JP2014081322A - 正相1相電圧による地絡検出方法及びその装置 - Google Patents

正相1相電圧による地絡検出方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】1相分の計器用変圧器しか設置していない電気所、例えば一回線受電所や個別受電所などでも地絡を検出できるようにすること。
【解決手段】正相1相の電圧のみを検出する計器用変圧器の検出値が規定の閾値を超えたかどうかを判定し(ステップS101)、計器用変圧器の検出値が規定の閾値を超えた場合、電気所よりも需要者側に設置されて2相又は3相の不足電圧を検出すると動作信号を出力する不足電圧継電器から動作信号を受信したかどうかを判定し(ステップS103、ステップS104)、不足電圧継電器から動作信号を受信しなかったならば地絡が発生したと判定する(ステップS105、ステップS106)。地絡の発生を判定した場合にはその旨を例えば表示器に表示する(ステップS107)。
【選択図】図4

Description

本発明は、3相のうち1相分の電圧のみを計器用変圧器によって計測する電気所において正相1相電圧によって地絡を検出するようにした正相1相電圧による地絡検出方法及びその装置に関する。
変電所においては一般的に、3相分の全ての電圧を計器用変成器(例えば計器用変圧器)で監視している。つまり変電所の受電設備には保護継電器が3相分設けられているのが通常である。保護継電器は送配電経路や負荷設備に発生した短絡・地絡を計器用変成器によって検出し、故障区間を選択して電力系統より切り離すよう遮断器に制御信号を送り出す。遮断器−母線−変圧器−配電線という回路構成になっているため、遮断器の遮断によって故障区間の切り離しが可能になるわけである。
ところで電気所の設備は大小様々であり、場所によっては受電するのみで保護継電器がない電気所もある。いわゆる一回線受電所や個別受電所である。このような電気所は計器用変圧器を3相分設置しておらず、1相分しか設置していないことが多い。1相分の計器用変圧器は電圧の有無を検出する用途で設置されている。
保護継電器の備えがない電気所で短絡が発生した場合、給電側の変電所に設置された保護継電器がこれを検出して遮断器を自動で遮断動作させる。このため特段の問題は生じない。問題は地絡が発生した場合である。地絡の場合には遮断器の遮断動作が行なわれないからである。また当然のことながら計器用変圧器が1相分しか設置されていない電気所では零相電圧の検出ができず、したがって地絡が発生したことを知ることができない。
地絡の検出については特許文献1に記載がある。この文献は、零相電圧を監視して1線地絡事故を検出して地絡過電圧リレーを自動で開動作させる技術(地絡過電圧リレー方式)を開示している(特許文献1の第1頁右欄第13行〜第2頁左下欄第10行目参照)。
また特許文献2は、PT(計器用変圧器)の各相電圧値から1線地絡を検出することを開示している(特許文献2の段落0019参照)。1線地絡時に3相の相電圧のうちの1相のみの電圧が小さくなることに着目して地絡事故を検出する技術である。より具体的には、
・零相電圧V0と所定の設定電圧値Vkとを比較した場合、零相電圧が設定電圧値Vk以上であること
・各相電圧Va,Vb,Vcの何れか1相のみの電圧が設定電圧値Vk以下であること
のアンド条件が成立したときに1線地絡と判断する(特許文献2の段落0025参照)。
特開平11−308757号公報 特開昭63−117617号公報
特許文献1、2に記載された発明はいずれも零相電圧の検出を地絡検出の前提としている。このため計器用変圧器が1相分しか設置されていない電気所ではその適用が不可能である。3相それぞれに計器用変圧器が設置されていなければ零相電圧を検出することができないからである。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、1相分の計器用変圧器しか設置していない電気所、例えば一回線受電所や個別受電所などでも地絡の発生を検出できるようにすることを目的とする。
本発明の正相1相電圧による地絡短絡判定方法は、電気所に設置されて正相1相の電圧のみを検出する計器用変圧器の検出値が規定の閾値を超えたかどうかを判定する第1の判定工程と、前記電気所よりも需要者側に設置されて2相又は3相の不足電圧を検出すると動作信号を出力する不足電圧継電器から動作信号を受信する受信工程と、前記計器用変圧器の検出値が規定の閾値を超えた場合、前記不足電圧継電器から動作信号を受信しなかったならば地絡が発生したと判定する第2の判定工程と、を備えることによって上記課題を解決した。
