JP2018064416A - 並行2回線送電線保護システム - Google Patents

並行2回線送電線保護システム Download PDF

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信義 岡本
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Abstract

【課題】並行2回線送電線のうちの1回線送電線上の分岐点から分岐された送電線に接続された端子から引出された送電線上での事故があった場合でも、並行2回線送電線の端子に設けられた保護継電装置からの遮断器の不要な誤動作を防止する。【解決手段】保護継電装置15は、B線上の遮断器CB6よりも遠方の地絡事故#5を検出した場合に、遮断器CB6を遮断するためのトリップ命令信号を生成する。一方、回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eは、C線の事故#5を検出した場合に、当該事故#5に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に検出信号が無効になったときには、1Lトリップ信号、又は/及び2Lトリップ信号の生成を中止する。【選択図】図1

Description

本発明は、電気所の母線に並行に接続された2系統の送電線や分岐された送電線を保護する並行2回線送電線保護システムに関する。
従来、抵抗接地系統の2回線を並行している送電線に対する保護システムにあっては、主に対象となる送電線の保護区間内の保護継電装置に係る情報を相互に交換して保護するPCM電流差動保護継電装置と、保護継電装置の設置箇所においてのみ保護する回線選択保護継電装置とが採用されている。
主要な電気所間に敷設された送電線を保護するためには、PCM電流差動保護継電装置を採用する手法と、低コストの回線選択保護継電装置を採用する手法とがあることが知られている。
並行2回線送電線に対して、回線選択保護継電装置により送電線を保護している系統において、電気事故に起因した不要動作が生じることを防止するための技術として、特許文献1の発明が開示されている。
特許文献1の発明では、下記の代表的な3点の電気事故に対して課題を有している。
特許文献1にあっては、保護範囲外の事故において、分岐した送電線に接続されている電源によって下記のような不要動作が生じていた。
(1)段落[0035]には、電源端側(A端子側)の外部事故に対して、B端子に設けられた保護継電装置が送電線1Lに内部事故が発生したこととして誤って判断するといった問題があった。
(1−1)図25(a)に示すように、A端子側に外部事故#Aが発生した場合に、B端子に設けられた保護継電装置が送電線の内部事故と判断して送電線1Lを遮断するという不要動作があった。
(1−2)A端子に設けられた保護継電装置が外部事故#Aにもかかわらず、送電線の内部事故と判断して、送電線1Lを遮断するという不要動作があった。
(2)段落[0036]には、非電源端側であるB端子側に外部事故#Bが発生した場合に、A端からの事故電流は送電線1L、2Lに均等に流れるため、B端子に設けられた保護継電装置に影響しない。
図25(b)に示すように、B端子側に外部事故#Bが発生した場合に、A端子からの事故電流は送電線1L、2Lに均等に流れるため、A端子、及びB端子とも保護継電装置は不動作となるが、C端子に電源があるため、A端子、及びB端子に対して分流比分の不均等な電流が流れ、保護継電装置は送電線1Lに事故が発生したこととして誤って判断するといった問題があった。
(3)段落[0037]には、送電線2Lに内部事故が発生した場合に、送電線1Lに内部事故が発生したと誤って判断するといった問題があった。
すなわち、図25(c)に示すように、A端子に対して至近端に事故#Cが発生した場合に、A端子に設けられた保護継電装置は送電線2Lに事故が発生したこととして判断して、CBを遮断(正常動作)する。しかし、事故電流がB端子から送電線1L側に回り込み、送電線1LのB端子側に設けられたCBを誤って遮断するといった問題があった。
かかる課題を解決する方法として、各端子にPCM電流差動保護継電装置を設置しておき、伝送路を介して各端子の電流データを送受信することにより、各回線における電流についての差動演算を行うことにより事故検出を行なうPCM電流差動保護継電装置を適用する方法がある。
しかしながら、PCM電流差動保護継電装置を適用する場合は、各端子に通信設備を設置して端子間に伝送路を構築する必要があると共に、保護継電装置自体も伝送機能を実装したPCM電流差動保護継電装置とする必要があるため、システム構築のコストが高くなるという問題がある。
特に、これまで回線選択保護継電装置により保護を行っていた送電線に対してT分岐電源の分岐点が追加されることにより、既存の各端子の回線選択保護継電装置をすべてPCM電流差動保護継電装置に取替えて全ての端子に通信設備を用意することが必要となり、保護システムを切替えるためのコストが非常に高くなると言う問題があった。
そこで、特許文献1にあっては、上述した課題を解決するための「並行2回線送電線の保護方式」に関する技術として、並行2回線送電線の片回線に分岐電源が接続された2回線送電線の保護方式において、2回線送電線の各端子にそれぞれ設置され、各端子の母線電圧、送電線電流データを取込んで事故の有無を判定し、事故があると判定されると動作してその事故回線を選択出力する回線選択リレーと、分岐電源が接続された回線を設定する分岐電源設定手段と、回線選択リレーの動作出力と分岐電源設定手段により設定された回線設定出力とが入力され、回線選択リレーの動作出力が分岐電源のある回線の出力か否かを判定し、回線選択リレーの動作出力が分岐電源のある回線の出力であると判定すると動作遅延タイマにより所定時間動作遅延させて、分岐電源のない回線の出力であると判定すると瞬時保護出力として保護出力する時間協調手段とを備えたことが開示されている。
特許文献1の発明にあっては、分岐した送電線上に電源がある場合、動作遅延タイマにより回線選択リレーの動作を所定時間遅延させて保護出力していた。
特許文献1の発明によれば、T分岐設定(分岐送電線)された回線は、外部事故に対しては効果があった。
特許第4602271号公報
しかし、特許文献1の発明にあっては、保護区間内に発生した内部事故に対しても、動作遅延タイマが作動するため、事故を除去するのに時間が遅れるといった問題があった。
しかしながら、並行2回線送電線のうちの1回線送電線上の分岐点から分岐された送電線に接続された端子から引出された送電線上での事故があった場合に、並行2回線送電線の端子側に設けられた遮断器が誤動作する可能性があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、並行2回線送電線のうちの1回線送電線上の分岐点から分岐された送電線に接続された端子から引出された送電線上での事故があった場合でも、並行2回線送電線の端子に設けられた遮断器の不要な誤動作を防止することにある。
上記課題を解決するたに、請求項1記載の発明は、電気所の第1端子に敷設された第1母線を介して並行に接続され、且つ前記第1端子から遠方の第2端子に接続される第1回線送電線、及び第2回線送電線と、前記第2端子に敷設され、且つ前記第1回線送電線、及び前記第2回線送電線に接続される第2母線と、前記第1回線送電線上にある分岐点から分岐して接続された第3送電線と、第3送電線に接続される第3母線と、第3母線から遠方に接続される第4送電線と、前記第1端子側に配置され、前記第1回線送電線を遮断可能に前記第1母線に接続する第1遮断器と、前記第1端子側に配置され、前記第2回線送電線を遮断可能に前記第1母線に接続する第2遮断器と、前記第2端子側に配置され、前記第1回線送電線を遮断可能に前記第2母線に接続する第3遮断器と、前記第2端子側に配置され、前記第2回線送電線を遮断可能に前記第2母線に接続する第4遮断器と、前記分岐点から遠方の第3端子の近方側に配置され、前記第3送電線を遮断可能に接続する第5遮断器と、前記第3端子の遠方側に配置され、前記第4送電線を遮断可能に接続する第6遮断器と、前記第1端子側に配置され、事故時に保護すべき回線送電線を選択する第1回線選択保護継電装置と、前記第2端子側に配置され、事故時に保護すべき送電線を選択する第2回線選択保護継電装置と、前記第3端子の遠方側に配置され、事故時に保護すべき回線送電線を選択する保護継電装置と、を備えた並行2回線送電線保護システムであって、前記第1回線選択保護継電装置は、前記第1母線から取得した電圧データ、前記第1回線送電線、及び前記第2回線送電線から取得した電流データに基づいて事故を検出して、第1トリップ制御信号、又は/及び第2トリップ制御信号を生成する事故検出部と、前記第1トリップ制御信号に応じて第1遮断指令を生成して、前記第1遮断器に出力するとともに、前記第2トリップ制御信号に応じて第2遮断指令を生成して、前記第2遮断器に出力する遮断制御部と、を備え、前記保護継電装置は、前記第4送電線の事故を検出した場合に、前記第6遮断器を遮断するためのトリップ制御信号を生成し、前記第1回線選択保護継電装置の前記事故検出部は、前記第4送電線上の前記事故を検出した場合に、当該事故に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に前記検出信号が無効になったときには、第1トリップ制御信号、又は/及び第2トリップ制御信号の生成を中止することを特徴とする。
