JP4836663B2 - ループ系統保護装置と方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配電線の電力供給に係り、特に、配電線をループ化して大口需要家へ供給するループ系統を構成した場合の保護方式に関する。
配電系統をループ系統とした場合には、ループ系統事故時にループ点における事故回線選択が重要になり、この回線選択が変電所側の保護装置が動作する前に的確に行えない場合は、電源である変電所側でループ回線が全て遮断され、大口需要家を含め当該配電線から受電していた需要家が停電するという問題がある。
さらに、大口需要家は、自家発電設備や、負荷としての誘導電動機を有することから、事故発生時にはこれらが電源となって事故電流を供給することになるため、この需要家からの事故電流分で事故回線の判定を誤る可能性がある。このループ系統の保護については、例えば、特許文献1に記載の発明が提案されている。
また、特別高圧線路での平行多回線保護の場合は、非特許文献1に記載されている方法がある。この方法は、図8に示すような平行2回線において、外部事故時F1には両回線の差電流がほぼ「0」となること、および内部事故時F2には事故回線の電流の方が大きいことを利用したものである。
特開平9−44508 「電気工学ハンドブック第6版(19編:保護リレーと監視制御装置、1.2.3:回線選択保護リレー)」電気学会、2001年2月発行、 「保護継電技術」(小林進著)電気書院、昭和46年発行
しかし、特許文献1に記載の従来発明は、樹枝状の配電線とループ系統構成した配電線とで、系統構成に応じて変電所での事故検出遮断方式を変更するものであり、ループ点を遮断できないため、やはりループ系統全体が停電してしまうという問題がある。ループ系統の場合は、ループ点での事故検出遮断が変電所の保護装置と協調を取って適切に行われれば、変電所の保護方式を変更する必要はないため、そのような事故検出遮断を実現することが課題となっている。
また、図8に示した従来方式は、2回線のインピーダンスがほぼ同じであるという前提に成り立つ方式であるため、配電線のように線種がそれぞれ異なっている場合や、3回線、4回線系統に対してそのまま適用することはできない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ループ系統内での事故時に、大口需要家からの事故電流供給の影響を受けることなく、ループ点で事故回線を的確に選択遮断し、変電所側の保護装置と容易に協調を取って、停電範囲を最小化可能なループ系統保護装置と方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、ループを構成する各回線のインピーダンス比に基づき、各回線の補償電流を求めて各回線に流れる電流を補償し、各回線の補償後の電流に基づき、事故回線を判定することにより、大口需要家からの事故電流供給の影響を除去して、高感度な事故回線判定を可能としたものである。
本発明のループ系統保護装置は、複数の配電線をループ化して電力を供給するループ系統を保護する装置において、電流加算手段、補償電流算出手段、補償後電流算出手段、事故回線判定手段、および遮断指令手段を有することを特徴としている。ここで、電流加算手段は、ループ点における各回線電流の合計電流を求める手段である。補償電流算出手段は、ループを構成する各回線のインピーダンス比と前記電流加算手段で得られた合計電流に基づき、各回線の補償電流を求める手段である。補償後電流算出手段は、ループを構成する各回線の電流と前記補償電流算出手段で得られた補償電流に基づき、各回線の補償後の電流を求める手段である。事故回線判定手段は、前記補償後電流算出手段で得られた各回線の補償後の電流に基づき、事故回線を判定する手段である。遮断指令手段は、前記事故回線判定手段で事故回線を判定した場合に、前記ループ点の当該事故回線の遮断器を開放する遮断指令を出力する手段である。
本発明におけるループ系統保護方法は、上記装置の特徴を、方法の観点から把握したものである。
本発明によれば、ループ系統内での事故時に、大口需要家からの事故電流供給の影響を受けることなく、ループ点で事故回線を的確に選択遮断し、変電所側の保護装置と容易に協調を取って、停電範囲を最小化可能である。
以下には、本発明を適用した複数の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
