JP5438935B2 - 短絡距離継電器 - Google Patents

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Description

発明の属する技術分野
本発明は、ディジタル形の短絡距離継電器に係り、特に、オーバーリーチによる不要動作の防止を図った短絡距離継電器に関するものである。
一般に、電力系統の保護分野では、保護対象送電線の短絡事故を検出する短絡距離継電器が広く利用されている。短絡距離継電器とは、事故点までの電気的距離であるインピーダンスを算出し、その大きさに応じて事故選択を行い、遮断器に対し遮断指令を出力するものである。
ここで、ディジタル形の短絡距離継電器の従来例について説明する。短絡距離継電器には、三相交流電力系統より電圧及び電流をそれぞれ入力する方向要素及び短絡距離継電器要素が設けられている。方向要素とは、系統より入力した電圧及び電流に基づいて事故方向を識別する要素である。また、短絡距離継電器要素とは、系統より入力した電圧及び電流に基づいて、事故点までの電気的距離であるインピーダンスを算出するリアクタンス要素である。
さらに、短絡距離継電器要素は、第1段要素、第2段要素等、複数の距離要素を有している。各距離要素は、それぞれ整定インピーダンスを持っている。短絡距離継電器要素は、距離要素の整定インピーダンスと算出したインピーダンスとを比較し、その比較結果に基づいて事故時の動作判定を行い、当該動作判定により遮断器への遮断指令を出力するようになっている。
以上のような短絡距離継電器では、方向要素が動作したことを条件として、短絡距離継電器要素にて算出したインピーダンスが距離要素の整定インピーダンス以内であれば、算出インピーダンスが距離要素の動作範囲に入ったとして、当該距離要素が遮断器への遮断指令を出力する。距離要素によって判定される動作としては、第1段要素では瞬時遮断、第2段要素以降では限時遮断である。
このような短絡距離継電器は従来、主保護をバックアップする後備保護への適用が主流とされていた。しかし近年では、系統保護の信頼度や系統運用の自由度を高めることが望まれており、短絡距離継電器についても主保護として利用することが期待されている。このため、短絡距離継電器の高精度化に関しては、測距精度の向上はもとより、オーバーリーチ対策が重視されている。
ここで、オーバーリーチに関して説明する。事故相の短絡距離継電器は、負荷電流や事故点抵抗等を除けば、事故点までの電気的距離であるインピーダンスを正確に求めることができる。ところが、事故相以外の健全相の距離継電器では、整定インピーダンスに対して算出するインピーダンスがオーバーリーチあるいはアンダーリーチとなることが知られている。
インピーダンスが事故相の2倍以上であるオーバーリーチとしては、二相短絡事故時の進み相オーバーリーチが代表的である(非特許文献1参照)。すなわち、事故相の見るインピーダンスが第2段要素の動作範囲に入ったとき、本来は限時遮断として判定されるべきところを、進み相にてオーバーリーチ現象が起きたことで、インピーダンスが第1段要素の動作範囲に入ることがある。
その結果、第1段要素が瞬時遮断と判定し、正しくは不動作でなくてはならないにもかかわらず、不要動作をしてしまう。前述したように、第1段要素の動作出力は瞬時遮断なので、不要動作を防ぐことは極めて重要である。そこで従来より、短絡距離継電器においては様々なオーバーリーチ対策が取られている。
具体的には、次のようなオーバーリーチ対策を実施した技術が知られている。まず図11に示した方式では、距離要素である第1段要素SX1−ab、SX1−bc、SX1−ca及び方向要素SM−ab、SM−bc、SM−caに対し、それぞれ相電流による過電流要素51φ−a、51φ−b、51φ−cを接続して論理積回路を構成している。この方式によれば、過電流継電器の動作条件を用いることで、事故時の進み相の第1段要素SX1における不要動作出力を阻止することが可能である。
また、図12に示すように、第1段要素SX1にブラインダ要素BLを組合せることでブラインダ動作ゾーンを作る方式も広く適用されている。図12において、Oはリレー設置点、Pは電源点、Rは抵抗分、jXはリアクタンス分、Zbcは事故相であるbc相の見るインピーダンス、Zabは進み相であるab相の見るインピーダンス、Zcaは遅れ相であるca相の見るインピーダンスである(以上、非特許文献2参照)。この方式では、ブラインダ要素BLを付与することで、進み相であるab相のオーバーリーチを制限することができる。
さらに、特許文献1に記載された技術は、事故相として線間電圧の最小相を選択することによって、オーバーリーチによる不要動作を阻止している。
