JP2979813B2 - 距離継電器 - Google Patents

距離継電器

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JP2979813B2
JP2979813B2 JP4009564A JP956492A JP2979813B2 JP 2979813 B2 JP2979813 B2 JP 2979813B2 JP 4009564 A JP4009564 A JP 4009564A JP 956492 A JP956492 A JP 956492A JP 2979813 B2 JP2979813 B2 JP 2979813B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、三相電力系統における
(1)式で定義される第1逆相インピーダンスZga,
Zgb,Zgcまたは(2)式で定義される第2逆相イ
ンピーダンスZsa,Zsb,Zscにもとづいて上記
電力系統における事故を検出して、該系統を保護するた
めの継電器動作信号を出力するようにした距離継電器、
特に変圧器の励磁突入電流(以後、この電流を単に突入
電流ということがある。)にもとづく該継電器の誤動作
を防止する機構を備えた距離継電器において、突入電流
検出機構による突入電流の誤検出にもとづく継電器の誤
不動作を防止するようにした継電器に関する。そうし
て、ここに、(1)式は一線地絡保護用の式、(2)式
は線間短絡用の式で、また、これらの式におけるVa,
Vb,Vcは上記電力系統におけるa,b,c各相の電
圧、I0は該電力系統における零相電流、I2a,I2
b,I2cは該電力系統におけるa,b,cの各相の電
流Ia,Ib,Icのそれぞれを基準にした逆相電流、
Kg,Ksはいずれも予め求めた既知の係数である。ま
た、Vbc∠(90°)は両電圧Vb,Vc間の差の電
圧(Vb−Vc)=Vbcと同じ大きさを有しかつ位相
がVbcよりも90°だけ遅れた電圧、Vca∠(−9
0°)は両電圧Vc,Va間の差の電圧(Vc−Va)
=Vcaと同じ大きさを有しかつ位相がVcaよりも9
0°だけ遅れた電圧で、Vab∠(−90°)は両電圧
Va,Vb間の差の電圧(Va−Vb)=Vabと同じ
大きさを有しかつ位相がVabよりも90°だけ遅れた
電圧である。 Zga=Va/(2・I2a+KgI0),Zgb=Vb/(2・I2b+K gI0),Zgc=Vc/(2・I2c+KgI0)……………………(1) Zsa=Vbc∠(−90°)/{31/2 ・(2・I2a+KsI0)},Z sb=Vca∠(−90°)/{31/2 ・(2・I2b+KsI0)},Zsc =Vab∠(−90°)/{31/2 ・(2・I2c+KsI0)}……(2)
【0002】
【従来の技術】図7は従来の距離継電器1の構成構成説
明図で、図7において、2は三相電力系統3における
a,b,c各相の電圧Va,Vb,Vcを変圧するP
T、4は系統3におけるa,b,c各相の電流Ia,I
b,Icを変流するCT,5はPT2,CT4から出力
された電圧、電流をそれぞれ所定変化範囲内の電圧に変
成するようにした入力変成器で、7は変成器5の各出力
電圧対してアナログフィルタ6により雑音除去等のフィ
ルタ処理を行って得た各電圧を何れもディジタル信号と
してのそれぞれ三個の電圧信号71a,71b,71
c、電流信号72a,72b,72cに変換するAD変
換部である。そうして、ここに、電圧信号71a,71
b,71cはそれぞれ電圧Va,Vb,Vcを表す信号
であり、電流信号72a,72b,72cはそれぞれ電
流Ia,Ib,Icを表す信号で、本図においては、便
宜上、三個づつ存在するPT2,CT4をそれぞれ一個
の図記号で示しており、また変成器5、フィルタ6がそ
れぞれ出力するいずれも六個の電圧を共に一本の線で示
している。8は信号71a〜71c,72a〜72cが
入力されかつ後述の動作を行って上述した継電器動作信
号8aを出力するようにしたリレー演算処理部で、前述
の距離継電器1は電力系統3,PT2,CT4を除く図
示の各部からなる継電器である。そうして、演算処理部
8は図8に示したように構成されている。
【0003】すなわち、図8において、9は、電圧信号
71a〜71cが入力され、かつこれらの信号が表す電
圧Va,Vb,Vcを用いてこれら三個の電圧のうちの
任意の一個の電圧としての電圧Vxを基準にした逆相電
圧V2xを算出してこのV2xを表す逆相電圧信号9a
を出力する逆相電圧算出要素、10は、電流信号72a
〜72cが入力され、かつこれらの信号が表す電流I
a,Ib,Icを用いて零相電流I0を算出してこのI
0を表す零相電流信号10aを出力する零相電流算出要
素、11は、信号72a〜72cが入力され、かつこれ
らの信号が表す電流Ia〜Icを用いてIaを基準にし
た逆相電流I2a、Ibを基準にした逆相電流I2b、
Icを基準にした逆相電流I2cを算出してこれらの電
流をそれぞれ表す都合三個の逆相電流信号11a,11
b,11cを出力する逆相電流算出要素で、12は信号
11a,11b,11cのうちの任意の一個の信号とし
ての逆相電流信号11xと逆相電圧信号9aとが入力さ
れ、かつこれらの信号がそれぞれ表す逆相電流I2xと
逆相電圧V2xとを用いてV2x/I2xで定義される
逆相インピーダンスを算出して後述する逆相距離要素1
7が検出した電力系統3における事故点の方向を表す一
個の信号12aを出力する方向要素である。そうして、
13は信号10a,11a,11b,11cが入力さ
れ、かつ信号11a〜11cのそれぞれが表す逆相電流
I2a,I2b,I2cの各大きさと、これらの各電流
と信号10aが表す零相電流I0との位相差とにもとづ
いて、前記逆相距離要素17の誤動作を防止するための
