eに比例するので電圧E算出のデータとして演算部14に取り込まれる。
図7を参照して説明したように、測定開閉器11を開路すると合計電流Igcと電流Igrとのベクトル和電流Ioが零相変流器9を介して高調波処理部13に入力する。このベクトル和電流Ioは、図5に構成を示した高調波処理部13のIo検出器31と、増幅器32と、フィルタ33と、実効値変換部34とで処理されてから実効値に比例したアナログ値として演算部14に供給される。
また、図7を参照して説明したように、測定開閉器11を閉路すると電流Icが電流Ioにベクトル加算された電流I33となる。このベクトル加算された電流I33も、高調波処理部13に供給される。
さらに、高調波処理部13には、Ic検出器35と、増幅器36と、フィルタ37と、実効値変換器38とを通じてIcとEも供給され、実効値に比例したアナログ値として演算部14に供給される。
図7に示した3次高調波漏れ電流の測定電流ベクトル図において、対地静電容量6へ流入する3次高調波合計電流Igcと漏洩抵抗7へ流入する3次高調波電流Igrの2つの電流がベクトル的に合成された漏洩電流であるベクトル和電流Ioの値は上述したように高調波処理部13によって演算部14に供給される。
次に、高調波処理部13からの入力に対する演算部14における演算処理について説明する。図7にあって、I33、Io、Icを3辺とする三角形及びIo、Igr、Igcを3辺とする直角三角形について式を立てて、これを解くと以下の式(14)、(15)となる。
Igc=0.5(I33 −Io −Ic )÷Ic
=0.5(I33+Io)(I33−Io)÷Ic−0.5Ic ・・・(14)
Igr=(Io −Igc 0.5
=0.5{(I33+Io+Ic)(I33+Io−Ic)(I33+Ic−Io)(Io+Ic−I33)}0.5÷Ic ・・・(15)
上式で求めたIgc、Igrは、3次高調波電圧Eに起因するもので、基本周波数電圧Eに対するIgc、Igrの値に換算すれば、次の式(16)、(17)となる。
Igc=IgcE÷(3E) ・・・(16)
Igr=IgrE÷E ・・・(17)
これらの式から、Igc、Igrを演算部14で算出することができる。
基本波について上記表1のように求めた、各相毎のIgrに相当する有効成分計算値Ior、Igcに相当する無効成分計算値Iocと、3次高調波について求めた、各相合計のIgc及びIgrの値とから各相毎の対地充電電流Igc、Igc、Igcを未知数として次の式(18)〜(23)から求めることができる。なお基本波での測定値には末尾に1を付している。
Igrの値が殆ど0の場合は、式(18)、(19)、(20)の3式が得られる。
Igc+Igc+Igc=Igc ・・・(18)
Igc−Igc=−2Igr1/√3 ・・・(19)
Igc−0.5Igc−0.5Igc=Igc1 ・・・(20)
これらの式(18)、(19)、(20)を解くと以下の式(21)、(22)、(23)のように各相別のIgcの値が得られる。
Igc=(Igc+2Igc1)/3 ・・・(21)
Igc=(Igc−Igc1)+√3Igr1)/3 ・・・(22)
Igc=(Igc−Igc1−√3Igr1)/3 ・・・(23)
同様に、Igrの値が0でない場合も類似な式によって求めることができる。その結果を表3に示す。
Figure 2008164374
以上述べたように、3相4線配電回路の各相及び合計のIgcの値、アンバランス状態に起因する誤差を含まないIgrの値を把握することができる。
また、図8に示すように、漏洩電流測定装置は、上記配電線4の各線路4、4、4及び4に遮断器17(CB、CB、CB及びCB)を設け、演算部14の演算の結果により、各遮断器CB、CB、CB及びCBの遮断を制御する構成としてもよい。図8は、3相4線配電方式に本発明の漏洩電流測定装置を適用した構成を示す概略系統図であり、特に各相に遮断器を設け、漏洩電流測定装置が遮断器を制御する構成を示す図である。
すなわち、図8の構成の漏洩電流測定装置は、演算部14を用いた制御により、Igr、Igcの測定結果、Igrの増大している相の判定結果等に応じて遮断が必要と判断した相を各遮断器CB、CB、CB及びCBにより遮断する。これにより、図8に示す漏洩電流測定装置は、3相4線配電回路の各相及び負荷設備を絶縁不良に伴う重大事故から守ることができる。
この測定方式は3相4線配電系統だけでなく、接地電位に対して3相電圧がほぼ等しい配電系統であれば適用が可能である。また、電気機器の電圧印加部分から接地部分へ流れる漏れ電流の測定装置及び方法にも適用できる。