[第1の実施形態]
[構成]
図1は、本発明を適用した第1の実施形態に係るループ系統保護装置を組み込んだ配電系統を示す系統図である。この図1においては、一例として、3回線のループ系統を構成した場合を示しているが、本発明において、ループ系統を構成する回線数はこれに限定されるものではなく、ループ系統は、任意の数の回線数により構成可能である。
この図1において、1は配電用変電所の母線、2は配電線、3はループ系統の母線、4は配電線の負荷線、5はループ系統を構成している配電線のインピーダンスをそれぞれ示している。また、6Aは配電用変電所の遮断器、6Bはループを構成する遮断器、7Aは配電用変電所の電流変成器(CT)、7Bはループ点の電流変成器(CT)、8はループ点の電圧変成器(VT)をそれぞれ示している。さらに、9は大口需要家、10は本実施形態に係るループ系統保護装置を示している。
なお、この図1を含む各図面中において、アルファベット小文字の「a」、「b」、「c」は、ループ系統を構成する3回線における同一の要素を、各回線を区別して示す添え字であり、「d」は、ループ系統以外の回線を示す添え字である。これに対して、各図面中におけるアルファベット大文字の「A」、「B」等は、配置、機能、または構成の異なる要素を区別するための添え字である。
図2は、図1に示す第1の実施形態に係るループ系統保護装置10の構成を示すブロック図である。この図2に示すように、本実施形態のループ系統保護装置10は、電流入力部101、電流変換部102、インピーダンス比格納部103、電流計算部104、事故回線判定部105、遮断指令部106を有する。
電流入力部101は、ループ点における各回線の電流変成器7Ba〜7Bcの出力をループ系統保護装置10に入力する機能部である。電流変換部102は、入力した各回線電流を、ループ系統保護装置10内で取り扱い易いデータ形式、すなわち、後段の電流計算部104および事故回線判定部105で取り扱い易いデータ形式の情報に変換する機能部である。インピーダンス比格納部103は、ループを構成する各回線のインピーダンス比を格納しており、電流計算部104の動作時にインピーダンス比を渡す機能部である。
電流計算部104は、電流変換部102で変換された各回線電流とインピーダンス比格納部103に格納されているインピーダンス比を用いて、電流計算を行う機能部であり、電流加算部111、補償電流算出部112、補償後電流算出部113を有する。電流加算部111は、変換された各回線電流の合計電流を求める機能部である。補償電流算出部112は、インピーダンス比格納部103から与えられる各回線のインピーダンス比と電流加算部111で得られた合計電流に基づき、各回線の補償電流を求める機能部である。補償後電流算出部113は、電流変換部102で変換された各回線電流と補償電流算出部112で得られた補償電流に基づき、各回線の補償後の電流を求める機能部である。
事故回線判定部105は、電流計算部104で得られた各回線の補償後の電流に基づき、事故回線を判定する機能部である。本実施形態において、この事故回線判定部105は、補償後の電流が最大値である回線を事故回線であると判定する。遮断指令部106は、事故回線であると判定された回線のループ点の遮断器6B(6Ba〜6Bcのいずれか)に向けて遮断指令を出力する機能部である。
なお、図2中において、ループ系統保護装置10を構成する各機能部101〜106は、電子回路により実現可能であるが、ディジタルリレーにおいて、これらの機能部101〜106を電子チップとソフトウェアの組合せで実現可能であることは言うまでもない。
[ループ系統に流れる事故電流]
図3は、図1に示す配電系統において、事故時にループ回線に流れる事故電流を説明する図である。なお、図3では、図面の簡略化の観点から、事故電流の説明に不要な構成要素は適宜省略して示している。以下には、この図3を参照しながら、本実施形態の事故回線判定部105により事故電流が大口需要家9側の事故であるか否かを判定するために使用する事故電流の計算式について説明する。
図3は、図1に示す配電系統の3回線ループ系統で、変電所側の背後電源インピーダンスをZs、変電所側から流れ込む電流をIf、事故時に大口需要家9の自家発電設備や誘導電動機から供給される電流をIjとして示している。この図3においてはまた、ループ系統の各回線電流をIba〜Ibcとし、各回線の線路インピーダンスの値をZa、Zb、Zcとして示している。