都合三個の信号13a,13b,13cを出力する事故
相判定要素、14は電流信号72a〜72cと逆相電流
信号11a〜11c中の任意の一個の信号としての信号
11yとが入力され、かつ信号72a〜72cが表す電
流Ia,Ib,Icの各大きさと信号11yが表す逆相
電流I2yの大きさとにもとづき、逆相電流I2a〜I
2cに起因する前記逆相距離要素17の誤動作を防止す
るための一個の信号14aを出力する逆相過電流要素、
15は図9に構成を示したリレー本体部で、16は上述
の各出力信号12a,13a〜13c,14aとリレー
本体部15が出力する信号27a,27b,27cとが
入力されかつこれらの信号を用いて所定の論理演算を行
って前述の継電器動作信号8aを出力する論理演算部で
ある。そうして、リレー演算処理部8は上述した要素
9,10,11,12,13,14とリレー本体部15
と演算部16とで構成されている。
【0004】次に、図9について説明する。図9におい
て、17は、都合三個の電圧信号71a,71b,71
cと零相電流信号I0aと都合三個の逆相電流信号11
a,11b,11cとが入力され、かつこれらの入力信
号を用いて前述の第1逆相インピーダンスZga,Zg
b,Zgcを前述(1)式にもとづいて算出するかまた
は前述の第2逆相インピーダンスZsa,Zsb,Zs
cを前述の(2)式にもとづいて算出するかする第1演
算を行い、かつこの第1演算の都合三個の演算結果の一
個ごとにこの演算結果が図10に示したインピーダンス
図における予め定めたリレー動作円18の内にあるか否
かを判定してこの判定の結果に応じた都合三個の継電器
信号17a,17b,17cを出力する逆相距離要素
で、ここに信号17aがインピーダンスZgaまたはZ
saに対応し、信号17bがインピーダンスZgbまた
はZsbに対応し、信号17cがインピーダンスZgc
またはZscに対応した信号である。そうして、信号1
7a〜17cはこれらの各信号に対応した上記インピー
ダンスが動作円18内にあると「1」の信号値を呈し、
円18の外にあると「0」の信号値を呈するいずれも二
値信号である。19は、電圧信号71a〜71cと零相
電流信号10aと電流信号72a,72b,72cとが
入力され、かつこれらの入力信号を用いて(3)式で定
義される正相インピーダンスZ1a,Z1b,Z1cを
該(3)式にもとづいて算出する第2演算を行い、かつ
前記インピーダンスZ1a,Z1b,Z1cをそれぞれ
表す都合三個の正相インピーダンス信号19a,19
b,19cを出力する正相インピーダンス算出要素、2
0は、インピーダンス信号19a〜19cが入力され、
かつこれらの信号の各々が表す正相インピーダンスの所
定周期τ1の前後におけるリアクタンスXn,Xmとそ
れぞれ所定の第1及び第2設定値δ1,δ2とを用いて
(4)式または(5)式のいずれか一方の式としてのリ
アクタンス変化幅判定式が成立するか否かを判定する第
1判定演算を行ってこの演算の結果に応じた第1判定信
号を前記周期τ1を経過するごとに出力する動作をイン
ピーダンス信号19a,19b,19cのそれぞれごと
に行う第1判定要素で、本図における20a,20b,
20cが上記の第1判定演算によって要素20が出力す
るいずれも第1判定信号である。そうして、この場合、
信号20aが信号19aに対応し、信号20bが信号1
9bに対応し、信号20cが信号19cに対応した信号
で、これらの判定信号20a〜20cはリアクタンス変
化幅判定式が成立する場合「1」の信号値を呈し該判定
式が成立しない場合「0」の信号値を呈するいずれも二
値信号である。また、(3)式における符号Kは予め求
めた係数、上述の周期τ1は電力系統3における基本周
波数の半周期に相当した時間である。 Z1a=Va/(Ia+KI0),Z1b=Vb/(Ib+KI0),Z1c =Vc/(Ic+KI0)……………………………………………………(3) |Xm−Xn|>δ1………………………………………………………(4) |Xm|−|Xn|>δ2…………………………………………………(5)
【0005】図9において、21は各一個のオアゲート
22及びインバータ23と各三個の二入力アンドゲート
24、オンディレータイマ25、オフディレータイマ2
6及び二入力アンドゲート27とが図示のように接続さ
れてなる信号処理部で、リレー本体部15は上述の逆相
距離要素17を正相インピーダンス算出要素19と第1
判定要素20と信号処理部21とで構成されている。そ
うして、ここに、タイマ25はアンドゲート24の出力
が「1」になると所定の設定時間Tonだけ遅れて出力
を「1」にしアンドゲート24の出力が「0」になると
直ちに出力を「0」にするタイマで、タイマ26はタイ
マ25の出力が「1」になると直ちに出力を「1」にし
タイマ25の出力が「0」になると所定の設定時間To
ffだけ遅れて出力を「0」にするタイマである。27
a,27b,27cは図示したゲート27が出力する信
号である。
【0006】次にリレー本体部15が上述したように構
成されている理由を説明する。すなわち、上述したとこ
ろから明らかなように距離継電器1は(1)または
(2)式で定義される第1または第2逆相インピーダン
スにもとづいて電力系統3における事故を検出するもの
で、この事故検出方法は系統事故発生時に事故点及び負
荷に流れる正相電流の影響を受けないことが(1),
(2)式から明らかであるから、継電器1においては、
前述の動作円を大きく設定することによって一台の継電
器1で広範囲にわたって系統3の監視を行うことが通例
となっている。ところが、このように動作円18を大き
く設定すると、系統3と変圧器とを接続した時系統3に
流れる前述の突入電流Iinのために第1または第2の