本発明によれば、並行2回線送電線のうちの1回線送電線上の分岐点から分岐された送電線上での事故があった場合でも、並行2回線送電線の端子に設けられた遮断器の不要な誤動作を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る並行2回線送電線選択保護システムの構成を示す系統図である。 本発明の一実施形態に係る回線選択保護継電装置の構成を示すブロック図である。 図2に示す回線選択保護継電装置の基本動作を説明するための信号の流れを示すフローである。 (a)は主保護に係る事故検出シーケンス部の論理構成を示す回路図であり、(b)は後備保護に係る事故検出シーケンス部の論理構成を示す回路図である。 (a)(b)はタイマの動作を示すタイミングチャートである。 (a)は送電線上に分岐点がある場合の系統図であり、(b)は送電線のインピーダンスについて説明するための図である。 (a)はC線において地絡事故が発生したことを示す系統図であり、(b)はB端子において遮断器CB3が遮断したことを示す系統図である。 本発明の一実施形態に係る並行2回線選択保護継電システムが対応可能な事故のうち代表的な事故ケースを示す系統図である。 本発明の一実施形態に係る回線選択保護継電装置が対応可能な第5事故に係る動作タイミングを示すタイミングチャートである。 図9に示す各動作タイミングに対して、A端に設けられた回線選択保護継電装置の事故検出シーケンス部による動作を示す真理値を表で示す図である。 図9に示す各動作タイミングに対して、B端子に設けられた保護継電装置の事故検出シーケンス部による動作を示す真理値を表で示す図である。 図9に示す各動作タイミングに対して、C端子に設けられた保護継電装置の事故検出シーケンス部による動作を示す真理値を表で示す図である。 (a)は図10に示す真理値を表で示す図における動作タイミングt0に対してA端子に設けられた回線選択保護継電装置の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図であり、(b)は図11に示す真理値を表で示す図における動作タイミングt0に対してB端子に設けられた保護継電装置の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図であり、(c)は図12に示す真理値を表で示す図における動作タイミングt0に対してC端子に設けられた保護継電装置の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図である。 (a)は図10に示す真理値を表で示す図における動作タイミングt1に対してA端子に設けられた回線選択保護継電装置の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図であり、(b)は図11に示す真理値を表で示す図における動作タイミングt1に対してB端子に設けられた保護継電装置の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図であり、(c)は図12に示す真理値を表で示す図における動作タイミングt1に対してC端子に設けられた保護継電装置の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図である。 (a)は図10に示す真理値を表で示す図における動作タイミングt2に対してA端子に設けられた回線選択保護継電装置の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図であり、(b)は図11に示す真理値を表で示す図における動作タイミングt2に対してB端子に設けられた保護継電装置の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図であり、(c)は図12に示す真理値を表で示す図における動作タイミングt2に対してC端子に設けられた保護継電装置の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図である。 (a)は図10に示す真理値を表で示す図における動作タイミングt3に対してA端子に設けられた回線選択保護継電装置の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図であり、(b)は図11に示す真理値を表で示す図における動作タイミングt3に対してB端子に設けられた保護継電装置の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図であり、(c)は図12に示す真理値を表で示す図における動作タイミングt3に対してC端子に設けられた保護継電装置の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る回線選択保護継電装置が対応可能な第4事故に係る動作タイミングを示すタイミングチャートである。 図17に示す各動作タイミングに対して、A端子に設けられた回線選択保護継電装置の事故検出シーケンス部による動作を示す真理値を表で示す図である。 図17に示す各動作タイミングに対して、B端子に設けられた保護継電装置の事故検出シーケンス部による動作を示す真理値を表で示す図である。 本発明の一実施形態に係る回線選択保護継電装置が対応可能な第3事故に係る動作タイミングを示すタイミングチャートである。 図20に示す各動作タイミングに対して、A端子に設けられた回線選択保護継電装置の事故検出シーケンス部による動作を示す真理値を表で示す図である。 図20に示す各動作タイミングに対して、B端子に設けられた保護継電装置の事故検出シーケンス部による動作を示す真理値を表で示す図である。 本発明の一実施形態に係るA端子に設けられた回線選択保護継電装置及びB端子に設けられた保護継電装置が対応可能な第3事故に係る動作タイミングを示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態に係るA端子に設けられた回線選択保護継電装置及びB端子に設けられた保護継電装置が対応可能な第2事故に係る動作タイミングを示すタイミングチャートである。 (a)はA端子側の外部に事故が発生したことを示す図であり、(b)はB端子側の外部に事故が発生したことを示す図であり、(c)はA端子に対して至近端に事故が発生したことを示す図である。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
本発明は、並行2回線送電線のうちの1回線送電線上の分岐点から分岐された送電線に接続された第3端子から遠方側に引出された送電線上での事故があった場合でも、並行2回線送電線の端子に設けられた遮断器の不要な誤動作を防止するために、以下の構成を有する。
すなわち、本発明の並行2回線送電線保護システムは、電気所の第1端子に敷設された第1母線を介して並行に接続され、且つ第1端子から遠方の第2端子に接続される第1回線送電線、及び第2回線送電線と、第2端子に敷設され、且つ第1回線送電線、及び第2回線送電線に接続される第2母線と、第1回線送電線上にある分岐点から分岐して接続された第3送電線と、前記第3送電線に接続される第3母線と、前記第3母線から遠方に接続される第4送電線と、第1端子側に配置され、第1回線送電線を遮断可能に第1母線に接続する第1遮断器と、第1端子側に配置され、第2回線送電線を遮断可能に第1母線に接続する第2遮断器と、第2端子側に配置され、第1回線送電線を遮断可能に第2母線に接続する第3遮断器と、第2端子側に配置され、第2回線送電線を遮断可能に第2母線に接続する第4遮断器と、分岐点から遠方の第3端子の近方側に配置され、第3送電線を遮断可能に接続する第5遮断器と、第3端子の遠方側に配置され、第4送電線を遮断可能に接続する第6遮断器と、第1端子側に配置され、事故時に保護すべき回線送電線を選択する第1回線選択保護継電装置と、第2端子側に配置され、事故時に保護すべき送電線を選択する第2回線選択保護継電装置と、第3端子の遠方側に配置され、事故時に保護すべき回線送電線を選択する保護継電装置と、を備えた並行2回線送電線保護システムであって、第1回線選択保護継電装置は、第1母線から取得した電圧データ、第1回線送電線、及び第2回線送電線から取得した電流データに基づいて事故を検出して、第1トリップ制御信号、又は/及び第2トリップ制御信号を生成する事故検出部と、第1トリップ制御信号に応じて第1遮断指令を生成して、第1遮断器に出力するとともに、第2トリップ制御信号に応じて第2遮断指令を生成して、第2遮断器に出力する遮断制御部と、を備え、保護継電装置は、第4送電線の事故を検出した場合に、第6遮断器を遮断するためのトリップ制御信号を生成し、第1回線選択保護継電装置の事故検出部は、第4送電線上の事故を検出した場合に、当該事故に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に検出信号が無効になったときには、第1トリップ制御信号、又は/及び第2トリップ制御信号の生成を中止することを特徴とする。
以上の構成を備えることにより、並行2回線送電線のうちの1回線送電線上の分岐点から分岐された送電線上での事故があった場合でも、並行2回線送電線の端子に設けられた遮断器の不要な誤動作を防止することができる。
上記の本発明の特徴に関して、以下、図面を用いて詳細に説明する。
<並行2回線送電線保護システムの構成を示す系統図>
図1は、本発明の一実施形態に係る並行2回線送電線選択保護システムの構成を示す系統図である。
図1は、並行2回線の片回線、例えば送電線1L上の分岐点から分岐して分岐線が接続されている並行2回線送電線を示している。以下、地絡事故を例にとって説明する。
図1において、送電線1L、2Lは、背後に地絡電源10を有するA端子(電源端)、及び非電源のB端子(非電源端)の各母線間を連系する送電線であり、A端子側の各送電線1L、2Lに遮断器CB1、CB2が、B端子側の各送電線1L、2Lには遮断器CB3、CB4がそれぞれ設けられ、また送電線1L上の分岐点から分岐して分岐線に接続されている。
A端子側には回線選択保護継電装置11が設置されており、この回線選択保護継電装置11には変成器PT1により検出される母線電圧と、送電線1L、2Lに設けられた変流器CT1、CT2により検出されるA端子側の各回線の電流とがそれぞれ入力される。
また、B端子側には回線選択保護継電装置13が設置されており、この回線選択保護継電装置13には変成器PT2により検出される母線電圧と、送電線1L、2Lに設けられた変流器CT3、CT4により検出されるB端子側の各回線の電流とがそれぞれ入力される。
C端子側には従来の保護継電装置15が設置されており、この保護継電装置15にはC端子母線に設けられた変成器PT3、及びC線に設けられた変流器CT5により検出されC線の電流が入力される。
D端子側には保護継電装置が設置されておらず、送電線1Lから分岐されたD線が敷設されている。
<回線選択保護継電装置の構成>
次に、図2は本発明の一実施形態に係る回線選択保護継電装置11の構成を示すブロック図である。
図2においても、母線構成を概略的に示している。図2に示す変成器PT1は、母線3Aに配置されている。変成器PT1は、母線電圧(例えば、110kV)の1次値を検出し、2次値(110V)を出力する。
図2に示す変流器CT1〜CT2は、送電線1L、2Lに夫々に配置されている。これらの変流器CT1〜CT2は、送電線電流(例えば、600A)の1次値を検出し、2次値を出力する。
回線選択保護継電装置11は、第1入力変換器11a、第2入力変換器11b、A/D変換器11c、継電機能演算部11d、事故検出シーケンス部11e、D/O遮断制御部11fを備えている。
第1入力変換器11aは、変成器PT1が検出した2次値である交流電圧を夫々に入力し、直流電圧に変換する。また、第1入力変換器11aは、変流器CT1が検出した2次値である交流電流を入力し、直流電圧値に変換する。
第2入力変換器11bは、変流器CT2が検出した2次値である交流電流を入力し、直流電圧値に変換する。
A/D変換器11cは、第1入力変換器11a及び第2入力変換器11bにより変換された直流電圧、直流電圧をデジタル量に変換する。
