JP4602271B2 - 平行2回線送電線の保護方式 - Google Patents

平行2回線送電線の保護方式 Download PDF

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Description

本発明は、片側回線に分岐電源を有する平行2回線送電線の保護方式に関する。
電力系統における平行2回線送電線の保護方式として、回線選択リレー方式がある。
この回線選択リレー方式は、1Lおよび2L送電線が平衡している状態で、平常時や保護対象である送電線の外部事故の場合には2回線送電線の各回線に流れる電流の大きさと方向が等しくなるのに対し、内部事故の場合は事故回線に流入する電流が大きくなることを利用して事故回線を選択する保護方式であり、送電線の各端子に回線選択リレー装置を設置して平行2回線の送電線保護システムを構築している(例えば非特許文献1)。
2002年3月15日 発行 電気学会 大浦好文監修「保護リレーシステム工学」 171−174頁
ところで、回線選択リレー方式では、平行2回線の片回線の途中を分岐して発電所に連系されているような不平衡分岐(以降T分岐電源と称す。)があると、回線選択リレーが誤動作する可能性がある(非特許文献1の173頁参照)。
以下、このT分岐電源のある平行2回線送電線を回線選択リレー方式により保護する場合の課題について図4〜図7を用いて説明する。
図4は、平行2回線の片回線、例えば送電線2Lの途中を分岐して発電所に連系されたT分岐電源を有する平行2回線送電線を示す構成図である。
図4において、1,2は背後に電源15を有するA端子(電源端)及び非電源のB端子(非電源端)の各母線間を連系する送電線(1L),(2L)で、A端子側の各送電線1,2に遮断器9,10が、B端子側の各送電線1,2には遮断器11,12がそれぞれ設けられ、また送電線2の途中を分岐して分岐電源16に連系されている。
一方、13はA端子側に設置された回線選択リレー装置で、この回線選択リレー装置13には変成器7により検出される母線電圧と送電線1,2に設けられた変流器3,4により検出されるA端子側の各回線の電流がそれぞれ入力される。
また、14はB端子側に設置された回線選択リレー装置で、この回線選択リレー装置14には変成器8により検出される母線電圧と送電線1,2に設けられた変流器5,6により検出されるB端子側の各回線の電流がそれぞれ入力される。
次にこのような構成の平行2回線送電線の保護方式について述べるに、事故電流の方向が保護対象送電線の内部に流入する電流を正、外部に流出する電流を負とし、またT分岐電源より供給される電流で、回線選択リレー装置に取込まれない電流は省略して説明する。
いま、片側回線の送電線2に内部事故fが発生すると、A端子の電源より送電線1、B端子を介して送電線2に供給される電流(If1L)25と、A端子の電源より直接送電線2に供給される電流(If2L)と、T分岐電源よりB端子、送電線1及びA端子を介して送電線2に供給される電流(IGfB)28とが事故点に向ってそれぞれ流れる。
ここで、事故が送電線2の事故点21にて発生した場合の各端子の交差電流を1L基準(1L−2L)で示すと次式となる。
<A端子1L基準交差電流(IARY1L)>
IARY1L=(If1L−IGfB)−(If2L+IGfB)
=If1L−If2L−2IGfB …… (1)
<B端子1L基準交差電流(IBRY1L)>
IBRY1L=(−If1L+IGfB)−(If1L−IGfB)
=−2If1L+2IGfB …… (2)
(1)式において、If1LとIf2LはA端電源より供給される電流で、電源より事故点が2LなのでIf1L<If2Lの関係があると言える。このため、IARY1Lは負の値となり、A端子の回線選択リレー装置13は、2L送電線への事故電流の流入を検出し、2L事故と判定できる。
(2)式において、If1LとIGfBは異なる電源より供給される電流であることから、If1LとIGfBの大小関係を特定することはできず、If1L>IGfBまたはIf1L<IGfBの双方があり得る。
一方、B端子の回線選択リレーは、If1L>IGfBの場合、2Lへの事故電流の流入を検出して2L事故と判断するが、If1L<IGfBの場合、1Lへの事故電流の流入を検出し、1L事故と判定し不要遮断を生じる。
次に分岐電源のない送電線1に内部事故fが発生した場合を図5により説明する。
図5において、送電線1に内部事故fが発生すると、前述同様にA端子の電源より送電線1に供給される電流25と、送電線2及びB端子を介して送電線1に供給される電流26が事故点に向って流れる。また、T分岐電源16より供給される電流28も前記同様に事故点に向かって流れるが、T分岐電源より供給される電流のうちA端子を介して事故点に流れる電流27(IGfA)も考慮しなければならない。