逆相インピーダンスが動作円18内に入って、系統3に
事故が発生していないのに逆相距離要素17が出力する
継電器信号が「1」を呈することがあり、つまり、この
場合、要素17が電流Iinの発生によって誤動作す
る。このため、継電器1ではリレー本体部15における
正相インピーダンス算出要素19と第1判定要素20と
で電流Iinの有無を監視して、Iinを検出すると
「1」の値を有する第1判定信号を要素20から出力
し、しかる後、信号処理部21の後述の動作によって要
素17の上記誤動作による継電器信号が処理部21から
出力されないようにしている。すなわち、本体部15に
おいては、各部が上述のように構成されているので、電
流Iinが検出されない場合ゲート14は開状態にあ
り、この時系統3に事故が発生して信号17a〜17c
のうちのたとえば一個の信号としての信号17xが
「1」になるとこの信号17xに対応したゲート24の
出力信号24xが「1」になり、信号24xの「1」の
状態が時間Ton以上継続するは信号17xに対応した
アンドゲート27の出力信号27xが「1」になる。し
たがって、この場合、信号27xのこの状態は系統3に
事故が生じたことを正しく表わしているので、この信号
27が入力される図8に示した演算部16が正しい動作
をする。ところが、本体部15においてはタイマ25の
設定時間Tonが要素19及び20によってIinの発
生を確実に検出するのに要する時間よりも長く設定され
ているので、系統3にIinが生じた際継電器信号17
xが「1」になってもアンドゲート出力信号27xが
「1」になることはない。つまり、この場合、Iinに
もとづく誤信号がゲート27から出力されることが防止
されている。なお、本体部15におけるタイマ26は、
系統3に第1事故が生じてゲート出力信号27xが
「1」になった後(4)または(5)式が成立するよう
に系統3に第2事故が発生する多重事故が生じた時信号
27xが「0」に復帰するのを防止するために設けられ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】距離継電器1では本体
部15における上述の構成によって突入電流Iinに起
因する距離要素17の系統事故誤検出の結果が信号処理
部21外へ出力されないようにしているが、本体部15
においては、系統3に事故が発生した時正相インピーダ
ンスZ1a,Z1b,Z1cの少なくともひとつが急変
するため判定信号20a〜20cのうちの急変正相イン
ピーダンスに対応した信号が「1」になることがあり、
また、系統3の電圧Va〜Vc,電流Ia〜Icをそれ
ぞれ%値で定義された所定の変成精度を有するPT2,
CT4で変成した後上述の各部を介して求めた正相イン
ピーダンスZ1a〜Z1cの各リアクタンスXの測定誤
差としてのばらつきが、インピーダンスZ1a〜Z1c
の各絶対値が本来大きいため大となっていて、この結
果、電流Iinの発生がないにもかかわらず信号20a
〜20cが「1」になることがあり、いずれの場合も判
定信号20a〜20cが「1」になるとゲート24が閉
状態となる。ところが、前者の場合正相インピーダンス
の急変は系統事故にもとづくものであるため短時間のう
ちに終了する性質があり、この結果ゲート24の閉状態
も短時間のうちに開状態に復帰するので、この場合、系
統事故にもとづく継電器信号17a〜17cの処理部2
1外への出力が妨げられることはない。しかるに、後者
の場合、判定信号20a〜20cの信号値「1」の状態
は短時間のうちに「0」に復帰しないこともあるので、
このような時に系統3に事故が発生すると継電器1が誤
不動作をする。すなわち、継電器1にはインピーダンス
Z1a〜Z1cの各絶対値が大きいと要素20が突入電
流Iinの発生を誤認して継電器1が誤不動作をする恐
れがあるという問題点がある。そうして、さらに、継電
器1の場合、インピーダンスZ1a〜Z1cの各絶対値
が小さくても電流Ia〜Icに含まれる高調波等のノイ
ズのためにリアクタンスXの測定値に大きいばらつきを
生じて判定信号20a〜20cが「1」になることもあ
るので、継電器1にはこのような原因によっても該継電
器1が誤不動作をすることがあるという問題点がある。
本発明の目的は判定信号20a〜20cのうちのたとえ
ばひとつの信号20xの値が「1」になっても、正相イ
ンピーダンスZ1a〜Z1cのうちの信号20xに対応
したインピーダンスZ1xの絶対値が所定の設定値εよ
り小さくなければすべてのアンドゲート24を閉状態に
しないようにして、あるいは、信号20xの値が「1」
になりかつこの時インピーダンスZ1xの絶対値がεよ
り小さい値であっても電流Ia〜Icの少なくともひと
つに電流急変現象が認められないとすべてのゲート24
を閉状態にしないようにして、リアクタンスXのばらつ
きにもとづく要素20の電流Iinに対する誤検出が生
じても継電器1の誤不動作が生じないようにすることに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、 1)三相電力系統におけるa,b,c各相の電圧Va,
Vb,Vcを表す都合三個の電圧信号と前記三相電力系
統における零相電流I0を表す零相電流信号と前記三相
電力系統における前記各相の電流Ia,Ib,Icのそ
れぞれを基準にした逆相電流I2a,I2b,I2cを
表す都合三個の逆相電流信号とが入力され、かつこれら
の入力信号を用いて前述の(1)式で定義される第1逆
相インピーダンスZga,Zgb,Zgcを前記(1)
式にもとづいて算出するかまたは前述の(2)式で定義
される第2逆相インピーダンスZsa,Zsb,Zsc
を前記(2)式にもとづいて算出するかする第1演算を
行い、かつ都合三個の前記第1演算の結果がそれぞれイ
ンピーダンス図における所定のリレー動作円内にあるか
