JP5063171B2 - 距離継電装置 - Google Patents

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この発明は、送電線の事故点までの距離に応じて送電線を保護する距離継電装置に関
し、特に事故相以外の健全相距離リレーの進み相オーバーリーチによる不要応動対策を講じた距離継電装置に関するものである。
信頼性の高い安定した電力供給が要求される電力系統の運用において距離継電装置は、一般に、距離リレー(短絡距離リレー、地絡距離リレー)を主要素とし、過電流リレーや不足電圧リレーを従要素とし、それらを組み合わせて電力系統の送電線を保護する機能を持たせている。
ここで、距離継電装置が適用される電力系統には、大きく分けて、直接接地系と高抵抗接地系とがある。短絡距離リレーは、接地方式に関わらず、3相短絡、3相地絡、2相短絡および2相地絡事故時に、ほぼ正確に故障相のインピーダンスを見ることができるが、2相を1組としているので1相地絡事故時は距離測定ができない。一方、地絡距離リレーは、3相短絡、3相地絡および直接接地系の1相地絡事故時に、ほぼ正確に故障相のインピーダンスを見ることができる。そのため、直接接地系では、1相地絡事故に備えて、1相毎に事故有無を判断できる地絡距離リレーが適用される。
我が国での電力系統は、高抵抗接地系が多いので、ここでは、3相および2相の短絡事故などに対応する短絡距離リレーを中心に説明することとし、直接接地系の1相地絡事故に対応する地絡距離リレーは、特徴ある部分について説明する。
距離リレーの事故検出の原理は、距離リレーの設置点にて導入される送電線の電圧を電流で除すことで事故点までのインピーダンスを算出し、算出されたインピーダンス値が、距離リレーの動作責務となるインピーダンス値以下であれば動作出力(遮断指令出力)を行い、動作責務となるインピーダンス値を超えていれば動作出力(遮断指令出力)を行わないとするものである。
一般に、距離継電装置に用いる距離リレーの事故検出特性は、事故点までの距離測定(以降、「測距」という)機能を要求するリアクタンスリレーと、事故点の方向判定機能を要求するモーリレーとを論理積(AND)で組み合わせて実現している場合が多い。
距離継電装置は、送電線路に定めた保護範囲の一端側に距離リレーを相毎に配置して保護範囲内での事故検出を行うが、保護協調の考え方から、保護範囲の他端側(相手端)での事故に対してはリアクタンスリレーでは測距しない整定としている。換言すれば、リアクタンスリレーは、例えば、相手端側の80%〜90%程度までの保護区間送電線の区間での測距を行う整定としている。
そのため、相手端など保護範囲外の事故に対しては、事故発生相に設けたリアクタンスリレーは応動しないが、事故相以外の健全相に設けたリアクタンスリレーが応動する場合がある。特に、事故相に対して進み位相となる健全相側のリアクタンスリレーが動作領域と見てしまう不要応動現象が起こる場合がある。これを距離リレーの進み相オーバーリーチと称して、従来から種々の不要応動対策が採られている。ここでは、非特許文献1に示されている2つの対策例(対策例1,2)と特許文献1に示されている対策例(対策例3)とを示す。
対策例1は、非特許文献1の第3−2−10図に示すように、ab相、bc相、ca相それぞれの短絡距離リレーを、リアクタンスリレーおよび方向リレー(モーリレー)に対して過電流リレーを並直列に設け、AND回路にてそれらの論理積を取り、ab相、bc相、ca相のいずれか1つのAND回路にて出力を論理値“1”にするAND条件が成立したときにOR回路から遮断指令を出力するように構成するものである。
この対策例1によれば、bc相2相の短絡事故時の例で言えば、整定値以遠で発生したbc相2相短絡事故時に、健全相のab相リアクタンスリレーがオーバーリーチ動作しても事故電流は流れないので、a相過電流リレーは動作しない。したがって、AND回路ではAND条件が成立せず、OR回路から遮断指令が出力されるような不要応動はしない。
対策例2は、非特許文献1の第3−2−11図に示すように、対策例1における過電流リレーに代えて抵抗成分方向の動作域を狭めるブライダルリレーを用いた構成である。この対策例2によれば、ブライダルリレーのブラインダ特性によって不要応動の動作域である抵抗成分方向の動作域がカットされて狭められるので、距離継電装置として総合的に不要応動が発生しないようになる。
また、対策例3は、特許文献1の第1図に示すように、方向要素検出部と、リアクタンス要素検出部と、各2相のそれぞれに設けた3つの測距インピーダンス要素検出部と、3つの測距インピーダンス要素検出部の各出力の絶対値を演算して大小関係を比較し、絶対値が最小になる相のみを出力する最小インピーダンス検出回路とを備えた短絡距離リレーであって、方向要素検出部、リアクタンス要素検出部および最小インピーダンス検出回路の各出力のANDを取ることで、オーバーリーチした進み健全相からの出力を無効にするようにしたものである。
特開平3−52514号公報 "電気協同研究"第37巻第1号(3−2−3節 事故相以外のリレー不要応動)、(社)電気協同研究会、昭和56年6月5日 "保護リレーシステム工学"編集兼発行者:櫛間良弘、(社)電気学会、2002年3月15日、初版
しかしながら、対策例1,2では、付加する過電流リレーやブライダルリレーの設備費用や運用保守費用が増大するだけでなく、以下に説明するように、検出値や動作域を決定する整定値の協調検討や管理維持の業務が煩雑になるという問題がある。
すなわち、対策例1では、bc相2相短絡事故時の例で言えば、進み健全相であるab相に負荷電流が流れ、系統の負荷が大きい場合は、a相の過電流リレーが動作する可能性がある。特に、長距離送電線では、インピーダンス値が大きくなり事故電流が小さくなるので、この事故相電流を検出する過電流リレーの整定値を低くして高感度設定にする必要がある。そのため、事故相電流に対して各相の過電流リレーの整定値を決める際に、b相とc相は検出させ、a相は検出させない整定値を選ぶ必要がある。しかし、系統によっては、この事故相電流と負荷電流とを明確に区別する整定値を決定することは困難な場合があり、過電流リレーによるオーバーリーチ対策には限界がある。
また、アーク抵抗を伴う事故は、抵抗分に見えるので、距離リレーの特性を示す横軸(R軸)方向の動作域は、極力大きく整定してアーク抵抗検出能力を向上する必要がある。しかし、対策例2では、事故点抵抗を検出する能力がブライダルリレーの整定値で制限されるので、保護区間内でアーク抵抗を伴った事故に対しては、距離継電装置としての事故検出能力が低下するという問題がある。