本発明の正相1相電圧による地絡短絡判定装置は、電気所に設置されて正相1相の電圧のみを検出する計器用変圧器の検出値が規定の閾値を超えたかどうかを判定する第1の判定手段と、前記電気所よりも需要者側に設置されて2相又は3相の不足電圧を検出すると動作信号を出力する不足電圧継電器から動作信号を受信する受信手段と、前記計器用変圧器の検出値が規定の閾値を超えた場合、前記不足電圧継電器から動作信号を受信しなかったならば地絡が発生したと判定する第2の判定手段と、を備えることによって上記課題を解決した。
本発明によれば、正相1相の電圧のみを検出する計器用変圧器の検出値が規定の閾値を超えたことを検出することによって短絡及び地絡の発生を判定し、このとき電気所よりも需要者側に設置されて2相又は3相の不足電圧を検出すると動作信号を出力する不足電圧継電器から動作信号を受信していないことを確認することによって地絡の発生のみを絞り込んで判定することができ、したがって、1相分の計器用変圧器しか設置していない電気所であっても地絡の発生を検出することができる。
正相3相(a相、b相、c相)の電圧ベクトルを示す図であり、(a)は正常時、(b)はa相地絡時(ケース1)、(c)はb相地絡時(ケース2)、(d)はb相とc相との間の短絡時(ケース3)、(e)はa相とb相との間の短絡時(ケース4)、(f)は3相間の短絡時(ケース5)、(g)はb相とc相との地絡時(ケース6)、(h)はa相とb相との地絡時(ケース7)におけるそれぞれの電圧ベクトルを示す模式図。 個々のケースでのa相電圧の大きさを予め設定された閾値(lowTH(V)及びHighTH(V))と共に示すグラフ。 実施の一形態である正相1相電圧による地絡検出方法を実施する地絡検出装置のハードウェア構成図。 正相1相電圧による地絡検出の処理の流れを示すフローチャート。
実施の一形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、正相1相電圧による地絡検出方法及びその装置への適用例である。
説明は次の項目に沿って行なう。
1.対象となる電気所
2.正相1相電圧による地絡検出の原理
(1)概要
(2)第一段階目の処理
(3)第二段階目の処理
(4)まとめ
3.地絡検出装置のハードウェア構成
4.地絡検出装置が実行する処理手順
(1)第1の判定工程・手段
(2)第1のサブ工程・手段
(3)受信工程・手段、第2の工程・手段、第2のサブ工程・手段
(4)報知工程・手段
5.作用効果
6.変形例
1.対象となる電気所
本実施の形態の地絡検出方法及びその装置が適用される電気所は、受電するのみで保護継電器がない電気所、いわゆる一回線受電所や個別受電所である。計器用変圧器31を3相分設置しておらず、1相分しか設置していない。したがって1相分の電圧しか計測することができない。
本実施の形態の地絡検出方法及びその装置は、このような1相分の電圧しか計測することができない一回線受電所や個別受電所などのような電気所でもそこで発生した地絡を検出できるようにすることを意図している。つまり正相1相電圧による地絡検出を実現する方法及び装置である。
2.正相1相電圧による地絡検出の原理
(1)概要
図1は正相3相(a相、b相、c相)の電圧ベクトルを示す模式図である。
電路11(図3参照)はa相とb相とc相との三相で交流の電気を需要家に送り届けている。これらのa相、b相、及びc相の電圧はそれぞれ120度ずつ位相をずらされている。したがって正常時には、a相とb相とc相との間には120度の位相差が発生している。これを表しているのが図1(a)である。
図1(a)は正常時における各相の電圧ベクトルを示している。図1(a)中、実線で示す矢印はa相の電圧ベクトルである。a相から120度時計方向に進んだ点線で示す矢印はb相の電圧ベクトルである。そしてb相から更に120度時計方向に進んだ点線で示す矢印はc相の電圧ベクトルである。a相、b相、及びc相を示すベクトル矢印の出発点は中性点を示している。
本実施の形態の地絡検出装置は3相のうちの1相、ここではa相の電圧だけを計器用変圧器31によって検出する。そして検出したa相の電圧が規定の閾値を越えた場合、2相又は3相の不足電圧を検出すると動作信号を出力する不足電圧継電器(図示せず)から動作信号を受信しなかったならば地絡が発生したと判定する。これが正相1相電圧による地絡検出の原理である。
何故このような手法でもって地絡の検出が可能なのであろうか。これについて以下解説する。
(2)第一段階目の処理
まず図1(b)〜(h)に示す七つの状況が発生したと仮定し、その時の各相(a相、b相、c相)の状態を観察する。七つの状況は次のとおりである。