否かを判定してこの判定の結果に応じた都合三個の継電
器信号を出力する逆相距離要素と、すべての前記電圧信
号と前記相電流Ia,Ib,Icを表す都合三個の電流
信号と前記零相電流信号とが入力され、かつこれらの入
力信号を用いて前述の(3)式で定義される正相インピ
ーダンスZ1a,Z1b,Z1cを前記(3)式にもと
づいて算出する第2演算を行い、かつ前記正相インピー
ダンスZ1a,Z1b,Z1cのそれぞれを表す都合三
個の正相インピーダンス信号を出力する正相インピーダ
ンス算出要素と、すべての前記正相インピーダンス信号
が入力され、かつ前記正相インピーダンス信号が表す前
記正相インピーダンスの所定周期τ1の前後におけるリ
アクタンスXn,Xmとそれぞれ所定の第1及び第2設
定値δ1,δ2とを用いてそれぞれ前述の(4)式また
は(5)式としてのリアクタンス変化幅判定式が成立す
るか否かを判定する第1判定演算を行ってこの演算の結
果に応じた第1判定信号を前記周期τ1を経過するごと
に出力する動作を前記正相インピーダンス信号ごとに行
う第1判定要素と、すべての前記正相インピーダンス信
号が入力され、かつこれらの前記正相インピーダンス信
号の各々が表す前記正相インピーダンスの絶対値が所定
の第3設定値εよりも小さいか否かを判定する第2判定
演算を行ってこの演算結果に応じた第2判定信号を前記
正相インピーダンス信号ごとに出力する第2判定要素
と、それぞれすべての前記継電器信号と前記第1判定信
号と前記第2判定信号とが入力され、かつ少なくとも一
個の前記第1判定信号が前記(4)式または前記(5)
式が成立することを表す信号でしかもこの少なくとも一
個の前記第1判定信号を得た前記正相インピーダンスに
もとづく前記第2判定信号が該正相インピーダンスの絶
対値が前記第3設定値εよりも小さいことを表す信号で
あるとすべての前記継電器信号の通過を禁止する第1信
号処理部とを備え、前記第1信号処理部を通過した前記
継電器信号を継電器動作信号の生成に用いる距離継電器
であって、前記継電器動作信号は前記距離継電器が前記
三相電力系統を保護するために出力する信号であり、前
記周期τ1は前記三相電力系統における基本周波数の半
周期に相当した時間であり、前記第3設定値εは前記リ
レー動作円上の点が表すインピーダンスの絶対値の最大
値よりも大きい値であるように距離継電器を構成し、ま
た、2)上記1)項に記載の継電器において、第3設定
値εをリレー動作円上の点が表すインピーダンスの絶対
値の最大値に1より大きい係数Kzを乗じた値とし、か
つ前記係数Kzを三相電力系統における事故発生時に予
測される相電流Ia,Ib,Icの各値に応じて予め設
定するように距離継電器を構成し、また、3)上記1)
項または上記2)項のいずれかに記載の距離継電器にお
いて、第1信号処理部にかえて、それぞれすべての継電
器信号と第1及び第2判定信号と電流変化監視信号とが
入力され、かつ少なくとも一個の前記第1判定信号がそ
れぞれ前述の(4)式または(5)式が成立することを
表す信号でしかもこの少なくとも一個の前記第1判定信
号を得た正相インピーダンスにもとづく前記第2判定信
号が該正相インピーダンスの絶対値が第3設定値εより
も小さいことを表す信号であり、その上前記電流変化監
視信号が電流急変検出状態にあると、すべての前記継電
器信号の通過を禁止する第2信号処理部を設け、さら
に、すべての電流信号が入力され、かつこれらの前記電
流信号の各々が表す相電流の所定周期τ2の間の変化量
を前記周期τ2を経過するごとに測定してはこの電流変
化量が所定の第4設定値β以上であるか否かを判定する
第3判定演算を行う動作を前記電流信号ごとに行って都
合三個の前記第3判定演算の結果をまとめて表す一個の
前記電流変化監視信号を出力し、かつ前記第3判定演算
によって少なくとも一個の前記電流信号が表す前記相電
流における前記電流変化量が前記第4設定値β以上にな
ったことを検知すると所定設定時間Tsの間前記電流変
化監視信号を前記電流急変検出状態にする電流急変検出
要素を設けて、前記第2信号処理部を通過した前記継電
器信号を継電器動作信号の生成に用いるように距離継電
器を構成する。
【0009】
【作用】上述のように構成すると、第1信号処理部を備
えた距離継電器の場合、少なくとも一個の第1判定信号
が(4)式または(5)式が成立すること表す信号、換
言すれば突入電流Iinを検知したことを表す信号とな
っても、この判定信号を得た正相インピーダンスの絶対
値が設定値εより小さくなければ継電器信号が第1信号
処理部を通過することを禁止されることはないので、正
相インピーダンスの絶対値が大きいために第1判定要素
が突入電流Iinの発生ありと誤判定をすることにもと
づく距離継電器の誤不動作が生じることはない。そうし
て、また、第2信号処理部を備えた距離継電器の場合、
少なくとも一個の第1判定信号が突入電流Iinを検知
したことを表す信号となりかつこの時この判定信号を得
た正相インピーダンスの絶対値が設定値εより小さい値
であっても、すべての電流信号が各々が表す相電流のい
ずれにも電流変化量が設定値β以上である電流急変状態
が現れていなければ継電器信号が第2信号処理部を通過
することを禁止されることはないので、相電流に含まれ
る高調波等にもとづいて生じるリアクタンスXの測定値
の大きいばらつきのために第1判定要素が突入電流Ii
nの発生ありと誤判定をすることに起因する距離継電器
の誤不動作が生じることはない。
【0010】
【実施例】図1は、図2に示した構成のリレー演算処理
28を備えた本発明実施例としての図3に示した距離継
電器29の上記処理部28におけるリレー本体部30の
詳細構成図で、図1、図2、図3はそれぞれ図9、図
8、図7に対応した図面である。そうして、図3の図7
