JP2011137718A - 高圧絶縁監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地絡電流の検出に要するコストを可及的に低減する。
【解決手段】非接地系の電路2の負荷側の零相電流を検出する零相電流検出手段3を備える高圧絶縁監視装置において、前記電路2の高圧ケーブル1の接地線4に流れる接地線電流を検出する接地線電流検出手段5が備えられ、前記電路2に地絡が発生していない状態での前記接地線電流の値と前記負荷側の零相電流の値との比率を予め求めて記憶しておき、測定時点における前記負荷側の零相電流の値から、測定時点における前記接地線電流の値と前記比率とによって求まる前記負荷側の零相電流の推定値を減算して地絡電流の電流値を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非接地系の電路の電気設備において、前記電路における高圧ケーブルの負荷側の零相電流を検出する零相電流検出手段と、その零相電流検出手段の検出情報に基づいて地絡電流を検出する地絡電流検出手段とが備えられた高圧絶縁監視装置に関する。
かかる高圧絶縁監視装置は、非接地系電路の電気設備において発生する地絡事故を検出するための装置である。
非接地系電路の地絡電流を検出するための手法としては、下記特許文献1にも記載のように、電路の零相電流と零相電圧とを検出して、それらの検出情報から地絡電流を求める手法がよく用いられている。
特開平11−271384号公報
しかしながら、従来からの零相電圧と零相電流とを検出する手法では、零相電流は比較的に安価な零相変流器によって検出でき、設置作業も簡単な作業で行えるものの、零相電圧を検出するための零相変圧器は高価な装置である上、それの設置工事や撤去工事には停電を伴う大がかりな工事を必要とし、全体として地絡電流の検出に要するコストが非常に大きなものとなっていた。又、間歇地絡の場合、地絡事故が構内か構外かの判断が困難な場合があった。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、地絡電流の検出に要するコストを可及的に低減し、地絡事故が構内か構外かも正確に判断できるようにする点にある。
本出願の第1の発明は、非接地系の電路の電気設備において、前記電路における高圧ケーブルの負荷側の零相電流を検出する零相電流検出手段と、その零相電流検出手段の検出情報に基づいて地絡電流を検出する地絡電流検出手段とが備えられた高圧絶縁監視装置において、前記電路の各相の線と容量性部材を介して接続されている接地線に流れる接地線電流を検出する接地線電流検出手段が備えられ、前記地絡電流検出手段は、前記電路に地絡が発生していない状態での前記接地線電流の値と前記負荷側の零相電流の値との比率を予め求めて記憶手段に記憶しておき、測定時点における前記負荷側の零相電流の値から、測定時点における前記接地線電流の値と前記記憶手段に記憶されている前記比率とによって求まる前記負荷側の零相電流の推定値を減算することによって地絡電流の電流値を検出するように構成されている。
すなわち、地絡電流の検出のための基本的な考え方として、測定時点の負荷側の零相電流から平常時(すなわち地絡事故が発生していない状態)であるとしたときの負荷側の零相電流を減算することで地絡電流を求める。
但し、絶縁監視の対象箇所で地絡事故が発生していない状態でも負荷側の零相電流は種々の環境条件によって時間的に変動するものであり、平常時に測定した負荷側の零相電流を記憶しておき、測定時点の負荷側の零相電流からその記憶値を減算したのでは正確に地絡電流を求めたことにはならない。
つまり、仮に測定時点において地絡事故が発生しているとして、その測定時点において地絡事故が発生していなければ負荷側の零相電流がどれだけの量であるかを求めて、それを測定時点の負荷側の零相電流から減算する必要がある。
この「測定時点において地絡事故が発生していなければ負荷側の零相電流がどれだけの量であるか」を、電路の各相の線と容量性部材を介して接続されている接地線に流れる接地線電流を検出することによって推測するのである。