この図3において、ループ系統外の回線の事故時(外部事故時)F1に、ループ系統の回線の各端子に大口需要家9側から流れる各回線電流Iba〜Ibcは、各回線のインピーダンス比で分流するため、次の式(1)、(2)で表される。
Figure 0004836663
また、ループ系統内の回線の事故時(内部事故時)、例えば、事故回線がa回線で、事故点が配電用変電所からa回線の線路長のXである場合(F2)に、ループ端子に流れる各回線電流Iba〜Ibcは、大口需要家9の電流を無視すると、次の式(3)で表される。
Figure 0004836663
さらに、この式(3)は、前記式(2)より、次の式(4)で表される。
Figure 0004836663
また、ループ系統内の回線の事故時(内部事故時)、例えば、事故回線がa回線で、事故点が配電用変電所からa回線の線路長のXである場合(F2)に、ループ端子に流れる各回線電流Iba〜Ibcは、変電所からの電流を無視(変電所の電源を短絡)すると、次の式(5)で表される。
Figure 0004836663
したがって、ループ系統内の回線の事故時(内部事故時)、例えば、事故回線がa回線で、事故点が配電用変電所からa回線の線路長のXである場合(F2)に、実際に流れる電流は、前記式(3)と式(5)式の加算であるが、このような内部事故時F2においては、大口需要家からの電流より変電所からの電流の方が大きいため、ここでは、大口需要家からの電流を無視して説明する。
いま、ループ点において、ループ系統内の事故回線を、ループ系統内の各回線電流の大きさで判定するものとすると、上述したような外部事故時F1に動作しない感度とする必要がある。そのため、事故回線判定においては、前記式(1)で示した電流では不動作(内部事故以外と判定)とする必要がある。また、内部事故時に健全回線に事故回線電流より大きな電流が流れる場合は、この保護方式は採用できないことになる。
これらの問題は、ループを構成している各線路のインピーダンスが等しくないことから生じるものであるため、端子に流れる電流を、このインピーダンス比で補正すれば、各回線に流れる電流の大きさで事故回線を判定可能であり、第1の実施形態は、このような事故回線判定方式を採用したものである。
[作用]
以下には、図1および図2に示す第1の本実施形態に係るループ系統保護装置10の作用について説明する。
まず、ループ系統を構成する3回線の電流変成器7Ba〜7Bcの二次側電流を、回線毎の電流入力部101により入力し、回線毎の電流変換部102により、ループ系統保護装置10内で取り扱い易いデータ形式の情報にそれぞれ変換する。具体的には、電流変成器7Ba〜7Bcとループ系統保護装置10の構成およびこれらの装置間の通信構成や伝送方式に応じて、アナログデータをディジタルデータに変換したり、通信データから必要な情報のみを抽出したり、あるいは、圧縮または暗号化されたデータを元のデータに復元するなどの、何らかのデータ変換処理を行う。
電流計算部104では、電流変換部102で変換された各回線電流とインピーダンス比格納部103に格納されているインピーダンス比を用いて、電流計算を行う。ここで、インピーダンス比格納部103に格納されているインピーダンス比としては、前記式(2)で表される各回線のインピーダンス比Ka〜Kcがそれぞれ設定されている。
電流計算部104においてはまず、電流加算部111により、ループを構成する3回線の各回線電流Iba〜Ibcを加算して合計電流ITを求める。そして、補償電流算出部112により、得られた合計電流ITと各回線のインピーダンス比Ka〜Kcを用いて各回線の補償電流を求め、補償後電流算出部113により、各回線電流から補償電流を差し引いて各回線の補償後の電流Iba’〜 Ibc’を求める。
ここで、電流加算部111により得られる合計電流ITは、次の式(6)で表され、また、補償後電流算出部113により得られる各回線の補償後の電流Iba’〜 Ibc’は、次の式(7)で表される。
Figure 0004836663
ここで、式(6)に示すループ各回線電流の合計電流ITは、外部事故時(図3のF1)には、前記式(1)から、次の式(6’)に示すように、「Ij」となり、この場合に、式(7)で得られる各回線の補償後の電流Iba’〜 Ibc’は「0」となる。
Figure 0004836663
