JP2005227132A - 絶縁状態監視装置、および絶縁状態監視方法 - Google Patents

絶縁状態監視装置、および絶縁状態監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電路の電圧・電流に高調波が含まれる場合にもその影響を受けることなく有効分電流Igrを高い精度で検出する。
【解決手段】低圧電路の接地線の零相電流I0(t)と対地電圧V(t)を検出し、零相電流と対地電圧をそれぞれディジタル値の瞬時値データに変換し、瞬時値データの1サイクル分の離散値データから、電路の基本周波数成分のディジタルフーリエ変換を行って零相電流と対地電圧の基本周波数成分をそれぞれ抽出し、この基本周波数成分の基本波フーリエ係数からベクトルの内積演算によって有効分電流Igrを求め、有効分電流Igrの大小から絶縁状態を判定する。
対地電圧が低レベルにあるときに、有効分電流による絶縁状態監視に代えて、零相電流による絶縁状態監視に切替える。絶縁状態判定は、その検出特性に扇形の位相特性を持って判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、低圧電路の絶縁状態を監視する装置および方法に関する。
低圧電路の従来の絶縁監視方式を説明する。
(1)電路の零相電流を検出する方式(I0型)。
図5に単相2線式の電路について各部の電流とベクトルを示すように、接地線に流れる零相電流I0を検出し、この零相電流I0値が設定値(閾値)を越えたときに絶縁低下として検出する。
この方式は、電路の対地静電容量Cが大きいと、対地充電電流成分が接地線に流れるため、絶縁状態が正常であるにもかかわらず、漏洩抵抗Rの電流IRに対地静電容量分の電流ICも含めた電流として検出してしまうため、検出の閾値を高くしておかないと誤動作する。検出器の運用に当たって、一般に、負荷機器が最大に接続された状態が最も多くの対地充電電流が流れるため、この値で誤検出しない閾値に検出器を設定しておくと、負荷機器が休止状態にある際に高感度な漏電の検出ができなくなる。
(2)電路に低周波の電圧を注入し、その周波数成分から注入電圧と同相の電流を検出する(Igr型)。
図6に単相2線式の電路について各部の電流とベクトルを示すように、電路に低周波・低電圧の電源Gを接続すると、漏洩抵抗Rおよび静電容量Cにはそれぞれ電源Gによる電流成分Igr,Igcが流れる。このとき、接地線に流れる電流には零相電流I0の他に電源Gの電流成分Igが含まれ、この電流成分Igのみをローパスフィルタにより抽出し、静電容量Cが大きくなる場合にもその影響を小さくした検出を得る。
(3)電路の零相電流のうち、電路の電圧と同相の電流成分IRのみを検出する(Igr改良型)。
基本的には、電路の電圧に対する零相電流の位相θ(図5参照)の検出を行い、三角関数を含む演算(Igr=I0・cosθ)を行うことで上記の電圧注入を不要にする。
この場合、演算が複雑となって装置も高価となるばかりでなく、測定精度が悪いという問題があるため、これを解決しようとする提案もある(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。
この方法は、図7に単相3線式の電路の場合を示すように、線間電圧Eと同相の位相判定信号Idを発生する手段を設け、零相電流I0と位相判定信号Idのベクトル和Ixおよびベクトル差Iyを求める。ベクトルI0,Ix,Iy,Idの絶対値をi,x,y,dとすると、余弦定理より、下記の式を得る。
Figure 2005227132
上記の(1)式−(2)式は、
Figure 2005227132
となり、このうち、Igr=i・cosθになることから、下記の式によって、地絡電流Igrを求める。
Figure 2005227132
なお、(4)式が負数になるのを避けるため、実際には絶対値を使用した下記の式から求める。
Figure 2005227132
(4)漏れ電流電力から有効分電流Igrを検出する(例えば、特許文献2参照)。
図8に単相2線式の電路についての漏れ電流検出回路とベクトルを示すように、漏れ電流Izの有効分電流IgrはIz・cosθであり、電力W=VIcosθの負荷電流の代わりに漏れ電流Izに置き換えた電力(漏れ電流電力)を求め、さらにこの電力を電圧で除することによって有効分電流Igrを得る。これらの演算には、例えば、交流1周期分の漏れ電流Izおよび電圧信号の波形をサンプリングし、電圧信号の瞬時値と漏れ電流の瞬時値との積算値の平均を、電圧信号の瞬時値の二乗の平均の平方根で除算する。