継電機能演算部11dは、デジタル入力値を主保護部、後備保護部など各々で目的にあった計算を行う。継電機能演算部11dは、遮断器CB1、CB2のバックアップ機能を一体化して備えている。
詳しくは、継電機能演算部11dは、図2に示す距離継電器144S、分岐送電線対策器151S、地絡方向継電器167G、地絡過電圧継電器164V、短絡回線選択継電器150S、250S、地絡回線選択継電器150G、250G、過電流継電器50SA、交流不足電圧継電器27、地絡過電圧継電器64V、距離継電器244S、分岐送電線対策器251S、地絡方向継電器267G、地絡過電圧継電器264Vを備えている。
距離継電器144Sは、母線電圧データおよび送電線1L電流データを入力量とし、母線電圧データと送電線電流データの比(この比は、継電器のみるインピーダンスと呼ばれ、送電線の距離の電気的尺度である)が所定値以下となったとき送電線1L短絡事故と判定する。
分岐送電線対策器151Sは、送電線1Lのインピーダンスを表す、A端子から送電線1Lを通った分岐点Eまでの距離と、A端子から送電線2Lを通った分岐点Eまでの距離との比を算出し、分岐点Eから分岐されたB線上に事故(#4、#5)が発生した場合に一定値となる151GS信号を出力する。
地絡方向継電器167Gは、送電線1L地絡電流データ(零相電流)が一定値以上流れたときに送電線1L事故と判定する。地絡事故の検出、零相電流データは、零相変流器(ZCT)で検出する。
地絡過電圧継電器164Vは、予定値を超える零相母線電圧データが回路に加わった場合に動作する継電器で、送電系統内に地絡事故が発生したことを察知する。
地絡方向継電器167Gは、地絡過電圧継電器164Vと組み合わせて送電線1L地絡事故と判定する。
交流不足電圧継電器27は、母線電圧データが予定値以下に低下した場合に動作する継電器で、地絡を含んだ短絡事故時に短絡回線選択継電器と組み合わせて使用される。
過電流継電器50SAは、送電線1L電流データと送電線2L電流データとの差を入力量とし、1L短絡回線選択継電器150Sまたは2L短絡回線選択継電器250Sと組み合わせて使用される。
地絡過電圧継電器64Vは、予定値を超える零相母線電圧データが回路に加わった場合に動作する継電器で、1L地絡回線選択継電器150Gまたは2L地絡回線選択継電器250Gと組み合わせて使用される。
短絡回線選択継電器150Sは、母線電圧データおよび送電線1L電流データおよび送電線2L電流を入力量とし、送電線1L電流から送電線2L電流を引いた電流データと母線電圧データの比が所定値以下となったときに送電線1L事故と判定し、過電流継電器50SAと組み合わせて動作する。
短絡回線選択継電器250Sは、母線電圧データおよび送電線1L電流データおよび送電線2L電流を入力量とし、送電線2L電流から送電線1L電流を引いた電流データと母線電圧データの比が所定値以下となったときに送電線2L事故と判定し、過電流継電器50SAと組み合わせて動作する。
地絡回線選択継電器150Gは、送電線1L零相電流データおよび送電線2L零相電流をデータ入力量とし、送電線1L零相電流から送電線2L零相電流を引いた零相電流データが所定値以上となったときに送電線2L事故と判定し、地絡過電圧継電器64Vと組み合わせて動作する。
地絡回線選択継電器250Gは、送電線1L零相電流データおよび送電線2L零相電流をデータ入力量とし、送電線2L零相電流から送電線1L零相電流を引いた零相電流データが所定値以上となったときに送電線2L事故と判定し、地絡過電圧継電器64Vと組み合わせて動作する。
分岐送電線対策器251Sは、送電線1Lを監視対象としており、上述した分岐送電線対策器151Sと同様の機能を有する。
距離継電器244Sは、母線電圧データおよび送電線2L電流データを入力量とし、母線電圧データと送電線2L電流データの比(この比は、継電器のみるインピーダンスと呼ばれ、送電線の距離の電気的尺度である)が所定値以下となったときに送電線2L事故と判定する。
地絡方向継電器267Gは、零相電圧データと送電線2L零相電流データが一定値以上流れたときに送電線2L事故と判定する。
地絡過電圧継電器264Vは、送電系統内に地絡事故時に発生する零相電圧データを検出して動作する継電器である。地絡過電圧継電器264Vは、単体で使用されることもあるが通常、地絡方向継電器と組み合わせて使用される。
事故検出シーケンス部11eは、事故検出を行うための論理処理を行う。なお、事故検出シーケンス部11eの詳細については図4に示す。
D/O遮断制御部11fは、事故検出シーケンス部11eから出力された論理演算結果を示すデータを直流出力(トリガ−)に変換し、送電線1L事故と判定した場合、回線選択継電器から遮断指令を遮断器CB1に出力する。また、D/O遮断制御部11fは、デジタルデータを直流出力(トリガ−)に変換し、送電線2L事故と判定した場合、回線選択継電器から遮断指令を遮断器CB2に出力する。
なお、図2に示す継電機能演算部11d、事故検出シーケンス部11e、D/O遮断制御部11fは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit)、HDD(Hard Disk Drive)により構成されている。CPUは、HDDからオペレーティングシステムOSを読み出してRAM上に展開してOSを起動し、OS管理下において、HDDからプログラム(処理モジュール)を読み出し、各種処理を実行する。なお、継電機能演算部11dに設けられた継電機能についての処理機能は、夫々にソフトウエアモジュールにおいて実行される。
<回線選択保護継電装置の基本動作>
図3は、図2に示す回線選択保護継電装置11の基本動作を説明するための信号の流れを示すフローである。
まず、図2に示すように、母線3Aに配置されている変成器PT1は、母線電圧(例えば110kV)の1次値を検出し、2次値(110V)を出力する。また、送電線1L、送電線2Lに夫々に配置されている変流器CT1、CT2は、送電線電流(例えば600A)の1次値を検出し、2次値を夫々に出力する。
次いで、第1入力変換器11aは、変成器PT1が検出した2次値である交流電圧を夫々に入力し、直流電圧に変換する。また、第1入力変換器11aは、変流器CT1が検出した2次値である交流電流を入力し、直流電圧値に変換する。
一方、第2入力変換器11bは、変流器CT2が検出した2次値である交流電流を入力し、直流電圧値に変換する。
ステップS5では、A/D変換器11cは、第1入力変換器11a及び第2入力変換器11bにより変換された直流電圧を入力し、所定のサンプリング周波数でサンプリングしてデジタル量に変換する。
この結果、母線3Aに配置されている変成器PT1により検出された後の2次値に対応するデータ、及び送電線1L、送電線2Lに夫々に配置されている変流器CT1、CT2により検出された後の2次値に対応するデータが継電機能演算部11dに入力される。
次いで、ステップS10では、継電機能演算部11dは、デジタル入力値を主保護部、後備保護部など各々で目的にあった計算を行う。
すなわち、継電機能演算部11dでは、上述した各種の継電機能により演算処理が行われ、検出信号が事故検出シーケンス部11eに出力される。
次いで、ステップS15では、事故検出シーケンス部11eによる故障検出処理による計算結果として、保護動作を示す結果があるか否かを判断する。
ここでいう保護動作とは、上述した各種の継電機能による動作である。計算結果として保護動作を示す結果がある場合にステップS20に進む。一方、計算結果として保護動作を示す結果がない場合にステップS5に戻り、上述した処理を繰り返す。
次いで、ステップS20では、計算結果として保護動作を示す結果がある場合、D/O遮断制御部11fは、デジタルデータを直流出力(トリガ)に変換し、送電線1Lの事故と判定した場合、遮断指令を遮断器CB1に出力する、又は送電線2Lの事故と判定した場合、遮断指令を遮断器CB2に出力する。
次いで、D/O遮断制御部11fから遮断指令を受け付けた遮断器CB1は、送電線1Lと母線3Aとの接続を遮断する。一方、D/O遮断制御部11fから遮断指令を受け付けた遮断器CB2は、送電線2Lと母線3Aとの接続を遮断する。
<事故検出シーケンス部の構成>
次に、図4(a)は地絡事故において主保護に係る事故検出シーケンス部11eの論理構成を示す回路図であり、図4(b)は地絡事故において後備保護に係る事故検出シーケンス部11eの論理構成を示す回路図である。
図4(a)(b)に示す地絡事故検出シーケンス部11eは、図2に示す継電機能演算部11dによる各種の継電機能による演算結果に基づいて、地絡故障検出処理を行い、地絡故障検出処理による計算結果として保護動作を必要とする場合に、D/O遮断制御部11fに制御信号を出力する。
<主保護に係る事故検出シーケンス部の構成>
まず、図4(a)に示す地絡事故において主保護に係る地絡事故検出シーケンス部11eの構成について説明する。
分岐対策使用信号(G)は、地絡事故検出シーケンス部11eの内部論理回路を使用するか否かを指示するスイッチ信号であり、分岐送電線に対して内部論理回路を使用する場合は論理「1」が、分岐送電線がない場合は内部論理回路を使用しないので論理「0」が設定され、AND1及びAND8に入力される。
OR1は、151GS1信号、または151GS2信号に接続され、タイマT1に出力が接続されている。タイマT1は、OR1の出力端子に接続され、論理「1」が入力されると論理「1」をAND1に出力し、信号がなくなり論理「0」となった場合にも論理「1」をタイマ設定時限まで引き伸ばし、その後論理「0」を出力する。
AND1は、入力される分岐対策使用信号(G)とタイマT1の出力端子に接続され、両者が論理「1」である場合に、論理「1」をAND2、INV1に出力する。
AND3は、送電線1Lに設置されたCB1が入り状態にあることを表す1L−CB入信号が入力され、且つ、送電線2Lに設置されたCB2が入り状態にあることを表す2L−CB入信号が入力された両者が論理「1」である場合に、論理「1」をAND4、及びAND6に出力する。
タイマT4は、27信号として論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」をINV2に出力する。INV2は、入力端子がタイマT4に接続され、タイマT4から入力される論理値を反転させて論理「0」をAND4、及びAND6に出力する。
AND4は、150G信号、64V信号に接続され、AND3の出力端子に接続され、且つINV2の出力端子に接続され、全てが論理「1」である場合に、論理「1」をAND2、及びタイマT3に出力する。
AND6は、64V信号が接続され、AND3の出力端子に接続され、INV2の出力端子に接続され、且つ250G信号が接続され、全てが論理「1」である場合に、論理「1」をAND9、及びタイマT5に出力する。