≪ケース1≫ a相に地絡発生(図1(b))
≪ケース2≫ b相に地絡発生(図1(c))
≪ケース3≫ b相とc相との間に短絡発生(図1(d))
≪ケース4≫ a相とb相との間に短絡発生(図1(e))
≪ケース5≫ 3相の間に短絡発生(図1(f))
≪ケース6≫ b相とc相とに地絡発生(図1(g))
≪ケース7≫ a相とb相とに地絡発生(図1(h))
図1(b)はケース1の場合の各相の状態を示している。
a相に地絡が発生した場合、各相の位相は図1(b)に示すように変化する。そしてa相の電圧が低下し、逆にb相及びc相の電圧が上昇する。具体的には地絡したa相の電圧は0(V)になり、健全相であるb相及びc相の電圧は√3倍まで上昇する(ただし完全地絡の場合)。例えば正常時の正相電圧が63.5(V)であると想定すると、完全地絡の場合のb相及びc相の電圧は約110(V)になる。完全地絡でない場合には、a相の電圧は0(V)近くに低下し、b相及びc相の電圧は約110(V)近くまで上昇する。
図1(c)はケース2の場合の各相の状態を示している。
b相に地絡が発生した場合、各相の位相は図1(c)に示すように変化する。そしてb相の電圧が低下し、逆にa相及びb相の電圧が上昇する。具体的には地絡したb相の電圧は0(V)になり、健全相であるa相及びc相の電圧は√3倍まで上昇する(ただし完全地絡の場合)。例えば正常時の正相電圧が63.5(V)であると想定すると、完全地絡の場合のa相及びc相の電圧は約110(V)になる。完全地絡でない場合には、b相の電圧は0(V)近くに低下し、a相及びc相の電圧は約110(V)近くまで上昇する。
ではc相に地絡が発生した場合はどうなるのか。
図示はしないが電圧ベクトルが図1(c)に示す状態と左右対称に反転する。つまりc相の電圧が低下し、逆にa相及びb相の電圧が上昇する。具体的には地絡したc相の電圧は0(V)になり、健全相であるa相及びb相の電圧は√3倍まで上昇する(ただし完全地絡の場合)。例えば正常時の正相電圧が63.5(V)であると想定すると、完全地絡の場合のa相及びb相の電圧は約110(V)になる。完全地絡でない場合には、c相の電圧は0(V)近くに低下し、a相及びb相の電圧は約110(V)近くまで上昇する。
図1(d)はケース3の場合の各相の状態を示している。
b相とc相と間に短絡が発生した場合、各相の位相は図1(d)に示すように変化する。このときa相の電圧は変化せず、b相及びc相の電圧が同じ値だけ下降する。
図1(e)はケース4の場合の各相の状態を示している。
a相とb相との間に短絡が発生した場合、各相の位相は図1(e)に示すように変化する。このときc相の電圧は変化せず、a相及びb相の電圧が同じ値だけ下降する。
図1(f)はケース5の場合の各相の状態を示している。
三相の間に短絡が発生した場合、各相の位相は図1(f)に示すように変化する。このときa相、b相及びc相の電圧は共に同じ値だけ下降する。
図1(g)はケース6の場合の各相の状態を示している。
b相及びc相に地絡が発生した場合、各相の位相は図1(g)に示すように変化する。このときa相の電圧が上昇し、b相及びc相の電圧が同じ値だけ下降する。
図1(h)はケース7の場合の各相の状態を示している。
a相とb相との間に短絡が発生した場合、各相の位相は図1(g)に示すように変化する。このときc相の電圧が上昇し、a相及びb相の電圧が同じ値だけ下降する。
図2はa相電圧の大きさを予め設定された閾値と共に示すグラフである。
本実施の形態では上記ケース1〜7という七つの状況でのa相の電圧の大きさに着目する。何故a相かというと、a相の電圧だけが計器用変圧器31によって検出されるからである。
(3)第二段階目の処理
ここで思い出してもらいたことは本実施の形態の方法及び装置の意図である。
前述したとおり本実施の形態ではそもそも地絡の検出を意図としている。したがって真に検出したいのは上記ケース1及び2(c相地絡の場合も含む)の状況である。これらの状況が発生したことを検出するために本実施の形態は、計器用変圧器31によって検出したa相の電圧の大きさを観察している。つまりa相に地絡が発生したケース1の場合にはa相の電圧が小さくなり、b相に地絡が発生したケース2の場合にはa相の電圧は反対に大きくなる(c相地絡の場合も同様)。そこでこのような電圧の変動を検出することで上記ケース1及び2の状況の発生を判定するわけである。