一方、対策例3は、進み相オーバーリーチに対して過電流リレーやブライダルリレーを付加する必要がないので、上記した対策例1,2の問題点を改善したものと言えるが、3相短絡事故や3相地絡事故が発生した場合、遮断指令の信頼度が低下するのに加えて、遮断指令を出力した事故相の特定ができないという問題とがある。
すなわち、距離リレーが保護すべき整定値内の3相事故に対して、対策例3では、3つの測距インピーダンス検出部は、整定値内の3相に事故有りと判定しても、電力系統自体の系統定数のアンバランス、取り込む各相電圧および各相電流の変換器類による誤差、3つのインピーダンス値を演算する過程での演算誤差のために、3つの測距インピーダンス検出部がそれぞれ検出したインピーダンス値が全く同じ値になる保証は無く、バラツキが生じる。
これに対して、最小インピーダンス検出回路では、最小値を示す相だけが選択されるので、3相事故であっても単相事故と判断される。その結果、3相分の遮断指令を並列して出力すべき事故に対して、1相のみの遮断指令しか出力されなくなり、遮断指令の信頼度が低下する。
また、距離継電装置の動作相表示は、遮断指令の出力された相を表示することが一般的である。しかし、対策例3では、3相事故であるにも関わらず、最小インピーダンスと判定された1相の事故として表示されるので、事故相の特定ができない。つまり、事故相の誤判断を引き起こすので、系統の復旧作業や保守運用上、問題である。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、事故相電流値が電力系統や事故点によって大幅に変わっても、またアーク抵抗を伴った事故であっても、それらの影響を受けることなく、事故相以外の健全相距離リレーの進み相オーバーリーチによる不要応動を防止することができ、かつ、3相事故に対する遮断指令の高信頼度化および事故相表示の正確な判定を可能にする距離継電装置を得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、この発明は、電力系統のインピーダンス値に応じて当該電力系統の短絡事故を検出する短絡距離リレーを備える距離継電装置において、前記短絡距離リレーは、設置点の各2相間のインピーダンス値を電力系統の対応する2相から得られた電圧および電流に関する電気量を用いて算出するインピーダンス演算手段と、前記インピーダンス演算手段が算出した各2相間のインピーダンス演算値と予め定めた整定値とを比較して各2相間のインピーダンス演算値が動作責務範囲内の値であるか否かの距離判定を行う距離判定手段と、前記インピーダンス演算手段が算出した各2相間のインピーダンス演算値を相互比較して最小相を判定する最小相判定手段と、前記インピーダンス演算手段が算出した各2相間のインピーダンス演算値を相互比較して全てが等しいと見なせる許容範囲内か否かを判定する全相等価判定手段と、前記距離判定手段が判定した2相と前記最小相判定手段が判定した2相とが同一相である場合に、または、前記距離判定手段が全ての相を動作責務範囲と判定し、かつ前記全相等価判定手段が全てのインピーダンス演算値が前記許容範囲内にあると判定した場合に、動作出力を行う動作出力判定手段とを備えていることを特徴とする。
この発明によれば、各2相間のインピーダンス演算値と整定値とを大小比較して動作責務範囲内の値であるか否かを判定するのと並行して、各2相間のインピーダンス演算値相互間の大きさを比較判定し、最小値を示す2相が動作責務範囲と判定した2相と同一である場合に動作出力を行うようにしたので、短絡距離リレーがオーバーリーチ動作して誤って測距した2相があっても整定値以遠の事故であると判定して誤動作しない距離継電装置を実現することができるという効果を奏する。
また、各2相間のインピーダンス演算値の全てが動作責務範囲内の値であり、かつ各2相間のインピーダンス演算値の全てが等しいと見なされる許容範囲内の大きさである場合に動作出力を行うようにしたので、3相事故相に対する遮断指令の信頼性を高めることができ、同時に3相事故時の事故相表示を正確に判定することができる距離継電装置が得られるという効果を奏する。
まず、この発明の理解を容易にするため、図9〜図11を参照して、距離リレーの進み相オーバーリーチ現象を概略説明する。なお、図9〜図11は、距離リレーの進み相オーバーリーチ現象を説明するために非特許文献1の第3−2−7図を再掲したものである。
図9は、距離継電装置が配置される電力系統の構成例を示す系統図である。図9において、電源Pに一端が接続される送電線Lの他端は、変電所Aを経由して図示しない受電設備に接続される。この電力系統において変電所Aに距離継電装置Ryが設置されている。距離継電装置Ryでは、設置点である変電所Aから受電端に向かう相手端までの例えば80%までを保護範囲とする整定値が定められているが、この保護範囲の境界付近のF点で事故(2相短絡事故、1相地絡事故)が発生した場合に変電所Aに設置された各相距離リレーの見るインピーダンスは、例えば図10、図11に示すようになる。
図10は、図9に示すF点での2相短絡事故時に距離継電装置が備える各相短絡距離リレーの見るインピーダンスを説明するベクトル図である。図11は、図9に示すF点での1相地絡事故時に距離継電装置が備える各相地絡距離リレーの見るインピーダンスを説明するベクトル図である。なお、図10と図11において、横軸Rは抵抗成分であり、縦軸Xはリアクタンス成分である。また、縦軸Xの原点から正方向の所定範囲を示すZsは、リアクタンスリレーXryの整定値である。
図10は、F点でbc相の2相で短絡事故が発生した場合に変電所Aに設置された各相短絡距離リレーの見るインピーダンスを示している。図10において、ベクトルAFは、事故相短絡距離リレーであるbc相短絡距離リレーが事故点Fを見るインピーダンスであり、図9に示す前方imp(前方インピーダンス)Zfである。また、ベクトルAPは、同じbc相短絡距離リレーが電源Pを見るインピーダンスであり、図9に示す後方imp(後方インピーダンス)Zbである。ベクトルANは、健全相短絡距離リレーであるab相短絡距離リレーが事故点Fを見るインピーダンスである。ベクトルAMは、健全相短絡距離リレーであるca相短絡距離リレーが事故点Fを見るインピーダンスである。
事故相短絡距離リレーであるbc相短絡距離リレーは、事故点Fまでの正しいインピーダンスAF=Zfを測距するが、健全相短絡距離リレーであるab相短絡距離リレー、ca相短絡距離リレーは測距に誤差を含んでいる。すなわち、ab相短絡距離リレーは、事故点Fまでのリアクタンス成分を整定値Zsよりも小さく測距するので、リアクタンスリレーのオーバーリーチが生じる。逆に、ca相短絡距離リレーは、事故点Fまでのリアクタンス成分を整定値Zsよりも大きく測距するので、リアクタンスリレーのアンダーリーチが生じる。これらの測距誤差は、事故点抵抗や負荷電流の影響を受けてさらに大きくなる。