OR3は、251GS1信号、252GS2信号に接続され、出力端子がタイマT6に接続されている。タイマT6は、OR3の出力端子に接続され、論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」をAND8に出力し、信号がなくなり論理「0」となった場合にも論理「1」をタイマ設定時限まで引き伸ばし、その後論理「0」を出力する。
AND8は、分岐対策使用信号(G)、タイマT6の出力端子に接続され、両者が論理「1」である場合に、論理「1」をAND9、INV3に出力する。
AND2は、AND1の出力端子に接続され、且つAND4の出力端子に接続され、両者が論理「1」である場合に、論理「1」をタイマT2に出力する。
タイマT2は、AND2の出力端子に接続され、論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」をOR2に出力する。
INV1は、AND4の出力端子に接続され、入力される論理値を反転させてAND5に出力する。
タイマT3は、AND4から論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」をAND5に出力する。
AND5は、INV1が出力する論理が「1」、且つタイマT3が論理「1」を出力した場合に論理「1」をOR2に出力する。
OR2は、タイマT2の出力端子に接続され、またAND5の出力端子に接続され、両者の少なくとも一方が論理「1」を出力した場合に1Lトリップ信号をD/O遮断制御部11fに出力する。
タイマT5は、AND6の出力端子に接続され、論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」をAND7に出力する。
INV3は、AND8の出力端子に接続され、入力される論理値を反転させてAND7に出力する。
AND7は、INV3の出力端子に接続され、且つタイマT5の出力端子に接続され、両者の論理が「1」である場合に論理「1」をOR4に出力する。
AND9は、AND6の出力端子に接続され、且つAND8の出力端子に接続され、両者の論理が「1」である場合に、論理「1」をタイマT7に出力する。
タイマT7は、AND9の出力端子に接続され、論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」をOR2に出力する。
OR4は、タイマT7の出力端子に接続され、またAND7の出力端子に接続され、両者の少なくとも一方が論理「1」を出力した場合に2Lトリップ信号をD/O遮断制御部11fに出力する。
<後備保護に係る事故検出シーケンス部の構成>
次に、図4(b)に示す後備保護に係る事故検出シーケンス部11eの構成について説明する。
タイマT11は、64V信号として論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」(64VT1信号)をAND11に出力する。
タイマT12は、64V信号として論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」(64VT2信号)をAND12に出力する。
AND11は、67G信号に接続され、タイマT11の出力端子に接続され、両者が論理「1」である場合に論理「1」をタイマT13に出力する。
タイマT13は、AND11の出力端子に接続され、論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」(67GT信号)をOR11に出力する。
AND12は、64VT2使用信号に接続され、タイマT12の出力端子に接続され、両者が論理「1」である場合に論理「1」をOR11に出力する。
OR11は、タイマT13の出力端子に接続され、またAND12の出力端子に接続され、両者の少なくとも一方が論理「1」を出力した場合にトリップ命令信号をD/O遮断制御部に出力する。
<27信号>
本実施形態において、図4(a)に示す27信号は、回線選択保護継電装置11内に設けられた交流不足電圧継電器27がONしたことを示す信号であり、送電線内に短絡事故(三相送電線における電線間でのショート)が発生した場合に、電圧が低下するのでこの交流不足電圧継電器27がONする。
交流不足電圧継電器27が動作すると、継電機能演算部11dでは短絡が発生したこととして認識されるため、地絡系の継電器による動作をロックする役割がある。
本実施形態は、地絡事故(送電線がアースされた状態)に関するものであり、一相とのアースを地絡系の継電器が担務し、二相がアースするものは、二相地絡といわれるものでショートとアースが合わさったもので、短絡検出系の継電器が事故を除去する。
<タイマT4の動作>
次に、図5(a)は、図4(a)に示すタイマT4の動作を示すタイミングチャートである。
タイマT4は、交流不足電圧継電器27から論理「1」の27信号が入力すると、設定時間が経過した後にONして論理「1」を出力する。
<タイマT1の動作>
次に、図5(b)は、図4(a)に示すタイマT1の動作を示すタイミングチャートである。
タイマT1は、OR1が論理「1」から論理「0」へ信号が変化すると、設定時間まで論理「1」を保持した後に論理「0」を出力する。
<51GS信号>
次に、図6は、分岐送電線対策器151Sにより生成される51GS信号について説明するための模式図である。図6(a)は、送電線1L上に分岐点Eがある場合の系統図であり、図6(b)は、送電線のインピーダンスについて説明するための図である。
図6(a)に示すように、送電線1L上にある分岐点Eから分岐してB線及びC端子を通過するC線が敷設されている。
送電線のインピーダンスは、送電線の距離に比例し、電流比に比例する。
このため、図6(b)に示すように、送電線1L上に分岐点Eがあった場合、A端子から分岐点Eまでの距離は、A端子からB端子の距離を“「1」”とした場合に、A端子から送電線1Lを通った分岐点Eまでの距離は、X(0≦X≦1)であり、一方、A端子から送電線2Lを通った分岐点Eまでの距離は、1+(1−X)(0≦X≦1)である。
Figure 2018064416
従って、式(1)により算出された比|1+(1−X)|/|X|は、分岐点Eから分岐されたB線上に事故(#4、#5)が発生した場合に51GS信号は一定値になる。この際、51GS信号が予め設定していた値となった場合に信号として論理「1」が発生する。
<150GTS0信号>
本実施形態において、並行2回線送電線1L、2Lにおける電源10側(A端子)の回線選択保護継電装置11に適用している。
図7(a)は、B線の次区間C線(CB6よりも遠方)において地絡事故#5(1φG)が発生したことを示す系統図であり、図7(b)は、B端子において遮断器CB3が遮断したことを示す系統図である。
分岐送電線であるB線の次区間において地絡事故#5(1φG)が発生した場合を想定する。ここで、分岐送電線であるB線は、A端子−B端子間の中間点からの分岐とする。
この場合、XはA端子−B端子間の並行2回線送電線1Lの中間点であり0.5である。よって、分岐送電線対策器151Sが出力する151GS信号の設定値は、
Figure 2018064416
となる。
並行2回線送電線2Lに分岐送電線がある場合は、分岐送電線対策251GS信号を設定することになる。
また、図8に示すように、送電線1Lに分岐送電線B線の他に分岐送電線D線が分岐されている場合は、D線に設けられた分岐送電線対策器は152GS信号を設定することになる。
地絡事故#5が発生
図7(a)に示すように、地絡事故#5が発生した場合、A端子、及びB端子に設けられた回線選択保護継電装置11、回線選択保護継電装置13内の地絡回線選択継電器150Gが動作して、地絡回線選択継電器150Gから出力される150G信号が論理「1」に夫々に切り替わる。
ここで、A端子に設けられた回線選択保護継電装置11内の地絡回線選択継電器150Gから出力される150G信号が論理「0」から論理「1」に切り替わると、事故検出シーケンス部11eでは、分岐送電線対策器151GSにより151GSの値が「3.0」で設定値になっているため動作して論理値「1」を出力してタイマT1のタイマカウント中となる。
一方、B端子に設けられた回線選択保護継電装置13内の地絡回線選択継電器150Gから出力される150G信号が論理「0」から論理「1」に切り替わると、遮断器CB3に遮断信号を送り、遮断器CB3を遮断する。
(2)B端子にて遮断器CB3が遮断後
図7(b)に示すように、B端子に設けられた遮断器CB3が遮断すると、分流比が変化するため、A端子に設けられた回線選択保護継電装置11内の送電線2L地絡事故電流(隣回線Io)の入力が消失するため分岐送電線対策器151GSから出力される151GSの値は設定値「3」から「∞」となってしまうため信号は、分岐送電線対策器151GSの整定範囲外となり、分岐送電線対策器151GSは、論理値「0」を出力する。即時にA端子に設けられた回線選択保護継電装置11内のから出力される150G信号が切り替わるため、場合によってはC端子に設けられたC線保護継電装置である地絡方向継電器67Gから出力される67G信号で事故回線を遮断する前にA端子に設けられた遮断器CB1が動作してしまう。
このため、事故発生時の分流比を記録しておく必要があり、分岐送電線対策器151GSにより機能が動作したら、タイマT1の出力端子から出力される150GTS0信号を保持するという目的がある。
<代表的な事故ケース>
次に、図8は、本発明の一実施形態に係る並行2回線選択保護システムが対応可能な事故のうち代表的な事故ケースを示す系統図である。
図8において、第1事故#1は、並行2回線の送電線1L上の中間点の近方において発生したこととする。
第2事故#2は、並行2回線の送電線1L上の遮断器CB3の近方で発生したこととする。
第3事故#3は、並行2回線の送電線1L上の遮断器CB1の近方で発生したこととする。
第4事故#4は、並行2回線の送電線1L上の分岐点Eから分岐したB線上にある遮断器CB5よりも近方側で発生したこととする。
第5事故#5は、B線上の次区間であるC線に設けられた遮断器CB6よりも遠方で発生したこととする。第5事故#5では、本発明の分岐送電線対策器を備えない場合、送電線1Lを遮断するため、B線上にあるC端子から分岐した送電線(第3母線)上のトランスTr1と、送電線1L上のF点から分岐したD線上にあるD端子とへの供給が停電する。
<第5事故#5での動作タイミング>
次に、図9は、本発明の一実施形態に係る回線選択保護継電装置11が対応可能な第5事故#5に係る動作タイミングt0〜t4を示すタイミングチャートである。