より詳細には、ケース1の場合にa相がとる完全地絡の場合の電圧値0(V)にある程度のマージンをとったlowTH(V)を規定の下限値とする。またケース2の場合にa相がとる完全地絡の場合の電圧値約110(V)にある程度のマージンをとったHighTH(V)を規定の上限値とする。そこでlowTH(V)及びHighTH(V)を規定の閾値として設定し、計器用変圧器31が検出した本来63.5Vであるa相の電圧の値がlowTH(V)又はHighTH(V)を越えたかどうかを判定し、これをもって上記ケース1及び2(c相地絡の場合も含む)の状況の発生を推定する。
ところがここで問題が発生する。
計器用変圧器31が検出したa相の電圧の値が規定の閾値であるlowTH(V)又はHighTH(V)を越えたかどうかという判定手法では、上記ケース4〜7として例示した短絡の場合の状況も検出してしまうからである。つまりこの手法では地絡と短絡とを判別できないわけである。
したがってケース4〜7の状況をノイズとして排除しなければならない。
もっとも上記ケース6及び7は地絡が発生している状況なのではないかとの疑問が生ずるかもしれない。前述したように本実施の形態の方法及び装置が意図しているのは地絡の検出である。にもかかわらず何故ケース6及び7の状況をノイズとして排除しなければならないのか。その答えを知るには何故に1相分の電圧しか計測しない電気所で地絡を検出したいのかということにまで遡る必要がある。
先述したように、1相分の電圧しか計測しない電気所で短絡が発生した場合、給電側の変電所に設置された保護継電器がこれを検出して遮断器を自動で遮断動作させる。ところが地絡の場合にはそうはいかない。遮断器が遮断動作しないのである。当然のことながら計器用変圧器が1相分しか設置されていなければ零相電圧の検出ができないので地絡の発生を知ることができない。これが1相分の電圧しか計測しない電気所で地絡を検出したい理由である。
では先のケース6及び7の場合はどうか。これらの場合、地絡ではあっても保護継電器による遮断器の自動遮断動作が実行されるのである。したがって1相分の電圧しか計測しない電気所でケース6及び7の状況が発生したことを知る必要がない。これが本実施の形態においてケース6及び7の状況をノイズとして排除する理由である。
ケース4〜7の状況をノイズとして排除する話題に戻る。このようなノイズの排除のために本実施の形態では、電気所よりも需要者側に設置された不足電圧継電器(図示せず)の動作信号を利用する。不足電圧継電器は、2相又は3相の不足電圧を検出すると動作信号を出力する。つまりケース3〜7のような状況が発生すると動作信号を出力するわけである。例えばケース3の場合、不足電圧継電器はb相とc相との2相の不足電圧を検出するので動作信号を出力する。ケース4の場合はa相とb相との2相、ケース5の場合には3相、ケース6の場合にはb相とc相との2相、そしてケース7の場合にはa相とb相との2相の不足電圧をそれぞれ検出し、動作信号を出力する。これに対してケース1と2の場合には2相又は3相の不足電圧を検出せず、したがって不足電圧継電器は動作信号を出力しない。そこで不足電圧継電器の動作信号を取り込めるようにすることで、ケース4〜7の状況をノイズとして排除することが可能となる。
(4)まとめ
したがって本実施の形態の地絡判定方法及びその装置は、
(条件1)
計器用変圧器31が検出した正常時63.5Vであるa相の電圧の値がlowTH(V)又はHighTH(V)を越えたこと
(条件2)
不足電圧継電器から動作信号を受信していないこと
という二つの条件が揃ったことをもって、電気所に地絡が発生したと判定する。
3.地絡検出装置のハードウェア構成
地絡検出装置の中核をなすのは制御部101である。制御部101は電路11の1相分にのみ設置された計器用変圧器31に接続され、計器用変圧器31の出力である1相の電圧値を取り込む。このような制御部101は一例としてマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略称)を主体として構成されている。マイコンは各種処理を実行するマイクロプロセッサ(CPU)とメモリとを備え、マイクロプロセッサがメモリに保存しているプログラムを読み込んでプログラムに従った処理を実行する。
制御部101は計器用変圧器31がアナログ信号として出力する1相の電圧値をA/Dコンバータで二値化し、これをサンプリングして量子化し、マイコンのI/Oに入力する(各部はすべて図示せず)。
制御部101は受信ポート(図示せず)を備え、この受信ポートにもう一種類の重要な信号を受信する。27リレー、つまり不足電圧継電器(図示せず)からの動作信号である。不足電圧継電器(UVR)は周知のように電路11の電圧が規定値よりも下がった場合に動作する継電器であり、停電や短絡などに伴う電圧低下の警報用などに用いられる。より詳細には2相又は3相の不足電圧を検出すると動作信号を出力する。本実施の形態ではこうして不足電圧継電器が出力する動作信号を制御部101が受信ポートを介して受信する。