東京電機大学出版局発行「保護継電技術 第3章」(P252〜P254) 電気協同研究第37巻第1号「後備保護継電方式」(P41) 特開2000−125462号公報
上記のようなオーバーリーチ対策は、事故相以外の健全相における短絡距離継電器の正不動作を実現するものの、次のような課題があった。まず、図11に示した過電流継電器の動作条件を用いた方式では、重負荷系統の場合に、過電流継電器の動作感度を、常時不動作となるレベルまで上げるように整定しなくてはならない。
過電流継電器の動作感度を高めた結果、事故時における短絡距離継電器の動作検出感度が必然的に下がってしまい、事故電流と負荷電流を識別しにくくなるといった不具合を生じた。つまり、過電流継電器の動作条件を短絡距離継電器要素に組合せて使用した場合、短絡距離継電器における事故電流の検出感度は、負荷電流の大きさに依存することになる。これは、負荷電流の大きさによって、短絡距離継電器の事故検出精度が左右されることを意味するものであり、精度の安定化を図る上で望ましくない。
また、図12に示したブラインダ要素を用いたオーバーリーチ対策では、事故時のオーバーリーチ阻止のためのブラインダ要素の整定と、負荷インピーダンスを避けるための整定値に関して、両者間の運用面での協調が取り難い点が問題となっている。特に、短距離線路において事故点抵抗を考慮する場合、オーバーリーチの阻止と負荷インピーダンスの回避を両立させるような整定は非常に難しい。そのため、ブラインダ要素における最適な整定値を選定することが課題である。
また、特許文献1記載の技術では、事故相選別として線間電圧の最小相を選択しているが、2回線送電線で2回線にわたる多重事故が起きた場合を想定すると、短絡距離継電器の方向要素が不動作となるおそれがある。すなわち、多重事故が起きた場合、事故電圧が三線地絡相当であれば、各相の電圧は、ほぼ同一となるため、線間電圧の大きさには違いがなくなり、事故方向を識別する方向要素が不動作となる可能性がある。
このようなケースでは、事故相あるいは事故相に関与した相の距離要素中の第1段要素による動作判定が出力できなくなる。その結果、第2段要素による限時遮断となり、事故除去が遅れるといった事態を招くおそれがあった。そこで従来では、多重事故を慎重に検出する必要があり、事故の検出処理が複雑化していた。
以上述べたように、事故相以外の他相のオーバーリーチを阻止するために、過電流継電器の動作条件やブラインダ要素を利用した場合、系統への依存を余儀なくされてしまう。すなわち、系統条件を強く意識した整定となり、短絡距離継電器の運用に際して特別な整定を考慮する必要があった。また、従来技術では多重事故時に不動作となる可能性があるので、その改善が待たれていた。
本発明は、上記の事情に鑑みて提案されたものであり、オーバーリーチによる不要動作を防止すべく、二線短絡時あるいは二線地絡時の各相の見るインピーダンスに基づいて事故相を選択することができ、系統条件に左右されることなく、しかも多重事故時でも動作可能である、高精度で信頼性に優れた短絡距離継電器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、三相交流電力系統より電圧及び電流をそれぞれ入力し、これら電圧及び電流から事故方向を識別する方向要素と、前記電圧及び前記電流からインピーダンスを算出して距離要素の整定インピーダンスと比較し、その比較結果に基づいて事故点までの電気的な距離を判定し事故点を識別する短絡距離継電器要素とを有するディジタル形の短絡距離継電器において、次のような構成を有している。
すなわち、本発明の短絡距離継電器は、三相交流電力系統より電圧及び電流をそれぞれ入力し、これら電圧及び電流から事故方向を識別する方向要素と、前記電圧及び前記電流からインピーダンスを算出して距離要素の整定インピーダンスと比較し、その比較結果に基づいて事故点までの電気的な距離を判定し事故点を識別する短絡距離継電器要素とを有するディジタル形の短絡距離継電器において、前記方向要素動作した相のインピーダンスを求める第1の手段と、前記第1の手段にて求めたインピーダンスが最小である相を、事故相として選択する第2の手段とを備え、前記第2の手段にて選択した相のインピーダンスが、前記距離要素の整定インピーダンス以内であるときに、前記距離要素が遮断器への遮断指令を出力するように構成したことを特徴とする。
周知のように、進み相及び遅れ相の見るインピーダンスは、事故相の見るインピーダンスに対して電源点から60度方向である。このため、方向要素の動作した相の中からインピーダンスの最小相を事故相として選択することで、この事故相の見るインピーダンスの大きさは、事故相以外の他相の見るインピーダンスに比べて、1/2以下となる。
