JP2011045215A - 地絡距離保護継電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明では、並行二回線送電線の回線間差電流から極性量を求め、測距演算にフェザー量を使用する際に、実用に供しうる具体的な装置構成の地絡距離保護継電装置を提供する。
【解決手段】本発明では、送電線の電流と電圧を検出する手段、検出手段の出力をアナログ−ディジタル変換する手段、変換手段の出力をフェザー量に変換する手段、フェザー量に変換された自回線と隣回線の電流を用いてその差電流を導出する手段、差電流を移相処理して得た信号を極性量として出力する極性量算出手段、極性量算出手段の出力と自回線電圧のフェザー量とから地絡事故点までの距離演算を行い地絡事故判別する演算手段とから構成する。
【効果】本発明によれば、並行二回線送電線の回線間差電流から極性量を求め、測距演算にフェザー量を使用する際に、実用に供しうる具体的な装置構成の地絡距離保護継電装置を提供することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、中性点を高抵抗で接地した並行二回線送電系統における地絡事故検出用の地絡距離保護継電装置に関し、特に極性量として回線間差電流を利用し、測距演算にフェザー量を使用する地絡距離保護継電装置に関する。
中性点を高抵抗で接地した並行二回線送電系統の地絡事故検出用の保護継電装置としては、従来から地絡方向保護継電装置が多様されている。
この方向判定による地絡検出では、隣接区間の地絡事故においても動作することから、事故区間の選択は時限協調によって行っている。この場合、地絡方向保護継電装置は負荷端より順々に遮断するために、電源端においては時限を長く設定する必要があり、電源端に近い位置に設置されている保護装置ほど事故遮断時間が遅くなるといった問題があった。
上記のような時限協調の困難な電力系統においては、区間判別性に優れた距離保護継電装置を適用することにより、事故区間の速やかな除去が可能となり、隣接区間との協調がとりやすくなる。
しかしながら、高抵抗接地送電系統に地絡距離保護継電装置を適用する場合には、いくつかの課題を解決する必要がある。それらは、中性点を高抵抗で接地しているため地絡事故時の事故電流が制限され通常の負荷潮流に対しても小さい場合があるとか、保護継電装置設置端子の電圧、電流で測距演算をするため、事故点抵抗による残り電圧が誤差要因となるといった問題である。
これらを解決する地絡距離保護継電装置の一手法として、特開2008-295144号「地絡距離継電器」が知られている。これは、並行二回線送電線の回線間差電流から極性量を求めるとともに、測距演算にフェザー量を使用することを提案している。
特開2008-295144号
公知例では、測距演算にフェザー量を使用することを提案している。ここで、提案としたのは公知例では測距演算式をフェザー量で表現したにとどまり、実際に地絡距離保護継電装置を構成するときにフェザー量を具体的にどのように使用するのか詳細な手法を開示していない。
先ほども述べたように、高抵抗接地送電系統に地絡距離保護継電装置を適用する場合には、地絡事故電流が小さいこと等から、フェザー量を使用するにしても幾つかの工夫点を必要とする。
本発明の目的は、並行二回線送電線の回線間差電流から極性量を求め、測距演算にフェザー量を使用する際に、実用に供しうる具体的な装置構成の地絡距離保護継電装置を提供することにある。
本発明では、高抵抗接地系統の並行二回線送電線に地絡事故が発生したときに事故点までの距離を演算して送電線の保護を行う地絡距離保護継電装置を実現するに当たり、
送電線の電流と電圧を検出する手段、該検出手段の出力をアナログ−ディジタル変換する手段、該変換手段の出力をフェザー量に変換する手段、フェザー量に変換された自回線と隣回線の電流を用いてその差電流を導出する手段、当該手段の差電流を用いて得た信号を極性量として出力する極性量算出手段、該極性量算出手段の出力と自回線電圧のフェザー量とから地絡事故点までの距離演算を行い地絡事故判別する演算手段とから構成する。