制御部101は受信ポートを介して受信したアナログ信号である不足電圧継電器の動作信号をA/Dコンバータで二値化し、マイコンのI/Oに入力する。
制御部101は更に表示器102を接続している。地絡が発生したと判定した場合、制御部101はその判定結果を表示器102に表示して報知する。
4.地絡検出装置の処理手順
(1)第1の判定工程・手段
制御部101は、正相1相電圧に変動が生じたかどうかの判定に待機している(ステップS101)。つまり計器用変圧器31から1相分の電圧値をマイコンに取り込み、マイコンでその電圧値が規定の下限値であるlowTH(V)を下回ったかどうか、また規定の上限値であるHighTH(V)を上回ったかどうかを判定する。
この判定は、図1及び図2中のケース1、2に例示する地絡が電気所に発生しているか、そしてケース4〜7に例示する短絡(あるいは二相の地絡)が電気所に発生しているかを確かめるための判定である。
ケース1、2に例示するような地絡やケース4〜7に例示するような短絡(あるいは二相の地絡)が発生していなければ、制御部101のマイコンは正相1相電圧に変動が生じないと判定する(ステップS101のNO)。この場合には地絡が発生していないのでそのままステップS101の待機判定処理にリターンする。
(2)第1のサブ工程・手段
これに対してケース1、2に例示するような地絡やケース4〜7に例示するような短絡(あるいは二相の地絡)が発生した場合、制御部101のマイコンは正相1相電圧が変動したと判定する(ステップS101のYES)。そこでこの場合マイコンは、地絡のみを判定したいがために短絡(あるいは二相の地絡)をノイズとして排除するための処理を実行する(ステップS103又は104)。
ただその前に電圧検出層であるa相に地絡が発生したのかそれ以外のb相又はc相に地絡が発生したのかを判別するための処理を実行する(ステップS102)。つまり制御部101のマイコンは、ステップS101で判定した正相1相電圧の変動が上昇なのかどうかを判定する(ステップS102)。
(3)受信工程・手段、第2の工程・手段、第2のサブ工程・手段
制御部101のマイコンは、正相1相電圧の上昇ではないこと、つまりは下降であると判定した場合には(ステップS102のNO)、ここで初めて27リレー、つまり不足電圧継電器から動作信号を受信したかどうかを判定する(ステップS103)。
不足電圧継電器は2相又は3相の不足電圧を検出すると動作信号を出力する。例えば図1及び図2中のケース4〜7に例示するような短絡(あるいは二相の地絡)が発生した場合である。したがって制御部101のマイコンは、不足電圧継電器から動作信号を受信したと判定した場合にはケース4〜7に例示するような短絡(あるいは二相の地絡)が発生しているはずなのでステップS101の待機判定処理にリターンする。これによって短絡(あるいは二相の地絡)現象がノイズとして排除される。
これに対して制御部101のマイコンは、不足電圧継電器から動作信号を受信していないと判定した場合には地絡が発生したと判定する(ステップS105)。この場合の地絡はケース1に例示するような地絡、つまり電圧検出相であるa相の地絡である。正相1相電圧が下降していたからである(図1、図2、ステップS102参照)。
一方、制御部101のマイコンは、ステップS102の処理で正相1相電圧の上昇であるであると判定した場合には(ステップS102のYES)、27リレー、つまり不足電圧継電器から動作信号を受信したかどうかを判定する(ステップS104)。不足電圧継電器から動作信号を受信したと判定した場合にはケース4〜7に例示するような短絡(あるいは二相の地絡)が発生しているはずなのでステップS101の待機判定処理にリターンする。これによって短絡(あるいは二相の地絡)現象がノイズとして排除される。
これに対して制御部101のマイコンは、不足電圧継電器から動作信号を受信していないと判定した場合には地絡が発生したと判定する(ステップS106)。この場合の地絡はケース2に例示するような地絡、つまり電圧検出相であるa相以外のb相又はc相の地絡である。正相1相電圧が上昇していたからである(図1、図2、ステップS102参照)。
(4)報知工程・手段