と異なるところは図7のリレー演算処理部8にかえて処
理部28が設けられていることであり、図2の図8と異
なるところは図8のリレー本体部15にかえてリレー本
体部30が設けられていることである。そうして、ま
た、図1の図9と異なるところは、すべての正相インピ
ーダンス19a,19b,19cが入力されかつこれの
信号の各々が表す正相インピーダンスの絶対値が所定の
第3の設定値εよりも小さいか否かを判定する第2判定
演算を行ってこの演算結果に応じた第2判定信号を正相
インピーダンス信号19a,19b,19cごとに出力
する第2判定要素31が設けられていることと、この要
素31が上記第2判定信号として出力する図示の信号3
1a,31b,31cと前述の第1判定信号20a,2
0b,20cとが図示のように入力されて各出力が図9
に示した信号20a,20b,20cのかわりにオアゲ
ート22に入力される都合三個の二入力アンドゲート3
2が設けられていることで、ここに、第2判定要素31
a,31b,31cは正相インピーダンス信号19a,
19b,19cのそれぞれに対応した信号であり、また
信号19a,19b,19cの各々が表す正相インピー
ダンスの絶対値が設定値εより小さいと「1」の値を呈
し前記絶対値がεより大きいと「0」の値を呈する二値
信号である。そうして、また、設定値εは逆相距離要素
17における逆相インピーダンスの大小判定に用いる前
述のリレー動作円18上の点が表すインピーダンスの絶
対値の最大値Zmよりも大きく設定した値で、また、こ
のεは電力系統3における事故発生時に予測される相電
流Ia,Ib,Icの各値に応じて予め設定した1より
大きい係数Kzを前記最大値Zmに乗じた値としても差
し支えないものである。図1における33は各一個のオ
アゲート22、インバータ23と各三個のアンドゲート
32,24及び27と各三個のタイマ25及び26とか
らなる第1信号処理部で、したがって、リレー本体部3
0はこの処理部33と都合四個の要素17,19,2
0,31とで構成されている。
【0011】距離継電器29においてはリレー本体部3
0が上述のように構成されているので、この場合、判定
信号20a〜20cのうちのたとえばひとつの信号20
xが(4)または(5)式が成立することを表す信号値
「1」を呈しても、判定要素20に入力される信号19
a〜19cが表す正相インピーダンスZ1a〜Z1cの
うちの信号20xを得た正相インピーダンスとしてのイ
ンピーダンスZ1xの絶対値が設定値εよりも小さくな
ければすべての継電器信号17a〜17cがゲート24
を通過することを禁止されないことが明らかで、したが
ってインピーダンスZ1a〜Z1cの絶対値が大きいた
めに要素20が電流Iinの発生を誤認してこの結果継
電器29の誤不動作が生じるということはない。そうし
て、また、この場合、εがZmより大きく設定されてお
り、かつ系統3の相電流Ia〜Icが異常になった時該
系統3の電流異常相における(1)または(2)式にも
とづく逆相インピーダンスの値と前記電流異常相におけ
る(3)式にもとづく正相インピーダンスの値とはほぼ
一致するのが通例であるから、電流Iinの発生時に信
号20a〜20cによって信号17a〜17cがゲート
24を通過することを阻止する本体部30の機能が、図
9の構成に要素31とゲート32とを付加したために損
なわれるということはない。
【0012】図4は、図5に示した構成のリレー演算処
理部34を備えた本発明第2実施例としての図6に示し
た距離継電器35の上記処理部34におけるリレー本体
部36の詳細構成図で、図4、図5、図6はそれぞれ図
1、図2、図3に対応した図面である。そうして、図6
の図3と異なるところは図3のリレー演算処理28にか
えて処理部34が設けられていることであり、図5の図
2と異なるところは図2のリレー本体部30にかえて本
体部36が設けられていることである。そうして、ま
た、図4の図1と異なるところは、すべての電流信号7
2a,72b,72cが入力され、かつこれらの信号7
2a,72b,72cの各々が表す相電流の所定周期τ
2の間の変化量ΔIを周期τ2を経過するごとに測定し
てはこの変化量ΔIが所定の設定値β以上であるか否か
を判定する第3判定演算を行う動作を信号72a,72
b,72cごとに行う電流変化監視部37と、前記第3
判定演算の結果として監視部37が出力するいずれも二
値信号としての都合三個の第3判定信号37a,37
b,37cが入力される三入力のオアゲート38と、こ
のゲート38の出力が「1」になると直ちに「1」の値
を呈してこの「1」の値を所定設定時間Tsの間維持し
た後値が「0」に復帰する電流変化監視信号39aを出
力するタイマ39とからなる電流急変検出要素40が設
けられていることと、図1の三個のアンドゲート32に
かえて、第1及び第2判定信号20a〜20c,31a
〜31cと監視信号39aとが図示のように入力される
都合三個の三入力アンドゲート41が設けられているこ
とで、ここに、判定信号37a,37b,37cは電流
信号72a,72b,72cのそれぞれに対応した信号
で、また、電流変化量ΔIが設定値β以上であると
「1」の値を呈しΔIがβ以上でないと「0」の値を呈
する信号である。そうして、図における42は各一個の
オアゲート22、インバータ23と各三個のアンドゲー
ト41,24及び27と各三個のタイマ25,26とか
らなる第2信号処理部で、したがって、ここではリレー
本体部36がこの処理部42と都合五個の要素17,1
9,20,31,40とで構成されている。
【0013】距離継電器35においては、リレー本体部
36が上述のように構成されているので、系統3に電流
Iinが発生して継電器17a〜17cのうちのたとえ