ここで、事故が送電線1の事故点22にて発生した場合の各端子の交差電流を1L基準(1L−2L)で示すと次式となる。
<A端子1L基準交差電流(IARY1L>
IARY1L=(If1L+IGfA)−(If2L−IGfA)
=If1L−If2L+2IGfA …… (3)
<B端子1L基準交差電流(IBRY1L>
IBRY1L=(If2L+IGfB)−(−If2L−IGfB)
=2If2L+2IGfB …… (4)
(3)式において、If1LとIf2LはA端電源より供給される電流で、電源より事故点が1LなのでIf1L>If2Lの関係であると言える。このため、IARY1Lは正の値となることから、A端子の回線選択リレーは、1Lへの事故電流の流入を検出し1L事故と判定できる。
(4)式において、IBRY1Lも正の値となるから、B端子の回線選択リレーは、1Lへの事故電流の流入を検出して1L事故と判定できる。
このことにより、事故点がT分岐電源のない送電線1Lの内部事故では正常に1L事故と判定することができる。
次にA端子の背後事故(A端外部事故)を発生した場合を図6により説明する。
図6において、A端外部事故が発生すると、A端電源より供給される電流は流れず、T分岐電源16より送電線2、A端子を介して供給される電流27と、送電線2、B端子、送電線1及びA端子を介して供給される電流28が事故点23に向かって流れる。
ここで、事故がA端外部の事故点23にて発生した場合の各端子の交差電流を1L基準(1L−2L)で示すと次式となる。
<A端子1L基準交差電流(IARY1L>
IARY1L=(−IGfB)−(−IGfA)
=−IGfB+IGfA …… (5)
<B端子1L基準交差電流(IBRY1L>
IBRY1L=IGfB−(−IGfB)
=2IGfB …… (6)
(5)式において、IGfBとIGfAはT分岐電源16より供給される電流で、T分岐電源16より事故点が2LなのでIGfA>IGfBの関係があると言える。このため、IARY1Lは正の値となることよりA端子の回線選択リレーは、誤って1Lへの事故電流の流入を検出し、誤って1L事故と判定してしまう。
(6)式において、IBRY1Lは正の値となることよりB端子の回線選択リレーは、1Lへの事故電流の流入を検出し、誤って1L事故と判定してしまう。
このことより、事故点がA端外部では、A端、B端ともに1L事故と判定し不要遮断を生じる。
次にB端子の背後(B端外部事故)を発生した場合を図7により説明する。
図7において、B端外部事故が事故点24にて発生すると、A端子より送電線1及びB端子を介して供給される電流25と、A端子より送電線2及びB端子を介して供給される電流26と、分岐電源16より送電線2、A端子、送電線1及びB端子を介して供給される電流27と、分岐電源16より送電線2及びB端子を介して供給される電流28とが事故点24に向って流れる。
ここで、事故点24にて発生した場合の各端子の交差電流を1L基準(1L−2L)で示すと次式となる。
<A端子1L基準交差電流(IARY1L>
IARY1L=(If1L+IGfA)−(If2L−IGfA)
=If1L−If2L+2IGfA ……(7)
<B端子1L基準交差電流(IBRY1L>
IBRY1L=−If1L−IGfA−(−If2L−IGfB)
=−If1L+If2L−IGfA+IGfB …… (8)
(7)式において、If1LとIf2LはA端電源より供給される電流であり、2Lの分岐電源16から電流供給があっても1Lと2Lの電圧降下が同一となるためにはIf1L≧If2Lの関係となる。従って、IARY1Lは正の値となり、A端子の回線選択リレー13は、1Lへの事故電流の流入を検出し1L事故と判定する。
(8)式において、2Lに分岐電源16があるので、(If1L+IGfA)<(If2L+IGfB)となり、IBRY1Lは正の値となる。従ってB端子の回線選択リレー14は、1Lへの事故電流の流入を検出し、1L事故と判定する。
以上述べたように、事故点がB端外部であっても、A端子の回線選択リレー13、B端子の回線選択リレー14ともに1L事故と判定し不要な遮断を生じる。
以上のようにT分岐電源のある平行2回線送電線では、T分岐電源より供給される事故電流により、下記の如く事故回線を正しく判定することができないないという問題を生じる。
(1)電源端外部事故を送電線1L(T分岐電源の分岐されない回線)の内部事故と誤る。
(2)非電源端外部事故も同様に送電線1Lの内部事故と誤る。