特許第3405407号 抵抗性地絡電流の検出方法、電気設備学会誌、Vol.23、2002、No.11、 特開平15−177154号公報
前記のI0型は、充電電流が大きいときに電流Icも大きくなってしまい、また、電流Icが負荷機器の運転状態に依存して増大するため、例えばIgrが50mAに対して電流Icが数百mAに達することもあり、漏れ電流I0による絶縁低下の検出が困難となる。
その点、電圧注入のIgr型は、静電容量Cが大きくなる場合にもその影響を小さくした検出ができるが、前記のように、演算が複雑となって装置も高価となるばかりでなく、測定精度が悪いという問題がある。
また、特許文献1の方法では、電路の電圧・電流に高調波が含まれる場合にその影響を受け、検出精度を確保できない場合がある。また、電路の短絡でその電圧が低下した場合に演算処理が不安定になる。また、線間電圧と同相の位相判定信号Idを発生する手段を必要とするし、零相電流I0と位相判定信号Idのベクトル和およびベクトル差を求め、さらにそれらの絶対値演算と余弦定理による演算手段を必要とする。
同様に、特許文献2の方法では、電路の電圧・電流に高調波が含まれる場合にその影響を受け、検出精度を確保できない場合がある。また、電路の短絡でその電圧が低下した場合に演算処理が不安定になる。また、交流1周期分の漏れ電流Izおよび電圧信号の波形をサンプリングし、電圧信号の瞬時値と漏れ電流の瞬時値との積算値の平均を、電圧信号の瞬時値の二乗の平均の平方根で除算するという複雑な演算手段を必要とする。
本発明の目的は、電路の電圧・電流に高調波が含まれる場合にもその影響を受けることなく有効分電流Igrを高い精度で検出でき、さらには電路の電圧が低下した場合にも絶縁監視ができるようにした絶縁状態監視装置、および絶縁状態監視方法を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、接地線の零相電流および対地電圧の検出値をそれぞれサンプリングした1サイクル分のk個の離散値データから、それぞれディジタルフーリエ変換を行って基本波フーリエ係数を求めることで高調波の影響を回避し、これら基本波フーリエ係数から有効分電流Igrを求め、この大小判定により絶縁状態を監視するようにしたもので、以下の装置および方法を特徴とする。
(1)低圧電路の接地線に流れる零相電流のうち、電路の電圧と同相の電流成分Igrを検出し、この電流成分Igrの大小によって絶縁状態を監視する絶縁状態監視装置であって、
接地線の零相電流I0(t)と対地電圧V(t)を検出する計測手段と、
前記零相電流I0(t)と対地電圧V(t)をそれぞれディジタル値の瞬時値データに変換する変換手段と、
前記瞬時値データの1サイクル分の離散値データから、電路の基本周波数成分のディジタルフーリエ変換を行って零相電流I0(t)と対地電圧V(t)の基本周波数成分をそれぞれ抽出し、この基本周波数成分の基本波フーリエ係数からベクトルの内積演算によって有効分電流Igrを求めるディジタル演算手段と、
前記有効分電流Igrの大小から絶縁状態を判定する絶縁状態判定手段とを備えたことを特徴とする。
(2)前記零相電流I0(t)の大小から電路の絶縁状態を監視するI0型の判定手段と、
前記対地電圧V(t)が前記ディジタルフーリエ変換に適さない低レベルにあるか否かを判定する電圧判定手段と、
前記対地電圧V(t)が前記低レベルにあるときに、前記有効分電流Igrによる絶縁状態監視に代えて、前記I0型の判定手段による絶縁状態監視に切替える切替手段とを備えたことを特徴とする。
(3)前記絶縁状態判定手段は、前記有効分電流Igrの検出特性に扇形の位相特性を持って判定する手段を備えたことを特徴とする。
(4)低圧電路の接地線に流れる零相電流のうち、電路の電圧と同相の電流成分Igrを検出し、この電流成分Igrの大小によって絶縁状態を監視する絶縁状態監視方法であって、
接地線の零相電流I0(t)と対地電圧V(t)を検出し、
前記零相電流I0(t)と対地電圧V(t)をそれぞれディジタル値の瞬時値データに変換し、
前記瞬時値データの1サイクル分の離散値データから、電路の基本周波数成分のディジタルフーリエ変換を行って零相電流I0(t)と対地電圧V(t)の基本周波数成分をそれぞれ抽出し、この基本周波数成分の基本波フーリエ係数からベクトルの内積演算によって有効分電流Igrを求め、
前記有効分電流Igrの大小から絶縁状態を判定することを特徴とする。
(5)前記零相電流I0(t)の大小から電路の絶縁状態を監視しておき、
前記対地電圧V(t)が前記ディジタルフーリエ変換に適さない低レベルにあるか否かを判定し、