本発明によれば、並行二回線送電線の回線間差電流から極性量を求め、測距演算にフェザー量を使用する際に、実用に供しうる具体的な装置構成の地絡距離保護継電装置を提供することができる。
本発明の一実施例である地絡距離保護継電装置のブロック図 二相理論における第2回路電流が事故電流と同相になることを説明する図 地絡距離保護継電装置の特性図 本発明に適用される先行遮断判定ロジック
以下、本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の実施形態を示すブロック図で、特に、マイクロプロセッサ等に持たせた機能毎にブロックとして示したものである。
図1は地絡距離保護継電装置の全体構成を示している。この中で地絡事故点までの測距演算式を実行するのは地絡距離保護演算手段14である。14には複数の入力が取り込まれるが、いずれの入力も電力系統から入力された初期の段階でフェザー量変換手段111,112,113によりフェザー量とされている。
後で詳しく説明するが、フェザー量変換手段により導出されたフェザー量は、三相交流のように時系列的に規則変動する値ではなく、時系列的には一定値(周波数変動の影響を受けない)の実効値に相当する値として取り出される点に特徴を有する。かつ地絡距離保護演算手段14で必要とする加工情報(例えば極性電流算出手段13で算出した極性量)を得るについては、各種の移相操作、あるいは加減演算を行うがこれらの処理は、実効値に相当する値として求められたフェザー量を用いて行う点に本発明の特徴がある。
以下本発明について詳細に説明するが、まず地絡距離保護演算手段14で使用する極性量を求めることについて説明する。
図1には図示を省略しているが、並行2回線送電線系統の自回線電流検出器、アナログ−ディジタル変換器を介して得られるディジタル変換された自回線の三相交流電流の検出値Iがフェザー量変換手段111に加えられる。同じく、図示を省略している並行2回線送電線系統の隣回線電流検出器、アナログ−ディジタル変換器を介して得られるディジタル変換された隣回線の三相交流電流の検出値I2がフェザー量変換手段112に加えられる。
なお、フェザー量変換手段に入力され変換される電流としては、三相の各相電流のほかに零相電流も取り込まれる。
このフェザー量変換手段111、112は、各々のディジタル変換された瞬時値入力から、実部、虚部に分解したフェザー量を算出する手段であり、結果として自回線電流の実部フェザー量Re(I)、自回線電流の虚部フェザー量Im(I)、隣回線電流の実部フェザー量Re(I)、隣回線電流の虚部フェザー量Im(I)が算出される。
本発明においては、送電線電流を電流検出器、アナログ−ディジタル変換器を介してディジタル入力した直後にフェザー量へ変換してしまう。ここでフェザー量の概念について説明をしておくと、これは以下のようなものである。
Figure 2011045215
この関数は、基本角速度をω、基本周波数をfとおくと(1)式が成立する。
但しω=2πf=2π/Tである。
Figure 2011045215
ここで個々の調波成分は(2)(3)式で求めることができる。
Figure 2011045215
このフーリエ級数は連続データに対する式であり、ディジタル保護継電装置の様に、サンプリングされた離散データを扱うには、離散フーリエ変換より導かれるDFT、FFTといった演算手法が知られている。
しかしながら上記DFTはかなり膨大な演算量となる上、高速型のFFTにしても、1周期のデータ量が2のべき乗でなければならないという制約がある。高速に演算を行わなければならないディジタル保護継電装置の場合、FFT手法を使おうとすると、電気角45度(8データ)22.5度(16データ)といった特殊サンプリングとなり、あまり実用的でないので、さらに簡略化した手法が必要となる。