これを、電源Eから構内に引込んだ高圧ケーブル1に負荷101を接続し、零相変流器102等の検出手段を設置した状態を簡略的に示す図2に基づいて詳細に説明する。
図2では、容量性部材をコンデンサCa10,Cb10,Cc10として示し、それを介して電路2の各線と接地線104が接続されているものとして示している。
又、負荷101の対地静電容量をCa,Cb,Ccで示している。
どのような配線がこの接地線104に該当するかは後述する。
負荷の対地静電容量Ca,Cb,Ccを経て流れる電流と、コンデンサCa10,Cb10,Cc10を経て接地線104に流れる電流との関係は、対地静電容量Ca,Cb,Ccの容量値とコンデンサCa10,Cb10,Cc10の容量値との比で決まる比例関係にある。
負荷の対地静電容量Ca,Cb,Ccを経て流れる電流は上述の負荷側の零相電流に相当するものであり、上述のように時間的に変動するものであるが、負荷の対地静電容量Ca,Cb,Ccを経て流れる電流(すなわち、負荷側の零相電流)と、コンデンサCa10,Cb10,Cc10を経て接地線104に流れる電流との比は、夫々の容量値が変化しないので一定である。
そこで、監視対象の電路に地絡が発生していない状態で、接地線電流(接地線104に流れる電流)の値を零相変流器103等で測定すると共に、負荷側の零相電流の値を零相変流器102で測定し、両者の比率を予め求めて記憶手段に記憶しておく。
そして、その比率と測定時点の接地線電流の測定値(零相変流器103による測定値)とからその測定時点における「平常時における負荷側の零相電流」を推定し、測定時点の負荷側の零相電流の測定値(零相変流器102による測定値)から前記推定値を減算して地絡電流を求める。
具体的には、例えば、電路に地絡が発生していない状態での接地線電流の値に対する負荷側の零相電流の値の比率を予め求めて記憶手段に記憶しておき、測定時点における負荷側の零相電流の測定値から、測定時点における接地線電流の測定値と記憶手段に記憶されている前記比率の積で求まる負荷側の零相電流の推定値を減算する。
尚、図2では、接地線104が零相変流器102内を高圧ケーブル1に沿って構外側に向けて通過するように配線しているが、これは、コンデンサCa10,Cb10,Cc10が、零相変流器102よりも負荷101側に位置する状態を例示しているため、零相変流器102が負荷101側の零相電流のみを検出するように、検出接地線104に流れる電流を予め減算させるためのものである。
もちろん、上記のような配線の取り回しを行わず、零相変流器102の検出情報から零相変流器103の検出情報を演算処理で減算することで負荷側の零相電流を求めても良い。
又、本出願の第2の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、前記電路に接続される負荷の対地静電容量が各相間で不平衡であることによる不平衡の零相電流を検出する不平衡零相電流検出手段が備えられ、前記地絡電流検出手段は、測定時点における前記負荷側の零相電流の値から、前記不平衡の零相電流の値を更に減算することによって地絡電流の電流値を検出するように構成されている。
すなわち、図2に示す負荷の対地静電容量Ca,Cb,Ccが各相間でアンバランスである場合には、そのアンバランスに起因した零相電流が流れる。
従って、そのアンバランスに起因した零相電流の値が大きくなって地絡電流の測定誤差として効いてくるような場合には、それを負荷側の零相電流の測定値から除去して地絡電流の測定精度を向上させる。
尚、この負荷の対地静電容量のアンバランスに起因する零相電流は、各相毎に求めたアドミタンスと電圧との積のベクトル和をとることで求まる。
又、本出願の第3の発明は、上記第1又は第2の発明の構成に加えて、前記地絡電流検出手段は、設定時間の間の前記零相電流検出手段の検出情報と前記接地線電流検出手段の検出情報とを記憶手段に記憶し、その記憶情報に基づいて位相情報を含むベクトル計算によって前記負荷側の零相電流の値と前記接地線電流の値とを求めるように構成されている。