また、図11は、F点でのa相の1相で地絡事故が発生した場合に変電所Aに設置された各相地絡距離リレーの見るインピーダンスを示している。図11において、ベクトルAFは、事故相地絡距離リレーであるa相地絡距離リレーが事故点Fを見るインピーダンスである。ベクトルANは、健全相地絡距離リレーであるb相地絡距離リレーが事故点Fを見るインピーダンスである。ベクトルAMは、健全相地絡距離リレーであるc相地絡距離リレーが事故点Fを見るインピーダンスである。
図11では、b相地絡距離リレーとc相地絡距離リレーは、それぞれ事故点Fまでのリアクタンス成分を整定値Zsよりも小さく測距するので、リアクタンスリレーのオーバーリーチが生じることが示されている。
このように、事故相の距離リレー(短絡距離リレー、地絡距離リレー)は、事故点までの正しいインピーダンスを測距するのでなんら問題ないが、事故相に関連した相(例えばbc相2相短絡事故時のab相、ca相、或いは、a相1相地絡事故時のb相とc相など)の距離リレーは、事故点までのインピーダンスを正しいインピーダンス角以外のところに見るので、オーバーリーチ或いはアンダーリーチとなる。アンダーリーチ動作は、事故相の距離リレーが正確に測距してカバーするので、なんら問題ではない。しかし、オーバーリーチ動作は、不要動作となり好ましくない。
すなわち、距離継電装置は、整定値として与える動作責務範囲の外にインピーダンスを算出した場合は遮断指令を出力しない不動作となることが必要である。しかし、距離リレーの事故検出原理から、一般に、事故相以外の距離リレー、つまり、健全相の距離リレーが、本来、不動作であるべき動作責務範囲の外で発生した事故に対して動作責務範囲内にインピーダンスを誤って算出し遮断指令を出力するおそれがある。
そこで、この発明にかかる距離継電装置では、上記した構成によって事故相以外の健全相距離リレーの進み相オーバーリーチによる不要応動を防止するようにしている。以下に図面を参照して、この発明にかかる距離継電装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1として、この発明にかかる距離継電装置が装備する短絡距離リレーの構成を示すブロック図である。なお、この実施の形態1および以降で説明する実施の形態2では、インピーダンスに関する説明を電力系統の解析で一般に用いられている対称座標法によって行っている。
図1示す短絡距離リレー1は、bc相測距演算判定部2,ca相測距演算判定部3およびab相測距演算判定部4と、オーバーリーチ判定演算部5と、動作出力判定部6とを備えている。
bc相測距演算判定部2,ca相測距演算判定部3およびab相測距演算判定部4は、それぞれ同様の構成であって、インピーダンス演算回路8と距離判定演算回路9とを備えている。
インピーダンス演算回路8は、電力系統の相電圧Va,Vb,Vcの対応する2相の電圧と相電流Ia,Ib,Icの対応する2相の電流とが入力され、短絡した2相の事故点までのインピーダンスZrybc,ZrycaおよびZryabの1つを測距演算する。
距離判定演算回路9は、比較回路12にて距離リレー整定回路11が出力する整定値Zsとインピーダンス演算回路8の測距演算結果との大小関係を比較し、大小判定回路13にて比較回路12の比較結果を判定することで、インピーダンス演算回路8の測距演算結果が整定値Zs以内か否かを判定する。
オーバーリーチ判定演算部5は、bc相測距演算判定部2,ca相測距演算判定部3およびab相測距演算判定部4の各インピーダンス演算回路8の測距演算結果Zrybc,Zryca,Zryabの大小比較を行う大小比較回路15と、大小比較回路15における各2相の比較結果を並列に受けるbc相大小判定回路16−1,ca相大小判定回路16−2,ab相大小判定回路16−3および3相等価判定回路17を備えている。
動作出力判定部6は、3つの2入力論理和回路(OR回路)18−1,18−2,18−3と、3つの2入力論理積回路(AND回路)19−1,19−2,19−3とを備えている。この実施の形態1では、3つのAND回路19−1〜19−3の各AND結果は3入力のOR回路20で1つにまとめて出力される。OR回路20の出力は、図示しない送電線の遮断器に接続されている。
3つのOR回路18−1,18−2,18−3の各2入力は、次のようになっている。すなわち、一方の入力は共通に3相等価判定回路17の出力である。そして、他方の入力が、OR回路18−1ではbc相大小判定回路16−1の出力であり、OR回路18−2ではca相大小判定回路16−2の出力であり、OR回路18−3はab相大小判定回路16−3の出力である。
また、3つのAND回路19−1,19−2,19−3の各2入力は、次のようになっている。AND回路19−1には、bc相測距演算判定部2の距離判定演算回路9での判定結果とOR回路18−1の出力とが入力される。AND回路19−2には、ca相測距演算判定部3の距離判定演算回路9での判定結果とOR回路18−2の出力とが入力される。AND回路19−3には、ab相測距演算判定部4の距離判定演算回路9での判定結果とOR回路18−3の出力とが入力される。
以上の構成において、まず、bc相測距演算判定部2,ca相測距演算判定部3およびab相測距演算判定部4では、次のような動作が行われる。各インピーダンス演算回路8での短絡距離リレーとしてのインピーダンス演算方法は、非特許文献2の「7.2距離リレー」中の134頁〜135頁に詳述されているので、ここでは結果のみを示す。
bc相測距演算判定部2のインピーダンス演算回路8は、電力系統の相電圧Vb,Vcおよび相電流Ib,Icを用いて、bc相インピーダンス演算値Zrybcを、相電圧Vb,Vcの差分である線間電圧を相電流Ib,Icの差分で割り算することで求める。すなわち、
Zrybc=(Vb−Vc)/(Ib−Ic)……(1)
の演算を行う。このように測距演算されたbc相インピーダンス演算値Zrybcが、図9に示したbc相2相短絡事故時での距離継電装置Ryの設置点Aから事故点Fまでの距離に相当する。
ca相測距演算判定部3のインピーダンス演算回路8は、電力系統の相電圧Vc,Vaおよび相電流Ic,Iaを用いて、ca相インピーダンス演算Zrycaを、相電圧Vc,Vaの差分である線間電圧を相電流Ic,Iaの差分で割り算することで求める。すなわち、
Zryca=(Vc−Va)/(Ic−Ia)……(2)
の演算を行う。
ab相測距演算判定部4のインピーダンス演算回路8は、電力系統の相電圧Va,Vbおよび相電流Ia,Ibを用いて、ab相インピーダンス演算値Zryabを、相電圧Va,Vbの差分である線間電圧を相電流Ia,Ibの差分で割り算することで求める。すなわち、
Zryab=(Va−Vb)/(Ia−Ib)……(3)