前記対地電圧V(t)が前記低レベルにあるときに、前記有効分電流Igrによる絶縁状態監視に代えて、前記零相電流I0(t)による絶縁状態監視に切替えることを特徴とする。
(6)前記有効分電流Igrによる絶縁状態判定は、該有効分電流Igrの検出特性に扇形の位相特性を持って判定することを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、接地線の零相電流および対地電圧の検出値をそれぞれサンプリングした1サイクル分のk個の離散値データから、それぞれディジタルフーリエ変換を行って基本波フーリエ係数を求めることで高調波の影響を回避し、これらフーリエ係数から有効分電流Igrを求め、この大小判定により絶縁状態を監視するようにしたため、以下の効果がある。
(1)零相電流I0(t)と対地電圧V(t)の基本波フーリエ係数から有効分電流Igrを求めるため、電路の電圧や電流に高調波が含まれる場合にも基本波成分のみからの有効分電流Igrの検出になって、高調波による影響を受けることがなく、高い精度による監視ができる。
(2)基本波フーリエ変換係数を用いたベクトルの内積演算による絶縁状態監視になり、電圧と電流を入力量にする電力系統の保護リレー(地絡方向継電器、距離リレー)などに容易に適用できる。
また、本発明は、対地電圧V(t)が低レベルになるときは絶縁監視をIgr型で監視するのに代えて、I0型で監視する自動切替え行うことにより、大電流が流れる低抵抗状態の地絡で対地電圧が潰れて小さくなる場合にも装置の監視機能を確保することができる。また、対地電圧の入力系に何らかの不具合が生じた際のバックアップ手段とすることができる。
また、本発明は、有効分電流Igrの検出特性に扇形の位相特性を持たせるため、接地線電流や対地電圧の検出系に位相誤差がある場合にも誤判定を防止できる。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態を示す有効分電流Igrの検出回路である。同図は、単相3線式の低圧電路に適用した場合を示し、計測部としては接地線の零相電流I0(t)と対地電圧(AN相線間電圧、BN相線間電圧、またはAB相線間電圧のいずれか1つ)V(t)を計測する。
これら零相電流I0(t)と対地電圧V(t)は、それぞれサンプルホールド回路11、12によってサンプリングし、これらサンプリング値をアナログマルチプレクサ2によって交互に取り込み、A/D変換器3によってそれぞれディジタル値の瞬時値データに変換する。
コンピュータのソフトウェア構成にされるディジタル演算部4は、瞬時値データ(離散値データ)から演算処理することで、接地線零相電流I0から対地電圧と同相の電流成分(Igr)を求める。この電流成分を求める手法として、ディジタルフーリエ展開手法を応用する。以下、ディジタル演算部4の演算手順を詳細に説明する。
ディジタル演算部4は、対地電圧V(t)と接地線電流I0(t)の1サイクル分のk個の離散値データに対して、基本周波数成分のディジタルフーリエ変換を行い、基本周波数成分を抽出する。なお、対地電圧V(t)と接地線電流I0(t)は同時タイミングでサンプリングされたものとする(これにはサンプリング周波数を十分に高くするか、マルチプレクサにおける切替タイミングのずれ分を位相補間等で補償する。もしくはサンプルホールド回路を用いる)。
このディジタルフーリエ変換には、電圧V(t)の離散値データをVn(n=0〜k−1)、電流I0(t)の離散値データをIn(n=0〜k−1)とすると、それぞれの基本波フーリエ係数は以下の演算によって求めることができる。
電圧V(t)の場合は、下記式の演算によって基本波フーリエ係数va,vbを求める。
Figure 2005227132
この2つのフーリエ係数を用いると、電圧V(t)の基本波成分Vf0(t)は下記の式で表せる。
Figure 2005227132
同様に、電流I0(t)のディジタルフーリエ変換には、下記式の演算によって基本波フーリエ係数ia,ibを求める。
Figure 2005227132
この2つのフーリエ係数を用いると、電流I0(t)の基本波成分If0(t)は下記の式で表せる。
Figure 2005227132
これらの基本波フーリエ係数va,vbおよびia,ibから、有効分電流I0・cosθ(=Igr)は、ベクトルの内積演算になる下記の演算で求めることができる。
Figure 2005227132
ディジタル演算部4に得る有効分電流Igrの大小は、判定部5によってディジタル的またはアナログ比較器により判定することにより、電路の静電容量Cの影響をうけることなく、絶縁監視装置での絶縁低下検出出力、または保護継電器の保護出力とすることができる。