すなわち、交流回路における電流値等に関する演算処理は、位相情報を含めてベクトル演算によって計算するのが一般的にであり、そのような演算処理が可能となる時間分の測定電流の時系列データを収集記憶して、精度良く電流値の計算を行う。
又、本出願の第4の発明は、上記第1又は第2の発明の構成に加えて、前記地絡電流検出手段は、測定時点における前記負荷側の零相電流の値と前記接地線電流の測定値として、測定時点の瞬時値を用いるように構成されている。
すなわち、従来の零相電圧と零相電流とによる地絡電流の検出には、位相情報を用いる演算が必須であり、アーク地絡や間歇地絡のような突発的な地絡電流の発生を高速に検出して必要な対応をとるというのには必ずしも向いていない。
その点、負荷側の零相電流の測定値から平常時における負荷側の零相電流の推定値を減算する手法では、瞬時値によるリアルタイム処理が可能となり、アーク地絡や間歇地絡のような突発的な地絡電流の検出にも効果的に対応できる。
又、本出願の第5の発明は、上記第1〜第4のいずれかの発明の構成に加えて、前記接地線として、前記高圧ケーブルのシースアース線を用いる。
すなわち、高圧ケーブルでは、高圧ケーブルの各相の線とシースとそれらの間に存在する絶縁部材とによって等価的にコンデンサを形成し、容量性の部材となっている。
シースアース線は、この容量性の部材を介して各相の線と接続されている接地線である。
シースアース線は、電気設備(受電設備)において一般的に設置される配線であり、その配線を利用して上記の接地線電流を検出できる。
又、本出願の第6の発明は、上記第1〜第4のいずれかの発明の構成に加えて、前記接地線として、前記電路に接続された零相変圧器の接地線を用いる。
すなわち、地絡電流の検出のために特別に零相変圧器を設置するのは設備コストを著しく上昇させて好ましくないが、何らかの別の目的のために零相変圧器が電気設備に設置されるのであれば、それを利用して地絡電流を求めることができる。
但し、零相変圧器が出力する零相電圧を地絡電流の検出に用いるのではなく、零相変圧器の接地線を利用して上記の接地線電流を検出する。
零相変圧器を電路に接続した状態を示す図3のように、零相変圧器105には、電路の各相の線と接続するためのコンデンサCa12,Cb12,Cc12が備えられている。
従って、この零相変圧器105の接地線106は、電路2の各相の線と容量性部材(コンデンサCa12,Cb12,Cc12)を介して接続されている接地線に相当する回路構成となっており、これの接地線106に流れる電流を上記接地線電流として検出できる。
上記第1の発明によれば、低コストで容易に検出できる電流検出を主体として地絡電流を求める構成であるため、地絡電流の検出に要するコストを可及的に低減できるものとなった。又、負荷の対地静電容量に流入する零相電流を同じ性質を有する別の対地静電容量に流入する接地線電流と比較し、所定の演算をすることにより、外乱による影響を完全にキャンセルできる。従って、構外の地絡事故や誘導雷により零相電圧及び零相電流が大きく且つ不規則に変動しても、高い精度で構内の地絡事故を検出することができる。換言すると、構外の地絡事故を検出対象から的確に除外して地絡電流を検出することで、地絡事故が構内か構外かも正確に判断できる。
又、上記第2の発明によれば、負荷の対地静電容量が各相間でアンバランスであることも考慮して地絡電流を求めるため、地絡電流の検出精度を一層向上させることができる。
又、上記第3の発明によれば、地絡電流を求めるための演算を位相情報を含むベクトル演算にて行うため、精度良く地絡電流を求めることができる。
又、上記第4の発明によれば、リアルタイムに地絡電流を求めることができるため、アーク地絡や間歇地絡も的確に検出できる。
又、上記第5の発明によれば、一般的に設置されるシースアース線を利用して上記接地線電流を検出できるため、装置構成を一層低コスト化することができる。
又、上記第6の発明によれば、他の目的で零相変圧器が設置される場合には、その零相変圧器の接地線を利用して、平常時における負荷側の零相電流の推定値を求めるための上記接地線電流を検出できる。