の演算を行う。
bc相測距演算判定部2の距離判定演算回路9では、距離リレー整定回路11は、当該距離継電装置が動作責務とする保護区間に定められた整定値Zsを出力する。比較回路12では、インピーダンス演算回路8が求めたbc相インピーダンス演算値Zrybcと距離リレー整定回路11が出力する整定値Zsとの大小関係を比較し、その比較結果を大小判定回路13に与える。大小判定回路13は、比較回路12での比較結果がZrybc≦Zsである場合に、つまりbc相インピーダンス演算値Zrybcが整定値Zs以下である場合に、動作責務範囲の事故であると判断してAND回路19−1に論理値“1”を出力する。bc相インピーダンス演算値Zrybcが整定値Zs以上である場合に、動作責務範囲の外での事故であると判断してAND回路19−1に論理値“0”を出力する。ca相測距演算判定部3およびab相測距演算判定部4の各距離判定演算回路9でも同様である。
すなわち、ca相測距演算判定部3の距離判定演算回路9では、ca相インピーダンス演算値Zrycaが整定値Zs以下である場合に、動作責務範囲の事故であると判断してAND回路19−2に論理値“1”を出力する。そして、ca相インピーダンス演算値Zrycaが整定値Zs以上である場合に、動作責務範囲の外での事故であると判断してAND回路19−2に論理値“0”を出力する。
また、ab相測距演算判定部4の距離判定演算回路9では、ab相インピーダンス演算値Zryabが整定値Zs以下である場合に、動作責務範囲の事故であると判断してAND回路19−3に論理値“1”を出力する。そして、ab相インピーダンス演算値Zryabが整定値Zs以上である場合に、動作責務範囲の外での事故であると判断してAND回路19−3に論理値“0”を出力する。
次に、オーバーリーチ判定演算部5では、電力系統の事故には、2相短絡事故だけでなく、3相短絡事故や3相地絡事故も発生しそれらの3相事故にも短絡距離リレーが適用されるので、それらにも並行して対応できるように、大小比較回路15と、各相の大小判定回路(bc相大小判定回路16−1,ca相大小判定回路16−2およびab相大小判定回路16−3)と、3相等価判定回路17とを設けてある。
すなわち、大小比較回路15は、bc相測距演算判定部2,ca相測距演算判定部3およびab相測距演算判定部4の各インピーダンス演算回路8が測距演算したbc相インピーダンス演算値Zrybc,ca相インピーダンス演算値Zrycaおよびab相インピーダンス演算値Zryab相互間の大小関係を比較し、それらの比較結果をbc相大小判定回路16−1,ca相大小判定回路16−2,ab相大小判定回路16−3および3相等価判定回路17に並列に出力する。
bc相大小判定回路16−1は、大小比較回路15の比較結果を受けて最小値を示すインピーダンス値がbc相インピーダンス演算値Zrybcである場合に、OR回路18−1に論理値“1”を出力する。
ca相大小判定回路16−2は、大小比較回路15の比較結果を受けて最小値を示すインピーダンス値がca相インピーダンス演算値Zrycaである場合に、OR回路18−2に論理値“1”を出力する。
ab相大小判定回路16−3は、大小比較回路15の比較結果を受けて最小値を示すインピーダンス値がab相インピーダンス演算値Zryabである場合に、OR回路18−3に論理値“1”を出力する。
3相等価判定回路17は、大小比較回路15の比較結果を受けて、各2相のインピーダンス演算値が等しい場合、つまりZrybc=Zryca=Zryabである場合に、OR回路18−1,18−2および18−3に論理値“1”を出力する。
そして、動作出力判定部6では、2相短絡事故時に、3つの距離判定回路9のいずれか1つで動作責務範囲の事故であると距離判定された2相と、3つの大小判定回路16−1〜16−3のいずれか1つで最小インピーダンス値を示すと判定された2相とがある場合に、3つのAND回路19−1〜19−3のいずれか1つで両2相が同一相であると検出されると、その一致を検出した1つAND回路がAND条件の成立によって出力を論理値“1”にするので、OR回路20から図示しない遮断器に遮断指令25が出力される。
また、動作出力判定部6では、3相事故(3相短絡事故、3相地絡事故)時に、3つのAND回路19−1〜19−3の全てでAND条件が成立すると、つまり3相において動作責務範囲の事故であると距離判定され、かつ3相のインピーダンス演算値が等しい場合に、3つのAND回路19−1〜19−3の全てが出力を論理値“1”にするので、OR回路20から図示しない遮断器に遮断指令25が出力される。
次に、2相短絡事故時の動作と3相事故時の動作とについて、具体例を挙げてこの順に説明する。まず、2相短絡事故として送電線のbc相の2相に短絡事故が発生した場合について説明する。図2は、bc相2相短絡事故時のベクトル図である。図3は、bc相2相短絡事故時の各相短絡距離リレーの入力ベクトル図である。
図9に示す系統の構成において、送電線Lのbc相の2相にF点で短絡事故が発生した場合のベクトル図は、図2に示すようになることが知られている。図2に示すように、健全時の相電圧Va,Vb,Vcに対して、図9におけるF点でbc相の2相に短絡事故が発生すると、b相の電圧Vbは低い電圧Vbfとなり、c相の電圧Vcは低い電圧Vcfとなり、短絡したbc相間の電圧が低下する。そして、b相に流れる事故電流Ibfの位相は、電圧Vbf,Vcfよりも送電線Lのインピーダンス角θだけ遅れ位相となり、このb相に流れる事故電流Ibfとc相に流れる事故電流Icfとは互いに180度の位相差のある関係となる。
図3(a)〜図3(c)は、この場合のab相短絡距離リレー、bc相短絡距離リレーおよびca相短絡距離リレーのそれぞれから見た入力電圧と入力電流の大きさと位相の関係を示している。この図3は、前記した非特許文献1の「3−2−3節 事故相以外のリレーの不要応動」の基礎になっているベクトル関係を示している。
さて、bc相の2相に短絡事故が発生した場合に、bc相測距演算判定部2,ca相測距演算判定部3およびab相測距演算判定部4の各インピーダンス演算回路8では、図2に示すbc相2相短絡時のベクトル図および図3(a)〜図3(c)に示す各相の短絡距離リレー入力の大きさから、次のようにしてbc相短絡時のインピーダンス演算値Zrybc、ZrycaおよびZryabを求める。
すなわち、bc相測距演算判定部2のインピーダンス演算回路8は、bc相短絡時のbc相インピーダンス演算値Zrybcを、
Zrybc=(Vbf−Vcf)/{Ibf−(−Icf)}
=(Vbf−Vcf)/{Ibf+Icf)} ……(4)
の演算を行って求める。
また、ca相測距演算判定部3のインピーダンス演算回路8は、bc相短絡時のca相インピーダンス演算値Zrycaを、