今、電気角30度ピッチ(1サイクル12個)のデータを考え、(2)(3)式の積分を単純にΣに置き換えて近似すると(4)(5)なる近似式が成立する。
Figure 2011045215
さらにこの式は、30度データの場合T=12であるので(6)(7)式となる。
Figure 2011045215
この数式の意味するところは、例えば基本波のみを考えるときにはa1は、交流波形gを任意時点tでサンプリングした値g(t)にcos関数で定まる係数をかけた値を30度のサンプリングの都度演算し、これを交流波形の1周期間もとめ加算したものということができる。bは同様にsin関数をかけたものである点でのみ相違する。またこのようにして求めたa1あるいはbの大きさは、交流波形の実効値に相当する大きさであるといえる。
このようにして求めたaがフェザー量の実部であり、bがフェザー量の虚部である。この式から明らかなように、(6)(7)式中には周波数に関係する項が存在しないので、事故時の周波数変動の影響を受けないデータであることが理解できる、
本発明では、サンプリング周期を30度ピッチで行うので、既存のディジタル保護継電装置のサンプリング周期を変更することなくそのままで使用できる。かつ、本来は45度とすべき周期を30度にして簡便に利用しているが、データ数の多くない(必要とする高調波次数の小さい)システムの場合、FFTとほとんど同一の性能を示すことが確認できている。少なくとも、基本波乃至第3調波の範囲では十分な精度が得られ、保護継電装置の特性として十分な性能を発揮できる。
このように、フェザー量変換手段から得られる最終出力を例えば基本波分のみで求めると、ひとつの三相交流量(例えばa相電流)に対して、実部a1と虚部bからなる2つの数値で表現することができ、これを複素数表現するとa1+jbと表すことができる。また、各実部と虚部の大きさは時系列的な変動数値ではなく、実効値に相当する値として取り出される点に特徴がある。
図1のフェザー量変換手段111、112から得られた各回線の各相の電流は、二相回路理論における第2回路電流を算出するため、差電流算出手段12へ入力される。ここでは、入力されたフェザー量の自回線電流と隣回線電流の差をとり、第2回路電流としてのフェザー量(実部フェザー量Re(I-I)、虚部フェザー量Im(I-I)とされる。
ここで、差電流算出手段12において、自回線電流と隣回線電流の差をとることの物理的意味合いについて、図2を用いて説明しておく。
図2は、本発明の適用される並行二回線送電線を二相回路理論で表現した図である。この等価回路は、6つの閉回路からなり、上から順次正相第1回路、正相第2回路、逆相第1回路、逆相第2回路、零相第1回路、零相第2回路である。
このうち、第1回路は送電線から中性点抵抗を介して大地との間で形成される回路についての等価回路であり、第2回路は平行二回線送電線の間で形成される回路についての等価回路である。図1の差電流算出手段12の演算結果は、自回線電流と隣回線電流の電流差(二回線の間で還流する電流)を求めたものであり、これが図2の第2回路の電流を意味する。
極性電流算出手段13においては、正相電流、逆相電流、零相電流を使用して極性電流として算出する。通常この極性量算出手段で行うのは、正相電流算出、逆相電流算出、零相電流算出の何れかであり、どの方式においても、同様の効果が得られる。
第2回路電流を極性電流として使用する方式の有効性は、図2に示す等価回路にて説明ができる。この回路の意味するところは先に述べたとおりであるが、以下詳細に説明する。
ここで用いる記号表記の主要な約束として、インピーダンスZに付した小文字1、2、0はそれぞれ正相、逆相、零相の成分であることをあらわす。またインピーダンスZに付した記号BA、BB、Lは、送電線A端の背後インピーダンス、B端の背後インピーダンス、送電線のインピーダンスであることを意味する。また、電流Iに付した11、12、21、22、01、02の数値のうち、上位桁の数値は正相、逆相、零相を表し、下桁の1、2は第1回路、第2回路の電流であることを意味する。