二線短絡事故時・二線地絡事故時の進み相におけるオーバーリーチとは、インピーダンスとして事故相の2倍以上の値を取る時に起きる現象なので(電源インピーダンスがゼロの時、ほぼ2倍となる)、方向要素の動作相の中からインピーダンス最小相を事故相として選択することにより、インピーダンスが他相の1/2以下である相を事故相として判定したことになり、進み相においてオーバーリーチ現象が起きることはない。すなわち、本発明によれば、オーバーリーチを確実に阻止することができ、短絡距離継電器の精度向上に寄与することができる。
また、本発明においては、各相の見るインピーダンスに基づいて事故相を判定するため、線間電圧に着目して電圧最小相を事故相とした従来例と比べて、判定要素として各相の電流を包含している。したがって、各相の電圧が等しくなる三線地絡事故に相当するような多重事故が発生した場合であっても、電流を基準としてインピーダンスの大きさを決めることができ、適切な事故選択が可能である。その結果、多重事故時でも不動作となる心配がなく、迅速な事故除去を実施することができる。
以上のような本発明によれば、二線短絡時あるいは二線地絡時の各相の見るインピーダンスに着目し、方向要素の動作した相のインピーダンスを求めて、インピーダンス最小相を事故相として選択することにより、系統への依存を無くしてオーバーリーチを阻止することができ、運用に際して特別な整定の考慮を不要として系統条件に左右されることなく、しかも多重事故時でも動作可能である、高精度・高信頼性の短絡距離継電器を提供することができる。
(1)第1の実施形態
[1−1]構成
以下、本発明に係る実施形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明による短絡距離継電器の第1の実施形態を示す機能ブロック図、図2は短絡距離継電器の特性例を示す図である。
図1に示す44S−SMab、44S−SMbc、44S−SMcaは、短絡距離継電器要素44Sの方向要素SMである。各方向要素SMは、図2に示すようなモー特性(図2の(a)に図示)、あるいは直線特性(図2の(b)に図示)で囲まれた動作範囲を有している。
短絡距離継電器要素44Sは、図2に示すようにリアクタンスで事故点までの電気的な距離を判定する距離要素SXとして、第1段要素SX1、第2段要素SX2等を持ち、これらの距離要素により事故点の識別を行っている。通常、第1段要素SX1は対向母線までの80%程度に整定され、第2段要素SX2は対向母線までの120%程度に整定されている。また、距離要素SXは方向要素SMが動作した条件で遮断器への遮断指令を出力するようになっている。
第1の実施形態の特徴は次の点にある。すなわち、図1に示すように、インピーダンスを演算する第1の手段11と、インピーダンスの最小相を選択する第2の手段12が設けられている。第1の手段11は、方向要素44S−SMab、44S−SMbc、44S−SMcaが動作すると、その動作相の見るインピーダンスZab、Zbc、Zcaを求めるようになっている。具体的には、下記の式(1)にてインピーダンスが求められる。
Figure 0005438935
第2の手段12は、第1の手段11にて得られたインピーダンスのうち、その値が最小である相を、事故相として選ぶように構成されている。さらに、第1段要素SX1は、第2の手段12にて選択した最小相のインピーダンスが、整定インピーダンス以内で第1段要素SX1の動作域にあるときに、遮断器への遮断指令を出力するようになっている。
[1−2−1]オーバーリーチ対策
続いて、図3を参照して、第1の実施形態におけるオーバーリーチ対策について説明する。図3(a)は短絡距離継電器の見るインピーダンスを説明する系統図、図3の(b)は、短絡距離継電器要素44Sの方向要素SM及び第1段要素SX1、第2段要素SX2の整定例と、前方二線短絡事故時の各相の見るインピーダンスを示している。各インピーダンスは上記(1)式から導くことができる。
図3(b)に示した例では、事故相であるbc相の見るインピーダンスZbcは、方向要素SMの動作域で、且つ第2段要素SX2の範囲である。また、遅れ相のca相の見るインピーダンスZcaは、方向要素SM及び距離要素SXの動作域外である。
これに対して、進み相であるab相の見るインピーダンスZabは、方向要素SMの動作域で、且つ第1段要素SX1の範囲に入っている。つまり、前方二線短絡事故時には、本来、第2段要素SX2の動作域であったとしても、進み相のab相は、第1段要素SX1の動作範囲内となり、第1段要素SX1の出力によって瞬時遮断するオーバーリーチ現象が生じることになる。