この場合、接地線と電路の各相の線との間に介在する容量性部材はコンデンサそのものであり、容量値が既知であるうえに極めて安定しているので、地絡電流の検出精度の向上に寄与するものとなる。
本発明の実施の形態にかかる高圧絶縁監視装置の全体構成を示す図 本発明の基本的な考え方を説明するための図 零相変圧器を使用した場合の本発明の構成を示す図
以下、本発明の高圧絶縁監視装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態の高圧絶縁監視装置は、電力需要家側の電気設備(受電設備)を概略的に示す図1のように、電力会社の変電設備から供給される高圧の電源E(例えば6.6kV)を電路2によって負荷8へ供給するいわゆる非接地系の電路の電気設備を監視対象とする。尚、実際には、負荷の要求電圧に下げるための変圧器も設置され、電路2によってその変圧器まで高電圧が引込まれるがここでは記載を省略している。又、本発明における「構外」とは図1の受電点の電源E側を言い、「構内」とは図1の受電点の負荷8側を言う。
上述のような設備において、電力需要家側で絶縁監視を行うために、高圧ケーブル1の負荷8側の零相電流を検出するための零相電流検出手段3として零相変流器ZCT2が高圧ケーブル1の外周を取り囲むように取り付けられ、高圧ケーブル1における負荷8側の端部から引き出されたシースアース線4(接地線)にそのシースアース線4に流れる電流(接地線電流)を検出するための接地線電流検出手段5である零相変流器ZCT1が取り付けられている。
シースアース線4は、高圧ケーブル1から引き出された後、零相変流器ZCT2内を構外側に向けて高圧ケーブル1に沿って通過させる(巻き戻す)ことで、シースアース線4に流れる電流が零相変流器ZCT2を往復通過して打ち消し合うように配線している。つまり、零相変流器ZCT2が高圧ケーブル1のケーブル地絡を検出しないように配線している。
電路2には、更に、負荷8の対地静電容量がアンバランスであることに起因する零相電流を検出するために使用する基準電圧検出回路6が接続されている。
この基準電圧検出回路6の回路構成は、1次側を電路2にV結線した2個のトランス11,12と、その2個のトランス11,12の二次側にスター結線した3個の抵抗13,14,15とによって構成されており、抵抗13,14,15の夫々の両端電圧からa,b,cの各相の電圧を基準電圧として得る。尚、図1においては、基準電圧検出回路6を電路2に接続した場合を示しているが、図示を省略している変圧器にて低圧に変換された後の電源ラインから上記の基準電圧を得るように構成しても良い。
零相変流器ZCT1,ZCT2の出力信号及び基準電圧検出回路6による検出基準電圧は、高圧絶縁監視装置の主要部である地絡検出装置7へ入力される。
地絡検出装置7は、汎用のコンピュータ(より具体的にはパーソナルコンピュータ)にて構成されており、零相変流器ZCT1,ZCT2の出力信号及び基準電圧検出回路6による検出基準電圧に基づいて地絡電流を演算によって求める。
この演算はソフトウェア処理として実行されるのであるが、機能的には、不平衡零相電流検出部7aと地絡電流演算部7bとによって構成されている。
又、図示を省略するが、不平衡零相電流検出部7aに入力される基準電圧信号や、地絡電流演算部7bに入力される零相変流器ZCT1,ZCT2の検出信号をA/D変換するA/Dコンバータが備えられている。
不平衡零相電流検出部7aは、電路2に接続される負荷8の対地静電容量(図2において、Ca,Cb,Ccとして示す容量)が各相間で不平衡であることにによる不平衡の零相電流を検出する不平衡零相電流検出手段UCであり、基準電圧検出回路6が検出した基準電圧と、地絡検出装置7に備えられている記憶手段MEであるメモリ7cに予め記憶されている負荷8の各相のアドミタンスの値とから、前記不平衡の零相電流を求める。尚、メモリ7cに記憶されているアドミタンスは、実用上、容量成分のみによるアドミタンスと見なして良い。