この図において、事故点抵抗をRと置きここに流れる電流Iと同位相となる極性電流を自端子の電流(図2中のCTにて検出)により求める手法は、正相第2回路、逆相第2回路、零相第2回路のいずれかを使用することで実施できる。
第1回路が使用できない理由は、図2の等価回路において正相、逆相、零相のいずれの第1回路においても各々の端子に背後インピーダンス(ZBA1,ZBB1,ZBA2,ZBB2,ZBA0,ZBB0)を有することによる。つまり、第1回路のA端子側(図の左側)と、B端子側(図の右側)では、異なる値のインピーダンスを有し、結果としてインピーダンス角が違う事から、第1回路電流については、事故電流Iが自端子回路,相手端子回路に位相差を持って分流してしまい、自端子での検出電流Iと事故電流Iは同位相とならず、極性電流として適用はできない。
一方、第2回路電流は、背後インピーダンス(ZBA1,ZBB1,ZBA2,ZBB2,ZBA0,ZBB0)のような、端子毎に違うインピーダンスはなく、あるのは線路インピーダンスZLのみである。この場合、どの事故点においても、インピーダンス角が同じとなることから、自端子回路,相手端子回路に流れる事故電流は大きさは違うものの、事故電流Iと同相となり、極性電流として使用し誤差分の影響をなくすことができる。
ここで、インピーダンス角が同じとなることについて零相第2回路を例にして説明すると、インピーダンスZL0と抵抗分RL0とリアクタンスLL0 との間には
ZL0=RL0+jωLL0
∠ZL0=tan-1(ωLL0/RL0
の関係が成立する。
このとき、左側の回路では
kZL0=k(RL0+jωLL0
∠(kZL0)=tan-1((k・ωLL0)/(k・RL0))=∠ZL0
が成立する。
また、右側回路では
(1-k)ZL0=(1-k)・(RL0+jωLL0
∠((1-k)ZL0)=tan-1(((1-k)・ωKL0)/((1-k)・RL0))
=∠ZL0
が成立しており、結果として、
∠(kZL0)=∠((1-k)ZL0
となる。この式はインピーダンス角が同じであることを意味する。
以上の説明から明らかなように、二相理論回路の第二回路電流を求める差電流算出手段12の出力を用いて、第二回路の正相電流、逆相電流あるいは、零相電流のいずれかを極性電流として使用すればよいことが理解できる。
ところで、フェザー量変換手段111、112の出力が実効値に相当する値であることは先に説明した。従って、差電流算出手段12での処理はそれぞれの実部と虚部の数値通しを加減すればよいが、極性電流算出手段13では、フェザー量としてのa相電流Ia= a1a+jb1a、b相電流Ib=a1b+jb1b、c相電流Ic=a1c+jb1cと、位相演算子aを用いて移相処理を行う必要がある。ここでは基本波で扱うこととし、逆相量Iを求めることについて、説明すると(8)式のように行えばよいことが理解できる。なお、保護継電装置の各種演算においては、内積演算を行ったり、移相処理を行ったり、最終的に大きさを求めたりすることがあるが、フェザー量を用いた演算では複素数として取り扱えばよい。
Figure 2011045215
以上述べたことからも明らかなように、本発明においては測距演算に使用する電気量は最初にフェザー量に変換し実効値に相当する値を求めておき、その後に各種加減算演算、移相処理を行う。このことが測距演算の精度を高める上で有効である。
つまり、事故電流が小さいことからこの測定自体が困難である上、測定値の僅かな位相のずれが演算結果に大きな影響を及ぼしてしまうという問題に対して、前者は電流検出器の問題として解決可能である。しかし、後者については単にフェザー量を導入するという概念のみでは不十分であり、「最初に変換しておき、各種の加減算、位相処理をその後に行う」という手順を踏んで初めて達成しえることである。極性量を演算後にこの値をフェザー量に変換したとしても、このフェザー量には事故時の周波数変動あるいは位相変動の影響がすでに含まれており、測距演算の精度を向上することができないのである。