Zryca=(Vcf−Va)/Icf ……(5)
の演算を行って求める。
また、ab相測距演算判定部4のインピーダンス演算回路8は、bc相短絡時のab相インピーダンス演算値Zryabを、
Zryab=(Va−Vbf)/(−Ibf) ……(6)
の演算を行って求める。
次に、bc相測距演算判定部2の距離判定演算回路9では、上記の式(4)によって求めたbc相インピーダンス演算値Zrybcが整定値Zs以下である場合に、動作責務範囲の事故であると判断してAND回路19−1に論理値“1”を出力する。ca相測距演算判定部3の距離判定演算回路9では、上記の式(5)によって求めたca相インピーダンス演算値Zrycaが整定値Zs以下である場合に、動作責務範囲の事故であると判断してAND回路19−2に論理値“1”を出力する。また、ab相測距演算判定部4の距離判定演算回路9では、上記の式(6)によって求めたab相インピーダンス演算値Zryabが整定値Zs以下である場合に、動作責務範囲の事故であると判断してAND回路19−3に論理値“1”を出力する。
そして、式(4)〜式(6)を比較して見れば解るように、求められた各相のインピーダンス値の中で、分子の電圧が最低値で分母の電流値が最大値である式(4)によるbc相インピーダンス演算値Zrybcが最小値となる。
したがって、オーバーリーチ判定演算部5では、bc相大小判定回路16−1が出力を論理値“1”にし、残りのca相大小判定回路16−2,ab相大小判定回路16−3および3相等価判定回路17は、共に出力を論理値“0”にする。
斯くして、bc相測距演算判定部2の距離判定演算回路9で、正しく動作責務範囲の事故であるとの距離判定が行われた場合に、動作出力判定部6では、AND回路19−1で出力を論理値“1”にするAND条件が成立し、OR回路20から図示しない遮断器に遮断指令25が出力され、送電線の事故が除去される。
ここで、bc相測距演算判定部2の距離判定演算回路9で、正しく動作責務範囲の事故であるとの距離判定が行われない場合は、bc相の2相短絡事故が当該距離継電装置の整定値Zs以遠で発生した場合であるので、bc相測距演算判定部2の距離判定演算回路9からAND回路19−1に与える判定出力は論理値“0”である。
この場合、図10に示したように、ab相短絡距離リレーでは進み相オーバーリーチ動作を示し、求めたab相インピーダンス演算値Zryabは整定値Zs以下であるので、ab相測距演算判定部2の距離判定演算回路9からAND回路19−3に与える判定出力が論理値“1”となる。
しかし、各2相のインピーダンス演算値のうち最小値はbc相インピーダンス演算値Zrybcであり、前記したように、bc相大小判定回路16−1からAND回路19−1に与える判定出力が論理値“1”であり、ab相大小判定回路16−3からAND回路19−3に与える判定出力は論理値“0”である。
したがって、bc相の2相短絡事故が当該距離継電装置の整定値Zs以遠で発生した場合は、AND回路19−1とAND回路19−3とでは、共にAND条件不成立となり、遮断指令25は発行されず、オーバーリーチによる不要応動は起こらない。
なお、ca相の2相短絡事故時やab相の2相短絡事故時でも同様の動作が行われる。
次に、図4は、3相短絡事故時のベクトル図である。図5は、3相短絡事故時の各相短絡距離リレーの入力ベクトル図である。図9に示す系統の構成において、送電線Lのabc相の3相にF点で短絡事故が発生した場合のベクトル図は、図4に示すようになることが知られている。なお、3相に地絡事故が発生した場合も同様である。
図4に示すように、健全時の相電圧Va,Vb,Vcに対して、図9におけるF点でabc相の3相に短絡事故が発生すると、a相の電圧Vaは低い電圧Vafとなり、b相の電圧Vbは低い電圧Vbfとなり、c相の電圧Vcは低い電圧Vcfとなり、短絡したab相間の電圧、bc相間の電圧、およびab相間の電圧は、それぞれが低下するが、それぞれほぼ等しい大きさである。そして、abcの各相に流れる事故電流Iaf,IbfおよびIcfもそれぞれほぼ等しい大きさである。
図5(a)〜図5(c)は、この場合のab相短絡距離リレー、bc相短絡距離リレーおよびca相短絡距離リレーのそれぞれから見た入力電圧と入力電流の大きさと位相の関係を示している。各短絡距離リレーにおいて、入力電圧と入力電流の大きさと位相の関係は、同じであることが示されている。
さて、abc相3相の短絡事故が発生した場合に、bc相測距演算判定部2,ca相測距演算判定部3およびab相測距演算判定部4の各インピーダンス演算回路8では、図4に示す3相短絡時のベクトル図および図5(a)〜図5(c)に示す各相の短絡距離リレー入力の大きさから、次のようにして3相短絡時のインピーダンス演算値Zrybc、ZrycaおよびZryabを求める。
すなわち、bc相測距演算判定部2のインピーダンス演算回路8は、3相短絡時のbc相インピーダンス演算値Zrybcを、
Zrybc=(Vbf−Vcf)/(Ibf−Icf) ……(7)
の演算を行って求める。
また、ca相測距演算判定部3のインピーダンス演算回路8は、3相短絡時のca相インピーダンス演算値Zrycaを、
Zryca=(Vcf−Vaf)/(Icf−Iaf) ……(8)
の演算を行って求める。
また、ab相測距演算判定部4のインピーダンス演算回路8は、3相短絡時のab相インピーダンス演算値Zryabを、
Zryab=(Vaf−Vbf)/(Iaf−Ibf) ……(9)
の演算を行って求める。
次に、bc相測距演算判定部2の距離判定演算回路9では、上記の式(7)によって求めたbc相インピーダンス演算値Zrybcが整定値Zs以下である場合に、動作責務範囲の事故であると判断してAND回路19−1に論理値“1”を出力する。ca相測距演算判定部3の距離判定演算回路9では、上記の式(8)によって求めたca相インピーダンス演算値Zrycaが整定値Zs以下である場合に、動作責務範囲の事故であると判断してAND回路19−2に論理値“1”を出力する。また、ab相測距演算判定部4の距離判定演算回路9では、上記の式(9)によって求めたab相インピーダンス演算値Zryabが整定値Zs以下である場合に、動作責務範囲の事故であると判断してAND回路19−3に論理値“1”を出力する。
そして、図5(a)〜(c)に示す関係から、式(7)〜式(9)の演算によって得られる各相のインピーダンス演算値は互いに等しい値になることが解る。したがって、オーバーリーチ判定演算部5では、3相等価判定回路17が出力を論理値“1”にし、残りのbc相大小判定回路16−1,ca相大小判定回路16−2およびab相大小判定回路16−3は共に出力を論理値“0”にする。