また、ループ系統の内部事故時(図3のF2)には、前記式(4)から、前記式(6)の合計電流ITは「0」となり、前記式(7)に示す各回線の補償後の電流Iba’〜 Ibc’は、各回線の端子電流そのものの値となる。また、式(3)から判るように、この場合には、事故回線の電流が最大となる。
本実施形態はこのような関係を利用して事故回線を判定するものである。すなわち、事故回線判定部105は、このような各回線の補償後の電流Iba’〜 Ibc’を用いて、次の式(8)が成立する場合に、内部事故であると判定し、補償後の電流Iba’〜 Ibc’のうち、絶対値が最大の回線を事故回線と判定し、遮断指令部106を通じて、ループ点の当該事故回線の遮断器に開放指令を出力し、当該遮断器を開放する。
Figure 0004836663
[効果]
以上のような第1の実施形態によれば、ループを構成する各回線のインピーダンス比に基づき、各回線の補償電流を求めて各回線に流れる端子電流を補償し、各回線の補償後の電流に基づき、事故回線を判定することにより、大口需要家からの事故電流供給の影響を除去して、高感度な事故回線判定を実現できる。
したがって、ループ系統内の内部事故時には、大口需要家からの事故電流供給の影響を受けることなく、事故回線を確実かつ迅速に判定可能であり、変電所側の保護装置と容易に協調を取って、ループ点の事故回線の遮断器を開放して迅速に事故除去可能であるため、停電範囲を最小化可能である。すなわち、事故回線を、変電所側の保護装置の動作時間以前にループ点で遮断できるため、ループ系統全体の停電を防止でき、需要家の負荷に対して安定して電力供給継続可能である。
[第2の実施形態]
[構成]
図4は、本発明を適用した第2の実施形態に係るループ系統保護装置10Aの構成を示すブロック図である。この図4に示すように、本実施形態のループ系統保護装置10Aは、第1の実施形態に係るループ系統保護装置10(図2)の構成に、電圧入力部101Aと電圧変換部102Aを追加すると共に、第1の実施形態における事故回線判定部105の代わりに、異なる機能を有する事故回線判定部105Aを設けたものである。なお、他の構成は、第1の実施形態と同様である。
電圧入力部101Aは、ループ点における電圧変成器8の出力をループ系統保護装置10Aに入力する機能部である。電圧変換部102Aは、入力した電圧を、ループ系統保護装置10内で取り扱い易いデータ形式の情報に変換する機能部である。事故回線判定部105Aは、電流計算部104で得られた各回線の補償後の電流Iba’〜 Ibc’と電圧変換部102Aで変換されたループ点の電圧という2種類の値に基づいて事故方向を判定することで、事故回線を判定する機能を有する。
[作用]
以下には、図4に示す第2の実施形態に係るループ系統保護装置10Aの作用について説明する。なお、本実施形態の基本的な作用は第1の実施形態と同様であるため、ここでは、第1の実施形態と異なる作用についてのみ説明する。
本実施形態において、事故回線判定部105Aは、電圧変換部102Aで変換されたループ点の電圧を方向判定の極性量として、電流計算部104で得られた各回線の補償後の電流Iba’〜 Ibc’の電流位相を判定することにより、事故方向を判定する。
なお、このように、電圧を極性量とし、電流の位相で事故方向を判定する方式としては、既に各種の方式が実用化されており、例えば、次の式(9)、(10)で示すような2つの方式が挙げられる。
Figure 0004836663
また、図5の(a)は式(9)の動作特性例、図5の(b)は式(10)の動作特性例をそれぞれ示す図である。図5の(b)に示すように、式(10)の動作特性では、事故回線判定部105Aは、図5中に示される円内のインピーダンスについての動作条件が満たされた場合に方向判定動作を行う。
式(9)を使用する場合は、定数Ik1の値は、対向端(変電所)近傍事故での補償誤差電流分を考慮した値とする。また、式(10)を採用する場合は、補償誤差電流によりインピーダンスが整定値Zを超えないことが条件である。
ここで、ループ系統の短絡事故時の電圧と電流の位相関係を説明する。なお、配電系統が非接地系統であるため、地絡事故は考慮しない。外部事故時(図3のF1)では、前記式(6)と式(1)より、補償後の電流はほぼ「0」であり、方向判定動作は行われない。内部事故時(図3のF2)における事故回線の補償後の電流とループ点の電圧との位相関係は、例えば、R、S、T相からなる3相のうち、S、T相間の短絡事故を想定した場合、事故相間電流(Is−It)には、事故相間電圧(Vst)に対して線路インピーダンス角の遅れが生じる。