極性電流算出手段13にて演算された極性電流Ipolは、地絡距離保護演算手段14に入力され、距離演算に使用される。地絡距離保護演算手段14には、ほかにフェザー量変換手段111より出力された、自回線電流のフェザー量と、図示から省略している自端子電圧検出器(入力変換器)、アナログ−ディジタル変換器を介して得られるディジタル変換された三相交流電圧の検出値「V」がフェザー量変換手段113に加えられたあとの結果である自端電圧のフェザー量が入力される。
この地絡距離演算手段14においては、種々の演算式で測距演算を実行可能であるが、本発明ではその一例として後述する(14)式により、フェザー量にて演算を行うことについて説明する。
まず、事故発生以前の電力系統の状態としてa相電圧Va、a相電流Ia、インピーダンスZ、零相の電流I0と電圧V0、逆相の電流I2と電圧V2、正相の電流I1と電圧V1、零相、逆相、正相回路のインピーダンスZ0、Z2、Z1を用いて表現すると、
Va=V1+V2+V0+V0m
Ia=I1+I2+I0+I0m
Z=Z1+Z2+Z0+Z0m
がそれぞれ成立する。
なお、この式で「m」は並行二回線送電線の相互誘導による零相電圧、零相電流、零相インピーダンスを意味している。
この式は、事故以前の状態で成立する式であるが、同様に事故時についてこのときの事故点までの線路インピーダンスをZfで表すとすれば
Va=V1+V2+V0+V0m
=Zf1・I1+Zf2・I2+Zf0・I0+Zf0m・I0m

が成り立つ。但し、Zf1とZf2とZf0は事故点までの線路インピーダンスの正相、逆相、零相成分である。
また地絡事故時にはZ2=Z1であることから、さらに展開すると
Va=Zf1・I1+Zf1・I2+Zf0・I0+Zf0m・I0m
=Zf1・I1+Zf1・I2+Zf1・I0-Zf1・I0+Zf0・I0+Zf0m・I0m
=Zf1(I1+I2+I0)+(Zf0-Zf1) +Zf0m・I0m
=Zf1・Ia+(Zf0-Zf1)I0+Zf0m・I0m
となる。
さらに、この式をZ=R+jXとした複素数表現で展開すると、
Va
=Rf1・Ia+(Rf0-Rf1)I0+Rf0m・Im+jXf1・Ia+(jXf0-jXf1)I0+jXf0m・Im
=Rf1・Ia+(Rf0-Rf1)I0+Rf0m・Im+ Xf1・jIa+(Xf0-Xf1)jI0+Xf0m・jIm
とも表すことができる。
次に両辺をXf1で割って式(9)を算出する。
Figure 2011045215
さらに変形してXf1について纏めると(10)となる。
Figure 2011045215
ここで系統内における各インピーダンスの比は均一であると仮定すれば系統全長のインピーダンスを使って次のように置換できる。
Rf1/Xf1=R1/X1、(Rf0-Rf1)/Xf1=(R0-R1)/X1、Rf0m・Xf1= R0m/X1、

(Xf0-Xf1)/Xf1=(Z0-Z1)/Z1、Xf0m/Xf1=X0m/X1
さらに、R1s=R1/X1、R0s=(R0-R1)/X1、R0ms=R0m/X1、
X0s=(X0-X1)/X1、X0ms=X0m/X1
を整定値とすれば式(11)で事故点までの正相リアクタンスが求まる。
Figure 2011045215
ところで、原理式(11)においては系統内における各インピーダンスの比は均一であると仮定しているが、実際には事故点抵抗や負荷インピーダンス(いずれも抵抗成分と考えられる)がある為、均一とはいえない。そのため極力抵抗成分の影響を受けないよう、故障電流に対する無効成分で演算を行う。
今、極性電流Ipolとして事故電流を考える。Ipolは中性点抵抗NGRや事故点抵抗に支配される為、ほとんど抵抗成分の量である。従ってIpolの無効分Ipol*と同位相方向の量が抵抗の影響の少ない、リアクタンスXに支配される量と考えられる。そこで分子、分母をIpol*との内積をとることで抵抗の影響を最小とする事が出来る。
式(12)はこのようにして求めた基本式である。
Figure 2011045215