第5事故#5で地絡事故が発生すると、送電線1Lが接続されているA端子では、回線選択保護継電装置11に設けられた主保護系の地絡回線選択継電器150Gおよび後備保護系の地絡方向継電器167Gが動作するが、分岐送電線対策器151GSが動作しているため地絡回線選択継電器150Gは遮断器CB1への遮断信号は出力しない。地絡方向継電器167Gも動作しているものの時限協調用タイマ167GTよりCB遮断信号は保持されている。
一方、送電線1Lが接続されているB端子では、回線選択保護継電装置13に設けられた主保護系の地絡回線選択継電器150G、及び後備保護系の地絡方向継電器167Gが動作するが、地絡方向継電器167Gはタイマにより整定167G出力信号を保持するため地絡回線選択継電器150Gの動作により遮断器CB3を先行して遮断する。
この間、C端子のC線地絡方向継電器67Gは動作しているものの、時限協調用タイマ67GTよりCB遮断信号は保持されている。時限協調用タイマ67GTが設定時間を経過した後、遮断器CB6に遮断信号を送り、遮断器CB6を遮断する。
A端子の地絡回線選択継電器150G、及び地絡方向継電器167Gは、C端子C線保護継電装置で事故が解消されたため地絡事故電流が消失し、地絡回線選択継電器150G、及び地絡方向継電器167Gは、動作復帰する。
C端子C線地絡事故にあたり、送電線1Lは、B端子側の遮断器CB3が不要な遮断(t1−t2)を行うが、送電線1Lへの供給に支障は生じない。
<第5事故#5での回線選択保護継電装置11の動作を示す真理値を表で示す図>
次に、図10は、図9に示す各動作タイミングt0〜t4に対して、A端に設けられた回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eによる動作を示す真理値を表で示す図である。
送電線1Lが接続されているA端子では、回線選択保護継電装置11に設けられた分岐送電線対策器151GSによる地絡・短絡(GS)に係る動作により遮断器CB1の遮断タイミングが引き伸ばされる。
しかし、A端子に接続されている送電線1Lは、分岐送電線対策器151GSからの151GST信号をタイマT1がカウント中に、保護継電装置15によりC線が遮断され、送電線1Lを対象としている回線選択保護継電装置11が動作復掃するため、回線選択保護継電装置11による送電線1Lに係る不要な遮断を防止することができる。
<第5事故#5での回線選択保護継電装置13の動作を示す真理値を表で示す図>
次に、図11は、図9に示す各動作タイミングt0〜t4に対して、B端子に設けられた回線選択保護継電装置13の事故検出シーケンス部による動作を示す真理値を表で示す図である。
図11に示すように、B端子側の回線選択保護継電装置13に設けられた地絡回線選択継電器150Gから出力される150G信号が論理「0」から論理「1」に切り替わる(t1)と、タイマT2の作動により先行して遮断器CB3が遮断(t2)した後に、C端子側の保護継電装置15がC線上の遮断器CB6を遮断(t3)する。
ただし、A端子側の回線選択保護継電装置11に設けられた分岐送電線対策器151GSからの151GS1信号をタイマT1がカウント中に、地絡事故#5が除去(t3)される。このため、送電線1Lの分岐点Eから分岐したB線上のC端子に接続されている送電線(第3母線)上のトランスTr1と、送電線1L上の分岐点Fから分岐したA線上のD端子は停電しない。
<B端子側の回線選択保護継電装置13に設けられた事故検出シーケンス部の構成>
次に、図13(b)はB端子側の回線選択保護継電装置13に設けられた事故検出シーケンス部の論理構成を示す回路図である。
図13(b)に示す事故検出シーケンス部は、継電機能演算部による各種の継電機能による演算結果に基づいて、故障検出処理を行い、故障検出処理による計算結果として保護動作を必要とする場合に、D/O遮断制御部に制御信号を出力する。
<回線選択保護継電装置13の主保護に係る事故検出シーケンス部の構成>
次に、図13(b)に示す回線選択保護継電装置13の主保護に係る事故検出シーケンス部の構成について説明する。
なお、回線選択保護継電装置13に設けられた他のブロックについては、回線選択保護継電装置11とほぼ同様であるので、その説明を省略する。
AND21は、150G信号に接続され、64V信号に接続され、両者が論理「1」である場合に論理「1」をAND22に出力する。
タイマT22は、27信号として論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」(27T信号)をINV21に出力する。
AND25は、64V信号に接続され、250G信号に接続され、両者が論理「1」である場合に論理「1」をAND26に出力する。
AND22は、AND21の出力端子に接続され、且つINV21の出力端子に接続され、両者の論理が「1」である場合に、論理「1」をタイマT22に出力する。
タイマT21は、AND22の出力端子に接続され、論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」(150GT信号)をAND23に出力する。
AND26は、AND25の出力端子に接続され、且つINV21の出力端子に接続され、両者の論理が「1」である場合に、論理「1」をタイマT23に出力する。
タイマT23は、AND26の出力端子に接続され、論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」(250GT信号)をAND27に出力する。
AND24は、1L−CB入信号に接続され、且つ2L−CB入信号に接続され、両者が論理「1」である場合に論理「1」をAND23、及びAND27に出力する。
AND23は、タイマT21の出力端子に接続され、且つAND24の出力端子に接続され、両者の論理「1」を出力した場合に1Lトリップ信号をD/O遮断制御部に出力する。
AND27は、タイマT23の出力端子に接続され、且つAND24の出力端子に接続され、両者の論理「1」を出力した場合に2Lトリップ信号をD/O遮断制御部に出力する。
<第5事故#5での保護継電装置15の動作を示す真理値を表で示す図>
次に、図12は、図9に示す各動作タイミングt0〜t4に対して、C端子に設けられた保護継電装置15の事故検出シーケンス部による動作を示す真理値を表で示す図である。
A端子側の回線選択保護継電装置11は、分岐送電線対策器151GSからの分岐送電線対策器151GS信号をタイマT1がカウントしている。この際に、C線に配置された保護継電装置15がC線上の遮断器CB6を遮断(t2)し、第5事故#5は除去される。
タイミングt2以降、A端子側の回線選択保護継電装置11が復帰するため、C端子から分岐して接続されている送電線(第3母線)上のトランスTr1と、送電線1L上の分岐点Fから分岐したA線上のD端子は停電しない。
<第5事故#5での回線選択保護継電装置11の動作状態(t0)>
次に、図13(a)は、図10に示す真理値を表で示す図における、動作タイミングt0に対して、A端子に設けられた回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eの動作状態を示す回路図である。
動作タイミングt0では、分岐対策使用(G)が使用状態を表す論理「1」に設定されており、A端子側の遮断器CB1、CB2がON状態を表す論理「1」であることを示している。その他の信号は、OFF状態を表す論理「0」であることを示している。
<第5事故#5での回線選択保護継電装置11の動作状態(t1)>
次に、図14(a)は、図10に示す真理値を表で示す図における、動作タイミングt1に対して、A端子に設けられた回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eの動作状態を示す回路図である。
動作タイミングt1では、第5事故#5が発生したことに起因して、分岐送電線対策器151GS1から出力される151GS1信号、地絡回線選択継電器150Gから出力される150G信号、地絡過電圧継電器64Vから出力される64V信号、が論理「0」から論理「1」に切り替わったことを示している。
そして、151GS1信号がOR1を介してタイマT1に入力され、タイマT1の入力端子及び出力端子が論理「1」状態に切り替わり、AND1の出力端子が論理「1」に切り替わり、AND12出力端子が論理「1」に切り替わる。
<第5事故#5での回線選択保護継電装置11の動作状態(t2)>
次に、図15(a)は、図10に示す真理値を表で示す図における、動作タイミングt2に対して、A端子に設けられた回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eの動作状態を示す回路図である。
動作タイミングt2では、B端子側に設けられた遮断器CB3が遮断(t2)したことに起因して、分岐送電線対策器151GS1から出力される151GS1信号が論理「1」から論理「0」に切り替わったことを示している。
この際、151GS1信号がOR1を介してタイマT1に入力され、タイマT1の入力端子が論理「1」から論理「0」に切り替わる。しかし、タイマT1は所定時間だけ論理「1」状態を保持するので、図5(a)に示すように、論理「1」状態を引き伸ばす。
<第5事故#5での回線選択保護継電装置11の動作状態(t3)>
次に、図16(a)は、図10に示す真理値を表で示す図における、動作タイミングt3に対して、A端子に設けられた回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eの動作状態を示す回路図である。
動作タイミングt3では、動作タイミングt1時にタイマT1の出力端子が論理「0」から論理「1」に切り替わってから論理「1」状態を保持している。
<第5事故#5での回線選択保護継電装置13の動作状態(t0)>
次に、図13(b)は、図11に示す真理値を表で示す図における、動作タイミングt0に対して、B端子に設けられた回線選択保護継電装置13の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図である。
動作タイミングt0では、B端子側の遮断器CB3、CB4がON状態を表す論理「1」であることを示している。その他の信号は、OFF状態を表す論理「0」であることを示している。
<第5事故#5での回線選択保護継電装置13の動作状態(t1)>
次に、図14(b)は、図11に示す真理値を表で示す図における、動作タイミングt1に対して、B端子に設けられた回線選択保護継電装置13の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図である。
動作タイミングt1では、第5事故#5が発生したことに起因して、地絡回線選択継電器150Gから出力される150G信号、地絡過電圧継電器64Vから出力される64V信号が論理「0」から論理「1」に切り替わったことを示している。