ば一個の信号としての信号17xの値が「1」になった
とすると、これに前後して第3判定信号37a〜37c
のうちの信号17xに対応した判定信号37xの値が
「1」になるので監視信号39aの値も「1」になる。
ところが、この場合電流Iinはやがて減衰するので一
旦上述のリレー動作円18内に入った前述の第1または
第2逆相インピーダンスはその絶対値が次第に大きくな
って遂に動作円18の外に出ることになり、この時信号
17xの値が「0」に復帰するが、上述の電流急変検出
要素40においては、信号17xの値が「0」に復帰す
る時刻よりも遅い時刻に監視信号39aの値が「0」に
復帰するようにタイマ39における設定時間Tsが設定
されている。したがって、継電器35においては、系統
3に電流Iinが生じて上述の信号17xが「1」にな
った場合、判定信号20a〜20c,31a〜31cの
それぞれにおける信号17xに対応した信号20x,3
1xが「1」になりまた監視信号39aも「1」になる
ので、信号17xの「1」の状態が第2信号処理部42
外へ出力されることはない。そうして、また、継電器3
5ではリレー本体部36が上述のように構成されている
ので、判定信号20a〜20cのうちのたとえば一個の
信号としての信号20yが電流Iinを検知したことを
表す「1」の値を呈しかつこの時正相インピーダンスZ
1a〜Z1cのうちの信号20yを得るに至ったインピ
ーダンスとしての正相インピーダンスZ1yの絶対値が
設定値εよりも小さくて判定信号31a〜31cのうち
のインピーダンスZ1yに対応した信号31yが「1」
になっていても、信号39aが「1」でなければ、換言
すれば電流信号72a〜72cの各々が表す相電流のす
べてに電流変化監視部37において測定した該相電流の
電流変化量ΔIが設定値β以上であることで定義される
電流急変状態が存在しなければアンドゲート24が閉状
態になることはないので、相電流Ia〜Ic中の高調波
等のために第1判定要素20が電流Iinの発生有りと
する第1判定信号を出力することにもとづく距離継電器
35の誤不動作が生じることはない。
【0014】
【発明の効果】上述したように、本発明においては、 1)三相電力系統におけるa,b,c各相の電圧Va,
Vb,Vcを表す都合三個の電圧信号と三相電力系統に
おける零相電流I0を表す零相電流信号と三相電力系統
における前記各相の電流Ia,Ib,Icのそれぞれを
基準にした逆相電流I2a,I2b,I2cを表す都合
三個の逆相電流信号とが入力され、かつこれらの入力信
号を用いて前述の(1)式で定義される第1逆相インピ
ーダンスZga,Zgb,Zgcをこの(1)式にもと
づいて算出するかまたは前述の(2)式で定義される第
2逆相インピーダンスZsa,Zsb,Zscをこの
(2)式にもとづいて算出するかする第1演算を行い、
かつ都合三個の第1演算の結果がそれぞれインピーダン
ス図における所定のリレー動作円内にあるか否かを判定
してこの判定の結果に応じた都合三個の継電器信号を出
力する逆相距離要素と、すべての前記電圧信号と前記相
電流Ia,Ib,Icを表す都合三個の電流信号と零相
電流信号とが入力され、かつこれらの入力信号を用いて
前述の(3)式で定義される正相インピーダンスZ1
a,Z1b,Z1cをこの(3)式にもとづいて算出す
る第2演算を行い、かつ前記正相インピーダンスZ1
a,Z1b,Z1cのそれぞれを表す都合三個の正相イ
ンピーダンス信号を出力する正相インピーダンス算出要
素と、すべての正相インピーダンス信号が入力され、か
つ正相インピーダンス信号が表す正相インピーダンスの
所定周期τ1の前後におけるリアクタンスXn,Xmと
それぞれ所定の第1及び第2設定値δ1,δ2とを用い
てそれぞれ前述の(4)式または(5)式としてのリア
クタンス変化幅判定式が成立するか否かを判定する第1
判定演算を行ってこの演算の結果に応じた第1判定信号
を前記周期τ1を経過するごとに出力する動作を正相イ
ンピーダンス信号ごとに行う第1判定要素と、すべての
正相インピーダンス信号が入力され、かつこれらの正相
インピーダンス信号の各々が表す正相インピーダンスの
絶対値が所定の第3設定値εよりも小さいのか否かを判
定する第2反転演算を行ってこの演算結果に応じた第2
判定信号を正相インピーダンス信号ごとに出力する第2
判定要素と、それぞれすべての継電器信号と第1判定信
号と第2判定信号とが入力され、かつ少なくとも一個の
第1判定信号が前記(4)式または前記(5)式が成立
することを表す信号でしかもこの少なくとも一個の第1
判定信号を得た正相インピーダンスにもとづく第2判定
信号が該正相インピーダンスの絶対値が第3設定値εよ
りも小さいことを表わす信号であるとすべての継電器信
号の通過を禁止する第1信号処理部とを備え、第1信号
処理部を通過した継電器信号を継電器動作信号の生成に
用いる距離継電器であって、継電器動作信号は距離継電
器が三相電力系統を保護するために出力する信号であ
り、周期τ1は三相電力系統における基本周波数の半周
期に相当した時間であり、第3設定値εはリレー動作円
上の点が表わすインピーダンスの絶対値の最大値よりも
大きい値であるように距離継電器を構成し、また、2)
上記1)項に記載の継電器において、第3設定値εをリ
レー動作円上の点が表わすインピーダンスの絶対値の最
大値に1より大きい係数Kzを乗じた値とし、かつ係数
Kzを三相電力系統における自己発生時に予測される相
電流Ia,Ib,Icの各値に応じて予め設定するよう
に距離継電器を構成し、また、3)上記1)項または上
記2)項のいずれかに記載の距離継電器において、第1
信号処理部にかえて、それぞれすべての継電器信号と第
1及び第2判定信号と電流変化監視信号とが入力され、
かつ少なくとも一個の第1判定信号がそれぞれ前述の