しかしながら、第1の実施形態では、方向要素SMの動作した相の中から、インピーダンスの最小相を事故相として選択するので、事故相bc相の見るインピーダンスの大きさ|Zbc|は、事故相bc相の見るインピーダンスに対し電源点から60度方向である進み相ab相及び遅れ相ca相の見るインピーダンスの大きさ|Zab|及び|Zca|に比べて、1/2以下となる。
上述したように、二線短絡事故時あるいは二線地絡事故時の進み相におけるオーバーリーチは、インピーダンスとして事故相の2倍以上の値を取る時に起きるので、方向要素の動作相の中からインピーダンス最小相を事故相として選択したことで、インピーダンスが他相の1/2以下である相を事故相として判定したことになり、進み相にてオーバーリーチは起きない。このように、オーバーリーチを確実に阻止することが可能である。
[1−2−2]多重事故時
続いて、本実施形態における多重事故時の動作について説明する。内外部にわたる多重事故で、前方二線地絡事故、背後一線地絡事故の時は、前方の相でのインピーダンスが最小である。したがって、多重事故時の最小インピーダンス相の選択は可能である。
さらに、追いかけ事故のときは、極性量の位相が変化するので、距離要素の算出するインピーダンスも変化すると思われるが、内部方向を向いた動作相のうちの最小インピーダンス相を事故相として扱うことで、問題が起きるおそれはなく、適切なオーバーリーチ対策を実施可能である。
図4、図5は、平行2回線の多重事故時の例を具体的に示す。図中左側の(a)が系統図、図中右側の(b)が電流・電圧ベクトル図である。図4、図5の電流・電圧ベクトル図中のIab、Ibc、Icaはそれぞれ、Iab=Ia−Ib、Ibc=Ib−Ic、Ica=Ic−Iaを示している。
図4は、中間点で第1の回線1L側にab相二線地絡事故、第2の回線2L側にc相一線地絡事故が発生したときの事故発生時の保護継電器設置点Assでの電圧・電流ベクトルを示したものである。図4の事故の場合、保護継電器設置点Assでの電圧は三線地絡相当であって、各相とも同一電圧を示している。また、保護継電器設置点Assの電流は対向端子を非電源として、各回線1L、2Lの事故点までのインピーダンスに応じた電流が流れているものとして表している。
このとき、各回線1L、2Lにおける短絡距離継電器要素44Sの見るインピーダンスの大きさは、下記の式(2)に示すように、
Figure 0005438935
となる。
ここで、保護継電器設置点Assでの電圧が等しく、|Vab|=|Vbc|=|Vca|なので、インピーダンスの大きさ|Zab|、|Zbc|、|Zca|は、電流の大きさ|Iab|、|Ibc|、|Ica|によって決まり、電流が大きいとき、インピーダンスが小さくなる。
各相の電流の大きさは、図4(b)のベクトル図に示すように、1L側はIabが最大であり、2L側はIbcまたはIcaが最大となる。したがって、1L側ではab相の見るインピーダンス|Zab|が最小となり、2L側ではbc相の見るインピーダンス|Zbc|、又はca相の見るインピーダンス|Zca|が最小となる。
また、各インピーダンスの角度は図4のベクトル図(b)から明らかなように、電圧と電流の位相差は電流遅れの60度から90度程度である。そのため、各インピーダンスの角度は、前記図3にて一点鎖線で示した線路インピーダンス角方向となり、方向要素SMは各相とも動作する。
これにより、方向要素SMが動作した相のインピーダンスの中で、1L側はab相の見るインピーダンス|Zab|が最小となり、第2の手段12は、1L側においてab相を選択する。一方、2L側では、bc相の見るインピーダンス|Zbc|、又はca相の見るインピーダンス|Zca|が最小となる。
このとき、第2の手段12は、2L側においてこれらのうちのいずれかの相、すなわちbc相又はca相を選択する。そして、第1段要素SX1は、第2の手段12にて選択した最小相のインピーダンスが、整定インピーダンス以内で第1段要素SX1の動作域にあれば、遮断器への遮断指令を出力する。
以上述べたように、第1の実施形態では、平行2回線の多重事故時であっても、第1の回線1L側ではab相の事故相そのものの距離要素SXが動作し、第2の回線2L側では事故相c相に関与した相、すなわちbc相又はca相の距離要素SXが確実に動作可能である。ただし、2L側は事故点が中間点から遠方になると、電流の大きさによっては、第1段要素は不動作となることもある。
図5は、事故点は中間点であるが、第1の回線1L側にab相二線地絡事故、第2の回線2L側にbc相二線地絡事故が発生したときの保護継電機設置点Assでの電圧・電流ベクトルを示している。つまり、図5では平行2回線の両回線に二線地絡事故が多重で発生しており、このケースでも前記図4の場合と同様、方向要素SMは全相とも動作傾向である。