この際、150G信号、64V信号が論理「0」から論理「1」に切り替わったことで、これらの信号が入力されるAND21の出力端子が論理「0」から論理「1」に切り替わり、さらに、AND22の出力端子が論理「0」から論理「1」に切り替わる。
AND22の出力信号は、タイマT21に入力されており、タイマT21の入力端子が論理「0」から論理「1」に切り替わる。
タイマT21は所定時間だけ論理「0」状態を保持することで、図5(a)に示すように、論理「0」状態を引き伸ばす。
<第5事故#5での回線選択保護継電装置13の動作状態(t2)>
次に、図15(b)は、図11に示す真理値を表で示す図における、動作タイミングt2に対して、B端子に設けられた回線選択保護継電装置13の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図である。
動作タイミングt2では、タイマT21において所定時間が経過して出力端子が論理「0」から論理「1」に切り替わり、AND23の入力端子に論理「1」が入力される。
一方、B端子側の遮断器CB3、CB4がON状態を表す論理「1」であることを示しているため、これらの信号を入力されるAND24の出力端子は論理「1」になり、AND23の他の入力端子に論理「1」が入力される。
この結果、AND23の両方の入力端子には論理「0」から論理「1」に切り替わるので、AND23の出力端子から論理「1」が1Lトリップ信号としてD/O遮断制御部に出力される。
回線選択保護継電装置13のD/O遮断制御部は、AND23からの1Lトリップ信号を受け付けて、B端子側の遮断器CB3を遮断する。
<第5事故#5での回線選択保護継電装置13の動作状態(t3)>
次に、図16(b)は、図11に示す真理値を表で示す図における、動作タイミングt3に対して、B端子に設けられた回線選択保護継電装置13の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図である。
動作タイミングt3では、タイマT21において所定時間が経過して出力端子が論理「1」から論理「0」に切り替わり、AND23の入力端子に論理「0」が入力される。
一方、B端子側の遮断器CB3がOFF状態を表す論理「0」であり、CB4がON状態を表す論理「1」であることを示しているため、これらの信号を入力されるAND24の出力端子は論理「0」になり、AND23の他の入力端子に論理「0」が入力される。
この結果、AND23の両方の入力端子には論理「0」が入力されるので、AND23の出力端子から論理「0」状態信号がD/O遮断制御部に出力される。
回線選択保護継電装置13のD/O遮断制御部は、AND23からの論理「0」状態信号を受け付けて、B端子側の遮断器CB3を閉結状態に切り替える。
一方、動作タイミングt3では、保護継電装置15によりC端子側の遮断器CB6が遮断されるので、地絡回線選択継電器150Gから出力される150G信号が論理「1」から論理「0」に戻る。この結果、タイマT21の入力端子及び出力端子が論理「0」状態に切り替わる。
<C端子側の保護継電装置15に設けられた事故検出シーケンス部の構成>
次に、図13(c)に示す保護継電装置15の事故検出シーケンス部の構成について説明する。
なお、保護継電装置15に設けられた他のブロックについては、回線選択保護継電装置11とほぼ同様であるので、その説明を省略する。
タイマT11は、64V信号として論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」(64VT1信号)をAND11に出力する。
タイマT12は、64V信号として論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」(64VT2信号)をAND12に出力する。
AND11は、67G信号に接続され、タイマT11の出力端子に接続され、両者が論理「1」である場合に論理「1」をタイマ13に出力する。
タイマT13は、AND11の出力端子に接続され、AND11から論理「1」が入力されるとタイマを起動して設定時間後に論理「1」(67GT信号)をOR11に出力する。
AND12は、64VT2使用信号に接続され、タイマT12の出力端子に接続され、両者が論理「1」である場合に論理「1」をOR11に出力する。
OR11は、AND12の出力端子に接続され、タイマT13の出力端子に接続され、両者の少なくとも1つが論理「1」である場合に論理「1」をリップ命令信号としてD/O遮断制御部に出力する。
<第5事故#5での保護継電装置15の動作状態(t0)>
次に、図13(c)は、図12に示す真理値を表で示す図における、動作タイミングt0に対して、C端子に設けられた保護継電装置15の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図である。
動作タイミングt0では、入力信号は、OFF状態を表す論理「0」であることを示している。
<第5事故#5での保護継電装置15の動作状態(t1)>
次に、図14(c)は、図12に示す真理値を表で示す図における、動作タイミングt1に対して、C端子に設けられた保護継電装置15の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図である。
動作タイミングt1では、第5事故#5が発生したことに起因して、地絡方向継電器67Gから出力される67G信号、地絡過電圧継電器64Vから出力される64V信号が論理「0」から論理「1」に切り替わったことを示している。
この際、64V信号がタイマT11に入力され、タイマT11の入力端子が論理「1」に切り替わる。タイマT11は所定時間だけ論理「0」状態を保持することで論理「0」状態を引き伸ばす。
同様に、64V信号がタイマT12に入力され、タイマT12の入力端子が論理「1」に切り替わる。タイマT12は所定時間だけ論理「0」状態を保持することで論理「0」状態を引き伸ばす。
<第5事故#5での保護継電装置15の動作状態(t2)>
次に、図15(c)は、図12に示す真理値を表で示す図における、動作タイミングt2に対して、C端子に設けられた保護継電装置15の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図である。
動作タイミングt2では、第5事故#5が継続して発生していることに起因して、67G信号、64V信号が論理「1」状態であることを示している。
この際、タイマT11の出力端子は継続して論理「0」状態を保持している。同様に、タイマT12の出力端子は継続して論理「0」状態を保持している。
<第5事故#5での保護継電装置15の動作状態(t3)>
次に、図16(c)は、図12に示す真理値を表で示す図における、動作タイミングt3に対して、C端子に設けられた保護継電装置15の事故検出シーケンス部の動作状態を示す回路図である。
動作タイミングt3では、第5事故#5が継続して発生していることに起因して、67G信号、64V信号が論理「1」状態であることを示している。
この際、タイマT11は、タイミングt1から所定時間が既に経過したため、出力端子が論理「0」から論理「1」に既に切り替わっており、AND11に論理「1」が出力される。
この結果、AND11の両方の入力端子には論理「1」が入力されるので、AND11の出力端子から論理「1」がタイマT13に出力されている。
タイマT13では、既に所定時間が経過して出力端子が論理「0」から論理「1」に切り替わり、OR11の入力端子に論理「1」が入力される。そして、OR11の出力端子から論理「1」がトリップ命令信号としてD/O遮断制御部に出力される。
保護継電装置15のD/O遮断制御部は、OR11からのトリップ命令信号を受け付けて、C端子側の遮断器CB6を遮断する。この結果、第5事故#5が除去される。
これにより、並行2回線送電線のうちの1回線送電線1L上の分岐点から分岐されたC線上での地絡事故#5があった場合でも、保護継電装置15が作動して遮断器CB6を遮断する一方、回線選択保護継電装置11が当該地絡事故#5に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に検出信号が無効になったときには、1Lトリップ信号の生成を中止するので、並行2回線送電線の端子に設けられた遮断器の不要な誤動作を防止することができる。
<第4事故#4での動作タイミング>
次に、図17は、本発明の一実施形態に係る回線選択保護継電装置11が対応可能な第4事故#4に係る動作タイミングt0〜t4を示すタイミングチャートである。
B端子側の回線選択保護継電装置13は、送電線1L上の遮断器CB3を遮断(t2)する。
一方、A端子側の回線選択保護継電装置11は、分岐送電線対策器151GSからの151GS1信号をタイマT1がカウントした後に、送電線1L上の遮断器CB1を遮断(t4)する。この結果、第4事故#4が除去される。
<第4事故#4での回線選択保護継電装置11の動作を示す真理値を表で示す図>
次に、図18は、図17に示す各動作タイミングt0〜t4に対して、A端子に設けられた回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eによる動作を示す真理値を表で示す図である。
A端子に設けられた回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eでは、図18に示す動作タイミングt0、t1、t2は、図10に示す動作タイミングt0、t1、t2と同様であるので、その説明を省略する。
図18に示す動作タイミングt3では、タイマT2において所定時間が経過(150GTS タイマカウント後)して出力端子が論理「0」から論理「1」に切り替わり、OR2の入力端子に論理「1」が入力される。そして、OR2の出力端子から論理「1」が1Lトリップ信号としてD/O遮断制御部11fに出力される。
回線選択保護継電装置11のD/O遮断制御部11fは、OR2からの1Lトリップ信号を受け付けて、A端子側の遮断器CB1を遮断する。この結果、第4事故#4が除去される。
<第4事故#4での回線選択保護継電装置13の動作を示す真理値を表で示す図>
次に、図19は、図17に示す各動作タイミングt0〜t4に対して、B端子に設けられた回線選択保護継電装置13の事故検出シーケンス部による動作を示す真理値を表で示す図である。
B端子に設けられた回線選択保護継電装置13の事故検出シーケンス部では、図19に示す動作タイミングt0、t1、t2、t3は、図11に示す動作タイミングt0、t1、t2、t3とほぼ同様であるので、タイミング上の相違点のみ説明する。
図19に示す動作タイミングt2においてのみ、OR2の出力端子から論理「1」が1Lトリップ信号としてD/O遮断制御部11fに出力される。
回線選択保護継電装置11のD/O遮断制御部11fは、OR2からの1Lトリップ信号を受け付けて、動作タイミングt2においてのみ、A端子側の遮断器CB1を遮断する。