(4)式または(5)式が成立することを表わす信号で
しかもこの少なくとも一個の第1判定信号を得た正相イ
ンピーダンスにもとづく第2判定信号が該正相インピー
ダンスの絶対値が第3設定値εよりも小さいことを表わ
す信号であり、その上電流変化監視信号が電流急変検出
状態にあると、すべての継電器信号の通過を禁止する第
2信号処理部を設け、さらに、すべての電流信号が入力
され、かつこれらの電流信号の各々が表わす相電流の所
定周期τ2の間の変化量を周期τ2を経過するごとに測
定してはこの電流変化量が所定の第4設定値β以上であ
るか否かを判定する第3判定演算を行う動作を電流信号
ごとに行って都合三個の第3判定演算の結果をまとめて
表わす一個の前記電流変化監視信号を出力し、かつ第3
判定演算によって少なくとも一個の電流信号が表す相電
流における前記電流変化量が第4設定値β以上になった
ことを検知すると所定設定時間Tsの間電流変化監視信
号を電流急変検出状態にする電流急変検出要素を設け
て、第2信号処理部を通過した継電器を継電器動作信号
の生成に用いるように距離継電器を構成した。
【0015】このため、上述のように構成すると、第1
信号処理部を備えた距離継電器の場合、少なくとも一個
の第1判定信号が突入電流Iinを検知したことを表す
信号となっても、この判定信号を得た正相インピーダン
スの絶対値が設定値εより小さくなければ継電器信号が
第1信号処理部を通過することを禁止されることはない
ので、正相インピーダンスの絶対値が大きいために第1
判定要素が突入電流Iinの発生ありと誤判定をするこ
とにもとづく距離継電器の誤不動作が生じることはな
い。そうして、また、第2信号処理部を備えた距離継電
器の場合、少なくとも一個の第1判定信号が突入電流I
inを検知したことを表す信号となりかつこの時この判
定信号を得た正相インピーダンスの絶対値が設定値εよ
り小さい値であっても、すべての電流信号の各々が表す
相電流のいずれにも電流変化量が設定値β以上である電
流急変状態が現れていなければ継電器信号が第2信号処
理部を通過することを禁止されることはないので、相電
流に含まれる高調波等にもとづいて生じるリアクタンス
Xの測定値の大きいばらつきのために第1判定要素が突
入電流Iinの発生ありと誤判定をすることに起因する
距離継電器の誤不動作が生じることはない。したがっ
て、本発明には、第1または第2信号処理部のいずれを
備えた距離継電器の場合にも該継電器の信頼度が向上す
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例におけるリレー本体部の構成
【図2】本発明第1実施例における図1に示したリレー
本体部を含むリレー演算処理部の構成図
【図3】本発明第1実施例の構成図
【図4】本発明第2実施例におけるリレー本体部の構成
【図5】本発明第2実施例における図4に示したリレー
本体部を含むリレー演算処理部の構成図
【図6】本発明第2実施例の構成図
【図7】従来の距離継電器の構成説明図
【図8】図7に示したリレー演算処理部の構成図
【図9】図8に示したリレー本体部の構成図
【図10】図9における要部の動作説明図
【符号の説明】 3 三相電力系統 8a 継電器動作信号 10a 零相電流信号 11a 逆相電流信号 11b 逆相電流信号 11c 逆相電流信号 17 逆相距離要素 17a 継電器信号 17b 継電器信号 17c 継電器信号 18 リレー動作円 19 正相インピーダンス算出要素 19a 正相インピーダンス信号 19b 正相インピーダンス信号 19c 正相インピーダンス信号 20 第1判定要素 20a 第1判定信号 20b 第1判定信号 20c 第1判定信号 29 距離継電器 31 第2判定要素 31a 第2判定信号 31b 第2判定信号 31c 第2判定信号 33 第1信号処理部 35 距離継電器 39a 電流変化監視信号 40 電流急変検出要素 42 第2信号処理部 71a 電圧信号 71b 電圧信号 71c 電圧信号 72a 電流信号 72b 電流信号 72c 電流信号

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三相電力系統におけるa,b,c各相の電
    圧Va,Vb,Vcを表す都合三個の電圧信号と前記三
    相電力系統における零相電流I0 を表わす零相電流信号
    と前記三相電力系統における前記各相の電流Ia,I
    b,Icのそれぞれを基準にした逆相電流I2a, I2
    b,I2cを表す都合三個の逆相電流信号とが入力さ
    れ、かつこれらの入力信号を用いて(1)式で定義され
    る第1逆相インピーダンスZga,Zgb,Zgcを前
    記(1)式にもとづいて算出するかまたは(2)式で定
    義される第2逆相インピーダンスZsa,Zsb,Zs
    cを前記(2)式にもとづいて算出するかする第1演算
    を行い、かつ都合三個の前記第1演算の結果がそれぞれ
    インピーダンス図における所定のリレー動作円内にある
    か否かを判定してこの判定の結果に応じた都合三個の継
    電器信号を出力する逆相距離要素と、 Zga=Va/(2・I2a+KgI0),Zgb=Vb/(2・I2b+K gI0),Zgc=Vc/(2・I2c+KgI0)……………………(1) Zsa=Vbc∠(−90°)/{31/2 ・(2・I2a+KsI0)},Z sb=Vca∠(−90°)/{31/2 ・(2・I2b+KsI0)},Zsc =Vab∠(−90°)/{31/2 ・(2・I2c+KsI0)}……(2) すべての前記電圧信号と前記相電流Ia,Ib,Icを
    表す都合三個の電流信号と前記零相電流信号とが入力さ
    れ、かつこれらの入力信号を用いて(3)式で定義され