図5のベクトル図にて示すように、各相の電流の大きさは、第1の回線1L側で、|Ia−Ib|>|Ib−Ic|、|Ia−Ib|>|Ic−Ia|である。各相の電圧が等しいとき、電流が大きいほどインピーダンスが小さくなるので、回線1L側ではab相の見るインピーダンス|Zab|が最も小さくなる。したがって、第2の手段12は1L側においてab相を選択する。
一方、第2の回線2L側における電流の大きさは、|Ib−Ic|>|Ia−Ib|、|Ib−Ic|>|Ic−Ia|であり、回線2L側ではbc相の見るインピーダンス|Zbc|が最も小さくなる。つまり、第2の手段12は2L側においてbc相を選択する。
そして、第1段要素SX1は、第2の手段12にて選択した最小相のインピーダンスが、整定インピーダンス以内で第1段要素SX1の動作域にあるとき、遮断器への遮断指令を出力する。すなわち、図5に示したような、平行2回線の両回線に二線地絡事故が多重で発生した時であっても、当該回線に発生している事故相のab相、bc相に応じた距離要素SXが確実に動作して、遮断器に対し遮断指令を出すことが可能である。
このように、第1の実施形態では、多重事故時でも事故相あるいは事故相に関与した相の距離要素が適切に動作するため、正しく遮断指令を出すことが可能である。なお、第1の実施形態においては、方向要素SMの動作した相のインピーダンスを求め、このインピーダンス最小相を求めることが重要であって、この最小相を求める方法はどのような方法を使用しても良い。
例えば、インピーダンス最小相は、次のように比較することで、選択することが可能である。
(ア)|Zab|−|Zbc|>0で、|Zbc|−|Zca|<0のとき、bc相が最小相
(イ)|Zab|−|Zbc|>0で、|Zbc|−|Zca|>0のとき、ca相が最小相
(ウ)|Zab|−|Zbc|<0で、|Zab|−|Zca|<0のとき、ab相が最小相
(エ)|Zab|−|Zbc|<0で、|Zab|−|Zca|>0のとき、ca相が最小相
(オ)|Zab|−|Zca|>0で、|Zbc|−|Zca|<0のとき、bc相が最小相
(カ)|Zab|−|Zca|<0で、|Zbc|−|Zca|>0のとき、ab相が最小相
[1−3]作用効果
以上述べたように、第1の実施形態によれば、第1の手段11にて方向要素SMの動作した相のインピーダンスを求めると共に、第2の手段12にてインピーダンス最小相を事故相として選択することによって、オーバーリーチを確実に阻止することができる。しかも、過電流継電器の動作条件やブラインダ要素を利用したオーバーリーチ対策と異なり、系統に依存することがない。そのため、運用時に系統条件を意識した特別な整定が不要であり、優れた信頼性を獲得することが可能である。
さらに、インピーダンス最小相に注目して事故相を選択する本実施形態にあっては、電圧最小相にて事故相の選択を実施する従来例と比べて、判定要素として電流も利用するので、判定動作の確実性は、いっそう高くなり、多重事故時でも不動作の心配がなく、優れた信頼性を獲得することができる。
なお、第1の実施形態では、方向要素SMが動作した相のインピーダンスを求めるように記載しているが、事故時に三相のインピーダンスを全て求めておき、方向要素SMが動作した相のインピーダンスを選び、この中からインピーダンス最小相を選択する方法でも、同様の作用効果を得ることができる。また、インピーダンス最小相のインピーダンスが距離要素の動作域にあるかどうかを判定する手法は、従来の距離継電器における距離要素の動作判定と同じ手法でよく、良く知られているため、ここでは説明は省略する。
(2)第2の実施形態
[2−1]構成
次に、第2の実施形態について図6の機能ブロック図を用いて説明する。図6中に示すように、方向要素44S−SMab、44S−SMbc、44S−SMcaと、距離要素である第1段要素SX1−ab、SX1−bc、SX1−caとはアンド構成であって、従来の短絡距離継電器にて用いられるロジックと同様である。図中の(イ)はアンド構成の出力である。
第2の実施形態は、図6中のアンド構成に対して事故相選択回路13をさらにアンド構成で組み込み、この事故相選択回路13の選択結果に基づいて、第1段要素SX1における出力が、有効か無効かを決定するようにした点に特徴がある。
事故相選択回路13は、図1に示した前記第1の実施形態の構成と同じく、方向要素44S−SMab、44S−SMbc、44S−SMcaと、インピーダンスを演算する第1の手段11と、インピーダンスの最小相を選択する第2の手段12を備えた回路である。