(3)送電線2L(T分岐電源の分岐する回線)の内部事故では、1端子が正しく送電線2L事故と判定するが、残りの端子においては送電線1Lの内部事故と誤判定する可能性がある。
(4)送電線1L(T分岐電源のない回線)の内部事故では正しく送電線1L事故として判定するが、前記外部事故による1L事故との区別がつかない。
かかる課題を解決する方法として、各端子に電流差動リレー装置を設置して、伝送路を介して各端子の電流データを送受信することにより、各回線の差動演算を行って事故検出を行なう電流差動リレー方式を適用する方法がある。
しかしながら、電流差動リレー方式を適用する場合は、各端子に通信設備を設置して端子間に伝送路を構築する必要があると共に、保護リレー装置自体も伝送機能を実装した電流差動リレー装置とする必要があるため、システム構築のコストが高くなるという問題がある。
特に、これまで回線選択リレー方式にて保護を行っていた送電線にT分岐電源の分岐が追加されることにより、既存の各端子の回線選択リレー装置をすべて電流差動リレー装置に置き換えて全ての端子に通信設備を用意することが必要となり、保護システムを切替えるためのコストが非常に高くなると言う問題があった。
そこで、本発明の目的は、既に回線選択リレー方式による保護が行われている平行2回線送電線にT分岐電源の分岐が生じた場合でも、簡単且つ安価にして保護システム切替えを行うことができる平行2回線送電線の保護方式を提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成するため、次のような手段により平行2回線送電線を保護するものである。
本発明は、平行2回線送電線の片回線に分岐電源が接続された2回線送電線の保護方式において、前記2回線送電線の各端子にそれぞれ設置され、各端子の電圧、電流データを取込んで事故の有無を判定し、事故があると判定されると動作してその事故回線を選択出力する回線選択リレーと、前記分岐電源が接続された回線を設定する分岐電源設定手段と、
前記回線選択リレーの動作出力と前記分岐電源設定手段により設定された回線設定出力とが入力され、前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のある回線の出力か否かを判定し、前記回線選択リレーの動作出力がT分岐電源のある回線の出力であると判定すると瞬時保護出力とし、分岐電源のない回線の出力であると判定すると動作遅延タイマにより所定時間動作遅延させて保護出力する時間協調手段とを備える。
また、本発明は、平行2回線送電線の片回線に分岐電源が接続された2回線送電線の保護方式において、前記2回線送電線の各端子にそれぞれ設置され、各端子の電圧、電流データを取込んで事故の有無を判定し、事故があると判定されると動作してその事故回線を選択出力する回線選択リレーと、前記分岐電源が接続された回線を設定する分岐電源設定手段と、前記回線選択リレーの動作出力と前記分岐電源設定手段により設定された回線設定出力とが入力され、前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のある回線の出力か否かを判定し、前記回線選択リレーの動作出力がT分岐電源のある回線の出力であると判定すると瞬時保護出力とし、分岐電源のない回線の出力であると判定すると動作遅延タイマにより所定時間動作遅延させて保護出力する時間協調手段と、前記2回線送電線の各端子にそれぞれ設けられ、各回線毎の事故電流をそれぞれ検出する過電流リレーと、この過電流リレーが動作し且つ前記時間協調手段による前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のない回線の出力であると判定されたことを条件に前記遅延動作タイマをバイパスさせて瞬時出力とする手段とを備える。
さらに、本発明は、平行2回線送電線の片回線に分岐電源が接続された2回線送電線の保護方式において、前記2回線送電線の各端子にそれぞれ設置され、各端子の電圧、電流データを取込んで事故の有無を判定し、事故があると判定されると動作してその事故回線を選択出力する回線選択リレーと、前記分岐電源が接続された回線を設定する分岐電源設定手段と、前記回線選択リレーの動作出力と前記分岐電源設定手段により設定された回線設定出力とが入力され、前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のある回線の出力か否かを判定し、前記回線選択リレーの動作出力がT分岐電源のある回線の出力であると判定すると瞬時保護出力とし、分岐電源のない回線の出力であると判定すると動作遅延タイマにより所定時間動作遅延させて保護出力する時間協調手段と、前記2回線送電線の各端子にそれぞれ設けられ、各回線毎の事故電流をそれぞれ検出する距離リレーと、この距離リレーが動作し且つ前記時間協調手段による前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のない回線の出力であると判定されたことを条件に前記遅延動作タイマをバイパスさせて瞬時出力とする手段とを備える。