    る正相インピーダンスZ1a,Z1b,Z1cを前記
    (3)式にもとづいて算出する第2演算を行い、かつ前
    記正相インピーダンスZ1a,Z1b,Z1cのそれぞ
    れを表す都合三個の正相インピーダンス信号を出力する
    正相インピーダンス算出要素と、 Z1a=Va/(Ia+KI0),Z1b=Vb/(Ib+KI0),Z1c =Vc/(Ic+KI0)……………………………………………………(3) すべての前記正相インピーダンス信号が入力され、かつ
    前記正相インピーダンス信号が表す前記正相インピーダ
    ンスの所定周期τ1の前後におけるリアクタンスXn,
    Xmとそれぞれ所定の第1及び第2設定値δ1,δ2と
    を用いて(4)式または(5)式としてのリアクタンス
    変化幅判定式が成立するか否かを判定する第1判定演算
    を行ってこの演算の結果に応じた第1判定信号を前記周
    期τ1を経過するごとに出力する動作を前記正相インピ
    ーダンス信号ごとに行う第1判定要素と、 |Xm−Xn|>δ1………………………………………………………(4) |Xm|−|Xn|>δ2…………………………………………………(5) すべての前記正相インピーダンス信号が入力され、かつ
    これらの前記正相インピーダンス信号の各々が表す前記
    正相インピーダンスの絶対値が所定の第3設定値εより
    も小さいか否かを判定する第2判定演算を行ってこの演
    算結果に応じた第2判定信号を前記正相インピーダンス
    信号ごとに出力する第2判定要素と、 それぞれすべての前記継電器信号と前記第1判定信号と
    前記第2判定信号とが入力され、かつ少なくとも一個の
    前記第1判定信号が前記(4)式または前記(5)式が
    成立することを表す信号でしかもこの少なくとも一個の
    前記第1判定信号を得た前記正相インピーダンスにもと
    づく前記第2判定信号が該正相インピーダンスの絶対値
    が前記第3設定値εよりも小さいことを表す信号である
    とすべての前記継電器信号の通過を禁止する第1信号処
    理部とを備え、 前記第1信号処理部を通過した前記継電器信号を継電器
    動作信号の生成に用いる距離継電器であって、前記継電
    器動作信号は前記距離継電器が前記三相電力系統を保護
    するために出力する信号であり、前記周期τ1は前記三
    相電力系統における基本周波数の半周期に相当した時間
    であり、前記第3設定値εは前記リレー動作円上の点が
    表すインピーダンスの絶対値の最大値よりも大きい値で
    あり、前記符号Kg,Ks,Kはいずれも既知の係数で
    あり、前記符号Vbc∠(90°)は前記両電圧Vb,
    Vc間の差の電圧(Vb−Vc)=Vbcと同じ大きさ
    を有しかつ位相が前記電圧Vbcよりも90°だけ遅れ
    た電圧であり、前記符号Vca∠(90°)は前記両電
    圧Vc,Va間の差の電圧(Vc−Va)=Vcaと同
    じ大きさを有しかつ位相が前記電圧Vcaよりも90°
    だけ遅れた電圧であり、前記符号Vab∠(90°)は
    前記両電圧Va,Vb間の差の電圧(Va−Vb)=V
    abと同じ大きさを有しかつ位相が前記電圧Vabより
    も90°だけ遅れた電圧であることを特徴とする距離継
    電器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の継電器において、第3設
    定値εをリレー動作円上の点が表すインピーダンスの絶
    対値の最大値に1より大きい係数Kzを乗じた値とし、
    かつ前記係数Kzを三相電力系統における事故発生時に
    予測される相電流Ia,Ib,Icの各値に応じて予め
    設定することを特徴とする距離継電器。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2のいずれかに記載
    の距離継電器において、第1信号処理部にかえて、それ
    ぞれすべての継電器信号と第1及び第2判定信号と電流
    変化監視信号とが入力され、かつ少なくとも一個の前記
    第1判定信号が(4)式または(5)式が成立すること
    を表す信号でしかもこの少なくとも一個の前記第1判定
    信号を得た正相インピーダンスにもとづく前記第2判定
    信号が該正相インピーダンスの絶対値が第3設定値εよ
    りも小さいことを表す信号であり、その上前記電流変化
    監視信号が電流急変検出状態にあると、すべての前記継
    電器信号の通過を禁止する第2信号処理部を設け、さら
    に、すべての電流信号が入力され、かつこれらの前記電
    流信号の各々が表す相電流の所定周期τ2の間の変化量
    を前記周期τ2を経過するごとに測定してはこの電流変
    化量が所定の第4設定値β以上であるか否かを判定する
    第3判定演算を行う動作を前記電流信号ごとに行って都
    合三個の前記第3判定演算の結果をまとめて表す一個の
    前記電流変化監視信号を出力し、かつ前記第3判定演算
    によって少なくとも一個の前記電流信号が表す前記相電
    流における前記電流変化量が前記第4設定値β以上にな
    ったことを検知すると所定設定時間Tsの間前記電流変
    化監視信号を前記電流急変検出状態にする電流急変検出
    要素を設けて、前記第2信号処理部を通過した前記継電
    器信号を継電器動作信号の生成に用いることを特徴とす
    る距離継電器。
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