すなわち、事故相選択回路13は、方向要素SMの動作した相のインピーダンス最小相を求める回路であって、この事故相選択回路13の出力が各相に対応して、各相の距離要素SXではアンド構成の出力(イ)を有効とするように構成されている。
具体的には、方向要素SMが動作した相の中でインピーダンスの最小相がab相であれば、事故相選択回路13中の第2の手段12がab相を選択し、このとき、出力(イ)においてab相の出力を有効にするようになっている。なお、図6では距離要素SXとして第1段要素SX1のみを図示したが、実際には距離要素SXとして第2段要素や第3段要素など、他の要素も実装している。
[2−2]作用効果
上述した第2の実施形態では、第1及び第2の手段11、12を備えた事故相選択回路13によって、方向要素SMの動作した相のインピーダンスを求め、インピーダンス最小相を事故相として選択する。そして、事故相選択回路14にて選択した相に対応する相の第1段要素SX1に関して、その出力を有効とする。
これにより、進み相のオーバーリーチを阻止するための正しい距離要素SXの判定を、活かすことができる。しかも、第2の実施形態においては、既存の短絡距離継電器に事故相選択回路13を組み込むだけで上記の作用効果を得ることができるため、低コストで信頼性の向上を図ることが可能である。
(3)第3の実施形態
[3−1]構成
続いて、第3の実施形態について、図7の機能ブロック図を用いて説明する。第3の実施形態において、アンド構成の出力(イ)及び事故相選択回路13に関しては、図6に示したものと同一である。
第3の実施形態は、事故相として選択されるインピーダンス最小相の出力を用いて、進み相における距離要素SXの出力を阻止するように構成された点に特徴があり、具体的には図7に示すように、事故相選択回路13の出力に、ノット回路14を設けている。
このような回路構成では、例えば、方向要素SMが動作した相の中でインピーダンス最小相がbc相である場合、事故相選択回路14はbc相を選択するので、ノット回路14の働きにより、bc相の進み相であるab相の距離要素の出力を阻止するようになっている。また、事故相選択回路13の選択するインピーダンス最小相がca相の場合には、ノット回路14の働きによりbc相の出力を阻止するようになっている。
[3−2]作用効果
先に述べた図3に示したように、事故相に対して進み相側の短絡距離継電器がオーバーリーチしやすいことが知られている。そこで、第3の実施形態では、事故相選択回路13において、方向要素SMの動作した相のうちのインピーダンス最小相を選択した場合に、ノット回路14を用いて、このインピーダンス最小相の進み相側の距離要素SXの出力を回路的に阻止している。その結果、より積極的な進み相オーバーリーチ対策をとることができる。
(4)第4の実施形態
[4−1]構成
さらに、第4の実施形態について、図8を用いて説明する。第4の実施形態の構成上の特徴は、上記第1の実施形態における第1及び第2の手段11、12に代えて、インピーダンスのうちの抵抗分(R分)を求める抵抗分演算手段16と、抵抗分演算手段16にて求めた抵抗分(R分)の最小相を選択する抵抗最小相選択手段17が設けられた点にある。
抵抗分演算手段16は、方向要素44S−SMab、44S−SMbc、44S−SMcaが動作すると、その動作相の見るインピーダンスのうちの抵抗分(R分)を求めるようになっている。R分の算出はVとIの位相差をθとすると、下記の式(3)にて求めることができる。
Figure 0005438935
[4−2]作用効果
短絡距離継電器の見るインピーダンスのうち、進み相や遅れ相の見るインピーダンスは、事故相に比べて抵抗分(R分)が大きい(前記図3を参照)。そこで第4の実施形態では、インピーダンスのうちの抵抗分(R分)に着目して、抵抗分(R分)の最小相を事故相として選択するように構成している。これにより、インピーダンス最小相を選択した場合と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、整定上、系統条件を意識することなく、オーバーリーチを確実に阻止することが可能である。
なお、抵抗分(R分)を求める方法は様々であって、適宜選択可能であり、本実施形態の趣旨は、あくまでも、抵抗分(R分)の最小相を選択し、その相の距離要素の出力を有効とすることにある。したがって、事故時に三相の抵抗分(R分)を全て求めておき、方向要素SMが動作した相の抵抗分(R分)を選び、この中から抵抗分(R分)を選択するようにしてもよい。
(5)第5の実施形態
[5−1]構成