これにより、並行2回線送電線のうちの1回線送電線上の分岐点から分岐されたB線上での事故があった場合でも、回線選択保護継電装置13は、遮断器CB3を遮断するための1Lトリップ信号を生成する。一方、回線選択保護継電装置11は、当該地絡事故に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に検出信号が無効になったときには、1Lトリップ信号の生成を中止するので、並行2回線送電線の端子に設けられた遮断器の不要な誤動作を防止することにある。
<第3事故#3での動作タイミング>
次に、図20は、本発明の一実施形態に係る回線選択保護継電装置11が対応可能な第3事故#3に係る動作タイミングt0〜t5を示すタイミングチャートである。
A端子側の回線選択保護継電装置11は、地絡事故電流が送電線1Lにほぼ全量流れるので送電線1L上の遮断器CB1を遮断(t2)する。
一方、B端子側の回線選択保護継電装置13は、A端子側の回線選択継電装置11が動作して遮断器CB1が遮断(t2)するまでは、B端子には地絡事故電流がほとんど流れないため動作しない。A端子のCB1が遮断すると、B端子には地絡事故電流は2Lから流入して母線3Bを経由して送電線1Lから地絡事故点に向かって流出するため地絡回線選択継電器150Gからの150G信号をタイマT21がカウントした後に、送電線1L上の遮断器CB3を遮断(t5)する。
<第3事故#3での回線選択保護継電装置11の動作を示す真理値を表で示す図>
次に、図21は、図20に示す各動作タイミングt0〜t5に対して、A端子に設けられた回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eによる動作を示す真理値を表で示す図である。
A端子側に設けられた回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eでは、図20に示す動作タイミングt0は、分岐対策使用(G)が使用状態を表す論理「1」に設定されており、A端子側の遮断器CB1、CB2がON状態を表す論理「1」であることを示している。その他の信号は、OFF状態を表す論理「0」であることを示している。
次に、動作タイミングt1では、送電線1L上において第3事故#3が発生したことに起因して、地絡回線選択継電器150Gから出力される150G信号、地絡過電圧継電器64Vから出力される64V信号が論理「0」から論理「1」に切り替わる。これにより、AND4からタイマT3に論理「1」が出力され、タイマT3は所定時間(150GT)後に出力端子を論理「0」から論理「1」に切り替える。
動作タイミングt2では、所定時間が経過してタイマT3の出力端子が論理「0」から論理「1」に切り替わり、OR2から論理「1」が1Lトリップ信号としてD/O遮断制御部11fに出力される。
回線選択保護継電装置11のD/O遮断制御部11fは、OR2からの1Lトリップ信号を受け付けて、A端子側の遮断器CB1を遮断する。
動作タイミングt3では、遮断器CB1が遮断されたことによりAND3の出力端子が論理「1」から論理「0」に切り替わり、タイマT3の出力端子が論理「1」から論理「0」に切り替わり、OR2から論理「0」がD/O遮断制御部11fに出力される。
この結果、回線選択保護継電装置11のD/O遮断制御部11fは、1Lトリップ信号が解除されたことを受け、A端子側の遮断器CB1を閉結状態に戻す。
<第3事故#3での回線選択保護継電装置13の動作を示す真理値を表で示す図>
次に、図22は、図20に示す各動作タイミングt0〜t5に対して、B端子に設けられた回線選択保護継電装置13の事故検出シーケンス部による動作を示す真理値を表で示す図である。
動作タイミングt0では、B端子側の遮断器CB3、CB4がON状態を表す論理「1」であることを示している。その他の信号は、OFF状態を表す論理「0」であることを示している。
次いで、動作タイミングt1以降では、地絡過電圧継電器64Vから出力される64V信号が論理「0」から論理「1」に切り替わってAND21に入力される。
次いで、動作タイミングt2以降では、地絡回線選択継電器150Gから出力される150G信号が論理「0」から論理「1」に切り替わり、AND21の出力端子から論理「1」がAND22に出力される。この際、AND22の出力端子から出力される論理「1」がタイマT21に入力される。
動作タイミングt5では、タイマT21において所定時間が経過して出力端子が論理「0」から論理「1」に切り替わり、AND23の入力端子に論理「1」が入力される。
この結果、AND23の両方の入力端子には論理「1」が入力されるので、AND23の出力端子から論理「1」が1Lトリップ信号としてD/O遮断制御部に出力される。
回線選択保護継電装置13のD/O遮断制御部は、AND23からの1Lトリップ信号を受け付けて、B端子側の遮断器CB3を遮断する。
これにより、並行2回線送電線1L上の遮断器CB1の近方に地絡事故#3を検出した場合に、回線選択保護継電装置11が並行2回線送電線1L上の遮断器CB1を遮断し、所定時間だけ遅延した後に回線選択保護継電装置13が並行2回線送電線1L上の遮断器CB3を遮断するので、分岐送電線対策器151GSにより遮断時間を遅らせて遮断器の動作を防止することができる。
<第1事故#1での動作タイミング>
次に、図23は、本発明の一実施形態に係るA端子に設けられた回線選択保護継電装置11及びB端子に設けられた回線選択保護継電装置13が対応可能な第1事故#1に係る動作タイミングt0〜t2を示すタイミングチャートである。
動作タイミングt2では、A端子側の回線選択保護継電装置11は、送電線1L上の遮断器CB1を遮断(t2)する。
一方、B端子側の回線選択保護継電装置13は、送電線1L上の遮断器CB3を遮断(t2)する。
これにより、並行2回線送電線1L上の中間点の近方、但し分岐送電線対策器151GSが設定した範囲外の地絡事故#1を検出した場合に、回線選択保護継電装置13が並行2回線送電線1L上の遮断器CB3を遮断し、ほぼ同時に、回線選択保護継電装置11が並行2回線送電線1L上の遮断器CB1を遮断するので、並行2回線送電線の端子に設けられた遮断器の不要な誤動作を防止することができる。
<第2事故#2での動作タイミング>
次に、図24は、本発明の一実施形態に係るA端子に設けられた回線選択保護継電装置11及びB端子に設けられた回線選択保護継電装置13が対応可能な第2事故#2に係る動作タイミングt0〜t3を示すタイミングチャートである。
動作タイミングt2では、B端子側の回線選択保護継電装置13は、送電線1L上の遮断器CB3を遮断(t2)する。
一方、動作タイミングt3では、A端子側の回線選択保護継電装置11は、送電線1L上の遮断器CB1を遮断(t3)する。
これにより、並行2回線送電線1L上の遮断器CB3の近方に地絡事故#2を検出した場合に、回線選択継電装置11は、地絡事故電流が並行2回線送電線1Lと並行2回線送電線2Lでほぼ同量流れるので、回線選択継電装置11は動作しない。一方、回線選択保護継電装置13は並行2回線送電線1L上の遮断器CB3を遮断し、その後、回線選択保護継電装置11には並行2回線送電線1Lに地絡事故電流が全量流れるため、地絡回線選択継電器150Gが動作して並行2回線送電線1L上の遮断器CB1を遮断するので、並行2回線送電線の端子に設けられた分岐送電線対策器による遮断時間を遅らせた遮断器の動作を防止することができる。
<本発明の実施態様例の構成、作用、効果>
<第1態様>
本態様の並行2回線送電線保護システム1は、電気所のA端子に敷設された母線3Aを介して並行に接続され、且つA端子から遠方のB端子に接続される送電線1L、及び送電線2Lと、B端子に敷設され、且つ送電線1L、及び送電線2Lに接続される母線3Bと、送電線1L上にある分岐点から分岐して接続されたB線と、B線に接続される第3母線と、第3母線から遠方に接続されるC線と、A端子側に配置され、送電線1Lを遮断可能に母線3Aに接続する遮断器CB1と、A端子側に配置され、送電線2Lを遮断可能に母線3Aに接続する遮断器CB2と、B端子側に配置され、送電線1Lを遮断可能に母線3Bに接続する遮断器CB3と、B端子側に配置され、送電線2Lを遮断可能に母線3Bに接続する遮断器CB4と、分岐点Eから遠方のC端子の近方側に配置され、B線を遮断可能に接続する遮断器CB5と、C端子の遠方側に配置され、C線を遮断可能に接続する遮断器CB6と、A端子側に配置され、地絡事故時に保護すべき並行2回線送電線を選択する回線選択保護継電装置11と、B端子側に配置され、地絡事故時に保護すべき並行2回線送電線を選択する回線選択保護継電装置13と、C端子の遠方側に配置され、地絡事故時に保護すべき送電線を選択する保護継電装置15と、を備えた並行2回線送電線保護システムであって、回線選択保護継電装置11は、母線3Aから取得した電圧データ、送電線1L、及び送電線2Lから取得した電流データに基づいて地絡事故#5を検出して、1Lトリップ信号、又は/及び2Lトリップ信号を生成する事故検出シーケンス部11eと、1Lトリップ信号に応じて第1遮断指令を生成して、遮断器CB1に出力するとともに、2Lトリップ信号に応じて第2遮断指令を生成して、遮断器CB2に出力するD/O遮断制御部11fと、を備え、保護継電装置15は、B線上の遮断器CB6よりも遠方のC線の地絡事故を検出した場合に、遮断器CB6を遮断するためのトリップ制御信号を生成し、回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eは、B線上の負荷点までの方向距離に係わる地絡事故を検出した場合に、当該地絡事故に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に検出信号が無効になったときには、1Lトリップ信号、又は/及び2Lトリップ信号の生成を中止することを特徴とする。
本態様によれば、保護継電装置15は、B線上の遮断器CB6よりも遠方のC線の地絡事故#5を検出した場合に、遮断器CB6を遮断するためのトリップ命令信号を生成する。一方、回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eは、C線上の負荷点までの方向距離に係わる地絡事故#5を検出した場合に、当該地絡事故#5に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に検出信号が無効になったときには、1Lトリップ信号の生成を中止する。
これにより、並行2回線送電線のうちの1回線送電線上の分岐点から分岐された送電線上での事故があった場合でも、保護継電装置15が作動して遮断器CB6を遮断する一方、回線選択保護継電装置11が当該地絡事故#5に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に検出信号が無効になったときには、1Lトリップ信号の生成を中止するので、並行2回線送電線の端子に設けられた遮断器の不要な誤動作を防止することができる。