斯くして、bc相測距演算判定部2,ca相測距演算判定部3およびab相測距演算判定部4の各距離判定演算回路9で、正しく動作責務範囲の事故であるとの距離判定が行われた場合に、動作出力判定部6では、AND回路19−1,19−2および19−3の全てで出力を論理値“1”にするAND条件が成立し、OR回路20から図示しない遮断器に遮断指令25が出力され、送電線の事故が除去される。
ここで、一般に、電力系統自体の系統定数のアンバランス、取り込む各2相の電圧および電流の変換器類による誤差、各2相間のインピーダンス値を演算する過程での演算誤差のため、各2相間のインピーダンス演算値Zrybc,Zryca,Zryabは誤差を含んでいる。また、オーバーリーチ判定演算部5の大小比較回路15自体にも演算誤差が発生する。そこで、3相等価判定回路17では、これらの3相間の誤差を考慮して、各2相間のインピーダンス演算値Zrybc,Zryca,Zryabの差が所定値以内であれば、Zrybc=Zryca=Zryabであると判定して出力を論理値“1”にするようにし、動作責務範囲の3相事故を確実に除去できるようにしてある。
以上のように、実施の形態1によれば、従来の短絡距離リレーが求めていた各2相間のインピーダンス演算値をそのまま用いて、各2相間のインピーダンス演算値と整定値とを大小比較して動作責務範囲内の値であるか否かを判定するのと並行して、各2相間のインピーダンス演算値相互間の大きさを比較判定し、最小値を示す2相が動作責務範囲と判定した2相と同一である場合に動作出力を行うようにしたので、短絡距離リレーがオーバーリーチ動作して誤って測距した2相があっても整定値以遠の事故であると判定して誤動作しない距離継電装置を実現することができる。
また、動作出力判定部6における3つのAND回路おいて、各2相間のインピーダンス演算値の全てが動作責務範囲内の値であり、かつ各2相間のインピーダンス演算値の全てが等しいと見なせる許容範囲内の大きさである場合に動作出力を行うようにしたので、3相事故相に対する遮断指令の信頼性を高めることができる。
そして、実施の形態1では、動作出力判定部6における3つのAND回路の出力をOR回路20でまとめているので、3相事故に対する遮断指令は3相一括で出力されるが、3つのAND回路の出力を事故相表示に用いることができるので、事故相表示を正確に判定することができる。
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2として、この発明にかかる距離継電装置が装備する地絡距離リレーの構成を示すブロック図である。
図6に示す地絡距離リレー30は、a相測距演算判定部31,b相測距演算判定部32およびc相測距演算判定部33と、オーバーリーチ判定演算部34と、動作出力判定部35とを備えている。
a相測距演算判定部31,b相測距演算判定部32およびc相測距演算判定部33は、それぞれ同様の構成であって、インピーダンス演算回路37と距離判定演算回路38とを備えている。
インピーダンス演算回路37は、電力系統の相電圧Va,Vb,Vcの対応する1相の電圧と相電流Ia,Ib,Icとが入力され、地絡した1相の事故点までのインピーダンスZrya,ZrybおよびZrycの1つを、自回線零相電流I0および隣回線零相電流I0Mで補償する形で測距演算する。なお、自回線零相電流I0および隣回線零相電流I0Mは、相電流Ia,Ib,Icの和を3で割り算して求められる。
距離判定演算回路38は、符号は違えてあるが図1に示した距離判定演算回路9と同様の構成であって、比較回路40にて距離リレー整定回路39が出力する整定値Zgとインピーダンス演算回路37の測距演算結果との大小関係を比較し、大小判定回路41にて比較回路40の比較結果を判定することで、インピーダンス演算回路37の測距演算結果が整定値Zg以内か否かを判定する。
オーバーリーチ判定演算部34は、符号は違えてあるが図1に示したオーバーリーチ判定演算部5と同様の構成であって、a相測距演算判定部31,b相測距演算判定部32およびc相測距演算判定部33の各インピーダンス演算回路37の測距演算結果Zrya,Zryb,Zrycの大小比較を行う大小比較回路42と、大小比較回路42における各相の比較結果を並列に受けるa相大小判定回路43−1,b相大小判定回路43−2,c相大小判定回路43−3および3相等価判定回路44を備え、1相地絡事故時のオーバーリーチ判定と3相事故の判定とが行えるようになっている。
動作出力判定部35は、符号は違えてあるが図1に示した動作出力判定部6と同様の構成であって、3つの2入力OR回路47−1,47−2,47−3と、3つの2入力AND回路48−1,48−2,48−3とを備え、3つのAND回路48−1〜48−3の各AND結果はOR回路49で1つにまとめて出力される。OR回路49の出力は、図示しない送電線の遮断器に接続されている。
以上の構成において、地絡距離リレー30は、図1に示した短絡距離リレー1とは、インピーダンス測距演算の内容が異なるのみで、その他の構成要素は、同様の構成で同様の動作を行う。この実施の形態2では、異なる部分、つまり、各1相のインピーダンス演算回路37の演算内容を説明し、その後、地絡距離リレーの特徴的な適用分野である直接接地系の1相地絡事故の保護において、オーバーリーチによる不要応動を防止できることを示す。
a相測距演算判定部31,b相測距演算判定部32およびc相測距演算判定部33の各インピーダンス演算回路37での地絡距離リレーとしてのインピーダンス演算方法は、非特許文献2の「7.2距離リレー」中の135頁〜136頁に詳述されているので、ここでは結果のみを示す。
1相地絡事故時の事故相インピーダンスは、事故相を含む自回線および隣回線がある場合の回線相互間の零相インピーダンスの影響を受けるので、事故相地絡距離リレーが正確に事故点までの距離を測距するためには、自回線零相電流I0および隣回線零相電流I0Mによる補償を掛ける必要がある。なお、隣回線の無い1回線送電線の場合は、隣回線零相電流I0Mはゼロである。
すなわち、a相地絡距離リレーであるa相測距演算判定部31のインピーダンス演算回路37は、電力系統の相電圧Vaおよび相電流Ia,Ib,Icを取り込み、その相電流Ia,Ib,Icから自回線零相電流I0および隣回線零相電流I0Mを求め、a相電圧Vaを、a相電流Iaと補償した零相電流との和で割り算することで、a相地絡事故時の事故点までのインピーダンス演算値Zryaを求める。このa相インピーダンス演算値Zryaは、自回線補償係数を(K0−1)とし、隣回線補償係数をK0Mとして次の式(10)で表せる。
Zrya=Va/{Ia+(K0−1)×I0+K0M×I0} ……(10)