本発明によれば、回線選択リレーの出力を分岐電源のある回線の出力か、分岐電源のない回線の出力かに区別し、T分岐電源の分岐される回線の出力を瞬時出力とし、分岐電源のない回線の出力を動作遅延させて時間協調をとることにより、T分岐電源のある平行2回線送電線の保護を行なうことが可能となり、システム構築の必要がなく、既に回線選択リレー方式による保護が行われている平行2回線送電線にT分岐電源の分岐が生じた場合でも、簡単且つ安価にして保護システムの切替えを行なうことができる。
以下本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明よる平行2回線送電線の保護方式を説明するための第1の実施形態を示す基本的なブロック図である。
図1において、31はT分岐電源のある回線を設定するT分岐設定装置で、このT分岐設定装置31は、T分岐電源の有る回線1L,2Lを設定すると1L,2L設定出力部より論理値1を出力し,T分岐電源が無ければ設定なし出力部より論理値0を出力する。
32は回線選択リレーで、この回線選択リレー32は、図4の各端子に設置される回線選択リレー装置13,14に上記T分岐設定装置31及び後述するロジック回路40と共に実装され、各端子の変流器3、4および変流器5,6を介して各端子の送電線1,2の電流と各端子の変成器7,8を介して電圧データとが導入され、この電流データから算出される交差電流と電圧データとから2回線送電線のどちらかの回線に内部事故があるか否かを判定し、送電線1に内部事故があれば1L出力部より論理値1を出力し、送電線2に内部事故があれば2L出力部より論理値1を出力するものである。この回線選択リレーは、既に公知の内容なので、その詳細な説明は省略する。
40はT分岐設定装置31の各出力と回線選択リレー32の各回線の判定出力とを論理処理して時間協調をとるロジック回路で、このロジック回路40はORゲート41a〜41d、ANDゲート42a〜42d、動作遅延タイマ43a、43bから構成されている。
ここで、ロジック回路40による論理処理内容について述べる。
T分岐設定装置31の1L設定出力と回線選択リレー32の2L出力をANDゲート42cの入力とし、ANDゲート42cの出力を動作遅延タイマ43bの入力とし、動作遅延タイマ43bの出力はORゲート41dを介して2L出力となる。
また、T分岐設定装置31の1L設定出力と設定なし出力をORゲート41aの入力とし、ORゲート41aの出力と回線選択リレー32の1L出力をANDゲート42bの入力とし、ANDゲート42bの出力はORゲート41cを介して1L出力となる。
T分岐設定装置31の2L設定出力と回線選択リレー32の1L出力をANDゲート42aの入力とし、ANDゲート42aの出力を動作遅延タイマ43aの入力とし、動作遅延タイマ43aの出力はORゲート41cを介して1L出力となる。
また、T分岐設定装置31の2L設定出力と設定なし出力をORゲート41bの入力とし、ORゲート41bの出力と回線選択リレー32の2L出力をANDゲート42dの入力とし、ANDゲート42dの出力はORゲート41dを介して2L出力となる。
この1L出力および2L出力は、論理値1のとき各々の回線のしゃ器9〜12にそれぞれ引き外し指令として与えられる。
上記ロジック回路40において、動作遅延タイマ43a,43bは、T分岐電源16の繋がる回線の内部事故で誤動作の可能性のある片端子を直列しゃ断するまでの条件であり、遮断器の遮断時間と回線選択リレーの復帰時間の和とするか、または外部事故を母線保護または隣回線送電線保護により除去するまでの条件として、母線保護動作時間+遮断器の遮断時間の和または隣回線主保護の動作時間+遮断器の遮断時間の和とし、これらの条件の中で一番長い時間以上動作が遅延するように整定されている。
次に上記のように構成された回線選択リレー装置による保護動作について述べる。
平行2回線の途中に発電所が片回線だけに分岐しているような不平衡分岐がある場合の回線選択リレーの応動は、発明が解決しようとする課題で既に述べたと同様なのでその説明を省略し、ここでは図4〜図7に示す各事故時の動作について説明する。