次に、第5の実施形態について、図9を参照して具体的に説明する。第5の実施形態は、短絡事故の発生した相の相名を表示する表示手段が設けられた短絡距離継電器に関するものである。第5の実施形態では、二相短絡事故と三相短絡事故とを、事故の実態に対応して正確に表示するようにしたものであり、多重事故時での動作確実性に優れた本発明の適用が非常に有効である。
図9において、アンド回路13と事故相選択回路14は、図6に示した第2の実施形態のそれと同じである。図9中、符号15は事故相を相名で表示する表示装置、符号18は三相のアンドを取る三相アンド回路、符号19は三相ではないということを示す三相ノット回路を示している。また、図9中の(ニ)は、三相アンド回路18の出力である。
すなわち、第5の実施形態では、前記図6に示した第2の実施形態に対して三相アンド回路18及び三相ノット回路19を付加し、表示装置15において、各相の方向要素SMのうち動作した相が二相以下である場合には二相短絡事故として事故相選択回路13にて選択した相を表示し、各相の方向要素SMのうち動作した相が三相あり、且つ距離要素SXが三相とも揃って動作している場合には三相短絡事故として、abc相を事故相として表示するようになっている。
[5−2]作用効果
従来技術において短絡事故表示用の表示装置15を設けた場合、遮断器に対し遮断指令を出力した相を事故相とするのが一般的であるが、この場合、事故相の選択が行われて遮断指令を出力すると、三相短絡事故であっても、二相短絡事故と表示されていた。
そこで、第5の実施形態では、方向要素SMと第1段要素SX1とのアンド構成の出力(イ)に対し、三相アンド構成を加え、さらにその出力(ニ)にノット構成を付与することにより、二相短絡事故と三相短絡事故との場合分けを行い、表示装置15において二相短絡事故と三相短絡事故を別々に表示することが可能としている。
このような第5の実施形態によれば、三相短絡事故であっても二相短絡事故と表示されるといった不都合を解消することができる。しかも、本実施形態では、多重事故時でも確実な動作が保証されている事故相選択回路14を利用しているので、事故判定の信頼性が高く、二相短絡事故と三相短絡事故とを的確に運用者に報知することが可能である。
(6)第6の実施形態
[6−1]構成
続いて、第6の実施形態について、図10を用いて説明する。なお、図10において、事故相選択回路13、表示装置15、三相アンド回路18、三相ノット回路19は、図9に示した第6の実施形態のそれと同じである。
第6の実施形態は、上記第5の実施形態と同じく、短絡事故の発生した相の相名を表示する表示装置15を有する短絡距離継電器であって、三相事故を判定する専用の三相事故判定回路20を備えた点に特徴がある。三相事故判定回路20は、三相アンド回路18にて三相動作の条件が出力されると、事故相選択回路13に含まれる第1の手段11より各相のインピーダンスを取り込み、三相事故と判定するようになっている。このとき、三相判定の方法はいろいろ方法があり、適宜採用することができる。
例えば、下記の式(4)に示すように、各相を加算したインピーダンスに係数を掛けて、次に示すような比較を行い、三相のインピーダンスの差分が全て所定値以下の場合に三相短絡事故であると判定するようにしてもよい。
Figure 0005438935
また、三相判定の方法として、各相インピーダンスの平均値を取り、この平均値に対し各相のインピーダンスの差分が所定値以下のとき3相事故と判定する方法を用いてもよい。
[6−2]作用効果
以上のような第6の実施形態によれば、上記第5の実施形態の持つ作用効果に加え、三相事故判定回路20を設置したことで、三相短絡事故の判定動作に関して、いっそう確実性を高めることができる。
(7)他の実施形態
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、各要素の整定は適宜設定可能であり、上記実施形態をいくつか組み合わせて実施することもできる。例えば、第4の実施形態の構成を、前記第2及び第3の実施形態における事故相選択回路13として採用することも可能である。
本発明に係る第1の実施形態の機能ブロック構成図。 (a)、(b)共に短絡距離継電器の特性例を示す図。 (a)が第1の実施形態の系統図、(b)が第1の実施形態における整定例と、前方二線短絡事故時の各相の見るインピーダンスを示す図。 平行2回線の多重事故時の例であって、(a)が系統図、(b)が電流・電圧ベクトル図。 平行2回線の多重事故時の例であって、(a)が系統図、(b)が電流・電圧ベクトル図。 本発明に係る第2の実施形態の機能ブロック構成図。 本発明に係る第3の実施形態の機能ブロック構成図。 本発明に係る第4の実施形態の機能ブロック構成図。 本発明に係る第5の実施形態の機能ブロック構成図。 本発明に係る第6の実施形態の機能ブロック構成図。 過電流継電器によるオーバーリーチ対策を説明するための説明図。 ブラインダ要素によるオーバーリーチ対策を説明するための説明図。