この場合、非事故相間電圧(Vtr)に対して非事故相間電流(It−Ir)は、潮流の影響はあるが、一般に線路のインピーダンス角に約60°加算した方向となり、非事故相間電圧(Vrs)に対して非事故相間電流(Ir−Is)は、線路のインピーダンス角に約60°減算した方向になる。
一方、健全回線の電圧と電流の位相は事故回線の位相と逆位相になる。このような位相関係は、非特許文献2を初めとする多くの文献で既に開示されている周知の事項である。
[効果]
以上のような第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果に加えて、さらに次のような効果が得られる。すなわち、事故回線と健全回線の電圧と各回線の補償後の電流の位相関係に着目して事故方向を判定する方式であるため、位相関係を利用した既存の事故方向判定技術を活用して高感度な事故回線判定を容易に実現できる。
[事故回線判定方式の変形例]
以上のような第2の実施形態において、事故回線判定部105Aにおける具体的な事故回線判定としては、判定に用いる条件や使用する値を適切に選択することにより、より安定した事故回線判定が可能となる。以下には、そのような事故回線判定方式の具体的な変形例について説明する。
[電流値判定条件を追加した変形例]
事故回線判定部105Aにおける事故回線判定方式の具体的な変形例として、事故回線の判定条件に、当該回線の電流が所定値以上流れているという条件を付加することが考えられる。図6は、このような判定条件を付加した場合の事故回線判定部105Aの構成を示すブロック図である。
この図6において、121は、前述したような事故方向判定を行う方向判定要素である。122は、ループ端子の各回線電流が所定値(Iko)以上流れているかどうかを判定する電流値判定要素である。ここで、所定値Ikoとしては、回線の負荷電流より大きな値が整定される。123は、アンド回路であり、このアンド回路123により、事故回線判定部105Aにおける事故回線判定において、方向判定条件に電流値判定方向条件が付加される。
このように、事故回線には必ず電流が流れているという条件を付加することにより、方向判定要素121が電圧回路の不良などで不正動作した場合した場合でも、事故回線判定部105A全体としての不正動作を防止できるため、より確実な事故回線判定が可能になる。
[極性電圧の変形例]
また、事故回線判定部105Aにおける事故方向判定に使用する極性電圧としては、現時点のループ点電圧をそのまま使用する代わりに、図7に示すように、予め設定された所定時間以前の電圧(Vm)を予め設定された定数(k)との乗算結果(メモリ電圧)を現時点のループ点電圧(V)に加算して使用することが望ましい。この極性電圧を使用するのは、以下の理由による。
まず、配電系統でループ系統を構成した場合に、変電所至近端での事故は、電源が変電所側であり、ループ点に事故電流が流れない。このため、変電所側が先行遮断しないとループ端子では事故方向の判定ができないことになる。したがって、ループ点における事故方向判定は、変電所端子の遮断を待って事故方向の判定を行うことになるが、短距離の配電線が多い場合、変電所端子が遮断してもループ端子の電圧が方向判定できる値まで回復できない可能性もある。
したがって、図7に示すように、事故方向判定に用いる極性電圧を、現時点電圧に事故発生以前の電圧を加算した値とすることによって、極性電圧を確立し、事故方向判定を安定して行うことが可能となる。
[他の実施形態]
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な変形例が実施可能である。例えば、図面に示した装置構成は一例にすぎず、具体的な装置構成は適宜選択可能である。また、本発明の保護対象となるループ系統を構成する回線数が任意に選択可能である点については、前述した通りであるが、本発明の適用対象となる配電系統全体の具体的な構成についても、何等限定されるものではない。すなわち、本発明は、任意の回線数のループ系統を含む多種多様な配電系統に同様に適用可能であり、同様に優れた効果が得られるものである。