本発明では式(12)を実行するわけであるが、演算の簡略化の為に
RI(t0)=RIs・Ia(t0)+R0s・I0(t0)+R0ms・I0m(t0)
XI(t0)=Ia(t0)+X0s・I0(t0)+Xoms・I0m(t0)
なる量をあらかじめ計算しておけば
Figure 2011045215
となる。
あらかじめ、各アナログ量のRe、Imをフーリエ級数により算出しておくと、内積および無効分に対する内積の定義により式(13)は式(14)のようにあらわされる。
Figure 2011045215
本発明の図1の地絡距離保護演算手段14では、この(14)式に沿って測距演算値と整定入力値により動作判定を行うわけであるが、この式中で測距演算値Re(Va)とIm(Va)は図1の自端電圧のフェザー量変換手段113の出力として求められたものである。また同じく測距演算値であるRe(Ipol)とIm(Ipol)は、極性電流算出手段13から求められたものである。
これに対し、送電線インピーダンスについての整定入力値Re(RI)とIm(RI)、Re(XI)とIm(XI)は整定値として事前に計算された数値が設定されている。なお、図示の例では自回線a相を取り上げて説明をしてきたが、同様の処理ならびに判断が自回線の他のbc相でも、あるいは隣回線についても同様に行われることはいうまでもない。
このようにすることで、真に事故時の周波数あるいは位相変動の影響を受けない測距演算を行うことができる。
尚、この地絡距離演算方式は、健全相についても動作する(測距インピーダンスが整定値以下となる)可能性があることから、リレーの不要動作を防止する目的からこの地絡距離保護継電装置の特性を図3に示すような、背後カット特性とした。これは例えば(14)式で算定したXf1の値が特定数値以上(あるいは以下)のときにのみ動作と判定するときの基準値を調整することで達成できる。
また、健全相の不要動作を防止する目的から、図1の18に示す事故相選別手段により地絡事故相を選別し、この結果と地絡距離保護演算手段14の結果に応じて、事故相選択回路19において当該事故相の結果を選択し動作出力を行う。
図1において、この事故相選別手段18は、地絡方向判定手段16と事故相選別手段17から構成されている。このうち、地絡方向判定手段16は、図示を省略している自端電圧検出器(入力変換器)、アナログ−ディジタル変換器を介して得られるディジタル変換された三相交流電圧の検出値「V」が零相電圧算出手段15に加えられ得られた結果「Vo」と、図示を省略している並行2回線送電線系統の自回線電流検出器(入力変換器)、アナログ−ディジタル変換器を介して得られるディジタル変換された自回線の零相電流の検出値「Io1」とを入力し、事故発生時の「Vo」と「Io1」との位相差から事故点が保護装置の前方方向にあることを判定し動作出力を行う。事故相選別手段17は、前述の自端子電圧「V」から各相電圧の最小電圧を測定し、三相入力のうち電圧の一番低い相を事故相として選別し出力を行う。
図4に示す先行遮断判定回路45は、地絡事故発生後に先行遮断(相手端子が先に遮断器開放指令を出力し、遮断器が開放)されると、零相循環電流がなくなることと、二相理論の並行2回線ではなくなり、第2回路が使用できなくなることが発生するための対策を行うものである。
この回路では、地絡事故を検出した過電流継電器64Vが動作して一定時間をタイマTにより計測し、その後に事故電流変化を検出する事故電流変化継電器67DLKが動作したことにより、相手端が先行遮断されたことを検出し、第2回路が使用できなくなるため、第2回路を極性量として使用している地絡距離保護継電装置14の動作出力を阻止回路46においてロックする。
これらの事故相選択回路19等を経て、最終的に地絡距離保護装置の動作出力を行う。
111,112,113・・・フェザー量変換手段、12・・・差電流算出手段、
13・・・極性電流算出手段、14・・・地絡距離保護演算手段、
15・・・零相電圧算出手段、16・・・地絡方向判定手段、