符号の説明
11…第1の手段
12…第2の手段
13…事故相選択回路
14…ノット回路
15…表示装置
16…抵抗分演算手段
17…抵抗最小相選択手段
18…三相アンド回路
19…三相ノット回路
20…三相事故判定回路

Claims (7)

  1. 三相交流電力系統より電圧及び電流をそれぞれ入力し、これら電圧及び電流から事故方向を識別する方向要素と、前記電圧及び前記電流からインピーダンスを算出して距離要素の整定インピーダンスと比較し、その比較結果に基づいて事故点までの電気的な距離を判定し事故点を識別する短絡距離継電器要素とを有するディジタル形の短絡距離継電器において、
    前記方向要素動作した相のインピーダンスを求める第1の手段と、
    前記第1の手段にて求めたインピーダンスのうち、インピーダンスが最小である相を、事故相として選択する第2の手段とを備え、
    前記第2の手段にて選択した相のインピーダンスが、前記距離要素の整定インピーダンス以内であるときに、前記距離要素が遮断器への遮断指令を出力するように構成したことを特徴とする短絡距離継電器。
  2. 三相交流電力系統より電圧及び電流をそれぞれ入力し、これら電圧及び電流から事故方向を識別する方向要素と、前記電圧及び前記電流からインピーダンスを算出して距離要素の整定インピーダンスと比較し、その比較結果に基づいて事故点までの電気的な距離を判定し事故点を識別する短絡距離継電器要素とを有するディジタル形の短絡距離継電器において、
    前記方向要素動作した相のインピーダンスを求める第1の手段と、
    前記第1の手段にて求めたインピーダンスのうち、インピーダンスが最小である相を、事故相として選択する第2の手段とを備え、
    前記第2の手段にて選択した相に対応する相の前記距離要素に関して、その出力を有効とするように構成したことを特徴とする短絡距離継電器。
  3. 三相交流電力系統より電圧及び電流をそれぞれ入力し、これら電圧及び電流から事故方向を識別する方向要素と、前記電圧及び前記電流からインピーダンスを算出して距離要素の整定インピーダンスと比較し、その比較結果に基づいて事故点までの電気的な距離を判定し事故点を識別する短絡距離継電器要素とを有するディジタル形の短絡距離継電器において、
    前記方向要素動作した相のインピーダンスを求める第1の手段と、
    前記第1の手段にて求めたインピーダンスのうち、インピーダンスが最小である相を、事故相として選択する第2の手段とを備え、
    前記第2の手段にて選択した相の出力を用いて、進み相における前記距離要素の出力を阻止するように構成したことを特徴とする短絡距離継電器。
  4. 前記第1の手段は、前記方向要素のうち動作した相についてインピーダンスのうちの抵抗分を求めるように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の短絡距離継電器。
  5. 前記第1の手段は、各相のインピーダンスを算出し、その中から前記方向要素が動作した相のインピーダンスを選択することにより、方向要素の動作した相のインピーダンスを求めるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の短絡距離継電器。
  6. 短絡事故の相名を表示するための表示手段を備え、
    前記表示手段は、各相の前記方向要素のうち動作した相が二相以下である場合には前記第2の手段にて選択した相を二相短絡事故として表示し、各相の前記方向要素のうち動作した相が三相あり、前記距離要素が三相とも動作している場合には三相短絡事故として表示するように構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の短絡距離継電器。
  7. 短絡事故の相名を表示するための表示手段を備え、
    前記表示手段は、各相の前記方向要素のうち動作した相が二相以下である場合には前記第2の手段にて選択した相を二相短絡事故として表示し、各相の前記方向要素のうち動作した相が三相あり、この時の三相のインピーダンスの差分が全て所定値以下の場合には三相短絡事故として表示するように構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の短絡距離継電器。
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