上記の不平衡の零相電流は、各相について基準電圧とアドミンタスとの積を求め、それらのベクトル和をとることによって求める。
地絡電流演算部7bは、零相変流器ZCT2の検出情報に基づいて地絡電流を検出する地絡電流検出手段GSであり、零相変流器ZCT1,ZCT2の検出情報と不平衡零相電流検出部7aにて求めた上記の不平衡の零相電流とから地絡電流を演算処理によって求める。
地絡電流演算部7bによる地絡電流の検出のための基本的な考え方は、測定時点の負荷8側の零相電流(その測定時点での測定値)から平常時(すなわち地絡事故が発生していない状態)であるとしたときの負荷8側の零相電流を減算することで地絡電流を求める。
地絡事故が発生していない状態としたときの負荷8側の零相電流は、この零相電流が時間的に変動すること、及び、零相電流が変動しても負荷8側の零相電流とシースアース線4に流れる接地線電流との比率は一定であることを考慮して、予めその比率を求めてメモリ7cに記憶しておき、測定時点の上記接地線電流の測定値とメモリ7cに記憶されている前記比率とから、地絡事故が発生していない状態としたときの負荷8側の零相電流を推定する。
このようにして求めた「地絡事故が発生していない状態としたときの負荷8側の零相電流の推定値」を測定時点の負荷8側の零相電流の測定値から減算し、地絡電流を求める。
更に、上述の負荷8の対地静電容量が各相間でばらつき、地絡電流の算出に誤差として影響するものであるときは、更に不平衡零相電流検出部7aで求めた不平衡の零相電流の値を減算する。
地絡電流演算部7bは、以上の処理を位相情報を含むベクトル演算と瞬時値を用いた演算との双方を並行して実行処理している。
この実行処理のために、地絡電流演算部7bは、設定時間の間(少なくとも1周期分の間)の零相変流器ZCT1,ZCT2から送られてくる測定信号(検出情報)をA/D変換してメモリ7cへ記憶させる。
更に、地絡電流演算部7bは、メモリ7cから読み出した電流値の時系列データをソフトウェア処理によるDFT(離散フーリエ変換)にかけて位相情報を含むベクトル量として抽出し、ベクトル計算によって上述の演算処理を行う。
式によって説明すると、大文字の「I」はベクトル量を表現するものとして、先ず構内側で地絡事故が発生していない状況において、零相変流器ZCT2の検出信号から負荷8側の零相電流の電流値Io0を求め、更に、零相変流器ZCT1の検出信号からシースアース線4に流れる上記接地線電流の値Ie0を求める。
そして、接地線電流Ie0に対する負荷8側の零相電流Io0の比率Kを、K=Io0/Ie0(Kはスカラー量)として求めてメモリ7cへ記憶しておく。
このような準備を予め行った上で、所定の測定タイミングで測定時点の負荷8側の零相電流の値Io1と、シースアース線4に流れる接地線電流の値Ie1とを位相情報を含むベクトル量としてメモリ7cの記憶データから求める。
そして、地絡電流Igを、Ig=Io1−K*Ie1(*は積を意味する演算子、以下において同様)として求める。
更に、負荷8の対地静電容量が各相間でばらつき前記不平衡の零相電流が無視をできない程度の値になる場合には、負荷8側の零相電流の値Io1から、更に、不平衡零相電流検出部7aにて求めた上記不平衡の零相電流の値Ixを減算する。
すなわち、地絡電流Igを、Ig=Io1−K*Ie1−Ixとして求める。
一方、零相変流器ZCT1,ZCT2の測定データの瞬時値を用いる処理では、小文字の「i」が瞬時値を表現するものとして、所定の測定タイミングで測定時点の負荷8側の零相電流の値ioと、シースアース線4に流れる接地線電流の値ieとを、夫々零相変流器ZCT1,ZCT2の検出情報(出力信号)をA/D変換することで得る。
そして、地絡電流igを、ig=io−K*ieとして求める。
尚、瞬時値によって地絡電流を求める場合でも、上述の不平衡の零相電流を考慮しても良いが、瞬時値で検出の対象とするのは、アーク地絡や間歇地絡のパルス状の地絡電流であり、非常に大きな地絡電流値となるため、上記不平衡の零相電流は特に考慮しなくても良い。