以上のように、本実施形態では、電路の零相電流I0(t)と対地電圧V(t)のサンプリングデータに対して、ディジタルフーリエ変換を行って基本波フーリエ係数を求め、これらフーリエ係数から有効分電流Igrを求める。このため、電路の電圧や電流に高調波が含まれる場合にも基本波成分のみからの有効分電流Igrの検出になって、高調波による影響を受けることはない。
また、基本波フーリエ変換係数を用いたベクトルの内積演算による手法は、電圧と電流を入力量にする電力系統の保護リレー(地絡方向継電器、距離リレー)などに容易に適用できる。
なお、前記の特許文献2においては、交流1周期分の電圧および電流波形の瞬時値をサンプリングし、電圧の瞬時値と負荷電流の瞬時値との積算値の平均で電力を求められることを利用し、電力W=VIcosθの負荷電流の代わりに漏れ電流Izに置き換えた電力(漏れ電流電力)をサンプリング値から求めるために、電圧Vの各瞬時値の二乗の平均の平方根で求めるようにしている。さらに、漏れ電流による抵抗分の測定には、正弦波でない交流波にも適用できるよう、計測波形をフーリエ展開する手法が開示されるが、これはあくまでも高調波電圧、電流を抽出することを目的とするもので、本実施形態のように、直交座標系(交流を、a+jbのようなベクトル座標系に変換することを目的としたものではない。
(実施形態2)
本実施形態は、実施形態1において、電路の対地電圧がディジタルフーリエ変換に適さない低レベルにある場合にI0方式への自動切替を行う機能を付加したものであり、このための要部構成を図2に示す。
図2において、判定回路10は、図1における11、12、2〜5に相当するもので、電路対地電圧V(t)と接地線電流I0(t)を基にディジタルフーリエ変換を行って基本波フーリエ係数を求め、これらフーリエ係数から有効分電流Igr(I0・cosθ)を求め、判定基準Ki1との大小判定で絶縁低下判定出力を得る。判定回路11は、従来のI0型に相当するもので、接地線電流I0(t)から零相電流I0値が判定基準Ki2を越えたときに絶縁低下として検出する。
電圧判定回路12は、対地電圧V(t)の絶対値が判定基準Kv未満になったか否かを判定する。
論理回路要素で示す出力切替部13は、電圧判定回路12が対地電圧V(t)が判定基準Kv以上にある判定結果になるときは判定回路11の判定出力を抑止し、判定回路10の判定出力を装置出力とする。逆に、電圧判定回路12が対地電圧V(t)が判定基準Kv未満にある判定結果になるときは判定回路10の判定出力を抑止し、判定回路11の判定出力を装置出力とする。
以上の構成により、対地電圧V(t)が所定の値Kv未満になったか否かにより絶縁監視をIgr型で監視するか、I0型で監視するかの自動切替え行う。これにより、大電流が流れる低抵抗状態の地絡で対地電圧が潰れて小さくなる場合にも装置の監視機能を確保することができる。この低抵抗状態の地絡では、電路の静電容量による電流Icも小さくなり、I0型による監視にもその精度を比較的高くすることができる。
また、対地電圧の入力系に何らかの不具合が生じた際のバックアップ手段とすることができる。
なお、I0型の判定回路11は、それをディジタル処理方式とすること、すなわち図1のサンプルホールド回路11、マルチプレクサ2、A/D変換器3、ディジタル演算部4および判定部5を備えた判定回路10のそれらを利用することができる。
(実施形態3)
本実施形態は、実施形態1または2において、有効分電流Igr(I0・cosθ)の検出特性に扇形の位相特性を持って判定する。
図3はベクトル平面での位相特性を示し、電流基準方向になるX軸に対して、垂直な直線(Y軸方向)A,Bによって判定基準Kを設定し、これに加えて原点を通りY軸とは一定の角度θcをもつ直線C,Dによって扇形の位相特性をもつ動作域を設定する。
この位相特性を有して有効分電流Igr(I0・cosθ)が判定基準Kを越えたか否かの判定をすることにより、接地線電流I0の検出用変流器の位相誤差や対地電圧V(t)の検出用変成器の位相誤差、さらには絶縁監視装置がもつ位相誤差などにより、誤った判定を起こすのを防止する。
接地線電流I0等に上記の位相誤差が含まれる場合、見かけ上の充電電流成分の位相が対地電圧と直角方向で無くなる。この位相誤差をθeとすると、ベクトルIeは、
Ie=I0|cos(90°±θe)|≒I0|sin(±θe)|
で示される誤差電流を検出することになる。この誤差電流は、静電容量Cの充電電流I0に比例して発生するため、充電電流が大きい場合では検出レベルを越えてしまう(誤判定)する。