本発明を適用した第1の実施形態に係るループ系統保護装置を組み込んだ配電系統を示す系統図。 第1の実施形態に係るループ系統保護装置の構成を示すブロック図。 図1に示す配電系統において、事故時にループ回線に流れる事故電流を説明する図。 本発明を適用した第2の実施形態に係るループ系統保護装置の構成を示すブロック図。 第2の実施形態に係るループ系統保護装置において、電圧を極性量とし、電流の位相で事故方向を判定する場合の事故回線判定部の動作特性例を示す図。 第2の実施形態における事故回線判定方式の変形例として、事故回線の判定条件に電流値判定条件を付加した場合の事故回線判定部の構成を示すブロック図。 第2の実施形態における事故回線判定方式の変形例として、事故方向判定に用いる極性電圧の一例を示す図。 従来の平行多回線保護方式の一例を示す図。
符号の説明
1…配電用変電所の母線
2a〜2c…配電線
3…ループ系統の母線
4…配電線の負荷線
5a〜5c…配電線のインピーダンス
6Aa〜6Ad…配電用変電所の遮断器
6Ba〜6Bc…ループを構成する遮断器
7Aa〜7Ad…配電用変電所の電流変成器(CT)
7Ba〜7Bc…ループ点の電流変成器(CT)
8…ループ点の電圧変成器(VT)
9…大口需要家
10,10A…ループ系統保護装置
101…電流入力部
101A…電圧入力部
102…電流変換部
102A…電圧変換部
103…インピーダンス比格納部
104…電流計算部
105,105A…事故回線判定部
106…遮断指令部
111…電流加算部
112…補償電流算出部
113…補償後電流算出部

Claims (5)

  1. 複数の配電線をループ化して電力を供給するループ系統を保護する装置において、
    ループ点における各回線電流の合計電流を求める電流加算手段と、
    ループを構成する各回線のインピーダンス比と前記電流加算手段で得られた合計電流に基づき、各回線の補償電流を求める補償電流算出手段と、
    ループを構成する各回線の電流と前記補償電流算出手段で得られた補償電流に基づき、各回線の補償後の電流を求める補償後電流算出手段と、
    前記補償後電流算出手段で得られた各回線の補償後の電流に基づき、事故回線を判定する事故回線判定手段と、
    前記事故回線判定手段で事故回線を判定した場合に、前記ループ点の当該事故回線の遮断器を開放する遮断指令を出力する遮断指令手段
    を有することを特徴とするループ系統保護装置。
  2. 前記事故回線判定手段は、前記補償後電流算出手段で得られた各回線の補償後の電流と前記ループ点の電圧に基づいて事故方向を判定することで、事故回線を判定するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のループ系統保護装置。
  3. 前記事故回線判定手段は、事故方向の判定により求めた回線に対して、前記補償後電流算出手段で得られた当該回線の補償後の電流が予め設定された所定値以上である場合に、当該回線を事故回線と判定するように構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のループ系統保護装置。
  4. 前記事故回線判定手段は、事故方向の判定に使用するループ点電圧として、予め設定された所定時間前の電圧と予め設定された定数との乗算結果を現時点の電圧に加算して得られる値を使用するように構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のループ系統保護装置。
  5. 複数の配電線をループ化して電力を供給するループ系統を保護する方法において、
    電流加算手段、補償電流算出手段、補償後電流算出手段、事故回線判定手段、および遮断指令手段を用いて、
    前記電流加算手段により、ループ点における各回線電流の合計電流を求める電流加算処理と、
    ループを構成する各回線のインピーダンス比と前記電流加算処理で得られた合計電流に基づき、前記補償電流算出手段により各回線の補償電流を求める補償電流算出処理と、
    ループを構成する各回線の電流と前記補償電流算出処理で得られた補償電流に基づき、前記補償後電流算出手段により、各回線の補償後の電流を求める補償後電流算出処理と、
    前記補償後電流算出処理で得られた各回線の補償後の電流に基づき、前記事故回線判定手段により事故回線を判定する事故回線判定処理と、
    前記事故回線判定処理で事故回線を判定した場合に、前記遮断指令手段により、前記ループ点の当該事故回線の遮断器を開放する遮断指令を出力する遮断指令処理
    を行うことを特徴とするループ系統保護方法。
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