まず、T分岐送電線を分岐している送電線2の内部事故時の応動を述べる。
いま、T分岐電源設定装置31にT分岐電源の有る回線2Lが設定されているものとする。この状態で、図4に示すようにT分岐電源16を有する送電線2に内部事故が発生すると、A端子の回線選択リレー32は2L出力となり、この2L出力とT分岐電源設定装置31の2L設定出力とのAND条件がANDゲート42dにより満たされるので、ORゲート41dより瞬時に2L出力し、A端子の送電線2に設けられた遮断器10に引き外し指令が与えられる。
一方、B端子の回線選択リレー32はA端子電源より供給される事故電流とT分岐電源より供給される事故電流の大小関係により1Lまたは2L出力となる。
回線選択リレー32が2L出力の場合、この2L出力とT分岐電源設定装置31の2L設定出力とのAND条件がANDゲート42dにより満たされるので、ORゲート41dより瞬時に2L出力し、B端子の送電線2に設けられた遮断器12に引き外し指令が与えられる。
また、回線選択リレー32が1L出力の場合、この1L出力とT分岐電源設定装置31の2L設定出力とのAND条件がANDゲート42aにより満たされるが、そのAND出力は動作遅延タイマ43aにより動作が遅延される。その遅延時間の間に、前記A端子の2L出力により遮断器10が引き外れた後、A端子電源からの事故電流が送電線1を介して事故点に流れる事故電流に変わり、回線選択リレー32の出力が1L出力から2L出力に変わるので、T分岐電源設定装置31の2L設定出力とのAND条件がANDゲート42dにより満たされて2L出力し、B端子の送電線2に設けられた遮断器12に引き外し指令が与えられる。
次にA端子の背後またはB端子の背後に外部事故が発生した場合について述べる。
いま、図6または図7に示すようにA端外部事故またはB端外部事故が発生すると、A端子およびB端子の回線選択リレー32は共に1L出力となり、T分岐電源設定装置31の2L設定とのAND条件がANDゲート42aにより満たされるが、そのAND出力は動作遅延タイマ43aにより動作が遅延され、その遅延時間の間に母線保護動作または隣回線主保護動作により外部事故が除去されて回線選択リレー32が復帰するので、A端子およびB端子共に1L出力は論理値0となり、送電線1の遮断器9,11に引き外し指令は出されない。
次に、T分岐のない送電線1Lの内部事故時の応動について述べる。
いま、図5に示すようにT分岐電源のない送電線1Lに内部事故が発生すると、A端子およびB端子の回線選択リレー32は共に論理値1の1L出力となり、T分岐電源設定装置31の2L設定出力とのAND条件がANDゲート42aにより満たされるが、そのAND出力は動作遅延タイマ43aにより動作が遅延された後、この動作遅延タイマ43aの動作によりORゲート41を介して論理値1の1L出力により各端子の送電線1に設けられた遮断器9,11に引き外し指令が与えられる。
以上のように、回線選択リレーの出力を分岐電源のある回線の出力か、分岐電源のない回線の出力かに区別し、T分岐電源の分岐される回線の出力を瞬時出力とし、分岐電源のない回線の出力を動作遅延させて時間協調をとることにより、T分岐電源のある平行2回線送電線の保護を行なうことができる。
また、既に回線選択リレー装置にて保護が行われていた送電線にT分岐電源の分岐が生じた場合でも保護システムの切替えのコストが抑制できる。
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態を示す基本構成図であり、前記第1の実施形態と同一の構成となる部分については重複した説明を省略する。
本実施形態は、図2に示すように図1の構成に加えて送電線1Lの電流データを入力する過電流リレー33、送電線2Lの電流データを入力する過電流リレー34、ANDゲート42e、ANDゲート42fを設けたものである。
そして、過電流リレー33の出力と前述したANDゲート42aの出力とをANDゲート42eの入力とし、このANDゲート42eの出力をORゲート41cの入力として追加し、1L出力としている。
また、過電流リレー34の出力と前述したANDゲート42cの出力をANDゲート42fの入力とし、このANDゲート42fの出力をORゲート41dの入力として追加し、2L出力としている。
次に上記のように構成された回線選択リレー装置による保護動作について述べる。
本実施形態は、第1の実施形態と同一の作用となる部分については重複した説明を省略する。
本実施形態は、動作遅延タイマ43a,43bを過電流リレー33、34の出力によりバイパスさせる構成としたことにある。