すなわち、検出用の変流器等に位相誤差が無ければ、充電電流はY軸上に存在し、直線A,B(K=|I0cosθ|)による判定で済む。しかし、位相誤差が存在して図3に示すベクトルIeのように充電電流の方向がY軸からずれた場合にも、その誤差角度θeが直線C,Dで示される位相よりも小さければ、誤判定を防止することができる。
なお、図3の直線C,Dは、原点を通る場合を示すが、図4に示すように、原点を通過しない位相特性として同様の効果を得ることができる。
また、前記までの実施形態では単相3線式の電路に適用する場合を示すが、単相2線式の電路、3相3線式の電路に適用して同等の作用効果を得ることができる。
本発明の実施形態1を示す有効分電流検出回路。 本発明の実施形態2を示すIgrとI0の自動切替回路。 本発明の実施形態3を示すベクトル平面での位相特性。 本発明の実施形態3における原点を通過しない位相特性。 従来のI0型の等価回路とベクトル図。 従来のIgr型の等価回路とベクトル図。 従来のIgr改良型の等価回路とベクトル図。 従来の漏れ電流Iz検出回路とベクトル図。
符号の説明
1,12 サンプルホールド回路
2 アナログマルチプレクサ
3 A/D変換器
4 ディジタル演算部
5 判定部
10 I0cosθによる判定回路
11 I0による判定回路
12 電流判定回路
13 出力切替部

Claims (6)

  1. 低圧電路の接地線に流れる零相電流のうち、電路の電圧と同相の電流成分Igrを検出し、この電流成分Igrの大小によって絶縁状態を監視する絶縁状態監視装置であって、
    接地線の零相電流I0(t)と対地電圧V(t)を検出する計測手段と、
    前記零相電流I0(t)と対地電圧V(t)をそれぞれディジタル値の瞬時値データに変換する変換手段と、
    前記瞬時値データの1サイクル分の離散値データから、電路の基本周波数成分のディジタルフーリエ変換を行って零相電流I0(t)と対地電圧V(t)の基本周波数成分をそれぞれ抽出し、この基本周波数成分の基本波フーリエ係数からベクトルの内積演算によって有効分電流Igrを求めるディジタル演算手段と、
    前記有効分電流Igrの大小から絶縁状態を判定する絶縁状態判定手段とを備えたことを特徴とする絶縁状態監視装置。
  2. 前記零相電流I0(t)の大小から電路の絶縁状態を監視するI0型の判定手段と、
    前記対地電圧V(t)が前記ディジタルフーリエ変換に適さない低レベルにあるか否かを判定する電圧判定手段と、
    前記対地電圧V(t)が前記低レベルにあるときに、前記有効分電流Igrによる絶縁状態監視に代えて、前記I0型の判定手段による絶縁状態監視に切替える切替手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の絶縁状態監視装置。
  3. 前記絶縁状態判定手段は、前記有効分電流Igrの検出特性に扇形の位相特性を持って判定する手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁状態監視装置。
  4. 低圧電路の接地線に流れる零相電流のうち、電路の電圧と同相の電流成分Igrを検出し、この電流成分Igrの大小によって絶縁状態を監視する絶縁状態監視方法であって、
    接地線の零相電流I0(t)と対地電圧V(t)を検出し、
    前記零相電流I0(t)と対地電圧V(t)をそれぞれディジタル値の瞬時値データに変換し、
    前記瞬時値データの1サイクル分の離散値データから、電路の基本周波数成分のディジタルフーリエ変換を行って零相電流I0(t)と対地電圧V(t)の基本周波数成分をそれぞれ抽出し、この基本周波数成分の基本波フーリエ係数からベクトルの内積演算によって有効分電流Igrを求め、
    前記有効分電流Igrの大小から絶縁状態を判定することを特徴とする絶縁状態監視方法。
  5. 前記零相電流I0(t)の大小から電路の絶縁状態を監視しておき、
    前記対地電圧V(t)が前記ディジタルフーリエ変換に適さない低レベルにあるか否かを判定し、
    前記対地電圧V(t)が前記低レベルにあるときに、前記有効分電流Igrによる絶縁状態監視に代えて、前記零相電流I0(t)による絶縁状態監視に切替えることを特徴とする請求項4に記載の絶縁状態監視方法。
  6. 前記有効分電流Igrによる絶縁状態判定は、該有効分電流Igrの検出特性に扇形の位相特性を持って判定することを特徴とする請求項4または5に記載の絶縁状態監視方法。
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