上述した図1及び図8に示した漏洩電流測定装置は、本発明の漏洩電流方法を実行する。すなわち、零相変流器9は、零相電流検出ステップにより星型結線された3相3線式又は3相4線式配電系統の3相電源の3相相電圧を上記3線又は4線にそれぞれ印加して3線又は4線に流れる電流和である零相電流を検出する。また、基本波処理部3は基本波処理ステップを実行し上記3相電源の3相相電圧のうちのいずれかの入力電圧と上記零相電流検出ステップからの上記零相電流との位相差、上記入力電圧及び上記零相電流に関する値を計測する。
また、高調波処理部13は、3次高調波処理ステップを実行し、上記3相電源の3相相電圧に含まれる電源商用周波数の3倍の周波数である3次高調波電圧及び上記零相電流検出ステップからの上記零相電流を処理して3次高調波に基づいた電流値及び電圧値に関する値を計測する。そして、演算部14が演算ステップを実行し、上記基本波処理ステップによって計測された上記位相差、上記入力電圧及び上記零相電流に関する値と、上記3次高調波処理ステップによって計測された3次高調波に基づいた電流値及び電圧値に関する値を用いて3相電源の対地相電圧が略等しい3相3線式又は3相4線式配電系統の電路及び電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流及び対地静電容量に起因する漏れ電流を演算する。
配電系統や電気機器の絶縁測定は、電気災害予防の目的から要求されている。従来においては停電して測定していたが、近年は停電が制限され、特に3相4線方式配電系統は、400V系でもあり、重要、広範囲の負荷が多く、詳細かつ正確なデータが要求される。本発明の測定装置は、これらの要求に適合しており、星型結線された3相3線式又は3相4線式配電系統の漏洩電流の検出に用いることができる。
3相4線配電方式に本発明の漏洩電流測定装置を適用した構成を示す概略系統図である。 商用周波数3相相電圧ベクトル図である。 漏れ電流計算値のベクトル図である。 漏れ電流測定値のベクトル図である。 基本波処理部と高周波処理部の具体的構成を示すブロック回路図である。 電圧と電流の位相差を説明するための図である。 3次高調波漏れ電流と測定電流との関係を示すベクトル図である。 3相4線配電方式に本発明の漏洩電流測定装置を適用した構成を示す概略系統図であり、特に各相に遮断器を設け、漏洩電流測定装置が遮断器を制御する構成を示す図である。
符号の説明
1 配電用3相変圧器の低圧側の星型巻線、2 切換開閉器、3 基本波処理部、4 灰電線、5 負荷設備、6 対地静電容量、7 漏洩抵抗、8 接地線、9 零相変流器、10 測定コンデンサ、11 測定開閉器、12 分流器、13 高調波処理部、14 演算部、15 表示部、16 処理演算部、17 遮断器

Claims (10)

  1. 星型結線された3相3線式又は3相4線式配電系統の3相電源の3相相電圧を上記3線又は4線にそれぞれ印加して該3線又は4線に流れる電流和である零相電流を検出する零相電流検出手段と、
    上記3相電源の3相相電圧のうちのいずれかの入力電圧と上記零相電流検出手段からの上記零相電流との位相差、上記入力電圧及び上記零相電流に関する値を計測する基本波処理手段と、
    上記3相電源の3相相電圧に含まれる電源商用周波数の3倍の周波数である3次高調波電圧及び上記零相電流検出手段からの上記零相電流を処理して3次高調波に基づいた電流値及び電圧値に関する値を計測する3次高調波処理手段と、
    上記基本波処理手段によって計測された上記位相差、上記入力電圧及び上記零相電流に関する値と、上記3次高調波処理手段によって計測された3次高調波に基づいた電流値及び電圧値に関する値を用いて3相電源の対地相電圧が略等しい3相3線式又は3相4線式配電系統の電路及び電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流及び対地静電容量に起因する漏れ電流を演算する演算手段と
    を備えることを特徴とする漏洩電流測定装置。
  2. 上記3次高調波電流測定手段は、3組のほぼ等しい静電容量のコンデンサの各々の1端を3相電源端子に、他端の3端を接地線とともに結合し、接地線を経由して接地してなることを特徴とする請求項2記載の漏洩電流測定装置。
  3. 上記演算手段は上記零相電流を、上記入力電圧と同位相方向の有効成分と、上記入力電圧と直角方向の無効成分とに分解しこれらの有効成分と無効成分を用いて3相電源の対地相電圧が略等しい3相3線式又は3相4線式配電系統の電路及び電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流及び対地静電容量に起因する漏れ電流を演算することを特徴とする請求項1記載の漏洩電流測定装置。