17・・・事故相選別手段、18・・・事故相選択手段、
19・・・事故相選択ロジック、

Claims (7)

  1. 高抵抗接地系統の並行2回線送電線に地絡事故が発生したときに事故点までの距離を演算して送電線の保護を行う地絡距離保護継電装置において、
    送電線の電流と電圧を検出する手段、該検出手段の出力をアナログ−ディジタル変換する手段、該変換手段の出力をフェザー量に変換する手段、フェザー量に変換された自回線と隣回線の電流を用いてその差電流を導出する手段、当該手段の差電流を用いた信号を極性量として出力する極性量算出手段、該極性量算出手段の出力と自回線電圧のフェザー量とから地絡事故点までの距離演算を行い地絡事故判別する演算手段とから構成される地絡距離保護継電装置。
  2. 第1項記載の地絡距離保護継電装置において、
    フェザー量変換手段の出力は実部と虚部についての情報を実効値に相当する値として算出されたものであることを特徴とする地絡距離保護継電装置。
  3. 第1項記載の地絡距離保護継電装置において、
    アナログ−ディジタル変換手段は送電線電圧、電流の周波数の30度間隔でサンプリングを実施し、フェザー量変換手段は30度間隔のサンプリング値を用いて実部量と虚部量を導出することを特徴とする地絡距離保護継電装置。
  4. 高抵抗接地系統の並行2回線送電線に地絡事故が発生したときに事故点までの距離を電流電圧のフェザー量を用いた測距演算により行う地絡距離保護継電装置において、
    算出したリアクタンスXにて動作する前方要素のほか、健全相の不要動作を防止するために、背後カット要素を含んだリアクタンスリレー特性を持つことを特徴とする地絡距離保護継電装置。
  5. 高抵抗接地系統の並行2回線送電線に地絡事故が発生したときに事故点までの距離を電流電圧のフェザー量を用いた測距演算により行う地絡距離保護継電装置において、
    送電線の電流と電圧を30度周期でサンプリング検出してアナログ−ディジタル変換した値を用いて、フェザー量の実部anと虚部bnを、サンプリングされる電流電圧の瞬時値g(t)、係数n、時刻tから、
    Figure 2011045215
    として求めることを特徴とする地絡距離保護継電装置。
  6. 高抵抗接地系統の並行2回線送電線に地絡事故が発生したときに事故点までの距離を演算して地絡事故相の送電線を遮断して送電線の保護を行う地絡距離保護継電装置において、
    送電線の電流と電圧を検出する手段、該検出手段の出力をアナログ−ディジタル変換する手段、該変換手段の出力をフェザー量に変換する手段、フェザー量に変換された自回線と隣回線の電流を用いてその差電流を導出する手段、当該手段の差電流を用いた信号を極性量として出力する極性量算出手段、該極性量算出手段の出力と自回線電圧のフェザー量とから地絡事故点までの距離演算を行い地絡事故判別する演算手段、前記アナログ−ディジタル変換手段の出力から地絡事故発生相を特定する地絡事故相選別手段、該地絡事故相選別手段の出力と前記演算手段の出力から地絡事故相の遮断を行う遮断手段とから構成される地絡距離保護継電装置。
  7. 高抵抗接地系統の並行2回線送電線に地絡事故が発生したときに事故点までの距離を演算して地絡事故相の送電線を遮断して送電線の保護を行う地絡距離保護継電装置において、
    送電線の電流と電圧を検出する手段、該検出手段の出力をアナログ−ディジタル変換する手段、該変換手段の出力をフェザー量に変換する手段、フェザー量に変換された自回線と隣回線の電流を用いてその差電流を導出する手段、当該手段の差電流を用いた信号を極性量として出力する極性量算出手段、該極性量算出手段の出力と自回線電圧のフェザー量とから地絡事故点までの距離演算を行い地絡事故判別する演算手段、相手端子の先行遮断を検知し、演算手段の出力を阻止する阻止手段とから構成される地絡距離保護継電装置。
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