この過電流リレー33,34は回線毎に設けられ、その動作感度は外部事故時の事故電流には動作せず、保護対象となる送電線内部事故時の事故電流により動作する整定としてある(非特許文献1の178頁参照)。
すなわち、前述した第1の実施形態ではT分岐電源のない送電線1Lの内部事故時は、動作遅延タイマ43aにより1L出力が遅延されるため、1L内部事故時の事故除去が遅くなる。
第2の実施形態では、T分岐電源のない送電線1の内部事故時の事故電流により過電流リレー33が動作することにより、動作遅延タイマ43aをバイパスし、1L出力の高速化を図り、1L遮断器に引き外し指令を与えることができるので、送電線1の内部事故時も高速に事故除去することが可能となる。
このように、過電流リレーの動作感度を、T分岐電源のない回線の内部事故時に流れる電流値を検出する整定とし、T分岐電源のない回線の出力に過電流リレーの動作条件を動作遅延タイマと並行してOR出力とすることで、分岐電源のない回線の内部事故時も高速度に事故除去を行なうことができる。
(第3の実施形態)
図3は本発明の第3の実施形態を示す基本構成図であり、前記第2の実施形態と同一の構成となる部分については重複した説明を省略する。
本実施形態では、図3に示すように送電線1の電流データを入力する図2の過電流リレー33に代えて距離リレー35を設け、送電線2の電流データを入力する図2の過電流リレー34に代えて距離リレー36を設ける構成としたものである。
次に上記のように構成された回線選択リレー装置による保護動作について述べる。
本実施形態は、前記第2の実施形態と同一の作用となる部分については重複した説明を省略する。
本実施形態では、第2の実施形態の過電流リレー33,34に代えて距離リレー35,36を設けた構成としたことにある。
この距離リレーは回線毎に設けられ、動作感度を相手母線より手前の保護対象送電線のインピーダンスを整定している(非特許文献1の174,175頁参照)。
すなわち、前述した第2の実施形態では、T分岐電源のない送電線1の内部事故を過電流リレー33の動作により検出しているが、本実施形態では距離リレーの動作により内部事故を検出することにより、第2の実施形態と同様に動作遅延タイマ43aをバイパスし、1L出力の高速化を図り、1L遮断器に引き外し指令を与えることができるので、送電線1の内部事故時も高速に事故除去することが可能となる。
このように第3の実施形態では、過電流リレー33,34を距離リレー35,36に置き換えることにより、T分岐電源のない回線の内部事故を距離リレー35,36にて検出し、T分岐電源のない回線の出力に距離リレーの動作条件を動作遅延タイマと並行してOR出力とすることで、分岐電源のない回線の内部事故時も高速度に事故除去を行なうことができる。
なお、前述した各実施形態では、保護対象として2端子の送電線を保護する場合について述べたが、3端子の送電線を保護する場合にも、前述同様に適用実施できるものである。
本発明による平行2回線送電線の保護方式を説明するための第1の実施形態を示す基本的なブロック図。 本発明による平行2回線送電線の保護方式を説明するための第2の実施形態を示す基本的なブロック図。 本発明による平行2回線送電線の保護方式を説明するための第3の実施形態を示す基本的なブロック図。 従来の分岐電源のある平行2回線送電線において、分岐電源のある回線に事故が発生したときの状態を示す系統構成図。 同じく分岐電源のある平行2回線送電線において、分岐電源のない回線に事故が発生したときの状態を示す系統構成図。 同じく分岐電源のある平行2回線送電線において、電源端に外部事故が発生したときの状態を示す系統構成図。 同じく分岐電源のある平行2回線送電線において、非電源端に外部事故が発生したときの状態を示す系統構成図。
符号の説明
1…送電線1L、2…送電線2L、3…A端1L変流器、4…A端2L変流器、5…B端1L変流器、6…B端2L変流器、7…A端変成器、8…B端変成器、9…A端1L遮断器、10…A端2L遮断器、11…B端1L遮断器、12…B端2L遮断器、13…A端回線選択リレー装置、14…B端回線選択リレー装置、15…電源、16…T分岐電源、21…2L内部事故点、22…1L内部事故点、23…A端外部事故点、24…B端外部事故点、25…事故電流1L、26…事故電流2L、27…T分岐電源よりの事故電流(A端側)、28…T分岐電源よりの事故電流(B端側)、31…T分岐電源設定、32…回線選択リレー、33…過電流リレー(入力:1L)、34…過電流リレー(入力:2L)、35…距離リレー(入力:1L)、36…距離リレー(入力:2L)、40…ロジック回路、41a〜41d…ORゲート、42a〜42f…ANDゲート、43a,43b…動作遅延タイマ