以上のようにして、ベクトル計算で求めた地絡電流Ig、あるいは、瞬時値によって求めた地絡電流igが、夫々について設定されている警報発生用の設定値を超えると、ブザー等を備えた警報部7dから警報を出力する。
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)上記実施の形態では、上記接地線電流を得るためにシースアース線4に流れる電流を零相変流器ZCT1にて検出しているが、他の目的で電路に零相変圧器が設置されている場合には、その零相変圧器の接地線を利用して上述の接地線電流を求めるようにしても良い。
具体的には、図3に示すように、零相変圧器105を電路2の各相の線に接続し、零相変圧器105の接地線106に取り付けた零相変流器103を接地線電流検出手段5として用いる。
この場合でも、地絡電流を求める演算処理は上記実施の形態と全く同様で、零相変流器103の出力信号を、上記実施の形態における零相変流器ZCT1の出力信号と置き換えるだけで良く、同様の演算処理で地絡電流を求めることができる。
(2)上記実施の形態では、ベクトル計算で求めた地絡電流Ig、あるいは、瞬時値によって求めた地絡電流igが、夫々について設定されている警報発生用の設定値を超えると、ブザー等を備えた警報部7dから警報を出力する場合を例示しているが、地絡検出装置7からの警報の出力の態様としては、警報部7dからの報知ではなく、あるいは、警報部7dからの報知と並行して、別途備えた通信手段によって上述の電気設備を遠隔監視している監視センター等に通報するように構成しても良い。
1 高圧ケーブル
2 電路
3 零相電流検出手段
4 シースアース線
5 接地線電流検出手段
8 負荷
105 零相変圧器
106 接地線
GS 地絡電流検出手段
ME 記憶手段
UC 不平衡零相電流検出手段

Claims (6)

  1. 非接地系の電路の電気設備において、前記電路における高圧ケーブルの負荷側の零相電流を検出する零相電流検出手段と、その零相電流検出手段の検出情報に基づいて地絡電流を検出する地絡電流検出手段とが備えられた高圧絶縁監視装置であって、
    前記電路の各相の線と容量性部材を介して接続されている接地線に流れる接地線電流を検出する接地線電流検出手段が備えられ、
    前記地絡電流検出手段は、前記電路に地絡が発生していない状態での前記接地線電流の値と前記負荷側の零相電流の値との比率を予め求めて記憶手段に記憶しておき、測定時点における前記負荷側の零相電流の値から、測定時点における前記接地線電流の値と前記記憶手段に記憶されている前記比率とによって求まる前記負荷側の零相電流の推定値を減算することによって地絡電流の電流値を検出するように構成されている高圧絶縁監視装置。
  2. 前記電路に接続される負荷の対地静電容量が各相間で不平衡であることによる不平衡の零相電流を検出する不平衡零相電流検出手段が備えられ、
    前記地絡電流検出手段は、測定時点における前記負荷側の零相電流の値から、前記不平衡の零相電流の値を更に減算することによって地絡電流の電流値を検出するように構成されている請求項1記載の高圧絶縁監視装置。
  3. 前記地絡電流検出手段は、設定時間の間の前記零相電流検出手段の検出情報と前記接地線電流検出手段の検出情報とを記憶手段に記憶し、その記憶情報に基づいて位相情報を含むベクトル計算によって前記負荷側の零相電流の値と前記接地線電流の値とを求めるように構成されている請求項1又は2記載の高圧絶縁監視装置。
  4. 前記地絡電流検出手段は、測定時点における前記負荷側の零相電流の値と前記接地線電流の値として、測定時点の瞬時値を用いるように構成されている請求項1又は2記載の高圧絶縁監視装置。
  5. 前記接地線は、前記高圧ケーブルのシースアース線である請求項1〜4のいずれか1項に記載の高圧絶縁監視装置。
  6. 前記接地線は、前記電路に接続された零相変圧器の接地線である請求項1〜4のいずれか1項に記載の高圧絶縁監視装置。
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