b相地絡距離リレーであるb相測距演算判定部32およびc相地絡距離リレーであるc相測距演算判定部33の各インピーダンス演算回路37でも同様であり、b相地絡距離リレーであるb相測距演算判定部32のインピーダンス演算回路37が求めるb相インピーダンス演算値Zrybは式(11)となり、c相地絡距離リレーであるc相測距演算判定部33の各インピーダンス演算回路37が求めるc相インピーダンス演算値Zrycは式(12)となる。
Zryb=Vb/{Ib+(K0−1)×I0+K0M×I0} ……(11)
Zryc=Vc/{Ic+(K0−1)×I0+K0M×I0} ……(12)
さて、直接接地系の1相地絡事故としてa相地絡事故を例に挙げて説明する。図7は、a相1相地絡事故時のベクトル図である。図8は、a相1相地絡事故時の各相地絡距離リレーの入力ベクトル図である。
図7に示すように、健全時の相電圧Va,Vb,Vcに対して、a相に地絡事故が発生すると、相電圧Vb,Vcは変わらず、相電圧Vaが低い電圧Vafとなる。そして、隣回線の無い1回線送電線である場合は、a相には事故電流Iafと自回線零相電流I0fとが流れるが、b相とc相には事故電流は流れず、自回線零相電流I0fのみが流れる。
図8(a)は、a相地絡距離リレーから見た入力電圧Vafと入力電流Iafおよび自回線零相電流I0fの大きさと位相の関係を示す。図8(b)は、b相地絡距離リレーから見た入力電圧Vbと零相電流I0fの大きさと位相の関係を示す。図8(c)は、c相地絡距離リレーから見た入力電圧Vcと自回線零相電流I0fの大きさと位相の関係を示す。
ここで、図8(b)(c)に示すように、b相地絡距離リレーとc相地絡距離リレーには、事故電流は流れないが、I0f=Iaf/3である自回線零相電流I0fが流れるので、b相地絡距離リレーであるb相測距演算判定部32のインピーダンス演算回路37が求めるb相インピーダンスZrybと、c相地絡距離リレーであるc相測距演算判定部33の各インピーダンス演算回路37が求めるc相インピーダンスZrycとは、それぞれ有限の値になる。
したがって、隣回線の無い1回線送電線におけるa相に地絡事故が発生した場合に、a相測距演算判定部31,b相測距演算判定部32およびc相測距演算判定部33の各インピーダンス演算回路37では、図7に示すa相地絡時のベクトル図および図8(a)〜図8(c)に示す各相の地絡距離リレー入力の大きさから、次のようにしてa相地絡事故時のインピーダンス演算値Zrya、ZrybおよびZrycを求める。
すなわち、a相測距演算判定部31のインピーダンス演算回路37は、a相地絡事故時のa相インピーダンス演算値Zryaを、
Zrya=Vaf/{Iaf+(K0−1)×I0f}
=Vaf/{(2+K0)/3×Iaf)} ……(13)
の演算を行って求める。
また、b相測距演算判定部32のインピーダンス演算回路37は、a相地絡事故時のb相インピーダンス演算値Zrybを、
Zryb=Vb/{(K0−1)/3×Iaf} ……(14)
の演算を行って求める。
また、c相測距演算判定部33のインピーダンス演算回路37は、a相地絡事故時のc相インピーダンス演算値Zrycを、
Zryc=Vc/{(K0−1)/3×Iaf} ……(15)
の演算を行って求める。
次に、a相測距演算判定部31の距離判定演算回路38では、上記の式(13)によって求めたa相インピーダンス演算値Zryaが整定値Zg以下である場合に、動作責務範囲の事故であると判断してAND回路48−1に論理値“1”を出力する。b相測距演算判定部32の距離判定演算回路38では、上記の式(14)によって求めたb相インピーダンス演算値Zrybが整定値Zg以下である場合に、動作責務範囲の事故であると判断してAND回路48−2に論理値“1”を出力する。また、c相測距演算判定部33の距離判定演算回路38では、上記の式(15)によって求めたc相インピーダンス演算値Zrycが整定値Zg以下である場合に、動作責務範囲の事故であると判断してAND回路48−3に論理値“1”を出力する。
そして、式(13)〜式(15)を比較して見れば解るように、求められた各1相のインピーダンス演算値の中で、分子の電圧値が最低値で分母の電流値が最大値である式(13)によるa相インピーダンス演算値Zryaが最小値となる。
したがって、オーバーリーチ判定演算部34では、a相大小判定回路43−1が出力を論理値“1”にし、残りのb相大小判定回路43−2,c相大小判定回路43−3および3相等価判定回路44は、共に出力を論理値“0”にする。
斯くして、a相測距演算判定部31の距離判定演算回路38で、正しく動作責務範囲の事故であるとの距離判定が行われた場合に、動作出力判定部35では、AND回路48−1で出力を論理値“1”にするAND条件が成立し、OR回路49から図示しない遮断器に遮断指令55が出力され、送電線の事故が除去される。
そして、a相測距演算判定部31の距離判定演算回路38で、正しく動作責務範囲の事故であるとの距離判定が行われない場合、つまりa相の地絡事故が当該距離継電装置の整定値Zg以遠で発生した場合は、a相測距演算判定部31の距離判定演算回路38からAND回路48−1に与える判定出力は論理値“0”であるので、オーバーリーチ判定演算部34のa相大小判定回路43−1が出力を論理値“1”にしても、AND回路48−1で出力を論理値“1”にするAND条件は成立せず、オーバーリーチによる不要応動は起こらない。
3相事故に関しては、同様の手法で同様に対応できるので説明を省略するが、実施の形態1にて説明したように、各1相のインピーダンス演算値Zrya,Zryb,Zrycは誤差を含んでいる。また、オーバーリーチ判定演算部34の大小比較回路42自体にも演算誤差が発生する。そこで、3相等価判定回路44では、これらの3相間の誤差を考慮して、各相のインピーダンス演算値Zrya,Zryb,Zrycの差が所定値以内であれば、Zrya=Zryb=Zrycであると判定して出力を論理値“1”にするようにし動作責務範囲の3相事故を確実に除去できるようにしてある。
以上のように、実施の形態2によれば、従来の地絡距離リレーが求めていた各1相のインピーダンス値をそのまま用いて、各1相のインピーダンス演算値と整定値とを大小比較して動作責務範囲内の値であるか否かを判定するのと並行して、各1相のインピーダンス演算値相互間の大きさを比較判定し、最小値を示す1相が動作責務範囲と判定した1相と同一である場合に動作出力を行うようにしたので、地絡距離リレーがオーバーリーチ動作して誤って測距した1相があっても整定値以遠の事故であると判定して誤動作しない距離継電装置を実現することができる。
また、動作出力判定部35における3つのAND回路おいて、各1相のインピーダンス演算値の全てが動作責務範囲内の値であり、かつ各1相のインピーダンス演算値の全てが等しいと見なせる許容範囲内の大きさである場合に動作出力を行うようにしたので、3相事故相に対する遮断指令の信頼性を高めることができる。