Claims (4)

  1. 平行2回線送電線の片回線に分岐電源が接続された2回線送電線の保護方式において、
    前記2回線送電線の各端子にそれぞれ設置され、各端子の電圧、電流データを取込んで事故の有無を判定し、事故があると判定されると動作してその事故回線を選択出力する回線選択リレーと、
    前記分岐電源が接続された回線を設定する分岐電源設定手段と、
    前記回線選択リレーの動作出力と前記分岐電源設定手段により設定された回線設定出力とが入力され、前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のある回線の出力か否かを判定し、前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のある回線の出力であると判定すると瞬時保護出力とし、分岐電源のない回線の出力であると判定すると動作遅延タイマにより所定時間動作遅延させて保護出力する時間協調手段と
    を備えたことを特徴とする平行2回線送電線の保護方式。
  2. 平行2回線送電線の片回線に分岐電源が接続された2回線送電線の保護方式において、
    前記2回線送電線の各端子にそれぞれ設置され、各端子の電圧、電流データを取込んで事故の有無を判定し、事故があると判定されると動作してその事故回線を選択出力する回線選択リレーと、
    前記分岐電源が接続された回線を設定する分岐電源設定手段と、
    前記回線選択リレーの動作出力と前記分岐電源設定手段により設定された回線設定出力とが入力され、前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のある回線の出力か否かを判定し、前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のある回線の出力であると判定すると瞬時保護出力とし、分岐電源のない回線の出力であると判定すると動作遅延タイマにより所定時間動作遅延させて保護出力する時間協調手段と、
    前記2回線送電線の各端子にそれぞれ設けられ、各回線毎の事故電流をそれぞれ検出する過電流リレーと、
    この過電流リレーが動作し且つ前記時間協調手段による前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のない回線の出力であると判定されたことを条件に前記遅延動作タイマをバイパスさせて瞬時出力とする手段と
    を備えたことを特徴とする平行2回線送電線の保護方式。
  3. 平行2回線送電線の片回線に分岐電源が接続された2回線送電線の保護方式において、
    前記2回線送電線の各端子にそれぞれ設置され、各端子の電圧、電流データを取込んで事故の有無を判定し、事故があると判定されると動作してその事故回線を選択出力する回線選択リレーと、
    前記分岐電源が接続された回線を設定する分岐電源設定手段と、
    前記回線選択リレーの動作出力と前記分岐電源設定手段により設定された回線設定出力とが入力され、前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のある回線の出力か否かを判定し、前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のある回線の出力であると判定すると瞬時保護出力とし、分岐電源のない回線の出力であると判定すると動作遅延タイマにより所定時間動作遅延させて保護出力する時間協調手段と、
    前記2回線送電線の各端子にそれぞれ設けられ、各回線毎の事故電流をそれぞれ検出する距離リレーと、この距離リレーが動作し且つ前記時間協調手段による前記回線選択リレーの動作出力が分岐電源のない回線の出力であると判定されたことを条件に前記遅延動作タイマをバイパスさせて瞬時出力とする手段と
    を備えたことを特徴とする平行2回線送電線の保護方式。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の平行2回線送電線の保護方式において、
    前記時間協調手段の前記遅延動作タイマは、前記2回線送電線の各端子に設けられた遮断器の遮断時間と前記回線選択リレーの復帰時間との和とするか、または母線保護動作時間と前記遮断器の遮断時間の和、あるいは隣回線主保護の動作時間と前記遮断器の遮断時間との和の中で、少なくとも最長時間遅延するような整定値が整定されることを特徴とする平行2回線送電線の保護方式。
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