<第2態様>
本態様の回線選択保護継電装置13は、B線上の遮断器CB5よりも近方側の地絡事故#4を検出した場合に、遮断器CB3を遮断するための1Lトリップ信号を生成し、回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eは、B線上の地絡事故を検出した場合に、当該地絡事故に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に検出信号が無効になったときには、1Lトリップ信号の生成を中止することを特徴とする。
本態様によれば、回線選択保護継電装置13は、B線上の遮断器CB5よりも近方側の地絡事故#4を検出した場合に、遮断器CB3を遮断するための1Lトリップ信号を生成する。一方、回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eは、B線上の地絡事故を検出した場合に、当該地絡事故に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に検出信号が無効になったときには、1Lトリップ信号の生成を中止する。
これにより、並行2回線送電線のうちの1回線送電線上の分岐点から分岐されたC線上での事故があった場合でも、回線選択保護継電装置13は、遮断器CB3を遮断するための1Lトリップ信号を生成する。一方、回線選択保護継電装置11は、当該地絡事故に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に検出信号が無効になったときには、1Lトリップ信号の生成を中止するので、並行2回線送電線の端子に設けられた遮断器の不要な誤動作を防止することにある。
<第3態様>
本態様の回線選択保護継電装置13は、並行2回線送電線1L上の中間点の近方に地絡事故#1を検出した場合に、遮断器CB3を遮断するための1Lトリップ信号を生成し、回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eは、地絡事故#1を検出した場合に、遮断器CB1を遮断するための1Lトリップ信号を生成することを特徴とする。
本態様によれば、回線選択保護継電装置13は、並行2回線送電線1L上の中間点の近方に地絡事故#1を検出した場合に、遮断器CB3を遮断するための1Lトリップ制御信号を生成する。一方、回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eは、地絡事故#1を検出した場合に、遮断器CB1を遮断するための1Lトリップ信号を生成する。
これにより、並行2回線送電線1L上の中間点の近方に地絡事故#1を検出した場合に、回線選択保護継電装置13が並行2回線送電線1L上の遮断器CB3を遮断し、ほぼ同時に、回線選択保護継電装置11が並行2回線送電線1L上の遮断器CB1を遮断するので、並行2回線送電線の端子に設けられた遮断器の不要な誤動作を防止することができる。
<第4態様>
本態様の回線選択保護継電装置13は、並行2回線送電線1L上の遮断器CB3の近方に地絡事故#2を検出した場合に、遮断器CB3を遮断するための1Lトリップ信号を生成し、回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eは、遮断器CB3が遮断後に遮断器CB1を遮断するための1Lトリップ信号を生成する。
これにより、並行2回線送電線1L上の遮断器CB3の近方に地絡事故#2を検出した場合に、回線選択保護継電装置13が並行2回線送電線1L上の遮断器CB3を遮断し、後に回線選択保護継電装置11が並行2回線送電線1L上の遮断器CB1を遮断するので、並行2回線送電線の端子に設けられた遮断器の不要な誤動作を防止することができる。
<第5態様>
本態様の回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eは、並行2回線送電線1L上の遮断器CB1の近方に地絡事故#3を検出した場合に、遮断器CB1を遮断するための1Lトリップ信号を生成し、遮断器CB1が遮断後に回線選択保護継電装置13は、地絡事故#3を検出した場合に、遮断器CB3を遮断するための1Lトリップ信号を生成することを特徴とする。
本態様によれば、回線選択保護継電装置11の事故検出シーケンス部11eは、並行2回線送電線1L上の遮断器CB1の近方に地絡事故#3を検出した場合に、遮断器CB3を遮断するための1Lトリップ信号を生成し、遮断器CB1が遮断後に回線選択保護継電装置13は、地絡事故#3を検出した場合に、遮断器CB3を遮断するための1Lトリップ信号を生成する。
これにより、並行2回線送電線1L上の遮断器CB3の近方に地絡事故#3を検出した場合に、回線選択保護継電装置11が並行2回線送電線1L上の遮断器CB1を遮断し、回線選択保護継電装置13が並行2回線送電線1L上の遮断器CB3を遮断するので、並行2回線送電線の端子に設けられた遮断器の不要な誤動作を防止することができる。
なお、上述した本発明の一実施形態では、並行2回線送電線1L上の分岐点から分岐送電線について説明したが、並行2回線送電線2L上の分岐点から分岐送電線においても同様の機能を持たせることができる。
また、上述した本発明の一実施形態では、地絡事故について説明したが、分岐送電線上に発生する短絡事故に関しても同様の機能を持つことができる。
さらに、並行2回線送電線1Lまたは並行2回線送電線2L上に複数の分岐送電線が分岐した場合においても、同様の機能を持つことができる。
1…並行2回線送電線保護システム、11…回線選択保護継電装置、11e…事故検出シーケンス部、11f…D/O遮断制御部、13…保護継電装置、15…保護継電装置、1L…送電線、2L…送電線、3A…母線、3B…母線、CB1〜6…遮断器

Claims (5)

  1. 電気所の第1端子に敷設された第1母線を介して並行に接続され、且つ前記第1端子から遠方の第2端子に接続される第1回線送電線、及び第2回線送電線と、
    前記第2端子に敷設され、且つ前記第1回線送電線、及び前記第2回線送電線に接続される第2母線と、
    前記第1回線送電線上にある分岐点から分岐して接続された第3送電線と、
    前記第3送電線に接続される第3母線と、
    前記第3母線から遠方に接続される第4送電線と、
    前記第1端子側に配置され、前記第1回線送電線を遮断可能に前記第1母線に接続する第1遮断器と、
    前記第1端子側に配置され、前記第2回線送電線を遮断可能に前記第1母線に接続する第2遮断器と、
    前記第2端子側に配置され、前記第1回線送電線を遮断可能に前記第2母線に接続する第3遮断器と、
    前記第2端子側に配置され、前記第2回線送電線を遮断可能に前記第2母線に接続する第4遮断器と、
    前記分岐点から遠方の第3端子の近方側に配置され、前記第3送電線を遮断可能に接続する第5遮断器と、
    前記第3端子の遠方側に配置され、前記第4送電線を遮断可能に接続する第6遮断器と、
    前記第1端子側に配置され、事故時に保護すべき回線送電線を選択する第1回線選択保護継電装置と、
    前記第2端子側に配置され、事故時に保護すべき送電線を選択する第2回線選択保護継電装置と、
    前記第3端子の遠方側に配置され、事故時に保護すべき回線送電線を選択する保護継電装置と、を備えた並行2回線送電線保護システムであって、
    前記第1回線選択保護継電装置は、
    前記第1母線から取得した電圧データ、前記第1回線送電線、及び前記第2回線送電線から取得した電流データに基づいて事故を検出して、第1トリップ制御信号、又は/及び第2トリップ制御信号を生成する事故検出部と、
    前記第1トリップ制御信号に応じて第1遮断指令を生成して、前記第1遮断器に出力するとともに、前記第2トリップ制御信号に応じて第2遮断指令を生成して、前記第2遮断器に出力する遮断制御部と、を備え、
    前記保護継電装置は、前記第4送電線の事故を検出した場合に、前記第6遮断器を遮断するためのトリップ制御信号を生成し、
    前記第1回線選択保護継電装置の前記事故検出部は、前記第4送電線上の前記事故を検出した場合に、当該事故に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に前記検出信号が無効になったときには、第1トリップ制御信号、又は/及び第2トリップ制御信号の生成を中止することを特徴とする並行2回線送電線保護システム。
  2. 前記第2回線選択保護継電装置は、前記第3送電線上の前記第5遮断器よりも近方側の事故を検出した場合に、前記第3遮断器を遮断するためのトリップ制御信号を生成し、
    前記第1回線選択保護継電装置の前記事故検出部は、前記第3送電線上の事故を検出した場合に、当該事故に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、当該所定時間内に前記検出信号が無効になったときには、前記第1トリップ制御信号、又は/及び前記第2トリップ制御信号の生成を中止することを特徴とする請求項1記載の並行2回線送電線保護システム。
  3. 前記第2回線選択保護継電装置は、前記第1回線送電線上の中間点の近方に事故を検出した場合に、前記第3遮断器を遮断するためのトリップ制御信号を生成し、
    前記第1回線選択保護継電装置の前記事故検出部は、前記事故を検出した場合に、前記第1遮断器を遮断するための前記第1トリップ制御信号を生成することを特徴とする請求項1記載の並行2回線送電線保護システム。
  4. 前記第2回線選択保護継電装置は、前記第1回線送電線上の前記第3遮断器の近方に事故を検出した場合に、前記第3遮断器を遮断するためのトリップ制御信号を生成し、
    前記第1回線選択保護継電装置の前記事故検出部は、前記事故を検出した場合に、当該事故に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、前記第1遮断器を遮断するためのトリップ制御信号を生成することを特徴とする請求項1記載の並行2回線送電線保護システム。
  5. 前記第1回線選択保護継電装置の前記事故検出部は、前記第1回線送電線上の前記第1遮断器の近方に事故を検出した場合に、前記第1遮断器を遮断するためのトリップ制御信号を生成し、
    前記第2回線選択保護継電装置は、前記事故を検出した場合に、当該事故に係る検出信号を所定時間だけ遅延させ、前記第3遮断器を遮断するためのトリップ制御信号を生成することを特徴とする請求項1記載の並行2回線送電線保護システム。
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