そして、実施の形態2では、動作出力判定部35における3つのAND回路の出力をOR回路49でまとめているので、3相事故に対する遮断指令は3相一括で出力されるが、3つのAND回路の出力を事故相表示に用いることができるので、事故相表示を正確に判定することができる。
なお、実施の形態1,2では、上記のように、3相に対する遮断指令は3相一括で出力する例を示したが、電力系統が直接接地系の送電線で、各1相を遮断する単相遮断運用である場合には、OR回路20,49を省略し、3つのAND回路(19−1〜19−3,48−1〜48−3)の出力を直接遮断指令とすればよいので、簡単に対応することができる。
また、この明細書では、この発明の距離継電装置は、短絡距離リレー(実施の形態1)と地絡距離リレー(実施の形態2)とを装備していると説明しているが、電力系統が高抵抗接地系である場合は、この発明の距離継電装置は、短絡距離リレー(実施の形態1)のみを装備したものになることは言うまでもない。
以上のように、この発明によれば、事故相電流値が電力系統や事故点によって大幅に変わっても、またアーク抵抗を伴った事故であっても、それらの影響を受けることなく、事故相以外の健全相距離リレーの進み相オーバーリーチによる不要応動を防止することができ、かつ、3相事故に対する遮断指令の高信頼度化および事故相表示の正確な判定を可能にするので、広い範囲の電力系統に適用可能な距離継電装置が得られる。
以上のように、この発明にかかる距離継電装置は、広い範囲の電力系統において事故相以外の健全相距離リレーの進み相オーバーリーチによる不要応動を防止し、かつ3相事故に対する遮断指令の高信頼度化および事故相表示の正確な判定を可能にするのに有用である。
この発明の実施の形態1として、この発明にかかる距離継電装置が装備する短絡距離リレーの構成を示すブロック図である。 bc相2相短絡事故時のベクトル図である。 bc相2相短絡事故時の各相短絡距離リレーの入力ベクトル図である。 3相短絡事故時のベクトル図である。 3相短絡事故時の各相短絡距離リレーの入力ベクトル図である。 この発明の実施の形態2として、この発明にかかる距離継電装置が装備する地絡距離リレーの構成を示すブロック図である。 a相1相地絡事故時のベクトル図である。 a相1相地絡事故時の各相地絡距離リレーの入力ベクトル図である。 距離継電装置が配置される電力系統の構成例を示す系統図である。 図9に示すF点での2相短絡事故時に距離継電装置が備える各相短絡距離リレーの見るインピーダンスを説明するベクトル図である。 図9に示すF点での地絡事故時に距離継電装置が備える各相地絡距離リレーの見るインピーダンスを説明するベクトル図である。
符号の説明
1 短絡距離リレー
2 bc相測距演算判定部
3 ca相測距演算判定部
4 ab相測距演算判定部
5 オーバーリーチ判定演算部
6 動作出力判定部
8 インピーダンス演算回路
9 距離判定演算回路
11 距離リレー整定回路
12 比較回路
13 大小判定回路
15 大小比較回路
16−1 bc相大小判定回路
16−2 ca相大小判定回路
16−3 ab相大小判定回路
17 3相等価判定回路
18−1,18−2,18−3 2入力の論理和回路(OR回路)
19−1,19−2,19−3 2入力の論理積回路(AND回路)
20 3入力の論理和回路(OR回路)
30 地絡距離リレー
31 a相測距演算判定部
32 b相測距演算判定部
33 c相測距演算判定部
34 オーバーリーチ判定演算部
35 動作出力判定部
37 インピーダンス演算回路
38 距離判定演算回路
39 距離リレー整定回路
40 比較回路
41 大小判定回路
42 大小比較回路
43−1 a相大小判定回路
43−2 b相大小判定回路
43−3 c相大小判定回路
44 3相等価判定回路
47−1,47−2,47−3 2入力の論理和回路(OR回路)
48−1,48−2,48−3 2入力の論理積回路(AND回路)
49 3入力の論理和回路(OR回路)

Claims (2)

  1. 電力系統のインピーダンス値に応じて当該電力系統の短絡事故を検出する短絡距離リレーを備える距離継電装置において、
    前記短絡距離リレーは、
    当該短絡距離リレーの設置点での各2相間のインピーダンス値を電力系統の対応する2相から得られた電圧および電流に関する電気量を用いて算出するインピーダンス演算手段と、
    前記インピーダンス演算手段が算出した各2相間のインピーダンス演算値と予め定めた整定値とを比較して各2相間のインピーダンス演算値が動作責務範囲内の値であるか否かの距離判定を行う距離判定手段と、
    前記インピーダンス演算手段が算出した各2相間のインピーダンス演算値を相互比較して最小相を判定する最小相判定手段と、
    前記インピーダンス演算手段が算出した各2相間のインピーダンス演算値を相互比較して全てが等しいと見なせる許容範囲内か否かを判定する全相等価判定手段と、
    前記距離判定手段が判定した2相と前記最小相判定手段が判定した2相とが同一相である場合に、または、前記距離判定手段が少なくとも一つの相を動作責務範囲と判定し、かつ前記全相等価判定手段が全てのインピーダンス演算値が前記許容範囲内にあると判定した場合に、動作出力を行う動作出力判定手段と、
    を備えていることを特徴とする距離継電装置。
  2. 電力系統のインピーダンス値に応じて当該電力系統の地絡事故を検出する地絡距離リレーを備える距離継電装置において、
    前記地絡距離リレーは、
    当該地絡距離リレーの設置点での各1相のインピーダンス値を電力系統の対応する1相から得られた電圧および3相の電流に関する電気量を用いて算出するインピーダンス演算手段と、
    前記インピーダンス演算手段が算出した各1相のインピーダンス演算値と予め定めた整定値とを比較して各1相のインピーダンス演算値が動作責務範囲内の値であるか否かの距離判定を行う距離判定手段と、
    前記インピーダンス演算手段が算出した各1相のインピーダンス演算値を相互比較して最小相を判定する最小相判定手段と、
    前記インピーダンス演算手段が算出した各1相のインピーダンス演算値を相互比較して全てが等しいと見なせる許容範囲内か否かを判定する全相等価判定手段と、
    前記距離判定手段が判定した1相と前記最小相判定手段が判定した1相とが同一相である場合に、または、前記距離判定手段が少なくとも一つの相を動作責務範囲と判定し、かつ前記全相等価判定手段が全てのインピーダンス演算値が前記許容範囲内にあると判定した場合に、動作出力を行う動作出力判定手段と、
    を備えていることを特徴とする距離継電装置。
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