  4. 上記演算手段は、上記3次高調波電圧に起因し、接地線を流れる3次高調波電流の値Icと、対地絶縁抵抗中を流れる電流Igrと対地静電容量中を流れる電流Igcとを合成した漏洩電流の値Io、及び上記電流IcとIoとを一括測定した合成電流の値I33の3個の値から電流Igr及びIgcを、
    Igc=0.5(I33 −Io −Ic )÷Ic
    =0.5(I33+Io)(I33−Io)÷Ic−0.5Ic
    Igr=(Io −Igc 0.5
    =0.5{(I33+Io+Ic)(I33+Io−Ic)(I33+Ic−Io)(Io+Ic−I33)}0.5÷Ic
    の式で計算し、電源商用周波数相電圧をE、3次高調波相電圧Eを電流Icに比例する値として求めたとき、
    Igc=IgcE÷(3E
    Igr=IgrE÷E
    の式からIgc、Igrを算出することを特徴とする請求項1又は3記載の漏洩電流測定装置。
  5. 上記3次高調波電流を測定する3次高調波電流測定手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の漏洩電流測定装置。
  6. 上記演算手段は、上記零相電流を、上記入力電圧と同位相方向の有効成分と、上記入力電圧と直角方向の無効成分とに分解しこれらの有効成分と無効成分を用いて3相電源の対地相電圧が略等しい3相3線式又は3相4線式配電系統の電路及び電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流及び対地静電容量に起因する漏れ電流を演算し、さらに上記3次高調波電圧に起因し、接地線を流れる3次高調波電流の値Icと、対地絶縁抵抗中を流れる電流Igrと対地静電容量中を流れる電流Igcとを合成した漏洩電流の値Io、及び上記電流IcとIoとを一括測定した合成電流の値I33の3個の値から電流Igr及びIgcを、
    Igc=0.5(I33 −Io −Ic )÷Ic
    =0.5(I33+Io)(I33−Io)÷Ic−0.5Ic
    Igr=(Io −Igc 0.5
    =0.5{(I33+Io+Ic)(I33+Io−Ic)(I33+Ic−Io)(Io+Ic−I33)}0.5÷Ic
    の式で計算し、電源商用周波数相電圧をE、3次高調波相電圧Eを電流Icに比例する値として求めたとき、
    Igc=IgcE÷(3E
    Igr=IgrE÷E
    の式からIgc、Igrを算出して、各相の対地静電容量中を流れる電流値及び対地絶縁抵抗中を流れる電流値を算出することを特徴とする請求項1記載の漏洩電流測定装置。
  7. 上記演算手段による演算の結果得られた、上記各相の対地静電容量中を流れる電流値及び対地絶縁抵抗中を流れる電流値を表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の漏洩電流測定装置。
  8. 上記演算手段で求めた値のいずれかが、所定の値を超えたときに警報を発する警報手段を備えることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7のいずれか1に記載の漏洩電流測定装置。
  9. 上記演算手段で求めた値のいずれかが、所定の値を超えたときに電路を遮断する遮断手段を備えることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7のいずれか1に記載の漏洩電流測定装置。
  10. 星型結線された3相3線式又は3相4線式配電系統の3相電源の3相相電圧を上記3線又は4線にそれぞれ印加して該3線又は4線に流れる電流和である零相電流を検出する零相電流検出工程と、
    上記3相電源の3相相電圧のうちのいずれかの入力電圧と上記零相電流検出工程からの上記零相電流との位相差、上記入力電圧及び上記零相電流に関する値を計測する基本波処理工程と、
    上記3相電源の3相相電圧に含まれる電源商用周波数の3倍の周波数である3次高調波電圧及び上記零相電流検出工程からの上記零相電流を処理して3次高調波に基づいた電流値及び電圧値に関する値を計測する3次高調波処理工程と、
    上記基本波処理工程によって計測された上記位相差、上記入力電圧及び上記零相電流に関する値と、上記3次高調波処理工程によって計測された3次高調波に基づいた電流値及び電圧値に関する値を用いて3相電源の対地相電圧が略等しい3相3線式又は3相4線式配電系統の電路及び電気機器の対地絶縁抵抗に起因する漏れ電流及び対地静電容量に起因する漏れ電流を演算する演算工程と
    を備えることを特徴とする漏洩電流測定方法。
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