制御部101のマイコンは、地絡の発生を判定したならば(ステップS105又は107)、その旨を表示器102に表示してオペレーターに報知する(ステップS107)。このときa相に地絡が発生したと判定した場合には(ステップS105)、a相の地絡であることを表示器102に表示する。またb相又はc相に地絡が発生したと判定した場合には(ステップS107)、b相又はc相の地絡であることを表示器102に表示する。
5.作用効果
以上説明したように本実施の形態の地絡検出方法及びその装置は、正相1相の電圧のみを検出する計器用変圧器31の検出値が規定の閾値(lowTH(V)又はHighTH(V))を超えたことを検出することによって短絡及び地絡の発生を判定し、このとき電気所よりも需要者側に設置された不足電圧継電器からの動作信号を受信していないことを確認することによって地絡の発生のみを絞り込んで判定することができる。したがって、1相分の計器用変圧器31しか設置していない電気所であっても地絡の発生を検出することができる。
また本実施の形態の地絡検出方法及びその装置は、電圧検出相であるa相の地絡なのかそれ以外のb相又はc相の地絡なのかを区別して検出し、その結果を表示器102に表示して報知することができる。したがってその後の地絡解決作業の円滑化に貢献する。
6.変形例
実施に際しては各種の変形や変更が可能である。
例えば制御部101は、デジタル回路やシーケンサによって構成することができる。その他にも様々な変形や変更が許容される。
31 計器用変圧器
S101 第1の判定工程、第1の判定手段
S103 第2の判定工程(第2のサブ工程)、第2の判定手段(第2のサブ手段)
S104 第2の判定工程(第2のサブ工程)、第2の判定手段(第2のサブ手段)
S102 第1のサブ工程
S107 報知工程、報知手段

Claims (6)

  1. 電気所に設置されて正相1相の電圧のみを検出する計器用変圧器の検出値が規定の閾値を超えたかどうかを判定する第1の判定工程と、
    前記電気所よりも需要者側に設置されて2相又は3相の不足電圧を検出すると動作信号を出力する不足電圧継電器から動作信号を受信する受信工程と、
    前記計器用変圧器の検出値が規定の閾値を超えた場合、前記不足電圧継電器から動作信号を受信しなかったならば地絡が発生したと判定する第2の判定工程と、
    を備えることを特徴とする正相1相電圧による地絡短絡判定方法。
  2. 前記第1の判定工程は、正相1相電圧の値が上昇したか下降したかを判定する第1のサブ工程を備え、
    前記第2の判定工程は、前記不足電圧継電器から動作信号を受信した場合、前記第1のサブ工程にて正相1相電圧の値の下降が判定されていれば前記計器用変圧器による検出相の地絡を判定し、正相1相電圧の値の上昇が判定されていれば前記計器用変圧器による検出相以外の地絡を判定する第2のサブ工程を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の正相1相電圧による地絡短絡判定方法。
  3. 前記第2の判定工程による判定結果を報知する報知工程を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の正相1相電圧による地絡短絡判定方法。
  4. 電気所に設置されて正相1相の電圧のみを検出する計器用変圧器の検出値が規定の閾値を超えたかどうかを判定する第1の判定手段と、
    前記電気所よりも需要者側に設置されて2相又は3相の不足電圧を検出すると動作信号を出力する不足電圧継電器から動作信号を受信する受信手段と、
    前記計器用変圧器の検出値が規定の閾値を超えた場合、前記不足電圧継電器から動作信号を受信しなかったならば地絡が発生したと判定する第2の判定手段と、
    を備えることを特徴とする正相1相電圧による地絡短絡判定装置。
  5. 前記第1の判定手段は、正相1相電圧の値が上昇したか下降したかを判定する第1のサブ手段を備え、
    前記第2の判定手段は、前記不足電圧継電器から動作信号を受信した場合、前記第1のサブ手段にて正相1相電圧の値の下降が判定されていれば前記計器用変圧器による検出相の地絡を判定し、正相1相電圧の値の上昇が判定されていれば前記計器用変圧器による検出相以外の地絡を判定する第2のサブ手段を備える、
    ことを特徴とする請求項4に記載の正相1相電圧による地絡短絡判定装置。
  6. 前記第2の判定手段による判定結果を報知する報知手段を更に備える、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の正相1相電圧による地絡短絡判定手段。
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